JP3712969B2 - タイミング同期方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル変調信号の復調タイミングを同期させる方法に係り、特に時分割多元接続方式の復調タイミング同期に好適なタイミング同期方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、信号伝送技術のディジタル化は著しく、移動体通信分野においてもディジタル無線装置が広く用いられるようになっているが、このとき、例えば時分割多重通信方式場合は、通信に用いる信号はフレーム毎に区切られる。
【0003】
そして、TDMA(Time Division Multiple Access:時分割多重転送)方式の場合、フレームは更にスロットに分割され、分割された各スロットが基地局と各端末局(移動局)の通信に割り当てられる。
【0004】
図5は、このTDMA方式において、基地局と端末局の間の通信に用いられる1スロット分の信号フォーマットの一例で、図において、501−1、501−2はガードタイムとなる区間、502−1、502−2はデータが挿入される区間、503は同期ワードが挿入される区間である。
【0005】
ここで、同期ワード区間503は受信機で同期を取るための固定パターンからなる同期用のデータが挿入される区間であるが、ガードタイム区間50l−1とガードタイム区間501−2は信号が送信されないようにした区間で、これは、スロット間の干渉を防ぐために設けたスペース期間であり、従って、伝送すべき情報はデータ区間501−1とデータ区間501−2にだけ存在する。
【0006】
この図5の信号フォーマットの場合、1スロットはシンボルN(シンボル数がN)からなり、このときガードタイム区間50l−1はシンボルNG1(シンボル数がNG1)、ガードタイム区間501−2はシンボルNG2、データ区間502−1はガードタイム501−1も含めてシンボルN1、同期ワード区間503はシンボルNS とする。
【0007】
そこで、端末局は、この図5に示す信号フォーマットによるデータを、例えばπ/4シフトQPSK(Quaternary Phase Shift Keying:4相位相シフトキーイング)方式のディジタル変調方式で変調して送信し、基地局の受信機は、受信した信号の同期ワード区間503に含まれている同期ワードを検出し、これを用いて受信タイミングの同期を取り、復調を行うようになっている。
【0008】
ここで、この基地局の受信機による受信タイミングの同期の取り方について説明する前に、まず図6により、このような基地局受信機の一例について説明すると、この場合、受信入力端子601には、図示してないアンテナで受信された信号が供給され、高周波部回路602に入力される。
【0009】
そこで、この高周波部回路602は、受信された無線周波数帯域の高周波信号を所定の周波数(A/D変換器603によるサンプリングが可能な周波数)に変換し、A/D変換器603に供給する。
【0010】
この結果、受信された信号はA/D変換器603で所定のレート、すなわちシンボル周期当たりNOV 回のレートでサンプリングされ、量子化されてデジタル信号となり、これが乗算器604−1、604−2に供給されることになる。
【0011】
一方、これら乗算器604−1、604−2の内、一方の乗算器604−1には、正弦波信号発生回路606で発生された周波数ωの正弦波形の信号が、そのまま余弦波信号cosωtとして入力され、他方の乗算器604−2には、π/2移相器605を介して移相し、正弦波信号−sinωtとして入力されている。
【0012】
そこで、まず、一方の乗算器604−1は、A/D変換器603の出力と正弦波信号cosωtの積を演算し、乗算結果をLPF(ローパスフィルタ)607−1に供給し、他方の乗算器604−2は、A/D変換器603の出力と正弦波信号−sinωtの積を演算し、乗算結果をLPF607−2に供給する。
【0013】
このとき、これら乗算器604−1、604−2の出力信号には、不要な高周波成分が含まれている。そこで、まず、LPF607−1、607−2により高周波成分を除去し、その後、ルートロールオフフィルタ608−1、608−2に入力し、各ルートロールオフフィルタ608−1、608−2により、LPF607−1、607−2の出力信号に帯域制限を行い、それらの出力をベースバンド信号出力端子609−1、609−2の各々を介して出力する。
【0014】
こうしてベースバンド信号出力端子609−1から出力される信号がベースバンド信号の同相成分と呼ばれ、ベースバンド信号出力端子609−1から出力される信号はベースバンド信号の直交成分と呼ばれるものであり、従って、このベースバンド信号は、実数部を同相成分、虚数部を直交成分とする複素数の信号からなっていて、これらがこの後、図示してない復調部に供給され、復調されることになる。
【0015】
ところで、このときの基地局の受信機による受信タイミングの同期の取り方について、例えば特開2001−177589号公報では、受信タイミングの誤差情報をベースバンド信号のゼロクロス検出によって行ない、雑音による誤動作を防ぐため、ランダムウォークフィルタを用いて受信タイミングを制御する方法について開示している。
【0016】
この公報に開示の方法では、ゼロクロス検出によって受信タイミングの誤差情報を検出しており、この検出誤差情報はシンボルタイミングである。
このため、スロットタイミングの同期を取るためには、受信したベースバンドの信号と、予め設定しておいた既知の同期ワードパターンの相関演算により、受信タイミングの誤差情報を検出し、受信信号のスロットタイミングと同期を取る方法が多く用いられている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、基地局と端末局の間のタイムアライメント制御について配慮がされておらず、タイムアライメント制御に際して同期の確立に遅れの問題があった。
【0018】
そこで、まず、このタイムアライメント制御について、図3に示すシステムにより説明すると、ここで、この図3は、1基の基地局301に対して2基の端末局302−1、302−2を備えたシステムであり、ここでは、基地局301と端末局302−1の間の伝搬遅延時間はTdl で、基地局301と端末局302−2の間の伝撒遅延時間はTd2 になっていたとする。
【0019】
そうすると、このシステムでは、基地局301が送信した信号は、時間Tdl だけ遅延して端末局302−1で受信され、端末局302−2では時間Td2 だけ遅延して受信される。
【0020】
この場合、端末局302−1は、時間Tdl だけ遅延した受信信号に同期したスロットタイミングで送信を行うため、基地局301が受信する端末局302−1からの信号は、結局、時間2Tdl だけ遅延する。また、端末局302−2からの信号も同様に時間2Td2 だけ遅延する。
【0021】
次に、図4は、1フレーム4スロットの信号フォーマットによる4多重方式のTDMAシステムにおいて、端末局302−1の送信にはスロット0を用い、端末局302−2の送信にはスロット1を用いた場合の基地局301における送信信号と受信信号の一例を図示したもので、図4(a)は基地局301の送信信号、同図(b)は上りのスロット番号、同図(c)は端末局302−1からの受信信号、同図(d)は端末局302−2からの受信信号である。
【0022】
そして、この図4において、401は基地局301の基準スロットタイミングで、403は送受信オフセットであり、従って、上りと下りのスロットとの間には2スロット分のオフセットがある。
【0023】
このとき、図3で説明したように、遅延時間についてTdl>Td2 の関係にあるとすると、この場合、端末局302−1からの受信信号は、図4(c)に示すように、時間Tdl だけ遅延し、端末局302−2からの受信信号は、同図(d)に示すように、時間Td2 だけ遅延するが、ここで上記したように、Tdl>Td2 であるから、図示の区間402において、端末局302−1からの受信信号と端末局302−2からの受信信号が干渉してしまう。
【0024】
ここで、TDMAシステムにおいては、このようなスロット間の干渉を防ぐため、端末局の送信タイミングを、往復の伝搬遅延時間に相当する時間に応じて、シンボル周期(デジタル変調を行う時間周期)を単位として早めるようになっており、この送信タイミングの制御をタイムアライメント制御と呼んでいる。
【0025】
ところで、このようなタイムアライメント制御は、基地局からの指示により端末局が送信タイミングを変更するものであり、このため、タイムアライメント制御を行ったフレームが基地局で受信されたとき、その受信信号は、受信タイミングが、前フレームの同じスロットの受信信号から、シンボル周期を単位としてステップ状に変化する。
【0026】
従って、タイムアライメント制御が適用されているシステムでは、タイムアライメント制御により受信信号のタイミングが1フレームの間に1シンボル以上変化する場合、変化した受信タイミングまで同期を引込むため、再び同期が確立するまでに数フレームから数10フレームの時間を要する。
【0027】
しかるに、上記従来技術では、タイムアライメント制御について配慮がされていないので、タイムアライメント制御に際して同期確立が遅れ、この間は同期が外れた状態となり、通信が中断してしまうという虞れがあった。
【0028】
本発明の目的は、タイムアライメント制御に際しても高い追随性が得られるようにしたタイミング同期方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、受信信号の同期ワードパターンと基準同期ワードパターンの相関ピーク位置から受信信号のタイミング誤差を検出し、当該検出したタイミング誤差に応じてランダムウォークフィルタを切換え、前記タイミング誤差が0に収斂するように、復調タイミングを制御する方式のタイミング同期方法であって、前記タイミング誤差の値が予め設定してある基準値を越えたとき、前記ランダムウォークフィルタが前記復調タイミングの制御系から除かれるようにして達成される。
【0030】
このとき、前記受信信号の同期ワードパターンと基準同期ワードパターンの相関のピーク値と相関の総和の比(相関のピーク値/相関の総和)を演算し、当該比の値が予め設定してある定数値未満のときは、前記ランダムウォークフィルタを前記復調タイミングの制御系から除く動作が禁止されるようにしても、上記目的を達成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるタイミング同期方法について、図示の実施の形態により詳細に説明すると、図1は、本発明によるタイミング同期方法を、図4で説明した1フレーム4スロットの信号フォーマットによる4多重TDMA方式の復調回路に適用した場合の一実施形態で、ここで入力端子201には、例えば図6で説明した基地局受信機のベースバンド信号出力端子609−1、609−2の受信ベースバンド信号が供給されるものである。
【0032】
このベースバンド信号は、既に説明したように、複素数の信号で、その同相成分と直交成分が独立して処理され、復調されるが、このときの復調処理の内容は同相成分も直交成分も同じなので、以下の説明では、簡単のため、特に同相成分と直交成分に分けず、同じ復調動作として説明する。
【0033】
従って、この図1に示した復調回路は、実用上は同相成分と直交成分の双方について必要であり、夫々の入力端子201に同相成分と直交成分が供給されることになる。
【0034】
入力端子201に入力されたベースバンド信号は、デシメータ202とスイッチ204に入力されるが、このとき、このベースバンド信号は、シンボル周期当たりNOV 回サンプリングされたデジタル信号である。
【0035】
そこで、デシメータ202は、この入力端子201に入力されたベースバンド信号を、カウンタ212のカウント値が数値NOV の整数倍になったときだけ符号判定器203に出力するもので、この結果、この符号判定器203でベースバンド信号を形成している複素成分によるデータの復号が行われ、復調データ出力端子213に復調データが得られる。
【0036】
このとき、カウンタ212のカウント値は、フレームパルス215が入力されたときリセットされ、符号反転回路217から入力されるプリセット値にプリセットされた後、サンプルパルス216が入力される毎にカウントアップされるようになっている。
【0037】
従って、カウンタ212の動作タイミングは、上記したプリセット値により決り、これがベースバンド信号に対して正しく同期している必要があり、これがタイミング同期であるが、これには、図5に示したベースバンド信号の同期ワード区間503に挿入されている同期用のデータが使用される。
【0038】
このため、まず、カウンタ212のカウンタ値によりスイッチ204を制御してベースバンド信号の同期ワード区間から信号を抽出するのであるが、このときカウンタ212のカウント値が、予め設定してあるカウント値の範囲内に収まっているときスイッチ204を閉じ、これによりベースバンド入力端子201から入力される信号をバッファ206−1に入力する。
【0039】
このときの予め設定してあるカウント値の範囲は、同期ワード区間503と、その前後にN0 シンボル分の信号が含まれるように設定し、これにより1スロット期間内の(Nl−N0)NOV サンプルから、(Nl+NS−N0)NOV−1サンプルまでの範囲であり、バッファ206−1には(NS+2N0)NOV−1サンプルのベースバンド信号を記憶する容量が持たせてある。
【0040】
相関器207から後段の処理は、バッファ206−1への入力信号の蓄積が完了した時点、すなわちカウンタ212の値が(Nl+NS+N0)NOV になった時点で行う。
【0041】
相関器207は、バッファ206−1に入力された受信信号と同期ワードパターンとの相関演算を行って、相関の振幅自乗値を演算し、その演算結果をバッファ206−2へ入力する。このとき、バッファ206−1に入力される信号と相関器207に入力する同期ワードパターンは共に複素数であるが、相関器207は相関の振幅自乗値を演算するため、出力値は正の実数である。
【0042】
最大値検索回路208はバッファ206−2に格納された相関演算結果から振幅が最大となる位置を検索し、その位置を表わす番号値nmax を比較器209のプラス側端子(+)に入力するが、このとき、比較器209に入力される値nmax は、信号に含まれる同期ワードの位置を表している。
【0043】
ここで、以下の説明では、図示されている各ブロックの中の絶対値演算回路101、比較器102−1、102−2、判定器103、スイッチ105、乗算器106、それに総和演算回路107については、最初の内は説明せず、スイッチ104−1〜104−4については、何れも接点aに切換わったままの状態にあるものとして説明する。
【0044】
比較器209の説明に戻り、これのマイナス側端子(−)には基準値n0 が入力され、これにより、最大値検索回路208から入力される値nmax と基準値n0 の差def(=nmax−n0)が演算される。
【0045】
ここで、この差def(=nmax−n0)は、信号に含まれる同期ワードの位置、つまり時間的な位置が、どれだけ基準の位置からずれているかを表わすタイミング誤差情報となる。
【0046】
そして、この差def は、スイッチ220−1に供給され、このスイッチ220−1を介して、ランダムウォークフィルタ210−1、220−2、220−3、220−4の何れかに入力される。
【0047】
ここで、このスイッチ220−1と、別のスイッチ220−2には、無線制御部221からスロット番号SLが入力され、これに応じて切換位置が制御されるようになっているが、このときのスロット番号SLは、図4に示されているように、“0”、“1”、“2”、“3”の何れかの値となる。
【0048】
そして、まずスイッチ220−1は、スロット番号SL=0のとき、端子eを端子aに切換え、スロット番号SL=1の場合、端子eを端子bに切換え、スロット番号SL=2の場合、端子eを端子cに切換え、そしてスロット番号SL=3のときは端子eを端子dに切換える。
【0049】
同様に、スイッチ220−2は、スロット番号SL=0の場合、端子aを端子eに切換え、スロット番号SL=1の場合、端子bを端子eに切換え、スロット番号SL=2の場合、端子cを端子eに切換え、そしてスロット番号SL=3の場合は端子dを端子eに切換える。
【0050】
各ランダムウォークフィルタ210−1〜210−4は、夫々積分器211−1〜211−4と直列に接続されるが、これらは、スイッチ220−1とスイッチ220−2により選択され、比較器209と符号反転回路217の間に接続された回路だけが機能する。例えばスロット番号SLの値が“2”の場合は、ランダムウォークフィルタ210−3と積分器211−3だけが機能する。
【0051】
積分器211−1〜211−4は、ランダムウォークフィルタ210−1〜210−4の夫々の出力値を積分し、積分器210−1〜210−4の何れかの出力値がスイッチ220−2を介して符号反転回路217に入力される。
【0052】
図2はランダムウォークフィルタ210−1〜210−4の詳細で、図において、判定器2Bには、スイッチ220−1と入力端子2Aを介して比較器209の出力値def が入力され、これにより、入力された信号の正負判定を、次の▲1▼、▲2▼、▲3▼の通りに行ない、判定結果を積算器2Cに入力する。
【0053】
▲1▼ 入力信号が正 ⇒+1
▲2▼ 入力信号が零 ⇒ 0
▲3▼ 入力信号が負 ⇒−1
そこで、積算器2Cは、判定器2Bによる判定結果を積算し、その積算結果を値CAとして判定器2Dに入力する。
【0054】
そして、この判定器2Dでは、積算器2Cから入力された値CAに対して、次の▲4▼、▲5▼、▲6▼の処理を行う。ここで、Wは所定の定数値で、処理に閾値を与える働きをするものである。
【0055】
▲4▼ CA>+W ⇒“+1"を出力端子2Eに出力し、積算器2Cをリセットする。
▲5▼ CA<−W ⇒“−1"を出力端子2Eに出力し、積算器2Cをリセットする。
▲6▼ CA≦+W
且つ
CA≧−W ⇒“0"を出力端子2Eに出力し、積算器2Cはリセットしない。
【0056】
ここで、受信ベースバンド信号入力端子201から入力される入力信号が遅延した場合、相関器207の出力のピークは後にずれるので、比較器209の出力値def は正となる。一方、入力信号が早いタイミングで入力された場合は、相関器207の出力のピークは前に進むので、比較器209の出力値def は負となる。
【0057】
このときの比較器209の出力値def は、相関のピークが雑音によるものでなければ、連続して正又は負の値となるため、ランダムウォークフィルタ210−1〜210−4を介して積分器211−1〜211−4の値が更新され、カウンタ212のプリセット値が更新される。
【0058】
このようにカウンタ212のプリセット値の更新を繰り返すことにより、相関器207の出力のピークが基準位置に近づく方向に、バッファ206−1の入力信号の蓄積タイミングが変化してゆく。
【0059】
そして、受信信号に対する同期が確立すると、相関器207の出力のピーク位置が基準位置にほぼ一致し、この結果、比較器209の出力値def、つまりタイミング誤差もほぼ0になる。
【0060】
従って、以上の動作によりタイミング同期が得られるが、このとき、各スロット毎にランダムウォークフィルタ210−1〜210−4が選択されるので、各スロット毎に雑音の影響が充分に抑えられ、確実にタイミング同期が得られることになる。
【0061】
しかし、ここで、タイムアライメント制御が適用されているシステムの場合、タイムアライメント制御により受信信号のタイミングが1フレームの間に1シンボル以上も変化した場合、ランダムウォークフィルタがあるため、変化した受信タイミングまで同期を引き込むのに時間がかかり、再び同期が確立するまでには数フレームから数10フレームの時間を要する。
【0062】
従って、このままでは、タイムアライメント制御がなされたとき、同期の確立に大きな遅れが現われ、この間はタイミング同期が外れた状態になって、通信が中断してしまう。
【0063】
そこで、この実施形態では、以上に説明した構成に加えて、絶対値演算回路101、比較器102−1、102−2、判定器103、スイッチ104−1〜104−4、スイッチ105、乗算器106、それに総和演算回路107が設けてあり、これらにより、以下に説明する動作が得られるようになっている。
【0064】
まず、比較器209からは、上述のように、タイミング誤差情報として、最大値検索回路208から入力される値nmax と基準値n0 の差def が出力され、スイッチ220−1に入力されるが、このとき、更に絶対値演算回路101にも差def が入力されるようになっている。
【0065】
また、これも上記したように、最大値検索回路208は、バッファ206−2に格納された相関演算結果から振幅が最大となる位置を検索し、その位置を表わす値nmax を比較器209−1に入力するが、このとき、同時に相関のピーク値rmax も出力し、それを比較器102−2に入力するようになっている。
【0066】
更に、これも既に説明したように、バッファ206−2は、そこに格納された相関演算結果を最大値検索回路208に入力しているが、この相関演算結果は、同時に総和演算回路107にも入力されるようになっている。
【0067】
ランダムウォークフィルタ210−1〜210−4、スイッチ104−1〜104−4、積分器211−1〜211−4は、従来のタイミング同期方法と同様に、処理するスロットに該当する部分のみ動作する。
【0068】
そして、まず、総和演算回路107は、バッファ206−2に格納された相関演算結果の総和Sを演算し、それを乗算器106に出力する。乗算器106は、この総和Sと、予め定数として設定してある基準値rth の積を演算し、その演算結果(rth・S)を比較器102−2のマイナス側端子(−)に入力する。
【0069】
比較器102−2のプラス側端子(+)には、最大値検索回路208から相関のピーク値rmax が入力されているので、ここで、これらの差を表わす値DA(=rmax−rth・S)が演算され、判定器103に入力されることになる。
【0070】
ここで、この比較器102−2の出力値DA(=rmax−rth・S)を見ると、その正負判定を行うことにより、相関のピーク値rmax と総和演算回路10Sの出力値Sとの比rmax/Sが、基準値rth を上回ったか否かの判定、すなわち、(rmax/S>rth)ができることが判る。
【0071】
そして、この結果、相関のピーク値rmax が雑音によるものであるときは、それが基準値rth を上回わることはないから、結局、(rmax/S>rth)が成立したことにより、このときは相関が正しくとれ、正しい同期が得られていることが検出できることになる。
【0072】
絶対値演算回路101は、比較器209の出力値def の絶対値|def|を演算し、演算結果を比較器102−1のプラス側端子(+)に入力するが、この比較器102−1のマイナス側端子(−)には比較値X0 が入力されているので、これらの差|def|−X0 が演算され、値DB(=|def|−X0)として判定器103に入力される。
【0073】
ここで、この比較値X0 は正の整数で、1シンボルのサンプル数よりも小さい値、例えば3NOV/4(NOV はシンボル当たりのオーバーサンプル数)に設定する。
【0074】
この結果、比較器102−1の出力値DB(=|def|−X0)を見ると、その正負を判定することにより、相関のピーク位置が、基準位置に対してX0 サンプル以上ずれているか否かが判定できることが判る。
【0075】
ここで、いま、タイムアライメント制御により、入力端子201から入力されているベースバンド信号の同期位置が、前フレームに比較してシンボル周期単位で変化したとすると、このときは、比較器102−1の出力値が0以上になり、従って、この出力値DBにより、タイムアライメント制御が行われたことが検出できることになる。
【0076】
そこで、これら比較器102−1の出力値DBと比較器102−2の出力値DAの組合わせ条件から、判定器103により、ランダムウォークフィルタ210−1〜210−4の積算器2Cをリセットし、スイッチ104−1〜104−4の切換位置をa接点からb接点に切換えるための信号Rを出力させる。
【0077】
このとき、判定器103の出力は、スイッチ105により選択され、各スロット毎のランダムウォークフィルタ210−1〜210−4とスイッチ104−1〜104−4の各々に分配されるようになっており、このため、このスイッチ105は、スイッチ220−1、220−2と同様に、無線制御部221から供給されるスロット番号SLにより切換位置が制御されるようになっている。
【0078】
上記したように、判定器103は、比較器102−1の出力値DBと比較器102−2の出力値DAの組合わせ条件により信号Rを発生するが、この判定器103による信号Rの出力条件は、次の通りに設定してある。
【0079】
まず、DA(=rmax−rth・S)≧0が成立したときをA=1とする。
次に、DB(=|def|−X0)≧0が成立したときをB=1とする。
そして、これらの論理積A・Bが成立したとき、つまり論理式A・B=1になったとき信号Rを発生させるのである。
【0080】
この結果、比較器102−1の出力値DBが0以上で、且つ比較器102−2の出力値DAも0以上のとき、スイッチ104−1〜104−4のうち、該当スロットの処理に用いるスイッチの端子bと端子cが接続されることになる。
【0081】
そして、このときは、積分器211−1〜211−4の中で該当スロットの処理に用いられる積分器に比較器209の出力値、すなわち最大値検索回路208から入力される値nmax と基準値n0 の差def が直接入力され、且つ、ランダムウォークフィルタ210−1〜4の中で、該当スロットの処理に用いられるランダムウォークフィルタの内部の積算器2Cがリセットされる。
【0082】
一方、上記以外の場合、すなわち判定器103から信号Rが出力されていないときは、スイッチ104−1〜104−4の中の該当スロットの処理に用いられるスイッチで、その端子aと端子cが接続されるので、ランダムウォークフィルタ210−1〜210−4の中の該当スロットの処理に用いるランダムウォークフィルタの出力値が、積分器211−1〜211−4の中の該当スロットの処理に用いる積分器に入力されることになる。
【0083】
また、この場合、信号Rが出力されていないので、ランダムウォークフィルタ210−1〜210−4の中の該当スロットの処理に用いるランダムウォークフィルタの内の積算器2Cもリセットされることはない。
【0084】
以上の結果、この図1の実施形態によるタイミング同期方法によれば、タイムアライメント制御により、ベースバンド信号入力端子201から入力された信号のフレーム同期が、前のフレームの同期位置からシンボル周期の単位で変化したときは、このときの相関のピークが雑音によるものでないことを条件として、ランダムウォークフィルタ210−1〜210−4の出力に代えて比較器209の出力である差def が直接、積分器211−1〜211−4に入力され、そこでの積分値に、差def で表わされている相関ピーク位置の基準位置からのずれのサンプル数が加算され、タイミング誤差が補正されて同期が確立されることになる。
【0085】
そして、この結果、次フレームから、このタイミング誤差が補正されたタイミングで直ちに受信でき、従って、タイムアライメント制御に際して同期が外れることはなく、これにより通信が中断されてしまうこともない。
【0086】
一方、このときの相関ピークのずれが雑音によるものであった場合は、比較器102−2の出力値DBは負になるので、タイムアライメント制御以外の原因でフレーム同期が外れてしまったときは、判定器103から信号Rが出力されることはない。
【0087】
従って、この実施形態によれば、雑音により誤動作してしまう虞れがなく、タイムアライメント制御に際してだけ確実に応答させることができ、この結果、タイムアライメント制御以外の原因でフレーム同期がずれたときでも、ランダムウォークフィルタ210−1〜210−4の出力値によるタイミング制御が継続されるので、たとえ通信が中断されたとしても、その期間を最小限に抑えることができる。
【0088】
従って、上記本発明の実施形態によれば、雑音による誤動作の発生をランダムウォークフィルタ210−1〜210−4により充分に抑えることができると共に、タイムアライメント制御に際しても高い追随性が得られ、この結果、通信が中断してしまう虞れを最小限に抑えることができる。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、タイムアライメント制御により、入力信号の同期位置がシンボル周期単位で変化した場合でも、次フレームから直ちに新たなタイミングで受信できるので、タイムアライメント制御による通信の中断を容易に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタイミング同期方法の一実施形態が適用された復調回路のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態におけるランダムウォークフィルタの一例を示すブロック図である。
【図3】基地局と端末局の間の伝搬遅延を解説するための説明図である。
【図4】基地局の送信信号と端末局からの受信信号の信号フォーマットの一例を示す説明図である。
【図5】TDMA方式の基地局と端末局の間の通信に用いられる1スロット分の信号フォーマットの一例を示す説明図である。
【図6】基地局受信機の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 絶対値演算回路
102−1、102−2、209 比較器
103 判定器
104−1〜104−4、105、204、220−1、220−2 スイッチ
106 乗算器
201 受信ベースバンド信号入力端子
202 デシメータ
203 符号判定器
206−1、206−2 バッファ
207 相関器
208 最大値検索回路
210−1〜210−4 ランダムウォークフィルタ
211−1〜211−4 積分器
212 カウンタ
213 復調データ出力端子
215 フレームパルス
216 サンプルパルス
217 符号反転回路
221 無線制御部
301 基地局
302−1〜2 端末局
401 基地局301の基準スロットタイミング
501−l、501−2 ガードタイム
502−1、502−2 データ
503 同期ワード
601 受信信号入力端子
602 高周波部
603 A/D変換器
604−1、604−2 乗算器
605 移相器
606 正弦波発生回路
607−1、607−2 ローパスフィルタ
608−1、608−2 ルートロールオフフィルタ
609−1、609−2 ベースバンド信号出力端子
Claims (2)
- 受信信号の同期ワードパターンと基準同期ワードパターンの相関ピーク位置から受信信号のタイミング誤差を検出し、当該検出したタイミング誤差に応じてランダムウォークフィルタを切換え、前記タイミング誤差が0に収斂するように、復調タイミングを制御する方式のタイミング同期方法であって、
前記タイミング誤差の値が予め設定してある基準値を越えたとき、前記ランダムウォークフィルタが前記復調タイミングの制御系から除かれるように構成したことを特徴とするタイミング同期方法。 - 請求項1に記載の発明において、
前記受信信号の同期ワードパターンと基準同期ワードパターンの相関のピーク値と相関の総和の比(相関のピーク値/相関の総和)を演算し、当該比の値が予め設定してある定数値未満のときは、前記ランダムウォークフィルタを前記復調タイミングの制御系から除く動作が禁止されるように構成したことを特徴とするタイミング同期方法。
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