JP6672983B2 - 貯湯給湯装置 - Google Patents

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本発明は、外部熱源機で加熱された湯水を貯湯タンクに貯留し、貯留した湯水を給湯可能な貯湯給湯装置に関し、特に貯留した湯水温度が給湯設定温度より低い場合に補助熱源機で加熱して出湯可能な貯湯給湯装置に関する。
従来から、ヒートポンプ給湯装置や燃料電池等の外部熱源機で加熱された湯水を貯湯タンクに貯留し、この貯留した湯水を給湯先に供給可能なエネルギー効率が高い貯湯給湯装置が広く使用されており、近年は給湯にかかる消費エネルギーのさらなる削減が期待されている。
このような貯湯給湯装置は、貯湯タンクに貯留された貯湯設定温度の湯水を全て出湯した場合や、貯留された湯水の降温等により給湯設定温度の湯水を貯湯タンクから出湯できない場合においても給湯するために、貯湯タンク内の湯水を補助熱源機で加熱して出湯する。このとき、給湯設定温度より所定温度高い出湯設定温度に加熱して出湯した湯水を、上水との混合により給湯設定温度に調節して給湯栓等に供給している。
補助熱源機の出湯設定温度と補助熱源機に入水する湯水温度の温度差が大きい場合には、補助熱源機を最大燃焼状態で作動させると共に、入水する湯水流量を制限して出湯設定温度に加熱できるように制御している。従って、貯湯タンク内の湯水は補助熱源機に入水する流量が制限されるので、貯湯タンクに貯留された湯水の熱を給湯の予熱として最大限利用しておらず、ガス消費量が多いという問題がある。
一方、貯湯タンクの湯水の熱を給湯の予熱として利用するものではないが、本願出願人が提案した、給湯設定温度が制御切換温度より高い場合と低い場合とで設定される缶体目標温度が異なる給湯装置が、特許文献1に開示されている。
特許第5200748号公報
しかし、特許文献1の給湯装置を貯湯給湯装置の補助熱源機に適用しても、貯湯タンクの湯水の熱を給湯の予熱として最大限利用できず、ガス消費量を抑えることができない。
本発明の目的は、貯湯タンクの湯水の熱を給湯の予熱として最大限利用してガス消費量を抑えることが可能な貯湯給湯装置を提供することである。
請求項1の発明は、貯湯タンクと、この貯湯タンクの上部に接続された給湯通路と、前記貯湯タンクの下部に接続された給水通路と、前記給湯通路に介装された補助熱源機とを備え、前記貯湯タンク内の湯水温度が給湯設定温度以下のときは前記補助熱源機で前記給湯通路の湯水を再加熱するように構成された貯湯給湯装置において、前記補助熱源機により再加熱されて出湯する際の出湯設定温度は、前記給湯設定温度が予め定められた基準温度以上である場合には前記給湯設定温度に基づいて設定され、前記給湯設定温が前記基準温度未満である場合には前記給水通路内の水温に基づいて設定可能に構成されたことを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1において前記給湯設定温度が前記基準温度未満である場合には、前記給水通路内の水温に基づいて設定される出湯設定温度と、前記給湯設定温度に基づいて設定される出湯設定温度との比較を行い、いずれか低温の出湯設定温度とすることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、給湯設定温度が基準温度以上の場合には出湯設定温度が給湯設定温度に基づいて設定され、給湯設定温度が基準温度未満の場合には出湯設定温度が給水通路内の水温に基づいて設定可能に構成されたので、給湯設定温度が基準温度未満の場合に出湯設定温度を低く設定することができる。これにより貯湯タンク内の湯水を最大限外部熱源機に供給可能にし、給湯の予熱として貯湯タンク内の湯水に蓄えられた熱を外部熱源機での加熱に最大限利用してガス消費量を減らすことができると共に、給湯設定温度に調節するために混合する上水が少量になり、貯湯タンク内の湯水を最大限給湯に利用することができる。
請求項2の発明によれば、給湯設定温度が基準温度未満の場合に給湯設定温度に基づく出湯設定温度と給水通路内の水温に基づく出湯設定温度を比較して、いずれか低い方を出湯設定温度とするように構成されたので、出湯設定温度を低く設定することができる。これにより貯湯タンク内の湯水を最大限外部熱源機に供給可能にし、給湯の予熱として貯湯タンク内の湯水に蓄えられた熱を外部熱源機での加熱に最大限利用してガス消費量を減らすことができると共に、給湯設定温度に調整するために混合する上水が少量になり、貯湯タンク内の湯水を最大限給湯に利用することができる。
本発明の貯湯給湯装置の概略構成図である。 貯湯タンクに貯留された湯水を給湯する給湯運転を示す図である。 補助熱源機で湯水を加熱して給湯する給湯運転を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
最初に本発明の貯湯給湯装置1の概略構成について説明する。
図1に示すように、貯湯給湯装置1は、貯湯給湯ユニット2と、外部熱源機3を有する。貯湯給湯ユニット2は、貯湯タンク5と、給湯通路6と、貯湯タンク5の上端部と給湯通路6を接続するタンク出湯通路7と、タンク出湯通路7から分岐し補助熱源機4を経由して給湯通路6に接続する補助加熱通路8と、貯湯タンク5と外部熱源機3を接続する加熱循環通路9と、貯湯給湯ユニット2に上水を供給する給水通路10と、各種制御を行う制御ユニット11等を備えている。
次に貯湯タンク5について説明する。
貯湯タンク5は、外部熱源機3により加熱された湯水を貯留する。貯湯タンク5の外周には、複数の温度センサ5a〜5dが下から順に所定の位置に設けられ、貯留された湯水の温度を検知する。貯湯タンク5に設けられる温度センサの位置や数は、貯湯給湯装置1の仕様等に応じて適宜変更可能である。また、図示を省略するが、貯留された湯水の降温を防ぐために、貯湯タンク5の周囲は断熱材で覆われている。
次に加熱循環通路9について説明する。
加熱循環通路9は、貯湯タンク5の下端部と外部熱源機3を接続し循環ポンプ13を備えた加熱循環通路部9aと、外部熱源機3と貯湯タンク5の上端部を接続し循環温度センサ14を備えた加熱循環通路部9bを有する。加熱循環通路部9a,9bの間には、加熱循環通路部9bから分岐し加熱循環通路部9aに設けられた循環切換弁15に接続するバイパス通路部9cが設けられている。循環切換弁15は、湯水の流路をバイパス通路側または貯湯タンク側に切換え可能である。
貯湯運転の際、加熱循環通路9において循環切換弁15を貯湯タンク側にして循環ポンプ13を作動させ、貯湯タンク5の下部の湯水を外部熱源機3により貯湯設定温度に加熱し、貯湯設定温度の湯水を貯湯タンク5の上部に貯留する。湯水を貯湯設定温度に加熱できない等特別な場合に限り、循環切換弁15をバイパス通路側に切換えることにより外部熱源機3で加熱された湯水を外部熱源機3に送って再加熱可能に構成されている。
次に給水通路10について説明する。
給水通路10は、上水源から供給される上水を貯湯給湯ユニット2に供給するものであり、上流端が上水源に接続され、下流端が貯湯タンク5の下端部に接続されている。給水通路10から給水バイパス通路18が分岐され混合弁16に接続されている。給水通路10には給水通路10内の水温(以下、給水温度とも呼ぶ。)を検知する給水温度センサ19と逆止弁20が設けられ、給水バイパス通路18には逆止弁21が設けられている。給水バイパス通路18から分岐され給湯通路6に接続された高温出湯回避通路22は、ユーザが予期しない高温出湯を回避可能に構成されている。
次に給湯通路6及びタンク出湯通路7について説明する。
給湯通路6は、給湯設定温度の湯水を浴槽29や図示しない給湯栓等に供給するものであり上流端が混合弁16に接続されている。タンク出湯通路7は、貯湯タンク5に貯留された湯水を給湯通路6に供給するものであり、貯湯タンク5の上端部と混合弁16を接続する。給湯通路6から分岐された分岐通路6aは開閉弁31を備え、浴槽29に湯水を供給可能である。尚、給湯設定温度は、ユーザが操作リモコン40の操作により所定の範囲内の温度に設定可能である。
混合弁16は、給水バイパス通路18から供給される低温の上水とタンク出湯通路7から供給される高温の湯水との混合比を調節し、給湯設定温度に調節された湯水を給湯通路6に供給する。給湯設定温度の湯水は、給湯通路6から給湯栓等に供給される。給湯通路6には、給湯温度センサ23が設けられ、給湯温度を検知する。
次に補助加熱通路8について説明する。
補助加熱通路8は、タンク出湯通路7から分岐して三方弁17に接続する上流補助加熱通路部8aと、三方弁17と補助熱源機4を接続しポンプ25を備えた補助加熱通路部8bと、補助熱源機4とタンク出湯通路7の上流補助加熱通路部8aの分岐部より下流側とを接続し、且つ水比例弁26と補助熱源機出湯温度センサ27を備えた補助加熱通路部8cを有する。
次に補助熱源機4について説明する。
補助熱源機4は、図示しない熱交換器やバーナ等を内蔵した公知のガス給湯器で構成され、給湯運転時に貯湯タンク5内に給湯設定温度以上の湯水がない場合等の特別な場合に限り、制御ユニット11からの指令により燃焼作動して湯水を出湯設定温度に加熱する。
補助熱源機4で加熱された湯水を出湯する補助熱源機出湯の際、ポンプ25と補助熱源機4を作動させると共に水比例弁26を開ける。すると、貯湯タンク5内の湯水が上流補助加熱通路部8a、三方弁17及び補助加熱通路部8bを通って補助熱源機4に入水し、補助熱源機4により出湯設定温度に加熱される。補助熱源機4から出湯された湯水は、補助加熱通路部8c及びタンク出湯通路7を通って混合弁16に入水し、混合弁16で給湯設定温度に調節され、給湯先に供給される。
次に熱交換器12及び追焚通路28について説明する。
熱交換器12は、下流補助加熱通路部8cから分岐した熱交換器往き通路部32aを流れる高温の湯水と追焚通路28を循環する浴槽29の低温の湯水との間で熱交換を行い、浴槽29の湯水を加熱する。追焚通路28は、熱交換器12で加熱された湯水を浴槽29に送るふろ往き通路部28aと、浴槽29の湯水を熱交換器12に送る浴槽ポンプ30を備えたふろ戻り通路部28bを有する。
熱交換器12の出口側の熱交換器戻り通路部32bの下流端は三方弁17に接続され、給水通路10から分岐された分岐通路部10aが熱交換器戻り通路部32bへ給水可能に接続されている。熱交換器戻り通路部32bには熱交換器電磁弁33が設けられている。
次に、外部熱源機3について説明する。
外部熱源機3は、補助制御ユニット34を介して制御ユニット11に制御され、圧縮機35、凝縮熱交換器36、膨張弁37、蒸発熱交換器38を冷媒配管39により接続してヒートポンプ回路を構成し、冷媒配管39に封入された冷媒と外気の熱を利用して湯水を加熱するヒートポンプ給湯装置である。外部熱源機3はヒートポンプ給湯装置に限らず、燃料電池の排熱を利用する給湯装置等であってもよい。
次に、制御ユニット11について説明する。
制御ユニット11は、貯湯温度センサ5a〜5d、循環温度センサ14、給水温度センサ19、給湯温度センサ23等により各部の湯水温度等を取得し、混合弁16や循環ポンプ13等を作動させ、外部熱源機3や補助熱源機4を作動させて、操作リモコン40で設定された給湯設定温度の給湯が可能なように貯湯運転、給湯運転等を制御する。
次に、貯湯運転について説明する。
制御ユニット11は外部熱源機3を作動させると共に、循環切換弁15を貯湯タンク側に切換え、循環ポンプ13を作動させ、貯湯タンク5の下部から給水温度の湯水を外部熱源機3に供給し、外部熱源機3で加熱された貯湯設定温度の湯水を貯湯タンク5の上部に貯留する。貯湯運転の継続により、貯湯タンク5の上部に貯留された貯湯設定温度の湯水の層が下方に拡大し、給水温度の湯水の層が縮小する。尚、貯湯設定温度の湯水の層と給水温度の湯水の層の間には、拡散や熱伝導により貯湯設定温度から給水温度まで変化する温度勾配を有する中温水の層が形成される。貯湯タンク5に設けられた複数の温度センサ5a〜5dが検知する温度により、制御ユニット11は貯湯タンク5内の貯湯設定温度の湯水の量を検知可能である。
次に、給湯運転について説明する。
図2に示すように、給湯運転が開始されると、給水通路10を通って低温の上水が貯湯タンク5の下端部から貯湯タンク5に流入し、この給水圧によって貯湯タンク5の上端部から貯湯設定温度の湯水がタンク出湯通路7を通って混合弁16に流入する。制御ユニット11は混合弁16を調節して給湯設定温度の湯水を給湯通路6から供給する。
給湯が継続されると、貯湯タンク5の下側の低温の湯水の層が上方へ拡大すると共に中温水の層が上方へ移動し、貯湯設定温度の湯水の層が縮小する。最も上方に位置する貯湯温度センサ5dが中温水の層の給湯設定温度未満の温度を検知した場合には、三方弁17を貯湯タンク側へ切換え、ポンプ25及び補助熱源機4を作動させ、水比例弁26を開いて補助熱源機出湯を開始する。
補助熱源機4の出湯設定温度は、給湯設定温度が予め定められた基準温度(例えば40℃)以上である場合には給湯設定温度より予め定められた第1温度(例えば25℃)高い温度に設定される。
給湯設定温度が基準温度(例えば40℃)未満の場合には、給湯設定温度より第1温度(例えば25℃)高い温度と、給水温度より予め設定された第2温度(例えば50℃)高い温度とを比較して低い方を出湯設定温度とする。
ユーザが給湯設定温度を基準温度より低い例えば38℃に設定したとき、給水温度が例えば10℃の場合には、給湯設定温度に基づいて算出される温度(例えば38℃+25℃=63℃)より、給水温度に基づいて算出される温度(例えば10℃+50℃=60℃)の方が低温になるので、給水温度に基づいて算出される温度を出湯設定温度とする。
同様に、ユーザが給湯設定温度を基準温度より低い例えば38℃に設定したとき、給水温度が例えば20℃の場合には、給湯設定温度に基づいて算出される温度(例えば38℃+25℃=63℃)より、給水温度に基づいて算出される温度(例えば20℃+50℃=70℃)の方が高温になるので、給湯設定温度に基づいて算出される温度を出湯設定温度とする。
ここで、第2温度は、補助熱源機4及びポンプ25の能力に応じて適宜設定され、貯湯タンク5内の中温水の熱を補助熱源機出湯の予熱として最大限利用できるように設定することができる。例えば、補助熱源機4が24号、ポンプ25が最大流量12L/分の能力を有する場合、ポンプ25を最大流量の12L/分で作動させたときに、補助熱源機4は湯水の温度を最大で50℃上昇させることができるので、第2温度が50℃以下の温度に設定される。尚、1分間に1Lの湯水を25℃上昇させることができる熱源機の能力が1号に相当する。
次に、本発明の貯湯給湯装置1の作用、効果について説明する。
貯湯給湯装置1は、補助熱源機出湯時に給湯設定温度と予め定められた基準温度の関係に基づいて補助熱源機4の出湯設定温度を設定可能であり、給湯設定温度が基準温度以上の場合には給湯設定温度に基づいて出湯設定温度を設定し、給湯設定温度が基準温度未満の場合には、給湯設定温度に基づく出湯設定温度と給水温度に基づく出湯設定温度を比較してより低温の出湯設定温度を採用する。
従って、給湯設定温度が基準温度未満の場合には、出湯設定温度を低温にすることにより貯湯タンク5内の湯水をポンプ25の最大流量で補助熱源機4に供給可能にし、貯湯運転により蓄えられた貯湯タンク5内の中温水の熱を給湯の予熱として最大限利用できるので、補助熱源機出湯時のガス使用量を減らすことができる。さらに、給湯設定温度に調整するために混合弁16で混合される上水が少量になり、補助熱源機4で加熱された貯湯タンク内の湯水を最大限給湯に利用することができる。
前記実施例を部分的に変更する例について説明する。
[1]貯湯タンク5内の中温水を出湯し終えたら、三方弁17を熱交換器戻り通路部側に切換えて、給水通路10から分岐通路部10aを経由して熱交換器戻り通路部32bを通る上水を補助熱源機4で加熱するようにしてもよい。
[2]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
1 貯湯給湯装置
2 貯湯給湯ユニット
3 外部熱源機
4 補助熱源機
5 貯湯タンク
5a〜5d 貯湯温度センサ
6 給湯通路
7 タンク出湯通路
8 補助加熱通路
10 給水通路
11 制御ユニット
16 混合弁
17 三方弁
18 給水バイパス通路
19 給水温度センサ
25 ポンプ
26 水比例弁

Claims (2)

  1. 貯湯タンクと、この貯湯タンクの上部に接続された給湯通路と、前記貯湯タンクの下部に接続された給水通路と、前記給湯通路に介装された補助熱源機とを備え、
    前記貯湯タンク内の湯水温度が給湯設定温度以下のときは前記補助熱源機で前記給湯通路の湯水を再加熱するように構成された貯湯給湯装置において、
    前記補助熱源機により再加熱されて出湯する際の出湯設定温度は、前記給湯設定温度が予め定められた基準温度以上である場合には前記給湯設定温度に基づいて設定され、前記給湯設定温が前記基準温度未満である場合には前記給水通路内の水温に基づいて設定可能に構成されたことを特徴とする貯湯給湯装置。
  2. 前記給湯設定温度が前記基準温度未満である場合には、前記給水通路内の水温に基づいて設定される出湯設定温度と、前記給湯設定温度に基づいて設定される出湯設定温度との比較を行い、いずれか低温の出湯設定温度とすることを特徴とする請求項1に記載の貯湯給湯装置。
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