JPS6334846Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、多数の釘を直立タブによつて所定間
隔で保持した釘保持ストリツプを用いて釘をノー
ズの打込み室へ給送する釘打機の釘送り機構に関
し、特に、コンクリート等の堅い打込み対象物に
釘を打込むのに適した釘打機の釘送り機構に関す
る。

従来技術 多数の釘を直立タブによつて取外し可能に保持
した釘保持ストリツプを装填して釘を１つずつ打
込み室に自動送りするノーズを備えた自動釘打機
は知られている。この釘打機のノーズには、釘保
持ストリツプの案内溝にその背面から延びる送り
爪が設けられ、この爪がピストン・シリンダ等に
より往復動するようになつており、他方釘保持ス
トリツプの基部には送り孔が形成されて、この送
り孔に送り爪が係し、例えば送り爪の往動により
釘を１本ずつ打込室へ自動送りする。

コンクリート等の堅い材料を打込み対象とする
場合、小型の釘打機では１回だけのビツトの打込
み力では十分にその対象物へ打込めないことが多
かつた。このため、ビツトを２度、３度と打込み
駆動しなければならない場合を必要としている。
しかしながら前記した自動釘送り機構を備えた釘
打機を用いた場合、釘を打込み室から放出すると
次の釘が打込室へ自動送りされるためビツトの作
動は１回しか行うことができない欠点があつた。

考案の目的 従つて本考案の目的は、１つの釘に対し２度打
ち、３度打ちのできる釘送り機構を提供するにあ
る。

考案の構成 かかる目的を達成するため、本考案の釘送り機
構は、釘の送り爪が釘打機のノーズの側面に枢動
自在に取付けられたアームの先端に形成され、ア
ームの枢動により送り爪が釘保持ストリツプの一
つの送り孔から次の送り孔に移動するようになつ
ており、このアームには、送り爪を釘保持ストリ
ツプの一つの送り孔に固定するようにアームを一
方の枢動方向に常時付勢するばねと、このばねに
よる付勢の方向と反対の方向にアームを枢動させ
て送り爪を前記一つの送り孔から次の送り孔へ移
動させるための指掛部とが設けられていることを
特徴としている。

考案の作用 かかる特徴により、作業者はアームの指掛部に
指をかけて送り爪を移動させれば送り爪が次の送
り孔に移動し、その移動後指を離せば釘保持スト
リツプが一釘分移動して、次の釘を打込み室に自
動送りする。しかしながら、アームを枢動させな
い場合は、釘保持ストリツプは移動せず、釘がそ
の打込み室にない場合でも次の釘が該打込室へ送
られることがなくなる。

考案の効果 従つて、アームを動かさない限り（ひいては送
り爪を移動させない限り）、釘が送られることが
なくなり、ビツトは釘を打込室から対象物へ打ち
込んだ後にもその釘を２度、３度打つことができ
る。従つて、強力な１回だけのビツト打ちだけで
コンクリートへ打ち込むことのできるような大型
釘打機を用いることなく、小型の釘打機でもコン
クリート等の堅い対象物へ釘を確実に打ち込むこ
とができる。

実施例 第１図に示す釘打機のノーズ１には、図の下部
から釘保持ストリツプ２（第２図）が装填され
る。釘保持ストリツプ２は柔軟性のある合成樹脂
で作られ、該ストリツプの基部３の両側縁には直
立タブ４，４が設けられ、このタブ４，４には釘
５の軸部が渡され、これによりストリツプ２には
多数の釘５が所定間隔で取外し可能に保持され
る。基部３にはタブ４（ひいては釘５）の間隔に
対応した間隔で送り孔６が形成され送り爪（後
述）と係合して釘保持ストリツプ２を進め、釘５
を次々にノーズ１の打込み室８へ案内する。

釘保持ストリツプ２に保持された釘５がノーズ
の打込み室８へに送られると打込みビツト９が動
力によつてノーズ先端部１０方向へ急激に移動
し、釘５をタブ４から外して対象物へ打込む。そ
の後、ストリツプ２は送り爪によつて進められ、
ノーズの案内面が先端側のタブを基部と同一平面
に倒した状態で排出される。これらの動作及び構
造は既に知られており、本考案の要部を成すもの
ではないのでこれ以上の説明を省略する。

本考案においては、ノーズ１の側面にアーム１
１がピン１２により枢動自在に取付けられてお
り、このアーム１１は第４図に示すように、ばね
１３により第１図において反時計方向に付勢され
ている。このアーム１３の先端にはばね１３の付
勢の方向と反対の方向にアームを枢動させること
ができるように指掛部１４（第１，４図）が形成
されている。またアーム１１には、ノーズ１の釘
保持ストリツプ用案内溝１５の背面に形成された
長孔１６を通つて釘保持ストリツプ２の送り孔６
に係合する送り爪１７が設けられている。長孔１
６は、釘保持ストリツプ２の少なくとも２つの送
り孔６を含む長さで成り、また送り爪１７の先端
すなわち送り孔６に係合する部分は、ストリツプ
２の進む方向に見てその前端がほぼ直角に且つ後
端は緩やかに傾斜している（第３図）。

上記構成において、作業者は指掛部１４に指を
かけてアーム１１を第１図の下方に押し下げる
と、送り爪１７が第３図の位置から下方に移動
し、下方の送り孔６に係合する。この係合後、指
を離すとアーム１１はばね１３の作用により送り
爪１７が上方に移動し、これとともに釘保持スト
リツプ２を１釘分進める。従つてビツト９（第
１，２図）によつて打込み室８から釘５を打込ん
で打込み室に釘のない状態にした後、上記アーム
回動動作を行うと次の釘が打込室８にセツトされ
る。なお、ばね１３の力はストリツプ２を進める
のに十分な力であるが、指掛部１４によりアーム
１１を回動させることのできる程度に設定され
る。

従つて、釘保持ストリツプの送りはアームの手
動操作によつて行われ、釘が打込み室から対象物
に打込まれた後にもアームを回動させない限り対
象物にある釘を２度、３度と叩くことができる。
このため、大型で強力な釘打機を必要としていた
コンクリート等の堅い対象物への打込みであつて
も、小型の余り強力でない釘打機で十分な打込み
を成すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による釘打機の送り機構を備え
たノーズの正面図、第２図は第１図のノーズの釘
送り部分を釘保持ストリツプとともに示す正面
図、第３図は第２図の−線断面図、第４図は
第１図の矢印から見た矢視図である。 １……ノーズ、２……釘保持ストリツプ、３…
…基部、４……タブ、５……釘、６……送り孔、
８……打込み室、９……ビツト、１１……アー
ム、１２……枢支ピン、１３……ばね、１４……
指掛部、１５……案内溝、１６……長孔、１７…
…送り爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側縁の直立タブによつて所定間隔で多数の釘を
   取外し可能に保持した釘保持ストリツプを用い、
   該釘保持ストリツプを打込み室へ案内する溝と、
   釘保持ストリツプの基部に形成された送り孔に係
   合するように前記案内溝の背面から延びて釘保持
   ストリツプを進めることにより釘を１本ずつ打込
   み室へ送る送り爪とを備えた釘打機の釘送り機構
   において、前記送り爪は、釘打機のノーズの側面
   に枢動自在に取付けられたアームの先端に形成さ
   れて該アームの枢動によつて送り爪が前記釘保持
   ストリツプの一つの送り孔から次の送り孔に移動
   するようになつており、該アームには、送り爪を
   釘保持ストリツプの一つの送り孔に固定するよう
   にアームを一方の枢動方向に常時付勢するばね
   と、このばねによる付勢の方向と反対の方向にア
   ームを枢動させて送り爪を前記一つの送り孔から
   次の送り孔へ移動させるための指掛部とが設けら
   れていることを特徴とする釘打機の釘送り機構。