JPH09116265A - 多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板及びその製造方法

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JPH09116265A
JPH09116265A JP26747895A JP26747895A JPH09116265A JP H09116265 A JPH09116265 A JP H09116265A JP 26747895 A JP26747895 A JP 26747895A JP 26747895 A JP26747895 A JP 26747895A JP H09116265 A JPH09116265 A JP H09116265A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スルーホールの開口部における断線不良及び外
層導体パターンのピール強度の低下を確実に防止できる
多層プリント配線板の製造方法を提供する。 【解決手段】 内層パターン4を有するコア基板2上に
絶縁層5を形成すする。絶縁層5にバイアホール形成用
孔12を形成した後、絶縁層5を粗化する。次いで、絶
縁層5の粗化面5aにおいて少なくともスルーホール形
成用孔12の孔あけ位置を含む領域に、金属層としての
銅めっき層7をパネルめっき等により形成する。この
後、スルーホール形成用孔10を形成するための孔あけ
を行う。そして、パネルめっき及び外層パターン6の形
成を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年における多層プリント配線板を製造
する方法の一つとして、アディティブプロセスが知られ
ている。また、アディティブプロセスは、i) フルアデ
ィティブ、ii)パーシャリーアディティブ及び iii)セ
ミアディティブという3種のプロセスに分類される。
【0003】ここで、前記3種のプロセスのうちセミア
ディティブを採り上げるとともに、同プロセスによる多
層プリント配線板21の製造方法の一例を図4,図5に
基づいて説明する。
【0004】まず、内層パターン22を有するコア基板
23を作製する(図4(a) 参照)。次に、コア基板23
の片面または両面に、アディティブ用接着剤からなる絶
縁層24を形成する(図4(b) 参照)。前記アディティ
ブ用接着剤としては、易溶性樹脂フィラーを難溶性樹脂
マトリクス中に分散してなるものが使用される。このよ
うなアディティブ用接着剤には、一般的に感光性が付与
されている。次に、露光・現像を行うことによって絶縁
層24の所定箇所にバイアホール形成用孔25を形成す
る。次に、粗化液による処理を行うことによって、主と
して絶縁層24中のフィラーを溶解する。その結果、絶
縁層24に多数のアンカー用凹部が形成され、絶縁層2
4の表層が粗化面24aとなる(図4(c) 参照)。次
に、スルーホール形成用孔26を形成するために、ドリ
ル等によってコア基板23の所定箇所を孔あけする(図
5(a) 参照)。次に、前記コア基板23をデスミア液で
処理することにより、スルーホール形成用孔26内のス
ミアを除去する。次に、パネルめっき(無電解銅めっき
+電解銅めっき)を行うことによって、粗化面24aの
上面及びスルーホール形成用孔26内のデスミア面26
aに銅めっき27を析出させる(図5(b) 参照)。その
結果、スルーホール28が完成する。この後、はんだ剥
離法などに従って外層パターン形成工程を行うことによ
り、外層パターン29及びバイアホール30を形成する
(図5(c),(d) 参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の製造
方法には、以下に列挙するような問題がある。第1の問
題は、スルーホール形成用孔26の孔あけ工程に関す
る。
【0006】スルーホール形成用孔26の孔あけを行う
と、進行するドリルの後方から切り屑が排出されるとと
もに、その切り屑は開口部の周囲に飛散・堆積する。こ
こで、切り屑の主成分は、絶縁層24やコア基板23を
構成する樹脂材料である。また、コア基板23の最外層
には、金属材料は存在しておらず、それよりも熱伝導性
の低い絶縁層24(即ち樹脂材料)が存在しているにす
ぎない。従って、ドリルの摩擦によって発生する熱は、
外部に放散されることなくコア基板23内に溜まってし
まう。
【0007】以上の結果、開口部の周囲に飛散・堆積し
た切り屑は、熱によって絶縁層24に溶着し、当該部分
に盛り上がり部31ができてしまう(図6(a) 参照)。
この状態でパネルめっきを経た後、外層パターン29の
形成の中で表面研磨を行うと、盛り上がり部31の上面
に析出した銅めっき27が削れてなくなってしまう。よ
って、スルーホール28の開口部において断線不良が発
生しやすくなる(図6(b) 参照)。
【0008】また、孔あけ工程においては、コア基板2
3間の接触やコア基板23と当て板・捨て板との接触等
により、粗化面26aに傷がつきやすい。すると、その
部分に形成される外層パターン29にはパターン不良が
発生しやすくなり、信頼性の低下を来す。
【0009】第2の問題は、デスミア処理に関する。デ
スミア液として一般に使用される過マンガン酸カリウム
を用いてデスミア処理を行うと、スルーホール形成用孔
26内に付着したスミアが溶解されるばかりでなく、絶
縁層24もいくぶん溶解されることになる。それゆえ、
絶縁層24にせっかく形成された好適なアンカー凹部の
形状が崩れ、結果として粗化面24aが滑面化してしま
う(図6(c),(d) 参照)。このため、粗化面24aによ
るアンカー効果が損なわれ、外層パターン29のピール
強度が低下する。
【0010】従って、このような多層プリント配線板2
1では、デスミア液としてクロム酸を用いる必要があっ
た。ところが、このクロム酸は、過マンガン酸カリウム
に比べ、スルーホール形成用孔26のデスミア面26a
からコア基板23の内部に向かって銅めっき27が侵入
(いわゆるめっき滲み込みが発生)することが多かっ
た。さらに、クロム酸には再生処理が困難であるという
欠点もあった。従って、かかる不具合の起こらないデス
ミア液の使用が可能な多層プリント配線板21の製造が
望まれていた。
【0011】本発明は上記の課題を解決するためなされ
たものであり、その第1の目的は、スルーホールの開口
部における断線不良、並びに外層パターンのピール強度
の低下及びパターン不良を確実に防止することができる
多層プリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0012】本発明の第2の目的は、デスミア処理に起
因するめっき滲み込みを確実に防止することにある。本
発明の第3の目的は、上記のような改善を図りつつ低コ
スト化を達成することにある。本発明の第4の目的は、
ピール強度に優れた多層プリント配線板を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、内層パターンを有す
るコア基板上に絶縁層を形成する工程、前記絶縁層にバ
イアホール形成用孔を形成する工程、前記絶縁層を粗化
する工程、スルーホール形成用孔を形成するための孔あ
け工程及びスルーホールめっき工程を経ることによっ
て、外層パターン、バイアホール及びスルーホールを有
する多層プリント配線板を製造する方法において、前記
絶縁層の粗化面において前記スルーホール形成用孔の孔
あけ位置を含む領域に金属層を形成した後、前記孔あけ
工程を実施することを特徴とした多層プリント配線板の
製造方法をその要旨とする。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記金属層は、後に外層パターンが形成されるべき
位置にも形成されるとしている。請求項3に記載の発明
は、請求項1において、前記金属層は、前記粗化工程後
になされるパネルめっきによって、前記粗化面の全体に
形成されるめっき層であるとしている。
【0015】請求項4に記載の発明は、内層パターンを
有するコア基板にスルーホールが形成され、前記コア基
板上に設けられた絶縁層の粗化面にバイアホール及び外
層パターンが形成されてなる多層プリント配線板におい
て、前記絶縁層はアディティブ用接着剤からなり、前記
絶縁層の粗化面の粗さは前記スルーホール形成用孔内の
デスミア面の粗さよりも大きく、前記スルーホールは前
記デスミア面にパネルめっき層を析出させてなり、前記
バイアホール及び前記外層パターンは前記粗化面に金属
層を形成しかつその金属層上に前記パネルめっき層を析
出させてなることを特徴とする多層プリント配線板をそ
の要旨とする。
【0016】以下、本発明の「作用」について説明す
る。請求項1に記載の発明によると、粗化面において少
なくともスルーホール形成用孔の孔あけ位置を含む領域
に金属層が設けられているため、孔あけ時に発生する熱
はその金属層から外部へと放散される。つまり、金属層
の設置によってコア基板の放熱性の向上が図られる。こ
のため、スルーホール形成用孔の開口部の周囲に切り屑
が飛散・堆積したとしても、その部分の温度があまり高
くならないことから、切り屑の溶着も起こらない。従っ
て、孔あけ後に通常の洗浄等を行うことにより切り屑を
容易にかつ確実に除去することが可能となり、樹脂によ
る盛り上がりの発生が確実に防止される。それゆえ、表
面研磨に起因する銅めっきの削れも起こり得ず、スルー
ホールの開口部における断線不良が確実に防止される。
なお、このような金属層は、粗化面においてできるだけ
広面積に形成されることが好ましい。
【0017】また、少なくとも金属層が存在している部
分については、その下にある粗化面がじかにデスミア液
に晒されることがない。このため、金属層形成部分にお
ける樹脂の溶解が回避され、好適なアンカー凹部の形状
が保持される。また、孔あけ工程において発生しやすい
粗化面の傷つきも、金属層形成部分については回避する
ことができる。よって、傷によるパターン不良の発生が
確実に防止される。
【0018】請求項2に記載の発明によると、外層パタ
ーンが形成されるべき位置にも前記金属層を形成してい
るため、コア基板の放熱性がよりいっそう向上する。よ
って、樹脂による盛り上がりの発生がより確実に防止さ
れる。また、外層パターンが形成されるべき位置におい
て好適なアンカー用凹部の形状が保持されることから、
粗化面と金属層との密着性を確保することができる。こ
のため、外層パターンのピール強度の低下を確実に防止
することができる。
【0019】請求項3に記載の発明によると、パネルめ
っきによって粗化面の全体に形成されるめっき層を金属
層としているため、粗化面の露出部分がなく、コア基板
のほぼ全面が放熱領域となっている。この場合、各種金
属のなかでも熱伝導性に優れた金属、例えば銅やその合
金等を選択することが好ましい。そのようにすれば、請
求項1,2の構成に比べてよりいっそう放熱性の向上が
図られ、樹脂による盛り上がりの発生もより確実に防止
されうる。勿論、傷によるパターン不良の発生もより確
実に防止される。また、請求項3に記載の方法である
と、粗化面における樹脂の溶解を考慮しなくてもよくな
ることから、デスミア液を変更することができる。つま
り、過マンガン酸カリウム等のように、サブトラクティ
ブプロセスにおいて一般的に使用されるデスミア液を選
択することができる。そして、このようなデスミア液で
あると、めっき滲み込みが未然に防止できるとともに、
再生処理が容易になることにより低コスト化が達成でき
る。
【0020】また、孔あけ工程後のパネルめっき工程に
おいて、例えば銅めっきを析出させる際、金属層として
のめっき層がちょうどその下地層となる。よって、パネ
ルめっきの条件を上手く設定すれば、めっきコストを低
減にすることができる。なお、例えばめっき金属を銅に
すれば、めっきコストの低減にもつながる。さらに、粗
化面に形成されるめっき層が例えば両方とも銅めっきで
あると、1回のエッチングによってパターン形成を行う
ことができる。このため、生産効率を向上させることが
でき、ひいては低コスト化を達成することができる。
【0021】請求項4に記載の発明によると、前記絶縁
層はアディティブ用接着剤であり、その表層には粗化処
理によって好適なアンカー用凹部が形成されている。ゆ
えに、そのような粗化面に形成された外層パターン等は
粗化面との密着性に優れ、そのピール強度も高くなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した多層プ
リント配線板の製造方法の一実施形態を図1〜図3に基
づき詳細に説明する。
【0023】図2(d)に示されるように、この多層プ
リント配線板1は、導体層を4つ持つ、いわゆる4層板
である。多層プリント配線板1を構成するコア基板2
は、ガラスエポキシ製やガラスポリイミド製の基材3
と、その基材3の表裏に設けられた内層パターン4とか
らなる。このコア基板2の両面には、アディティブ用接
着剤からなる絶縁層5が形成されている。絶縁層5の表
層は、多数のアンカー用凹部A1 を持つ粗化面5aとな
っている。前記粗化面5aには、外層パターン6が形成
されている。外層パターン6は、金属層(本実施形態で
は銅めっき層)7と、その上に存在するパネルめっき層
(本実施形態では銅めっき層)8とからなる2層構造を
有している。以降、前者を第1の銅めっき層7と呼び、
後者を第2の銅めっき層8と呼んで区別する。
【0024】前記絶縁層5を形成しているアディティブ
用接着剤は、平均粒径の異なる2種の易溶性樹脂フィラ
ーF1 ,F2 を難溶性樹脂マトリクスM1 中に分散して
なるものであることがよい。このようなものであると、
粗化処理をしたときに複雑な内部形状をしたアンカー用
凹部A1 が粗化面5a上に形成されるため、ピール強度
の向上を図るうえで極めて好ましいからである。なお、
ここでいう難溶性・易溶性とは、粗化液として使用され
る酸または酸化剤に対して溶解しやすいか否かをいうも
のである。本実施形態においては、具体的には、難溶性
樹脂マトリクスM1 として熱硬化性及び感光性エポキシ
樹脂が選択されている。小径の易溶性樹脂フィラーF1
として0.5μmのエポキシ微粒子が選択され、大径の
易溶性樹脂フィラーF2 として5.5μmのエポキシ微
粒子が選択されている。
【0025】図3には、粗化面5aにおけるアンカー用
凹部A1 の様子が概念的に示されている。粗化面5aに
存在するアンカー凹部A1 は、いわゆる二重たこつぼ状
という複雑な形状を備えている。即ち、1つの大きな凹
部の内壁面に複数の小さな凹部が開口した状態となって
いる。
【0026】この多層プリント配線板1には、表裏面の
外層パターン6を電気的に接続するためのスルーホール
9が多数形成されている。前記スルーホール9は、スル
ーホール形成用孔10内のデスミア面10aに、第2の
銅めっき層8を析出させることによって形成されてい
る。
【0027】ここで、絶縁層5の粗化面5aの粗さは、
デスミア面10aの粗さよりも大きくなっている(図3
参照)。本実施形態の場合、具体的には粗化面5aの表
面粗さが約10μm〜13μmに、デスミア面10aの
表面粗さが約1μmになっている。また、前記デスミア
面10aに存在するアンカー凹部A2 は、小さな凹部を
殆ど備えておらず、そのため大きな凹部からなる一重た
こつぼ状になっている。つまり、デスミア面10aに存
在するアンカー凹部A2 は、粗化面5に存在するアンカ
ー凹部A1 ほど複雑な形状をしていないことになる。
【0028】絶縁層5の所定部分には、最表層にある外
層パターン6と内層パターン4とを電気的に接続するた
めのインタスティシャルバイアホール11が多数形成さ
れている。これらのバイアホール11は、バイアホール
形成用孔12に第1のめっき層7を析出させ、かつその
上に第2の銅めっき層8を析出させることによって形成
されている。
【0029】次に、本実施形態の多層プリント配線板1
の製造方法について説明する。まず、従来公知のサブト
ラクティブプロセスに従って、基材3の表裏面に内層パ
ターン4を有するコア基板2を作製する(図1(a) 参
照)。
【0030】次に、ロールコータやスピンコータ等を用
いて前記コア基板2に上記のアディティブ用接着剤を塗
布し、かつその塗布された接着剤を乾燥する。その結
果、コア基板2の両面に絶縁層5が形成される(図1
(b) 参照)。
【0031】次に、露光・現像を行うことによって、絶
縁層5の所定箇所にバイアホール形成用孔12を形成す
る(図1(c) 参照)。次に、粗化液による処理を行うこ
とによって、主として絶縁層5中の易溶性樹脂フィラー
F1 ,F2 を溶解する(粗化工程)。その結果、絶縁層
5に多数のアンカー用凹部A1 が形成され、絶縁層5の
表層が表面粗さが10μm〜13μmの粗化面5aとな
る(図1(d) 参照)。なお、本実施形態では、50g/
リットルの過マンガン酸カリウム水溶液が粗化液として
使用されている。このような粗化液を用いた場合の処理
時間は5分であり、処理温度は50℃である。
【0032】次に、従来公知の手順に従ってパネルめっ
きを行うことにより、粗化面5aの全体に第1の銅めっ
き層7を形成する。この場合、無電解銅めっき浴及び電
解銅めっき浴のいずれも使用することが可能である。た
だし、無電解銅めっきのほうが析出厚みが均一になるた
め好ましい。そのため、本実施形態では無電解銅めっき
浴として「商品名:KC−500(ジャパンエナジー社
製)」を選択している。この浴の利点は、析出速度が6
μm/hrであって高速なことである。
【0033】第1の銅めっき層7の厚さは1μm〜10
μmであることがよく、さらには1μm〜5μmである
ことがよい。第1の銅めっき7が厚くなりすぎると、コ
スト高になったり、デスミア面10aへのめっきの際に
支障が出る等の問題が生じるおそれがある。逆に第1の
銅めっき層7が薄くなりすぎると、コア基板2の放熱性
を充分に向上させることができなくなるおそれがある。
以上のことから、本実施形態では第1の銅めっき層7の
厚さを5μmに設定している。
【0034】第1回めのパネルめっきの終了後、次いで
コア基板2の所定箇所をドリルによって孔あけする。そ
の結果、コア基板2に多数のスルーホール形成用孔10
が形成される(図2(a) 参照)。このとき、コア基板2
の外表面、詳細には第1の銅めっき層7においてスルー
ホール形成用孔10の開口部の周囲には、切り屑が飛散
・堆積する。この切り屑は、次工程に以降する前に水洗
によって除去される。水洗されたコア基板2はさらに乾
燥される。次に、前記コア基板2をデスミア液で処理す
ることにより、スルーホール形成用孔10内のスミアを
除去する。
【0035】デスミア処理の後、再びパネルめっきを行
うことによって、粗化面5a及びデスミア面10aに第
2の銅めっき層8を析出させる(図2(b) 参照)。その
結果、スルーホール9及びバイアホール11が完成す
る。この段階でのパネルめっきは、デスミア面10aに
めっきを析出させるため、まず無電解めっきを実施する
必要がある。そして、この後に電解めっきが施される。
本実施形態では、無電解銅めっきを行った後に電解銅め
っきを行っている。
【0036】第2の銅めっき層8の厚さは10μm〜2
0μmであることがよい。その理由は、第2の銅めっき
層8が厚すぎると、デスミア面10aへのめっきの際に
支障を来すとともに、コスト高になるおそれがあるから
である。
【0037】第2回めのパネルめっき工程の後、第2の
銅めっき層8の上面に、開口部13を所々に有するレジ
スト13を形成する(図2(c) 参照)。この状態で銅を
溶解すエッチャントを用いてエッチングを行うことによ
り、外層パターン6を形成する。この後、不要となった
レジスト13を剥離する。
【0038】外層パターン形成工程の後、表面研磨工程
を行うことによって外層パターン6を均平化する。図2
(d)に示す多層プリント配線板1は、以上のようにし
て完成する。
【0039】さて、本実施形態において特徴的な作用効
果を以下に列挙する。 (イ)本実施形態の製造方法によると、粗化面5aにお
いて少なくともスルーホール形成用孔10の孔あけ位置
を含む領域には金属層7が設けられる。従って、孔あけ
時に発生する熱は、その金属層7の表面から外部へと放
散される。つまり、金属層7の設置によって、コア基板
2の放熱性の向上が図られる。このため、スルーホール
形成用孔10の開口部の周囲に切り屑が飛散・堆積した
としても、その部分の温度があまり高くならなず、切り
屑の溶着も起こらない。従って、孔あけ後に通常の洗浄
等を行うことにより切り屑を容易にかつ確実に除去する
ことが可能となり、樹脂による盛り上がりの発生を確実
に防止することができる。それゆえ、表面研磨に起因す
る銅めっきの削れも起こり得ず、スルーホール9の開口
部における断線不良が確実に防止される。
【0040】特に本実施形態では、パネルめっきによっ
て粗化面5aの全体に形成される第1の銅めっき層7を
金属層としている。このため、粗化面5aには露出部分
が全くなく、コア基板2の両面のほぼ全体が放熱領域と
なっている。また、銅は各種金属のなかでもとりわけ熱
伝導性に優れているという性質を持つ。よって、コア基
板2の両面全体から熱が放散されることになり、放熱性
の向上という観点からは極めて好ましい構造となってい
る。このことは断線不良を防止するうえで大きく貢献を
している。
【0041】(ロ)本実施形態によると、外層パターン
6が形成されるべき位置に金属層7が形成されているた
め、その下にある粗化面5aはじかにデスミア液に晒さ
れることがない。このため、金属層7を形成した部分に
おける樹脂の溶解が回避され、結果として粗化面5aに
おける好適なアンカー凹部A1 の形状が保持される。従
って、粗化面5aと金属層7との間の密着性が確保さ
れ、外層パターン6のピール強度の低下を確実に防止す
ることができる。また、孔あけ工程において発生しやす
い粗化面5aの傷つきも、金属層7が形成された部分に
ついては回避することができる。よって、傷によるパタ
ーン不良の発生を確実に防止することができ、信頼性を
向上させることができる。
【0042】特に本実施形態では、上記のように第1の
銅めっき層7を全面に形成していることから、外層パタ
ーン6のピール強度の低下及びそのパターン不良の防止
をより確実に図るうえで極めて好ましい構造となってい
る。
【0043】(ハ)金属層として第1の銅めっき層7を
形成する本実施形態によると、粗化面5aにおける樹脂
の溶解を考慮しなくてもよくなることから、デスミア液
を変更することができる。つまり、過マンガン酸カリウ
ム等のように、サブトラクティブプロセスにおいて一般
的に使用されるデスミア液を選択することができる。そ
して、このようなデスミア液であると、めっき滲み込み
が未然に防止できるとともに、再生処理が容易になるこ
とにより低コスト化が達成できる。
【0044】(ニ)本実施形態では、孔あけ工程後のパ
ネルめっき工程において、第2の銅めっき8を析出させ
る際、第1の銅めっき層7がちょうどそのめっき下地層
となる。よって、パネルめっきの条件を上手く設定すれ
ば、めっきに要する時間を従来に比べて短縮することが
でき、めっきコストを低減にすることができる。なお、
めっき層がともに銅であるということも、めっきコスト
の低減に貢献している。さらに、粗化面5aに形成され
るめっき層が両方とも銅であると、1回のエッチングに
よって(即ち、1種のエッチャントによって)パターン
形成を行うことができるという利点がある。このため、
生産効率の向上を図ることができ、ひいては低コスト化
を達成することができる。
【0045】(ホ)前記の製造方法を経て得られる多層
プリント配線板1では、平均粒径の異なる2種の易溶性
樹脂フィラーF1 ,F2 を難溶性樹脂マトリクスM1 中
に分散してなるアディティブ用接着剤からなる絶縁層5
が使用されている。このため、絶縁層5の表層に好適な
形状の、即ち二重たこつぼ状のアンカー用凹部A1 が形
成されている。ゆえに、そのような粗化面5aに形成さ
れた外層パターン6等は、粗化面5aとの密着性にも優
れており、ピール強度も高くなっている。
【0046】なお、本発明は例えば次のように変更する
ことが可能である。 (1)第1の銅めっき層7のような金属層を、粗化面5
aにおける特定領域のみ(例えば、孔あけ位置を含む領
域や導体パターン6が形成されるべき領域など)に設け
ることも許容される。ただし、実施形態のように全体に
設けるほうが、放熱性等の観点からより効果的であり、
かつ製造工程的にも簡単である。
【0047】(2)第1の銅めっき層7のような金属層
を、コア基板2の両面にある粗化面5aのうちの一方側
のみに設けることも可能である。この場合、第1の銅め
っき層7が形成された面の側からドリルを進行させる必
要がある。ただし、第1の銅めっき層7を両面に設ける
実施形態のほうが、放熱性等の観点からより効果的であ
り、かつ製造工程的にも簡単である。
【0048】(3)前記実施形態とは異なる手法によっ
て外層パターン6を形成することもできる。即ち、第2
回めのパネルめっき工程後、レジスト形成、パターンめ
っき、はんだめっき、レジスト剥離、エッチング、はん
だ剥離という一連の工程を実施し、外層パターン6を形
成する(はんだ剥離法)。
【0049】(4)金属層としての第1の銅めっき層7
の代わりに、例えば銅−ニッケル複合めっき層、銅−コ
バルトめっき層、ニッケルめっき層等を形成してもよ
い。しかし、実施形態のような銅めっき層7であるほう
が、電気的特性、放熱性及びコスト性等の観点から好ま
しい。
【0050】(5)めっき法のような湿式法の代わり
に、スパッタリングやCVD等の乾式法によって金属層
7を形成することも可能である。ただし、前記実施形態
のように湿式法を実施するほうが、低コスト化を図るう
えでは好都合である。
【0051】ここで、特許請求の範囲に記載された技術
的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される
技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。 (1) 請求項1において、前記金属層は、前記粗化工
程後になされるパネルめっきによって形成される銅−ニ
ッケル複合めっき層であることを特徴とするスルーホー
ルを有する多層プリント配線板の製造方法。この方法で
あると、銅めっき層を形成する場合に比較して若干放熱
性やコスト性に劣るものの、それに準じた作用効果を奏
することができる。
【0052】なお、本明細書中において使用した技術用
語を次のように定義する。 「デスミア面: デスミア処理を実施した後におけるス
ルーホール形成用孔の内壁面をいう。」
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、スルーホールの開口部における断線不良
及び外層パターンにおけるパターン不良を確実に防止す
ることができる多層プリント配線板の製造方法を提供す
ることができる。
【0054】請求項2に記載の発明によれば、断線不良
やパターン不良をより確実に防止することができること
に加え、外層パターンのピール強度の低下を確実に防止
することができる。また、請求項3に記載の発明によれ
ば、請求項1,2に記載された発明に比べてよりいっそ
う確実に断線不良及びパターン不良を防止することがで
きる。しかも、デスミア処理に起因するめっき滲み込み
を確実に防止することができる。
【0055】請求項4に記載の発明によれば、ピール強
度に優れた多層プリント配線板を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、一実施形態の多層プリント
配線板を製造する手順を示す部分概略断面図。
【図2】(a)〜(d)は、同多層プリント配線板を製
造する手順を示す部分概略断面図。
【図3】同多層プリント配線板の粗化面及びデスミア面
の様子を示す要部拡大概略断面図。
【図4】(a)〜(c)は、従来の多層プリント配線板
を製造する手順を示す部分概略断面図。
【図5】(a)〜(d)は、同多層プリント配線板を製
造する手順を示す部分概略断面図。
【図6】(a)〜(d)は、同多層プリント配線板の製
造方法における問題点を説明するための要部拡大概略断
面図。
【符号の説明】
1…多層プリント配線板、2…コア基板、4…内層パタ
ーン、5…絶縁層、5a…粗化面、6…外層パターン、
7…金属層としての第1の銅めっき層、8…パネルめっ
き層としての第2の銅めっき層、9…スルーホール、1
0…スルーホール形成用孔、10a…デスミア面、11
…バイアホール、12…バイアホール形成用孔。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内層パターンを有するコア基板上に絶縁層
    を形成する工程、前記絶縁層にバイアホール形成用孔を
    形成する工程、前記絶縁層を粗化する工程、スルーホー
    ル形成用孔を形成するための孔あけ工程及びスルーホー
    ルめっき工程を経ることによって、外層パターン、バイ
    アホール及びスルーホールを有する多層プリント配線板
    を製造する方法において、 前記絶縁層の粗化面において前記スルーホール形成用孔
    の孔あけ位置を含む領域に金属層を形成した後、前記孔
    あけ工程を実施することを特徴とした多層プリント配線
    板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記金属層は、後に外層パターンが形成さ
    れるべき位置にも形成される請求項1に記載の多層プリ
    ント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記金属層は、前記粗化工程後になされる
    パネルめっきによって、前記粗化面の全体に形成される
    めっき層である請求項1に記載の多層プリント配線板の
    製造方法。
  4. 【請求項4】内層パターンを有するコア基板にスルーホ
    ールが形成され、前記コア基板上に設けられた絶縁層の
    粗化面にバイアホール及び外層パターンが形成されてな
    る多層プリント配線板において、 前記絶縁層はアディティブ用接着剤からなり、前記絶縁
    層の粗化面の粗さは前記スルーホール形成用孔内のデス
    ミア面の粗さよりも大きく、前記スルーホールは前記デ
    スミア面にパネルめっき層を析出させてなり、前記バイ
    アホール及び前記外層パターンは前記粗化面に金属層を
    形成しかつその金属層上に前記パネルめっき層を析出さ
    せてなることを特徴とする多層プリント配線板。
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