JP3713226B2 - ディスク再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD等のディスクを再生するディスク再生装置は、ディスクを本体内部に搬送させるためのディスク差込口が設けられているのが、特にカーオーディオを中心に一般的となっている。かかるディスク再生装置の中には、ディスクを搬送ローラとディスクガイドとの間に挟み込んで、搬送ローラの回転運動により、ディスクの搬送を行うスロットイン方式のディスク搬送機構を有するディスク再生装置がある。
【0003】
このスロットイン方式のディスク再生装置では、ディスクを排出した際に、再び自動的にディスクのローディングを行えるようにする、いわゆるディスクリロード機能を備えたものがある。かかるリロード機能を具備するディスク再生装置においては、該リロード機能を有効にするために、ディスクの排出終了位置において、ディスクを搬送ローラとディスクガイドに挟むことが必要である。リロード機能動作時には搬送ローラの駆動により、再びディスクが本体内部に搬送される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のディスク再生装置においては、ディスクが排出終了位置までローディングされると、リロードさせる場合を除いて使用者がディスクを取り出す必要がある。このディスク取り出しに際しては、使用者はディスクが搬送ローラとディスクガイドにより挟持されている側とは反対側のディスクの他端部又はディスクの中央部を把持し、ディスクの引き抜き動作を行う。
【0005】
このディスク引き抜きの様子を図5に示す。ディスク1の引き抜きにおいては、不図示の本体内部からディスク1が離間する方向に、ディスク1を引き抜く。この場合に、使用者がディスク1を矢印X方向に引き抜く場合のみならず、ディスク1を図5中の二点鎖線で示すような所定の引き抜き角度α又はβを有した状態で引き抜く場合もある。特に、カーオーディオ等においては、インパネ部分において該カーオーディオが使用者から見て下方側に位置しているのが通常であり、引き抜き角度αを有した状態でディスク1が引き抜かれるケースが多い。
【0006】
このように、引き抜き角度がディスク1に付与されると、搬送ローラ2がY方向に沈降し、それに伴って搬送ローラ2に連結されているバネ4が伸張する。バネ4が伸張すると、それに伴ってバネ力も増大するため、搬送ローラ2がディスク1に付与する押圧力も増大する。このため、ディスク1と搬送ローラ2及びディスクガイド3との間の摩擦力が増大し、ディスク1の引き抜きに際して、ディスク1に擦り傷がついてしまう虞が増大する、という問題が生じている。
【0007】
ディスク1に擦り傷がついてしまうと、ディスク1からの光の反射角度が変化する等によりディスク1からの信号の読み取り性能が悪化し、ディスク再生装置で良好なディスク1の再生ができない。このため、使用者が引き抜き角度を有した状態でディスク1を引き抜いても、バネ4によって生じる摩擦力が小さく、ディスク1に擦り傷が生じないディスク再生装置が望まれている。
【0008】
本発明は、上記の事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、ディスクが排出された場合においてディスクを手で引き抜く場合でも、該ディスクに擦り傷を生じさせることなく良好にディスクの引き抜きを行えるディスク再生装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、内部を覆うケース体を有し、このケース体内に移動可能に設けられると共にディスクを載置するシャーシ体を具備するディスク再生装置において、ケース体に設けられた回動規制手段と、シャーシ体に設けられ、ディスクに当接してこのディスクの搬送をガイドするガイド手段と、シャーシ体に回動自在に設けられ、ガイド手段との間で付勢力を与えながらディスクを挟持して駆動力を付与すると共に、シャーシ体がディスクの引き抜きに伴って移動する場合には、回動規制手段での移動規制によりガイド手段との間におけるディスクの挟持状態を解除する方向に回動されるローラ手段と、を具備するものである。
【0010】
また、他の発明は、上述のディスク再生装置の発明に加えて更に、ローラ手段は、シャーシ体に対し回動軸を介して回動自在に取り付けられているローラレバーと、回動軸から離間するローラレバーの一端側に設けられ、ディスクに接触してこのディスクに駆動力を付与するローラ体と、ローラレバーに取り付けられ、ガイド手段及び回動規制手段側に向かう付勢力を与える付勢手段と、ローラレバーの一端側から回動規制手段側に突出して設けられて回動規制手段に当接する当接手段と、を具備しており、シャーシ体がディスクの引き抜きに伴って回動規制手段から見て回動軸側に移動した場合に、この移動に伴って回動規制手段に当接手段が当接することにより回動規制手段からローラ体が離間する向きに回動されることとしたものである。
【0011】
さらに、他の発明は、上述のディスク再生装置の各発明に加えて更に、ローラ手段は、回動維持手段によりシャーシ体の移動に伴う回動後の状態が維持されることとしたものである。
【0012】
また、他の発明は、上述のディスク再生装置の各発明に加えて更に、ローラ手段には、ローラレバーの他端側にディスクが挿入されている場合に、他のディスクがケース体内部へ差し込まれるのを防止する防御手段が具備されることとしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図1から図4に基づいて説明する。なお、以下の実施の形態において、特に断りが無い限り、上方(上側)とは、図1を除く各図における上方(上側)を指し、下方(下側)とは、図1を除く書く図における下方(下側)を指すものとする。
【0014】
図1は、本発明のディスク再生装置10の構成を示す平面図である。このディスク再生装置10は、CD(Compact Disc)等のディスク11を再生するものである。しかしながら、このディスク再生装置10において、再生するディスク11(記録媒体)はCDには限られず、例えばDVD(Digital Versatile Disc)等の他の記録媒体でも良い。
【0015】
この図において、ディスク再生装置10は、内部に設けられる各種部品及び挿入されたディスク11を覆うケース体としてのアウターケース20を有している。このアウターケース20の内部には、シャーシ体としてのフローティングシャーシ21が設けられている。フローティングシャーシ21は、該アウターケース20に対してディスク11の挿入時に所定だけ沈み込むことにより、該アウターケース20に対して弾性支持される。
【0016】
このフローティングシャーシ21には、クランパアーム22が回動支点23を介して回動自在に軸支されている。かかる回動支点23に係止させるため、クランパアーム22には、回動軸24が互いに離間する向き(図1においては、夫々第1のスライダ30及び第2のスライダ50側)に向かって突出して設けられている。クランパアーム22には、板バネ25が取り付けられている。板バネ25は、図1に示すように、クランパアーム22が取り付けられている一端側と反対側の他端側が突出ピン26となっていて、この突出ピン26が第1のスライダ30に形成された揺動溝36を摺動する構成となっている。そして、この摺動により、クランパアーム22は回動支点23を中心として、図1の法線方向(図2における矢印Z方向)に回動することを可能としている。
【0017】
また、クランパアーム22には、ディスク11を不図示のターンテーブルに対して圧接させるためのクランパー27が設けられている。このクランパー27でのディスク11の圧接により、ディスク11がターンテーブル上に圧接した状態となる。そして、この圧接状態で該ターンテーブルが回転駆動すると、ディスク11及びこのディスク11を圧接しているクランパー27が回転駆動され、該ディスク11の再生が行える状態となる。
【0018】
このクランパアーム22には、揺動可能に光ピックアップ機構28が取り付けられている。光ピックアップ機構28は、その先端部分に光ピックアップ素子29を有していて、該光ピックアップ素子29がディスク11上に照射され、このディスク11からの反射光を受光することにより、ディスク11に記載されている信号情報の再生が可能となる。
【0019】
また、フローティングシャーシ21には、第1のスライダ30及び第2のスライダ50が、このフローティングシャーシ21に対して移動自在に支持されている。第1のスライダ30は、図1に示すように、フローティングシャーシ21に対して一方の側方側において立設して設けられている。この第1のスライダ30には、アウターケース20から突出するように形成された側面絞り部31a,31bがスライド自在とするスライド溝32a,32bが設けられている。スライド溝32a,32bは、図2に示すように、その長手方向がアウターケース20(フローティングシャーシ21)の底面と平行を為すように形成されている。
【0020】
また、スライド溝32a,32bの一端側は、夫々開放して設けられていて、このスライド溝32a,32bに側面絞り部31a,31bが挿脱自在に設けられている。ここで、側面絞り部31a,31bのスライド溝32a,32bに対する挿脱についてであるが、側面絞り部31a,31bには、その先端側にアウターケース20内方の第1のスライダ30側に向かってピン状に突出したピン突出部33a,33bが設けられている。そして、このピン突出部33a,33bが、スライド溝32a,32bに挿通される。
【0021】
なお、スライド溝32a,32bは、側面絞り部31a,31bの設けられている位置に対応して、第1のスライダ30に2つ設けられている。そのうち1つであるスライド溝32aは、第1のスライダ30の長手方向中途部に設けられていて、図2において上方側(フローティングシャーシ21の底面と離間する側)に位置している。また、他の1つであるスライド溝32bは、第1のスライダ30のディスク差込口12とは反対側のアウターケース20の奥側に設けられていて、かつ図2においてフローティングシャーシ21の底面側に位置している。
【0022】
第1のスライダ30には、スライド溝32aよりもディスク差込口12側の部位に2本のガイド溝34a,34bが設けられている。ガイド溝34a,34bには、連結された一対の駆動体40のガイドピン41a,41bが差し込まれる。この駆動体40は、ガイドピン41a,41bの他に、一対のギヤ42a,42b、及び一対のギヤ42a,42bを互いに噛合可能に軸支しているアーム43を有している。このうち、一方のギヤ42aは、フローティングシャーシ21の底面側に位置するものであり、ガイドピン41aがギヤ42aの回転軸(不図示)と同軸をなすように設けられている。
【0023】
そして、このガイドピン41aがフローティングシャーシ21の底面側に形成されたガイド溝34aに差し込まれる。なお、第1のスライダ30の移動を可能とするために、ガイド溝34aは長孔状に形成されている。
【0024】
また、他方のギヤ42bは、フローティングシャーシ21から離間して設けられていて、ディスク11を搬入するとき、又は搬出するときは、後述するローラギヤ64と噛み合う位置に設けられる。ここで、ガイドピン41bは、アーム43の中途部に設けられている。そして、このアーム43が差し込まれるガイド溝34bは、図2に示すようにディスク差込口12側が低くなる段差を1つ有した長孔上に形成されている。それにより、第1のスライダ30が移動した場合には、この第1のスライダ30の移動に伴って、ギヤ42bの高さ位置が変化するように設けられている。具体的には、ギヤ42bが高い位置のときは、ローラギヤ64に対してギヤ42bの噛合が解かれるように構成されている。
【0025】
また、第1のスライダ30のうち、ガイド溝34a,34bよりもディスク差込口12側には、回動維持手段としてのレバーガイド溝35が設けられている。このレバーガイド溝35は、後述するローラレバー60のバネ係止ピン71が掛け止めされるものである。そして、第1のスライダ30がディスク差込口12側に移動した場合に、当初レバーガイド溝35のディスク差込口12側である一端側に位置していたバネ係止ピン71は、ローラレバー60を回動させるためにレバーガイド溝35の他端側に向かって相対的に移動する。
【0026】
ここで、レバーガイド溝35は、ディスク差込口12側である一端側が、該第1のスライダ30のうち高さ方向(フローティングシャーシ21の法線方向)の略中途部に位置するように設けられている。そして、この一端側からは、レバーガイド溝35は所定だけフローティングシャーシ21の底面と略並行に形成され、ディスク11を挿入する前のバネ係止ピン71の初期状態を維持可能としている。
【0027】
また、レバーガイド溝35の一端側からこのレバーガイド溝35に沿い、アウターケース20側に進行すると、該レバーガイド溝35は緩やかにフローティングシャーシ21の底面側に向かう曲線を為して形成されている。そして、所定だけフローティングシャーシ21の底面に近接した後に、レバーガイド溝35はフローティングシャーシ21の底面と略並行となるように形成されている。それによって、ディスク11が挿入された後の、ローラレバー60の閉じ状態を維持可能としている。
【0028】
なお、この閉じ状態においては、防御ピン61は略鉛直方向の上方を向くように設けられる。また、後述するように初期状態から閉じ状態まで移行する間のバネ係止ピン61の移動は、完全にディスク11を内部に搬送した場合には、レバーガイド溝35により為される。しかしながら、ディスク11を規定位置まで排出し、その後使用者が該ディスク11を手で引き抜く場合には、回動規制部材68に当接手段としての当接片67が衝突することにより為される。しかし、この衝突による防御ピン61の移動は、相対的に小さなものである。
【0029】
さらに、第1のスライダ30のうち、ディスク差込口12から離間するアウターケース20の奥側には、揺動溝36が設けられている。この揺動溝36は、一端側が第1のスライダ30のうち、上方側に位置するように形成されている。しかしながら、この一端側から他端側に向かう場合、フローティングシャーシ21の底面に近接するように、下方に向かうように曲線を描いて形成され、所定位置からはフローティングシャーシ21の底面と略平行をなす状態となって他端側にたどり着く。この揺動溝36に突出ピン26が位置することで、第1のスライダ30の移動に伴って、クランパアーム22が揺動することを可能としている。
【0030】
なお、クランパー27がディスク11を圧接する場合に、この圧接状態を保持可能とするように、揺動溝36のフローティングシャーシ21から離間する上端側は、逆V字状に形成されている。
【0031】
また、図3に示すように、第1のスライダ30が設けられている側とは対向するアウターケース20の内壁面側には、該第1のスライダ30に対応して、第2のスライダ50が設けられている。第2のスライダ50も、フローティングシャーシ21に移動自在に設けられていて、その移動は第1のスライダ30に追従するものである。そのため、第2のスライダ50、及びこの第2のスライダ50と対向するアウターケース20の内壁面は、上述の第1のスライダ30側に対応した略同様の構成を有している。
【0032】
すなわち、アウターケース20は、側面絞り部31a,31bに対応した側面絞り部51a,51bを有しており、また第2のスライダ50は、第1のスライダ30におけるスライド溝32a,32bに対応したスライド溝52a,52bを有している。なお、スライド溝52bは、上述のスライド溝32bとは異なり、フローティングシャーシ21の底面側から離間した上方側に設けられている。また、側面絞り部51bも、スライド溝51bに対応して、フローティングシャーシ21の底面から離間する上方側に設けられている。
【0033】
また、上述のレバーガイド溝35に対応して、第2のスライダ50にも、レバーガイド溝53が設けられている。このレバーガイド溝53にも、バネ係止ピン61が掛け止めされている。そして、第2のスライダ50がディスク差込口12側に移動した場合に、当初レバーガイド溝35のディスク差込口12側である一端側に位置していたバネ係止ピン71は、ローラレバー60を回動させるためにレバーガイド溝35の他端側に向かって相対的に移動する。
【0034】
なお、これらスライド溝52a,52b、レバーガイド溝53等は、第1のスライダ30に形成されているスライド溝32a,32b、レバーガイド溝35等と、その形状や長さが異なるように形成されている。しかしながら、全く同様の形状としても良い。
【0035】
ここで、フローティングシャーシ21には、回動軸72を介して、ローラレバー60が回動自在に取り付けられている。このローラレバー60には、図1から図4に示すように、ディスク差込口12側に向かい突出した防御ピン61が、ディスク差込口12のフローティングシャーシ21の底面から離間する上方に向かって突出形成されている。この防御ピン61により、既にディスク11が挿入されている場合において、再度のディスク11の挿入が防止される。
【0036】
また、ローラレバー60には、その側方側(ローラシャフト63の両端側)に側方支持部材62が一対設けられている。この側方支持部材62により、ローラシャフト63は回転自在に支持されている。ここで、側方支持部材62に支持されるローラシャフト63は、ローラレバー60のうち、第1のスライダ30及び第2のスライダ50に近接する側に取り付けられている。すなわち、回動軸72を挟んで、ディスク差込口12側に防御ピン61が設けられていて、この防御ピン61とは逆の、アウターケース20の奥側にローラシャフト63が設けられている構成である。
【0037】
さらに、ローラシャフト63の第1のスライダ30側には、ローラギヤ64がローラシャフト63の回転と同期するように取り付けられている。このローラギヤ64は、側方支持部材62と第1のスライダ30の間の位置に設けられている。そして、このローラギヤ64が、上述のギヤ42a,42bと噛み合うことにより、ローラシャフト63に対して回転駆動力が与えられる構成である。
【0038】
ローラシャフト63には、ローラカバー65がその外周を覆うように取り付けられている。このローラカバー65は、例えばゴムや樹脂等のように、ディスク11の裏面に接触しても損傷を生じさせない柔らかめの材質であって、ディスク11の裏面に当接した場合に摩擦力を良好に与える材質から構成されている。それにより、これらローラシャフト63とローラカバー65とで、ローラ体としての搬送ローラ66を構成している。
【0039】
ここで、図4に示すように、側方支持部材62には、フローティングシャーシ21から離間する上方側に向かって当接片67が突出形成されている。また、当接片67に対応して、アウターケース20には、該当接片67に衝突する回動規制手段としての回動規制部材68が形成されている。回動規制部材68は、アウターケース20の上面側から底面に向かうように、L字状に折り曲げられて形成されている。
【0040】
また、フローティングシャーシ21のうち、回動軸72よりもディスク差込口12側には、バネ係止部69が設けられている。このバネ係止部69は、図1、図2及び図4に示すように、付勢手段としてのバネ70の一端側を掛け止めするためのものである。このバネ係止部69に一端側が掛け止めされたバネ70は、他端側がバネ係止ピン71に掛け止めされる。それにより、ローラレバー60は、バネ70から引張り力を受け、この引張り力に抗する状態でレバーガイド溝35をバネ係止ピン71は擦り動く。
【0041】
また、フローティングシャーシ21には、ディスク差込口12側にガイド手段としてのディスクガイド73が設けられている。ディスクガイド73は、ディスク11の上面側に接触するものである。このディスクガイド73は、なだらかな傾斜を有して形成されていて、その頂部がディスク11と接触する接触面(不図示)となっている。それにより、ディスク11の上面側に良好に接触することを可能としている。
【0042】
なお、ディスクガイド73のフローティングシャーシ21に対する取付位置は、該ディスク11を良好に搬送できる位置であれば、ディスク11の上面側においてどのような位置・配置で取り付けられていても構わない。なお、通常は、第1のスライダ30又は第2のスライダ50の少なくとも一方に近接した部位に、フローティングシャーシ21からディスク11の搬送と干渉しない状態でディスクガイド72が取り付けられている。
【0043】
ここで、これらローラレバー60、防御ピン61、側方支持部材62、ローラシャフト63及びローラカバー65からなる搬送ローラ66、後述する当接片67、バネ70、バネ係止ピン71、回動軸72により、ローラ手段が構成されている。
【0044】
このディスクガイド73は、フローティングシャーシ21に取り付けられているため、該フローティングシャーシ21に対する高さ位置は、全く変わらない状態で設けられている。また、ディスク11が挿入された場合には、該ディスクガイド73が搬送ローラ66と共にディスク11を挟み込む。そして、搬送ローラ66が駆動することにより、該ディスク11を搬送する構成となる。この場合、搬送ローラ66はローラレバー60に取り付けられているので、このローラレバー60が回動することにより、ディスク11の厚みに対応した搬送が可能となる。
【0045】
なお、第2のスライダ50側にも、ローラレバー60の防御ピン61が設けられている一端側とは反対側の他端側に、バネ80を係止するバネ係止部81が設けられている。バネ80は、その一端側がバネ係止部81に係止されているが、他端側は第2のスライダ50のうち、レバーガイド溝53よりもディスク差込口12側に設けられたバネ受け部82に係止される。それにより、バネ80は、図3(b)の状態から図3(a)の状態に移行する場合に、該ローラレバー60側に付勢力を及ぼす構成となっている。
【0046】
以上のような構成を有するディスク再生装置10の作用について、以下に説明する。
【0047】
図2(a)及び図3(a)に示すような、ディスク11の挿入状態から、使用者がイジェクトボタンを押す等の操作により、ディスク11の排出動作が開始される。この排出動作においては、搬送ローラ66が図2(a)において反時計回りに回転する。それにより、ディスク11は不図示の駆動モータが駆動を停止する規定位置まで排出される。この規定位置では、ディスク11は搬送ローラ66とディスクガイド73により挟持された状態となっている。
【0048】
次に、使用者がディスク11の排出側端部を把持し、該ディスク11を引き抜く。この様子を、図4に従って説明する。まず、ディスク11の引き抜きをまだ開始していない状態は、図4(a)に示す通りである。このとき、第1のスライダ30及び第2のスライダ50は、規定位置にある。そして、ディスク11は、未だディスクガイド73と搬送ローラ66との間で挟持された状態である。
【0049】
続いて、使用者がディスク11を引き抜く。このとき、図4(b)に示すように、引き抜き動作に伴って、フローティングシャーシ21が距離pだけ移動する。この距離pの移動により、回動軸72も同じ距離pだけ移動する。同じく、当接片67も、フローティングシャーシ21の移動に伴って移動しようとする。しかしながら、当接片67は、回動規制部材68に当接した状態のため、その移動が規制されて、これ以上フローティングシャーシ21に沿って移動することはできない。そのため、当接片67の当接した状態でのフローティングシャーシ21の移動により、ローラレバー60は、回動軸72を支点として回動する。
【0050】
この回動により、搬送ローラ66は、図4(a)の状態から矢印W方向に回転を行い、図4(b)に示すように、搬送ローラ66がディスク11から距離qだけ離間して、該ディスク11と非接触の状態となる。それにより、ディスク11は、ディスクガイド73と搬送ローラ66によって挟持された状態から開放される。そして、この状態でディスク11を引き抜けば、使用者はスムーズにディスク11を引き抜くことが可能となる。
【0051】
すなわち、搬送ローラ66の回動により、該搬送ローラ66とディスクガイド73との間で及ぼしている付勢力がなくなるか、大幅に軽減される。そのため、ディスク11の引き抜きの際の摩擦力が小さくなり、該ディスク11の引き抜きがスムーズに行える。
【0052】
このような構成のディスク再生装置10によれば、ディスク11の引き抜き動作に伴ってフローティングシャーシ21が移動し、同時に搬送ローラ66が回動してディスクガイド73と搬送ローラ66の間で及ぼしていた付勢力を軽減・無くして摩擦力を小さくする構成のため、従来ディスク11に生じていた擦り傷の発生を防止することができる。
【0053】
特に、自動車のインパネに取り付けられているディスク再生装置10においては、使用者はディスク11を角度が所定だけついた状態で引き抜くことが多いが、かかる角度がついた状態でディスク11を引き抜いても、該ディスク11に生じている摩擦力が小さいため、スムーズにディスク11を引き抜くことができる。
【0054】
それにより、ディスク再生装置10によるディスク11の読み取り性能を向上させることが可能となり、また該ディスク11の寿命を長時間保つことができる。
【0055】
また、使用者にとっては、上述の構成の採用により、従来よりもスムーズにディスク11を引き抜くことができるので、ディスク再生装置10としての操作感の向上を図ることができる。さらに、上述のディスク11の損傷の防止機能は、当接片67と回動規制部材68を設けることにより実現される。このため、安価にディスク11の損傷防止機能を実現可能となる。
【0056】
さらに、付随的な部分として、防御ピン61が設けられていることにより、
既にディスク11が挿入されている状態において、再度のディスク11の挿入を防止することが可能となる。また、ローラレバー60は、ディスク11が挿入された状態において、レバーガイド溝35のアウターケース20奥側の他端側で係止状態を維持することが可能となる。
【0057】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種種変形可能である。例えば、上述の実施の形態では、ディスクをCD等の円盤状のディスクとして説明しているが、例えばMD等のカートリッジに収納されるディスクに本発明を適用しても良い。
【0058】
また、本発明は、ディスク11の手による引き抜きの際に搬送ローラ66が回動してディスク11の圧接状態を解除できる構成をその要旨とするものであり、かかる機能を具備する限りにおいて、種々形状変更等を行うことは勿論可能である。
【0059】
さらに、防御ピン61の代わりに、防御壁をローラレバー60に取り付ける等しても構わない。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、ディスクと搬送ローラ及びディスクガイドとの間の摩擦力を減少させることができ、それによって手によるディスクの引き抜きに際して、ディスクに擦り傷が生じるのを防止することが可能となる。それにより、ディスクからの信号の読み取り性能を良好な状態で維持可能となり、良好なディスクの再生を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るディスク再生装置の構成を示す平面図である。
【図2】図1のディスク再生装置において、アウターケース内部の第1のスライダ付近の構成を示す側面図であり、(a)はディスクが挿入されている状態を示す図であり、(b)はディスクが規定位置まで排出された状態を示す図である。
【図3】図1のディスク再生装置において、アウターケース内部の第2のスライダ付近の構成を示す側面図であり、(a)はディスクが挿入されている状態を示す図であり、(b)はディスクが規定位置まで排出された状態を示す図である。
【図4】図1のディスク再生装置において、ディスクを手で引き抜く様子を示す図であり、(a)はディスクを引き抜く前のフローティングシャーシの位置を示す図であり、(b)はディスクを引き抜くときのフローティングシャーシの位置を示す図である。
【図5】従来のディスク再生装置において、ディスクガイドと搬送ローラに挟持されるディスクを手で引き抜く様子を示す図である。
【符号の説明】
10…ディスク再生装置
11…ディスク
12…ディスク差込口
20…アウターケース(ケース体)
21…フローティングシャーシ(シャーシ体)
22…クランパアーム
30…第1のスライダ
35…レバーガイド溝(回動維持手段)
50…第2のスライダ
60…ローラレバー(ローラ手段の一部)
61…防御ピン(ローラ手段の一部)
62…側方支持部材(ローラ手段の一部)
63…ローラシャフト(ローラ手段の一部)
65…ローラカバー(ローラ手段の一部)
66…搬送ローラ(ローラ体、ローラ手段の一部)
67…当接片(当接手段、ローラ手段の一部)
68…回動規制部材(回動規制手段)
70,80…バネ(付勢手段、ローラ手段の一部)
72…回動軸(ローラ手段の一部)
73…ディスクガイド(ガイド手段)

Claims (4)

  1. 内部を覆うケース体を有し、このケース体内に移動可能に設けられると共にディスクを載置するシャーシ体を具備するディスク再生装置において、
    上記ケース体に設けられた回動規制手段と、
    上記シャーシ体に設けられ、上記ディスクに当接してこのディスクの搬送をガイドするガイド手段と、
    上記シャーシ体に回動自在に設けられ、上記ガイド手段との間で付勢力を与えながら上記ディスクを挟持して駆動力を付与すると共に、上記シャーシ体が上記ディスクの引き抜きに伴って移動する場合には、上記回動規制手段での移動規制により上記ガイド手段との間における上記ディスクの挟持状態を解除する方向に回動されるローラ手段と、
    を具備することを特徴とするディスク再生装置。
  2. 前記ローラ手段は、
    前記シャーシ体に対し回動軸を介して回動自在に取り付けられているローラレバーと、
    上記回動軸から離間する上記ローラレバーの一端側に設けられ、前記ディスクに接触してこのディスクに駆動力を付与するローラ体と、
    上記ローラレバーに取り付けられ、前記ガイド手段及び前記回動規制手段側に向かう付勢力を与える付勢手段と、
    上記ローラレバーの一端側から前記回動規制手段側に突出して設けられて前記回動規制手段に当接する当接手段と、
    を具備しており、前記シャーシ体が前記ディスクの引き抜きに伴って前記回動規制手段から見て上記回動軸側に移動した場合に、この移動に伴って前記回動規制手段に上記当接手段が当接することにより前記回動規制手段から上記ローラ体が離間する向きに回動されることを特徴とする請求項1記載のディスク再生装置。
  3. 前記ローラ手段は、回動維持手段により前記シャーシ体の移動に伴う回動後の状態が維持されることを特徴とする請求項1又は2記載のディスク再生装置。
  4. 前記ローラ手段には、前記ローラレバーの他端側に前記ディスクが挿入されている場合に、他のディスクが前記ケース体内部へ差し込まれるのを防止する防御手段を具備することを特徴とする請求項2又は3記載のディスク再生装置。
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