JP3712154B2 - 液体封入式防振装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両に搭載されるサスペンション機構に防振連結部材として好適に用いられる液体封入式防振装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば車両に搭載されるサスペンション機構には、路面やタイヤからの振動を低減するためにストラットマウント等の液体封入式防振装置が用いられている。このような液体封入式防振装置として、図5及び図6に示すように、主軸金具101と、主軸金具101の外側に離間して同軸状に配設され、軸方向両端に位置する一対のリング部121、122と両リング部121、122間を架橋しリング部121、122とともに周方向に配列された2個の窓部125、126を形成する一対の架橋部123、124とからなる中間金具102と、中間金具102と主軸金具101とを一体的に連結し、一対のリング部121、122と対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部131、132と、両環状側壁部131、132に両端が連結されて軸方向に延設され、両環状側壁部131、132の間を二分割して環状側壁部131、132とともに窓部に開口する2個の凹部137、138を形成する一対の腕状隔壁部133、134とからなるゴム弾性体体103と、中間金具102の外側に同軸状に配設され、凹部137、138を液密的に覆蓋してゴム弾性体103との間に液体Lが封入された2個の液室141、142を形成する外筒金具104と、主軸金具101の外周に嵌着され各液室141、142に突出するストッパ部151、152を有するストッパ部材105とからなるものが知られている。
【0003】
このストラットマウントは次のようにして製造されている。先ず、ストッパ部材105を嵌着した主軸金具101及び所定形状に形成した中間金具102を準備する。次に、ゴム弾性体103を形成するゴム加硫成形型に、中間金具102が主軸金具101の外側に距離を隔てて同軸状に位置し架橋部123、124がストッパ部151、152と90゜位相がずれるようにして主軸金具101及び中間金具102を配置する。
【0004】
そして、ゴム加硫成形型内でゴム成形材料を加硫成形することにより、中間金具102と主軸金具101とを一体的に連結し、一対のリング部121、122と対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部131、132と、両環状側壁部131、132に両端が連結されて軸方向に延設され、両環状側壁部131、132の間を二分割して環状側壁部131、132とともに窓部125、126に開口する2個の凹部137、138を形成する一対の腕状隔壁部133、134とからなるゴム弾性体体103を形成する。
【0005】
そして、各液室141、142に封入すべき液体Lを満たした液槽内にそのゴム成形体及び外筒金具104を浸漬した状態で、中間金具102の外側に外筒金具104を挿着した後、外筒金具104に絞り加工を施して縮径させる。これにより、ゴム弾性体103の凹部137、138が外筒金具104により液密的に覆蓋されて2個の液室141、142が形成されると同時に、各液室141、142の内部に液体Lが封入される。また、ゴム弾性体103は、外筒金具104の縮径により圧縮された状態となり、耐久性の向上が図られる。
【0006】
このようにして製造されたストラットマウントは、例えば主軸金具101を車体側の支持部材に固定するとともに、外筒金具104を車輪側の取付部材に固定し、両腕状隔壁部133、134が車両の前後方向に位置し、両液室141、142が車両の左右方向に位置するように配設される。そして、主軸金具101と外筒金具104との間に振動が入力すると、ゴム弾性体103の弾性作用や、ゴム弾性体103の弾性変形に基づいて各液室141、142内を流動する液体Lの液柱共振作用により、その振動が効果的に減衰される。
【0007】
このような液体封入式のストラットマウントは、各液室141、142内を流動する液体Lの液柱共振作用を利用して、路面やタイヤから伝達される上下方向(軸方向)の振動(ロードノイズ)を効果的に低減するように構成されている。なお、主軸金具101と外筒金具104との3次元方向への相対移動を許容するゴム弾性体103は、両環状側壁部131、132及び両腕状隔壁部133、134のボリュームや形状等により、車両の前後方向及び左右方向のばね定数が適宜設定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ストラットマウントは、軸直角方向(車両の左右方向や前後方向)の振動が入力したときにも、ゴム弾性体103の弾性変形により液体Lの液柱共振作用が生起される。しかし、ストラットマウントの軸直角方向においては、結果的に液体Lの液柱共振作用が発生していてもそれをチューニングすることは困難であった。
【0009】
一方、上記ストラットマウントでは、車両の左右方向の剛性が高い方が操縦安定性において良好であることが知られているが、上記ロードノイズの低減を考慮すると、左右方向の剛性は低い方がよい。したがって、相反する特性が要求されることとなるものの、この相反する特性を両立させることは困難である。
本発明は上記実状に鑑み案出されたものであり、ゴム弾性体の変形に対する自由度が大きく、振動吸収特性を有利に設定することができる液体封入式防振装置の簡単な製造方法を提供することを解決すべき課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の液体封入式防振装置の製造方法は、軸対称位置で径方向外方に突出し周方向両側に貫通するオリフィス通路が形成された一対のストッパ部を有する主軸金具と、軸方向両端に位置する一対のリング部と両該リング部に両端が連結されて軸対称位置に設けられた一対の架橋部とからなる中間金具とを準備する第1工程と、ゴム加硫成形型内に、前記中間金具が前記主軸金具の外側に距離を隔てて同軸状に位置し前記架橋部が前記ストッパ部と90゜位相がずれるようにして前記主軸金具及び前記中間金具を配置する第2工程と、前記ゴム加硫成形型内でゴム成形材料を加硫成形することにより、各前記リング部と対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部と、各前記架橋部と対応して軸方向に延設され両前記環状側壁部の間を二分割する一対の腕状隔壁部と、各前記ストッパ部に連結され隣り合う前記腕状隔壁部及び前記環状側壁部とともに周方向に配列された4個の凹部を形成する一対の仕切壁部とからなり、前記主軸金具と前記中間金具とを一体的に連結するゴム弾性体を形成する第3工程と、両前記リング部に絞り加工を施して縮径させ、各前記仕切壁部の外側端部に前記リング部よりも径方向外方に突出するシール部を形成する第4工程と、前記中間金具の外側に円筒状の外筒金具を挿着して前記ゴム弾性体の前記凹部を液密的に覆蓋し、前記ゴム弾性体との間に液体が封入される4個の液室を形成する第5工程と、を有するという手段を採用している。
【0011】
本発明の製造方法により製造される液体封入式防振装置は、各仕切壁部を間に挟んで相対向する液室どうしがオリフィス通路によってそれぞれ連通されているため、主軸金具と外筒金具との間に腕状隔壁部を結ぶ方向に振動が入力すると、それら相対向する液室どうしの容積変化に伴い、オリフィス通路を流動する液体によりそれぞれ独立した二つの液柱共振作用が発揮される。このとき、仕切壁部とともにその両側の液室を仕切るように構成された主軸金具のストッパ部は、仕切壁部のように弾性変形することなく変位するため、その両側の液室の容積変化が大きくなってオリフィス通路を流動する液体の流動量が多くなることから液柱共振作用を促進させる。
【0012】
そして、ゴム弾性体の腕状隔壁部は、中間金具の架橋部と対応する部分に架橋部に加硫接着されて設けられているため、この腕状隔壁部の剛性を容易に高くすることができる。これにより、ゴム弾性体の腕状隔壁部を結ぶ方向のばね定数をより高く設定することが可能となり、その設定範囲が拡大する。
一方、ゴム弾性体の仕切壁部は、中間金具の架橋部と90゜位相がずれた位置に設けられ、しかも第4工程で形成されるシール部が外筒金具の内周面に圧接するように構成されているため、中間金具に拘束されずに自由な弾性変形が可能となる。これにより、ゴム弾性体の仕切壁部を結ぶ方向のばね定数をより低く設定することが可能となり、その設定範囲が拡大する。
【0013】
よって、本発明の製造方法によれば、ゴム弾性体の変形に対する自由度が大きく、振動吸収特性を有利に設定することが可能な液体封入式防振装置を簡単に製造することができる。
また、本発明の製造方法によれば、第3工程においてゴム弾性体を加硫成形により形成する際には、その後の第4工程で形成される仕切壁部のシール部が中間金具のリング部よりも径方向外方に突出しない状態に形成することができるため、ゴム成形材料が中間金具の外側に回り込みにくくして、ばりの発生を抑制することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態の製造方法により製造される液体封入式防振装置の軸直角方向の断面図であり、図2は図1のII−II線に相当する部分の断面図である。
本実施形態の製造方法は、自動車のサスペンション機構にストラットマウントとして好適に用いられる図1及び図2に示すような液体封入式防振装置を製造するものである。
【0015】
この液体封入式防振装置は、軸対称位置で径方向外方に突出し周方向両側に貫通する第1及び第2オリフィス通路15、16が形成された一対のストッパ部13、14を有する主軸金具1と、主軸金具1の外側に離間して同軸状に配設され、軸方向両端に位置する一対のリング部21、22と、両リング部21、22間を架橋し両ストッパ部13、14と90゜位相をずらせた軸対称位置に設けられた一対の架橋部23、24とからなる中間金具2と、主軸金具1と中間金具2とを一体的に連結し、中間金具2のリング部21、22と対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部31、32と、中間金具2の架橋部23、24と対応して軸方向に延設され両環状側壁部31、32の間を二分割する一対の腕状隔壁部33、34と、主軸金具1の各ストッパ部13、14に連結されて腕状隔壁部33、34と位相が略90゜ずれた軸対称位置に設けられた一対の仕切壁部35、36とからなり、その外周面に開口し周方向に配列された4個の凹部37a〜37dを有するゴム弾性体3と、中間金具2の外側に同軸状に配設され、凹部37a〜37dを液密的に覆蓋してゴム弾性体3との間に液体Lが封入された4個の第1〜第4液室41〜44を形成する外筒金具4とから構成されている。
【0016】
この液体封入式防振装置は、各仕切壁部35、36を間に挟んで相対向する第1及び第2液室41、42どうし並びに第3及び第4液室43、44どうしが第1及び第2オリフィス通路15、16によってそれぞれ連通されており、この第1及び第2オリフィス通路15、16は、その長さ距離と断面積とを適宜設定することにより、低減を目的とする振動(ロードノイズ)の周波数に合わせてそれぞれチューニングされている。
【0017】
また、中間金具2の各架橋部23、24は、求心方向に突出する断面コの字形状に形成されてゴム弾性体3の各腕状隔壁部33、34に埋設されており、これにより主軸金具1と外筒金具4との腕状隔壁部33、34を結ぶ方向及び軸方向の相対変位を規制するストッパ機能を有するように構成されている。なお、主軸金具1のストッパ部13、14は、主軸金具1と外筒金具4との仕切壁部35、36を結ぶ方向及び軸方向の相対変位を規制するように設けられている。
【0018】
この液体封入式防振装置は次のようにして製造される。先ず、第1工程では、所定形状に形成した主軸金具1及び中間金具2を準備する。即ち、ここでの主軸金具1は、パイプ状の基部11と、基部11の外周に嵌着され第1及び第2オリフィス通路15、16をそれぞれ形成した一対のストッパ部13、14を有するストッパ部材12とからなる。また、中間金具2は、軸方向両端に位置する一対のリング部21、22と、両リング部21、22間を架橋し軸対称位置に設けられた一対の架橋部23、24とからなる。
【0019】
次の第2工程では、ゴム弾性体3を形成するゴム加硫成形型内の所定位置に、第1工程で準備した主軸金具1及び中間金具2を配置する。このとき、中間金具2が主軸金具1の外側に距離を隔てて同軸状に位置し、架橋部23、24がストッパ部13、14と90゜位相がずれる状態に配置する。
次の第3工程では、そのゴム加硫成形型内に、所定のゴム材料や加硫剤等を配合したゴム成形材料を注入して加硫成形を行う。これにより、図3に示すように、一対のリング部21、22に対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部31、32と、一対の架橋部23、24と対応して軸方向に延設され両環状側壁部31、32の間を二分割する一対の腕状隔壁部33、34と、一対のストッパ部13、14と対応して軸対称位置に設けられ隣り合う腕状隔壁部33、34及び環状側壁部31、32とともに周方向に配列された4個の凹部37a〜37dを形成する一対の仕切壁部35、36とからなり、主軸金具1と中間金具2とを一体的に連結するゴム弾性体3が形成される。
【0020】
次の第4工程では、第3工程で得られたゴム成形体の中間金具2の両リング部21、22に絞り加工を施して、両リング部21、22を所定寸法の径に縮径させる。これにより、図4に示すように、両リング部21、22の縮径に伴って、ゴム弾性体3の両仕切壁部35、36の外側端部が両リング部21、22よりも外側に突出した状態となり、その突出した部分によりシール部35a、36aが形成される。
【0021】
次の第5工程では、各液室41〜44に封入すべき液体Lを満たした液槽内にそのゴム成形体及び外筒金具4を浸漬した状態で、中間金具2の外側に外筒金具4を挿着する。これにより、ゴム弾性体3の凹部37a〜37dが外筒金具4により液密的に覆蓋されて4個の第1〜第4液室41〜44が形成されると同時に、第1〜第4液室41〜44の内部には液体Lが封入される。このとき、ゴム弾性体3の両仕切壁部35、36の外側端部に形成されたシール部35a、36aが圧縮された状態で外筒金具4の内周面に圧接するため、各仕切壁部35、36の両側にある第1及び第2液室41、42どうし並びに第3及び第4液室43、44どうしが確実にシールされた状態で仕切られる。
【0022】
その後、組付け品を液槽内から取出し、必要に応じて後処理を施すことにより図1及び図2に示す液体封入式防振装置が完成する。
以上のようにして製造された液体封入式防振装置は、自動車に搭載されるサスペンション機構のストラットマウントとして好適に使用される。この場合、例えば主軸金具1を車体側の支持部材に固定するとともに、外筒金具4を車輪側の取付部材に固定することにより取付けられる。このとき、仕切壁部35、36が車両の前後方向に位置し、腕状隔壁部33、34が車両の左右方向に位置するように配設される。
【0023】
そして、主軸金具1と外筒金具4との間に、車両の左右方向(両腕状隔壁部33、34を結ぶ方向)に振動が入力すると、各仕切壁部35、36を間に挟んで相対向する液室どうしの容積変化に伴い、それら液室どうしを連通する第1及び第2オリフィス通路15、16を流動する液体Lによりそれぞれ独立した二つの液柱共振作用が発揮され、これによりロードノイズ等の振動が効果的に減衰される。
【0024】
また、このとき各仕切壁部35、36とともにその両側の液室41〜44を仕切るように構成された主軸金具1のストッパ部13、14は、仕切壁部35、36のように弾性変形することなく変位するため、その両側の液室41〜44の容積変化が大きくなって第1及び第2オリフィス通路15、16を流動する液体Lの流動量が多くなり、液柱共振作用が促進される。
【0025】
そして、ゴム弾性体3の腕状隔壁部33、34には、中間金具2の架橋部23、24が埋設されているため、この腕状隔壁部33、34の剛性を容易に高くすることができる。これにより、ゴム弾性体3の両腕状隔壁部33、34を結ぶ方向のばね定数をより高く設定することができるようになり、その設定範囲が拡大する。
【0026】
一方、ゴム弾性体3の仕切壁部35、36は、中間金具2の架橋部23、24と90゜位相がずれた位置に設けられ、架橋部23、24に相当するものが埋設されておらず、しかも第4工程で形成される各仕切壁部35、36のシール部35a、36aが外筒金具4の内周面に圧接するように構成されているため、中間金具2の厚み寸法の分を径方向に長く形成することができるとともに、中間金具2に拘束されずに自由な弾性変形が可能となる。これにより、ゴム弾性体3の仕切壁部35、36を結ぶ方向のばね定数をより低く設定することができるようになり、その設定範囲が拡大する。
【0027】
なお、ゴム弾性体3の各仕切壁部35、36は、シール部35a、36aが外筒金具4の内周面に圧接し、径方向に圧縮された状態になっているため、仕切壁部35、36を結ぶ方向に振動が入力したときにも、シール部35a、36aにより確実なシール性が確保される。
したがって、本実施形態の製造方法によれば、ゴム弾性体3の変形に対する自由度が大きく、振動吸収特性を有利に設定することができる液体封入式防振装置を、上記の第1〜第5工程を実施することにより簡単に製造することができる。
【0028】
また、本実施形態の製造方法によれば、第3工程においてゴム弾性体3を加硫成形により形成する際には、その後の第4工程で形成される仕切壁部35、36のシール部35a、36aが中間金具2のリング部21、22よりも径方向外方に突出しない状態に形成することができるため、ゴム成形材料が中間金具2の外側に回り込みにくくして、ばりの発生を抑制することができる。
【0029】
なお、上記実施形態の第5工程においては、ゴム成形体及び外筒金具4を液体Lに浸漬した状態で組付けることにより、第1〜第4液室41〜44への液体Lの封入を同時に行うようにしているが、他の方法を採用することもできる。例えば、ゴム成形体及び外筒金具4の組付けを大気中で行った後、注射器などにより液体Lを第1〜第4液室41〜44に注入するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における製造方法により製造される液体封入式防振装置の軸直角方向の断面図である。
【図2】図1のII−II線に相当する部分の断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る液体封入式防振装置の加硫成形により形成した成形体の軸方向の断面図である。
【図4】図3に示す成形体に絞り加工を施した状態を示す断面図である。
【図5】従来の液体封入式防振装置の軸直角方向の断面図である。
【図6】従来の液体封入式防振装置の軸方向の断面図である。
【符号の説明】
1、101…主軸金具 2、102…中間金具
3、103…ゴム弾性体 4、104…外筒金具
11…基部 12、105…ストッパ部材
13、14、151、152…ストッパ部
15…第1オリフィス通路 16…第2オリフィス通路
21、22、121、122…リング部
23、24、123、124…架橋部
31、32、131、132…環状側壁部
33、34、133、134…腕状隔壁部 35、36…仕切壁部
35a、36a…シール部 37a〜37d、137、138…凹部
41…第1液室 42…第2液室 43…第3液室
44…第4液室 141、142…液室
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両に搭載されるサスペンション機構に防振連結部材として好適に用いられる液体封入式防振装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば車両に搭載されるサスペンション機構には、路面やタイヤからの振動を低減するためにストラットマウント等の液体封入式防振装置が用いられている。このような液体封入式防振装置として、図5及び図6に示すように、主軸金具101と、主軸金具101の外側に離間して同軸状に配設され、軸方向両端に位置する一対のリング部121、122と両リング部121、122間を架橋しリング部121、122とともに周方向に配列された2個の窓部125、126を形成する一対の架橋部123、124とからなる中間金具102と、中間金具102と主軸金具101とを一体的に連結し、一対のリング部121、122と対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部131、132と、両環状側壁部131、132に両端が連結されて軸方向に延設され、両環状側壁部131、132の間を二分割して環状側壁部131、132とともに窓部に開口する2個の凹部137、138を形成する一対の腕状隔壁部133、134とからなるゴム弾性体体103と、中間金具102の外側に同軸状に配設され、凹部137、138を液密的に覆蓋してゴム弾性体103との間に液体Lが封入された2個の液室141、142を形成する外筒金具104と、主軸金具101の外周に嵌着され各液室141、142に突出するストッパ部151、152を有するストッパ部材105とからなるものが知られている。
【0003】
このストラットマウントは次のようにして製造されている。先ず、ストッパ部材105を嵌着した主軸金具101及び所定形状に形成した中間金具102を準備する。次に、ゴム弾性体103を形成するゴム加硫成形型に、中間金具102が主軸金具101の外側に距離を隔てて同軸状に位置し架橋部123、124がストッパ部151、152と90゜位相がずれるようにして主軸金具101及び中間金具102を配置する。
【0004】
そして、ゴム加硫成形型内でゴム成形材料を加硫成形することにより、中間金具102と主軸金具101とを一体的に連結し、一対のリング部121、122と対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部131、132と、両環状側壁部131、132に両端が連結されて軸方向に延設され、両環状側壁部131、132の間を二分割して環状側壁部131、132とともに窓部125、126に開口する2個の凹部137、138を形成する一対の腕状隔壁部133、134とからなるゴム弾性体体103を形成する。
【0005】
そして、各液室141、142に封入すべき液体Lを満たした液槽内にそのゴム成形体及び外筒金具104を浸漬した状態で、中間金具102の外側に外筒金具104を挿着した後、外筒金具104に絞り加工を施して縮径させる。これにより、ゴム弾性体103の凹部137、138が外筒金具104により液密的に覆蓋されて2個の液室141、142が形成されると同時に、各液室141、142の内部に液体Lが封入される。また、ゴム弾性体103は、外筒金具104の縮径により圧縮された状態となり、耐久性の向上が図られる。
【0006】
このようにして製造されたストラットマウントは、例えば主軸金具101を車体側の支持部材に固定するとともに、外筒金具104を車輪側の取付部材に固定し、両腕状隔壁部133、134が車両の前後方向に位置し、両液室141、142が車両の左右方向に位置するように配設される。そして、主軸金具101と外筒金具104との間に振動が入力すると、ゴム弾性体103の弾性作用や、ゴム弾性体103の弾性変形に基づいて各液室141、142内を流動する液体Lの液柱共振作用により、その振動が効果的に減衰される。
【0007】
このような液体封入式のストラットマウントは、各液室141、142内を流動する液体Lの液柱共振作用を利用して、路面やタイヤから伝達される上下方向(軸方向)の振動(ロードノイズ)を効果的に低減するように構成されている。なお、主軸金具101と外筒金具104との3次元方向への相対移動を許容するゴム弾性体103は、両環状側壁部131、132及び両腕状隔壁部133、134のボリュームや形状等により、車両の前後方向及び左右方向のばね定数が適宜設定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ストラットマウントは、軸直角方向(車両の左右方向や前後方向)の振動が入力したときにも、ゴム弾性体103の弾性変形により液体Lの液柱共振作用が生起される。しかし、ストラットマウントの軸直角方向においては、結果的に液体Lの液柱共振作用が発生していてもそれをチューニングすることは困難であった。
【0009】
一方、上記ストラットマウントでは、車両の左右方向の剛性が高い方が操縦安定性において良好であることが知られているが、上記ロードノイズの低減を考慮すると、左右方向の剛性は低い方がよい。したがって、相反する特性が要求されることとなるものの、この相反する特性を両立させることは困難である。
本発明は上記実状に鑑み案出されたものであり、ゴム弾性体の変形に対する自由度が大きく、振動吸収特性を有利に設定することができる液体封入式防振装置の簡単な製造方法を提供することを解決すべき課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の液体封入式防振装置の製造方法は、軸対称位置で径方向外方に突出し周方向両側に貫通するオリフィス通路が形成された一対のストッパ部を有する主軸金具と、軸方向両端に位置する一対のリング部と両該リング部に両端が連結されて軸対称位置に設けられた一対の架橋部とからなる中間金具とを準備する第1工程と、ゴム加硫成形型内に、前記中間金具が前記主軸金具の外側に距離を隔てて同軸状に位置し前記架橋部が前記ストッパ部と90゜位相がずれるようにして前記主軸金具及び前記中間金具を配置する第2工程と、前記ゴム加硫成形型内でゴム成形材料を加硫成形することにより、各前記リング部と対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部と、各前記架橋部と対応して軸方向に延設され両前記環状側壁部の間を二分割する一対の腕状隔壁部と、各前記ストッパ部に連結され隣り合う前記腕状隔壁部及び前記環状側壁部とともに周方向に配列された4個の凹部を形成する一対の仕切壁部とからなり、前記主軸金具と前記中間金具とを一体的に連結するゴム弾性体を形成する第3工程と、両前記リング部に絞り加工を施して縮径させ、各前記仕切壁部の外側端部に前記リング部よりも径方向外方に突出するシール部を形成する第4工程と、前記中間金具の外側に円筒状の外筒金具を挿着して前記ゴム弾性体の前記凹部を液密的に覆蓋し、前記ゴム弾性体との間に液体が封入される4個の液室を形成する第5工程と、を有するという手段を採用している。
【0011】
本発明の製造方法により製造される液体封入式防振装置は、各仕切壁部を間に挟んで相対向する液室どうしがオリフィス通路によってそれぞれ連通されているため、主軸金具と外筒金具との間に腕状隔壁部を結ぶ方向に振動が入力すると、それら相対向する液室どうしの容積変化に伴い、オリフィス通路を流動する液体によりそれぞれ独立した二つの液柱共振作用が発揮される。このとき、仕切壁部とともにその両側の液室を仕切るように構成された主軸金具のストッパ部は、仕切壁部のように弾性変形することなく変位するため、その両側の液室の容積変化が大きくなってオリフィス通路を流動する液体の流動量が多くなることから液柱共振作用を促進させる。
【0012】
そして、ゴム弾性体の腕状隔壁部は、中間金具の架橋部と対応する部分に架橋部に加硫接着されて設けられているため、この腕状隔壁部の剛性を容易に高くすることができる。これにより、ゴム弾性体の腕状隔壁部を結ぶ方向のばね定数をより高く設定することが可能となり、その設定範囲が拡大する。
一方、ゴム弾性体の仕切壁部は、中間金具の架橋部と90゜位相がずれた位置に設けられ、しかも第4工程で形成されるシール部が外筒金具の内周面に圧接するように構成されているため、中間金具に拘束されずに自由な弾性変形が可能となる。これにより、ゴム弾性体の仕切壁部を結ぶ方向のばね定数をより低く設定することが可能となり、その設定範囲が拡大する。
【0013】
よって、本発明の製造方法によれば、ゴム弾性体の変形に対する自由度が大きく、振動吸収特性を有利に設定することが可能な液体封入式防振装置を簡単に製造することができる。
また、本発明の製造方法によれば、第3工程においてゴム弾性体を加硫成形により形成する際には、その後の第4工程で形成される仕切壁部のシール部が中間金具のリング部よりも径方向外方に突出しない状態に形成することができるため、ゴム成形材料が中間金具の外側に回り込みにくくして、ばりの発生を抑制することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態の製造方法により製造される液体封入式防振装置の軸直角方向の断面図であり、図2は図1のII−II線に相当する部分の断面図である。
本実施形態の製造方法は、自動車のサスペンション機構にストラットマウントとして好適に用いられる図1及び図2に示すような液体封入式防振装置を製造するものである。
【0015】
この液体封入式防振装置は、軸対称位置で径方向外方に突出し周方向両側に貫通する第1及び第2オリフィス通路15、16が形成された一対のストッパ部13、14を有する主軸金具1と、主軸金具1の外側に離間して同軸状に配設され、軸方向両端に位置する一対のリング部21、22と、両リング部21、22間を架橋し両ストッパ部13、14と90゜位相をずらせた軸対称位置に設けられた一対の架橋部23、24とからなる中間金具2と、主軸金具1と中間金具2とを一体的に連結し、中間金具2のリング部21、22と対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部31、32と、中間金具2の架橋部23、24と対応して軸方向に延設され両環状側壁部31、32の間を二分割する一対の腕状隔壁部33、34と、主軸金具1の各ストッパ部13、14に連結されて腕状隔壁部33、34と位相が略90゜ずれた軸対称位置に設けられた一対の仕切壁部35、36とからなり、その外周面に開口し周方向に配列された4個の凹部37a〜37dを有するゴム弾性体3と、中間金具2の外側に同軸状に配設され、凹部37a〜37dを液密的に覆蓋してゴム弾性体3との間に液体Lが封入された4個の第1〜第4液室41〜44を形成する外筒金具4とから構成されている。
【0016】
この液体封入式防振装置は、各仕切壁部35、36を間に挟んで相対向する第1及び第2液室41、42どうし並びに第3及び第4液室43、44どうしが第1及び第2オリフィス通路15、16によってそれぞれ連通されており、この第1及び第2オリフィス通路15、16は、その長さ距離と断面積とを適宜設定することにより、低減を目的とする振動(ロードノイズ)の周波数に合わせてそれぞれチューニングされている。
【0017】
また、中間金具2の各架橋部23、24は、求心方向に突出する断面コの字形状に形成されてゴム弾性体3の各腕状隔壁部33、34に埋設されており、これにより主軸金具1と外筒金具4との腕状隔壁部33、34を結ぶ方向及び軸方向の相対変位を規制するストッパ機能を有するように構成されている。なお、主軸金具1のストッパ部13、14は、主軸金具1と外筒金具4との仕切壁部35、36を結ぶ方向及び軸方向の相対変位を規制するように設けられている。
【0018】
この液体封入式防振装置は次のようにして製造される。先ず、第1工程では、所定形状に形成した主軸金具1及び中間金具2を準備する。即ち、ここでの主軸金具1は、パイプ状の基部11と、基部11の外周に嵌着され第1及び第2オリフィス通路15、16をそれぞれ形成した一対のストッパ部13、14を有するストッパ部材12とからなる。また、中間金具2は、軸方向両端に位置する一対のリング部21、22と、両リング部21、22間を架橋し軸対称位置に設けられた一対の架橋部23、24とからなる。
【0019】
次の第2工程では、ゴム弾性体3を形成するゴム加硫成形型内の所定位置に、第1工程で準備した主軸金具1及び中間金具2を配置する。このとき、中間金具2が主軸金具1の外側に距離を隔てて同軸状に位置し、架橋部23、24がストッパ部13、14と90゜位相がずれる状態に配置する。
次の第3工程では、そのゴム加硫成形型内に、所定のゴム材料や加硫剤等を配合したゴム成形材料を注入して加硫成形を行う。これにより、図3に示すように、一対のリング部21、22に対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部31、32と、一対の架橋部23、24と対応して軸方向に延設され両環状側壁部31、32の間を二分割する一対の腕状隔壁部33、34と、一対のストッパ部13、14と対応して軸対称位置に設けられ隣り合う腕状隔壁部33、34及び環状側壁部31、32とともに周方向に配列された4個の凹部37a〜37dを形成する一対の仕切壁部35、36とからなり、主軸金具1と中間金具2とを一体的に連結するゴム弾性体3が形成される。
【0020】
次の第4工程では、第3工程で得られたゴム成形体の中間金具2の両リング部21、22に絞り加工を施して、両リング部21、22を所定寸法の径に縮径させる。これにより、図4に示すように、両リング部21、22の縮径に伴って、ゴム弾性体3の両仕切壁部35、36の外側端部が両リング部21、22よりも外側に突出した状態となり、その突出した部分によりシール部35a、36aが形成される。
【0021】
次の第5工程では、各液室41〜44に封入すべき液体Lを満たした液槽内にそのゴム成形体及び外筒金具4を浸漬した状態で、中間金具2の外側に外筒金具4を挿着する。これにより、ゴム弾性体3の凹部37a〜37dが外筒金具4により液密的に覆蓋されて4個の第1〜第4液室41〜44が形成されると同時に、第1〜第4液室41〜44の内部には液体Lが封入される。このとき、ゴム弾性体3の両仕切壁部35、36の外側端部に形成されたシール部35a、36aが圧縮された状態で外筒金具4の内周面に圧接するため、各仕切壁部35、36の両側にある第1及び第2液室41、42どうし並びに第3及び第4液室43、44どうしが確実にシールされた状態で仕切られる。
【0022】
その後、組付け品を液槽内から取出し、必要に応じて後処理を施すことにより図1及び図2に示す液体封入式防振装置が完成する。
以上のようにして製造された液体封入式防振装置は、自動車に搭載されるサスペンション機構のストラットマウントとして好適に使用される。この場合、例えば主軸金具1を車体側の支持部材に固定するとともに、外筒金具4を車輪側の取付部材に固定することにより取付けられる。このとき、仕切壁部35、36が車両の前後方向に位置し、腕状隔壁部33、34が車両の左右方向に位置するように配設される。
【0023】
そして、主軸金具1と外筒金具4との間に、車両の左右方向(両腕状隔壁部33、34を結ぶ方向)に振動が入力すると、各仕切壁部35、36を間に挟んで相対向する液室どうしの容積変化に伴い、それら液室どうしを連通する第1及び第2オリフィス通路15、16を流動する液体Lによりそれぞれ独立した二つの液柱共振作用が発揮され、これによりロードノイズ等の振動が効果的に減衰される。
【0024】
また、このとき各仕切壁部35、36とともにその両側の液室41〜44を仕切るように構成された主軸金具1のストッパ部13、14は、仕切壁部35、36のように弾性変形することなく変位するため、その両側の液室41〜44の容積変化が大きくなって第1及び第2オリフィス通路15、16を流動する液体Lの流動量が多くなり、液柱共振作用が促進される。
【0025】
そして、ゴム弾性体3の腕状隔壁部33、34には、中間金具2の架橋部23、24が埋設されているため、この腕状隔壁部33、34の剛性を容易に高くすることができる。これにより、ゴム弾性体3の両腕状隔壁部33、34を結ぶ方向のばね定数をより高く設定することができるようになり、その設定範囲が拡大する。
【0026】
一方、ゴム弾性体3の仕切壁部35、36は、中間金具2の架橋部23、24と90゜位相がずれた位置に設けられ、架橋部23、24に相当するものが埋設されておらず、しかも第4工程で形成される各仕切壁部35、36のシール部35a、36aが外筒金具4の内周面に圧接するように構成されているため、中間金具2の厚み寸法の分を径方向に長く形成することができるとともに、中間金具2に拘束されずに自由な弾性変形が可能となる。これにより、ゴム弾性体3の仕切壁部35、36を結ぶ方向のばね定数をより低く設定することができるようになり、その設定範囲が拡大する。
【0027】
なお、ゴム弾性体3の各仕切壁部35、36は、シール部35a、36aが外筒金具4の内周面に圧接し、径方向に圧縮された状態になっているため、仕切壁部35、36を結ぶ方向に振動が入力したときにも、シール部35a、36aにより確実なシール性が確保される。
したがって、本実施形態の製造方法によれば、ゴム弾性体3の変形に対する自由度が大きく、振動吸収特性を有利に設定することができる液体封入式防振装置を、上記の第1〜第5工程を実施することにより簡単に製造することができる。
【0028】
また、本実施形態の製造方法によれば、第3工程においてゴム弾性体3を加硫成形により形成する際には、その後の第4工程で形成される仕切壁部35、36のシール部35a、36aが中間金具2のリング部21、22よりも径方向外方に突出しない状態に形成することができるため、ゴム成形材料が中間金具2の外側に回り込みにくくして、ばりの発生を抑制することができる。
【0029】
なお、上記実施形態の第5工程においては、ゴム成形体及び外筒金具4を液体Lに浸漬した状態で組付けることにより、第1〜第4液室41〜44への液体Lの封入を同時に行うようにしているが、他の方法を採用することもできる。例えば、ゴム成形体及び外筒金具4の組付けを大気中で行った後、注射器などにより液体Lを第1〜第4液室41〜44に注入するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における製造方法により製造される液体封入式防振装置の軸直角方向の断面図である。
【図2】図1のII−II線に相当する部分の断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る液体封入式防振装置の加硫成形により形成した成形体の軸方向の断面図である。
【図4】図3に示す成形体に絞り加工を施した状態を示す断面図である。
【図5】従来の液体封入式防振装置の軸直角方向の断面図である。
【図6】従来の液体封入式防振装置の軸方向の断面図である。
【符号の説明】
1、101…主軸金具 2、102…中間金具
3、103…ゴム弾性体 4、104…外筒金具
11…基部 12、105…ストッパ部材
13、14、151、152…ストッパ部
15…第1オリフィス通路 16…第2オリフィス通路
21、22、121、122…リング部
23、24、123、124…架橋部
31、32、131、132…環状側壁部
33、34、133、134…腕状隔壁部 35、36…仕切壁部
35a、36a…シール部 37a〜37d、137、138…凹部
41…第1液室 42…第2液室 43…第3液室
44…第4液室 141、142…液室
Claims (1)
- 軸対称位置で径方向外方に突出し周方向両側に貫通するオリフィス通路が形成された一対のストッパ部を有する主軸金具と、軸方向両端に位置する一対のリング部と両該リング部に両端が連結されて軸対称位置に設けられた一対の架橋部とからなる中間金具とを準備する第1工程と、
ゴム加硫成形型内に、前記中間金具が前記主軸金具の外側に距離を隔てて同軸状に位置し前記架橋部が前記ストッパ部と90゜位相がずれるようにして前記主軸金具及び前記中間金具を配置する第2工程と、
前記ゴム加硫成形型内でゴム成形材料を加硫成形することにより、各前記リング部と対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部と、各前記架橋部と対応して軸方向に延設され両前記環状側壁部の間を二分割する一対の腕状隔壁部と、各前記ストッパ部に連結され隣り合う前記腕状隔壁部及び前記環状側壁部とともに周方向に配列された4個の凹部を形成する一対の仕切壁部とからなり、前記主軸金具と前記中間金具とを一体的に連結するゴム弾性体を形成する第3工程と、両前記リング部に絞り加工を施して縮径させ、各前記仕切壁部の外側端部に前記リング部よりも径方向外方に突出するシール部を形成する第4工程と、
前記中間金具の外側に円筒状の外筒金具を挿着して前記ゴム弾性体の前記凹部を液密的に覆蓋し、前記ゴム弾性体との間に液体が封入される4個の液室を形成する第5工程と、
を有することを特徴とする液体封入式防振装置の製造方法。
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