JP3620226B2 - 液体封入式防振装置 - Google Patents
液体封入式防振装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3620226B2 JP3620226B2 JP19254497A JP19254497A JP3620226B2 JP 3620226 B2 JP3620226 B2 JP 3620226B2 JP 19254497 A JP19254497 A JP 19254497A JP 19254497 A JP19254497 A JP 19254497A JP 3620226 B2 JP3620226 B2 JP 3620226B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid
- portions
- fitting
- pair
- stopper
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
- Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両に搭載されるサスペンションに防振連結部材として好適に用いられるストラットマウント等の液体封入式防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両に搭載されるサスペンションには路面やタイヤからの振動を低減するためにストラットマウントが用いられている。このストラットマウントとして、図10及び図11に示すように、主軸金具301と、主軸金具301の外側に離間して同軸状に配設され、軸方向両端に位置する一対のリング部321、322と両リング部321、322間を架橋しリング部321、322とともに周方向に配列された2個の窓部327a、327bを形成する一対の架橋部323、324とからなる中間金具302と、中間金具302と主軸金具301とを一体的に連結し、一対のリング部321、322と対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部331、332と、両環状側壁部331、332に両端が連結されて軸方向の延設され、両環状側壁部331、332の間を二分割して環状側壁部331、332とともに窓部327a、327bに開口する2個の凹部337a、337bを形成する一対の腕状隔壁部333、334とからなるゴム弾性体303と、中間金具302の外側に同軸状に配設され、凹部337a、337bを液密的に覆蓋してゴム弾性体303との間に液体Lが封入された2個の液室341、342を形成する外筒金具304と、主軸金具301に嵌着され両液室341、342内にそれぞれ突出する一対のストッパ部313、314を有するストッパ部材310とからなるものが知られている。
【0003】
このストラットマウントは、例えば主軸金具301を車体側の支持部材に固定するとともに、外筒金具304を車輪側の取付部材に固定し、両腕状隔壁部333、334が車両の前後方向に位置し、両液室341、342が車両の左右方向に位置するように配設される。そして、主軸金具301と外筒金具304との間に振動が入力すると、ゴム弾性体303の弾性作用や、ゴム弾性体303の弾性変形に基づいて液室341、342内を流動する液体Lの液柱共振作用により、その振動が効果的に減衰される。
【0004】
このような液体封入式のストラットマウントは、液室341、342内を流動する液体Lの液柱共振作用を利用して、路面やタイヤから伝達される上下方向(軸方向)の振動(ロードノイズ)を効果的に低減するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ストラットマウントは、軸直角方向(車両の左右方向や前後方向)の振動が入力したときにも、ゴム弾性体303の弾性変形により液体Lの液柱共振作用が生起される。しかし、ストラットマウントの軸直角方向においては、結果的に液体Lの液柱共振作用が発生していてもそれをチューニングすることは困難であった。
【0006】
一方、上記ストラットマウントでは、車両の左右方向の剛性が高い方が操縦安定性において良好であることが知られているが、上記ロードノイズの低減を考慮すると、左右方向の剛性は低い方がよい。したがって、相反する特性が要求されることとなるものの、この相反する特性を両立させることは困難である。
本発明は上記実状に鑑み案出されたものであり、上記のような相反する振動吸収特性の両立を図り得る液体封入式防振装置を提供することを解決すべき課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、主軸金具と、該主軸金具の外側に離間して同軸状に配設され、軸方向両端に位置する一対のリング部と両該リング部に両端が連結されて軸対称位置に設けられた少なくとも一対の架橋部とからなる中間金具と、該中間金具と前記主軸金具とを一体的に連結し、一対の前記リング部と対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部と前記架橋部と対応して軸方向に延設され両前記環状側壁部の間を二分割する一対の腕状隔壁部と該腕状隔壁部と直交する方向の軸対称位置に設けられ隣り合う前記腕状隔壁部及び前記環状側壁部とともに周方向に配列された4個の凹部を形成する一対の仕切壁部とからなり、両前記腕状隔壁部を結ぶ方向のばね定数が両前記仕切壁部を結ぶ方向のばね定数よりも大きくなるように設定されたゴム弾性体と、前記中間金具の外側に同軸状に配設され、前記ゴム弾性体の前記凹部を液密的に覆蓋して前記ゴム弾性体との間に液体が封入された4個の液室を形成する外筒金具と、を備え、各前記仕切壁部を間に挟んで相対向する前記液室どうしがそれぞれオリフィス通路によって連通されているという手段を採用している。
【0008】
この手段によれば、ゴム弾性体の腕状隔壁部の剛性を変化させることにより、両腕状隔壁部を結ぶ方向のばね定数を適宜高さに容易に設定することができる。これにより、両腕状隔壁部が車両の左右方向に位置するように配設することにより、良好な操縦安定性の確保が可能となる。また、両腕状隔壁部を結ぶ方向に振動が入力すると、仕切壁部を間に挟んで相対向する液室どうしの容積変化に伴い、その液室どうしを連通するオリフィス通路を流動する液体によりそれぞれ独立した二つの液柱共振作用が得られるため、ロードノイズ等の振動を効果的に低減することが可能となる。したがって、本発明によれば、相反する振動吸収特性の両立を図ることができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、一方の前記オリフィス通路のチューニング周波数は、他方の前記オリフィス通路のチューニング周波数によって生じる反共振の周波数に合わせてチューニングされているという手段を採用している。
この手段によれば、一方のオリフィス通路の液柱共振作用によって生じる反共振のレベルを低減することができる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記主軸金具は、遠心方向に突設されて前記仕切壁部とともにその両側の前記液室を仕切り前記外筒金具との相対変位を規制するストッパ部を有するという手段を採用している。
この手段によれば、主軸金具と外筒金具との間に両腕状隔壁部を結ぶ方向の振動が入力したときに、剛体製のストッパ部は仕切壁部のように弾性変形することなく変位するため、その両側の液室の容積変化を大きくすることができる。これにより、オリフィス通路を流動する液体の流動量を多くし、液柱共振作用を促進することができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記オリフィス通路は、前記ストッパ部に貫通して設けられているという手段を採用している。
この手段によれば、ストッパ部に貫通穴を形成するという簡単な加工によりオリフィス通路を容易に設けることができ、かつその寸法設定(チューニング)も容易に行うことができる。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記オリフィス通路は、前記ゴム弾性体の前記仕切壁部に設けられているという手段を採用している。
この手段によれば、ゴム弾性体を加硫成形等により形成する際に、オリフィス通路を容易に形成することができ、かつその寸法設定(チューニング)も容易に行うことができる。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1、請求項2又は請求項5記載の発明において、前記中間金具の前記架橋部は、求心方向に突出して形成され、前記主軸金具と前記外筒金具との相対変位を規制するストッパ機能を有するように構成されているという手段を採用している。
この手段によれば、中間金具の架橋部を利用してストッパ部を形成することにより、主軸金具の構造を簡略化することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
〔実施形態1〕
図1は本実施形態に係る液体封入式防振装置の軸直角方向の断面図であり、図2は図1のII−II線に相当する部分の断面図であり、図3は図1の III−III 線に相当する部分の断面図である。
【0015】
本実施形態の液体封入式防振装置は、図1〜図3に示すように、第1及び第2ストッパ部13〜16を有する主軸金具1と、主軸金具1の外側に離間して同軸状に配設された中間金具2と、主軸金具1と中間金具2とを一体的に連結しその外周面に開口し周方向に配列された4個の凹部37a〜37dを有するゴム弾性体3と、中間金具2の外側に同軸状に配設され凹部37a〜37dを液密的に覆蓋してゴム弾性体3との間に液体Lが封入された4個の第1〜第4液室41〜44を形成する外筒金具4と、第1液室41と第2液室42とを連通する第1オリフィス通路5と、第3液室43と第4液室44とを連通する第2オリフィス通路6とを主要素として構成されている。
【0016】
主軸金具1は、金属により略パイプ状に形成されており、その中央には軸方向に貫通する内孔11を有する。そして、この主軸金具1には、軸対称位置で径方向外方に突出する一対の第1ストッパ部13、14と、第1ストッパ部13、14と位相が略90゜ずれた軸対称位置で径方向外方に突出する一対の第2ストッパ部15、16とが一体に形成されている。これら第1及び第2ストッパ部13〜16は、それらの突出方向(径方向)及び軸方向において主軸金具1と外筒金具4との相対変位を規制するように設けられている。なお、第1ストッパ13、14の厚さ幅は、第2ストッパ部15、16の厚さ幅よりも大きくなるように設定されている。また、各第2ストッパ部15、16には、後に詳述する第1オリフィス通路5及び第2オリフィス通路6がそれぞれ設けられている。
【0017】
中間金具2は、金属により略円筒状に形成され、主軸金具1の外側に離間して同軸状に配設されている。この中間金具2は、軸方向両端に位置する一対のリング部21、22と、両リング部21、22に両端が連結され第1ストッパ部13、14と対応して軸対称位置に設けられた一対の第1架橋部23、24と、両リング部21、22に両端が連結され第2ストッパ部15、16と対応して第1架橋部23、24と位相が略90゜ずれた軸対称位置に設けられた一対の第2架橋部25、26とからなる。これにより、両リング部21、22の間には、各第1架橋部23、24とこれに隣り合う各第2架橋部25、26とによって形成される4個の窓部27a〜27dが周方向に配列されている。なお、第1架橋部23、24の幅は第1ストッパ部13、14の厚さ幅と略同じに形成され、第2架橋部25、26の幅は第2ストッパ部15、16の厚さ幅と略同じに形成されている。
【0018】
ゴム弾性体3は、ゴム材により略円筒状に形成され、主軸金具1の外周面と中間金具2の内周面とに加硫接着されて両者を一体的に連結している。このゴム弾性体3は、中間金具2のリング部21、22と対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部31、32と、第1ストッパ部13、14及び第1架橋部23、24を連結して軸方向に延設され両環状側壁部31、32の間を二分割する一対の腕状隔壁部33、34と、第2ストッパ部15、16及び第2架橋部25、26を連結して腕状隔壁部33、34と位相が略90゜ずれた軸対称位置に設けられた一対の仕切壁部35、36とからなる。これにより、両環状側壁部31、32の間には、各腕状隔壁部33、34とこれに隣り合う各仕切壁部35、36とにより形成され中間金具2の各窓部27a〜27dに開口する4個の凹部37a〜37dが周方向に配列されている。
【0019】
そして、各仕切壁部35、36は、第2ストッパ部15、16の厚さ幅及び第2架橋部25、26の幅よりも少し小さい厚さ幅で形成されている。一方、各腕状隔壁部33、34は、第1ストッパ部13、14の厚さ幅及び第1架橋部23、24の幅よりも少し大きい厚さ幅で形成されており、ゴム弾性体3の両腕状隔壁部33、34を結ぶ方向のばね定数が、両仕切壁部35、36を結ぶ方向のばね定数よりも大きくなるように設定されている。即ち、両腕状隔壁部33が車両の左右方向に位置するように配設されたときに、ゴム弾性体3の両腕状隔壁部33、34を結ぶ方向のばね定数は、充分な操縦安定性を確保できる程度に剛性が高くなるように設定されている。
【0020】
また、各仕切壁部35、36の内側端は第2ストッパ部15、16の突出頂面に接合されており、これにより、第2ストッパ部15、16は仕切壁部35、36とともにその両側の凹部37a〜37dを仕切る仕切壁の一部分を構成している。
外筒金具4は、金属により円筒状に形成され、その内周面はシールゴム層40により被覆されている。この外筒金具4は、ゴム弾性体3の各凹部37a〜37dを液密的に覆蓋するようにして中間間具2の外側に同軸状に嵌合されている。これにより、外筒金具4とゴム弾性体3の各凹部37a〜37dとの間には4個の第1〜第4液室41〜44が形成されている。第1〜第4液室41〜44には、例えば水やアルキレングリコール、シリコンオイル等の非圧縮性の液体Lが封入されている。
【0021】
第1オリフィス通路5は、一方の第2ストッパ部15の中央部に厚さ方向に貫通して設けられており、これにより第2ストッパ部15及び仕切壁部35を間に挟んで相対向する第1液室41と第2液室42とを連通している。この第1オリフィス通路5は、その長さ距離と断面積とを適宜設定することにより、周波数が約150Hz以下の振動(ロードノイズ)を低減するようにチューニングされている。
【0022】
そして、第2オリフィス通路6は、他方の第2ストッパ部16の中央部に厚さ方向に貫通して設けられており、これにより第2ストッパ部16及び仕切壁部36を間に挟んで相対向する第3液室43と第4液室44とを連通している。この第2オリフィス通路6は、その長さ距離と断面積とを第1オリフィス通路5と異ならせて適宜設定することにより、第1オリフィス通路5のチューニング周波数によって生じる反共振の周波数(約210Hz)に合わせてチューニングされている。
【0023】
以上のように構成された本実施形態の液体封入式防振装置は、自動車に搭載されるサスペンションのストラットマウントとして使用される。この場合、例えば図4に示すように、外筒金具4、中間金具2及びゴム弾性体3を保持するホルダブラケット7に収納して、主軸金具1を車体側の支持部材に固定するとともに、外筒金具4側のホルダブラケット7を車輪側の取付部材にボルト71で固定することにより取付けられる。このとき、仕切壁部35、36が車両の前後方向に位置し、腕状隔壁部33、34が車両の左右方向に位置するように配設される。
【0024】
これにより、本実施形態の液体封入式防振装置は、両腕状隔壁部33、34の剛性を高くして、ゴム弾性体3の両腕状隔壁部33、34を結ぶ方向のばね定数が適宜高さに設定されていることから、良好な操縦安定性が確保されている。
また、主軸金具1の第1ストッパ部13、14及び第2ストッパ部15、16は、主軸金具1と外筒金具4との間に軸方向、車両の左右方向及び前後方向の過大な振動が入力したときに、主軸金具1と外筒金具4との過大な相対変位を規制するようになっている。
【0025】
そして、主軸金具1と外筒金具4との間に、車両の左右方向(両腕状隔壁部33、34を結ぶ方向)に振動が入力すると、仕切壁部31及び第2ストッパ部15を間に挟んで相対向する第1液室41と第2液室42どうし、並びに仕切壁部32及び第2ストッパ部16を間に挟んで相対向する第3液室43と第4液室44どうしの容積変化に伴い、それら液室どうしを連通する第1オリフィス通路5及び第2オリフィス通路6を流動する液体Lによりそれぞれ独立した二つの液柱共振作用が発揮される。
【0026】
このとき、互いに連通する液室どうしを仕切壁部35、36とともに仕切る第2ストッパ部15、16が仕切壁部35、36のように弾性変形することなく主軸金具1とともに変位するため、その両側の第1及び第2液室41、42並びに第3及び第4液室43、44の容積変化が大きくなり、第1及び第2オリフィス通路5、6を流動する液体Lの流動量が多くなることから液柱共振作用が促進される。
【0027】
これにより、周波数が約150Hz以下の振動低減を目的としてチューニングされた第1オリフィス通路5を流動する液体Lの液柱共振作用により、主軸金具1と外筒金具4との間に路面やタイヤから伝達される振動(ロードノイズ)が効果的に減衰される。また、第2オリフィス通路6は、第1オリフィス通路5の液柱共振作用によって生じる反共振周の波数(約210Hz)に合わせてチューニングされていることから、第2オリフィス通路6を流動する液体Lの液柱共振作用により、その反共振レベルが大幅に低下される(図5参照)。
【0028】
以上のように、本実施形態の液体封入式防振装置によれば、両腕状隔壁部33、34を結ぶ方向のばね定数を適宜高さに容易に設定することができることから良好な操縦安定性を確保することができるとともに、仕切壁部35、36を間に挟んで相対向する液室どうしの間を第1及び第2オリフィス通路5、6を介して流動する液体Lの液柱共振作用により、ロードノイズ等の振動を効果的に低減することができる。したがって、相反する振動吸収特性の両立を図ることができる。
【0029】
また、本実施形態の液体封入式防振装置は、仕切壁部35、36を間に挟んで相対向する液室どうしがそれぞれ第1及び第2オリフィス通路5、6により連通され、独立した二つの液柱共振作用が得られるように構成されているため、周波数の異なる二つの振動を低減するように設定することができる。特に、本実施形態では、第2オリフィス通路6のチューニング周波数は、第1オリフィス通路5の液柱共振作用によって生じる反共振の周波数に合わせてチューニングされているため、第1オリフィス通路5の液柱共振作用によって生じる反共振のレベルを低減することができる。
【0030】
また、本実施形態の液体封入式防振装置では、主軸金具1に設けられた第2ストッパ部15、16は、遠心方向に突設されて仕切壁部35、36とともにその両側の第1及び第2液室41、42並びに第3及び第4液室43、44を仕切るように構成されているため、両腕状隔壁部33、34を結ぶ方向の振動が入力したときに、第1〜第4液室41〜44の容積変化を大きくすることができ、これにより第1及び第2オリフィス通路5、6を流動する液体Lの流動量を多くして液柱共振作用を促進することができる。
【0031】
また、本実施形態の液体封入式防振装置では、第1及び第2オリフィス通路5、6は、第2ストッパ部15、16に貫通して設けられているため、第2ストッパ部15、16の所定位置に貫通穴を形成するという簡単な加工により容易に設けることができ、その寸法設定(チューニング)も容易に行うことができる。
〔実施形態2〕
図6は本実施形態に係る液体封入式防振装置の軸直角方向の断面図であり、図7は図6の VII−VII 線に相当する部分の断面図である。
【0032】
本実施形態の液体封入式防振装置は、図6及び図7に示すように、上記実施形態1のものと基本的構成は同じであるが、主軸金具101には実施形態1の第2ストッパ部15、16と同様のストッパ部115、116を有するストッパ部材110が取付けられ、中間金具102の架橋部123、124が実施形態1の第1ストッパ部13、14と同様のストッパ機能を有するように構成されている点で最も異なるものである。
【0033】
即ち、本実施形態の主軸金具101は、金属により全長にわたって同径のパイプ状に形成されており、この主軸金具101の中央部には、主軸金具101の外周面に嵌着される円筒状の取付基部111と、取付基部111の軸対称位置で径方向外方に突出する一対のストッパ部115、116とからなるストッパ部材110が取付けられている。
【0034】
このストッパ部115、116は、上記実施形態1のものと同様に、ゴム弾性体103の仕切壁部135、136とともにその両側の第1及び第2液室141、142並びに第3及び第4液室143、144を仕切るように構成されている。また、各第1ストッパ部115、116には、上記実施形態1のものと同様に、第1オリフィス通路105及び第2オリフィス通路106がそれぞれ設けられている。
【0035】
そして、本実施形態の中間金具102は、軸方向両端に位置する一対のリング部121、122と、両リング部121、122に両端が連結されて軸対称位置に設けられた一対の架橋部123、124とから構成されている。架橋部123、124は、断面コの字状に形成されて求心方向に突出しゴム弾性体103の各腕状隔壁部133、134に埋設されている。このように構成された架橋部123、124は、上記実施形態1において主軸金具1に設けられた一対の第1ストッパ部13、14と同様のストッパ機能を有する。
【0036】
なお、本実施形態の中間金具102は、上記実施形態1における一対の第2架橋部25、26が除去された構成のものであるため、ゴム弾性体103の仕切壁部135、136は、その外側端部が中間金具102のリング部121、122よりも外側に膨出するように形成され、これにより仕切壁部135、136の外側端面が外筒金具104の内周面に圧接してシールするように構成されている。
【0037】
以上のように構成された本実施形態の液体封入式防振装置は、上記実施形態1の場合と同様に、サスペンションのストラットマウントとして使用され、上記実施形態1と同様の基本的構成に基づいて上記と同様の作用及び効果を奏する。
さらに、本実施形態の液体封入式防振装置では、中間金具102の架橋部123、124がストッパ機能を有するように構成され、主軸金具101には一対のストッパ部115、116のみが設けられるように構成されているため、主軸金具101の構造を簡略化することができる。
【0038】
また、第2ストッパ部115、116を有するストッパ部材110が主軸金具101と別体に形成されているため、部品の取り扱いや製造コストの低減化に有利となる。
〔実施形態3〕
図8は本実施形態に係る液体封入式防振装置の軸直角方向の断面図であり、図9は図8のIX−IX線に相当する部分の断面図である。
【0039】
本実施形態の液体封入式防振装置は、図8及び図9に示すように、上記実施形態1のものと基本的構成は同じであるが、中間金具202の第1架橋部223、224が実施形態1の第1ストッパ部13、14と同様のストッパ機能を有するように構成され、中間金具202の第2架橋部225、226が実施形態1の第2ストッパ部15、16と同様のストッパ機能を有するように構成されている点で最も異なるものである。
【0040】
即ち、本実施形態の中間金具202は、軸方向両端に位置する一対のリング部221、222と、両リング部221、222に両端が連結されて軸対称位置に設けられた一対の第1架橋部223、224と、両リング部221、222に両端が連結され第1架橋部223、224と位相が略90゜ずれた軸対称位置に設けられた一対の第2架橋部225、226とからなる。
【0041】
第1架橋部223、224は、断面コの字状に形成されて求心方向に突出しゴム弾性体203の各腕状隔壁部233、234に埋設されている。これにより、第1架橋部223、224は、上記実施形態1において主軸金具1に設けられた一対の第1ストッパ部13、14と同様のストッパ機能を有する。
また、第2架橋部225、226は、断面コの字状に形成されて求心方向に突出しゴム弾性体203の各仕切壁部235、236に埋設されている。これにより、第2架橋部225、226は、上記実施形態1において主軸金具1に設けられた一対の第2ストッパ部15、16と同様のストッパ機能を有する。
【0042】
そして、ゴム弾性体203の仕切壁部235、236には、その両側の第1及び第2液室241、242並びに第3及び第4液室243、244をそれぞれ連通する第1及び第2オリフィス通路205、206が設けられている。この第1及び第2オリフィス通路205、206は、仕切壁部235、236の外側端面に形成された凹溝がその外側の外筒金具204で覆蓋されることにより形成されている。
【0043】
なお、本実施形態の主軸金具201は、上記実施形態1の主軸金具1のように第1及び第2ストッパ部13〜16を有しないので、金属により全長にわたって同径のパイプ状に形成されたものが用いられている。
以上のように構成された本実施形態の液体封入式防振装置は、上記実施形態1の場合と同様に、サスペンションのストラットマウントとして使用され、上記実施形態1と同様の基本的構成に基づいて上記と同様の作用及び効果を奏する。
【0044】
さらに、本実施形態の液体封入式防振装置では、中間金具202の第1及び第2架橋部223〜226を利用して一対の第1ストッパ部113、114及び一対の第1ストッパ部115、116が形成されているため、主軸金具201の構造を実施形態2の場合よりも更に簡略化することができる。
また、各仕切壁部235、236に設けられた第1及び第2オリフィス通路205、206は、ゴム弾性体303を加硫成形により形成する際に容易に形成することができ、かつその寸法設定(チューニング)も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る液体封入式防振装置の軸直角方向の断面図である。
【図2】図1のII−II線に相当する部分の断面図である。
【図3】図1の III−III 線に相当する部分の断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る液体封入式防振装置を取付ホルダに収納した状態の軸方向の断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る液体封入式防振装置における反共振レベルの低下を示すグラフである。
【図6】本発明の実施形態2に係る液体封入式防振装置の軸直角方向の断面図である。
【図7】図6の VII−VII 線に相当する部分の断面図である。
【図8】本発明の実施形態3に係る液体封入式防振装置の軸直角方向の断面図である。
【図9】図8のIX−IX線に相当する部分の断面図である。
【図10】従来の液封防振装置の軸直角方向の断面図である。
【図11】従来の液封防振装置の軸方向の断面図である。
【符号の説明】
1、101、201、301…主軸金具
2、102、202、302…中間金具
3、103、203、303…ゴム弾性体
4、104、204、304…外筒金具
5、105、205…第1オリフィス通路
6、106、206…第2オリフィス通路
7…ホルダブラケット
13、14…第1ストッパ部
15、16…第2ストッパ部
21、22、121、122、221、222、321、322…リング部
23、24、223、224…第1架橋部
25、26、225、226…第2架橋部
27a〜27d、327a、327b…窓部
31、32、331、332…環状側壁部
33、34、133、134、233、234、333、334…腕状隔壁部
35、36、135、136、235、236…仕切壁部
37a〜37d、337a、337b…凹部
40…シールゴム層
41、141、241…第1液室
42、142、242…第2液室
43、143、243…第3液室
44、144、244…第4液室
110、310…ストッパ部材
111…取付基部
115、116、313、314…ストッパ部
123、124、323、324…架橋部
341、342…液室
Claims (6)
- 主軸金具と、
該主軸金具の外側に離間して同軸状に配設され、軸方向両端に位置する一対のリング部と両該リング部に両端が連結されて軸対称位置に設けられた少なくとも一対の架橋部とからなる中間金具と、
該中間金具と前記主軸金具とを一体的に連結し、一対の前記リング部と対応して軸方向両端に位置する一対の環状側壁部と前記架橋部と対応して軸方向に延設され両前記環状側壁部の間を二分割する一対の腕状隔壁部と該腕状隔壁部と直交する方向の軸対称位置に設けられ隣り合う前記腕状隔壁部及び前記環状側壁部とともに周方向に配列された4個の凹部を形成する一対の仕切壁部とからなり、両前記腕状隔壁部を結ぶ方向のばね定数が両前記仕切壁部を結ぶ方向のばね定数よりも大きくなるように設定されたゴム弾性体と、
前記中間金具の外側に同軸状に配設され、前記ゴム弾性体の前記凹部を液密的に覆蓋して前記ゴム弾性体との間に液体が封入された4個の液室を形成する外筒金具と、を備え、
各前記仕切壁部を間に挟んで相対向する前記液室どうしがそれぞれオリフィス通路によって連通されていることを特徴とする液体封入式防振装置。 - 一方の前記オリフィス通路のチューニング周波数は、他方の前記オリフィス通路のチューニング周波数によって生じる反共振の周波数に合わせてチューニングされていることを特徴とする請求項1記載の液体封入式防振装置。
- 前記主軸金具は、遠心方向に突設されて前記仕切壁部とともにその両側の前記液室を仕切り前記外筒金具との相対変位を規制するストッパ部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液体封入式防振装置。
- 前記オリフィス通路は、前記ストッパ部に貫通して設けられていることを特徴とする請求項3記載の液体封入式防振装置。
- 前記オリフィス通路は、前記ゴム弾性体の前記仕切壁部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液体封入式防振装置。
- 前記中間金具の前記架橋部は、求心方向に突出して形成され、前記主軸金具と前記外筒金具との相対変位を規制するストッパ機能を有するように構成されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項5記載の液体封入式防振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19254497A JP3620226B2 (ja) | 1997-07-17 | 1997-07-17 | 液体封入式防振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19254497A JP3620226B2 (ja) | 1997-07-17 | 1997-07-17 | 液体封入式防振装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1137206A JPH1137206A (ja) | 1999-02-12 |
JP3620226B2 true JP3620226B2 (ja) | 2005-02-16 |
Family
ID=16293053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19254497A Expired - Fee Related JP3620226B2 (ja) | 1997-07-17 | 1997-07-17 | 液体封入式防振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3620226B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2830911B1 (fr) | 2001-10-16 | 2004-01-09 | Michelin Avs | Articulation hydroelastique rotulee |
JP2010159873A (ja) | 2008-12-09 | 2010-07-22 | Tokai Rubber Ind Ltd | 流体封入式筒形防振装置 |
JP2016148425A (ja) * | 2015-02-13 | 2016-08-18 | トヨタ自動車株式会社 | 液体封入制振装置 |
-
1997
- 1997-07-17 JP JP19254497A patent/JP3620226B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1137206A (ja) | 1999-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3477920B2 (ja) | 流体封入式防振支持体 | |
US4728086A (en) | Vibration isolating apparatus | |
JPH0749098Y2 (ja) | サスペンション用アッパサポート | |
JPH06677Y2 (ja) | 流体封入式防振ブツシユ | |
JPH08177945A (ja) | 流体封入式筒型防振装置 | |
GB2404963A (en) | A fluid-filled vibration damping mounting device | |
JP3743304B2 (ja) | 流体封入式防振装置 | |
JPH0320138A (ja) | 流体封入式筒型マウント装置 | |
JP3620226B2 (ja) | 液体封入式防振装置 | |
JP3212047B2 (ja) | 液体封入式防振装置 | |
JPS61205503A (ja) | 車両サスペンシヨンのアツパサポ−ト組立体 | |
JPH061095B2 (ja) | 流体封入式防振組立体 | |
JPH04249634A (ja) | 流体封入式筒型マウント | |
JP2002181121A (ja) | 液体封入式防振装置 | |
JP2005282780A (ja) | 液体封入式筒型防振装置 | |
JPH11182613A (ja) | 液体封入式防振装置 | |
JP3712154B2 (ja) | 液体封入式防振装置の製造方法 | |
JP3846328B2 (ja) | 流体封入式防振装置 | |
JP3601196B2 (ja) | 傾斜配置型の流体封入式筒形マウント | |
JP2589176Y2 (ja) | 流体封入式筒型マウント | |
JP2001065627A (ja) | 液体封入式筒型防振装置 | |
JPH10259849A (ja) | 防振装置 | |
JP3719054B2 (ja) | 流体封入式筒形防振装置 | |
JP2827846B2 (ja) | 流体封入式ブッシュ | |
JP2000120761A (ja) | 流体封入式筒型マウント |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040921 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Effective date: 20041026 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041108 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081126 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081126 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091126 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |