JP3712250B2 - 非水二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水二次電池に関し、さらに詳しくは、特にその負極の結着剤の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種電子機器のポータブル化、小型・軽量化などに伴い、それらの電源として、小型・軽量でかつ高容量の二次電池の需要が大幅に高まっている。これらの中でもリチウム二次電池は、他の水系二次電池、すなわちニッケル・カドミウム(Ni−Cd)電池やニッケル・水素吸蔵合金(Ni−MH)電池などと比較して、高電圧でエネルギー密度も高いので、上記用途に対して最も有望視されている。
【0003】
リチウム二次電池における負極は、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素系材料を活物質として用い、これを結着剤とともに有機溶剤中に混合・分散して調製した負極合剤含有ぺーストを負極集電体に塗布し、乾燥して、負極集電体上に負極合剤層を形成し、必要に応じて、ロールプレス機により適圧で圧延することによって作製されている。そして、このような有機溶剤でペーストにする工程を経て作製される負極においては、結着剤としてポリフッ化ビニリデンなどのフッ化ビニリデンを主モノマーとして重合したポリマーが使用されている(特開平4−249859号公報など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリフッ化ビニリデンは負極活物質の炭素系材料に対する結着性は比較的良好であるものの、銅箔などの負極集電体に対する接着性はさほどよくないため、ポリフッ化ビニリデンを負極の結着剤として用いた電池は、充放電サイクルを繰り返すうちに負極集電体と負極合剤層との接着性が悪化し、放電容量が低下して充放電サイクル寿命が短くなるといった問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、負極の結着剤として、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーとともに、負極集電体に対する接着性が優れたビスマレイミドトリアジン樹脂を適量用いることによって、負極合剤層の負極集電体からの剥離を抑制し、充放電サイクル特性が優れた非水二次電池が得られることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0006】
すなわち、本発明は、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素系材料を負極活物質とし、少なくとも上記炭素系材料と結着剤とを含有する負極合剤層を負極集電体に形成してなる負極と、リチウムを可逆的に充放電可能な化合物を正極活物質とする正極とを有する非水二次電池であって、負極の結着剤として、フッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーとビスマレイミドトリアジン樹脂との混合物を用いたことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるビスマレイミドトリアジン樹脂とは、少なくともビスマレイミドモノマー、トリアジンモノマーおよびトリアジンオリゴマーを含有する混合物からなり、それらの中でも比重が1.24〜1.28、熱硬化後のTg(ガラス転移点)が230〜270℃のものが特に好適に用いられる。特にこのビスマレイミドトリアジン樹脂を熱硬化するときは、ビスマレイミドトリアジン樹脂とフッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーとがより一層複雑に絡みあい、負極活物質に対する結着性や負極集電体に対する結着性がより一層向上する。
【0008】
本発明において、負極の結着剤としてフッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーとビスマレイミドトリアジン樹脂との混合物を用いることによって、負極合剤層の負極集電体からの剥離を抑制し、サイクル特性の優れた非水二次電池が得られるようになる理由は、現在のところ必ずしも明確ではないが、ビスマレイミドトリアジン樹脂が負極集電体によく接着し、さらにそれが三次元相互侵入網目構造(IPN)を形成することにより、負極活物質間の結着性も向上して、負極合剤層と負極集電体との接着性も向上し、それによって、充放電サイクルの繰り返しに伴う負極合剤層と負極集電体との接着性の悪化が抑制され、放電容量の低下が抑制されて充放電サイクル特性が向上するようになるものと考えられる。
【0009】
負極合剤層と負極集電体との接着性は、ビスマレイミドトリアジン樹脂の負極活物質に対する使用比率を高くするほど向上するが、それに伴って負極合剤層の導電性が低下して、特に重負荷での放電特性が低下する。そのため、ビスマレイミドトリアジン樹脂の負極活物質に対する使用比率は負極活物質100重量部に対してビスマレイミドトリアジン樹脂を0.01〜5重量部とすることが好ましく、0.1〜4重量部とすることがより好ましく、0.5〜3重量部とすることがさらに好ましい。
【0010】
本発明において用いるフッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーとは、ポリフッ化ビニリデン、またはフッ化ビニリデンと第2、第3成分のモノマーとの共重合体を意味し、フッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするとはポリマー中においてフッ化ビニリデンに基づく部分が主成分を占めることを意味する。また、ポリフッ化ビニリデンと上記のようなフッ化ビニリデン系の共重合体とをブレンド(混合)して用いることもできる。ただし、共重合体の場合やブレンドする場合は、ポリフッ化ビニリデンの耐有機溶媒性などの特徴を維持するために、フッ化ビニリデンユニットの含有比率が70モル%以上になるようにモノマー構成を設定することが好ましい。
【0011】
また、フッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーの平均重合度は、300〜5000が好ましく、500〜3000がより好ましく、1000〜2000がさらに好ましい。フッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーの平均重合度を300以上にすることにより、負極集電体に形成される負極合剤層の強度の向上を達成でき、平均重合度を5000以下にすることにより、負極合剤含有ペーストの粘度を低下させ、負極集電体への塗布を良好にすることができる。
【0012】
フッ化ビニリデンと共重合するモノマーとしては、例えば、六フッ化プロピレンや四フッ化エチレンなどのフッ化炭素系モノマー、あるいはカルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基などの親水性極性基を有するビニルモノマーなどを用いることができる。上記のような親水性極性基を有するビニルモノマーを用いたポリマーの場合、親水性極性基を有するビニルモノマーユニットの含有量は0.01〜0.5モル%であることが好ましい。親水性極性基を有するビニルモノマーユニットの含有量を0.01モル%以上にすることにより、負極活物質に対する結着性を向上でき、0.5モル%以下とすることにより、負極合剤含有ペーストの凝集を抑制することができる。
【0013】
上記のようなフッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーは、負極活物質を負極集電体上に保持し、製造工程における負極の折り曲げなどに対するクラックの生成を防止する。
【0014】
本発明においては、上記のように、負極の結着剤として、フッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーとビスマレイミドトリアジン樹脂との混合物を用いるが、この結着剤が多いほど負極活物質間の結着性および負極合剤層と銅箔との接着性は向上するが、多くなりすぎると、負極合剤層の電気抵抗が高くなり、充放電特性や負荷特性などの電池特性が低下するので、負極活物質100重量部に対して結着剤が1〜30重量部、特に4〜20重量部になるようにすることが好ましい。
【0015】
また、上記フッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーとビスマレイミドトリアジン樹脂との混合比としては、前記のようなビスマレイミドトリアジン樹脂の負極活物質に対する適正な使用比率を考慮しつつ、重量比で50:50〜99:1、特に70:30〜95:5にするのが好ましい。
【0016】
本発明において用いる負極活物質は、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な炭素系材料であって、その具体例としては、例えば、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子の焼結体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などが挙げられる。
【0017】
負極は、例えば、上記負極活物質に結着剤としてフッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーとビスマレイミドトリアジン樹脂を加え、さらに必要に応じて、鱗片状黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックなどの導電助剤などを加え、混合して負極合剤を調製し、それを溶剤に分散させてペーストにし(結着剤はあらかじめ溶剤に溶解させておいてから負極活物質などと混合してもよい)、その負極合剤含有ペーストを銅箔などからなる負極集電体に塗布し、乾燥して、負極集電体の少なくとも一部に負極合剤層を形成することによって作製される。ただし、負極の作製方法は上記例示の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。
【0018】
上記負極集電体としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、ステンレス鋼箔などの金属箔や、それらの金属を網状にしたものなどが用いられるが、特に銅箔が適している。
【0019】
そして、上記のようにして作製した負極は、ビスマレイミドトリアジン樹脂を熱硬化することが好ましい。すなわち、ビスマレイミドトリアジン樹脂を熱硬化することにより、結着剤のビスマレイミドトリアジン樹脂とフッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーとが、さらに複雑に絡み合うようになり、負極活物質に対する結着性や負極集電体に対する結着性が向上する。上記熱硬化の条件としては、負極を60〜250℃で0.5〜5時間加熱することが好ましく、特に100〜200℃で1〜3時間加熱することが好ましい。
【0020】
本発明において、正極活物質としてはリチウムを可逆的に充放電可能な化合物が用いられ、そのような正極活物質の具体例としては、例えば、二酸化マンガン、五酸化バナジウムのような遷移金属酸化物や、硫化鉄、硫化チタンのような遷移金属カルコゲン化合物、さらにはこれらとリチウムとの複合酸化物などを用いることができる。特に高電圧、高エネルギー密度が得られ、サイクル特性にも優れているという理由から、LiNiO2 などのリチウムニッケル酸化物、LiMn2 O4 などのリチウムマンガン酸化物、LiCoO2 などのリチウムコバルト酸化物などのリチウム含有遷移金属酸化物が好適に用いられ、これらの正極活物質はそれぞれ単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
【0021】
正極は、上記正極活物質に、必要に応じて、例えば、鱗片状黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラックなどの導電助剤と、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンプロピレンジエンターポリマーなどの結着剤を加え、混合して正極合剤を調製し、それを溶剤で分散させてペーストにし(結着剤はあらかじめ溶剤に溶解させてから正極活物質などと混合してもよい)、その正極合剤含有ペーストを金属箔などからなる正極集電体に塗布し、乾燥して、正極集電体の少なくとも一部に正極合剤層を形成することによって作製される。ただし、正極の作製方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。また、正極の結着剤として、上記のもの以外にも、負極で用いるものと同様のものを用いることができる。
【0022】
本発明において、電解質としては、液状電解質、ゲル状電解質、固体電解質のいずれであってもよいが、本発明においては、特に液状電解質を用いることが多いことから、この液状電解質を当業者間で慣用されている「電解液」という表現を用い、それを中心に詳細に説明する。
【0023】
本発明において、電解液の溶媒としてはエステルが好適に用いられる。特に鎖状エステルは、電解液の粘度を下げ、イオン伝導度を高めることから好適に用いられる。このような鎖状エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチルなどの鎖状のCOO−結合を有する有機溶媒、リン酸トリメチルなどの鎖状リン酸トリエステルなどが挙げられ、それらの中でも特に鎖状のカーボネート類が好ましい。
【0024】
また、上記鎖状エステルなどに下記の誘電率が高いエステル(誘電率30以上)を混合して用いると電解液のイオン伝導度が高くなり、電池の充放電特性などが向上するので好ましい。このような誘電率が高いエステルとしては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ガンマーブチロラクトン(γ−BL)、エチレングリコールサルファイト(EGS)などが挙げられる。特に環状構造のものが好ましく、とりわけ環状のカーボネートが好ましく、エチレンカーボネート(EC)が最も好ましい。
【0025】
上記エステル以外にも、例えば、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,3−ジオキソラン(DO)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチル−テトラヒドロフラン(2Me−THF)、ジエチルエーテル(DEE)などの粘度の低いエーテルも好適に用いられる。そのほか、アミン系またはイミド系有機溶媒や、含イオウ系または含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。
【0026】
電解液において溶質となるリチウム塩としては、例えば、LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 などや、その他Li2 C2 F4 (SO3 )2 、LiN(CF3 SO2 )2 、LiC(CF3 SO2 )3 、LiCn F2n+1SO3 (n≧2)などが単独でまたは2種以上混合して用いられる。それらの中でもLiPF6 やLiCn F2n+1SO3 (n≧2)は充放電特性が良好なことから好ましい。電解液中におけるリチウム塩の濃度は、特に限定されるものではないが、通常、0.1〜2mol/l、特に0.4〜1.4mol/l程度が好ましい。
【0027】
また、本発明の非水二次電池においては、上記電解液以外に、ゲル状電解質や固体電解質も用いることができる。それらのゲル状電解質や固体電解質としては、無機系電解質のほか、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、またはそれらの誘導体などを主材にした有機系電解質を挙げることができる。
【0028】
セパレータとしては、特に限定されることはないが、例えば、微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、微孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルムなどをポリオレフィン系セパレータが好適に用いられる。
【0029】
【実施例】
つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0030】
実施例1
負極活物質として、石油ピッチから抽出したカーボンマイクロビーズを3000℃で熱処理したバルクカーボンを粉砕して平均粒径10μmの粉末を用意した。このカーボン粉末の層間距離d002 は3.36Åであり、c軸方向の結晶子サイズLcは1334Åであった。このカーボン粉末90重量部と、結着剤として、ポリフッ化ビニリデン(フッ化ビニリデンユニット含有量:75モル%、平均重合度:1000)7.5重量部、ビスマレイミドトリアジン樹脂(比重:1.24、熱硬化後のTg:230〜250℃)2.5重量部と溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンとを混合して負極合剤含有ペーストを調製し、この負極合剤含有ペーストを帯状で厚さ15μmの銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、ローラープレス機により圧縮成形した後、真空中で160℃で2時間熱処理を行った後、リード体を溶接して、負極を作製した。
【0031】
つぎに、LiCoO2 90重量部に鱗片状黒鉛6重量部とポリフッ化ビニリデン4重量部を加えて混合し、N−メチル−2−ピロリドンに分散させてペーストにした。この正極合剤含有ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、ローラープレス機により圧縮成形した後、リード体を溶接して、帯状の正極を作製した。
【0032】
上記の帯状正極に厚さ25μmの微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介して前記帯状負極を重ね、渦巻状に巻回して渦巻状電極体とした後、外径15mm、高さ40mmの有底円筒状の電池ケース内に充填し、正極および負極のリード体の溶接を行った後、電解液を電池ケース内に注入した。
【0033】
上記電解液は、LiPF6 をエチルメチルカーボネート(MEC)に溶解させた後、エチレンカーボネート(EC)を加えて混合して調製したもので、LiPF6 がエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(MEC)との体積比1:1の混合溶媒中に1.0mol/l溶解した有機溶媒系の非水電解液である。この電解液の組成は1.0mol/l LiPF 6 /EC:MEC(体積比1:1)で示される。
【0034】
つぎに、常法にしたがって、電池ケースの開口部を封口し、図1に示す構造の筒形の非水二次電池を作製した。
【0035】
図1に示す電池について説明すると、1は前記の正極で、2は前記の負極である。ただし、図1では、繁雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用された集電体などは図示していない。そして、これらの正極1と負極2はセパレータ3を介して渦巻状に巻回され、渦巻状電極積層体にして、上記の特定電解液からなる電解質4と共に電池ケース5内に収容されている。
【0036】
電池ケース5は前記のようにステンレス鋼製で、その底部には上記渦巻状電極積層体の挿入に先立って、ポリプロピレンからなる絶縁体6が配置されている。封口板7は、アルミニウム製で円板状をしていて、その中央部に薄肉部7aを設け、かつ上記薄肉部7aの周囲に電池内圧を防爆弁9に作用させるための圧力導入口7bとしての孔が設けられている。そして、この薄肉部7aの上面に防爆弁9の突出部9aが溶接され、溶接部分11を構成している。なお、上記の封口板7に設けた薄肉部7aや防爆弁9の突出部9aなどは、図面上での理解がしやすいように、切断面のみを図示しており、切断面後方の輪郭線は図示を省略している。また、封口板7の薄肉部7aと防爆弁9の突出部9aの溶接部分11も、図面上での理解が容易なように、実際よりは誇張した状態に図示している。
【0037】
端子板8は、圧延鋼製で表面にニッケルメッキが施され、周縁部が鍔状になった帽子状をしており、この端子板8にはガス排出口8aが設けられる。防爆弁9は、アルミニウム製で円板状をしており、その中央部には発電要素側(図1では、下側)に先端部を有する突出部9aが設けられ、かつ薄肉部9bが設けられ、上記突出部9aの下面が、前記したように、封口板7の薄肉部7aの上面に溶接され、溶接部分11を構成している。絶縁パッキング10は、ポリプロピレン製で環状をしており、封口板7の周縁部の上部に配置され、その上部に防爆弁9が配置していて、封口板7と防爆弁9とを絶縁するとともに、両者の間から液状の電解質が漏れないように両者の間隙を封止している。環状ガスケット12はポリプロピレン製で、リード体13はアルミニウム製で、前記封口板7と正極1とを接続し、渦巻状電極積層体の上部には絶縁体14が配置され、負極2と電池ケース5の底部とはニッケル製のリード体15で接続されている。
【0038】
実施例2
実施例1における負極の結着剤をポリフッ化ビニリデン8.5重量部とビスマレイミドトリアジン樹脂1.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様に筒形の非水二次電池を作製した。
【0039】
実施例3
実施例1における負極の結着剤をポリフッ化ビニリデン9.0重量部とビスマレイミドトリアジン樹脂1.0重量部に変更した以外は、実施例1と同様に筒形の非水二次電池を作製した。
【0040】
実施例4
実施例1における負極の結着剤をポリフッ化ビニリデン9.5重量部とビスマレイミドトリアジン樹脂0.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様に筒形の非水二次電池を作製した。
【0041】
実施例5
実施例1における負極の結着剤をポリフッ化ビニリデン7.5重量部をフッ化ビニリデンとマレイン酸モノエチレンとの共重合体(フッ化ビニリデンユニットの含有比率:99モル%)7.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様に筒形の非水二次電池を作製した。
【0042】
実施例6
実施例1における負極の熱処理条件を真空中120℃で3時間に変更した以外は、実施例1と同様に筒形の非水二次電池を作製した。
【0043】
比較例1
実施例1における負極の結着剤をポリフッ化ビニリデン10重量部に変更し、熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に筒形の非水二次電池を作製した。
【0044】
比較例2
実施例1における負極の結着剤をポリフッ化ビニリデン10重量部に変更した以外は、実施例1と同様に筒形の非水二次電池を作製した。この比較例2と上記比較例1との相違は、比較例1では熱処理を行っていないのに対し、比較例2では実施例1と同様に熱処理を行っている点である。
【0045】
上記実施例1〜6および比較例1〜2の非水二次電池について、室温で、最大電圧4.2V、充電電流1Aの条件で充電を2.5時間行い、6.2Ωの定抵抗で放電を行うという充放電サイクルを繰り返し放電容量の変化を調べ、放電容量が初期容量の50%以下に低下するまでのサイクル数を調べた。その結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜6の電池は、ビスマレイミドトリアジン樹脂を添加しなかった比較例1〜2の電池に比べて、放電容量が初期容量の50%以下に低下するまでのサイクル数が大きく、充放電サイクル特性が優れていた。これは、本発明の実施例1〜6の電池では、負極の結着剤としてフッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーとビスマレイミドトリアジン樹脂との混合物を用いたことにより、三次元の相互侵入網目構造を形成することができ、それによって、充放電サイクルの繰り返しに伴う負極合剤層の負極集電体からの剥離を抑制でき、充放電サイクル特性を向上させることができたことによるものと考えられる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、負極の結着剤の結着作用を高めて、充放電サイクル特性が優れた非水二次電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水二次電池の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電解質
Claims (4)
- リチウムを吸蔵・放出可能な炭素系材料を負極活物質とし、少なくとも上記炭素系材料と結着剤とを含有する負極合剤層を負極集電体に形成してなる負極と、リチウムを可逆的に充放電可能な化合物を正極活物質とする正極とを有する非水二次電池であって、上記負極の結着剤として、フッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーとビスマレイミドトリアジン樹脂との混合物を用いたことを特徴とする非水二次電池。
- フッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーが、フッ化ビニリデンユニットを70モル%以上含有する共重合体である請求項1記載の非水二次電池。
- 前記フッ化ビニリデンを主モノマーユニットとするポリマーの平均重合度が300〜5000である請求項1または2記載の非水二次電池。
- ビスマレイミドトリアジン樹脂が熱硬化されている請求項1〜3のいずれかに記載の非水二次電池。
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