JP2505543B2 - 結晶性プロピレン系樹脂含有発泡体の製造方法 - Google Patents

結晶性プロピレン系樹脂含有発泡体の製造方法

Info

Publication number
JP2505543B2
JP2505543B2 JP19231388A JP19231388A JP2505543B2 JP 2505543 B2 JP2505543 B2 JP 2505543B2 JP 19231388 A JP19231388 A JP 19231388A JP 19231388 A JP19231388 A JP 19231388A JP 2505543 B2 JP2505543 B2 JP 2505543B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystalline propylene
resin
sebs
weight
foam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP19231388A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0241334A (ja
Inventor
良郎 高羽
倉之輔 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP19231388A priority Critical patent/JP2505543B2/ja
Publication of JPH0241334A publication Critical patent/JPH0241334A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2505543B2 publication Critical patent/JP2505543B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐熱性の良好な結晶性プロピレン系樹脂含
有発泡体の製造方法に関する。
(従来の技術) ポリプロピレンなどの結晶性プロピレン系樹脂を、溶
融押出して発泡させて得られる発泡体は、安価で低密度
ポリエチレンやポリスチレンに比べ耐熱性が良く、高温
配管の断熱保温材などに好適に用いられる。
上記の結晶性プロピレン系樹脂は、溶融時の粘度が低
く、そのため発泡剤のガスにより発泡を始めても樹脂の
固化前に気泡が破壊しやすく、高倍率に発泡した発泡体
を得ることは困難である。このような問題を解決するた
めに、結晶性プロピレン系樹脂にアイオノマー樹脂(サ
ーリンA)のような熱可塑性エラストマーを混合して溶
融時の粘度を高め、溶融押出して発泡させる方法が提案
されている(特公昭53-34226号公報参照)。
ところが、この種の熱可塑性エラストマーは、結晶性
プロピレン系樹脂との相溶性が良好ではなく、しかもそ
の融点差が大きく、そのため発泡性のばらつきが大きく
なるという問題がある。また多量の熱可塑性エラストマ
ーを混合せねば発泡性は改善されない。しかし、上記熱
可塑性エラストマーを多量混合すると、耐熱性が低下
し、結晶性プロピレン系樹脂の有する本来の耐熱性(約
150℃)が充分に発揮されないという問題がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、
その目的とするところは、耐熱性が良好で均質微細な気
泡構造を有し、高倍率に発泡した安価な結晶性プロピレ
ン系樹脂含有発泡体を連続的に安定した状態で製造する
方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の結晶性プロピレン系樹脂含有発泡体の製造方
法は、メルトインデックス(230℃で測定)10以下のプ
ロピレン系樹脂20〜80重量%とメルトインデックス(23
0℃で測定)10以下のスチレン−エチレン・ブチレン−
スチレンブロック共重合体80〜20重量%とからなる混合
物を、揮発性有機発泡剤の存在下で溶融押出して発泡さ
せることを特徴とし、そのことにより上記の目的が達成
される。
本発明において、結晶性プロピレン系樹脂としては、
アイソタクチックポリプロピレンをはじめ、プロピレン
を主成分とするプロピレン−エチレンブロック共重合体
が好適に用いられる。そして、かかる結晶性プロピレン
系樹脂のメルトインデックス(ASTM D1238-62Tに準じ23
0℃で測定)は10以下、好ましくは5以下とされる。メ
ルトインデックスが10を上まわると発泡時の樹脂粘度の
改善が不充分で気泡を安定化することが困難である。ま
た、上記結晶性プロピレン系樹脂の融点は、発泡体の耐
熱寸法安定性の点から140℃以上が好ましい。
本発明において、スチレン−エチレン・ブチレン−ス
チレンブロック共重合体(以下、SEBSと略記する)は、
両端のスチレン重合体ブロックの中間にエチレン・ブチ
レン共重合体ブロックが存在した構造のもので、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のブタジエ
ン重合体ブロック部分に水素を添加して得られる。
そして、かかるSEBSのメルトインデックス(ASTM D12
38-62Tに準じ230℃で測定)は10以下、好ましくは5以
下とされる。メルトインデックスが10を上まわると発泡
時の樹脂粘度の改善が不充分で気泡を安定化することが
困難である。上記のようなSEBSは、JIS-A硬度が40〜80
の範囲にあるものが好ましい。
上記の結晶性プロピレン系樹脂とSEBSとの混合割合
は、結晶性プロピレン系樹脂が20〜80重量%好ましくは
40〜60重量%に対し、SEBSが80〜20重量%好ましくは60
〜40重量%とされる。SEBSが20重量%を下まわると発泡
時の樹脂粘度の改善が不充分で、気泡を安定化すること
が困難である。一方、SEBSが80重量%を上まわると樹脂
の結晶性が低下し、発泡体の耐熱性が悪くなる。
本発明における揮発性有機発泡剤は、ポリオレフィン
樹脂の発泡に用いられている公知の発泡剤が使用され
る。熱分解型化学発泡剤や窒素、炭酸ガスなどの不活性
ガス発泡剤では高倍率で良好な発泡体を得るのが困難で
ある。揮発性有機発泡剤としては、プロパン、ブタン、
ペンタン、シクロペンタンなどの炭化水素類;塩化メチ
ル、塩化メチレン、トリクロロモノフルオロメタン(フ
ロン11)、ジクロロジフルオロメタン(フロン12)、ト
リクロロトリフルオロエタン(フロン113)、ジクロロ
テトラフルオロエタン(フロン114)などのハロゲン化
炭化水素類がある。
特に、上記した弗化炭化水素類は、結晶性プロピレン
系樹脂及びSEBSに対して適度の相溶性を有し、しかもガ
ス透過率が空気透過率に近いため発泡性が良好で、しか
も発泡後の収縮が少なく好適に用いられる。これらの揮
発性有機発泡剤は、通常、混合樹脂100重量部に対し
て、15〜40重量部が用いられる。
前記の結晶性プロピレン系樹脂とSEBSとの混合物を揮
発性有機発泡剤の存在下で溶融押出し発泡させるには、
公知の押出発泡法が用いられる。例えば、上記混合物を
スクリュー押出機に供給して混練し、この混練物に押出
機の途中に設けられた発泡剤注入口より揮発性有機発泡
剤を適量連続的に圧入し、押出機先端に付設された金型
より管状、板状、棒状などの所望の形状に連続的に溶融
押出して発泡させることができる。
なお、上記の結晶性プロピレン系樹脂とSEBSとの混合
物には、タルクのような気泡調節のための核形成剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤など公知の各種添加剤
を配合してもよい。
さらに、本発明においては、前記の結晶性プロピレン
系樹脂、SEBSの少なくとも一方に、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシランのようなビニルトリ
アルコキシシランをグラフト結合させておくと、押出発
泡時に原料中に含まれる微量水分又は外部より添加され
る水分で溶融混練物に架橋結合が生じ耐熱性が一層改善
される。
この場合、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチン
ジマレートなどの架橋促進剤を併用して架橋を促進させ
ることができる。また、押出発泡後に発泡体を高温多湿
下に置いたり、或いは温水やスチームを適用して架橋を
促進させることもできる。
結晶性プロピレン系樹脂又はSEBSにビニルトリアルコ
キシシランをグラフト結合させるには、結晶性プロピレ
ン系樹脂又はSEBSにビニルトリアルコキシシランを適量
混合し、ラジカル発生剤として有機過酸化物を加え、こ
れを有機過酸化物の分解温度以上で溶融押出すことによ
り容易に達成される。
(作用) 本発明において用いるメルトインデックス10以下の結
晶性プロピレン系樹脂とメルトインデックス10以下のSE
BSとは、いずれも耐熱性及び機械的強度が良好で、しか
も相溶性が良好である。それゆえ、これ等を混合した原
料を使用すれば耐熱性の良好な発泡体が得られる。
また、SEBSの溶融押出適温は、結晶性プロピレン系樹
脂の溶融押出適温と近似し、しかも相溶性も良好であり
これらの性質と、SEBSの有する溶融時の高い粘弾性とに
より、上記樹脂の溶融時の粘度及び張力、伸びが向上す
る。それゆえ、発泡時の気泡の破壊が防止され、均質微
細な気泡構造を有し高倍率に発泡した発泡体が得られ
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例及び比較例を示す。
実施例1〜10及び比較例1〜5 第1表に示すように、アイソタクチックポリプロピレ
ン(PP樹脂)とSEBSとを混合し、この混合物100重量部
に対し、タルク0.1重量部を添加し、これを口径40mmの
スクリュー押出機に供給し、185℃で溶融混練した。そ
して、押出機の中央に設けられた発泡剤注入口より、ト
リクロロモノフルオロメタン(フロン11)又はジクロロ
テトラフルオロエタン(フロン11)を上記混合物100重
量部に対し、20重量部又は28重量部圧入し、押出機の先
端に付設した口径4mmの円孔を有する金型より溶融押出
して発泡させた。
得られた発泡体の発泡性及び耐熱性は、第1表に示す
通りであった。なお、発泡性における発泡状態は、発泡
が全体として均等に安定した状態でなされているかどう
かを観察し、これを◎、○、△、×の4段階で示した。
また、耐熱性は発泡体を150℃及び160℃のオーブン中に
24時間放置した後の体積保持率で示した。
実施例11〜14 ビニルトリメトキシシランを1.5重量部グラフト結合
させたアイソタクチックポリプロピレン(グラフトPP樹
脂)及びビニルトリメトキシシランを1.5重量部グラフ
ト結合させたSEBS(グラフトSEBS)を用い、第2表に示
すようにPP樹脂又はグラフトPP樹脂とSEBS又はグラフト
SEBSとを等量混合し、これにタルク0.1重量部とジブチ
ルチンラウレート0.5重量部とを添加し、実施例1〜10
と同様にして発泡体を得た。(実施例11、13、14におい
てグラフトPP樹脂を用い、実施例12、13でグラフトSEBS
を用いた。) 得られた発泡体の発泡性及び耐熱性は第2表に示す通
りであった。なお、表中のゲル分率は、上記のグラフト
PP樹脂及びグラフトSEBSの架橋能力を示すもので、上記
のグラフトPP樹脂及びグラフトSEBSにそれぞれジブチル
チンラウレート0.5重量部を添加し185℃で押出した成形
物を100℃で24時間加熱して架橋させ、これを130℃のキ
シレンに12時間浸漬した後の不溶ゲル分を百分率で表わ
した値である。
また、上記グラフトPP樹脂及びグラフトSEBSは、アイ
ソタクチックポリプロピレン又はSEBS100重量部にビニ
ルトリメトキシシラン1.5重量部及びジクミルパーオキ
サイド0.15重量部を添加し、230℃でスクリュー押出機
で溶融押出し、これをペレット状に成形して得た。
(発明の効果) 上述の通り、本発明方法は、結晶性プロピレン系樹脂
とSEBSとの混合物を、揮発性有機発泡剤の存在下で溶融
押出して発泡させるものであって、耐熱性が良好で、し
かも均質微細な気泡構造を有する高倍率に発泡した発泡
体を連続的に安価に製造することができる。
特に、本発明方法は、発泡時の樹脂粘度が高くなり、
発泡適温範囲が広いため、発泡に適した成形温度の維持
が容易で、品質の安定した発泡体を容易に製造すること
ができるという利点を有する。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトインデックス(230℃で測定)10以
    下の結晶性プロピレン系樹脂20〜80重量%とメルトイン
    デックス(230℃で測定)10以下のスチレン−エチレン
    ・ブチレン−スチレンブロック共重合体80〜20重量%と
    からなる混合物を、揮発性有機発泡剤の存在下で溶融押
    出して発泡させることを特徴とする結晶性プロピレン系
    樹脂含有発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】結晶性プロピレン系樹脂、スチレン−エチ
    レン・ブチレン−スチレンブロック共重合体の少なくと
    も一方に、ビニルトリアルコキシシランがグラフト結合
    されていることを特徴とする請求項1記載の結晶性プロ
    ピレン系樹脂含有発泡体の製造方法。
JP19231388A 1988-08-01 1988-08-01 結晶性プロピレン系樹脂含有発泡体の製造方法 Expired - Lifetime JP2505543B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19231388A JP2505543B2 (ja) 1988-08-01 1988-08-01 結晶性プロピレン系樹脂含有発泡体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19231388A JP2505543B2 (ja) 1988-08-01 1988-08-01 結晶性プロピレン系樹脂含有発泡体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0241334A JPH0241334A (ja) 1990-02-09
JP2505543B2 true JP2505543B2 (ja) 1996-06-12

Family

ID=16289202

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19231388A Expired - Lifetime JP2505543B2 (ja) 1988-08-01 1988-08-01 結晶性プロピレン系樹脂含有発泡体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2505543B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5130340A (en) * 1990-07-09 1992-07-14 General Electric Company Elastomeric low density foamable compositions and process of making the same and articles made therefrom
US5190986A (en) * 1990-07-09 1993-03-02 General Electric Company Elastomeric low density foamable compositions and process of making the same and articles made therefrom
JP3929325B2 (ja) * 2002-02-22 2007-06-13 電気化学工業株式会社 ポリプロピレン系樹脂発泡シート及び容器
JP5992723B2 (ja) * 2012-05-22 2016-09-14 株式会社カネカ 押出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物及び該樹脂組成物からなる押出発泡成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0241334A (ja) 1990-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1247816A (en) Lightly crosslinked linear olefinic polymer foams and process for making
KR100798204B1 (ko) 폴리올레핀 수지 발포체용 조성물, 폴리올레핀 수지발포체, 및 이의 제조방법
JP2001348452A (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法
JP3571352B2 (ja) 発泡性合成樹脂組成物、合成樹脂発泡体及び合成樹脂発泡体の製造方法
RU2232781C2 (ru) Пенопласты, полученные из смеси синдиотактичных полипропиленов и термопластичных полимеров
JP4025423B2 (ja) 熱可塑性エラストマー発泡体
JP2505543B2 (ja) 結晶性プロピレン系樹脂含有発泡体の製造方法
JPS6042432A (ja) 発泡粒子
ITMI951490A1 (it) Polimeri atattici reticolati del propene
JP3583543B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡粒子
JP3944668B2 (ja) オレフィン系エラストマー架橋発泡体およびその架橋発泡体用エラストマー組成物
JPH0347297B2 (ja)
JP3538441B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法
JP7200484B2 (ja) 断熱材
JPH0347849A (ja) 部分架橋熱可塑性エラストマー発泡体およびその製造方法
JP3588545B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法
JPH02255738A (ja) 部分架橋熱可塑性エラストマー発泡体およびその製造方法
JPH0881590A (ja) 樹脂組成物
Fritz et al. Generation of Partially Crosslinked Expanded PP-films and-sheets
JP3306189B2 (ja) 発泡用オレフィン系樹脂組成物
JP3535259B2 (ja) ポリプロピレン樹脂発泡体の製造方法
KR101928927B1 (ko) 내충격성이 우수한 올레핀 블럭 공중합체 발포입자
JP4291613B2 (ja) 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
SU1798350A1 (ru) Пoлиoлeфиhobaя komпoзиция
JP3615848B2 (ja) 切削可能な通函用素材及びその製造方法