JP3711917B2 - ポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法に係り、詳しくは破泡工程を経ることなく発泡工程のみでポリオレフィン連続・独立気泡含有体を容易かつ効率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリオレフィン連続・独立気泡含有体、即ち、連続気泡と独立気泡とを併せ持つポリオレフィン発泡体は、発泡性材料を加熱させることによりポリオレフィン独立気泡体を製造した後、この独立気泡体を機械的に圧縮して独立気泡の一部を破壊する破泡処理を行うことにより製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法では、独立気泡体を得るための発泡工程と、独立気泡体の独立気泡の一部を破壊して連続・独立気泡含有体とするための破泡工程との二つの工程が必要であり、製造工程が多いという欠点がある。
【0004】
本発明は、従来技術に必要な破泡工程を経ることなく、発泡工程のみでポリオレフィン連続・独立気泡含有体を直接製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の架橋進行性組成物に熱分解型化学発泡剤を混合し、加熱発泡させることにより、破泡工程を経ることなく直接ポリオレフィン連続・独立気泡含有体を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
即ち、本発明の要旨は、下記の(A)成分、並びに、(B1)成分及び/又は(B2)成分を含有してなり、(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する(B1)成分及び/又は(B2)成分の水酸基数の比が0.1〜5である架橋進行性組成物100重量部と、熱分解型化学発泡剤1〜30重量部とを含む発泡性樹脂組成物を架橋させた後、該発泡性樹脂組成物の加熱変形率が65〜99%となる温度にて加熱発泡させて連続・独立気泡含有体を得ることを特徴とするポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法にある。
【0007】
(A)不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エステルとによって変性された変性オレフィン系重合体であって、1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数が1個以上で、かつ、該変性オレフィン系重合体中のカルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比が0.5〜20である変性オレフィン系重合体
(B1)水酸基を2個以上有する水酸基含有化合物
(B2)1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上の水酸基含有重合体
【0008】
また、下記(a)〜(d)に示す態様も本発明の特徴の一つである。
(a)(A)成分がグラフト変性により得られたものである上記に記載のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法。
(b)架橋後の発泡性樹脂組成物の加熱変形率が85〜99%となる温度にて加熱発泡せしめる上記に記載のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法。
(c)160℃における加熱変形率が10〜80%となるまで発泡性樹脂組成物を架橋させた後、加熱発泡させる上記に記載のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法。
(d)架橋後の発泡性樹脂組成物の加熱変形率が65〜80%となる温度にて加熱発泡させた後、該発泡性樹脂組成物の加熱変形率が85〜99%となる温度にて更に加熱、又は加熱発泡させる上記に記載のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法。
(e)加熱発泡時の温度が160〜300℃である上記に記載のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法。
(f)熱分解型化学発泡剤がアゾジカルボンアミドである上記に記載のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法。
【0009】
本発明における架橋進行性組成物とは、温度が低下すると架橋結合が増大し、逆に温度が上昇すると架橋結合が減少する組成物をさす。
【0010】
一般に、加熱発泡時の温度は架橋進行性組成物の融点以上であり、従って、このような架橋進行性組成物を加熱発泡させる際には一旦架橋が進行した組成物であっても加熱により架橋結合が減少して、その温度に応じた架橋度まで架橋度が低下することとなる。
【0011】
また、本発明のポリオレフィン連続・独立気泡含有体に共せられる発泡性樹脂組成物も、基本的には、このような架橋進行性組成物と同様に、温度が低下すると架橋結合が増大し、逆に温度が上昇すると架橋結合が減少する性質を有する。
【0012】
なお、発泡性樹脂組成物の加熱発泡時の加熱変形率の測定は、以下の理由により目的とするポリオレフィン連続・独立気泡含有体に共せられる発泡性樹脂組成物に熱分解型化学発泡剤を添加しない状態で行う。従って、発泡性樹脂組成物の加熱変形率とは、発泡性樹脂組成物に用いられる架橋進行性組成物の加熱変形率に相当する。
【0013】
発泡性樹脂組成物は熱分解型化学発泡剤を含んでなり、当然、熱分解型発泡剤の分解温度且つ発泡性樹脂組成物の融点以上にて発泡する。また、前述のように目的とするポリオレフィン連続・独立気泡含有体に共せられる発泡性樹脂組成物の架橋度(加熱変形率)は、該発泡性樹脂組成物の温度により変化するため、当該加熱発泡時の温度にて測定するのが望ましい。
【0014】
しかし、発泡性樹脂組成物の加熱変形率を該加熱発泡時の温度にて測定すると該発泡性樹脂組成物は測定中に発泡してしまい、架橋度を的確に表すものでは無くなってしまう。即ち、熱分解型化学発泡剤が添加されている場合は、その架橋度を的確に測定することが困難であるため、本発明では便宜的に発泡性樹脂組成物に熱分解型化学発泡剤を添加しない状態(即ち、架橋進行性組成物)にて加熱変形率(架橋度)を測定し、これをもって架橋進行性組成物に熱分解型化学発泡剤を混合した発泡性樹脂組成物の架橋度とみなした。
【0015】
なお、加熱変形率とは試験片を加熱し、鉛直方向から所定荷重を所定時間かけた際の、その試験片の原厚に対する変形率をいう。特に、加熱変形率の測定温度が樹脂の融点(結晶融解温度)を超えた場合、その変形率は樹脂の架橋度と反比例する。即ち、熱可塑性であれば変形率はほぼ100%となり、架橋度が増大するにつれその変形率は減少する。
【0016】
本発明においては、架橋進行性組成物の架橋度も加熱変形率で表現される。架橋進行性組成物の架橋度を通常一般的に用いられるゲル分率にて表現しない理由は次による。即ち、本発明に用いる架橋進行性組成物は温度によりその架橋度が変化するという特異的な性質を持つ。従って、上記発泡性樹脂組成物と同様、この架橋進行性組成物の架橋特性を表現する場合には、その温度における架橋度を測定しなければならない。しかし、ゲル分率のように溶媒不溶分の分率を測定する方法では、一般的にその使用溶媒の沸点以上でのゲル分率測定は困難である為、特に使用溶媒の沸点を超えるような温度での架橋度測定には不適切である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
本発明の(A)成分である不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エステルとによって変性された変性オレフィン系重合体としては、α−オレフィンとの共重合によるものとα−オレフィン系重合体のグラフト変性による変性オレフィン系重合体とがあり、具体的には次のようなものが挙げられる。
【0019】
▲1▼ α−オレフィンと不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体
▲2▼ α−オレフィンと不飽和カルボン酸無水物との二元共重合体の不飽和カルボン酸エステルによるグラフト体
▲3▼ α−オレフィンと不飽和カルボン酸エステルとの二元共重合体の不飽和カルボン酸無水物によるグラフト体
▲4▼ α−オレフィン系重合体の不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エステルとによるグラフト体
【0020】
上記、多元共重合体におけるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。
【0021】
また、不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、コハク酸2−オクテン−1−イル無水物、コハク酸2−ドデセン−1−イル無水物、コハク酸2−オクタデセン−1−イル無水物、無水マレイン酸、2,3−ジメチル無水マレイン酸、ブロモ無水マレイン酸、ジクロロ無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、endo−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0022】
また、不飽和カルボン酸エステルとしては、炭素原子数1〜20程度のアルキル基のエステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸(2−エチルヘキシル)等が挙げられる。尚、ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸を言うものとする。
【0023】
上記多元共重合体は、さらに、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸化合物、酢酸ビニル等の不飽和エステル化合物、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド化合物、スチレン、(メタ)アクリロニトリル等のその他の不飽和化合物等を共重合した三元以上の多元共重合体であっても良い。
【0024】
これらの共重合体は、従来公知の、塊状、溶液、懸濁、気相等の重合法により製造することができる。
【0025】
また、前述のグラフト体に用いる重合体としては、上記多元共重合体の他、例えば、低密度・中密度・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖状)のエチレンの単独重合体;エチレンと、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等のα−オレフィンとの共重合体;エチレンと、酢酸ビニル等のビニルエステル、(メタ)アクリル酸又はそれらのエステル等の他の単量体との共重合体等のエチレン系樹脂:プロピレンの単独重合体;プロピレンと、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等のα−オレフィンとの共重合体;プロピレンと、イソプレン、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエン等のジエン化合物等の他の単量体との共重合体等のプロピレン系樹脂:その他1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等のα−オレフィンの単独重合体や共重合体等を用いることができる。
【0026】
また、グラフト体に用いる不飽和カルボン酸無水物、及び、不飽和カルボン酸エステルとしては、前述の多元共重合体において挙げたと同様のものが挙げられる。
【0027】
これらのグラフト体は、従来公知の、溶融混練、溶液、懸濁等のグラフト化法により製造することができ、その際用いられるラジカル発生剤としては、例えば、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジパーオキシフタレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド等の有機過酸化物類、過酸化カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物類、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)ジハライド、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物類、ジクミル等の炭素ラジカル発生剤類等が挙げられる。これらのラジカル発生剤は、用いる単量体の種類やグラフト反応条件等に応じて適宜選択され、また2種以上が併用されても良い。
【0028】
本発明において、(A)成分としての前記変性オレフィン系重合体は、前記α−オレフィン、前記不飽和カルボン酸無水物、前記不飽和カルボン酸エステルの三元共重合による場合には、それら各単量体の重合性、共重合性、重合触媒の選択性や被毒性等の種々の要因が影響して、得られる変性オレフィン系重合体の分子量、結晶性、融点等の諸物性の制御が難しいのに対して、前記α−オレフィン系重合体への各単量体のグラフトによる場合には、それら諸物性の制御が比較的容易であることからして、グラフトによる変性オレフィン系重合体が好ましい。
【0029】
そして、そのグラフト体としては、前記α−オレフィンと前記不飽和カルボン酸無水物との二元共重合体の前記不飽和カルボン酸エステルによるグラフト体、前記α−オレフィンと前記不飽和カルボン酸エステルとの二元共重合体の前記不飽和カルボン酸無水物によるグラフト体、前記α−オレフィン系重合体の前記不飽和カルボン酸無水物と前記不飽和カルボン酸エステルとによるグラフト体が好ましく、前記α−オレフィン系重合体の前記不飽和カルボン酸無水物と前記不飽和カルボン酸エステルとによるグラフト体が特に好ましい。
【0030】
本発明において、(A)成分としての前記変性オレフィン系重合体は、前記不飽和カルボン酸無水物単位の含有量が、0.1重量%以上、特には0.5重量%以上であることが好ましく、変性オレフィン系重合体の数平均分子量とこの含有量との乗数に基づいて求められる、変性オレフィン系重合体1分子当たりのカルボン酸無水物基としての平均結合数が、1個以上であることが必須であり、1.5個以上であることが好ましい。ここで、この平均結合数が1個未満では、これを用いて調製される架橋進行性組成物の架橋形成性が劣るため、加熱発泡時の安定性が悪く、得られるポリオレフィン連続・独立気泡含有体の外観、物性等が劣ることとなる。
【0031】
また、本発明において、(A)成分としての前記変性オレフィン系重合体は、前記不飽和カルボン酸無水物に由来するカルボン酸無水物基数に対する前記不飽和カルボン酸エステルに由来するカルボン酸エステル基数の比が0.5〜20であることが必須であり、0.5〜15であることが好ましい。この比が上記範囲未満では、これを用いて調製される架橋進行性組成物を溶融混練、溶融成形する際に架橋反応が進行し易いため、溶融混練、溶融成形等がし難くなり、一方、上記範囲を超えると架橋形成性が劣るため、加熱発泡時の安定性が悪く、得られるポリオレフィン連続・独立気泡含有体の外観、物性等が劣ることとなる。
【0032】
なお、本発明における(A)成分の変性オレフィン系重合体としては、1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数、及び、カルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比が、上記範囲を満足する限り、変性オレフィン系重合体を未変性オレフィン系重合体で希釈したものであっても良い。
【0033】
本発明において、(A)成分の変性オレフィン系重合体のカルボン酸無水物基と結合して架橋を形成せしめる(B1)成分としては、2個以上の水酸基を有する水酸基含有化合物、(B2)成分としては、1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上の水酸基含有重合体が挙げられる。
【0034】
本発明における、(B1)成分の2個以上の水酸基を有する水酸基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類;1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット等のアルコール化合物;アルビトール、ソルビトール、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、ソルボース、フルクトース、パラチノース、マルトトリオース、マレジトース等の糖類;1,3−ジヒドロキシプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジヒドロキシプロパン、トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、1,1,1−トリメチロールドデカン、2−シクロヘキシル−2−メチロール−1,3−ジヒドロキシプロパン、2−(p−メチルフェニル)−2−メチロール−1,3−ジヒドロキシプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセリン、ヘキサジグリセリン、オクタグリセリン、デカグリセリン、ビスフェノールA及び核水添ビスフェノールA等にエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドを付加反応させたポリオキシアルキレン化合物;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノヘキサノエート、グリセリンモノフェネチルエステル、グリセリンモノプロピオネート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンジステアレート、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンモノヘキサノエート、ジグリセリンジオクタノエート、テトラグリセリンモノステアレート、テトラグリセリントリステアレート、テトラグリセリンテトラステアレート、テトラグリセリントリヘキサノエート、テトラグリセリンモノフェネチルエステル、ヘキサグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリンジステアレート、ヘキサグリセリンペンタステアレート、ヘキサグリセリントリオレエート、ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンペンタラウレート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリンオクタステアレート、デカグリセリンペンタオレエート、デカグリセリンジラウレート、ペンタデカグリセリンジステアレート、ペンタデカグリセリンデカオレエート、オクタデカグリセリンテトラステアレート等のポリグリセリンアルキルエステル;ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノカプリレート、ソルビタンモノヘキサノエート、ソルビタンモノフェネチルエステル、ソルビタンモノプロピオネート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンテトラステアレート等のソルビタンアルキルエステルなどが挙げられる。
【0035】
これら水酸基含有化合物は、1種を単独で用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
【0036】
また、本発明における、(B2)成分の1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上の水酸基含有重合体としては、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルグラフトポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリビニルアルコール、低分子量ポリオレフィンポリオール類、ポリアルキレンエーテルグリコール類、ポリオキシアルキレンポリオール類、水酸基末端ジエンポリマー及びその水素添加物或いはそのアジペート類、水酸基末端ポリカプロラクトン類等が挙げられ、これらは、数平均分子量が500〜10000であるのが好ましい。また、水酸基含有重合体は、その数平均分子量と水酸基の含有量との乗数に基づいて求められる、水酸基含有重合体1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上であることが必須であり、1.5個以上であることが好ましい。1分子当たりの水酸基が1個未満の場合は、これを用いて調製される架橋進行性組成物の架橋形成性が劣るため、加熱発泡時の安定性が悪く、得られるポリオレフィン連続・独立気泡含有体の外観、物性等が劣ることとなる。
【0037】
これら水酸基含有重合体についても、1種を単独で用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
なお、本発明における(B2)成分の水酸基含有重合体としては、1分子当たりの水酸基の平均結合数が前記範囲を満足する限り、水酸基を含有しない重合体で希釈したものであっても良い。
【0038】
また、前記(B1)成分の水酸基含有化合物と(B2)成分の水酸基含有重合体とを各々1種以上併用することもできる。
【0039】
本発明において、架橋進行性組成物を調製するための(A)成分と(B1)成分及び/又は(B2)成分との組成比としては、(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する(B1)成分及び/又は(B2)成分の水酸基数の比が0.1〜5であることが必須であり、0.1〜3であることが好ましい。ここで、この比が上記範囲未満では、調製された架橋進行性組成物の架橋形成性が劣るため、加熱発泡時の安定性が悪く、得られるポリオレフィン連続・独立気泡含有体の外観、物性等が劣ることとなり、一方、上記範囲を超えると、この架橋進行性組成物を溶融混練、溶融成形する際に架橋反応が進行し易いため、溶融混練、溶融成形等がし難くなることとなる。
【0040】
(A)成分、(B1)成分及び/又は(B2)成分のそれぞれが上述の規定された特性を有しており、かつ上記のカルボン酸無水物基と水酸基との組成比率が満たされる限り、架橋進行性組成物はこれらの重合体以外の重合体で希釈されていても良い。但し、このような希釈重合体は架橋に寄与しないので、該架橋進行性組成物全体の架橋密度が低下することになるため、加熱発泡時に求められる架橋度を確保するようにその使用量を調整する必要がある。
【0041】
本発明における、熱分解型化学発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスブチロニトリル、p−トルエンスルホニルヒドラジド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ヒドラゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート、N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、3,3’−ジスルホンヒドラジドジフェニルスルホン、トルエンジスルホニルヒドラジン、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、アゾビスイソブチロニトリル、ジエチルアゾジカルボキシレート、ビステトラゾール・ジアンモニウム、ビステトラゾール・ピペラジン、ビステトラゾール・ジグアニジン、5−フェニルテトラゾール、アゾビステトラゾール・グアニジン、アゾビステトラゾール・ジアミノグアニジンなどの有機系発泡剤や、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどの無機系発泡剤が挙げられ、中でも、アゾジカルボンアミドが好ましい。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
【0042】
また、上記発泡剤と共に、尿素系、有機酸系、金属塩系などの発泡助剤を用いることができる。発泡助剤は、特にアゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの分解温度の高い発泡剤と共に用いることにより、発泡温度を適度に下げる目的で添加される。
【0043】
熱分解型化学発泡剤の使用量は所望とするポリオレフィン連続・独立気泡含有体の発泡倍率により適宜調整され、一般的には架橋進行性組成物100重量部に対して1〜30重量部とするのが好ましい。この発泡剤の使用量が1重量部未満であると発泡倍率が低く得られた発泡体の特性が損なわれ、30重量部を超えると多くの場合得られた発泡体の強度が低下する。
【0044】
本発明に係る架橋進行性組成物及び泡性樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を含有していてもよく、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、造核剤、中和剤、滑剤、ブロッキング防止剤、分散剤、流動性改良材、離型剤、メヤニ防止剤、難燃剤、着色剤、充填剤、発泡剤の分解促進剤、気泡核調整剤等等の添加剤を使用することができる。
【0045】
本発明に係る架橋進行性組成物は、前記(A)成分と、前記(B1)成分及び/又は前記(B2)成分を必須成分とし、目的に応じその他の任意成分を、必要に応じヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等により均一に混合した後、一軸又は多軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練することにより得ることができる。
【0046】
また、このような架橋進行性組成物に前記熱分解型化学発泡剤を混合して本発明に係る発泡性樹脂組成物を調製するには、上記方法により得られた架橋進行性組成物に熱分解型化学発泡剤を必須成分とし、目的に応じその他の任意成分を、必要に応じヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等により均一に混合した後、一軸又は多軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練すれば良い。
【0047】
また、前記(A)成分、前記(B1)成分及び/又は前記(B2)成分、熱分解型化学発泡剤を必須成分とし、目的に応じその他の任意成分を、必要に応じヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等により均一に混合した後、一軸又は多軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練することによって、直接本発明に係る発泡性樹脂組成物を製造することができる。
【0048】
更には、前記(A)成分、前記(B1)成分及び/又は前記(B2)成分、熱分解型化学発泡剤を必須成分とし、目的に応じその他の任意成分を、必要に応じヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等により均一に混合した後、直接各種成型機にて板状、シート状、フィルム状、管状等に賦形し、発泡性樹脂組成物の成形体として製造することもできる。
【0049】
これら発泡性樹脂組成物を製造するための種々の方法においては、発泡性樹脂組成物及びその成形体が、前記(A)成分、前記(B1)成分及び/又は前記(B2)成分、熱分解型化学発泡剤を必須成分としてなり、且つ、これら必須成分の組成が前述比率を満たす限り、いかなる方法によって得られたものであっても良い。
【0050】
本発明のポリオレフィン連続・独立気泡含有体に共せられる発泡性樹脂組成物及びその成形体を架橋させるには、該発泡性樹脂組成物及びその成形体を、好ましくは該発泡性樹脂組成物のガラス転移温度以上、融点以下の温度で加熱する。この温度がガラス転移温度未満では、分子運動が凍結され、その架橋速度は著しく遅くなり実用に供しない。逆に、融点を超えると架橋速度は速くなるものの変形等を起こしやすくなり、やはり実用に供しない。架橋度は、加熱温度と加熱時間とを調整することにより制御することができる。一般的な加熱架橋条件は、発泡性樹脂組成物のガラス転移温度より10〜20℃高い温度から、融点より10〜20℃低い温度で5分〜1ヶ月程度である。
【0051】
本発明において、加熱する発泡性樹脂組成物の加熱変形率(架橋度)は、160℃における加熱変形率が10〜80%となるような架橋度であることが好ましい。この加熱変形率が10%未満では、加熱発泡時の温度を上げても架橋度が下がりにくいために、連続・独立気泡含有体が得られにくく、80%を超えると、加熱発泡時の温度が高い場合には、架橋度が下がりすぎ、加熱発泡時の安定性が悪く、得られるポリオレフィン連続・独立気泡含有体の外観、物性等が劣ることとなる。
【0052】
本発明のポリオレフィン連続・独立気泡含有体を得るためには、このようにして架橋させて得られた発泡性樹脂組成物を、発泡温度に於ける発泡性樹脂組成物(即ち架橋進行性組成物)の加熱変形率が65〜99%、好ましくは85〜99%となる温度で加熱して発泡させる。この加熱発泡温度における加熱変形率が99%を超えていると架橋度が低すぎるために気泡の破壊が過大に発生し、得られる連続・独立気泡含有体の外観の悪化、発泡倍率の低下等が発生し、本発明の目的を達することができない。一方、加熱変形率が85%未満となると連続気泡率が低下し、やはり本発明の目的を達することが困難となり、更に、加熱変形率が65%未満となると架橋度が高すぎるために十分発泡せず、また異常発泡も発生しやすくなるため、本発明の目的を達することができない。
【0053】
該発泡性樹脂組成物ないし架橋進行性組成物の加熱変形率の制御は、前記(A)成分と、前記(B1)及び/又は(B2)成分の組成及び組成比、架橋処理温度・時間、発泡温度等を調整することにより行うことができる。
【0054】
なお、発泡温度は160〜300℃が好ましい。
【0055】
本発明において、架橋させた発泡性樹脂組成物を、その加熱変形率が65〜80%となる温度にて加熱発泡させ、次に、該発泡性樹脂組成物を、その加熱変形率が85〜99%となる温度にて更に加熱発泡させる方法を採用することは好ましい態様である。即ち、前述のとおり、架橋させた発泡性樹脂組成物の加熱変形率が65〜80%となる温度での加熱発泡では、連続気泡率は低く独立気泡体が得られるが、その後該発泡性樹脂組成物の加熱変形率が85〜99%となる温度にて更に加熱して発泡せしめることにより、架橋度が低下し、独立気泡が破泡して連続・独立気泡となる。
【0056】
本発明のポリオレフィン連続・独立気泡含有体を得るための発泡工程としては、プレス成形、押出成形、カレンダー成形などで発泡性樹脂組成物のシートを成形した後、必要に応じ再加熱することにより該発泡性樹脂組成物を更に架橋せしめた後、熱風炉、遠赤炉、塩浴等で常圧発泡する方法や、型内でプレス発泡する方法、押出機により押出発泡する等を採用することができる。
【0057】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例で用いた(A)成分、(B1)成分、及び、(B2)成分は、それぞれ以下に示すものである。
【0058】
(A)成分:A−1
エチレン−ブテン−1共重合体(メルトフローレート9g/10分、密度0.925g/cm3、日本ポリケム社製「Z−50MG」):15重量部
エチレン−ブテン−1共重合体(メルトフローレート20g/10分、密度0.926g/cm3、日本ポリケム社製「UJ580」):70重量部
エチレン−プロピレンランダム共重合体(230℃メルトフローレート0.7g/10分、密度0.865g/cm3、プロピレン含量27重量%、JSR社製「EP07P」):15重量部
の合計100重量部に、
マレイン酸無水物:1.0重量部
アクリル酸n−ブチル:1.2重量部
2,5−ジメチル−2,5−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン:0.12重量部
をヘンシェルミキサーにて均一に混合後、二軸押出機((株)池貝製、PCM−30、D=30mm、L/D=32)にて溶融グラフトを行い、マレイン酸無水物とアクリル酸n−ブチルによる変性オレフィン系重合体を得た。
【0059】
得られた変性オレフィン系重合体は、190℃メルトフローレート3.3g/10分であり、これを再沈精製処理して未グラフト物を除いた後に赤外吸収スペクトルにより測定した各成分単位の含有量、カルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した数平均分子量、数平均分子量とマレイン酸無水物単位含有量の乗数に基づいて求めた変性オレフィン系重合体1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数は次の通りであった。
【0060】
マレイン酸無水物単位含有量:0.8重量%
アクリル酸n−ブチル単位含有量:0.8重量%
カルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比:0.8
数平均分子量:27000
変性オレフィン系重合体1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数:2.2個
(B1)成分:B1−1
1,4−シクロヘキサンジメタノール10重量部と低密度ポリエチレン(190℃メルトフローレート2g/10分、密度0.919g/cm3、日本ポリケム社製「PH−30」)90重量部とを、酸化防止剤として、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(日本チバガイギー社製「IRGANOX1010」)とトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(日本チバガイギー社製「IRGAFOS168」)とをそれぞれ2.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(シリンダー径45mm、L/D34、池貝社製「PCM−45」)に供給して溶融混練することにより、水酸基含有化合物のマスターバッチ(190℃メルトフローレート4.5g/10分)を作製した。
【0061】
(B2)成分:B2−1
水添ポリブタジエンポリオール(水酸基含有量1.4重量%、数平均分子量2700、数平均分子量と水酸基含有量の乗数に基づいて求めた水酸基含有重合体1分子当たりの水酸基の平均結合数2.2個)50重量部と低密度ポリエチレン(190℃メルトフローレート2g/10分、密度0.919g/cm3、日本ポリケム社製「PH−30」)50重量部とを、酸化防止剤として、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(日本チバガイギー社製「IRGANOX1010」)とトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(日本チバガイギー社製「IRGAFOS168」)とをそれぞれ0.6重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(シリンダー径45mm、L/D34、池貝社製「PCM−45」)に供給して溶融混練することにより、水酸基含有重合体のマスターバッチ(190℃メルトフローレート220g/10分)を作製した。
【0062】
実施例1
A−1成分95重量部とB1−1成分5重量部とを120℃に加熱したミキシングロール上で混練し、その中にアゾジカルボンアミド(ビニホールAC#1L、永和化成工業社製)15重量部を練り込んだ(カルボン酸無水物基数に対する水酸基数の比0.9)。
【0063】
次いで、この発泡性樹脂組成物をプレスを用いてシート化し、そのシートを30℃にて1日放置(160℃における加熱変形率70%)して架橋せしめた後、オーブン中240℃(加熱変形率90%の温度)で6分間加熱発泡させた。
【0064】
得られた発泡体は発泡倍率27倍であり、連泡率(全気泡に対する連続気泡の体積割合)85%の連続・独立気泡含有体であった。
【0065】
実施例2
A−1成分80重量部とB2−1成分20重量部とを120℃に加熱したミキシングロール上で混練し、その中にアゾジカルボンアミド(ビニホールAC#1L、永和化成工業社製)15重量部を練り込んだ(カルボン酸無水物基数に対する水酸基数の比1.3)。
【0066】
次いで、この発泡性樹脂組成物をプレスを用いてシート化し、そのシートを30℃にて1日放置(160℃における加熱変形率68%)して架橋せしめた後、オーブン中240℃(加熱変形率96%の温度)で6分間加熱発泡させた。
【0067】
得られた発泡体は発泡倍率28倍、連泡率80%の連続・独立気泡含有体であった。
【0068】
実施例3
A−1成分80重量部とB2−1成分20重量部とを120℃に加熱したミキシングロール上で混練し、その中にアゾジカルボンアミド(ビニホールAC#1L、永和化成工業社製)15重量部を練り込んだ(カルボン酸無水物基数に対する水酸基数の比1.3)。
【0069】
次いで、この発泡性樹脂組成物をプレスを用いてシート化し、そのシートを80℃にて2時間加熱(160℃における加熱変形率48%)して架橋せしめた後、オーブン中220℃(加熱変形率73%の温度)で6分間加熱発泡した後、更に、240℃(加熱変形率96%の温度)オーブン中で3分間加熱した。
【0070】
得られた発泡体は発泡倍率26倍、連泡率85%の連続・独立気泡含有体であった。
【0071】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法によれば、破泡工程を経ることなく発泡工程のみでポリオレフィン連続・独立気泡含有体を容易かつ効率的に製造することができる。
Claims (7)
- 下記の(A)成分、並びに、(B1)成分及び/又は(B2)成分を含有してなり、(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する(B1)成分及び/又は(B2)成分の水酸基数の比が0.1〜5である架橋進行性組成物100重量部と、
熱分解型化学発泡剤1〜30重量部と
を含む発泡性樹脂組成物を架橋させた後、該発泡性樹脂組成物の加熱変形率が65〜99%となる温度にて加熱発泡させて連続・独立気泡含有体を得ることを特徴とするポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法。
(A)不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エステルとによって変性された変性オレフィン系重合体であって、1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数が1個以上で、かつ、該変性オレフィン系重合体中のカルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比が0.5〜20である変性オレフィン系重合体
(B1)水酸基を2個以上有する水酸基含有化合物
(B2)1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上の水酸基含有重合体 - (A)成分がグラフト変性により得られた変性オレフィン系重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法。
- 架橋後の発泡性樹脂組成物の加熱変形率が85〜99%となる温度にて加熱発泡させることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法。
- 160℃における加熱変形率が10〜80%となるまで発泡性樹脂組成物を架橋させた後、加熱発泡させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法。
- 架橋後の発泡性樹脂組成物の加熱変形率が65〜80%となる温度にて加熱発泡させた後、該発泡性樹脂組成物の加熱変形率が85〜99%となる温度にて更に加熱、又は加熱発泡させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法。
- 加熱発泡時の温度が160〜300℃であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法。
- 熱分解型化学発泡剤がアゾジカルボンアミドであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のポリオレフィン連続・独立気泡含有体の製造方法。
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