JP3784978B2 - 多層配線基板の製造方法 - Google Patents

多層配線基板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば基板表面に無電解メッキ層および電解メッキ層からなる配線層を有する配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば絶縁基板上に有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に積層して形成した多層配線基板が知られている。有機樹脂絶縁層の表面に配線層を形成する場合には、通常、無電解メッキや電解メッキによって配線層を形成しているが、有機樹脂絶縁層と配線層との密着性を高めるために、有機樹脂絶縁層の表面に対して粗化処理を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の多層配線基板においては、有機樹脂絶縁層は粗化される前にすでに完全に硬化しているため、十分に粗化できないことがあった。このような十分に粗化されていない有機樹脂絶縁層の表面に配線層を形成しても、有機樹脂絶縁層と配線層との十分な密着強度が得られず、配線層が絶縁層から剥がれる等の不具合が発生し、多層配線基板としての機能を喪失するという欠点を誘発する。
【0004】
本発明は上記欠点に鑑み、案出されたものであり、その目的は有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に多層に積層してなる多層配線基板であって、前記有機樹脂絶縁層と前記配線層との密着強度を強くし、外力印加によっても有機樹脂絶縁層と前記配線層との間に剥離が発生するのを有効に防止することによって所望する特性が十分に発揮される多層配線基板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための請求項1の発明は、絶縁基板上に有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に積層してなる多層配線基板の製造方法であって、絶縁基板上にフィルム状に形成した有機樹脂を貼り付けて有機樹脂前駆体層を形成し、該有機樹脂前駆体層を熱処理して半硬化させる半硬化工程と、前記半硬化した有機樹脂前駆体層の表面と前記半硬化工程の後に形成されたビア導体を形成するためのビアホールとを粗化する粗化工程と、前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層を熱処理し、該粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層を完全に硬化させ、有機樹脂絶縁層となす完全硬化工程と、を含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法を要旨とする。
【0006】
本発明によれば、完全に硬化されず、半硬化の状態の有機樹脂前駆体層の表面を粗化するので、有機樹脂前駆体層の表面を十分に粗化できる。半硬化の程度とすれば、有機樹脂前駆体層が粗化処理にある程度耐えうる程度の硬化させておけばよく、有機樹脂の材質に応じて、所定の温度で所定の時間の加熱すればよいが、例えば、70℃〜180℃で、0.5〜2時間の加熱すればよい。
【0007】
さらに、請求項2の発明は、絶縁基板上に有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に積層してなる多層配線基板の製造方法であって、絶縁基板上にフィルム状に形成した有機樹脂を貼り付けて有機樹脂前駆体層を形成し、該有機樹脂前駆体層を熱処理して半硬化させる半硬化工程と、前記半硬化した有機樹脂前駆体層の表面と前記半硬化工程の後に形成されたビア導体を形成するためのビアホールとを粗化する粗化工程と、前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層を熱処理し、該粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層を完全に硬化させ、有機樹脂絶縁層となす完全硬化工程と、前記有機樹脂絶縁層の上面に配線層を形成する配線層形成工程と、を含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法を要旨とする。
【0008】
本発明によれば、完全に硬化されず、半硬化の状態の有機樹脂前駆体層の表面を粗化するので、有機樹脂前駆体層の表面を十分に粗化できる。また、配線層を形成する前に完全硬化し、半硬化の有機樹脂前駆体層をより安定した有機樹脂絶縁層とするので、メッキ液やエッチング液等の影響を抑制できる。
【0009】
さらに、請求項3の発明は、絶縁基板上に有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に積層してなる多層配線基板の製造方法であって、絶縁基板上にフィルム状に形成した有機樹脂を貼り付けて有機樹脂前駆体層を形成し、該有機樹脂前駆体層を熱処理して半硬化させる半硬化工程と、前記半硬化した有機樹脂前駆体層の表面と前記半硬化工程の後に形成されたビア導体を形成するためのビアホールとを粗化する粗化工程と、前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層の上面に無電解メッキにより無電解メッキ層を形成する工程と、前記無電解メッキ層および前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層に熱処理を施し、前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層を完全に硬化させ、有機樹脂絶縁層となす完全硬化工程と、前記無電解メッキ層上に、所定パターンの開口部を有するメッキレジスト層を形成する工程と、前記パターンの開口部に対応した無電解メッキ層上に、電解メッキにより電解メッキ層を形成する工程と、前記メッキレジスト層を除去する工程と、前記メッキレジスト層を除去した箇所に対応する余分な無電解メッキ層を除去することにより、配線層を形成するエッチング工程と、を含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法を要旨とする。
【0010】
本発明によれば、完全に硬化されず、半硬化の状態の有機樹脂前駆体層の表面を粗化するので、有機樹脂前駆体層の表面を十分に粗化できる。また、半硬化した有機樹脂前駆体層に完全に硬化させる熱処理を、無電解メッキ層形成後に施すことにより、後のエッチング工程におけるエッチング速度のバラツキがなくなり、基板全体にわたってほぼ均一な速度でエッチングされるので、基板内で局部的にオーバーエッチングになったり、あるいはエッチング残りが生じることがなくなる。この理由は、加熱処理によって、無電解メッキ層中の金属粒子の配列が均一になり、エッチング速度も均一化されるものと推察される。
【0011】
なお、このようにエッチング速度を均一化できるという効果は、半硬化した有機樹脂前駆体層に完全に硬化させる熱処理を、無電解メッキ層形成後で、且つ、無電解メッキ層のエッチング工程の前に行えば得ることができる。したがって、請求項4に記載の発明によっても、同様の効果を得ることができる。
【0012】
すなわち、請求項4に記載の発明は、絶縁基板上に有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に積層してなる多層配線基板の製造方法であって、絶縁基板上にフィルム状に形成した有機樹脂を貼り付けて有機樹脂前駆体層を形成し、該有機樹脂前駆体層を熱処理して半硬化させる半硬化工程と、前記半硬化した有機樹脂前駆体層の表面と前記半硬化工程の後に形成されたビア導体を形成するためのビアホールとを粗化する粗化工程と、前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層の上面に無電解メッキにより無電解メッキ層を形成する工程と、前記無電解メッキ層上に、所定パターンの開口部を有するメッキレジスト層を形成する工程と、前記パターンの開口部に対応した無電解メッキ層上に、電解メッキにより電解メッキ層を形成する工程と、前記メッキレジスト層を除去する工程と、前記無電解メッキ層、前記電解メッキ層および前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層に熱処理を施し、該粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層を完全に硬化させ、有機樹脂絶縁層となす完全硬化工程と、前記メッキレジスト層を除去した箇所に対応する余分な無電解メッキ層を除去することにより、配線層を形成するエッチング工程と、を含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法を要旨とする。
【0013】
さらに、請求項5に記載の発明は、前記無電解メッキ層の厚さが、0.3〜0.9μmであることを特徴とする請求項3または4に記載の配線基板の製造方法を要旨とする。
【0014】
本発明では、無電解メッキ層にはエッチング前に加熱処理が施されており、さらに、無電解メッキ層の厚みが0.9μm以下と薄いので、わずかの時間のエッチングを施すだけで、マスキングやガードメッキを施さずとも、電解メッキ層を損なうことなく、速やかに電解メッキ層を除去できる。しかも、配線基板全体にわたって均一なエッチング速度でエッチングされるので、エッチング条件を厳しくコントロールしなくても、オーバーエッチング(図2(a)参照)やエッチング残りの恐れがないので、その点からも作業能率は大きく向上する。また、マスキングやガードメッキを施す必要がないので製造工程を単純化することができる。また、無電解メッキ層の厚みを0.9μmと薄くしたので、無電解メッキ層を形成する時間を短くすることができ、製造コストの低減にも寄与することができる。
【0015】
さらに、無電解メッキ層の厚さは、0.3μm以上であるので、無電解メッキにより、基板表面を確実に覆うことができる。その為、後に電解メッキを行っても、形成される配線層にピンホール(図2(b)参照)を生じることがない。
【0016】
さらに、請求項6に記載の発明は、前記エッチング工程の後に、前記有機樹脂絶縁層の表面をエッチングすることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の配線基板の製造方法を要旨とする。
【0017】
本発明では、エッチング工程の後に、有機樹脂絶縁層の表面をエッチング(樹脂エッチング)するので、有機樹脂絶縁層の表面に残存した無電解メッキ層が点在していても、これを有機樹脂絶縁層の表面の樹脂と一緒に除去できる。この樹脂エッチングに用いる粗化液は、有機樹脂前駆体層を粗化した粗化液と同じものを用いれば、樹脂エッチング後の粗化状態を有機樹脂前駆体層を粗化したときの状態とほぼ同様に保ことができるので好ましい。有機樹脂絶縁層の表面の樹脂エッチング液は、有機樹脂絶縁層の材質に応じて、適宜選定して用いればよいが、例えば過マンガン酸カリウム溶液などが用いられる。
【0018】
本発明の絶縁基板の材料としては、例えば、ガラス繊維を織り込んだ布にエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ樹脂や、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体等の酸化物系セラミック、あるいは、表面に酸化物膜を有する窒化アルミニウム焼結体、炭化珪素質焼結体等の非酸化物系セラミック等の電気絶縁材料でできている。また、金属基板の表面に絶縁樹脂をコーティングしたものなども用いることができる。なお、これに限らず、公知の絶縁材料も適宜用いることができる。
【0019】
本発明のメッキレジスト層の材料としては、例えば、感光性エポキシ樹脂等の感光性樹脂が好適である。すなわち、この感光性樹脂に対して、露光現像等の処理を行うことにより、所望のレジストパターン、すなわち、形成する配線パターンの周囲を形成するいわゆるネガパターンを形成することができる。
【0020】
なお、感光性樹脂を基板表面に配置する方法としては、感光性樹脂をスクリーン印刷やスピンコート等により塗布する方法や、感光性樹脂からなる感光性フィルムを貼り付ける方法が採用できる。
【0021】
前記配線層の種類としては、銅、ニッケル、金、銀等の導電性を有する金属からなる配線層が挙げられるので、無電解メッキ層や電解メッキ層は、これらの配線に用いられる金属から構成されている。
また、前記無電解メッキを行う場合には、その前処理として、無電解メッキ層を形成する場所(開口部)に対して、無電解メッキの成長核(Pd、Au等)を付着させておく方法が採用できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る多層配線基板の製造方法では、図1〜図6に示すように、セミアディティブ法により配線層7を形成して多層配線基板1を製造する。
まず、図1に示す被積層基板2を予め用意する。この被積層基板2は、まず、ガラスエポキシからなる略板状のコア基板11の表裏面(図中上下面)を貫通するスルーホールを形成する。続いて、スルーホール内周面およびコア基板11の表裏面に、公知の手法を用いて、配線層12を形成した後、スルホール内に樹脂を充填する。ついで、配線層12およびコア基板11上に、予めフィルム状に形成したエポキシ樹脂(日本ペイント社製プロビコート:商品名)からなる有機樹脂前駆体層30、140貼付けることにより形成する。
【0023】
次いで、この有機樹脂前駆体層30、140を80℃で15分間の加熱処理を施した後、図示しないマスクを配して露光し、その後、さらに80℃で45分間の加熱処理を行って半硬化状態にする。さらに、半硬化状態とされた有機樹脂前駆体層30、140に対し、現像を行い、有機樹脂絶縁前駆体層30、140にビア導体を形成するためのビアホール13を複数形成し、乾燥工程を経て、被積層基板2を形成する。
【0024】
図2(a)は、被積層基板2のうち、図中上側に形成された有機樹脂前駆体層30の部分拡大図である。次に、図2(b)に示すように、粗化工程において、過マンガン酸カリウムを含む溶液を用いて、有機樹脂前駆体層30の表面30Aの粗化を行う。有機樹脂前駆体層30は、完全には硬化されていない、半硬化の状態であるので粗化が極めて良好に行える。なお、ここでは図示しなかったが、ビアホール13の内壁も同時に粗化される。このように半硬化状態の有機樹脂前駆体層30に対して粗化処理したので、後に、この上に配置される配線層や樹脂絶縁層とのアンカー効果による密着強度が高くなる。
【0025】
次に、無電解銅メッキを施し、図3(a)に示すように、厚さ0.7μmの無電解メッキ層4を形成する。無電解メッキ層4の厚さは、有機樹脂前駆体層30の表面30Aの粗度よりも十分に小さいので、無電解メッキ層4の表面4Aでも、有機樹脂絶縁層30の表面30Aと同程度の凹凸が得られる。なお、ここでは図示しないが、無電解メッキ層4はビアホール13の内壁およびビアホール13の底面に露出した配線層12の表面にも形成される。また、無電解メッキ層の厚みは、0.3μm以上である0.7μmとしたので、有機樹脂前駆体層30のほぼ全面を被覆することができ、0.3μm未満にした場合のように部分的な無電解メッキ層の欠落(ピンホール)を生じることがない。
【0026】
次に、無電解メッキ層4の表面4Aにドライフィルムを貼付け、所定のパターンを用いて露光・現像し、図3(b)に示すように、配線層を形成しない場所にレジスト膜5を形成する。その後、電解メッキを施し、図3(c)に示すように、レジスト膜5から露出した無電解メッキ層4の表面4A上に、厚さ20μmの電解メッキ層6を形成する。電解メッキ層6形成後、強アルカリ(NaOH水溶液)でレジスト膜5を剥離する。
【0027】
ここで、150℃で120分間の加熱処理を施す。この加熱処理により、有機樹脂前駆体層30は完全に硬化し、有機樹脂絶縁体層3となる(完全硬化工程)。次に、硫酸ナトリウム系のエッチング液を、露出した無電解メッキ層4および電解メッキ層6に噴射して、90秒間のエッチングを行い(クイックエッチング工程)、図4(a)に示すように、不要な無電解メッキ層4を除去して、配線層7、7を形成する。
【0028】
無電解メッキ層4の厚みは、0.9μm以下である0.7μmに十分に薄くしたため、無電解メッキ層4のエッチングに要する時間を短くすることができるため、電解メッキ層6が過度にエッチングされることがない。したがって、配線層7の幅や厚みが極端に小さくなって配線層7の抵抗値が上がったり、配線層7に断線が生じたりすることがない。
【0029】
また、有機樹脂前駆体層30を完全硬化させるための加熱処理を無電解メッキ層6を形成した後で行ったので、無電解メッキ層4も加熱処理される。これにより、無電解メッキ層4のエッチング速度が、被積層基板2内でほぼ均一になる。したがって、局部的にエッチング不足が発生することがない。さらに、上記加熱処理は、電解メッキ層6が形成された後で行われるので、電解メッキ層6も加熱処理される。したがって、電解メッキ層6が局部的にオーバーエッチングになることもない。これは、加熱処理により、無電解メッキ層4および電解メッキ層6の金属粒子(銅粒子)の配列が均一になるため、エッチング速度が均一化されるためと推察される。
【0030】
ただし、無電解メッキ層4のエッチング工程の際に、有機樹脂絶縁層3の上に残渣4Bが残る場合がある。これを、過マンガン酸カリウムを含む樹脂エッチング液により、80℃で1分間の樹脂エッチングを行い、図4(b)に示すように配線層7、7間に露出した有機樹脂絶縁層3の表層部分を、深さ4μm樹脂エッチングする。この樹脂エッチングにより、無電解メッキ層4の残渣4Bを除去することができる。
【0031】
また、上記では、樹脂エッチングする深さを1μm以上の4μmとしたので、リーク不良の原因となる不要な無電解メッキ層4の残渣4Bを確実に除去することができる。さらに、7μm以下の4μmだけ樹脂エッチングしたので、有機樹脂絶縁層3が大きくエッチングされることがないから、有機樹脂絶縁層30と配線層7との密着強度を高く維持することができ、また、配線層7、7間の有機樹脂絶縁層3の表面粗度が著しく低下することがないので、有機樹脂絶縁層3と後でこの上に積層する有機樹脂絶縁層との密着強度も高く維持することができる。
【0032】
さらに、過マンガン酸カリウムを含む樹脂エッチング液を用いているので、有機樹脂絶縁層3の表面3Aを適度に樹脂エッチングすることができ、その調整が容易である。また、半硬化の有機樹脂前駆体層30を粗化した液と同じ液を用いて樹脂エッチングするので、樹脂エッチング後の粗化状態が、粗化前のそれに近いので、良好な粗化状態を保つことができる。
【0033】
次に、配線層の粗化工程において、亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸三ナトリウムの混液により黒化処理し、図4(c)に示すように、配線層7の表面7Aを酸化して粗化する。この粗化工程(黒化処理)により、配線層7と後でこの上に積層する有機樹脂絶縁層との密着強度を高くすることができる。
【0034】
次に、図5(a)に示すように、配線層7および有機樹脂絶縁層3の上に、有機樹脂絶縁層3と同材質のエポキシ樹脂からなるフィルム状の有機樹脂前駆体を貼付け、80℃で15分間加熱処理して有機樹脂前駆体層80を形成する。なお、必要に応じて、有機樹脂前駆体層80を所定のパターンに露光し、80℃で45分間の加熱処理をした後、現像を行い、図示しないビアホールを形成する。また、このビアホールにはメッキ等により、ビア導体を形成し、ビア導体を介して、配線層7とその上の配線層とを電気的に接続することができる。
【0035】
次に、有機樹脂前駆体層80の表面80Aを、図5(b)に示すように、粗化する。その後、上記工程を繰り返して、図6に示すように、配線層9を形成し、さらに、その上にソルダーレジスト層10等を形成して、多層配線基板1を完成させる。なお、説明を省略したが、多層配線基板1のうち、図中下側に示す配線層15、17、有機樹脂絶縁層16、ソルダーレジスト層18についても、上述した手法と同様にして形成する。また、有機樹脂前駆体層80は、上記製造過程で完全硬化されることにより、有機樹脂絶縁層8となる。
【0036】
以上のように、本実施形態の製造方法によれば、有機樹脂前駆体層が半硬化の状態で粗化されるので、十分に粗化され、しかも基板内での粗度にバラツキが少ないので、基板全体にわたって、配線層との十分な密着強度が得られる。また、上記実施形態においては、配線層を、いわゆるセミアディティブ法にて形成する場合に、無電解メッキ層を形成した後で、有機樹脂前駆体層を完全硬化させるための加熱処理を施すので、無電解メッキ層のエッチング工程における基板内でのエッチング速度のバラツキもなくすことができる。これは、加熱処理によって、無電解メッキ層中の金属粒子の配列が均一になり、エッチング速度も均一化されるものと推察される。
【0037】
また、配線層を形成する際に、クイックエッチングが不十分で、配線層7、7間の有機樹脂絶縁層3上に、不要な無電解メッキ層4の残渣4Bが完全に除去されずに残った場合でも、その後、樹脂エッチング工程によって、これを除去できることができる。したがって、配線層7、7間でリーク不良が発生することのない、信頼性の高い多層配線基板1を製造することができる(図6参照)。
【0038】
(実施形態2)
次いで、第2の実施形態について、図7及び図8を参照しつつ説明する。本実施形態では、有機樹脂前駆体層230を完全硬化するための加熱処理を電解メッキ層26の形成前に行う点で、上記実施形態1と異なる。また、配線層27の表面27をエッチングにより粗化し、その後に樹脂エッチングを行う点でも相違する。上記実施形態1と同様な部分は省略または簡略化する。
【0039】
まず、上記実施形態1における被積層基板2と同様の被積層基板22を予め用意する。なお、有機樹脂前駆体層230は、半硬化の状態でその表面230Aを粗化しておく。次に、図7(a)に示すように、厚さ0.7μmの無電解メッキ層24を形成する。その後、150℃で120分の加熱処理を施す。この加熱処理により、半硬化状態の有機樹脂前駆体層230は、完全に硬化して有機樹脂絶縁層23となる(完全硬化工程)。また、この加熱処理により、無電解メッキ層24中の金属粒子の配列が均一になるので、後工程におけるエッチング工程でのエッチング速度を均一とすることができ、基板内での局部的なエッチング残りを防止できる。
【0040】
その後、図7(b)に示すように、無電解メッキ24の表面24Aの表面のうち、配線層を形成しない部分にレジスト膜25を形成する。続いて、図7(c)に示すように、レジスト膜25から露出した無電解メッキ層24の表面24A上に、厚さ20μmの電解メッキ層26を形成する。電解メッキ層26形成後、レジスト膜25を剥離し、クイックエッチングを行い、図7(d)に示すように、不要な無電解メッキ層24を除去して、配線層27、27を形成する。
【0041】
なお、このように配線層27を形成した際に、上記実施形態1と同様に、無電解メッキ層24が完全に除去できず残渣(図示しない)が配線層27、27間に残ることがある。
【0042】
次に、配線層27を、蟻酸を含む粗化液で70秒間処理して、図8(a)に示すように、表面をエッチングすることにより、粗化する(エッチング粗化工程)。このエッチング粗化工程により、上記実施形態1における黒化処理と同様に、配線層27と後でこの上に形成される有機樹脂絶縁層との密着強度を高くすることができる。また、蟻酸を含む粗化液を用いることにより、配線層27の表面27Aを起伏の激しい、良好な粗化状態とすることができる。ただし、このエッチング粗化処理で、配線層27からその表面の銅の微粒子が剥がれ落ちて、配線層27、27間の有機樹脂絶縁層23の表面23A上に付着することがある。
【0043】
エッチング粗化工程後、樹脂エッチング工程において、過マンガン酸カリウムを含む樹脂エッチング液により、80℃で1分間樹脂エッチングを行い、図8(b)に示すように、配線層27、27間に露出した有機樹脂絶縁層23の表面部分を、深さ4μm樹脂エッチングする。この樹脂エッチングにより、有機樹脂絶縁層23の表面23A上に残った不要な無電解メッキの残渣を除去することができる。また、同時に、エッチング粗化工程の際に、配線層27の表面から剥がれ落ちた銅の微粒子27Bをも除去することができる。
【0044】
次に、配線層27及び有機樹脂絶縁層23上に、フィルム上の有機樹脂前駆体を貼付け、80℃で15分間の加熱処理を施して有機樹脂前駆体層28を形成する。その後、露光した後で80℃で45分間の加熱処理を施し、有機樹脂前駆体層28を半硬化させる。さらに、この半硬化状態の有機樹脂前駆体層28の表面を粗化処理する。
その後は、上記工程を繰り返し、配線層と有機樹脂絶縁層とを交互に所望の数だけ積層して、多層配線基板を完成させる。
【0045】
(実施形態3)
次に、第3の実施の形態について、図9および図10を参照しつつ説明する。本実施形態では、有機樹脂前駆体層を半硬化状態で粗化処理し、その後で完全に硬化させた後で、メッキにより配線層を形成する点で、上記実施形態2と異なる。また、配線層47をフルアディティブ法にて形成する点でも、相違する。したがって、上記実施形態2と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
【0046】
まず、上記実施形態1の被積層基板2と同様の被積層基板42を用意する。この被積層基板42のうち、有機樹脂前駆体層430は、予めフィルム状に形成した有機樹脂前駆体をコア基板に貼付けることにより形成する。有機樹脂前駆体層430は、80℃で15分の加熱処理を施した後、露光を行い、その後、80℃で45分の加熱処理を行って半硬化状態とする。
【0047】
ついで、現像を行い、必要箇所にビアホールを形成し、有機樹脂前駆体層430の表面430Aを粗化する。有機樹脂前駆体層430が半硬化の状態において、その表面430Aを粗化するので、その表面を起伏の激しい、良好な粗化状態とすることができる。また、粗化状態を被積層基板42の全体にはたってほぼ均一にすることができるので、後で形成される配線層47との十分な密着強度が基板全体にわたって得られる。
【0048】
次に、150℃で120分間の加熱処理を施し、有機樹脂前駆体層430を完全に硬化させ、有機樹脂絶縁層43とする。次いで、有機樹脂絶縁層43の表面43Aに無電解銅メッキを厚付けし、図9(b)に示すように、厚さ20μmの無電解メッキ層44を形成する。無電解メッキ層44を形成した後、強アルカリ(NaOH水溶液)で、レジスト膜45剥離して、図9(c)に示すように、配線層47、47を形成する。
【0049】
次に、エッチング工程において、蟻酸を含む粗化液で70秒間処理して、図10(a)に示すように、配線層47の表面47Aを粗化する。上記のように、蟻酸を含む粗化液を用いることで、配線層47の表面47Aを起伏の激しい、良好な粗化状態にすることができる。また、上記実施形態と同様に、このエッチング粗化工程で、配線層47から銅微粒子47Bが剥がれ落ちて、配線層47、47間の有機樹脂絶縁層43に付着する場合がある。
【0050】
次に、樹脂エッチング工程において、過マンガン酸カリウムを含むエッチング液で、80℃、1分間処理し、図10(b)に示すように、配線層47、47間に露出した有機樹脂絶縁層430の表層部分を、深さ4μm樹脂エッチングする。この樹脂エッチングにより、エッチング粗化工程の際に配線層47から剥がれて下地樹脂絶縁層43上に付着した銅微粒子47Bを除去することができる。
【0051】
次に、配線層47及び有機樹脂絶縁層43上に、有機樹脂絶縁層43と同材質のフィルム状の有機樹脂前駆体を貼付け、上記工程を繰り返して、有機樹脂絶縁層48を形成する。その後、さらに、上記工程を繰り返して、配線層と有機樹脂絶縁層とを交互に所望の数だけ積層して、多層配線基板を完成させる。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、有機樹脂前駆体層430が、完全に硬化していない、いわゆる半硬化の状態で、その表面430Aを粗化処理するので、その表面を容易に粗化でき、しかも、基板全体におけるその粗化状態のバラツキが生じにくい。
【0053】
(実施形態4)
次いで、第4の実施形態について、図11及び図12を参照しつつ説明する。本実施形態の製造方法では、サブトラクティブ法により配線層67を形成する点が、上記実施形態2、3と異なる。従って、上記実施形態2、3と同様な部分の説明は省略または簡略化する。
【0054】
まず、上記実施形態1と同様の被積層基板62を用意し、上記各実施形態と同様に、半硬化状態の有機樹脂前駆体層630を形成した後、その表面630Aを粗化する。次いで、図11(a)に示すように、無電解銅メッキを全面に施し、厚さ0.7μmの無電解メッキ層64を形成する。無電解メッキ層64の表面64Aには、上記実施形態1、2と同様に、有機樹脂前駆体層630の表面630Aと同程度の凹凸が形成される。続いて、無電解メッキ層64の表面64A全面に、電解銅メッキを施し、厚さ20μmの電解メッキ層66を形成する。
【0055】
次に、150℃で120分間の加熱処理を行い、半硬化状態であった有機樹脂前駆体層630を完全に硬化させ、有機樹脂前駆体層63とする。また、この際には、無電解メッキ層64および電解メッキ層66も加熱処理されるので、無電解メッキ層64および電解メッキ層66中の金属粒子の配列が均一になり、エッチング速度も均一化される。したがって、後のエッチング工程でのエッチングバラツキを防止できる。
【0056】
次に、電解メッキ層66の表面66Aにドライフィルムを貼付け、所定のパターンを用いて露光・現像し、図11(b)に示すように、配線層に対応する部分にエッチングレジスト膜65を形成する。続いて、図11(c)に示すように、エッチングレジスト膜65から露出した電解メッキ層66及び無電解メッキ層64をエッチングにより除去する。電解メッキ層66及び無電解メッキ層64は、予め加熱処理されているので、局部的なオーバーエッチングや、局部的なエッチング残りを発生せず、基板全体に渡り、ほぼ均一なエッチング速度でエッチングされる。
【0057】
次に、エッチングレジスト膜65を剥離して、図11(d)に示すように、配線層67、67を形成する。続いて、エッチング粗化工程において、図12(a)に示すように、蟻酸を含む粗化液にて70秒間処理して、配線層67の表面67Aを粗化する。本実施形態においても、蟻酸を用いることによって、配線層67の表面67Aを起伏の激しい、良好な粗化状態にすることができる。また、エッチング粗化工程で、配線層67の表面から銅微粒子67Bが剥がれ落ちて、配線層67、67間の有機樹脂絶縁層63上に付着する場合がある。
【0058】
次に、樹脂エッチング工程において、過マンガン酸カリウムを含む樹脂エッチング液で80℃、1分間の樹脂エッチングを行い、図12(b)に示すように、配線層67、67間に露出した有機樹脂絶縁層63の表面を、深さ4μm樹脂エッチングする。この樹脂エッチングにより、エッチング粗化工程の際に配線層67から剥がれ落ちて有機樹脂絶縁層63上に付着した銅微粒子があっても、それを有機樹脂絶縁層63の表面の樹脂共々除去することができる。
【0059】
次に、配線層67及び有機樹脂絶縁層63上に、有機樹脂絶縁層63と同材質のフィルム状の有機樹脂前駆体を貼付け、図12(c)に示すように、有機樹脂前駆体層68を形成する。その後は、上記工程を繰り返して、配線層と有機樹脂絶縁層とを交互に所望の数だけ積層して、多層配線基板を完成させる。
【0060】
以上のように、有機樹脂前駆体層630は、半硬化の状態で粗化処理されるので、その表面630Aを粗化処理するので、その表面を容易に粗化でき、しかも、基板全体におけるその粗化状態のバラツキが、基板全体において生じにくい。また、有機樹脂前駆体層630を完全硬化させる際に、同時に、無電解メッキ層64及び電解メッキ層66が熱処理されているので、後のエッチング工程において良好なエッチングが可能となる。
【0061】
なお、上記実施形態においては、無電解メッキ層64および電解メッキ層66の両方を形成した後で、有機樹脂前駆体層630を完全硬化させたが、無電解メッキ層64を形成する前、又は、電解メッキ層66を形成する前のいずれかに、加熱処理を施してもよい。
【0062】
以上において、本発明を各実施形態に沿って説明したが、本発明は上記実施形態に限定さえるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0063】
【発明の効果】
本発明の多層配線基板の製造方法によれば、有機樹脂前駆体層が、完全に硬化していない、半硬化状態において、その表面を粗化するので、良好な粗化状態が得られる。また、基板全体にわたって、粗化状態のバラツキを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係り、被積層基板の断面図を示す。
【図2】実施形態1に係る多層配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は被積層基板の有機樹脂前駆体層の部分拡大図を示し、(b)は有機樹脂前駆体層の表面を粗化した状態を示す。
【図3】実施形態1に係る多層配線基板の製造方法に示す図であり、(a)は無電解メッキ層を形成した状態を示し、(b)レジスト膜を形成した状態を示し、(c)は電解メッキ層を形成した状態を示す。
【図4】実施形態1に係る多層配線基板の製造方法に示す図であり、(a)は配線層を形成した状態を示し、(b)は配線層間の有機樹脂絶縁層の表面部分をエッチングした状態を示し、(c)は配線層の表面を粗化した状態を示す。
【図5】実施形態1に係る多層配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は有機樹脂絶縁層を積層した状態を示し、(b)は有機樹脂前駆体層の表面を粗化した状態を示す。
【図6】実施形態1に係り、多層配線基板の断面図を示す。
【図7】実施形態2に係る多層配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は有機樹脂前駆体層上に無電解メッキ層を形成した状態を示し、(b)はレジスト膜を形成した状態を示し、(c)は電解メッキ層を形成した状態を示し、(d)は配線層を形成した状態を示す。
【図8】実施形態2に係る多層配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は配線層の表面をエッチングした状態を示し、(b)は配線層間の有機樹脂絶縁層の表層部分を樹脂エッチングした状態を示し、(c)は有機樹脂前駆体層を積層した状態を示す。
【図9】実施形態3に係る多層配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は有機樹脂絶縁層上にレジスト膜を形成した状態を示し、(b)は無電解メッキ層を形成した状態を示し、(c)は配線層を形成した状態を示す。
【図10】実施形態3に係る多層配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は配線層の表面をエッチング粗化した状態を示し、(b)は配線層間の有機樹脂絶縁層の表層部分を樹脂エッチングした状態を示し、(c)は樹脂絶縁層を積層した状態を示す。
【図11】実施形態4に係る多層配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は、有機樹脂前駆体層上に無電解メッキ層及び電解メッキ層を形成した状態を示し、(b)はエッチングレジスト膜を形成した状態を示し、(c)は不要なメッキ層をエッチングして除去した状態を示し、(d)は配線層を形成した状態を示す。
【図12】実施形態4に係る多層配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は配線層の表面をエッチング粗化した状態を示し、(b)は配線層間の有機樹脂絶縁層の表層部分を樹脂エッチングした状態を示し、(c)は、有機樹脂前駆体層を積層した状態を示す。
【符号の説明】
1:多層配線基板
2、22、42、62:被積層基板
28、30、48、68、80、230、430、630:有機樹脂前駆体層
3、23、43、63:有機樹脂絶縁層
4、24、44、64:無電解メッキ層
6、26、66:電解メッキ層
7、27、47、67:配線層

Claims (7)

  1. 絶縁基板上に有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に積層してなる多層配線基板の製造方法であって、
    絶縁基板上にフィルム状に形成した有機樹脂を貼り付けて有機樹脂前駆体層を形成し、該有機樹脂前駆体層を熱処理して半硬化させる半硬化工程と、
    前記半硬化した有機樹脂前駆体層の表面と前記半硬化工程の後に形成されたビア導体を形成するためのビアホールとを粗化する粗化工程と、
    前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層を熱処理し、該粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層を完全に硬化させ、有機樹脂絶縁層となす完全硬化工程と、
    を含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  2. 絶縁基板上に有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に積層してなる多層配線基板の製造方法であって、
    絶縁基板上にフィルム状に形成した有機樹脂を貼り付けて有機樹脂前駆体層を形成し、該有機樹脂前駆体層を熱処理して半硬化させる半硬化工程と、
    前記半硬化した有機樹脂前駆体層の表面と前記半硬化工程の後に形成されたビア導体を形成するためのビアホールとを粗化する粗化工程と、
    前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層を熱処理し、該粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層を完全に硬化させ、有機樹脂絶縁層となす完全硬化工程と、
    前記有機樹脂絶縁層の上面に配線層を形成する配線層形成工程と、
    を含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  3. 絶縁基板上に有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に積層してなる多層配線基板の製造方法であって、
    絶縁基板上にフィルム状に形成した有機樹脂を貼り付けて有機樹脂前駆体層を形成し、該有機樹脂前駆体層を熱処理して半硬化させる半硬化工程と、
    前記半硬化した有機樹脂前駆体層の表面と前記半硬化工程の後に形成されたビア導体を形成するためのビアホールとを粗化する粗化工程と、
    前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層の上面に無電解メッキにより無電解メッキ層を形成する工程と、
    前記無電解メッキ層および前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層に熱処理を施し、前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層を完全に硬化させ、有機樹脂絶縁層となす完全硬化工程と、
    前記無電解メッキ層上に、所定パターンの開口部を有するメッキレジスト層を形成する工程と、
    前記パターンの開口部に対応した無電解メッキ層上に、電解メッキにより電解メッキ層を形成する工程と、
    前記メッキレジスト層を除去する工程と、
    前記メッキレジスト層を除去した箇所に対応する余分な無電解メッキ層を除去することにより、配線層を形成するエッチング工程と、
    を含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  4. 絶縁基板上に有機樹脂絶縁層と配線層とを交互に積層してなる多層配線基板の製造方法であって、
    絶縁基板上にフィルム状に形成した有機樹脂を貼り付けて有機樹脂前駆体層を形成し、該有機樹脂前駆体層を熱処理して半硬化させる半硬化工程と、
    前記半硬化した有機樹脂前駆体層の表面と前記半硬化工程の後に形成されたビア導体を形成するためのビアホールとを粗化する粗化工程と、
    前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層の上面に無電解メッキにより無電解メッキ層を形成する工程と、
    前記無電解メッキ層上に、所定パターンの開口部を有するメッキレジスト層を形成する工程と、
    前記パターンの開口部に対応した無電解メッキ層上に、電解メッキにより電解メッキ層を形成する工程と、
    前記メッキレジスト層を除去する工程と、
    前記無電解メッキ層、前記電解メッキ層および前記粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層に熱処理を施し、該粗化された半硬化の有機樹脂前駆体層を完全に硬化させ、有機樹脂絶縁層となす完全硬化工程と、
    前記メッキレジスト層を除去した箇所に対応する余分な無電解メッキ層を除去することにより、配線層を形成するエッチング工程と、
    を含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  5. 前記無電解メッキ層の厚さが、0.3〜0.9μmであることを特徴とする請求項3または4に記載の多層配線基板の製造方法。
  6. 前記無電解メッキ層を除去する前記エッチング工程の後に、前記有機樹脂絶縁層の表面をエッチングし、その有機樹脂絶縁層の表面をエッチングする深さが、1μm以上7μm以下であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
  7. 前記フィルム状に形成した有機樹脂は、エポキシ樹脂である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
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