JP3712179B2 - 1缶2回路式給湯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯回路に加え、少なくとも暖房回路からなる循環加熱回路が併設され、それら双方の回路の両熱交換器が共通の加熱源により加熱される1缶2回路式給湯装置に関し、特に、上記両回路が同時運転される場合の上記循環加熱回路における循環媒体の温度調節を行うために用いられるものに係る。
【0002】
【従来の技術】
従来より、1缶2回路式給湯装置として、図5に示すように、1つの燃焼バーナ7の燃焼熱により加熱される1つの燃焼缶体6内に給湯回路2と、循環加熱回路としての追い焚き循環回路3との双方の熱交換器12,32が配設されたものが知られている。このものでは、入水管11から入水された水道水を第1熱交換器12で所定温度まで加熱した後、出湯管13を通して家庭内の各カラン15等に対し給湯する給湯回路2と、循環ポンプ31の作動により浴槽B内の湯水を戻り管33を通して第2熱交換器32に導き、この第2熱交換器32で追い焚き加熱した後、往き管34を通して上記浴槽Bに戻す追い焚き循環回路3とを備え、上記第1及び第2の両熱交換器12,32が共通の燃焼バーナ7により加熱されるようになっている。
【0003】
また、給湯回路と追い焚き循環回路との各熱交換器が個別に1缶1回路式の燃焼缶体内に配設され、それら各熱交換器が互いに独立した燃焼バーナにより加熱されるように構成されたものも知られている(例えば実用新案登録第2524239号公報参照)。このものでは、上記の追い焚き循環回路の途中から三方切換弁を介して浴室内の暖房端末に分岐させ、これにより、この暖房端末と上記追い焚き循環用の熱交換器との間で温水の循環加熱回路を構成している。
【0004】
通常、給湯回路による給湯運転の場合には入水温度及び入水量の各検出値に基づいて出湯温度がユーザにより設定された設定温度に短時間で到達するように燃焼バーナが高燃焼作動され、追い焚き循環回路による追い焚き運転の場合には自動もしくはユーザ指令に基づき浴槽内の湯水が設定温度を維持するように燃焼バーナが間欠燃焼作動され、また、暖房回路による暖房運転の場合には燃焼バーナが最低燃焼作動されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の図5に示す1缶2回路式給湯装置の追い焚き循環回路3に対し上記公報で開示されたような分岐部を設けることにより、浴室内暖房や温風吹き出しによる浴室内乾燥を行う暖房端末に対し温水を循環させる暖房回路を併設することが考えられる。
【0006】
ところが、共通の燃焼バーナ7により加熱される1缶2回路式であるため、給湯回路2による給湯運転と、暖房回路による暖房運転とが同時に行われる場合には、燃焼加熱要求がより高い側の給湯運転が優先されて燃焼バーナ7の燃焼作動量が給湯運転に必要な高燃焼量になるように運転されることになる。この場合、第2熱交換器32が第1熱交換器12と同じ燃焼缶体6内に配設されているため、その第2熱交換器32も第1熱交換器12と同じ給湯用の高燃焼量に基づく加熱を受け、暖房回路に対し通常の暖房運転時よりもかなり高温の温水が循環供給される結果となる。このため、暖房回路や追い焚き循環回路3に配設されている機能要素、例えば圧力センサ37等のセンサ素子や、切換弁・循環ポンプ31等の特に合成樹脂製部品等が過度の高熱を受けてそれらの耐久性を悪化させるおそれがある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、給湯回路や循環加熱回路等の複数の熱交換回路が共通の加熱源により加熱される1缶2回路式給湯装置において、特に暖房回路等の循環加熱回路による運転が給湯回路による給湯運転と同時に運転される場合であっても、上記循環加熱回路内の循環媒体が過度の高温にならないように防止し得る1缶2回路式給湯装置を提供することにある。併せて、循環加熱回路内の循環媒体の温度調節を可能とし得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、以下に示す第1〜第5の発明について記載するが、その内の第3〜第5の発明が本願の特許請求の範囲に係る発明である。特許請求の範囲外に係る第1及び第2の発明は、循環加熱回路を第2熱交換器を経由する加熱循環路と、その第2熱交換器をバイパスして加熱源からの加熱を受けないバイパス循環路とを備え、加熱循環路とバイパス循環路とで相互に切換可能とするものである。
【0009】
具体的には、第1の発明は、給湯回路の第1熱交換器と、循環加熱回路の第2熱交換器とが共通の加熱源により加熱されるよう構成された1缶2回路式給湯装置を前提対象として以下の特定事項を備えるものである。すなわち、上記循環加熱回路を、上記第2熱交換器を経由して加熱状態の循環媒体を循環供給先との間で循環させる加熱循環路と、上記第2熱交換器をバイパスして非加熱状態の循環媒体を上記循環供給先との間で循環させるバイパス循環路とを備えるものとし、かつ、上記循環加熱回路内の循環経路を上記加熱循環路とバイパス循環路とに相互に切換可能に構成したことを特定事項とするものである。
【0010】
また、第2の発明は、上記第1の発明と同じ前提対象に対し以下の特定事項を備えるようにしたものである。すなわち、上記循環加熱回路を、上記第2熱交換器を経由して加熱状態の循環媒体を循環供給先との間で循環させる加熱循環路と、上記第2熱交換器をバイパスして非加熱状態の循環媒体を上記循環供給先との間で循環させるバイパス循環路とを備えるものとする一方、上記第2熱交換器により加熱された循環媒体の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段から出力される検出温度に基づき循環経路の切換えを行うことにより上記循環供給先に流れる循環媒体の温度を調節する切換制御手段とを備えるようにすることを特定事項とするものである。
【0011】
ここで、上記「バイパス循環路」としては、第2熱交換器の上流側及び下流側の加熱循環路を互いに連通させるバイパス管と、循環媒体の循環経路を上記第2熱交換器側とバイパス管側とに相互に切換える切換弁(例えば三方切換弁)とを備えるものとし、上記切換弁の切換えにより循環経路の切換えが行われるようにすればよい。
【0012】
上記第1の発明によれば、循環加熱回路の循環経路が加熱循環路に切換えられた場合には第2熱交換器により加熱された循環媒体が循環供給先に供給されて循環することになる一方、バイパス循環路に切換えられた場合には第2熱交換器がバイパスされるため非加熱状態の循環媒体、すなわち、第2熱交換器での加熱を受けていない循環媒体が上記循環供給先に供給されて循環することになる。このため、上記第2熱交換器が給湯回路側の第1熱交換器と同じ熱交換缶体内に配設されて共通の加熱源により加熱される1缶2回路式に構成されており、循環加熱回路に対する本来の加熱量よりも大きい加熱量を一時的もしくは継続的に受ける場合であっても、上記加熱循環路とバイパス循環路との間で循環経路の切換えを行うことにより、循環供給先に通じる循環加熱回路内の循環媒体が過度の高温状態にならないように温度調節し得ることになる。
【0013】
また、上記第2の発明によれば、上記第1の発明による作用・効果がより具体的に得られることになる。すなわち、上記の如き1缶2回路式に構成された熱交換缶体内で第2熱交換器が循環加熱回路に対する本来の加熱量よりも大きい加熱量を一時的もしくは継続的に受ける場合、例えば給湯回路による給湯運転と循環加熱回路による循環加熱運転とが同時に行われる場合であっても、温度検出手段から出力される検出温度に基づき切換制御手段により加熱循環路とバイパス循環路との間で循環経路の切換えが行われるため、循環供給先に通じる循環加熱回路内の循環媒体が過度の高温状態にならないように温度調節し得ることになる。
【0014】
例えば、上記温度検出手段による検出温度を監視し、その検出温度が予め設定した設定上限温度よりも高くなるとき切換制御手段により循環経路を加熱循環路からバイパス循環路に切換えることにより、その循環路を流れる循環媒体が非加熱状態のものとなりそれ以上高温になることが防止される。この場合、上記被加熱状態の循環媒体の熱が循環供給先において放熱もしくは消費されるため、循環媒体は次第に低温側に移行することになる。そこで、上記検出温度が予め設定した設定下限温度よりも低くなるときには上記切換制御手段により循環経路をバイパス循環路から加熱循環路に切換えることにより、再び加熱状態の循環媒体が循環供給先に流されて循環供給先での熱源が確保されることになる。これにより、循環加熱回路内の循環媒体が所定の温度範囲内に維持されるように温度調節を行い得ることになる。
【0015】
ここで、上記「温度検出手段」の配設位置は、上記設定上限温度に基づき過度の高温状態の発生防止のみを目的とする場合には第2熱交換器の下流側であって第2熱交換器に近い位置ほど好ましいものの、上記の如く設定上限温度と設定下限温度との双方に基づく切換制御を行う場合には第2熱交換器の下流側であってその第2熱交換器に対し最上流側位置のバイパス循環路に設定することが好ましい。すなわち、給湯装置外に配設される循環供給先までの配管長には長短があるため、第2熱交換器からあまりに離れた位置で循環媒体の温度検出を行っても過度の高温状態の発生防止を的確かつ効果的に行い得ないことになる一方、設定下限温度に基づく切換制御を行うにはバイパス循環路での循環媒体の温度を併せて検出する必要があるからである。
【0016】
一方、第3及び第4の各発明は、給湯回路による給湯運転と、循環加熱回路による循環加熱運転とが同時に行われるときには、給湯運転での加熱要求を満たしつつ循環加熱回路内の循環媒体が過度の高温状態にならないように加熱源による加熱作動を制御しようとするものである。
【0017】
具体的には、第3の発明は、給湯回路の第1熱交換器と、循環加熱回路の第2熱交換器とが共通の加熱源により加熱されるよう構成された1缶2回路式給湯装置を前提対象として以下の特定事項を備えるものである。すなわち、上記給湯回路による給湯運転と循環加熱回路による循環加熱運転とが同時に実行される場合に、上記加熱源による加熱量を予め設定した設定最大加熱量よりも小さい同時運転用範囲に制限するよう上記加熱源の加熱作動を制御する加熱制御手段を備えるものとする。そして、上記設定最大加熱量として、上記第2熱交換器における吸熱量と、上記循環加熱回路により循環媒体が供給される循環供給先における放熱量との関係から上記第2熱交換器に対する加熱が継続されても上記循環加熱回路内の循環媒体の温度が予め設定した設定上限温度よりも低温側範囲に維持され得る上限の加熱量を設定することを特定事項とする。
【0018】
この第3の発明によれば、給湯運転と循環加熱運転との同時運転が行われる場合には、加熱制御手段により加熱源の加熱作動が設定最大加熱量よりも小さい同時運転用範囲に制限されることになる。このため、この同時運転用範囲での加熱が第2熱交換器に対し継続されても、循環加熱回路内の循環媒体は設定上限温度よりも低温側範囲を維持し続け、上記設定上限温度を超える過度の高温状態に至ることはない。
【0019】
また、第4の発明は、上記第3の発明と同様の前提対象に対し以下の特定事項を有する加熱制御手段を備えるものである。すなわち、本発明の加熱制御手段として、上記給湯回路による給湯運転が単独で実行される場合には予め設定した給湯用設定最大加熱量を上限値として上記加熱源の加熱作動を制御する一方、上記給湯運転に加え上記循環加熱回路による循環加熱運転が実行される場合には上記上限値を上記給湯用設定最大加熱量よりも小値側に設定した循環用設定最大加熱量に変更して上記加熱源の加熱作動を制御する構成とする。
【0020】
この第4の発明によれば、給湯運転が単独で行われる場合には加熱制御手段により加熱源の加熱作動が給湯用設定最大加熱量を上限値として制御される一方、給湯運転と循環加熱運転とが同時に行われる場合にはその上限値がそれよりも小値側の循環用設定最大加熱量に変更されて加熱源の加熱作動制御が行われることになる。つまり、給湯回路側で入水温度や設定温度等により演算された必要加熱量が上記循環用設定最大加熱量を超える場合には、加熱源の加熱制御量がその循環用設定最大加熱量に制限されることになる。このため、循環加熱回路内に循環される循環媒体の温度上昇度合が、給湯単独運転での加熱制御が給湯・循環加熱の同時運転になっても継続される場合よりも低く抑えられることになる。これにより、循環加熱回路内での過度の高温状態の発生が抑制もしくは防止されることになる。なお、上記循環用設定最大加熱量として、上記第3の発明における「設定最大加熱量」を設定することにより、上記の過度の高温状態の発生をより確実に防止し得ることになる。
【0021】
さらに、第5の発明は、上記第1の発明と同じ前提対象に対し以下の特定事項を備えることにより、第1もしくは第2の各発明をより具体化したものである。すなわち、循環加熱回路として、浴槽内の湯水を上記第2熱交換器との間で循環させる戻り管及び往き管からなる追い焚き循環回路と、この追い焚き循環回路に対し上記戻り管及び往き管の途中から第1及び第2切換手段を介してそれぞれ分岐されて上記第2熱交換器と暖房端末との間で循環可能に接続された暖房回路とを備えてなるものとする。そして、上記第1及び第2切換手段よりも上記第2熱交換器寄り位置の上記戻り管と往き管とを互いに接続して上記第2熱交換器をバイパスするバイパス管を備えるようにする。また、このバイパス管を用いて、上記第1及び第2切換手段が上記第2熱交換器と暖房端末との間で循環可能に切換えられた状態で、上記循環加熱回路内の循環経路を、上記第2熱交換器を経由して加熱状態の湯水を上記暖房端末との間で循環させる加熱循環路と、上記バイパス管を通すことにより上記第2熱交換器をバイパスして非加熱状態の湯水を上記暖房端末との間で循環させるバイパス循環路とに循環経路を相互に切換える第3切換手段を備えるようにする。さらに、上記第2熱交換器の下流側であってその第2熱交換器に対し最上流側位置のバイパス循環路に配設されて循環湯水の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段から出力される検出温度に基づき上記第3切換手段による循環経路の切換えを行うことにより上記循環供給先に流れる循環媒体の温度を調節する切換制御手段とを備えるようにすることを特定事項とするものである。
【0022】
この第5の発明によれば、第1もしくは第2の発明による作用・効果をより具体的にかつ確実に実現させることが可能になる。
【0028】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1又は請求項3に記載の1缶2回路式給湯装置によれば、 給湯運転と循環加熱運転とが同時に行われるときには加熱制御手段により加熱源の加熱作動を所定の設定最大加熱量よりも小さい同時運転用範囲に制限するように加熱作動制御が行われるため、循環加熱回路内の循環媒体を所定の設定上限温度よりも低温側範囲に確実に維持することができ、過度の高温状態の発生を確実かつ有効に防止することができるようになる。特に、上記循環加熱回路が暖房回路である場合には、その暖房回路による暖房運転に伴う暖房端末での消費熱量(放熱量)が給湯運転用の加熱源の加熱量(例えば最大燃焼量)と比較して小さいため、このような条件下での給湯運転と暖房運転との同時運転時における循環加熱回路側の異常高温化を防止する上で特に有効となる。
【0029】
また、請求項又は請求項によれば、給湯単独運転から給湯及び循環加熱の同時運転状態に切換わると、加熱制御手段によりそれまでの加熱作動量の上限値が給湯用設定最大加熱量から循環用設定最大加熱量に小さく変更されることになるため、循環加熱回路内の循環媒体の昇温度合をそれまでよりも低減することができ、その循環媒体が過度の高温状態になる事態の発生を抑制もしくは防止することができるようになる。この請求項7も、上記請求項6と同様に特に、上記循環加熱回路が暖房回路である場合には、その暖房回路による暖房運転に伴う暖房端末での消費熱量(放熱量)が給湯運転用の加熱源の加熱量(例えば最大燃焼量)と比較して小さいため、このような条件下での給湯運転と暖房運転との同時運転時における循環加熱回路側の異常高温化を防止する上で特に有効となる。
【0030】
さらに、請求項によれば、請求項1〜請求項のいずれかによる効果をより具体的にかつ確実に得ることができるようになる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
<第1実施形態>
図1は、第1もしくは第2の発明を適用した第1実施形態を示す。本第1実施形態は、給湯回路2と、追い焚き循環回路3と、この追い焚き循環回路3に対し温水分岐ユニット4を介して併設された暖房回路5との3つの熱交換回路を有し、上記給湯回路2の熱交換器(第1熱交換器)12及び追い焚き循環回路3の熱交換器(第2熱交換器)32が共に1つの燃焼缶体6において共通の加熱源としての1つの燃焼バーナ7の燃焼熱との熱交換により加熱される1缶2回路式に構成されたものである。そして、上記追い焚き循環回路3の管路及び第2熱交換器32を共用した暖房回路5が本発明の循環加熱回路を構成している。
【0033】
上記給湯回路2は、水道管と接続され水道水を上記第1熱交換器12に入水する入水管11と、上記第1熱交換器12で加熱されたお湯を出湯する出湯管13と、この出湯管13の出湯に対し水道水を混合するためのバイパス管14とを備えている。上記出湯管13にはカラン15等への一般給湯管16が接続される一方、浴槽Bにお湯を注湯して湯張りするための風呂注湯回路8の注湯管81が分岐接続されている。そして、上記入水管11には入水温度センサ17及び入水流量センサ18が設けられる一方、上記出湯管13には上記バイパス管14の下流端との合流位置よりも上流側位置に出湯温度センサ19が設けられ、上記合流位置よりも下流側位置に給湯量制御弁20及び給湯温度センサ21が設けられている。また、上記バイパス管14には比例弁22が介装されている。
【0034】
また、上記追い焚き循環回路3は、浴槽B内の湯水を循環ポンプ31の作動により第2熱交換器32に戻す戻り管33と、第2熱交換器32での加熱により昇温された湯水を上記浴槽Bに流す往き管34と、上記第2熱交換器32をバイパスするバイパス管35とを備えている。上記循環ポンプ31と戻り管33と往き管34とにより、浴槽Bと第2熱交換器32との間で湯水の循環を行いながら追い焚きを行うようになっている。一方、上記バイパス管35は、上記戻り管33の第2熱交換器32側位置に介装された第3切換手段としての三方切換弁36により上流端が分岐され、下流端が上記往き管34の第2熱交換器32下流側位置に連通されている。そして、通常の追い焚き運転の場合には、上記三方切換弁36はバイパス管35側を遮断して上・下流側の戻り管33を連通させた状態にされ、所定の運転状態において後述のコントローラ9により切換制御が行われるようになっている。
【0035】
上記戻り管33には、上記三方切換弁36よりも上流側(浴槽B側)位置において、上記循環ポンプ31に加え、圧力検出により浴槽B内の水位を検出する水位検出センサ37、水流スイッチ38及び風呂温度センサ39がそれぞれ介装されている。また、上記往き管34には上記バイパス管35との連通位置の直下流側位置に本発明の温度検出手段としての温度センサ40が介装されており、この温度センサ40により第2熱交換器32で加熱された加熱循環水もしくは上記バイパス管35を通して循環されるバイパス循環水の各温度が検出されて上記コントローラ9に出力されるようになっている。
【0036】
合わせて、風呂注湯回路8について説明すると、この風呂注湯回路8は上記戻り管33及び往き管34の双方に対し注湯して浴槽Bに対する注湯を戻り管33及び往き管34の双方を通して両搬送式により行うようになっている。すなわち、上記出湯管13から分岐した注湯管81は注湯流量センサ82が介装された後、その下流側が2本の分岐注湯管83,84に分岐され、一方の分岐注湯管83の下流端が上記戻り管33の三方切換弁36の直上流側位置に連通され、他方の分岐注湯管84の下流端が上記往き管34の温度センサ40の下流側位置に連通されている。そして、上記両分岐注湯管83,84には、それぞれ注湯制御弁85及び一対の逆止弁86が設けられている。
【0037】
暖房回路5は、浴室に設置された浴室暖房ユニット51に内蔵された循環供給先としての暖房放熱器(熱交換器)52に対し、温水分岐ユニット4を介して追い焚き循環回路3に流れる湯水を分岐させ、その湯水を循環媒体として循環供給するものである。上記温水分岐ユニット4は第1及び第2の切換手段としての2つの三方切換弁41,42と、エアセパレータ43と、所定の配管とを備えており、その配管に対し上記暖房放熱器52を接続することにより、暖房回路5が形成されるようになっている。
【0038】
すなわち、第1三方切換弁41は追い焚き循環回路3の往き管34の途中に接続され、その往き管34により供給される湯水を分岐させて暖房用往き管53を通して上記暖房放熱器52に導くようになっている。この暖房放熱器52において放熱された後の湯水は暖房用戻り管54を通して上記エアセパレータ43に対しその上下方向中間位置から戻され、次いで、上記エアセパレータ43から運転状態に応じて第1及び第2のいずれかの分岐戻り管55,56を通して追い焚き循環回路3の戻り管33もしくは往き管34に対し戻されるようになっている。つまり、後述の追い焚き運転が停止されて暖房運転が行われる場合には上記エアセパレータ43の底面位置に接続された第1分岐戻り管55及び第2三方切換弁42を通して上記戻り管33に対し戻され、追い焚き運転及び暖房運転が共に行われる場合には上記エアセパレータ43の頂面位置に接続された第2分岐戻り管56を通してオーバーフローする湯水が上記往き管34に対し上記第1三方切換弁41よりも下流側位置(浴槽B側位置)に戻される。なお、同図中57は上記暖房用往き管53に設けられた暖房温度センサであり、この暖房温度センサ57により暖房放熱器52に循環供給される湯水の温度が検出されるようになっている。
【0039】
ここで、追い焚き循環回路3の戻り管33を、浴槽Bから第2三方切換弁42までを戻り管上流部33a、第2三方切換弁42から三方切換弁36までを戻り管中流部33b、三方切換弁36から第2熱交換器32までを戻り管下流部33cとそれぞれ名付けて区分けする。また、同様に往き管34を、上記第2熱交換器32からバイパス管35との連通位置までを往き管上流部34a、その連通位置から第1三方切換弁41までを往き管中流部34b、第1三方切換弁41から浴槽Bまでを往き管下流部34cとそれぞれ名付けて区分けする。
【0040】
そうすると、追い焚き運転が停止状態で温水分岐ユニット4の第1及び第2の両三方切換弁41,42が暖房使用時状態に切換えられた場合、つまり、第1三方切換弁41が往き管下流部34c側を遮断して往き管中流部34bを暖房用往き管53と連通させ、かつ、第2三方切換弁42が戻り管上流部33a側を遮断して戻り管中流部33bを第1分岐戻り管55と連通させた状態では、暖房回路5において次のような加熱循環路X及びバイパス循環路Yの2つの循環経路を有することになる。
【0041】
すなわち、三方切換弁36がバイパス管35側を遮断して戻り管中流部33bと戻り管下流部33cとを連通させた加熱切換状態に切換えられると、上記加熱循環路Xが形成されることになる。この加熱循環路Xにおいては、第2熱交換器32で加熱された湯水が往き管上流部34a、往き管中流部34b、第1三方切換弁41及び暖房用往き管53を通して暖房放熱器52に流され、この暖房放熱器52で放熱された後の湯水が暖房用戻り管54、エアセパレータ43、第1分岐戻り管55、第2三方切換弁42、戻り管中流部33b、三方切換弁36及び戻り管下流部33cを通して再び第2熱交換器に戻されて加熱されるという循環経路となる(図1の実線の矢印参照)。つまり、第2熱交換器32により加熱された湯水が循環媒体として循環供給先である暖房放熱器52に対し循環供給されることになる。
【0042】
逆に、上記三方切換弁36が戻り管下流部33c側を遮断して戻り管中流部33bとバイパス管35とを連通させたバイパス切換状態に切換えられると、上記バイパス循環路Yが形成されることになる。このバイパス循環路Yにおいては、暖房放熱器52で放熱された後の湯水が暖房用戻り管54、エアセパレータ43、第1分岐戻り管55、第2三方切換弁42、戻り管中流部33b及び三方切換弁36を通してバイパス管35に流され(図1の一点鎖線の矢印参照)、そのバイパス管35に流された湯水が往き管中流部34b、第1三方切換弁41及び暖房用往き管53を通して再び暖房放熱器52に流されるという循環経路となる。つまり、第2熱交換器32を経由せずに非加熱状態の湯水が循環媒体として循環供給先である暖房放熱器52に対し循環供給されることになる。
【0043】
一方、上記燃焼缶体6には、上部に燃焼バーナ7がその火炎を下向きに噴射するように配設され、上下方向中間位置に上記第1及び第2の両熱交換器12,32が横切るように配設され、下部には熱交換後の燃焼排ガスを排出処理する排煙筒61が開口されている。
【0044】
上記燃焼バーナ7は、気体燃料もしくは液体燃料を燃焼させるものであり、本実施形態では石油等の液体燃料を燃焼させるいわゆるリターン式のガンタイプバーナを図示している。この燃焼バーナ7は、電磁開閉弁71及び電磁供給ポンプ72が介装された燃料供給管73により供給された液体燃料を噴霧して燃焼させ、余剰燃料をリターン管74を通して上記電磁開閉弁71と電磁供給ポンプ72との間の燃料供給管73に対し戻すようになっている。
【0045】
以上の暖房回路併設の追い焚き循環機能付き給湯装置はMPUやメモリー等を備えたコントローラ9により作動制御されるようになっており、このコントローラ9は図示省略の各種のリモコン(リモートコントローラ)を介してユーザによる各種指令の入力設定や状態表示が行われるようになっている。そして、上記コントローラ9は、給湯回路2による給湯運転を行う給湯制御部、追い焚き循環回路3による追い焚き運転等を行う風呂制御部、及び、暖房回路5による暖房運転を行う暖房制御部等の各種制御部を備えている。
【0046】
上記給湯制御部による給湯制御においては、ユーザがカラン15を開いて入水流量センサ18が最低作動水量以上の流量を検出することにより、燃焼バーナ7の燃焼作動が開始される。この燃焼作動は、まず、入水温度センサ17からの入水温度、入水流量センサからの入水流量及び上記リモコンに入力設定された設定出湯温度等の情報に基づいて必要燃焼量である出湯号数(加熱量)を演算し、この出湯号数によりFF(フィードフォワード)制御が行われる。なお、上記出湯号数とは、1リットルの水を1分間に25℃昇温させるのに必要な熱量のことである。次に、出湯温度センサ19からの実際の出湯温度に基づき上記設定出湯温度に対応する温度の出湯になるようにFB(フィードバック)制御が行われる。これにより、第1熱交換器12が比較的高燃焼量(最大25.5号までの範囲)の燃焼熱により加熱され、入水管11からの入水が早期に昇温されて出湯管13に出湯される。この際、給湯量制御弁20が所定開度とされる一方、バイパス管14から所定量の水が混合されて、給湯温度センサ21からの実際の給湯温度が上記設定出湯温度になるようにされるようになっている。そして、使用者がカラン15を閉じて上記入水量センサ18が最低作動水量より低い流量を検出することにより上記燃焼バーナ7の燃焼が停止される。
【0047】
上記風呂制御部では注湯制御や追い焚き制御が行われ、注湯制御においては、例えばユーザにより上記リモコンに浴槽Bへの湯張りのための注湯指令が入力されると、注湯制御弁85,85が開状態にされ上記燃焼バーナ7の燃焼作動が開始される。これにより、第1熱交換器12で加熱された所定温度の湯水が出湯管13及び注湯管81,83,84を通して戻り管33及び往き管34に供給されて浴槽B内に注湯されることになる。この際の注湯量が注湯流量センサ82により検出され、水位センサ37により浴槽Bの浴槽水位として所定水位を検出することにより注湯制御が終了される。なお、この注湯制御においては、温水分岐ユニット4の両三方切換弁41,42は暖房回路5側を遮断させて上記戻り管33及び往き管34を共に浴槽B側と連通させた風呂単独使用状態に切換制御されるようになっている。
【0048】
また、例えば上記リモコンに追い焚き指令が入力されると追い焚き制御が行われることになり、まず循環ポンプ31が作動され、それに伴い水流スイッチ38がONされると燃焼バーナ7の燃焼作動が開始されることになる。これにより、上記燃焼バーナ7が中程度の燃焼量(例えば10〜15号程度の出湯号数範囲)で燃焼され、この燃焼熱を受けて第2熱交換器32において戻り管33を通して戻された浴槽B内の湯水が追い焚きされ、追い焚きされた湯水が往き管34を通して上記浴槽Bに供給されて循環される。そして、風呂温度センサ39からの検出温度に基づいて浴槽B内の湯水の温度が設定温度になれば、上記燃焼バーナ7の燃焼作動が停止されることになる。
【0049】
上記暖房制御部は温水分岐ユニット4についての切換制御部や、給湯運転との同時運転時における三方切換弁36に対する本発明の切換制御手段を備えたものである。
【0050】
例えば上記リモコンに暖房運転指令が入力されると、運転状態の判別を行い、暖房運転が単独で行われる場合には、まず温水分岐ユニット4の第1及び第2の両三方切換弁41,42が暖房使用時状態に切換えられると共に、三方切換弁36が上述の加熱切換状態に切換えられて加熱循環路Xが形成される。次に、循環ポンプ31が作動されて燃焼バーナ7の燃焼作動が開始される。この場合の燃焼量は所定の最低燃焼量(例えば1〜1.5号程度の出湯号数範囲)とされる。これにより、第2熱交換器32で湯水が加熱されながら暖房放熱器52との間で循環され、所定温度(例えば60℃)となった湯水の熱が暖房放熱器52で放熱されて浴室内が暖房されることになる。なお、暖房放熱器52に供給される湯水の温度が所定の設定温度を超えることが暖房温度センサ57により検出されると、上記燃焼バーナ7の燃焼作動が停止されることになる。
【0051】
また、判別された運転状態が追い焚き運転は停止されているものの給湯運転と暖房運転との同時運転状態である場合、すなわち、図2に示すフローチャートの運転状態の判別(ステップS1)において「YES」の場合には、まず、上記の暖房単独運転の場合と同様に三方切換弁36を加熱切換状態に切換えて加熱循環路Xを形成する(ステップS2)。そして、この加熱循環路Xにおいて循環ポンプ31を作動させる。なお、燃焼バーナ7は給湯運転において既に燃焼作動されており、暖房運転がその給湯運転に並行して行われても燃焼バーナ7の燃焼量(出湯号数)は給湯制御が優先されて給湯制御用の出湯号数の演算及びその出力が行われる。従って、第2熱交換器32は第1熱交換器12と同様の加熱を受ける。
【0052】
次に、温度センサ40の検出温度Tdが予め設定された設定上限温度Tmax以上であるか否かの判別を行い(ステップS3)、第2熱交換器32から出湯される湯水の温度(Td)が上記設定上限温度Tmaxよりも低温側であれば、リターンして上記のステップS1,S2及びS3を繰り返し、上記加熱循環路Xによる循環を繰り返す。一方、上記第2熱交換器32から出湯される湯水の温度(Td)が設定上限温度Tmaxを超えれば(ステップS3で「YES」)、上記三方切換弁36をバイパス切換状態に切換えて循環経路をバイパス循環路Yに切換える(ステップS4)。これにより、暖房放熱器52から戻り管中流部33bを通して戻される湯水を第2熱交換器32側には流さずにバイパス管35側に流し、非加熱状態のままで上記湯水を往き管中流部34b、第1三方切換弁41及び暖房往き管53を通して上記暖房放熱器52に戻すようにする。このバイパス循環路Yによる循環により、循環湯水は暖房放熱器52で放熱される分だけ温度が徐々に低下する。
【0053】
このため、上記温度センサ40の検出温度Tdが予め設定した設定下限温度Tminよりも低温側か否かの判別を行い(ステップS5)、バイパス循環路Yの循環湯水の温度(Td)が設定下限温度Tmin以上であれば、ステップS4に戻りバイパス循環路Yによる循環を継続させる。一方、上記循環湯水の温度(Td)が設定加減温度Tminよりも低温側となれば、リターンして循環経路を加熱循環路Xに切換え(ステップS1,S2)、これにより、再び第2熱交換器32で加熱された湯水を循環供給させる。
【0054】
上記設定上限温度Tmaxとしては例えば70℃あるいはオーバーシュート分を考慮して67℃程度の値を設定すればよく、また、上記設定下限温度Tminとしては例えば50℃程度を設定すればよい。
【0055】
以上の給湯及び暖房の同時運転時における制御により、給湯制御に基づく燃焼バーナ7の燃焼作動を優先させつつも、追い焚き循環回路3の戻り管33及び往き管34と、暖房回路5の暖房往き管53及び暖房戻り管54,55,56とに流れる湯水の温度を確実に設定上限温度よりも低くすることができる。これにより、上記各回路3,5に配設された各種センサ(例えば水位センサ37)のセンサ素子や、各種三方切換弁36,41,42及び循環ポンプ31等の構成部品として用いられている合成樹脂部品等について、過度の高温度環境に晒されることに起因する耐久性低下を阻止して良好な耐久性を実現することができる。しかも、加熱循環路Xとバイパス循環路Yとの相互切換により、上記湯水の温度を設定下限温度よりも高く維持して確実に所定温度範囲の湯水を暖房放熱器52に対し循環供給させて所定の暖房性能を発揮させることができる。
【0056】
なお、判別された運転状態が追い焚き運転と暖房運転との同時運転の場合には、まず上記温水分岐ユニット4の第1三方切換弁41を上記の暖房使用時状態にする一方、第2三方切換弁42を切換える。すなわち、第2三方切換弁42の第1分岐戻り管55側を遮断して戻り管上流部33aと戻り管中流部33bとを互いに連通させるように切換える。次に、循環ポンプ31の作動及び燃焼バーナ7の作動を開始する。この場合の燃焼量は上記の追い焚き運転時と同様に設定される。これにより、浴槽B内の湯水が戻り管33を通して第2熱交換器に戻され、この第2熱交換器32で加熱された湯水が往き管上流部34a、往き管中流部34b、第1三方切換弁41及び暖房往き管53を通して暖房放熱器52に流され、次いで暖房戻り管54、エアセパレータ43、第2分岐戻り管56及び往き管下流部34cを通して浴槽Bに流されることになる。つまり、第2熱交換器32で追い焚きされた湯水が暖房放熱器52を経由して浴槽Bに戻されることになる。
【0057】
また、運転状態が給湯運転、追い焚き運転及び暖房運転の三者同時運転である場合には、燃焼バーナ7の燃焼作動は給湯運転による給湯制御が優先されて第2熱交換器32も第1熱交換器12と同様の比較的高燃焼量(高出湯号数範囲)での加熱を受けることになる。しかし、この場合には、追い焚き循環回路3や暖房回路5に対し浴槽B内の比較的低温(例えば40℃前後)の湯水が循環されるため、これら回路3,5に配設された機能部品等の耐久性を悪化させる程の昇温度合にはならず、従って、上記の給湯及び暖房の両運転が同時に行われる場合のように循環経路の切換えによる設定上限温度以下に維持する制御を行わなくてもよい。もちろん、上記循環経路の切換制御を併用してもよい。
【0058】
<第2実施形態>
第2実施形態として、図1に示す第1実施形態と同じ構造の給湯装置を前提として、この給湯装置に対し第3もしくは第4の発明を適用したものを以下に説明する。
【0059】
この第2実施形態におけるコントローラ9′は給湯制御部、追い焚き制御部及び暖房制御部を備えている。そして、これら各制御部では給湯回路2による給湯運転、追い焚き回路3による追い焚き運転もしくは暖房回路5による暖房運転がそれぞれ単独で行われた場合には第1実施形態のコントローラ9の各制御部と同じ制御が行われるものの、特に給湯運転と暖房運転とが同時に行われた場合の暖房制御部による制御として第1実施形態の如き循環経路の切換制御を行うのではなくて燃焼バーナ7の燃焼制御(加熱制御)を行うことにより、追い焚き循環回路3及び暖房回路5内が過度の高温状態になることを防止している。つまり、本第2実施形態では三方切換弁36はバイパス管35側を遮断して戻り管中流部33bと戻り管下流部33cとを連通させた加熱切換状態に常時設定され、加えて、上記コントローラ9′の暖房制御部が第3もしくは第4の各発明における加熱制御手段を含む構成となっている。
【0060】
すなわち、図3に示すように、給湯運転が実行されているか否かの確認を行い(ステップS11)、給湯運転が行われていれば、さらに他の運転をも含めた運転状態の判別を行う(ステップS12)。
【0061】
この運転状態の判別における組み合わせとしては、給湯単独運転(ケース1)、給湯及び暖房の両者の同時運転(ケース2)、または、給湯及び追い焚きの両者を含む同時運転(ケース3)の3つのケースがある。なお、ケース3の場合は、給湯及び追い焚きの両者の同時運転の他に、これに暖房運転を加えた三者の同時運転が含まれる。
【0062】
まず、ケース1もしくはケース3の場合にはステップS13に進み、給湯単独運転であるか否か、つまりケース1であるか否かの判別を行う。ケース1ではなくてケース3の場合には給湯制御を優先させて給湯用の出湯号数の演算を行う一方(ステップS15)、ケース1である場合にはさらに後述のセーブフラグFsが「1(成立)」であるか否かの判別を行い(ステップS14)、「0(非成立)」の場合に限り上記の給湯用の出湯号数の演算を行う(ステップS15)。そして、その演算された出湯号数が予め設定した給湯用の第1最大出湯号数(給湯用設定最大加熱量)よりも小さければそのまま燃焼バーナ7の燃焼制御量として出力し(ステップS18)、演算値が上記第1最大出湯号数よりも大きければその演算値の代わりにその第1最大出湯号数を上記燃焼制御量として出力する(ステップS17,S18)。つまり、上限値が第1最大出湯号数よりも大きくならないようにセーブする。この給湯用の第1最大出湯号数としては、ユーザ設定の設定出湯温度にできるだけ短時間で昇温するように燃焼バーナ7の燃焼能力等を考慮して最大限許容し得る号数が設定されており、図3にはその例示として「25.5号」を図示している。
【0063】
なお、上記ケース1の場合であって給湯単独運転の場合であってもセーブフラグFsが「1」の場合(ステップS14で「YES」の場合)には、後述の如くステップS19〜S22,S18の各処理が行われ後述の第2最大出湯号数よりも小さい出湯号数にセーブ(制限)されるようになっている。
【0064】
上記ステップS12での運転状態の判別がケース2の場合には、上記と同様に給湯制御を優先させて給湯用の出湯号数の演算を行い(ステップS19)、次に、その演算された出湯号数が給湯及び暖房の両者の同時運転用として上記第1最大出湯号数よりも小値側に制限するように予め設定した第2最大出湯号数(循環用設定最大加熱量)よりも小さいか否かの判別を行う(ステップS20)。そして、演算値が上記第2最大出湯号数よりも小さければそのまま燃焼バーナ7の燃焼制御量として出力し(ステップS18)、演算値が上記第2最大出湯号数よりも大きければその演算値の代わりにその第2最大出湯号数を上記燃焼制御量として出力する(ステップS21,S18)。この際に、出湯号数の上限値を通常の第1最大出湯号数よりも小値側の第2最大出湯号数に制限する条件が成立したか否かを表すセーブフラグFsに対し「1(成立)」を設定する(ステップS22)。
【0065】
上記第2最大出湯号数としては、給湯用の第1熱交換器12に対する加熱要求を満たしつつも、その第1熱交換器12に対する加熱と同じ加熱を第2熱交換器32に対し継続的に負荷しても追い焚き循環回路3及び暖房回路5内に循環される湯水が所定の設定上限温度(例えば67〜70℃)を超えない範囲での昇温に止まる号数値が設定されている。すなわち、上記第2熱交換器32における吸熱量と、暖房放熱器52及びこの暖房放熱器52との間の循環路を構成する配管33,34,53,54等からの各放熱量との関係から、循環湯水の温度が上記設定上限温度よりも低温側範囲を維持し得るように定めればよい。図3にはその第2最大出湯号数の例示として「21号」が図示されている。
【0066】
つまり、ケース1及びケース3の場合には給湯用の第1最大出湯号数を上限値とする通常の燃焼制御が行われる一方、ケース2の場合にはその上限値を第1最大出湯号数からそれよりも小値側の第2最大出湯号数に変更するようになっている。
【0067】
そして、上記ステップS22でセーブフラグFsに「1」が設定された状態、つまり給湯及び暖房の組み合わせの同時運転状態から暖房運転のみが停止され給湯単独運転に切換わった直後の場合には、すなわちステップS11,S12,S19〜S22,S18の各処理が行われた後にリターンしてステップS11,S12,S13により給湯単独運転であると判別された場合には、ステップS14のセーブフラグFsの判別においてFs=1となっているため、ステップS19〜ステップS22及びS18により出湯号数の上限値が第2最大出湯号数に制限される。これは、給湯及び暖房の同時運転から給湯単独運転に切換えられた直後には、それまでの第2最大出湯号数に基づく上限値が制限された制御状態からの急激な変動を防止して、燃焼バーナ7側や給湯回路2側での各制御弁のハンチング等の発生を防止するようにしているためである。
【0068】
なお、上記セーブフラグFsは、図示を省略しているが、運転状態がケース3になった場合、及び、入水量センサ18により作動最低水量よりも少ない入水量が検出された場合(給湯運転制御の停止)にはそれぞれリセットされて「0(非成立)」が設定されるようになっている。
【0069】
以上のような給湯及び暖房の同時運転時の制御により、給湯運転に基づく燃焼制御を優先しつつも、暖房回路5による暖房運転を継続させてもその加熱循環路X内の循環湯水が過度の高温状態に至ることを防止することができるようになる。
【0070】
また、上記の給湯及び暖房の同時運転時には燃焼制御量の上限値が第1最大出湯号数から第2最大出湯号数に下げられるが、それに対応して給湯回路2の給湯量制御弁20の開度を絞ることにより、それまでの第1最大出湯号数を上限値とする燃焼制御の場合と同様に設定出湯温度の湯水を各カラン15等に給湯し得ることになる。
【0071】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1及び第2実施形態では、給湯回路2と追い焚き循環回路3とが1缶2回路式の燃焼缶体6により加熱され、その追い焚き循環回路3に対し暖房回路5が併設された例を示したが、これに限らず、追い焚き循環回路を省略して給湯回路2と暖房回路5とが1缶2回路式の燃焼缶体により加熱される場合に本発明を適用するようにしてもよい。
【0072】
例えば図4に示すように、燃焼缶体6内の第2熱交換器32と暖房放熱器52との間を暖房用戻り管54及び暖房用往き管53とで接続して循環加熱回路としての暖房回路5を構成する。そして、その暖房用戻り管54から暖房用往き管53にかけて第2熱交換器32をバイパスするバイパス管35を三方切換弁36を介して接続させ、コントローラ9″による三方切換弁36の切換制御により暖房回路5の循環経路を第1実施形態と同様に第2熱交換器32を経由する加熱循環路Xと、第2熱交換器32をバイパスするバイパス循環路Yとに相互に切換える。あるいは、給湯及び暖房の同時運転の場合には、上記コントローラ9″による燃焼バーナ7の燃焼制御により第2実施形態と同様に燃焼制御量の上限値を第1最大出湯号数から第2最大出湯号数に切換えるようにしてもよい。さらには、上記の三方切換弁36の切換制御による循環経路の切換えと、上記燃焼制御量の上限値の低減切換えとを併用するようにしてもよい。
【0073】
また、上記第2実施形態に対し、第1実施形態における三方切換弁36の切換制御による循環経路の切換えを付加させて燃焼制御量の上限値の小値側への変更切換えと循環経路の切換えとを組み合わせるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1もしくは第2実施形態における1缶2回路式給湯装置の全体模式図である。
【図2】第1実施形態の給湯及び暖房の同時運転時の切換制御を示すフローチャートである。
【図3】第2実施形態の燃焼制御(加熱制御)を示すフローチャートである。
【図4】他の実施形態における1缶2回路式給湯装置の全体模式図である。
【図5】従来の1缶2回路式給湯装置の例を示す全体模式図である。
【符号の説明】
2 給湯回路
5 暖房回路(循環加熱回路)
7 燃焼バーナ(加熱源)
9,9′,9″ コントローラ(切換制御手段、加熱制御手段)
12 第1熱交換器
32 第2熱交換器
35 バイパス管
36 三方切換弁(切換弁、第3切換手段)
40 温度センサ(温度検出手段)
41 第1三方切換弁(第1切換手段)
42 第2三方切換弁(第2切換手段)
52 暖房放熱器(循環供給先、暖房端末)
X 加熱循環路
Y バイパス循環路

Claims (4)

  1. 給湯回路の第1熱交換器と、循環加熱回路の第2熱交換器とが共通の加熱源により加熱されるよう構成された1缶2回路式給湯装置において、
    上記給湯回路による給湯運転と循環加熱回路による循環加熱運転とが同時に実行される場合に、上記加熱源による加熱量を予め設定した設定最大加熱量よりも小さい同時運転用範囲に制限するよう上記加熱源の加熱作動を制御する加熱制御手段を備え、
    上記設定最大加熱量として、上記第2熱交換器における吸熱量と、上記循環加熱回路により循環媒体が供給される循環供給先における放熱量との関係から、上記第2熱交換器に対する加熱が継続されても上記循環加熱回路内の循環媒体の温度を予め設定した設定上限温度よりも低温側範囲に維持し得る上限の加熱量が設定されている
    ことを特徴とする1缶2回路式給湯装置。
  2. 給湯回路の第1熱交換器と、循環加熱回路の第2熱交換器とが共通の加熱源により加熱されるよう構成された1缶2回路式給湯装置において、
    上記給湯回路による給湯運転が単独で実行される場合には予め設定した給湯用設定最大加熱量を上限値として上記加熱源の加熱作動を制御する一方、上記給湯運転に加え上記循環加熱回路による循環加熱運転が実行される場合には上記上限値を上記給湯用設定最大加熱量よりも小値側に設定した循環用設定最大加熱量に変更して上記加熱源の加熱作動を制御する加熱制御手段を備えている
    ことを特徴とする1缶2回路式給湯装置。
  3. 請求項1又は請求項記載の1缶2回路式給湯装置であって、
    循環加熱回路は循環供給先としての暖房端末に循環媒体としての温水を供給する温水循環式の暖房回路であり、
    加熱源は燃料の燃焼により加熱する燃焼バーナである、1缶2回路式給湯装置。
  4. 給湯回路の第1熱交換器と、循環加熱回路の第2熱交換器とが共通の加熱源により加熱されるよう構成された1缶2回路式給湯装置において、
    上記循環加熱回路は、浴槽内の湯水を上記第2熱交換器との間で循環させる戻り管及び往き管からなる追い焚き循環回路と、この追い焚き循環回路に対し上記戻り管及び往き管の途中から第1及び第2切換手段を介してそれぞれ分岐されて上記第2熱交換器と暖房端末との間で循環可能に接続された暖房回路とを備えてなり、
    上記第1及び第2切換手段よりも上記第2熱交換器寄り位置の上記戻り管と往き管とを互いに接続して上記第2熱交換器をバイパスするバイパス管を備え、
    上記第1及び第2切換手段が上記第2熱交換器と暖房端末との間で循環可能に切換えられた状態で、上記循環加熱回路内の循環経路を、上記第2熱交換器を経由して加熱状態の湯水を上記暖房端末との間で循環させる加熱循環路と、上記バイパス管を通すことにより上記第2熱交換器をバイパスして非加熱状態の湯水を上記暖房端末との間で循環させるバイパス循環路とに循環経路を相互に切換える第3切換手段を備え、
    上記第2熱交換器の下流側であってその第2熱交換器に対し最上流側位置のバイパス循環路に配設されて循環湯水の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段から出力される検出温度に基づき上記第3切換手段による循環経路の切換えを行うことにより上記循環供給先に流れる循環媒体の温度を調節する切換制御手段とを備えている
    ことを特徴とする1缶2回路式給湯装置。
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