JP3712748B2 - 調節可能な剪断ブロック組立体 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、一般に、自給式ないしコード無しの工具、特に、使用者が任意の付加的な部品を工具へ結合する必要なしにファスナを正確に案内するために少なくとも２つの異なる長さのファスナに適応する様に容易に操作できる調節可能な剪断ブロック組立体を備え、釘、ステープル等の様なファスナを所望の表面へ打込むコード無し工具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ファスナを打込むコード無し工具の一例は、米国再発行特許第３２，４５２号に示されている。該工具は、釘等を所望の表面に打込むために内燃式原動機を使用し、複数のファスナを保持するためにマガジンを備えている。該ファスナは、代表的にストリップをなして揃えられ、マガジン内の送りスロットないしトラック内に設置された後、工具のボア内の打込み位置へ推進される。剪断ブロック又はガイド体は、ボア内のファスナをマガジン内の隣接するファスナから分離して、ファスナを打込む際にファスナを案内するためにマガジンとボアとの間に備えられる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
該工具及びマガジンは、異なる長さの釘に適応できるが、かなり短い釘は、打込まれる際にマガジンの送りスロットに向って時々僅かに傾くか、又は転倒し得る。該転倒は、釘の不正確な打込みと恐らく工具内の釘の詰りとを発生させる。
【０００４】
短い釘の転倒を低減する１つの方法は、異なる長さのファスナの各々に対して１つ宛の複数の釘頭送りトラックないしスロットをマガジン及び剪断ブロックに設けることである。該多重釘頭送りトラックの工具の一例は、米国特許第５，００５，７５０号に示され、該特許は、釘頭に対する複数の平行な送りスロットを有するマガジン及び剪断ブロックと、ピン又は犬釘状の釘が遊びなしに前進できる様に使用者によって挿入される別個のインサートストリップとを開示している。
【０００５】
多重送りトラックマガジンの他の型式は、種々な深さの複数の軸方向溝を有する軸方向軸を備えたマガジンを開示する米国特許第５，０９６，１０９号に示され、このとき、該軸は、異なる長さの犬釘状の釘の頭部に適応する様にマガジンを調節するために旋回できる。
【０００６】
しかしながら、上述の両特許では、マガジンが嵩張っていて、適切なスロットに依って所与の釘を使用することを保証する様に管理せねばならない。更に、これ等の両特許の工具は、ファスナの打撃点を変更し、これは、ファスナの打込みに影響を与え、特に調節可能な打込み深さを与える工具に影響を及ぼし得る。
【０００７】
転倒を低減する他の方法は、短い釘を打込む際に短い釘を案内するために使用者がマガジンの出口端部に取付けできる別個のマガジン釘ガイドインサートを設けることである。別個の釘ガイドの一例は、ＳＮ３２５＋枠組釘打ち機に対するセンコプロダクト社（Ｓｅｎｃｏ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ Ｉｎｃ．）の販売用パンフレットＮｏ．ＮＦＤ８４２に示されている。しかしながら、該別個の釘ガイドインサートは、工具へ永続的に取付けられず、これは、現場で設置することを困難にし、釘ガイドを喪失する可能性を生じる。
【０００８】
従って、単一のファスナ送りスロットと、工具へ永続的に取付けて異なる長さのファスナに適応する様に使用者によって容易に作動可能であって、かなり短い釘を打込む際に該釘の転倒を防止する調節可能な剪断ブロックガイド体とを有するマガジン及び剪断ブロックを提供することは、望ましい。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ファスナ打込み工具によってファスナを打込む際に、少なくとも２つの異なる長さのファスナを案内する調節可能な剪断ブロックを備える。該剪断ブロックは、該剪断ブロックへ結合された剪断ブロックガイド体を有し、該ガイド体は、かなり長いファスナを打込むための第１位置と、かなり短いファスナを打込むための第２位置との間を操作可能であり、該短いファスナを打込む際に該ファスナが傾き、又は転倒するのを防止する。好ましくは、単一のファスナ送りスロットを使用する。
【００１０】
ガイド体を第１，第２の位置に設置するのを扶助するため、工具の外部から使用者が近接できる選択レバーを設けてもよい。又、ガイド体を第１，第２の位置で固定するためにばね負荷された抜差しピンを設けてもよい。
【００１１】
【実施例】
図１は、本発明の組立体に関連して使用するコード無しファスナガン１０を全体的に示す。ガン１０は、引金１４によって作動される打込み機構１２と、ファスナマガジン組立体１６とをほゞ備えている。
【００１２】
簡単に述べれば、操作の際に、図２に示す様に、釘の様な複数のファスナ１８を、継続的に整列して配置するマガジン組立体１６によって送給する。第１ファスナ１８ａは、打込み機構１２の打ち込み筒１００のボア２０内にマガジン１６によって位置決めされる。引金１４の作動の際、打込み機構１２のファスナ打込みピストン２２は、図２に関して下方へ駆動され、これにより、ファスナ１８ａを打ち込み筒１００のの下方へ駆動して所望の表面に打込む様にファスナ１８ａに接触する。
【００１３】
マガジン１６は、何本かのファスナ１８を保持して、打込むために打ち込み筒１００のボア２０内に各ファスナ１８を継続的に推進できる。好ましくは、ファスナ１８は、所定の量のストリップないしブロックにおいて相互に連結して送給する。ファスナ１８ａは、駆動されるときに残りのファスナ１８から分離される。ファスナ１８をストリップに連結して維持するために、接着剤、テープ又は同様な結合方法を使用する。
【００１４】
各ファスナ１８は、その長さに関係なくチャンネル３０内に吊される各ファスナ１８のシャンク２８と共にマガジン１６の単一スロット２６内に頭部２４によって吊される。スロット２６及びチャンネル３０の双方は、一側部においてスロット２６によって限定され反対側の側部において底面３２によって限定されるチャンネル３０を伴って、マガジン１６の領域に延びる。
【００１５】
図２，４に示す様に、ファスナを駆動する際に各ファスナ１８を案内するため、好ましくはマガジン１６に一体に結合されて、ボア２０の一側部を形成し、それを通って延びるスロット２６及びチャンネル３０を含む剪断ブロック３４を設ける。しかしながら、剪断ブロック３４は、所望により打込み機構１２へ取付けてもよい。
また、打込み機構１２は、マガジン（１６）が取り付けられる前記打ち込み筒の側部開口の長さを調整可能なガイド体手段（４２）を有しており、第１長さのファスナ（１８ａ）を打ち込む際には後退し、前記第１長さより短いファスナ（１８ｂ）を打ち込む際には前進して、前記打ち込み筒の側部開口の長さを短くするべく、前記ガイド体手段（４２）を剪断ブロック（３４）に対して回動可能に配設されている。
【００１６】
マガジン１６、剪断ブロック３４及びボア２０は、点線で示すかなり短いファスナ１８ｂと同様に、実線で示すかなり長いファスナ１８ａにも適応できる。かなり短いファスナ１８ｂを使用するとき、潜在的な転倒の問題は、チャンネル３０の高さによってファスナ１８ｂの打込みの際に時々生じ得る。ファスナ１８ｂを打込む際、シャンク２８は、ファスナ１８ｂ´によって示す様に、ファスナ１８ｂ´の尖端４０を剪断ブロック３４の底３６に係合させる様に図２で見て尖端を右へ僅かに旋回できる。
【００１７】
該転倒を防止するため、剪断ブロック３４は、軸４３のまわりに剪断ブロック３４に対して旋回する様に結合させた調節可能なガイド体４２を有している。図２に示す様に、ガイド体４２は、実線で示す第１位置から点線で示す第２位置へチャンネル３０内で旋回する。図５は、長いファスナ１８ａがガイド体４２の第１位置において駆動され、図４は短いファスナ１８ｂがガイド体４２の第２位置において駆動される状態を夫々示す。
【００１８】
図３に示す様に、ガイド体４２を第１位置又は第２位置のいずれかにおいて固定するため、ばね負荷された抜差しピン４４を有する。ガイド体４２を第２位置へ旋回させたとき、ピン４４を、ガイド体４２の孔又は凹所４６内に着座させる。ガイド体４２を第１位置へ旋回させたとき、ピン４４は、図２に示す様にガイド体４２の指部分４８の背後に着座する。ガイド体４２の旋回を扶助するため、選択レバー５０を備えてもよい。
【００１９】
使用の際、かなり長いファスナ１８ａをガン１０によって打込むべきとき、ガイド体４２を、図２及び図５に実線で示す第１位置へ旋回する。この位置では、ファスナ１８ａを収容するためにチャンネル３０のほゞ全体の高さを利用できる。
【００２０】
かなり短いファスナ１８ｂをガン１０によって打込むべきとき、使用者は、ばね負荷された抜差しピン４４を図３の矢印Ａの方向へ単に引出して、選択レバー５０を掴んで、図２の点線で示す第２位置へほゞ矢印Ｂの方向に（図３で見て紙面の上方に）、選択レバー５０及びガイド体４２を旋回する。図４にも示すこの位置では、チャンネル３０の高さは、生じ得るファスナ１８ｂの如何なる転倒をも防止する様にガイド体４２によって剪断ブロック３４内で短縮される。
【００２１】
ガイド体４２及びチャンネル３０の寸法は、任意の長さのファスナ１８に適応する様に変更してもよい。更に、ファスナ１８ａ，１８ｂの特定の寸法は、ガン１０の作用に影響を与えることなく所定の範囲内で変更可能である。従って、２つよりも多い正確な寸法のファスナ１８を、このガン１０によって使用できる。又、該組立体がファスナ１８の２つよりも多い異なる寸法範囲に適応する様に変更可能なことは、本発明の範囲内で考えられる。
【００２２】
本発明の変更及び変形は、上述の教示に鑑みて可能である。従って、添付特許請求の範囲内で、本発明は、特に記載された以外の他の態様で実施可能なことは、明白である。
【００２３】
以下に本発明の実施態様の幾つかを列挙する。
（１）ファスナ打込み工具によってファスナが打込まれる際に長手方向に少なくとも２つの異なる長さのファスナを案内する調節可能な剪断ブロックにおいて、かなり長いファスナを打込むための第１位置と、かなり短いファスナを打込むための第２位置との間で操作可能であって、該短いファスナが打込まれる際に傾くか、又は転倒するのを防止する様に前記剪断ブロックへ結合された剪断ブロックガイド体を備えた剪断ブロック。
（２）実施態様項（１）に記載の剪断ブロックにおいて、前記ガイド体が、前記第１，第２の位置の間で使用者による旋回に対して前記剪断ブロックに対して旋回される様に結合された剪断ブロック。
（３）実施態様項（２）に記載の剪断ブロックにおいて、前記ガイド体が、前記第１，第２の位置の間の該ガイド体の旋回の際に使用者を扶助する様に前記工具の外部から近接可能である、それに結合された選択レバーを有する剪断ブロック。
（４）実施態様項（２）に記載の剪断ブロックにおいて、前記ガイド体を前記第１，第２の位置において固定するために使用者によって操作可能なばね負荷された抜差しピンを備えた剪断ブロック。
（５）実施態様項（１）に記載の剪断ブロックにおいて、単一のファスナ送りスロットを備えた剪断ブロック。
【００２４】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明によれば、単一のコード無し釘打込み工具で異なる長さを有する釘を簡単な操作に依り、詰まりなく正確に打込む事が出来る。又、長い釘と短い釘に適する別個のマガジンや別個のガイドを使用現場で着脱する必要がないので夫等の部品を紛失する恐れもない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の調節可能な剪断ブロックを使用するコード無し工具の側部立面図である。
【図２】本発明の調節可能な剪断ブロックを示す図１の工具の部分的な断面図である。
【図３】図２の線３−３に沿う工具の部分的な断面図である。
【図４】短いファスナに使用する様に示す本発明の調節可能な剪断ブロックの部分的な正面立面図である。
【図５】長いファスナに使用する様に設置した剪断ブロックを示し、図４に類似する本発明の調節可能な剪断ブロックの部分的な正面立面図である。
【符号の説明】
１０ コード無しファスナガン
１２ 打込み機構
１６ ファスナマガジン組立体
１８ ファスナ
１８ａ 第１ファスナ
１８ｂ かなり短いファスナ
２６ 単一スロット
３４ 剪断ブロック
４２ ガイド体
４４ 抜差しピン
５０ 選択レバー

Claims (8)

1. 長さの異なる２種のファスナ１８を頭部（２４）で吊って継続的に打ち込み筒の打ち込みボア（２０）へ案内するマガジン（１６）と、
   前記マガジン（１６）が取り付けられる前記打ち込み筒の側部開口の長さを調整可能なガイド体手段（４２）とを有し、
   第１長さのファスナ（１８ａ）を打ち込む際には後退し、
   前記第１長さより短いファスナ（１８ｂ）を打ち込む際には前進して、前記打ち込み筒の側部開口の長さを短くするべく、前記ガイド体手段（４２）を剪断ブロック（３４）に対して回動可能に配設したことを特徴とするファスナ打ち込み工具。
2. 請求項１に記載の工具において、前記ガイド体手段（４２）は、を前記第１、第２位置で固定するためのばね付勢された抜差しピン（４４）を有することを特徴とする。
3. 請求項２に記載の工具において、前記ガイド体手段（４２）の、前記第１、第２位置の間の枢動運動を扶助するように工具の外部からアクセスできる選択レバー（５０）が前記ガイド体手段（４２）に結合されたことを特徴とする。
4. 請求項１に記載の工具において、前記ファスナマガジン（１６）内に画成された単一のファスナ送りスロット（２６）を有することを特徴とする。
5. 請求項１に記載の工具において、前記ガイド体手段（４２）は、前記第１、第２位置の間で枢動運動するよう前記剪断ブロック（３４）に枢動可能に結合されたことを特徴とする。
6. 請求項１に記載の工具において、前記ガイド体手段（４２）を前記第１、第２位置で固定するために、前記剪断ブロック（３４）に作用可能に結合され、且つ前記ガイド体手段（４２）に係合可能な手段をさらに有することを特徴とする。
7. 請求項１に記載の工具において、前記ファスナが釘及びステープルの少なくとも１つであることを特徴とする。
8. 請求項１に記載の工具において、前記工具が自給式コード無しの工具であることを特徴とする。

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