JP3712030B2 - 画像受信装置及び画像受信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、公衆回線やLANなどのネットワーク回線を介して種々の送信機器から送られてきた画像データを受信する画像受信装置及び画像受信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、公衆回線を用いたファクシミリ通信に加え、公衆回線やLANなどのネットワークを用いた画像通信が盛んに行なわれている。画像データを送受する機器もファクシミリのほか、パーソナルコンピュータや複合ディジタル複写機、ネットワークプリンタなど、各種の機器が用いられている。また最近はこれらの機器のカラー化も進み、カラーFAXやカラープリンタも主流になりつつある。このようなネットワークシステムでは、例えば解像度がそれぞれ異なる異機種装置間での相互接続や、カラー複写機と白黒複写機といったような色空間がそれぞれ異なる異機種装置間での相互接続が必要となる。
【0003】
このような異機種装置間で画像データをやりとりする場合、例えば白黒画像であればファクシミリの種々の画像データ形式が存在し、またカラー画像であればカラー画像用の画像データ形式が存在する。近年では、画質を保ったまま送信データ量を削減するために、複数プレーンに分離して最適な画像構造に変換し、最適な圧縮方式で圧縮して送信する方法も考えられている。受信側の装置としては、受信した画像データがこのような種々のデータ形式のいずれであっても、元の画像を復元し、出力する機能が要求される。そのためには、画像データの各データ形式に対応して、それぞれ別の画像復元回路を持つことが考えられる。しかしその場合、回路規模が大きくなり、装置のコストを上昇させてしまうという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、種々のデータ形式に従った画像データであっても受信して画像を復元することができる、回路規模の小さい画像受信装置及び画像受信方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明では、基本的に所定数のプレーンからなる画像データを合成して出力する。しかし、所定数のプレーンを有さない、例えば従来の白黒やカラーのファクシミリなどのように1プレーンの画像データや、複数プレーンに分離された画像データであっても一部のプレーンが送られて来ない画像データを受信した場合にも対応するため、受信した画像データのプレーン構成(データ形式)を認識し、合成手段で合成するプレーンのうちで不足しているプレーンがあるか否かを判定する。そして、不足しているプレーンがあれば、その不足しているプレーンをプレーン作成手段で自動的に作成し、合成処理する。これによって、所定数のプレーンからなる画像データを合成して出力するという基本構成をそのまま利用して、プレーンが不足している画像データについても画像を復元して出力することが可能となる。そのため、回路規模の小さい構成でありながら、種々のプレーン構成の画像データに対応でき、良好に画像を復元出力することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像受信装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。図中、1は受信部、2は受信バッファ、3は制御部、4〜6は伸長部、7〜9はデフォルト値記憶部、10〜12は選択部、13〜15は解像度変換部、16は合成部、17は画像出力部である。この第1の実施の形態では、受信した画像データのヘッダ部を調べることで受信したプレーンを認識し、不足しているプレーンがあれば、ヘッダ部に記述されたデフォルト値でその不足しているプレーンを生成して3プレーンの画像としてから、3プレーンの画像の合成処理を行なう例を示している。各プレーンに対する処理は、並列的に実行され、リアルタイム処理で合成する。
【0007】
受信部1は、1ないし3プレーンで構成された画像データを受信する。受信バッファ2は、受信した画像データを一時蓄積する。ここでは後述するように、受信される画像データを構成する3プレーンは、文字や線画のみからなる文字プレーン、写真などの絵柄からなる絵柄プレーン、文字プレーンまたは絵柄プレーンのいずれかを選択する選択プレーンの3つであるものとする。
【0008】
制御部3は、画像受信装置全体を制御する。また制御部3は、受信した画像データを構成するプレーンを認識するプレーン認識手段としての機能と、認識したプレーンから、合成するために不足しているプレーンを判定し、その不足しているプレーンを作成するプレーン作成手段の機能を兼ね備えている。受信した画像データのプレーン構成を認識する際には、受信した画像データのヘッダ部を参照して行なう。あるいは、受信の際のネゴシエーションなどによって認識してもよい。また、不足しているプレーンの作成は、同じくヘッダ部からそのプレーンを作成する際のデフォルト値を読み出し、デフォルト値記憶部7〜9に設定する。あるいは装置のデフォルト値をデフォルト値記憶部7〜9に設定してもよい。さらに、不足しているプレーンについては、対応するデフォルト値記憶部7〜9が選択されるように選択部10〜13を制御する。
【0009】
伸長部4は、MMR方式で圧縮された選択プレーン(2値画像データ)を伸長する。伸長部5は、JPEG方式で圧縮された文字プレーン(多値画像データ)を伸長する。伸長部6は、JPEG方式で圧縮された絵柄プレーン(多値画像データ)を伸長する。
【0010】
デフォルト値記憶部7は、選択プレーンのデフォルト値を記憶する。デフォルト値記憶部8は、文字プレーンのデフォルト値を記憶する。デフォルト値記憶部9は、文字プレーンのデフォルト値を記憶する。これらのデフォルト値記憶部7〜9が記憶するデフォルト値は、制御部3によって格納される。また、記憶されているデフォルト値は、常に選択部10〜12に出力される。
【0011】
選択部10は、伸長部4において伸長された選択プレーンの画像データまたはデフォルト値記憶部7から出力されている選択プレーンのデフォルト値のいずれかを選択して出力する。選択部11は、伸長部5において伸長された文字プレーンの画像データまたはデフォルト値記憶部8から出力されている文字プレーンのデフォルト値のいずれかを選択して出力する。選択部12は、伸長部6から出力される絵柄プレーンの画像データまたはデフォルト値記憶部9から出力されている絵柄プレーンのデフォルト値のいずれかを選択して出力する。
【0012】
解像度変換部13は、選択プレーンの解像度を画像出力部17の解像度に変換する。解像度変換部14は、文字プレーンの解像度を画像出力部17の解像度に変換する。解像度変換部15は、絵柄プレーンの解像度を画像出力部17の解像度に変換する。ここでは、選択プレーン、文字プレーン、絵柄プレーンの解像度を画像出力部17の解像度に合わせたが、少なくとも文字プレーンと絵柄プレーンの解像度が一致していれば合成することができるので、両者の解像度が一致するように解像度変換すればよい。また、一般的には選択プレーンの解像度が最も高く、この選択プレーンの解像度に文字プレーン、絵柄プレーンの解像度を合わせてもよい。合成の際の解像度が画像出力部17の解像度と一致していない場合には、合成後に別途解像度変換を行なってもよい。なお、解像度変換部13〜15では、必要に応じて解像度変換を行なえばよく、受信した画像データの解像度によっては1以上の解像度変換部13〜15において解像度変換処理を行なわなくてもよい。また、各解像度変換部13〜15において行なう解像度変換手法は、それぞれのプレーンに最適な手法を用いればよく、すべて同じ手法である必要はない。
【0013】
合成部16は、解像度変換部13〜15から出力された文字プレーン、絵柄プレーンの2つのプレーンを選択プレーンに従って合成する。画像出力部17は、合成された画像データを出力する。
【0014】
なお、上述の構成において、解像度変換部13〜15は伸長部4〜6と選択部10〜12の間に設けてもよい。また、解像度変換以外の種々の画像処理を各プレーンに対して行なってもよい。さらに、合成部16において合成した画像データに対して、出力のための各種の画像処理を行なってもよい。
【0015】
図2は、本発明の画像受信装置の第1の実施の形態において入力される画像データの具体例の説明図である。上述のように、受信部1は1ないし3プレーンで構成された画像データを受信することができる。この3プレーン構成の画像データとしては、例えば図2(A)に示したように文字「ABCDE」(袋文字はカラー文字であることを示す)と、絵柄部分(矩形で囲んだ部分)が共存する画像の場合、図2(C)に示すように文字「ABCDE」のみからなる文字プレーンと、図2(D)に示すように文字部分を除いた絵柄部分からなる絵柄プレーンに分離されている。また、選択プレーンは、文字プレーンと絵柄プレーンのいずれを選択して合成したらよいかを示している。ここでは選択プレーンは図2(B)に示すように文字部分のみ、特に文字の各線分を構成する部分のみについて文字プレーンを選択し、他は絵柄プレーンを選択するデータによって構成されている。図示の都合上、文字プレーンを選択する画素を黒く示している。この選択プレーンは2値のデータである。
【0016】
なお、文字プレーンにおいて絵柄プレーンに分離された画素、例えば図2(C)に示す文字プレーンにおける絵柄部分については、例えば白データによって埋めておくことができる。同様に、絵柄プレーンにおいて文字プレーンに分離された画素、例えば図2(D)に示す絵柄プレーンにおいて文字「ABCDE」の部分については、例えば白データによって埋めておくことができる。
【0017】
このように画像を分離しておくことによって、例えば文字プレーンには文字データに適した解像度変換手法や圧縮手法を適用し、絵柄プレーンには写真データなどに適した解像度変換手法や圧縮手法を適用できるので、データ量を削減するとともに圧縮率を向上し、またあまり画質を劣化させずに伝送あるいは保存しておくことができる。
【0018】
なお、上述の例では文字部分と絵柄部分の2種類の画像に分離しているが、特にこれら2つに限定されるものではなく、例えば絵柄部分をさらに写真部分とCG(コンピュータ・グラフィック)画像の部分とに分離し、結果として文字、写真、CG、選択プレーンの4プレーンに分離してもよい。あるいは3プレーンの構成であっても、図2(B)に示すように選択プレーンは文字の形状の情報を含むことからこれを文字プレーンとして代用し、他の2プレーンとしてそれぞれ文字色プレーン、絵柄プレーンとして分離し、3プレーンを構成してもよい。この場合、文字が黒のみなど、特定の1色のみの場合には文字色プレーンを用いず、2プレーンの構成であってもよい。
【0019】
受信部1にはこのような3プレーン構成の画像データのほか、これらの3プレーンのうちのいずれか2プレーン、あるいはいずれか1プレーンのみの画像データが受信される場合もある。例えば白黒ファクシミリでは、2値のデータである選択プレーンに対応する画像データのみの1プレーンの画像データがMMR方式によって圧縮されて受信される。また、ネットワークなどにおけるカラー画像伝送では、絵柄プレーンに対応する画像データのみの1プレーンの画像データがJPEG方式によって圧縮されて受信される。また、基本的には3プレーン構成のデータフォーマットでありながら、そのうちの1ないし2プレーンが省略された形態で受信される場合もある。
【0020】
受信部1には、例えば図2(B)〜(D)に示したような文字プレーン、絵柄プレーン、選択プレーンのデータに対してそれぞれに適応した解像度変換や圧縮などの処理が施され、所定のデータフォーマットにまとめられた画像データが受信される。図3は、3プレーン構成の画像データのデータフォーマットの一例の説明図である。図3に示す例では、ヘッダ部を付加し、ヘッダ部に続いて選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンの各圧縮データが配置されている。この場合、ヘッダ部には、各プレーンの有無や、送られてこないプレーンを構成する際のデフォルト値などの情報が含まれており、各プレーンの解像度に関する情報、圧縮伸長に関する情報なども挿入しておくことができる。制御部3は、受信バッファ2に格納されたデータからヘッダ部を読み込んで各プレーンの有無やデフォルト値を得ることができる。もちろん、データフォーマットは図3に示す形態に限られるものではなく、種々のフォーマットであってよい。また、このようにフォーマット化される画像データの単位は、例えばページ単位であってもよいし、あるいはページを分割したストライプ単位であってもよい。
【0021】
なお以下の説明では、選択プレーンはMMR方式によって圧縮され、また文字プレーン、絵柄プレーンはJPEG方式によって圧縮されているものとする。もちろん、他の方式で圧縮されている場合に対応するように構成することも可能である。
【0022】
図4は、本発明の画像受信装置の第1の実施の形態における動作の一例を示すフローチャートである。画像データが送られてくると、受信部1においてこれを受信し、S31において、受信した画像データを受信バッファ2に格納する。受信した画像データが受信バッファ2に格納されると、制御部3は受信バッファ2に格納されている画像データのヘッダー部を読み出して、画像データのプレーン数を調べる。ヘッダー部を調べることによって、受信した画像データが、MMR方式で圧縮されたシングルプレーン形式の2値画像データか、JPEG方式で圧縮されたシングルプレーン形式の多値画像データか、あるいは、MMR方式で圧縮された選択プレーン形式(2値画像)とJPEG方式で圧縮された文字プレーン(多値画像)とJPEG方式で圧縮された絵柄画像(多値画像)の3つのプレーンに分離されたマルチプレーン形式の画像データかのいずれであるか、さらには、マルチプレーン形式の画像データにおいては各プレーンがそれぞれ送られてきているか否かを判別することができる。
【0023】
S32において、受信バッファ2に格納されている画像データがMMR方式で圧縮されたシングルプレーン形式の2値画像データであると判定された場合、S33において、その画像データをマルチプレーン形式の画像の選択プレーンとして認識する。また、S34において、受信バッファ2に格納されている画像データがJPEG方式で圧縮されたシングルプレーン形式の多値画像データである場合、S35において、その画像データをマルチプレーン形式の画像の文字プレーンとして認識する。さらに、受信バッファ2に格納されている画像データがマルチプレーン形式の画像データである場合、S36において、その画像データがいずれのプレーンで構成されているかを認識する。
【0024】
S37において、S33、S35、S36で認識されたプレーン数が3プレーン未満である場合は、どのプレーンが不足しているかを調べ、その不足プレーンに対応するデフォルト値がヘッダー部に設定されていれば読み出して、不足プレーンに対応するデフォルト値記憶部7〜9に設定する。その不足プレーンに対応するデフォルト値がヘッダー部に設定されていなければ、画像受信装置内であらかじめ決定されているシステムデフォルト値を、不足プレーンに対応するデフォルト値記憶部7〜9に設定する。各デフォルト値記憶部7〜9は、設定されたデフォルト値を常に出力し続ける。すなわち、全面がデフォルト値で埋められた画像データを作成して出力することとなる。
【0025】
システムデフォルト値としては、例えば画像データが選択プレーンのみの場合には、文字プレーンを黒色、絵柄プレーンを白色とすることができる。また、画像データが文字プレーンのみの場合には、選択プレーンとして文字プレーンを選択するデータ、絵柄プレーンとしては任意のデータとすることができる。画像データが絵柄プレーンのみの場合には、選択プレーンとして絵柄プレーンを選択するデータ、文字プレーンとしては任意のデータとすることができる。さらに、文字プレーンのみが不足している場合には文字プレーンを黒色とし、絵柄プレーンのみが不足している場合には絵柄プレーンを白色とすることができる。選択プレーンが不足している場合には、例えば文字プレーンにおいて白色部分を絵柄プレーンを選択するデータ、それ以外を文字プレーンを選択するデータとなるようにデフォルト値記憶部7を制御すればよい。もちろん、ヘッダー部などにおいてデフォルト値が指定されている場合には、その指定を優先することができる。
【0026】
また制御部3は、その不足しているプレーンのデフォルト値記憶部7〜9の出力が選択されるように、その不足プレーンに対応する選択部10〜12に対して切り替え信号を出力する。
【0027】
その後、S38において、各プレーンのコードデータの先頭アドレスを、各プレーンに対応する伸長部4〜6に設定し、伸長部4〜6は設定されたアドレスからコードデータを読み出す。そしてS39において、伸長部4〜6は各プレーンに対して伸長処理を行なう。すなわち、伸長部4は受信バッファ2からMMR方式で圧縮された選択プレーンの画像データを読み出し、MMR方式で伸長処理して、選択部10へ出力する。伸長部5は、受信バッファ2らJPEG方式で圧縮された文字プレーンの画像データを読み出し、JPEG方式で伸長処理して、選択部11へ出力する。伸長部6は、受信バッファ2からJPEG方式で圧縮された絵柄プレーンの画像データを読み出し、JPEG方式で伸長処理して、選択部12へ出力する。
【0028】
選択部10〜12は、伸長部4〜6またはデフォルト値記憶部7〜9のいずれかの出力を選択して解像度変換部13〜15へ出力する。選択部10〜12においていずれを選択するかは、S37において決定されている。選択部10〜12で選択された伸長部4〜6の出力またはデフォルト値記憶部7〜9の出力のいずれかが解像度変換部13〜15に出力される。
【0029】
S40において、解像度変換部13〜15は、選択部10〜12から入力された各プレーンの画像データに対して、それぞれ解像度変換処理を行ない、合成部16へ出力する。S41において、合成部16は、例えば選択プレーンの画素値が“0”の場合は文字プレーンの画素値を出力し、“1”の場合は、絵柄プレーンの画素値を出力することで、3つのプレーンを1つのプレーンに合成することができる。合成部16によって合成された画像データは画像出力部17に出力される。
【0030】
このように、この第1の実施の形態によれば、受信した画像データのプレーン数によらず、同一の回路で処理することが可能となるので、プレーン数に応じた画像処理回路を別々に設ける必要がなくなり、回路の簡素化が可能となる。
【0031】
図5は、本発明の画像受信装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。21はページバッファ、22は解像度変換部である。この第2の実施の形態では、各プレーンを1プレーンずつ順次処理してページバッファに展開し、その後にページバッファ内の各プレーンの画像データの合成処理を行なうものである。受信した画像データに不足しているプレーンがあれば、そのプレーンを格納するページバッファの領域を、デフォルト値で埋めることによってそのプレーンを生成し、3プレーンの画像データとしてから、その3プレーンの画像データの合成処理を行なう。
【0032】
この例では上述のように各プレーンを順次処理するので、伸長部5および解像度変換部14は、同じ圧縮方式を用いている文字プレーンと絵柄プレーンで共用する。もちろん、異なる圧縮方式を用いている場合には、その圧縮方式に応じた伸長部が必要となる。また、この例では解像度変換部13は2値画像データに適した解像度変換を行ない、解像度変換部14はカラー多値画像データに適した解像度変換を行なう。もちろんすべてのプレーンに対して1つの解像度変換部を共用してもよいし、各プレーンごとにそれぞれ適した解像度変換を行なうようにしてもよい。なお、解像度変換部13および解像度変換部14は、各プレーンの解像度が一致するように解像度変換を行なえばよい。画像出力部17に応じた解像度への変換処理は、この例では解像度変換部22において行なう。
【0033】
ページバッファ21は、選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンの3つのプレーンの画像データを一時蓄積する。図6は、本発明の画像受信装置の第2の実施の形態におけるページバッファの格納領域の一例の概念図である。ページバッファ21には、選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンの3つのプレーンの画像データをそれぞれ格納するための領域が設けられている。順次処理されて送られてくる各プレーンの画像を、対応する領域に格納保持する。各領域は、処理単位分の各プレーンの画像を格納できる容量以上の容量があればよい。また、このページバッファ21は、受信した1ページ分あるいは1ストライプ分の画像データの出力処理が終了した後もそのまま画像データを保持しておくことができ、例えば次ページあるいは次ストライプにおいて不足プレーンが生じた場合に、保持しておいた不足プレーンに対応する画像データをそのまま用いることが可能である。
【0034】
制御部3は、画像受信装置全体を制御し、各プレーンの画像データが順次処理されるように各部を制御する。また、プレーン認識手段としての機能と、プレーン作成手段の機能を兼ね備えており、不足しているプレーンが存在する場合には、その不足プレーンに対応するページバッファ21内の格納領域から画像データを読み出すように制御する。なお、最初の受信単位(ページあるいはストライプなど)において不足プレーンが生じている場合には、ページバッファ21内の不足プレーンに対応する領域に、画像受信装置内で予め設定されている画像データを書き込むように制御する。
【0035】
図7、図8は、本発明の画像受信装置の第2の実施の形態における動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、複数ページの画像データがページ単位で送られてくるものとする。このとき、最初の1ページ目の処理と、2ページ目以降の処理の動作が少し異なる。
【0036】
まず、1ページ目の処理について説明する。1ページ目の画像データが送られてくると、受信部1においてこれを受信し、S51において、受信した1ページ目の画像データを受信バッファ2に格納する。1ページ目の画像データが受信バッファ2に格納されると、制御部3はS52において選択プレーン(またはMMR方式で圧縮されたシングルプレーン形式の2値画像データ)が存在するか否かを判定する。選択プレーンが存在する場合には、S53において、受信バッファ2に格納されている選択プレーン(または2値画像データ)のコードデータを読み込み、それを伸長器4に転送して伸長処理を行なわせる。伸長された選択プレーンは、ページバッファ21の選択プレーン領域に格納される。
【0037】
S52において選択プレーンが存在しないと判定された場合には、選択プレーンの伸長処理は行なわず、S54において、ヘッダー部に選択プレーンのデフォルト値が格納されているか否かを調べる。ヘッダー部にデフォルト値が格納されている場合は、S55において、そのデフォルト値でページバッファ21上の選択プレーン格納領域を埋める処理を行ない、結果的に全面がデフォルト値の選択プレーンを作成する。もし、デフォルト値の設定がなければ、S56において、あらかじめ決められたシステムデフォルト値でページバッファ21上の選択プレーン格納領域を埋め、選択プレーンを作成する。
【0038】
次に、S57において文字プレーン(またはJPEG方式で圧縮されたシングルプレーン形式の多値画像データ)が存在するか否かを判定する。文字プレーンが存在する場合には、S58において、受信バッファ2に格納されている文字プレーンのコードデータを読み込み、それを伸長器5に転送して伸長処理を行なわせる。伸長された文字プレーンの画像データは、ページバッファ21の文字プレーン領域に格納される。ここで、S57で文字プレーンがないと判定された場合には、文字プレーンの伸長処理は行なわず、S59においてヘッダー部に文字プレーンのデフォルト値が格納されているか否かを調べる。ヘッダー部にデフォルト値が格納されている場合は、S60において、そのデフォルト値でページバッファ21上の文字プレーン格納領域を埋める処理を行ない、結果的に全面がデフォルト値の文字プレーンを作成する。もし、デフォルト値の設定がなければ、S61において、あらかじめ決められたシステムデフォルト値でページバッファ21上の文字プレーン格納領域を埋め、文字プレーンを作成する。
【0039】
次に、S62において絵柄プレーンが存在するか否かを判定する。絵柄プレーンが存在する場合には、S63において、受信バッファ2に格納されている絵柄プレーンのコードデータを読み込み、それを伸長器5に転送して伸長処理を行なわせる。伸長された絵柄プレーンは、ページバッファ21の絵柄プレーン領域に格納される。ここで、S62で絵柄プレーンがないと判定された場合には、絵柄プレーンの伸長処理は行なわず、S64においてヘッダー部に絵柄プレーンのデフォルト値が格納されているか否かを調べる。ヘッダー部にデフォルト値が格納されている場合は、S65において、そのデフォルト値でページバッファの絵柄プレーン格納領域を埋めて、結果的に全面がデフォルト値の絵柄プレーンを作成する。もし、デフォルト値の設定がなければ、S66において、あらかじめ決められたシステムデフォルト値でページバッファ21上の絵柄プレーン格納領域を埋め、絵柄プレーンを作成する。
【0040】
3つのプレーンの画像データがページバッファ21上に展開されたら、合成部16が起動され、S67においてページバッファ21から3つのプレーンの画像データが読み出されて合成処理される。まず、選択プレーン、文字プレーン、絵柄プレーンの1番目の画素値をそれぞれ読み出す。例えば、選択プレーンの画素値が“0”である場合、文字プレーンの画素値を選択して出力し、選択プレーンの画素値が“1”である場合、絵柄プレーンの画素値を選択して出力するように処理すれば、合成画像を得ることができる。以上のようにして合成処理された1ページ目の画像データは、解像度変換部22で画像出力部17に合わせた解像度に変換された後、画像出力部17に出力される。
【0041】
次に2ページ目の処理について説明する。1ページ目との処理内容の違いは、あるプレーンの画像データがない場合で、かつヘッダー部にデフォルト値の設定がない場合、2ページ目以降はその不足プレーンの新規生成は行なわず、直前のページの不足プレーンに対応する画像データをそのまま使用して、合成処理を行なうことである。
【0042】
2ページ目の画像データが送られてくると、受信部1においてこれを受信し、S68において、受信した2ページ目の画像データを受信バッファ2に格納する。2ページ目の画像データが受信バッファ2に格納されると、S69において選択プレーンが存在するか否かを判定し、存在する場合にはS70において選択プレーンを読み込んで伸長器4で伸長処理し、ページバッファ21の選択プレーン領域に格納する。S69において選択プレーンが存在しないと判定された場合には、S71においてヘッダー部に選択プレーンのデフォルト値が格納されているか否かを調べ、格納されている場合はS72においてそのデフォルト値でページバッファ21上の選択プレーン格納領域に選択プレーンを作成する。もし、デフォルト値の設定がなければ選択プレーンの作成は行なわない。
【0043】
次に、S73において文字プレーンが存在するか否かを判定し、存在する場合にはS74において、文字プレーンを読み込んで伸長器5で伸長処理し、ページバッファ21の文字プレーン領域に格納する。S73で文字プレーンがないと判定された場合には、S75においてヘッダー部に文字プレーンのデフォルト値が格納されているか否かを調べ、格納されている場合はS76においてそのデフォルト値でページバッファ21上の文字プレーン格納領域に文字プレーンを作成する。もし、デフォルト値の設定がなければ文字プレーンの作成は行なわない。
【0044】
次に、S77において絵柄プレーンが存在するか否かを判定し、存在する場合には、S78において絵柄プレーンを読み込んで伸長器5で伸長処理し、ページバッファ21の絵柄プレーン領域に格納する。S77で絵柄プレーンがないと判定された場合には、S79においてヘッダー部に絵柄プレーンのデフォルト値が格納されているか否かを調べ、格納されている場合はS80においてそのデフォルト値でページバッファの絵柄プレーン格納領域に絵柄プレーンを作成する。もし、デフォルト値の設定がなければ、絵柄プレーンを作成しない。
【0045】
このようにして受信したプレーンおよびヘッダー部にデフォルト値が指定されているプレーンについてページバッファ21上に画像データを展開した後、合成部16を起動し、S81においてページバッファ21から3つのプレーンの画像データを読み出して合成処理する。このとき、受信しておらず、またヘッダー部にデフォルト値の指定がなかったプレーンについては、1ページ目と同じ画像データを用いることになる。以上のようにして合成処理された2ページ目の画像データは、解像度変換部22で画像出力部17に合わせた解像度に変換された後、画像出力部17に出力される。なお、3ページ目以降も上述の2ページ目の処理と同様にして画像を合成して出力することができる。もちろん、1ページ、あるいは2ページで終了する画像データであっても、もちろんよい。
【0046】
このように不足プレーンについては前ページの画像データを用いる処理を行なう場合、これを利用することによって通信データ量を削減して高速な通信が可能となる。例えば、同一の背景画像を使用した複数ページの文書のような画像を送信する場合、1ページ目にだけ背景画像(絵柄プレーン)をつけた3プレーン形式とし、2ページ目以降は選択プレーンと文字プレーンからなる2プレーン構成、もしくは文字プレーンだけのシングルプレーン形式で送信することができ、2ページ目以降のデータ量を削減することが可能となる。画像受信装置では、2ページ目以降の絵柄プレーンのデフォルト値の設定がなければ1ページ目の絵柄プレーン(背景画像)を使用して2ページ目以降の合成出力を行なうことになる。
【0047】
このように、この第2の実施の形態では、上述の第1の実施の形態と同様に受信した画像データのプレーン数によらず同一の回路で処理することが可能であり、プレーン数に応じた画像処理回路を別々に設ける必要がなくなり、回路の簡素化が可能となる。さらに、この第2の実施の形態では、同一の背景画像を使っている複数ページからなる定型文書を送信する場合、2ページ目以降の場合は、背景画像を送信しなくてもよいので、送信データ量を削減することが可能となる。
【0048】
なお、上述の動作例では、選択プレーン、文字プレーン、絵柄プレーンの順に処理したが、この処理順序は任意であり、いずれの順序で処理を行なってもよい。例えば、文字プレーンと絵柄プレーンを先に処理してページバッファ21に格納しておき、その後、選択データを処理して合成部16に直接入力し、それとともにページバッファ21から文字プレーン、絵柄プレーンの画像データを読み出して合成処理してもよい。
【0049】
上述の第1、第2の実施の形態においては、受信時の処理として伸長処理と解像度変換処理のみを示しているが、本発明は例えばオフセット処理、色変換処理、スクリーン処理、階調変換処理、フィルタ処理等、他の種々の画像処理を各プレーンごと、あるいは合成後の画像データに対して施すことが可能である。各プレーンごとに画像処理を施すことによって、各プレーンの画像データの特性に最適な画像処理を行なうことができる。また、合成後の画像データに対しては画像全体に対する処理を行なうことができる。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、入力された画像データを常に複数プレーンの画像データに変換し、複数プレーンの合成を行なう共通の画像復元回路によって各種画像データの復元を行なうので、プレーン数に応じた画像処理回路を別々に設ける必要がなく、受信した画像データのプレーン数によらず同一の回路で処理することが可能であり、回路の簡素化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像受信装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明の画像受信装置の第1の実施の形態において入力される画像データの具体例の説明図である。
【図3】 3プレーン構成の画像データのデータフォーマットの一例の説明図である。
【図4】 本発明の画像受信装置の第1の実施の形態における動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】 本発明の画像受信装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図6】 本発明の画像受信装置の第2の実施の形態におけるページバッファの格納領域の一例の概念図である。
【図7】 本発明の画像受信装置の第2の実施の形態における動作の一例を示すフローチャート(1ページ目の処理)である。
【図8】 本発明の画像受信装置の第2の実施の形態における動作の一例を示すフローチャート(2ページ目以降の処理)である。
【符号の説明】
1…受信部、2…受信バッファ、3…制御部、4〜6…伸長部、7〜9…デフォルト値記憶部、10〜12…選択部、13〜15…解像度変換部、16…合成部、17…画像出力部、21…ページバッファ、22…解像度変換部。
Claims (12)
- 文字や線画のみからなる文字プレーン、写真などの絵柄からなる絵柄プレーン、文字プレーンまたは絵柄プレーンのいずれかを選択する選択プレーンの3つのプレーンからなる画像データと各プレーンの有無及びデフォルト値を含むプレーン情報を受信する受信手段と、前記プレーン情報から受信された画像データにおいて不足しているプレーンを認識するプレーン認識手段と、該プレーン認識手段で不足していると判断されたプレーンについて前記画像データとともに受信したデフォルト値で該不足しているプレーンを作成するプレーン作成手段を有することを特徴とする画像受信装置。
- 文字や線画のみからなる文字プレーン、写真などの絵柄からなる絵柄プレーン、文字プレーンまたは絵柄プレーンのいずれかを選択する選択プレーンの3つのプレーンからなる画像データと各プレーンの有無を含むプレーン情報を受信する受信手段と、前記プレーン情報から受信された画像データにおいて不足しているプレーンを認識するプレーン認識手段と、該プレーン認識手段で不足していると判断されたプレーンについてあらかじめ決められたシステムデフォルト値で該不足しているプレーンを作成するプレーン作成手段を有することを特徴とする画像受信装置。
- 前記プレーン作成手段は、前記プレーン情報に前記デフォルト値がなければ、あらかじめ決められたシステムデフォルト値で前記不足しているプレーンを作成することを特徴とする請求項1に記載の画像受信装置。
- 文字や線画のみからなる文字プレーン、写真などの絵柄からなる絵柄プレーン、文字プレーンまたは絵柄プレーンのいずれかを選択する選択プレーンの3つのプレーンからなる複数ページの画像データと各プレーンの有無を含むプレーン情報を受信する受信手段と、前記プレーン情報から受信された画像データにおいて不足しているプレーンを認識するプレーン認識手段と、2ページ目以降に該プレーン認識手段で不足していると判断されたプレーンについて直前のページの対応するプレーンを用いて該不足しているプレーンを作成するプレーン作成手段を有することを特徴とする画像受信装置。
- 前記プレーン情報として各プレーンのデフォルト値を送信可能であり、前記プレーン作成手段は、前記プレーン情報によりデフォルト値を受信した場合には該デフォルト値で前記不足しているプレーンを作成し、前記デフォルト値がない場合に、直前のページの対応するプレーンを用いて前記不足しているプレーンを作成することを特徴とする請求項4に記載の画像受信装置。
- さらに、前記文字プレーン、前記絵柄プレーンの2つのプレーンを前記選択プレーンに従って合成する合成手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の画像受信装置。
- 文字や線画のみからなる文字プレーン、写真などの絵柄からなる絵柄プレーン、文字プレーンまたは絵柄プレーンのいずれかを選択する選択プレーンの3つのプレーンからなる画像データと各プレーンの有無及びデフォルト値を含むプレーン情報を受信手段で受信すると、前記プレーン情報から受信された画像データにおいて不足しているプレーンをプレーン認識手段で認識し、不足していると判断されたプレーンについて、前記画像データとともに受信したデフォルト値で該不足しているプレーンをプレーン作成手段で作成し、受信したプレーンと前記作成したプレーンから画像データを合成手段で合成することを特徴とする画像受信方法。
- 文字や線画のみからなる文字プレーン、写真などの絵柄からなる絵柄プレーン、文字プレーンまたは絵柄プレーンのいずれかを選択する選択プレーンの3つのプレーンからなる画像データと各プレーンの有無を含むプレーン情報を受信手段で受信すると、前記プレーン情報から受信された画像データにおいて不足しているプレーンをプレーン認識手段で認識し、不足していると判断されたプレーンについて、あらかじめ決められたシステムデフォルト値で該不足しているプレーンをプレーン作成手段で作成し、受信したプレーンと前記作成したプレーンから画像データを合成手段で合成することを特徴とする画像受信方法。
- 前記不足しているプレーンの作成の際に、前記デフォルト値がなければ、あらかじめ決められたシステムデフォルト値で前記不足しているプレーンを作成することを特徴とする請求項7に記載の画像受信方法。
- 文字や線画のみからなる文字プレーン、写真などの絵柄からなる絵柄プレーン、文字プレーンまたは絵柄プレーンのいずれかを選択する選択プレーンの3つのプレーンからなる複数ページの画像データと各プレーンの有無を含むプレーン情報を受信手段で受信すると、前記プレーン情報から受信された画像データにおいて不足しているプレーンをプレーン認識手段で認識し、2ページ目以降に不足していると判断されたプレーンについて、直前のページの対応するプレーンを用いて該不足しているプレーンをプレーン作成手段で作成し、受信したプレーンと前記作成したプレーンから画像データを合成手段で合成することを特徴とする画像受信方法。
- 前記プレーン情報として各プレーンのデフォルト値を送信可能であり、前記不足しているプレーンの作成の際に、前記プレーン情報によりデフォルト値を受信した場合には該デフォルト値で前記不足しているプレーンを作成し、前記デフォルト値がない場合に、直前のページの対応するプレーンを用いて前記不足しているプレーンを作成することを特徴とする請求項10に記載の画像受信方法。
- さらに、受信しあるいは作成した3つのプレーンについて、前記文字プレーン、前記絵柄プレーンの2つのプレーンを前記選択プレーンに従って合成することを特徴とする請求項7ないし請求項11のいずれか1項に記載の画像受信方法。
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