JP3712486B2 - 電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ガバナー機構付ディーゼルエンジンを搭載した乗用田植機を、最適の効率で運転して、燃費を低減できるようにするための制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ディーゼルエンジンにおいて、電子ガバナー機構を具備した技術は公知とされているのである。例えば、特開昭60−256529号公報に記載の技術の如くである。
また、エンジンの出力を必要最小限として、エンジンの出力を自動的に調整するようにした技術が特開平7−274635号公報に記載の如き技術が公知とされている。該従来の技術は、作業時の作業速度を変速操作レバーによって設定すると、スロットルが自動的に必要最小限の出力となるように調節されて、圃場が軟らかい場合や水深が深い場合には副変速を変更して低速となるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、低燃費、低騒音を重視すれば、エンジンの回転数ができるだけ低い回転数で作業及び走行することが望ましく、圃場条件を別として同じ速度で必要最小限の出力を得るには回転数を上げることも生じる。また、作業者の仕事や日程、時間等の都合で作業を速く終了したい場合もあり、低燃費や低騒音だけを望む仕様では、圃場条件によっては当然走行速度が自動的に低下されて、思うように作業ができないことがあった。
本発明は、電子ガバナー機構付エンジンを搭載して、作業者の都合に合わせられるように、低燃費を重視するか、作業速度を重視するか、圃場条件を重視するか等を選択して作業ができるようにするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、電子ガバナー機構G付きエンジンEを搭載した乗用田植機において、走行変速を走行変速レバー29と植付昇降兼作業走行変速レバー30により変速可能とし、エンジン回転数、走行変速レバー29の変速位置、植付昇降兼作業走行変速レバー30の変速位置、アクセルレバー1の位置を検出するセンサーからの信号をコントローラCに入力し、該植付昇降兼作業走行変速レバー30を自動変速操作可能とする変速アクチュエーター30b、及び電子ガバナー機構Gのラックアクチュエータ5へ、コントローラCの信号を出力し、運転部に「通常モード」、「燃費優先モード」、「最高速度作業モード」、「ミックスモード」を切り換えるモード選択スイッチ37を設け、各モードにおける回転数と変速位置に対する燃費特性マップをコントローラCに記憶し、前記エンジンEの回転数及び変速位置を、該モード選択スイッチ37の切換により、各モードの燃費特性マップに従って最適燃費となるように、該コントローラCにて制御すべく構成したものである。
【0005】
請求項2においては、請求項1記載の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機において、圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、水深をそれぞれセンサーで検知し、それぞれの検出値をコントローラCに入力し、圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、水深の条件に合わせてエンジンの回転数と変速位置を補正するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。
図1は乗用田植機の全体側面図、図2は同じく乗用田植機の全体平面図、図3はボンネット9内に搭載したエンジンEの図面、図4は左右の機体フレーム3・3の間に配置したベルト式無段変速ケース59と、クラッチケース58と、ミッションケース4の構成を示す平面図、図5は同じく、ベルト式無段変速ケース59とミッションケース4とリアアクスルケース7の部分の側面図、図6はリンク機構27と植付部15の部分を示す側面図、図7は6条用の側条施肥機36の部分の平面図、図8は6条用の側条施肥機36の部分の後面図である。
【0007】
図9は本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御機構のブロック線図、図10は電子ガバナー機構を示す正面断面図と側面図、図11は本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御応答図、図12は乗用田植機のアイソクロノス制御と逆ドループ制御を示す図、図13はエンジンEの許容出力制御を示す図面、図14はエコモード制御を示す図、図15は乗用田植機の植付昇降兼作業走行変速レバー30の操作ガイド板を示す平面図、図16は乗用田植機の走行変速レバー29の操作ガイド板を示す図、図17はセンターフロートとサイドフロートの平面図、図18はセンターフロートの側面図、図19は始動時の、アイドリング回転制御を示す図である。
【0008】
本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機は前輪6・6と後輪8・8の4輪を共に駆動する四輪駆動車輛に構成している。ボンネット9の内部にエンジンEを配置している。また該ボンネット9の左右に予備苗載台10・10が配置されている。また該ボンネット9の後部のダッシュボードの部分から操向ハンドル14が突出されており、該操向ハンドル14の下方でダッシュボードの左側に主クラッチぺダル32が、操向ハンドル14の右側の下部に左右のブレーキペダル33・33が配置され、前記主クラッチペダル32の回動基部には主クラッチが「入」か「切」かを検知するクラッチペダルスイッチ21が設けられ、ブレーキペダル33・33の回動基部にはブレーキのON・OFFを検知するブレーキスイッチ23が設けられている。
【0009】
また、操向ハンドル14の右側のダッシュボードの部分にアクセルレバー1が設けられており、該アクセルレバー1を前後に回動することにより、電子ガバナー機構のコントローラCに電気信号が送信され、該アクセルレバー1の回動基部にもアクセルレバー位置センサ22が設けられ設定位置を検出できるようにし、該アクセルレバー位置センサ22及び前記クラッチペダルスイッチ21、ブレーキスイッチ23はコントローラCと接続されている。
【0010】
座席13の右側に、植付昇降兼作業走行変速レバー30が配置されており、該植付昇降兼作業走行変速レバー30の回動基部には位置センサー30aが配置されて、レバー位置を検出し、電動シリンダー等からなる変速アクチュエーター30bが配置されて、後述する燃費制御の時に、圃場条件に合わせて減速したり増速して補正できるようにしている。また植付感度調節レバー31がその後部に配置されている。座席13の左側の部分には走行変速レバー29が配置され、該走行変速レバー29の回動基部には位置センサー29aが配置され、回動位置が検知され、該位置センサー29a・30a、変速アクチュエーター30bはコントローラCと接続されている。
【0011】
図15において、前記植付昇降兼作業走行変速レバー30は、ガイド溝43の位置で、植付部15を上げる操作を行う。次にガイド溝44の位置で、植付部15を昇降位置で停止する中立位置を構成している。またガイド溝45の位置で、植付部15の下げ位置としている。
植付昇降兼作業走行変速レバー30をガイド溝46の位置に移動すると、植付クラッチ入の状態となり、ガイド溝47の位置も植付クラッチ入りであり、左右の47Lと47Rの位置に操作されると、操作された側のマーカーが下降するように構成している。
【0012】
また、植付昇降兼作業走行変速レバー30がガイド溝48に回動操作されると、ベルト式無段変速ケース59内の無段変速装置が低速入りとなり、低速で植付を開始する。更に回動してガイド溝49の位置では、ベルト式無段変速ケース59が高速で植付を行う。
【0013】
図16は座席13の左側の走行変速レバー29の操作ガイド溝を図示している。走行変速レバー29がガイド溝57の位置では、後進速である。また走行変速レバー29がガイド溝62の位置で植付状態である。この場合にはベルト式無段変速装置で変速を行うので、走行変速レバー29は操作しない。またガイド溝63に回動すると、路上走行速度となる。また走行変速レバー29がガイド溝52の位置に回動操作されると、多板摩擦式型乾式クラッチ73が切れて、苗継ぎや肥料補充の為の機体の停止位置となる。
【0014】
また、後輪8・8の上方の位置に、6条用の側条施肥機36が配置されており、前輪6・6と後輪8・8により構成された四輪駆動式走行車輛の後部に、リンク機構27を介して、植付部15が吊装されている。該リンク機構27は、トップリンク25とロワーリンク26により構成されており、昇降シリンダ28の伸縮により、リンク機構27を昇降すべく構成している。植付部15は苗載台16と、2条分均平用センターフロート34と、2条分均平用サイドフロート35と、植付ケース20と植付爪17等により構成されている。
【0015】
そして、図17、図18に示すように、前記センターフロート34の後部上面にブラケット90を設け、前記植付ケース20に回動自在に支持する植付深さ調節支点軸91に、植付深さ調節リンク92の基端を固設し、該植付深さ調節リンク92先端に前記ブラケット90を支点軸93を介して前記ブラケット90を枢支して、センターフロート34を回動自在に支持している。
【0016】
そして、前記植付ケース20側に固定支持する支軸94にリンク95の中間を回動自在に枢支し、前記植付深さ調節支点軸91に基端を固設したアーム96の先端に前記リンク95の後部を枢結している。該植付深さ調節支点軸91には植深レバー85を固設して植付深さを設定できるようにしている。前記リンク95の側面にはポテンショメーター等の角度センサーよりなる硬軟検出センサー97が配置され、該リンク95の前端には結合ピンを設けてセンサーリンク98の長孔内に挿入し、該センサーリンク98の上端にはセンサーワイヤー99が連結され、該センサーワイヤー99の他端は前記植付感度調節レバー31と連結されている。そして、センサーリンク98より突出ピンが前記硬軟検出センサー97のアームの長孔内に挿入している。こうして、植付部15を下降して田面にフロートを下ろしたとき、前部が沈めば軟らかく、持ち上げられれば硬いことが判るようにしている。
【0017】
また、センターフロート34の前端に水深センサー100が設けられており、該水深センサー100は超音波センサー等よりなり、水面と泥上面との反射距離の差から検出している。また、図6に示すように、ロワーリンク26の前端にアーム101が固定され、一方、機体フレーム3後部上にポテンショメーター等からなる角度センサー102が設けられ、該角度センサー102のセンサーアーム103先端の長孔が前記アーム101と連結されている。この角度センサー102によって植付部15の高さを検知するとともに、後輪8下端からフロートの下面までの高さが演算でき、耕盤深さを検知することができるのである。
【0018】
図3はボンネット9内に搭載したエンジンEの図面、図4は左右の機体フレーム3・3の間に配置したベルト式無段変速ケース59と、クラッチケース58と、ミッションケース4の構成を示す平面図、図5は同じく、ベルト式無段変速ケース59とミッションケース4とリアアクスルケース7の部分の側面図である。該エンジンEは、前後に長く延びた機体フレーム3の上に載置されており、前方に突出したクランク軸53に、プーリー54を設け、該プーリー54からベルト55を介して、プーリー51に動力伝達している。該プーリー51は、軸50に固定されており、該軸50に軸61がジョイント結合されている。該軸61がベルト式無段変速ケース59の軸72に動力伝達している。
【0019】
該ベルト式無段変速ケース59の内部には、入出力プーリ69・70と、変速ベルト71が配置されている。また入出力プーリ69・70の部分に、入出力カム77・78が配置されており、該入出力カム77・78を操作することにより、入出力プーリ69・70の幅が変更されて変速ベルト71が接する径が変化して、無段変速が可能となっている。但し無段変速できる変速装置であれば限定するものではなく油圧式無段変速装置等でもよい。該ベルト式無段変速ケース59の後部に、クラッチケース58が装着されており、該クラッチケース58の内部に、クラッチペダル32の踏み込みにより操作される多板摩擦式型乾式クラッチ73が配置されている。60は油圧ポンプである。
【0020】
また、該クラッチケース58の後面にミッションケース4が固設されている。これらのベルト式無段変速ケース59とミッションケース4は共に、左右の機体フレーム3・3の間に配置されている。ミッションケース4において変速後の回転が、リアアクスルケース7に伝達されている。
図6において、植付ケース20の上面に左右傾斜センサ56が配置されている。また図7において図示する如く、6条用の側条施肥機36から繰り出される肥料を下方に案内するフレキシブル搬送ホース40が設けられている。また6条用の側条施肥機36の一端には、肥料を繰り出す為のターボブロワ41が配置されている。
【0021】
図9は本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御機構のブロック線図、図10は電子ガバナー機構を示す正面断面図と側面図、図11は本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御応答図である。
図9において図示する如く、電子ガバナー機構付エンジンEと、コントローラCが接続されており、該コントローラCからの信号が、電子ガバナー機構Gに操作信号を送るように構成している。該電子ガバナー機構Gの構造は、図10に示す如く構成されており、燃料噴射ポンプPの側面に取付けられている。該燃料噴射ポンプPの燃料噴射量調節ラック2を、リニアソレノイドにより構成された、ラックアクチュエータ5が左右に摺動操作するのである。
そして、該ラックアクチュエータ5の動きを検出するラック位置センサー11がラックアクチュエータ5の下方に配置されている。またエンジンEの回転数センサ12と、エンジンEの潤滑油温度センサ18も、該電子ガバナー機構Gの部分に配置されている。
【0022】
このように、電子ガバナー機構Gから、ラック位置センサー11の信号と、回転数センサ12の信号と、潤滑油温度センサ18の信号が、コントローラCに送信される。また、その他に、エンジンEの冷却水温度センサ19と、クラッチペダル32のクラッチペダルスイッチ21と、ブレーキペダル33のブレーキスイッチ23と、アクセルレバー1のアクセルレバー位置センサ22と、キースイッチ24と、エコモードスイッチ37とエアヒータ38等からの信号も入力されている。
また、コントローラCからの信号が出力される方向としては、電子ガバナー機構Gのラックアクチュエータ5を操作し、燃料噴射量調節ラック2を左右に調節する信号と、回転計39と故障表示装置42等へも信号が送信されている。
このように、センサーからの信号をコントローラCに送信し、コントローラCにおいて、所定のマップに照合して、指令信号を、各部に送信し、電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機を制御しているのである。
【0023】
電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御を説明する。
図12は乗用田植機のアイソクロナス制御と逆ドループ制御を示す図面である。本発明の制御機構は、エンジンEの出力を乗用田植機のあらゆる作業において、最大に引き出せるように、電子ガバナー機構Gのマイコンにより、燃料噴射量調節ラック2と燃料噴射ポンプPを操作して、燃料噴射量を最適に制御するものである。その方法としては、エンジンEの回転を負荷の大小に関わらず、一定に保つアイソクロナス制御と、エンジンEの低速域で粘りを発揮する逆ドループ制御と、高速植付作業に適した性能を発揮するエコモード制御等を行っている。
【0024】
図12の上段に図示したアイソクロナス制御においては、ボンネット9の上で、操向ハンドル14の右側に設けた、アクセルレバー1を回動操作してエンジン回転数を設定すると、乗用田植機により植付作業を開始し、負荷が変動しても、エンジンの回転数を一定に保つのである。従って、常時一定の速度で苗の植付が行なえるのである。しかし、ブレーキペダル33によりブレーキ制動を操作を行った場合には、自動的にこの機能が解除され、通常のドループ制御に移行する、該ドループ制御は、電子ガバナー機構Gではなく、機械式のガバナーを具備した場合と同じであり、負荷が大きくなるとエンジン回転数が下がり、負荷が小さくなるとエンジン回転数が上昇する制御である。
逆ドループ制御は、エンジンEの回転数が最大トルクとなる回転数(本実施例では1500回転)以下で植付作業を行うような場合に、植付作業負荷がエンジン出力の限界に近くなると、自動的に回転数をアップさせて、エンジンEの出力限界を高め、低速作業時の安定性を大幅に向上するものである。
【0025】
図13の許容出力制御について説明する。この制御は、エンジン始動後の全てのモードにおいて制御が作動している。そして、この制御は、コントローラCに、エンジン回転数毎にマップにより規定された許容出力トルクとなるように、燃料噴射量を制限するものである。
【0026】
本発明では運転部に設けたモード選択スイッチ37を切り換えて、「通常モード」37a、「燃費優先モード」37b、「最高速度作業モード」37c、「ミックスモード」37dに切り換えることが可能であり、それぞれのモードに対応したマップがコントローラCに記憶されて、モード選択スイッチ37を切り換えて選択することによって、好みのモードで作業ができるようにしている。
【0027】
即ち、モード選択スイッチ37を切り換えて「通常モード」37aとすると、オペレーターがアクセルレバー1でエンジンEの回転数を設定し、走行変速位置を植付昇降兼作業走行変速レバー30で設定して作業を行うと、最大トルク以下ではアイソクロナス制御と逆ドループ制御が行われ、最大トルク以上ではアイソクロナス制御が行われて走行速度が一定に保たれた植付作業ができるようにしている。
【0028】
モード選択スイッチ37を切り換えて「燃費優先モード」37bとすると、最も燃料消費が少ない走行変速位置と回転数が燃費特性マップに従って設定された値に、ラックアクチュエーター5と変速アーム30bが作動され、アクセル操作も走行変速レバー操作の必要なく作業が行われる。
そして、圃場端に至り、走行変速レバー29を植付「切」位置としたり、植付昇降兼作業走行変速レバー30を後進位置とした場合には、走行できる低速走行、且つ、低回転となるように、変速アクチュエーター30b及びラックアクチュエーター5が作動される。走行変速レバー29を苗継・肥料補充位置とした場合にはアイドル回転とするのである。更に、アイドル回転時には図19に示すように、水温が低いと回転数を上げ、水温が高いと回転数を低くして、燃料消費量をできるだけ抑えている。
【0029】
また、モード選択スイッチ37を切り換えて「最高速度作業モード」37cとすると、図14に図示される如く(エコモードON)の制御がされる。この「最高速度作業モード」は、高速植付に適した制御機能であり、電子ガバナー機構Gの作用で、高速植付に適したエコモードの出力性能になる。即ち、アクセルレバー1を最高回転数位置に回動し、エンジン回転数が高い位置で出力が高く維持されて、トルクも増加する制御とし、植付昇降兼作業走行変速レバー30を高速位置として最高速度のまま作業ができるようにしている。
【0030】
モード選択スイッチ37を切り換えて「ミックスモード」37dとすると、植付昇降兼作業走行変速レバー30で設定された変速位置で、コントローラCに記憶された燃費特性マップに従って作業最低回転数で作業が行われる。例えば、低速で作業を行うと、作業を行える最低回転数で作業を行い、負荷が増加した場合には逆ドループ制御が行われ、中・高速で作業を行っているときに、負荷が増加すると、燃費特性マップに従って植付昇降兼作業走行変速レバー30が変速アクチュエーター30bによって駆動されて、作業できる出力が得られる低速側に変速される。
【0031】
そして、上記いずれのモードにおいても、圃場の硬軟、水深、耕盤深さ、乾田・湿田、耕盤の凹凸等に対して、それぞれ最適のエンジン回転数マップと最適の走行速度マップに従い補正されて、最もその圃場条件に適した回転数と走行速度で作業が行われるようにしている。即ち、圃場の硬度や水深等が標準に近い値であれば、植付昇降兼作業走行変速レバー30を回動して変速して、中速度で最もトルクの高い回転数で走行して作業を行う、圃場が軟らかい場合や硬い場合には、その度合いに合わせて回転数及び速度が補正されて低速走行となる。また、水深が深い場合も浮き苗が発生するのでその水深に合わせて回転数及び速度が補正されて低速度で作業が行われるのである。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1の如く、電子ガバナー機構G付きエンジンEを搭載した乗用田植機において、 走行変速を走行変速レバー29と植付昇降兼作業走行変速レバー30により変速可能とし、エンジン回転数、走行変速レバー29の変速位置、植付昇降兼作業走行変速レバー30の変速位置、アクセルレバー1の位置を検出するセンサーからの信号をコントローラCに入力し、走行変速レバー29を自動変速操作可能とする変速アクチュエーター30b、及び電子ガバナー機構Gのラックアクチュエータ5へ、コントローラCの信号を出力し、運転部に「通常モード」、「燃費優先モード」、「最高速度作業モード」、「ミックスモード」を切り換えるモード選択スイッチ37を設け、各モードにおける回転数と変速位置に対する燃費特性マップをコントローラCに記憶し、前記エンジンEの回転数及び変速位置を、該モード選択スイッチ37の切換により、各モードの燃費特性マップに従って最適燃費となるように、該コントローラCにて制御すべく構成したので、アクセルレバーや変速レバーを操作することなく、自動的に燃料消費の少ない作業速度が設定されて作業ができるようになり、大規模な水田作業の場合、大幅なコスト削減ができるのである。
【0033】
また、運転部に「通常モード」、「燃費優先モード」、「最高速度作業モード」、「ミックスモード」を切り換えるモード選択スイッチを設け、各モードにおける回転数と変速位置の関係をコントローラに記憶し、該モード選択スイッチの切換でエンジンの回転数及び走行変速を各モードに合わせて、エンジンの回転数と変速位置を制御するようにしたので、モード選択スイッチを切り換えるだけで、オペレーターの所望するモードで作業ができるようになり、それぞのモードにおいては、そのモードに適したエンジン回転数と走行速度が得られ、オペレーターの操作も最小限で済むようになり、操作が楽に行えるのである。
【0034】
請求項2の如く、圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、水深をそれぞれセンサーで検知し、それぞれの検出値をコントローラに入力し、圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、水深の条件に合わせてエンジンの回転数と変速位置を補正するようにしたので、圃場条件に合った回転数、走行速度に補正されて、正確に設定速度で走行できるようになり、欠株や浮苗等がなくなり、植付安定性が向上でき、植付精度も高くすることができたのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 乗用田植機の全体側面図。
【図2】 同じく乗用田植機の全体平面図。
【図3】 ボンネット9内に搭載したエンジンEの図面。
【図4】 左右の機体フレーム3・3の間に配置したベルト式無段変速ケース59と、クラッチケース58と、ミッションケース4の構成を示す平面図。
【図5】 同じく、ベルト式無段変速ケース59とミッションケース4とリアアクスルケース7の部分の側面図。
【図6】 リンク機構27と植付部15の部分を示す側面図。
【図7】 6条用の側条施肥機36の部分の平面図。
【図8】 6条用の側条施肥機36の部分の後面図。
【図9】 本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御機構のブロック線図。
【図10】 電子ガバナー機構を示す正面断面図と側面図。
【図11】 本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御応答図。
【図12】 乗用田植機のアイソクロノス制御と逆ドループ制御を示す図面。
【図13】 エンジンEの許容出力制御を示す図面。
【図14】 エコモード制御を示す図面。
【図15】 乗用田植機の植付昇降兼作業走行変速レバー30の操作ガイド板を示す平面図。
【図16】 乗用田植機の走行変速レバー29の操作ガイド板を示す図面。
【図17】 センターフロートとサイドフロートの平面図。
【図18】 センターフロートの側面図。
【図19】 始動時の、アイドリング回転制御を示す図。
【符号の説明】
C コントローラ
E エンジン
G 電子ガバナー機構
P 燃料噴射ポンプ
1 アクセルレバー
2 燃料噴射量調節ラック
5 ラックアクチュエータ
8 後輪
11 ラック位置センサー
12 回転数センサ
22 アクセルレバー位置センサ
29 走行変速レバー
29a 位置センサー
30 植付昇降兼作業走行変速レバー
30a 位置センサー
30b 変速アクチュエーター
37 モード選択スイッチ
97 硬軟検出センサー
100 水深センサー
Claims (2)
- 電子ガバナー機構G付きエンジンEを搭載した乗用田植機において、
走行変速を走行変速レバー29と植付昇降兼作業走行変速レバー30により変速可能とし、エンジン回転数、走行変速レバー29の変速位置、植付昇降兼作業走行変速レバー30の変速位置、アクセルレバー1の位置を検出するセンサーからの信号をコントローラCに入力し、
前記植付昇降兼作業走行変速レバー30を自動変速操作可能とする変速アクチュエーター30b、及び電子ガバナー機構Gのラックアクチュエータ5へ、コントローラCの信号を出力し、
運転部に「通常モード」、「燃費優先モード」、「最高速度作業モード」、「ミックスモード」を切り換えるモード選択スイッチ37を設け、各モードにおける回転数と変速位置に対する燃費特性マップをコントローラCに記憶し、
前記エンジンEの回転数及び変速位置を、該モード選択スイッチ37の切換により、各モードの燃費特性マップに従って最適燃費となるように、該コントローラCにて制御すべく構成したことを特徴とする電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機。 - 請求項1記載の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機において、
圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、水深をそれぞれセンサーで検知し、それぞれの検出値をコントローラCに入力し、圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、水深の条件に合わせてエンジンの回転数と変速位置を補正することを特徴とする電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機。
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JP32237696A JP3712486B2 (ja) | 1996-12-03 | 1996-12-03 | 電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機 |
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Cited By (1)
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