JP3766125B2 - 多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層プリント配線板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年における多層プリント配線板を製造する方法の一つとして、アディティブプロセスが知られている。また、アディティブプロセスは、i) フルアディティブ、ii)パーシャリーアディティブ及び iii)セミアディティブという3種のプロセスに分類される。
【0003】
ここで、前記3種のプロセスのうちセミアディティブを採り上げるとともに、同プロセスによる多層プリント配線板21の製造方法の一例を図4,図5に基づいて説明する。
【0004】
まず、内層パターン22を有するコア基板23を作製する(図4(a) 参照)。次に、コア基板23の片面または両面に、アディティブ用接着剤からなる絶縁層24を形成する(図4(b) 参照)。前記アディティブ用接着剤としては、易溶性樹脂フィラーを難溶性樹脂マトリクス中に分散してなるものが使用される。このようなアディティブ用接着剤には、一般的に感光性が付与されている。次に、露光・現像を行うことによって絶縁層24の所定箇所にバイアホール形成用孔25を形成する。次に、粗化液による処理を行うことによって、主として絶縁層24中のフィラーを溶解する。その結果、絶縁層24に多数のアンカー用凹部が形成され、絶縁層24の表層が粗化面24aとなる(図4(c) 参照)。次に、スルーホール形成用孔26を形成するために、ドリル等によってコア基板23の所定箇所を孔あけする(図5(a) 参照)。次に、前記コア基板23をデスミア液で処理することにより、スルーホール形成用孔26内のスミアを除去する。次に、パネルめっき(無電解銅めっき+電解銅めっき)を行うことによって、粗化面24aの上面及びスルーホール形成用孔26内のデスミア面26aに銅めっき27を析出させる(図5(b) 参照)。その結果、スルーホール28が完成する。この後、はんだ剥離法などに従って外層パターン形成工程を行うことにより、外層パターン29及びバイアホール30を形成する(図5(c),(d) 参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の製造方法には、以下に列挙するような問題がある。
第1の問題は、スルーホール形成用孔26の孔あけ工程に関する。
【0006】
スルーホール形成用孔26の孔あけを行うと、進行するドリルの後方から切り屑が排出されるとともに、その切り屑は開口部の周囲に飛散・堆積する。ここで、切り屑の主成分は、絶縁層24やコア基板23を構成する樹脂材料である。また、コア基板23の最外層には、金属材料は存在しておらず、それよりも熱伝導性の低い絶縁層24(即ち樹脂材料)が存在しているにすぎない。従って、ドリルの摩擦によって発生する熱は、外部に放散されることなくコア基板23内に溜まってしまう。
【0007】
以上の結果、開口部の周囲に飛散・堆積した切り屑は、熱によって絶縁層24に溶着し、当該部分に盛り上がり部31ができてしまう(図6(a) 参照)。この状態でパネルめっきを経た後、外層パターン29の形成の中で表面研磨を行うと、盛り上がり部31の上面に析出した銅めっき27が削れてなくなってしまう。よって、スルーホール28の開口部において断線不良が発生しやすくなる(図6(b) 参照)。
【0008】
また、孔あけ工程においては、コア基板23間の接触やコア基板23と当て板・捨て板との接触等により、粗化面26aに傷がつきやすい。すると、その部分に形成される外層パターン29にはパターン不良が発生しやすくなり、信頼性の低下を来す。
【0009】
第2の問題は、デスミア処理に関する。
デスミア液として一般に使用される過マンガン酸カリウムを用いてデスミア処理を行うと、スルーホール形成用孔26内に付着したスミアが溶解されるばかりでなく、絶縁層24もいくぶん溶解されることになる。それゆえ、絶縁層24にせっかく形成された好適なアンカー凹部の形状が崩れ、結果として粗化面24aが滑面化してしまう(図6(c),(d) 参照)。このため、粗化面24aによるアンカー効果が損なわれ、外層パターン29のピール強度が低下する。
【0010】
従って、このような多層プリント配線板21では、デスミア液としてクロム酸を用いる必要があった。ところが、このクロム酸は、過マンガン酸カリウムに比べ、スルーホール形成用孔26のデスミア面26aからコア基板23の内部に向かって銅めっき27が侵入(いわゆるめっき滲み込みが発生)することが多かった。さらに、クロム酸には再生処理が困難であるという欠点もあった。従って、かかる不具合の起こらないデスミア液の使用が可能な多層プリント配線板21の製造が望まれていた。
【0011】
本発明は上記の課題を解決するためなされたものであり、その第1の目的は、スルーホールの開口部における断線不良、並びに外層パターンのピール強度の低下及びパターン不良を確実に防止することができる多層プリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明の第2の目的は、デスミア処理に起因するめっき滲み込みを確実に防止することにある。本発明の第3の目的は、上記のような改善を図りつつ低コスト化を達成することにある。本発明の第4の目的は、ピール強度に優れた多層プリント配線板を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、イアホール及びスルーホールを有する多層プリント配線板を製造する方法であって内層パターンを有するコア基板上に、平均粒径の異なる2種の易溶性樹脂フィラーを難溶性樹脂マトリクス中に分散したアディティブ用接着剤を塗布し乾燥させた絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層にバイアホール形成用孔を形成する工程と、前記絶縁層を粗化し粗化面を形成する工程と、前記粗化面に第1の銅めっき層を形成する工程と、ドリルにより前記第1の銅めっき層、絶縁層及びコア基板に孔あけしスルーホール形成用孔を形成する工程と、前記スルーホール形成用孔内のスミアを過マンガン酸カリウムのデスミア液により除去しデスミア面を形成する工程と、前記第1の銅めっき層及びスルーホール形成用孔内に第2の銅めっき層を形成する工程と、前記第1及び第2の銅めっき層をエッチングし外層パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法をその要旨とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記粗化面は、大きな凹部の内壁面に複数の小さな凹部が開口するアンカー用凹部を備えることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、バイアホール及び外層パターンを有する多層プリント配線板であって、内層パターンを有するコア基板上に形成された、平均粒径の異なる2種の易溶性樹脂フィラーを難溶性樹脂マトリクス中に分散したアディティブ用接着剤を塗布し乾燥させた絶縁層と、前記絶縁層に形成されたバイアホール形成用孔と、前記絶縁層を粗化した粗化面と、前記粗化面上に形成された第1の銅めっき層と、ドリルにより前記第1の銅めっき層、絶縁層及びコア基板に孔あけされたスルーホール形成用孔と、前記スルーホール形成用孔内を過マンガン酸カリウムのデスミア液で処理したデスミア面と、前記第1の銅めっき層及びスルーホール形成用孔内に形成された第2の銅めっき層と、前記第1及び第2の銅めっき層をエッチングし形成された外層パターンと、を備えることを特徴とする多層プリント配線板をその要旨とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記粗化面は、大きな凹部の内壁面に複数の小さな凹部が開口するアンカー用凹部を備えることを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した多層プリント配線板の製造方法の一実施形態を図1〜図3に基づき詳細に説明する。
【0023】
図2(d)に示されるように、この多層プリント配線板1は、導体層を4つ持つ、いわゆる4層板である。多層プリント配線板1を構成するコア基板2は、ガラスエポキシ製やガラスポリイミド製の基材3と、その基材3の表裏に設けられた内層パターン4とからなる。このコア基板2の両面には、アディティブ用接着剤からなる絶縁層5が形成されている。絶縁層5の表層は、多数のアンカー用凹部A1 を持つ粗化面5aとなっている。前記粗化面5aには、外層パターン6が形成されている。外層パターン6は、金属層(本実施形態では銅めっき層)7と、その上に存在するパネルめっき層(本実施形態では銅めっき層)8とからなる2層構造を有している。以降、前者を第1の銅めっき層7と呼び、後者を第2の銅めっき層8と呼んで区別する。
【0024】
前記絶縁層5を形成しているアディティブ用接着剤は、平均粒径の異なる2種の易溶性樹脂フィラーF1 ,F2 を難溶性樹脂マトリクスM1 中に分散してなるものであることがよい。このようなものであると、粗化処理をしたときに複雑な内部形状をしたアンカー用凹部A1 が粗化面5a上に形成されるため、ピール強度の向上を図るうえで極めて好ましいからである。なお、ここでいう難溶性・易溶性とは、粗化液として使用される酸または酸化剤に対して溶解しやすいか否かをいうものである。本実施形態においては、具体的には、難溶性樹脂マトリクスM1 として熱硬化性及び感光性エポキシ樹脂が選択されている。小径の易溶性樹脂フィラーF1 として0.5μmのエポキシ微粒子が選択され、大径の易溶性樹脂フィラーF2 として5.5μmのエポキシ微粒子が選択されている。
【0025】
図3には、粗化面5aにおけるアンカー用凹部A1 の様子が概念的に示されている。粗化面5aに存在するアンカー凹部A1 は、いわゆる二重たこつぼ状という複雑な形状を備えている。即ち、1つの大きな凹部の内壁面に複数の小さな凹部が開口した状態となっている。
【0026】
この多層プリント配線板1には、表裏面の外層パターン6を電気的に接続するためのスルーホール9が多数形成されている。前記スルーホール9は、スルーホール形成用孔10内のデスミア面10aに、第2の銅めっき層8を析出させることによって形成されている。
【0027】
ここで、絶縁層5の粗化面5aの粗さは、デスミア面10aの粗さよりも大きくなっている(図3参照)。本実施形態の場合、具体的には粗化面5aの表面粗さが約10μm〜13μmに、デスミア面10aの表面粗さが約1μmになっている。また、前記デスミア面10aに存在するアンカー凹部A2 は、小さな凹部を殆ど備えておらず、そのため大きな凹部からなる一重たこつぼ状になっている。つまり、デスミア面10aに存在するアンカー凹部A2 は、粗化面5に存在するアンカー凹部A1 ほど複雑な形状をしていないことになる。
【0028】
絶縁層5の所定部分には、最表層にある外層パターン6と内層パターン4とを電気的に接続するためのインタスティシャルバイアホール11が多数形成されている。これらのバイアホール11は、バイアホール形成用孔12に第1のめっき層7を析出させ、かつその上に第2の銅めっき層8を析出させることによって形成されている。
【0029】
次に、本実施形態の多層プリント配線板1の製造方法について説明する。
まず、従来公知のサブトラクティブプロセスに従って、基材3の表裏面に内層パターン4を有するコア基板2を作製する(図1(a) 参照)。
【0030】
次に、ロールコータやスピンコータ等を用いて前記コア基板2に上記のアディティブ用接着剤を塗布し、かつその塗布された接着剤を乾燥する。その結果、コア基板2の両面に絶縁層5が形成される(図1(b) 参照)。
【0031】
次に、露光・現像を行うことによって、絶縁層5の所定箇所にバイアホール形成用孔12を形成する(図1(c) 参照)。
次に、粗化液による処理を行うことによって、主として絶縁層5中の易溶性樹脂フィラーF1 ,F2 を溶解する(粗化工程)。その結果、絶縁層5に多数のアンカー用凹部A1 が形成され、絶縁層5の表層が表面粗さが10μm〜13μmの粗化面5aとなる(図1(d) 参照)。なお、本実施形態では、50g/リットルの過マンガン酸カリウム水溶液が粗化液として使用されている。このような粗化液を用いた場合の処理時間は5分であり、処理温度は50℃である。
【0032】
次に、従来公知の手順に従ってパネルめっきを行うことにより、粗化面5aの全体に第1の銅めっき層7を形成する。この場合、無電解銅めっき浴及び電解銅めっき浴のいずれも使用することが可能である。ただし、無電解銅めっきのほうが析出厚みが均一になるため好ましい。そのため、本実施形態では無電解銅めっき浴として「商品名:KC−500(ジャパンエナジー社製)」を選択している。この浴の利点は、析出速度が6μm/hrであって高速なことである。
【0033】
第1の銅めっき層7の厚さは1μm〜10μmであることがよく、さらには1μm〜5μmであることがよい。第1の銅めっき7が厚くなりすぎると、コスト高になったり、デスミア面10aへのめっきの際に支障が出る等の問題が生じるおそれがある。逆に第1の銅めっき層7が薄くなりすぎると、コア基板2の放熱性を充分に向上させることができなくなるおそれがある。以上のことから、本実施形態では第1の銅めっき層7の厚さを5μmに設定している。
【0034】
第1回めのパネルめっきの終了後、次いでコア基板2の所定箇所をドリルによって孔あけする。その結果、コア基板2に多数のスルーホール形成用孔10が形成される(図2(a) 参照)。このとき、コア基板2の外表面、詳細には第1の銅めっき層7においてスルーホール形成用孔10の開口部の周囲には、切り屑が飛散・堆積する。この切り屑は、次工程に以降する前に水洗によって除去される。水洗されたコア基板2はさらに乾燥される。次に、前記コア基板2をデスミア液で処理することにより、スルーホール形成用孔10内のスミアを除去する。
【0035】
デスミア処理の後、再びパネルめっきを行うことによって、粗化面5a及びデスミア面10aに第2の銅めっき層8を析出させる(図2(b) 参照)。その結果、スルーホール9及びバイアホール11が完成する。この段階でのパネルめっきは、デスミア面10aにめっきを析出させるため、まず無電解めっきを実施する必要がある。そして、この後に電解めっきが施される。本実施形態では、無電解銅めっきを行った後に電解銅めっきを行っている。
【0036】
第2の銅めっき層8の厚さは10μm〜20μmであることがよい。その理由は、第2の銅めっき層8が厚すぎると、デスミア面10aへのめっきの際に支障を来すとともに、コスト高になるおそれがあるからである。
【0037】
第2回めのパネルめっき工程の後、第2の銅めっき層8の上面に、開口部を所々に有するレジスト13を形成する(図2(c) 参照)。この状態で銅を溶解すエッチャントを用いてエッチングを行うことにより、外層パターン6を形成する。この後、不要となったレジスト13を剥離する。
【0038】
外層パターン形成工程の後、表面研磨工程を行うことによって外層パターン6を均平化する。図2(d)に示す多層プリント配線板1は、以上のようにして完成する。
【0039】
さて、本実施形態において特徴的な作用効果を以下に列挙する。
(イ)本実施形態の製造方法によると、粗化面5aにおいて少なくともスルーホール形成用孔10の孔あけ位置を含む領域には金属層7が設けられる。従って、孔あけ時に発生する熱は、その金属層7の表面から外部へと放散される。つまり、金属層7の設置によって、コア基板2の放熱性の向上が図られる。このため、スルーホール形成用孔10の開口部の周囲に切り屑が飛散・堆積したとしても、その部分の温度があまり高くならなず、切り屑の溶着も起こらない。従って、孔あけ後に通常の洗浄等を行うことにより切り屑を容易にかつ確実に除去することが可能となり、樹脂による盛り上がりの発生を確実に防止することができる。それゆえ、表面研磨に起因する銅めっきの削れも起こり得ず、スルーホール9の開口部における断線不良が確実に防止される。
【0040】
特に本実施形態では、パネルめっきによって粗化面5aの全体に形成される第1の銅めっき層7を金属層としている。このため、粗化面5aには露出部分が全くなく、コア基板2の両面のほぼ全体が放熱領域となっている。また、銅は各種金属のなかでもとりわけ熱伝導性に優れているという性質を持つ。よって、コア基板2の両面全体から熱が放散されることになり、放熱性の向上という観点からは極めて好ましい構造となっている。このことは断線不良を防止するうえで大きく貢献をしている。
【0041】
(ロ)本実施形態によると、外層パターン6が形成されるべき位置に金属層7が形成されているため、その下にある粗化面5aはじかにデスミア液に晒されることがない。このため、金属層7を形成した部分における樹脂の溶解が回避され、結果として粗化面5aにおける好適なアンカー凹部A1 の形状が保持される。従って、粗化面5aと金属層7との間の密着性が確保され、外層パターン6のピール強度の低下を確実に防止することができる。また、孔あけ工程において発生しやすい粗化面5aの傷つきも、金属層7が形成された部分については回避することができる。よって、傷によるパターン不良の発生を確実に防止することができ、信頼性を向上させることができる。
【0042】
特に本実施形態では、上記のように第1の銅めっき層7を全面に形成していることから、外層パターン6のピール強度の低下及びそのパターン不良の防止をより確実に図るうえで極めて好ましい構造となっている。
【0043】
(ハ)金属層として第1の銅めっき層7を形成する本実施形態によると、粗化面5aにおける樹脂の溶解を考慮しなくてもよくなることから、デスミア液を変更することができる。つまり、過マンガン酸カリウム等のように、サブトラクティブプロセスにおいて一般的に使用されるデスミア液を選択することができる。そして、このようなデスミア液であると、めっき滲み込みが未然に防止できるとともに、再生処理が容易になることにより低コスト化が達成できる。
【0044】
(ニ)本実施形態では、孔あけ工程後のパネルめっき工程において、第2の銅めっき8を析出させる際、第1の銅めっき層7がちょうどそのめっき下地層となる。よって、パネルめっきの条件を上手く設定すれば、めっきに要する時間を従来に比べて短縮することができ、めっきコストを低減にすることができる。なお、めっき層がともに銅であるということも、めっきコストの低減に貢献している。さらに、粗化面5aに形成されるめっき層が両方とも銅であると、1回のエッチングによって(即ち、1種のエッチャントによって)パターン形成を行うことができるという利点がある。このため、生産効率の向上を図ることができ、ひいては低コスト化を達成することができる。
【0045】
(ホ)前記の製造方法を経て得られる多層プリント配線板1では、平均粒径の異なる2種の易溶性樹脂フィラーF1 ,F2 を難溶性樹脂マトリクスM1 中に分散してなるアディティブ用接着剤からなる絶縁層5が使用されている。このため、絶縁層5の表層に好適な形状の、即ち二重たこつぼ状のアンカー用凹部A1 が形成されている。ゆえに、そのような粗化面5aに形成された外層パターン6等は、粗化面5aとの密着性にも優れており、ピール強度も高くなっている。
【0046】
なお、本発明は例えば次のように変更することが可能である。
(1)第1の銅めっき層7のような金属層を、粗化面5aにおける特定領域のみ(例えば、孔あけ位置を含む領域や導体パターン6が形成されるべき領域など)に設けることも許容される。ただし、実施形態のように全体に設けるほうが、放熱性等の観点からより効果的であり、かつ製造工程的にも簡単である。
【0047】
(2)第1の銅めっき層7のような金属層を、コア基板2の両面にある粗化面5aのうちの一方側のみに設けることも可能である。この場合、第1の銅めっき層7が形成された面の側からドリルを進行させる必要がある。ただし、第1の銅めっき層7を両面に設ける実施形態のほうが、放熱性等の観点からより効果的であり、かつ製造工程的にも簡単である。
【0048】
(3)前記実施形態とは異なる手法によって外層パターン6を形成することもできる。即ち、第2回めのパネルめっき工程後、レジスト形成、パターンめっき、はんだめっき、レジスト剥離、エッチング、はんだ剥離という一連の工程を実施し、外層パターン6を形成する(はんだ剥離法)。
【0049】
(4)金属層としての第1の銅めっき層7の代わりに、例えば銅−ニッケル複合めっき層、銅−コバルトめっき層、ニッケルめっき層等を形成してもよい。しかし、実施形態のような銅めっき層7であるほうが、電気的特性、放熱性及びコスト性等の観点から好ましい。
【0050】
(5)めっき法のような湿式法の代わりに、スパッタリングやCVD等の乾式法によって金属層7を形成することも可能である。ただし、前記実施形態のように湿式法を実施するほうが、低コスト化を図るうえでは好都合である。
【0052】
なお、本明細書中において使用した技術用語を次のように定義する。
「デスミア面: デスミア処理を実施した後におけるスルーホール形成用孔の内壁面をいう。」
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、スルーホールの開口部における断線不良及び外層パターンにおけるパターン不良を確実に防止することができる多層プリント配線板の製造方法を提供することができる。
【0054】
請求項2に記載の発明によれば、断線不良やパターン不良をより確実に防止することができることに加え、外層パターンのピール強度の低下を確実に防止することができる
【0055】
請求項3,4に記載の発明によれば、ピール強度に優れた多層プリント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、一実施形態の多層プリント配線板を製造する手順を示す部分概略断面図。
【図2】(a)〜(d)は、同多層プリント配線板を製造する手順を示す部分概略断面図。
【図3】同多層プリント配線板の粗化面及びデスミア面の様子を示す要部拡大概略断面図。
【図4】(a)〜(c)は、従来の多層プリント配線板を製造する手順を示す部分概略断面図。
【図5】(a)〜(d)は、同多層プリント配線板を製造する手順を示す部分概略断面図。
【図6】(a)〜(d)は、同多層プリント配線板の製造方法における問題点を説明するための要部拡大概略断面図。
【符号の説明】
1…多層プリント配線板、2…コア基板、4…内層パターン、5…絶縁層、5a…粗化面、6…外層パターン、7…金属層としての第1の銅めっき層、8…パネルめっき層としての第2の銅めっき層、9…スルーホール、10…スルーホール形成用孔、10a…デスミア面、11…バイアホール、12…バイアホール形成用孔。

Claims (4)

  1. イアホール及びスルーホールを有する多層プリント配線板を製造する方法であって
    内層パターンを有するコア基板上に、平均粒径の異なる2種の易溶性樹脂フィラーを難溶性樹脂マトリクス中に分散したアディティブ用接着剤を塗布し乾燥させた絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層にバイアホール形成用孔を形成する工程と、前記絶縁層を粗化し粗化面を形成する工程と、前記粗化面に第1の銅めっき層を形成する工程と、ドリルにより前記第1の銅めっき層、絶縁層及びコア基板に孔あけしスルーホール形成用孔を形成する工程と、前記スルーホール形成用孔内のスミアを過マンガン酸カリウムのデスミア液により除去しデスミア面を形成する工程と、前記第1の銅めっき層及びスルーホール形成用孔内に第2の銅めっき層を形成する工程と、前記第1及び第2の銅めっき層をエッチングし外層パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  2. 前記粗化面は、大きな凹部の内壁面に複数の小さな凹部が開口するアンカー用凹部を備えることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  3. バイアホール及び外層パターンを有する多層プリント配線板であって、
    内層パターンを有するコア基板上に形成された、平均粒径の異なる2種の易溶性樹脂フィラーを難溶性樹脂マトリクス中に分散したアディティブ用接着剤を塗布し乾燥させた絶縁層と、前記絶縁層に形成されたバイアホール形成用孔と、前記絶縁層を粗化した粗化面と、前記粗化面上に形成された第1の銅めっき層と、ドリルにより前記第1の銅めっき層、絶縁層及びコア基板に孔あけされたスルーホール形成用孔と、前記スルーホール形成用孔内を過マンガン酸カリウムのデスミア液で処理したデスミア面と、前記第1の銅めっき層及びスルーホール形成用孔内に形成された第2の銅めっき層と、前記第1及び第2の銅めっき層をエッチングし形成された外層パターンと、を備えることを特徴とする多層プリント配線板。
  4. 前記粗化面は、大きな凹部の内壁面に複数の小さな凹部が開口するアンカー用凹部を備えることを特徴とする請求項3に記載の多層プリント配線板。
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