JP3714198B2 - ペースト吐出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性ペーストなどの粘性体とフィラー成分とを混合したスラリー状のペーストを吐出するペースト吐出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体チップなどの電子部品をプリント基板やリードフレームなどに接合する方法として、樹脂接着剤が多用される。樹脂接着剤の種類として樹脂中に金属粉など導電性の成分を添加して接合部に導電性を持たせた導電ペーストが知られている。導電ペーストは、接着剤としての機能を有するとともに、接合部を電気的に導通させることができるので、半導体素子を基板に固着させるとともに基板の電極と導通させる目的などに使用される。
【0003】
この導電ペーストは、主剤としてのエポキシ樹脂、エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤および硬化促進剤などの樹脂接着剤としての成分に、導電性を有する金属粉を混入させたものである。金属粉としては銀粉が多用され、導電性を向上させるために粒状やフレーク状などの各種形状の銀粉を混ぜ合わせたスラリー状で供給される。
【0004】
この導電性ペーストを塗布する塗布装置には、導電性ペーストを吐出する吐出装置が備えられており、従来よりプランジャの往復動によってシリンダ室内に導電性ペーストを吸入し吐出するプランジャ式の吐出装置が知られている。そしてプランジャの往復動による吐出は間欠的にしか行えないことから、吐出を間断なく行って高能率のペースト塗布を行う必用がある場合には、一般に複数のプランジャを備えた多連プランジャ型のペースト吐出装置が用いられる。
【0005】
このような多連プランジャ型のペースト吐出装置は、それぞれのプランジャから順次吐出されるペーストを1つの固定された吐出ポートから吐出させる必要があることから、ポート切り替え機能を備えている。一般にこのポート切換に際しては、プランジャ孔が設けられたシリンダブロックの開孔面を吐出ポートが設けられたヘッドブロックに対して摺接させ、各プランジャの開孔部を吐出ポートに順次連通させるようにしている。この方式においては、シリンダブロックの開孔面とヘッドブロックの摺接面は2つの部材の間からのペーストの漏出を防止するシール面として機能する。このため、この摺接面は隙間が生じないように部品加工において高精度の面仕上げを行い、動作時には所定の面圧を加える機構を用いるなどのペースト漏出防止措置を講じている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、導電性ペーストは銀粉などのフィラー成分や固形粒子を多量に含んだスラリー状であることから、従来のペースト吐出装置では、上記シール面の摺動隙間に挟まれた固形粒子が摺動面に付着しやすく、シール面の密着性が阻害されてペーストの過剰な漏出が生じるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は、シール面からのペーストの過剰な漏出を防止することができるペースト吐出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のペースト吐出装置は、粘性体とフィラー成分とを混合したスラリー状のペーストを吐出するペースト吐出装置であって、回転駆動手段によって回転軸廻りに回転しこの回転軸と直交する摺動面を介して固定されたシール部材のシール面と摺接するシリンダブロックと、このシリンダブロックの回転軸方向に設けられ前記摺動面の回転軸心を中心とする同一円周上の等配位置に開孔した開孔部を有する複数のシリンダ孔と、それぞれのシリンダ孔に挿入されたプランジャと、このプランジャを前記シリンダブロックの回転と同期して往復動させる駆動手段と、前記シール面に設けられ前記シリンダブロックの所定回転位置において前記シリンダ孔の開孔部と連通する第1の連通ポート及び第2の連通ポートと、前記シール部材を介して第1の連通ポート及び第2の連通ポートとそれぞれ連通する第1の外部ポート及び第2の外部ポートとを備え、前記摺動面に、前記シール面に付着したペーストを掻き取る掻き取り溝であって、第1の連通ポート及び第2の連通ポートの前記回転軸心に関する最遠点よりも外側に凹状に形成された外側溝と、第1の連通ポート及び第2の連通ポートの前記回転軸心に関する最近点よりも内側に凹状に形成された内側溝と、前記各開孔部の周囲に前記内側溝の回転軸心に関する最近点よりも内側の範囲と前記外側溝の回転軸心に関する最遠点よりも外側の範囲とを含んで凹状に形成された中間溝とが設けられている。
【0009】
請求項2記載のペースト吐出装置は、請求項1記載のペースト吐出装置であって、前記シリンダブロックの材質の硬度が前記シール部材の材質の硬度よりも高く、前記外側溝、内側溝、中間溝はシリンダブロック側の摺動面に形成されている。
【0010】
請求項3記載のペースト吐出装置は、請求項2記載のペースト吐出装置であって、前記シール部材が、樹脂で形成されている。
【0011】
本発明によれば、シール部材と摺接するシリンダブロックの摺動面に、シール部材のシール面に付着したペーストを掻き取る掻き取り溝を、第1の連通ポート及び第2の連通ポートの配置に応じた位置に、かつシール面の全範囲をカバーするように複数配置することにより、シール面の付着物を常に除去して密着性を確保し、シール面からのペーストの漏出を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態のダイボンディング装置の斜視図、図2は本発明の一実施の形態のペースト吐出装置の断面図、図3(a)は本発明の一実施の形態のペースト吐出装置のプランジャディスクの斜視図、図3(b)は本発明の一実施の形態のペースト吐出装置のプランジャディスクの摺動面を示す図、図4(a)は本発明の一実施の形態のペースト吐出装置のシールディスクの斜視図、図4(b)は本発明の一実施の形態のペースト吐出装置のシールディスクのシール面を示す図、図5は本発明の一実施の形態のペースト吐出装置のプランジャディスクの掻き取り溝とシールディスクの連通ポートとの位置関係を示す図、図6は本発明の一実施の形態のペースト吐出装置の動作説明図である。
【0013】
まず図1を参照してダイボンディング装置の構造を説明する。図1においてチップ供給部1にはウェハシート2が図示しない保持テーブルによって保持されている。ウェハシート2には多数の半導体素子であるチップ3が貼着されている。チップ供給部1の側方には搬送路5が配設されており、搬送路5は基板であるリードフレーム6を搬送し、ペースト塗布位置およびボンディング位置にリードフレーム6を位置決めする。チップ供給部1の上方にはボンディングヘッド4が配設されており、ボンディングヘッド4は図示しない移動機構により水平移動および上下動する。
【0014】
搬送路5の側方にはペースト塗布部9が配設されている。ペースト塗布部9は移動テーブル10にL型のブラケット15を介して塗布ノズル18を装着して構成されている。塗布ノズル18は、不動のプレート16a上に固定配置されたペースト吐出装置16と可撓性の管部材であるチューブ17によって連結されている。
【0015】
ペースト吐出装置16は、さらにチューブ20を介してシリンジ19と連結されている。シリンジ19内にはエポキシ樹脂などの粘性体と銀粉などの導電性のフィラー成分とを混合した導電性ペースト(以下、単に「ペースト」と略記する。)が貯溜されており、ペースト吐出装置16を駆動することにより、シリンジ19内のペーストはペースト吐出装置16によって吸入・吐出され、チューブ17を介して塗布ノズル18へ圧送される。そして塗布ノズル18の下端部に設けられた塗布口より吐出されてリードフレーム6の塗布エリア6aに塗布される。
【0016】
移動テーブル10は、Y軸テーブル11上にX軸テーブル12を段積みし、さらにその上にL型のブラケット13を介してZ軸テーブル14を垂直方向に結合して構成されている。Y軸テーブル11、X軸テーブル12、Z軸テーブル14は、それぞれY軸モータ11a、X軸モータ12a、Z軸モータ14aを備えている。X軸モータ12a、Y軸モータ11aおよびZ軸モータ14aを駆動することにより、塗布ノズル18はリードフレーム6上で水平方向および上下方向に移動する。したがって、移動テーブル10は塗布ノズル18をリードフレーム6に対して相対的に移動させる移動手段となっている。
【0017】
リードフレーム6上面のチップ3の搭載位置は、ペースト7が塗布される塗布エリア6aとなっている。塗布ノズル18を塗布エリア6a内に位置させ、塗布ノズル18からペースト7を吐出させながら塗布ノズル18を移動させることにより、塗布エリア6a内には所定の描画パターンでチップボンディング用のペースト7が描画塗布される。
【0018】
このペースト塗布後、リードフレーム6は搬送路5上をボンディング位置8に送られ、位置決めされる。そして塗布エリア6a内に塗布されたペースト7上に、ボンディングヘッド4のノズル4aによってチップ供給部1からピックアップされたチップ3がボンディングされる。
【0019】
次に図2を参照してペースト吐出装置16の構造について説明する。図2において、ペースト吐出装置16は外筒部21にモータ22によって駆動される軸型の多連プランジャポンプを内蔵した構成となっている。モータ22の回転軸23には、円筒状の回転体28が結合されている。回転体28は軸受け29に軸支されて回転自在となっており、回転体28の内径部28aには、プランジャホルダ31が装着されている。プランジャホルダ31は回転体28に対して回転軸方向の摺動が許容され、かつ回転体28からの回転が伝達される。
【0020】
プランジャホルダ31の先端部には、アルミナなどの硬質のセラミックより成るプランジャディスク32が固着されている。プランジャホルダ31とプランジャディスク32には、それぞれ複数のシリンダ孔31b,32bが回転軸方向に連通して設けられており、シリンダ孔31b,32bには、プランジャ26が挿通している。プランジャホルダ31とプランジャディスク32は、複数のシリンダ孔が設けられたシリンダブロックを構成する。
【0021】
それぞれのプランジャ26の上側の端部は、回転体28の基部に設けられた開口部28bを介して上方へ突出した連結端部26bとなっており、プランジャ26はフランジ部26aとプランジャホルダ31との間に介装されたスプリング27によって上方に付勢されている。連結端部26bにはカムフォロア25が装着されており、カムフォロア25は外筒部21に固着された円筒カム24に当接している。
【0022】
モータ22によって回転体28を回転駆動させることにより、プランジャホルダ31、プランジャディスク32が回転し、これによりプランジャ26はプランジャホルダ31、プランジャディスク32とともに回転軸廻りに回転する。この回転に伴い、それぞれのプランジャ26は、プランジャホルダ31、プランジャディスク32の回転に同期して、円筒カム24のカム形状に追従した軸方向の往復動を行う。モータ22および円筒カム24は、プランジャ26をシリンダブロックの回転と同期して往復動させる駆動手段となっている。円筒カム24のカム形状は、3つのプランジャ26を所定順序・タイミングで往復動させるような形状となっており、これにより後述するペーストの吸入・吐出動作が連続して行われる。
【0023】
プランジャディスク32は、外筒部21に固定されたシールディスク33のシール面33aに回転軸と直交する摺動面32aを介して摺接しており、シリンダ孔32bはこの摺動面32aに開孔している。図3(b)に示すように、シリンダ孔32bが摺動面32aに開孔した開孔部は、回転軸心Oを中心とする半径rの同一円周上の3等配位置に配置されている。
【0024】
シールディスク33について説明する。シールディスク33は上述のようにプランジャディスク32に摺接するシール面33aを備えており、プランジャディスク32の材質の硬度がシールディスク33の材質の硬度よりも高くなるように高分子材料などの樹脂で製作されている。図4(a)に示すように、シールディスク33には上記開孔部の回転軸心Oを中心とする半径rの同一円周上の2等配位置に貫通孔34a,34bが設けられている。シール面33aには、貫通孔34a,34bとそれぞれ連通した2つの溝状の凹部33b,33cが形成されている。図4(b)に示すように、凹部33b,33cは、回転軸心Oを中心とする内径e、外径fの2つの円弧に挟まれた範囲に形成されており、2つの非連通部gによって隔てられて対称に配置されている。
【0025】
プランジャディスク32の摺動面32aがシールディスク33のシール面33aに摺接した状態でプランジャディスク32が回転すると、プランジャディスク32の所定回転位置において、凹部33b,33cはシリンダ孔32bの開孔部と連通する。したがって、凹部33b,33cは、シール面33aに設けられシリンダブロックの所定回転位置においてシリンダ孔32bの開孔部と連通する第1の連通ポート及び第2の連通ポートとなっている。
【0026】
図2において、プランジャホルダ31には径方向に突出した鍔部31aが設けられており、鍔部31aと回転体28の端面との間には皿バネ30が装着されている。皿バネ30は、プランジャホルダ31を下方に押圧することによりプランジャディスク32の摺動面32aをシールディスク33のシール面33aに対して所定面圧で押圧する。この面圧により、摺動面32aとシール面33aとの密着が確保される。
【0027】
シールディスク33の貫通孔34a,34bは、外筒部21の端面に設けられた第1の外部ポート35a、第2の外部ポート35bにそれぞれ連通している。第1の外部ポート35aは、チューブ20を介してシリンジ19(図1)と接続されており、第2の外部ポート35bはチューブ17を介して塗布ノズル18(図1)と接続されている。
【0028】
貫通孔34aが凹部33bを介してシリンダ孔32bと連通した状態において、プランジャ26が引き込み方向(図2において上方)へ移動することにより、シリンダ孔32b内にはシリンジ19に貯溜されていたペーストがチューブ20を介して供給される。第1の外部ポート35aは、シリンジ19から供給されるペーストを導入する供給ポートとなっている。
【0029】
そしてペーストを吸入したシリンダ孔32bが凹部33cを介して貫通孔34bと連通した状態においてプランジャ26が押し出し方向(図2において下方)に移動することにより、シリンダ孔32b内のペーストが第2の外部ポート35bから吐出される。第2の外部ポート35bは、ペーストを外部に吐出する吐出ポートとなっている。
【0030】
次に、プランジャディスク32の摺動面に設けられた掻き取り溝について説明する。この掻き取り溝は、プランジャディスク32がシールディスク33に対して回転することによりペーストの吸入・吐出を行うポンピング動作時において、シール面33aに付着するペースト中の粒子成分を掻き取ることにより、プランジャディスク32とシールディスク33との摺接面からのペーストの過剰な漏出を防止することを目的として設けられるものである。
【0031】
図3に示すように、プランジャディスク32の摺動面32aには、3種類の掻き取り溝(外側溝32c、内側溝32d、中間溝32e)が凹状に形成されている。外側溝32cは、外周部の180度対向位置に設けられ、回転軸心Oからの最近点が半径bの円周上に位置する形状となっている。内側溝32dは、回転軸心Oを中心として3方向に放射形状に設けられ、最遠点は半径aの円周上に位置している。また中間溝32eは、3つのシリンダ孔32bの開孔部周縁に設けられ、回転軸心Oからの最近点および最遠点は、それぞれ半径c、半径dの円周上に位置している。
【0032】
次に、これらの掻き取り溝と、シール面33aに設けられた凹部33b,33cとの位置関係について説明する。図5(a)は、シール面33aの凹部33b、33cの位置を摺動面32aに重ね合わせた状態を示している。この状態においては、図5(b)に示すように、内側溝32dの最遠点を示す半径aは、凹部33b,33cの最近点を示す半径eよりも小さくなるよう、また外側溝32cの最近点を示す半径bは、凹部33b,33cの最遠点を示す半径fよりも大きくなるように設定されている。これにより、摺動面32aとシール面33aとが回転状態で摺接する際に、外側溝32c、内側溝32dが凹部33b,33cと重ならず、掻き取り溝を介してペーストが漏出することがない。
【0033】
図5(c)は、3種類の掻き取り溝相互の位置関係を示している。中間溝32eは、その最遠点の半径dが外側溝32cの最近点の半径bよりも大きく、かつその最近点の半径cが、内側溝32dの最遠点の半径aよりも小さくなるような形状に設定されている。すなわち中間溝32eは、内側溝32dの回転軸心Oに関する最近点よりも内側の範囲と外側溝32cの回転軸心に関する最遠点よりも外側の範囲とを含んで形成されている。
【0034】
このような位置・形状が異なる3種類の掻き取り溝(外側溝32c、内側溝32d、中間溝32e)を配置することにより、プランジャディスク32の回転によってシール面33aの全ての範囲にいずれかの掻き取り溝が必ず摺接し、シール面33aに付着した粒子成分を掻き取り溝のエッジによって掻き取り溝内に掻き取ることができる。掻き取られたペーストは、それぞれの掻き取り溝から外部に排出される。このとき、プランジャディスク32の材質は、シールディスク33の材質(樹脂)よりも硬度が高いセラミックであることから、掻き取り溝のエッジが摩耗することがなく、良好な掻き取り機能を確保することができるようになっている。
【0035】
次に図6を参照して、ペースト吐出装置16によるペーストの吸引、吐出動作時における凹部33b,33cと、シリンダ孔32bとの位置関係について説明する。本実施の形態では、3つのプランジャ26を、連通ポートである凹部33b,33cを介して2つの外部ポート35a,35bに交互に連通させるポート切り換えにより、ペーストの吐出を連続して行うようにしている。
【0036】
図6(a)は、3つのシリンダ孔32b−A、32b−B、32b−Cが矢印方向へ回転移動する過程において、シリンダ孔32b−Aが貫通孔34aの位置と一致し、シリンダ孔32b−Aへのペーストの供給が行われている状態を示している。このとき、シリンダ孔32b−Cはペーストの吐出を終えて凹部33cから外れるタイミングにあり、シリンダ孔32b−Bが凹部33cの端部に到達して新たにペーストの吐出を開始するタイミングを示している。そして図6(a)から図6(b)までの間に、シリンダ孔32b−Aへのペーストの供給、シリンダ孔32b−Bからのペーストの吐出が継続して行われる。
【0037】
この後、図6(c)のタイミングにおいて、シリンダ孔32b−Aは凹部33cの端部に到達して新たにペーストの吐出を開始する。このとき、シリンダ孔32b−Bは凹部33cからはずれペーストの吐出を終了する。このように、3つのシリンダ孔32bのうち、いずれかが常にペーストを吐出する状態にあり、これにより第2の外部ポート35b(吐出ポート)からは間断なくペーストが吐出される。
【0038】
このペースト吐出動作において、前述のようにプランジャディスク32の摺動面32aにはシール面33aに付着した粒子成分を除去する掻き取り溝が設けられていることから、付着物によって摺動面32aとシール面33aとの密着が損なわれることがなく、摺接面からのペーストの漏出が防止される。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、シール部材と摺接するシリンダブロックの摺動面に、シール部材のシール面に付着したペーストを掻き取る掻き取り溝を、第1の連通ポート及び第2の連通ポートの配置に応じた位置に、かつシール面の全範囲をカバーするように複数配置したので、シール面の付着物を常に除去して密着性を確保しシール面からのペーストの過剰な漏出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のダイボンディング装置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態のペースト吐出装置の断面図
【図3】(a)本発明の一実施の形態のペースト吐出装置のプランジャディスクの斜視図
(b)本発明の一実施の形態のペースト吐出装置のプランジャディスクの摺動面を示す図
【図4】(a)本発明の一実施の形態のペースト吐出装置のシールディスクの斜視図
(b)本発明の一実施の形態のペースト吐出装置のシールディスクのシール面を示す図
【図5】本発明の一実施の形態のペースト吐出装置のプランジャディスクの掻き取り溝とシールディスクの連通ポートとの位置関係を示す図
【図6】本発明の一実施の形態のペースト吐出装置の動作説明図
【符号の説明】
16 ペースト吐出装置
22 モータ
26 プランジャ
28 回転体
32 プランジャディスク
32a 摺動面
32b シリンダ孔
32c 外側溝
32d 内側溝
32e 中間溝
33 シールディスク
33a シール面
33b、33c 凹部
35a 第1の外部ポート
35b 第2の外部ポート

Claims (3)

  1. 粘性体とフィラー成分とを混合したスラリー状のペーストを吐出するペースト吐出装置であって、回転駆動手段によって回転軸廻りに回転しこの回転軸と直交する摺動面を介して固定されたシール部材のシール面と摺接するシリンダブロックと、このシリンダブロックの回転軸方向に設けられ前記摺動面の回転軸心を中心とする同一円周上の等配位置に開孔した開孔部を有する複数のシリンダ孔と、それぞれのシリンダ孔に挿入されたプランジャと、このプランジャを前記シリンダブロックの回転と同期して往復動させる駆動手段と、前記シール面に設けられ前記シリンダブロックの所定回転位置において前記シリンダ孔の開孔部と連通する第1の連通ポート及び第2の連通ポートと、前記シール部材を介して第1の連通ポート及び第2の連通ポートとそれぞれ連通する第1の外部ポート及び第2の外部ポートとを備え、前記摺動面に、前記シール面に付着したペーストを掻き取る掻き取り溝であって、第1の連通ポート及び第2の連通ポートの前記回転軸心に関する最遠点よりも外側に凹状に形成された外側溝と、第1の連通ポート及び第2の連通ポートの前記回転軸心に関する最近点よりも内側に凹状に形成された内側溝と、前記各開孔部の周囲に前記内側溝の回転軸心に関する最近点よりも内側の範囲と前記外側溝の回転軸心に関する最遠点よりも外側の範囲とを含んで凹状に形成された中間溝とが設けられていることを特徴とするペースト吐出装置。
  2. 前記シリンダブロックの材質の硬度が前記シール部材の材質の硬度よりも高く、前記外側溝、内側溝、中間溝はシリンダブロック側の摺動面に形成されていることを特徴とする請求項1記載のペースト吐出装置。
  3. 前記シール部材が、樹脂で形成されていることを特徴とする請求項2記載のペースト吐出装置。
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