JP3713158B2 - 多層配線基板の製造方法 - Google Patents

多層配線基板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば基板表面に無電解メッキ層および電解メッキ層からなる配線層を有する多層配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば絶縁基板上に有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に積層して形成した多層配線基板が知られている。有機樹脂絶縁層の表面に配線層を形成する場合には、粗化した有機樹脂絶縁層の表面に、セミアディティブ法により配線層を形成する手法が知られている。セミアディティブ法による配線層の形成方法は、主に以下の工程からなる。
▲1▼有機樹脂絶縁層の表面に無電解メッキによりの無電解メッキ層を形成する。
▲2▼前記無電解メッキ層上に、所定パターンの開口部を有するメッキレジスト層を形成する。
▲3▼前記パターンの開口部に対応した無電解メッキ層上に、電解メッキにより電解メッキ層を形成する。
▲4▼前記メッキレジスト層を除去する。
▲5▼メッキレジスト層を除去した箇所に対応する余分な無電解メッキ層をエッチング除去することにより、配線層を形成する。
【0003】
また、この従来の多層配線基板においては、有機樹脂絶縁層と配線層、特に、上述したセミアディティブ法においては、無電解メッキ層との密着性を挙げるために、有機樹脂絶縁層の表面は十分に粗化されている必要がある。したがって、無電解メッキ層を形成する前に予め有機樹脂絶縁層の表面を十分に粗化しておき、この上に無電解メッキを施すという手法が採用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、有機樹脂絶縁層の表面を十分に粗化されており、且つ、無電解メッキ層の厚さが小さいときは、無電解メッキ層は有機樹脂絶縁層の表面の起伏に倣って形成されるので、無電解メッキ層上の表面粗さは有機樹脂絶縁層の表面粗さとほぼ同等にすることができる。したがって、電解メッキ層を形成する際のメッキレジスト層と無電解メッキ層との密着性がよくなり、電解メッキ層の膨れ等を防止できる。
【0005】
これに対し、有機樹脂絶縁層の表面を十分に粗化していても、その上に形成される無電解メッキ層の厚さが大きいと、無電解メッキ層が有機樹脂絶縁層の表面の起伏を均すように形成されるので、その上面の表面粗度が低下する。このような無電解メッキ層の表面が十分な粗度を有していないと、無電解メッキ層と、その上に貼り付けたメッキレジスト層との密着性が悪くなる。このような場合には、例えば、基板の搬送途中などで、搬送ローラ等に接触した際などに、メッキレジスト層と無電解メッキ層との間で部分的に浮きや剥がれが生じてしまうことがある。
【0006】
このような浮きや剥がれがあると、本来電解メッキ層が形成されてはならない部分にも電解メッキ層が形成されてしまうことになる。このように形成された電解メッキ層は、後のエッチング工程では十分に除去されないため、配線層間の絶縁不良やショートの原因となる。
【0007】
本発明は上記欠点に鑑み、案出されたものであり、その目的は有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に多層に積層してなる多層配線基板であって、前記無電解メッキ層上の表面粗さを有機樹脂絶縁層の表面粗さと同等にし、メッキレジスト層の浮きや剥がれを防止することにより、不要な電解メッキ層の形成を防止し、さらには、配線層間のショート等の不具合を防止することによって所望する特性が十分に発揮される多層配線基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための請求項1の発明は、絶縁基板上に有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に積層してなる多層配線基板の製造方法であって、有機樹脂絶縁層の表面粗さがJIS−B−0601に規定の十点平均粗さ(Rz)でRz=Xμmに粗化する粗化工程と、前記粗化された有機樹脂絶縁層の上面に無電解メッキにより厚さYμmの無電解メッキ層を形成する工程と、前記無電解メッキ層上に、所定パターンの開口部を有するメッキレジスト層を形成する工程と、前記パターンの開口部に対応した無電解メッキ層上に、電解メッキにより電解メッキ層を形成する工程と、前記メッキレジスト層を除去する工程と、前記メッキレジスト層を除去した箇所に対応する余分な無電解メッキ層を除去することにより、配線層を形成するエッチング工程と、を含み、粗化工程後の有機樹脂絶縁体層の表面粗さ(Rz=Xμm)と無電解メッキ層の厚さY(μm)とは、0.3μm≦Y≦X/3であり、X≦5μmであることを特徴とする多層配線基板の製造方法を要旨とする。
【0009】
本発明によれば、有機樹脂絶縁層の表面を十分に粗化した後、その上に十分薄い無電解メッキ層が形成されるので、無電解メッキ層が有機樹脂絶縁層の表面の起伏に倣って形成され、無電解メッキ層の上面の粗度も上記粗化した有機樹脂絶縁層の表面の粗度と同等にすることができる。したがって、無電解メッキ層とメッキレジスト層との密着強度を低下させることがないので、電解メッキ層を所望のパターンに正確に形成することができる。したがって、その後形成される配線層間の絶縁不良やショートなどの不具合を確実に防止できる。
【0010】
なお、有機樹脂絶縁層は、完全に硬化されず、半硬化の有機樹脂前駆体層状態でその表面を粗化してもよい。このようにすると、有機樹脂絶縁層が粗化され易く、その表面の粗度を容易に増すことができる。半硬化の程度とすれば、有機樹脂前駆体層が粗化処理にある程度耐えうる程度の硬化させておけばよく、有機樹脂の材質に応じて、所定の温度で所定の時間の加熱すればよいが、例えば、70℃〜180℃で、0.5〜2時間の加熱すればよい。
【0012】
本発明では、無電解メッキ層の厚さが0.3μm以上であるので、無電解メッキにより、基板表面を確実に覆うことができる。その為、後に電解メッキを行っても、形成される配線層にピンホール(図8参照)を生じることがない。
【0013】
本発明の絶縁基板の材料としては、例えば、ガラス繊維を織り込んだ布にエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ樹脂や、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体等の酸化物系セラミック、あるいは、表面に酸化物膜を有する窒化アルミニウム焼結体、炭化珪素質焼結体等の非酸化物系セラミック等の電気絶縁材料でできている。また、金属基板の表面に絶縁樹脂をコーティングしたものなども用いることができる。なお、これに限らず、公知の絶縁材料も適宜用いることができる。
【0014】
本発明のメッキレジスト層の材料としては、例えば、感光性エポキシ樹脂等の感光性樹脂が好適である。すなわち、この感光性樹脂に対して、露光現像等の処理を行うことにより、所望の開口を有するレジストパターン、すなわち、形成する配線パターンの周囲を形成するいわゆるネガパターンを形成することができる。
【0015】
なお、感光性樹脂を基板表面に配置する方法としては、感光性樹脂をスクリーン印刷やスピンコート等により塗布する方法や、感光性樹脂からなる感光性フィルムを貼り付ける方法が採用できる。
【0016】
前記配線層の種類としては、銅、アルミニウム、ニッケル、金、銀等の導電性を有する金属からなる配線層が挙げられるので、無電解メッキ層や電解メッキ層は、これらの配線に用いられる金属から構成されている。また、長距離配線層には銅、短距離配線層にはアルミニウムを用いるなど、用途に応じて金属を変えて配線層を形成することも可能である。また、例えば、最上層は銅により配線層を形成し、内部層はアルミニウムにより配線層を形成するなど、層によって金属を変えることも可能である。
【0017】
また、前記無電解メッキを行う場合には、その前処理として、無電解メッキ層を形成する部分、すなわち、有機樹脂絶縁層の表面に対して、無電解メッキの成長核(Pd、Au等)を付着させておく方法が採用できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る多層配線基板の製造方法では、図1〜図6に示すように、セミアディティブ法により配線層7を形成して多層配線基板1を製造する。
まず、図1に示す被積層基板2を予め用意する。この被積層基板2は、まず、ガラスエポキシからなる略板状のコア基板11の表裏面(図中上下面)を貫通するスルーホールを形成する。続いて、スルーホール内周面およびコア基板11の表裏面に、公知の手法を用いて、配線層12を形成した後、スルホール内に樹脂を充填する。ついで、配線層12およびコア基板11上に、予めフィルム状に形成したエポキシ樹脂(日本ペイント社製プロビコート:商品名)からなる有機樹脂前駆体層30、140を貼付けることにより形成する。
【0019】
次いで、この有機樹脂前駆体層30、140を80℃で15分間の加熱処理を施した後、図示しないマスクを配して露光し、その後、さらに80℃で45分間の加熱処理を行って半硬化状態にする。さらに、半硬化状態とされた有機樹脂前駆体層30、140に対し、現像を行い、有機樹脂絶縁前駆体層30、140にビア導体を形成するためのビアホール13を複数形成し、乾燥工程を経て、被積層基板2を形成する。
【0020】
なお、ビアホール13を形成するための現像工程は、基板を水平に保持した状態で行う。このようにすると、例えば垂直に保持した場合のようにビアホールが異形に形成されることがなく、基板表面に対し垂直方向(深さ方向)に良好に形成される。ただし、水平に保持して現像を行う場合には、基板の上面と下面において現像の進行に若干の差が生じてしまう。すなわち、基板の上面には現像液Sや溶け出した樹脂等が溜り易く、形成途中のビアホールの底面に新しい現像液Sが供給されにくい(図7参照)。
【0021】
これに対し、下面においては、重力により古い現像液Sや溶け出した樹脂等はすぐに除去され、形成途中のビアホールの底面には常に新しい現像液Sが供給される。このような上面と下面との現像の進行のバラツキを防止するために、現像工程の途中で少なくとも1回基板の上下面を反転させるとよい。この上下面反転工程は、複数回行ってもよいが、上下面を均一に現像するためには、奇数回の反転が好ましい。また、上下面の反転と同時に左右の向き等を変えると、現像液Sの当たりのバラツキも防止できるので、より好適である。
【0022】
図2(a)は、被積層基板2のうち、図中上側に形成された有機樹脂前駆体層30の部分拡大図である。次に、図2(b)に示すように、粗化工程において、過マンガン酸カリウムを含む溶液を用いて、有機樹脂前駆体層30の表面30Aの粗化を行う。有機樹脂前駆体層30は、完全には硬化されていない、半硬化の状態であるので粗化が極めて良好に行える。有機樹脂前駆体層30の表面30Aの粗化後の表面粗さは、JIS−B−0601に規定の十点平均粗さ(Rz)でRz=約3μmである。なお、ここでは図示しなかったが、ビアホール13の内壁も同時に粗化される。このように半硬化状態の有機樹脂前駆体層30に対して粗化処理したので、後に、この上に配置される配線層や有機樹脂絶縁層とのアンカー効果による密着強度が高くなる。
【0023】
次に、無電解銅メッキを施し、図3(a)に示すように、厚さ0.7μmの無電解メッキ層4を形成する。無電解メッキ層4の厚さは、有機樹脂前駆体層30の表面30Aの十点平均粗さ(Rz=3μm)よりも十分に小さいので、無電解メッキ層4の表面4Aでも、有機樹脂絶縁層30の表面30Aと同程度の凹凸が得られる。なお、ここでは図示しないが、無電解メッキ層4はビアホール13の内壁およびビアホール13の底面に露出した配線層12の表面にも形成される。また、無電解メッキ層の厚みは、0.3μm以上である0.7μmとしたので、有機樹脂前駆体層30のほぼ全面を被覆することができ、0.3μm未満にした場合のように部分的な無電解メッキ層の欠落(ピンホール)を生じることがない。
【0024】
次に、無電解メッキ層4の表面4Aにドライフィルムを貼付け、所定のパターンを用いて露光・現像し、図3(b)に示すように、配線層を形成しない場所にレジスト膜5を形成する。その後、電解メッキを施し、図3(c)に示すように、レジスト膜5から露出した無電解メッキ層4の表面4A上に、厚さ20μmの電解メッキ層6を形成する。電解メッキ層6形成後、強アルカリ(NaOH水溶液)でレジスト膜5を剥離する。
【0025】
ここで、150℃で120分間の加熱処理を施す。この加熱処理により、有機樹脂前駆体層30は完全に硬化し、有機樹脂絶縁体層3となる(完全硬化工程)。次に、硫酸ナトリウム系のエッチング液を、露出した無電解メッキ層4および電解メッキ層6に噴射して、90秒間のエッチングを行い(クイックエッチング工程)、図4(a)に示すように、不要な無電解メッキ層4を除去して、配線層7、7を形成する。
【0026】
無電解メッキ層4の厚みは、0.9μm以下である0.7μmに十分に薄くしたため、無電解メッキ層4のエッチングに要する時間を短くすることができるため、電解メッキ層6が過度にエッチングされることがない。したがって、配線層7の幅や厚みが極端に小さくなって配線層7の抵抗値が上がったり、配線層7に断線が生じたりすることがない。
【0027】
また、有機樹脂前駆体層30を完全硬化させるための加熱処理を無電解メッキ層6を形成した後で行ったので、無電解メッキ層4も加熱処理される。これにより、無電解メッキ層4のエッチング速度が、被積層基板2内でほぼ均一になる。したがって、局部的にエッチング不足が発生することがない。さらに、上記加熱処理は、電解メッキ層6が形成された後で行われるので、電解メッキ層6も加熱処理される。したがって、電解メッキ層6が局部的にオーバーエッチングになることもない。これは、加熱処理により、無電解メッキ層4および電解メッキ層6の金属粒子(銅粒子)の配列が均一になるため、エッチング速度が均一化されるためと推察される。
【0028】
ただし、無電解メッキ層4のエッチング工程の際に、有機樹脂絶縁層3の上に残渣4Bが残る場合がある。これを、過マンガン酸カリウムを含む樹脂エッチング液により、80℃で1分間の樹脂エッチングを行い、図4(b)に示すように配線層7、7間に露出した有機樹脂絶縁層3の表層部分を、深さ4μm樹脂エッチングする。この樹脂エッチングにより、無電解メッキ層4の残渣4Bを除去することができる。
【0029】
また、上記では、樹脂エッチングする深さを1μm以上の4μmとしたので、リーク不良の原因となる不要な無電解メッキ層4の残渣4Bを確実に除去することができる。さらに、7μm以下の4μmだけ樹脂エッチングしたので、有機樹脂絶縁層3が大きくエッチングされることがないから、有機樹脂絶縁層30と配線層7との密着強度を高く維持することができ、また、配線層7、7間の有機樹脂絶縁層3の表面粗度が著しく低下することがないので、有機樹脂絶縁層3と後でこの上に積層する有機樹脂絶縁層との密着強度も高く維持することができる。
【0030】
さらに、過マンガン酸カリウムを含む樹脂エッチング液を用いているので、有機樹脂絶縁層3の表面3Aを適度に樹脂エッチングすることができ、その調整が容易である。また、半硬化の有機樹脂前駆体層30を粗化した液と同じ液を用いて樹脂エッチングするので、樹脂エッチング後の粗化状態が、樹脂エッチング前のそれに近いので、良好な粗化状態を保つことができる。
【0031】
次に、配線層の粗化工程において、亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸三ナトリウムの混液により黒化処理し、図4(c)に示すように、配線層7の表面7Aを酸化して粗化する。この粗化工程(黒化処理)により、配線層7と後でこの上に積層する有機樹脂絶縁層との密着強度を高くすることができる。
【0032】
次に、図5(a)に示すように、配線層7および有機樹脂絶縁層3の上に、有機樹脂絶縁層3と同材質のエポキシ樹脂からなるフィルム状の有機樹脂前駆体を貼付け、80℃で15分間加熱処理して有機樹脂前駆体層80を形成する。なお、必要に応じて、有機樹脂前駆体層80を所定のパターンに露光し、80℃で45分間の加熱処理をした後、現像を行い、図示しないビアホールを形成する。また、このビアホールにはメッキ等により、ビア導体を形成し、ビア導体を介して、配線層7とその上の配線層とを電気的に接続することができる。
【0033】
次に、有機樹脂前駆体層80の表面80Aを、図5(b)に示すように、粗化する。その後、上記工程を繰り返して、図6に示すように、配線層9を形成し、さらに、その上にソルダーレジスト層10等を形成して、多層配線基板1を完成させる。なお、説明を省略したが、多層配線基板1のうち、図中下側に示す配線層15、17、有機樹脂絶縁層16、ソルダーレジスト層18についても、上述した手法と同様にして形成する。また、有機樹脂前駆体層80は、上記製造過程で完全硬化されることにより、有機樹脂絶縁層8となる。
【0034】
以上のように、本実施形態の製造方法によれば、有機樹脂前駆体層30(有機樹脂絶縁層3)の表面粗さが十点平均粗さ(Rz)でRz=3μmであるのに対し、無電解メッキ層4が十分に薄い0.7μmであるので、無電解メッキ層の表面もその十点平均粗さ(Rz)が有機樹脂前駆体層30(有機樹脂絶縁層3)の表面の十点平均粗さ(Rz)と同等にすることができた。したがって、後で無電解メッキ層4上に形成されるメッキレジスト層5の剥がれや浮きが生じなかった。したがって、メッキレジスト層5に形成されたパターン(開口)に従って正確に電解メッキ層6を形成することができ、さらには、所望の配線層7を形成することができる。
【0035】
なお、無電解メッキ層の厚さを0.5μm、0.9μmとした場合についても、上記実施形態と同様にメッキレジスト層5の剥がれや浮きが生じず、所望の配線層を形成することができた。これに対し、無電解メッキ層の厚さを1.2μm、1.6μm、2.0μmとした場合については、基板の搬送工程において、メッキレジスト層の剥がれや浮きが生じ、配線層に膨れやショートが生じた。
【0036】
また、無電解メッキ層の有機樹脂前駆体層(有機樹脂絶縁層)の表面粗さを十点平均粗さ(Rz)でRz=5μmとした場合については、無電解メッキ層の厚さをそれぞれ0.5μm、0.7μm、0.9μm、1.2μm、1.6μmとした場合のいずれについても、上記実施形態と同様にメッキレジスト層の剥がれや浮きが生じず、所望の配線層を形成することができた。これに対し、無電解メッキ層の厚さをそれぞれ1.8μm、2.0μmとした場合については、基板の搬送工程において、メッキレジスト層の剥がれや浮きが生じ、配線層に膨れやショートが生じた。
【0037】
以上の通り、粗化工程後の有機樹脂絶縁体層の表面の十点平均粗さ(Rz=Xμm)と無電解メッキ層の厚さY(μm)とが、Y≦X/3である場合については、基板の搬送工程において、メッキレジスト層の剥がれや浮きが生じず、所望の配線層を形成することができるが、Y>X/3の場合においては、メッキレジスト層の剥がれや浮きが生じ、配線層に膨れやショートが生じることが分かる。
【0038】
また、有機樹脂前駆体層が半硬化の状態で粗化されるので、十分に粗化され、しかも基板内での表面粗さにバラツキが少ないので、基板全体にわたって、配線層との十分な密着強度が得られる。また、上記実施形態においては、配線層を、いわゆるセミアディティブ法にて形成する場合に、無電解メッキ層を形成した後で、有機樹脂前駆体層を完全硬化させるための加熱処理を施すので、無電解メッキ層のエッチング工程における基板内でのエッチング速度のバラツキもなくすことができる。これは、加熱処理によって、無電解メッキ層中の金属粒子の配列が均一になり、エッチング速度も均一化されるものと推察される。
【0039】
また、配線層を形成する際に、クイックエッチングが不十分で、配線層7、7間の有機樹脂絶縁層3上に、不要な無電解メッキ層4の残渣4Bが完全に除去されずに残った場合でも、その後、樹脂エッチング工程によって、これを除去できることができる。したがって、配線層7、7間でリーク不良が発生することのない、信頼性の高い多層配線基板1を製造することができる(図6参照)。
【0040】
以上において、本発明を各実施形態に沿って説明したが、本発明は上記実施形態に限定さえるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0041】
【発明の効果】
本発明の多層配線基板の製造方法によれば、表面粗さがJIS−B−0601に規定の十点平均粗さ(Rz)でRz=Xμmに粗化された有機樹脂絶縁層の上面に、無電解メッキにより厚さYμmの無電解メッキ層を形成し、且つ、Y≦X/3である場合においては、無電解メッキ層の表面の十点平均粗さ(Rz)も、有機樹脂絶縁層の表面の十点平均粗さ(Rz)と同等にすることができるので、メッキレジスト層の浮きや剥がれが有効に防止される。したがって、配線層の膨れや配線層間のショートが防止できる。
【0042】
さらに、無電解メッキ層の厚さを0.3μm以上にしたので、ピンホール等の欠陥を生じることがなく、電解メッキ層が良好に形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係り、被積層基板の断面図を示す。
【図2】本発明の実施形態に係る多層配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は被積層基板の有機樹脂前駆体層の部分拡大図を示し、(b)は有機樹脂前駆体層の表面を粗化した状態を示す。
【図3】本発明の実施形態に係る多層配線基板の製造方法に示す図であり、(a)は無電解メッキ層を形成した状態を示し、(b)メッキレジスト層を形成した状態を示し、(c)は電解メッキ層を形成した状態を示す。
【図4】本発明の実施形態に係る多層配線基板の製造方法に示す図であり、(a)は配線層を形成した状態を示し、(b)は配線層間の有機樹脂絶縁層の表面部分をエッチングした状態を示し、(c)は配線層の表面を粗化した状態を示す。
【図5】本発明の実施形態に係る多層配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は有機樹脂絶縁層を積層した状態を示し、(b)は有機樹脂前駆体層の表面を粗化した状態を示す。
【図6】本発明の実施形態に係り、多層配線基板の断面図を示す。
【図7】基板を水平に保持した状態での現像工程を示す説明図である。
【図8】従来の基板におけるピンホールを示す説明図である。
【符号の説明】
1:多層配線基板
2:被積層基板
30、80:有機樹脂前駆体層
3:有機樹脂絶縁層
4:無電解メッキ層
5:メッキレジスト層
6:電解メッキ層
7:配線層

Claims (1)

  1. 絶縁基板上に有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に積層してなる多層配線基板の製造方法であって、
    有機樹脂絶縁層の表面粗さがJIS−B−0601に規定の十点平均粗さ(Rz)でRz=Xμmに粗化する粗化工程と、
    前記粗化された有機樹脂絶縁層の上面に無電解メッキにより厚さYμmの無電解メッキ層を形成する工程と、
    前記無電解メッキ層上に、所定パターンの開口部を有するメッキレジスト層を形成する工程と、
    前記パターンの開口部に対応した無電解メッキ層上に、電解メッキにより電解メッキ層を形成する工程と、
    前記メッキレジスト層を除去する工程と、
    前記メッキレジスト層を除去した箇所に対応する余分な無電解メッキ層を除去することにより、配線層を形成するエッチング工程と、を含み、
    粗化工程後の有機樹脂絶縁体層の表面粗さ(Rz=Xμm)と無電解メッキ層の厚さY(μm)とは、0.3μm≦Y≦X/3であり、X≦5μmであることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
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