JP3711814B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は弾球遊技機に関し、詳しくは遊技の進行を司る主制御基板と、賞球の払い出しを行う賞球払出制御基板とを備えた弾球遊技機に係わる。
【0002】
【従来の技術】
弾球遊技機、例えばパチンコ遊技機においては、発射された遊技球が入賞口に入賞すると予め定められた個数の遊技球を景品球として払い出すよう構成されている。遊技盤面上の各入賞口に入賞した遊技球は、セーフ球タンクに一旦停留され、停留された遊技球はセンサにより1個つ検出され、所定個数の賞球としての遊技球をモータ等の駆動装置により遊技者に払い出した後、検出された遊技球はセーフ球タンクから排出される。
この従来のパチンコ遊技機は、入賞した遊技球がセーフ球タンクに停留され、賞球を払い出してから機外に排出することから、停電等の不測の事態が生じても入賞した遊技球がセーフ球タンクに停留されていることから、遊技者に不利益を与えることがないという効果を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のパチンコ遊技機は、以下の課題を有していた。
(1)セーフ球タンクを備える必要のあることから構成が嵩張、複雑になる。
(2)停電等が発生したときには、払い出すべき賞球のデータが消滅することから、最大数の賞球数を払い出すことになり正確な賞球を払い出していない。
例えば、入賞球1個に対して5個又は10個の賞球を払い出すべき場合でも、遊技者に不利益を与えないために15個の賞球を払い出すことになる。
【0004】
これらの課題を解決するために、近年、賞球を払い出すための賞球払い出し制御基板を備え、払い出すべき賞球個数に対応したデータを賞球払い出し基板のメモリに記憶し、このメモリをバッテリバックアップする提案が為されている。
該提案に係る発明として、本願出願人は、特願平10−126693号の「弾球遊技機」に示す発明を行った。
この提案は、パチンコ機の機構を単純化することができる、正確な賞球を払い出すことができるという優れた効果を有する。
【0005】
かしながら、前述した賞球払い出し基板を備えるパチンコ遊技機等においては、猶、次のような課題が考えられる。
(1)何等かの原因により、例えば、蛇腹の玉詰まり等により補給玉タンクに賞球としての遊技球が無くなり、賞球払い出し装置に遊技球が供給されなくなったとき又は賞球払い出し装置が故障したとき、賞球払い出し装置から賞球が払い出されない状態で、発射された遊技球が、例えば大当たり状態等であることにより、連続して入賞することがある。係る場合には、入賞したことを記憶するデータが徒に増加するといった課題、
(2)入賞したことを記憶するデータが増加する結果、入賞を記憶するメモリの領域を超えて入賞データを記憶し、遊技の進行に思わぬ弊害を与えることがあるという課題、
(3)或いは、入賞データを記憶する記憶領域を超えてデータ書き込まないよう制限しているときには、入賞があっても遊技者に賞球が払い出されないことを招くことがあるという課題、
が考えられた。
本発明の弾球遊技機は、これらの課題を好適に解決し、一層健全な弾球遊技機を提供することを目的として為されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び効果】
前記課題を解決するため請求項1に記載の弾球遊技機は、
発射手段により遊技盤上に発射された遊技球の挙動に起因した遊技の進行を司る主御基板と、
賞球払い出し手段により遊技者に賞球を払い出す賞球払出制御基板と、
交流電源が供給され、該交流電源を直流電源に変換し、該変換した直流電源を前記主制御基板及び賞球払出制御基板に供給する電源基板と、
を含む遊技機において、
前記電源基板にリセット回路と、バックアップ供給電源と、前記変換された直流電源の電圧低下を監視するバックアップ電圧監視回路と、を備え、
前記電源基板のリセット回路からリセット信号を入力することにより前記主制御基板及び賞球払出制御基板は制御動作を立ち上げ、
前記電源基板のバックアップ電圧監視回路からバックアップ信号を入力することにより前記主制御基板及び賞球払出制御基板はデータを待避し、RAMへのアクセスを禁止した後に制御動作を停止し、
前記主制御基板及び賞球払出制御基板は制御動作を停止した後の停電時に、前記電源基板のバックアップ供給電源により前記待避したデータを記憶保持する、ことを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の弾球遊技機は、前述した構成により、払出制御基板及び主制御基板は、1つの電源基板によりリセットされて制御動作の立ち上げを実行し、また制御動作の停止を実行するよう構成されている。これにより、制御の統一化を実現することができるという効果、各制御基板にリセット回路を設けることがないので部品点数の削減を図ることができるという効果、部品の誤差による制御タイミングのズレを防ぐという効果、リセットのタイミング等は電源基板だけをチェクすれば各制御基板でのタイミングを判定することができ検査効率を高めるという効果を有する。
また、バックアップ電圧監視回路により制御動作を停止する前に、データを待避させているので記憶保持されるデータの正確性及び確実性を確保することができるという効果も有する
【0013】
請求項に記載の弾球遊技機は、主制御基板及び賞球払出制御基板は、RAMへのアクセスを禁止した後、所定時間内にCPUを停止させる信号を入力しない場合にはRAMへのアクセス禁止を解除し、制御動作を停止しないことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機である。
【0014】
請求項に記載の弾球遊技機によれば、このRAMへのアクセス禁止処理は、電源電圧の不安定な状態でのRAMへの書き込みを禁止することにより、待避するデータの正確性及び確実性を高めることができるという効果を有する。
【0015】
請求項に記載の弾球遊技機は、
前記賞球制御基板に記憶される未払い個数データが予め定められた個数を超えれば遊技球の発射を停止することを特徴とする請求項1又は2に弾球遊技機である。
【0016】
請求項3に記載の弾球遊技機によれば、未払の入賞数を無制限に増加させるという不具合を未然に解決し、また、メモリオーバしてデータを書き込むことにより発生する不測の不具合の発生を未然に防ぐことができるという効果を有する。 更に、メモリオーバするときに書き込み禁止する処理を行うことなく、未然に遊技球の発射を停止する処理を行うので、入賞に対応する遊技球は必ず賞球として払い出すことができ、遊技者に不利益を与えないという効果も有する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
図1に示すように、本実施例のパチンコ機10は、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のカードリーダ(プリペイドカードユニット)13が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジ14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。
前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。カードリーダ13のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると遊技球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より遊技球が排出される。
【0018】
前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して解放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重にはめ込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。
上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル24が取り付けられている。この発射ハンドル24の外周には、図示しない回動リングが擁され、時計方向に回動すれば遊技球を遊技盤22上に発射することができる。
上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が遊技球で満杯状態になれば下皿23に遊技球を誘導するよう構成されている。
【0019】
図2はパチンコ機10を裏側から見た裏面図である。図示するように、前述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が前述した外枠11に収納されている。この機構盤26には、上方から、球タンク27誘導樋28及び払出し装置29が設けられている。この構成により、遊技盤22上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク27から誘導樋28を介して所定個数の遊技球を払出し装置29により前述した上皿15に排出することができる。
また、機構盤26には主制御基板30及び払出制御基板31が脱着可能に、遊技盤22には特別図柄表示装置32が、前面枠12の左下部には発射制御基板33が、特別図柄表示装置32の左側に外部接続端子基板50が、各々取り付けられている。
【0020】
次に図3を用いて遊技盤22について説明する。
図3に示すように遊技盤22には、中央に特別図柄表示装置32を構成するLCDパネルユニット(以下、「LCD」という。)32a、その下部に第1種始動口としての普通電動役物36、LCD32a上部の普通図柄表示装置37、普通図柄表示装置37に表示される図柄の変動開始に用いられるLCD32aの左右の普通図柄作動ゲート38及び39、普通電動役物36下部の大入賞口40、盤面最下部のアウト口41、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。
この構成により、前述した発射ハンドル24を回動すれば発射制御基板33により駆動される発射モータ33aが駆動されて上皿15上の遊技球がガイドレールを介して遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が各入賞口に入賞すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞しなければアウト口41を介してアウト球として同様に盤面裏面に取り込まれる。
【0021】
続いて前述したパチンコ機10の電気的構成を図4のブロック図を用いて説明する。
パチンコ機10の電気回路は、図示するように、前述した主制御基板30、払出制御基板31、特別図柄表示装置32、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35等から構成されている。尚、この回路図には、信号の受け渡しを行うために所謂中継基板等は記載していない。
【0022】
主制御基板30は、遊技制御プログラムを記憶したROM及び演算等の作業領域として働くRAMを内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、この他各基板又は各種スイッチ類及び各種アクチェータ類との入出力を行うための外部入出力回路も設けられている。
主制御基板30の入力側には、第1種始動口スイッチ36a、普通図柄作動スイッチ38a及び39a、役物連続作動スイッチ(以下、単に「Vスイッチ」と呼ぶ)40a、カウントスイッチ40b、満タンスイッチ43、補給スイッチ44、複数のその他入賞口スイッチ45、玉抜スイッチ46等が接続されている。また、出力側には、大入賞口ソレノイド40c、Vソレノイド40、普通役物ソレノイド36b及び外部接続端子基板50等が接続されている。
【0023】
第1種始動スイッチ36aは前述した遊技盤22上の普通電動役物36内、普通図柄作動スイッチ38a及び39aは各々普通図柄作動ゲート38及び39内、Vスイッチ40aは大入賞口40内の特定領域内、同じくカウントスイッチ40bは大入賞口40内、満タンスイッチ43は下皿23内、補給スイッチ44は球タンク27内、その他入賞口スイッチ45は普通電動役物36及び大入賞口40以外の盤面上の各々の入賞口、玉抜スイッチ46は払出し装置29の近傍に各々取り付けられている。ここで、Vスイッチ40aは大入賞口40内に入賞した遊技球が特別装置作動領域(以下、「特別領域」という。)を通過したことを、カウントスイッチ40bは大入賞口40内に入賞する全ての遊技球を、満タンスイッチ43は下皿23内に遊技球が満タン状態になったことを、補給スイッチ44は球タンク27内に遊技球が存在することを、その他入賞口スイッチ45は普通電動役物36及び大入賞口40以外の盤面上の各々の入賞口に遊技球が入賞したことを、玉抜スイッチ46は玉抜操作ボタンが押下されたことを各々検出するためのものである。
また、出力側に接続された大入賞口ソレノイド40cは大入賞口40、Vソレノイド40dは大入賞口40内の特別領域、普通役物ソレノイド36bは普通電動役物36の開閉に各々使用されるものである。
【0024】
特別図柄表示装置32は、前述したLCD32aと、このLCD32aを駆動制御する図柄表示装置制御基板(以下、単に「図柄制御基板」(「画像制御基板」ともいう。)という。)32b及びバックライト及びインバータ基板等の付属ユニットから構成されている。図柄制御基板32bは、前述した主制御基板30と同様8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。
【0025】
払出制御基板31は、主制御基板30と同様マイクロコンピュータを用いた論理演算回路として構成され、その入力回路には賞球払出スイッチ31a及び貸玉払出スイッチ31bが接続され、出力回路には玉切モータ31c及び玉貸モータ31dが接続されている。また、払出制御基板31には、前述したカードリーダ13が双方向に接続され、カードリーダ13にはCR精算表示基板47が接続されている。賞球払出スイッチ31aは、主制御基板30にも接続されている。
玉切モータ31c及び玉貸モータ31dは、前述した払出装置29に設けられ、誘導樋28から供給される遊技球を下方に所定個数流下させるものである。玉切モータ31cから払い出される遊技球は賞球払出スイッチ31aにより検出され、玉貸モータ31dから払い出される遊技球は貸玉払出スイッチ31bにより検出される。
CR精算表示基板47は、前述した上皿15の貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18等から構成されている。尚、CR精算表示基板47を払出制御基板31に接続する構成としても良い。
本具体例では、払出制御基板31の出力回路には発射制御基板33が接続され、払出制御基板31から発射制御基板33に信号を出力することができるよう構成されている。また、前述した主制御基板30の入力側に接続される玉抜スイッチ46は、払出制御基板31の入力回路に接続されている。
【0026】
前記構成により主制御基板30から賞球払い出し指令のデータが送信されると、このデータを受信した払出制御基板31は、未払の賞球データに送信されたデータが示す賞球個数を加算して新たな賞球データとして記憶し、所定個数の遊技球を賞球として払い出した後に賞球払出スイッチ31aにより検出された遊技球を記憶した賞球データから減算処理を実行して新たな賞球データとし、この賞球データの値が零になるまで払い出し処理を実行する。
一方、CR精算表示基板47の貸出釦16を押下すると、100円の場合はカードリーダ13から払出制御基板31に1パルスの信号が送信され、500円の場合には5パルスの信号が送信される。払出制御基板31は、1パルスの信号に対して25個の遊技球が貸玉払出スイッチ31bにより検出されるまで玉貸モータ31dを駆動制御して貸し玉を払い出す処理を実行する。
【0027】
発射制御基板33は、遊技者が操作する発射ハンドル24の回動量に応じて発射モータ33aを駆動制御するものであり、その他遊技者が発射停止スイッチ24bを押下したとき発射を停止させたり、発射ハンドル24に内蔵されたタッチスッチ24aがオン状態のときタッチランプ48を点灯させるためのものである。
タッチスイッチ24aは発射ハンドル24に内蔵され遊技者が発射ハンドル24に触れていることを検出する。
【0028】
ランプ制御基板34は主としてトランジスタ等の駆動素子から構成されており、主制御基板30からの指令を受けて普通図柄表示装置37、大当たりランプやエラーランプ等のランプ類及びLED等の各種ランプ類を点灯表示させるためのものである。
【0029】
音制御基板35は音源IC及びアンプ等から構成されており、主制御基板30の指令を受けてスピーカ49を駆動制御するためのものである。
【0030】
前述した特別図柄表示装置32、払出制御基板31、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35への送信は、主制御基板30からのみ送信することができるよう一方向通信の回路として構成されている。この一方向通信の回路は、インバータ回路又はラッチ回路を用いて具現化することができる。
【0031】
前記主制御基板30、払出制御基板31、図柄制御基板32b、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35等へは、図5に示すように、電源基板55から各種電源が供給されている。電源基板55は、24V交流電源からDC32V、DC12V、DC5V、更にコンデンサによりDC5Vのバックアップ電源を生成し、各制御基に必要な電源を供給するよう構成されている。DC5Vのバックアップ電源は、主制御基板30と払出制御基板31に供給されている。
【0032】
ここで、図6に示すように、電源基板55には、リセット1回路60及びリセット2回路61、バックアップ1電圧監視回路62およびバックアップ2電圧監視回路63が備えられている。リセット1回路60は、主制御基板30のCPU64のリセット端子RESに接続されている。リセット2回路61は、払出制御基板31のCPU65のリセット端子RES、図柄制御基板32bのCPU66のリセット端子RES等に接続されている。バックアップ1電圧監視回路62は、主制御基板30のCPU64の強制割り込み端子NMIに接続されている。バックアップ2電圧監視回路63は、払出制御基板31のCPU65の強制割り込み端子NMIに接続されている。尚、前述したように、5Vバックアップ電源は、主制御基板30のCPU64のバックアップ端子VBB、及び払出制御基板31のCPU65のバックアップ端子VBBに接続されている。
【0033】
リセット1回路60は、図7に示すように、電圧監視IC11、抵抗器R17、R18及びR19、バイバスコンデンサC10等から構成されている。電圧監視IC11の入力端子であるVSB端子には、抵抗器R17とR18とで分圧したDC12Vの電源が供給され、出力端子であるRESET端子は、抵抗器R19でDC5Vにプルアップされている。
前記構成により電圧監視IC11の出力端子であるRESET端子は、DC12V電源の電圧が9.39〜10.21V以下に低下すると、出力するリセット信号1を、ハイレベルからロウレベルに変化させる。
【0034】
リセット2回路61は、図8に示すように、電圧監視IC8、抵抗器R38、R39及びR40、バイパスコンデンサC22及びC23等から構成されている。電圧監視IC8の入力端子であるVS端子には、抵抗器R39とR40とで分圧したDC12Vの電源が供給され、出力端子であるRESET端子は、抵抗器R38でDC5Vにプルアップされている。
前記構成により電圧監視IC8の出力端子であるRESET端子は、DC12V電源の電圧が7.20〜7.75V以下に低下すると、出力するリセット信号2を、ハイレベルからロウレベルに変化させる。
【0035】
バックアップ1電圧監視回路62は、図9に示すように、コンパレータIC1A、抵抗器R41〜R45等から構成されている。コンパレータIC1Aのマイナス入力端子には、抵抗器R43とR44とで分圧したDC5Vの電源が供給され、プラス入力端子には、抵抗器R41とR42とで分圧したDC12Vの電源が供給され、出力端子は抵抗器R45でDC5Vにプルアップされている。
前記構成によりコンパレータIC1Aの出力端子は、DC12V電源の電圧が10.25〜10.70V以下に低下すると、出力するバックアップ信号1を、ハイレベルからロウレベルに変化させる。
【0036】
バックアップ2電圧監視回路63は、図10に示すように、コンパレータIC2A、抵抗器R51〜R55等から構成されている。コンパレータIC2Aのマイナス入力端子には、抵抗器R53とR54とで分圧したDC5Vの電源が供給され、プラス入力端子には、抵抗器R51とR52とで分圧したDC12Vの電源が供給され、出力端子は抵抗器R55でDC5Vにプルアップされている。
前記構成によりコンパレータIC2Aの出力端子は、DC12V電源の電圧が8.00〜9.23V以下に低下すると、出力するバックアップ信号2を、ハイレベルからロウレベルに変化させる。
【0037】
前記構成により、パチンコ機10に電源が投入されたときの主制御基板30と、払出制御基板31及び図柄制御基板32b等の主制御基板以外のサブ制御基板との各々のCPUの動作又は制御動作の立ち上がり状態を、図11に示すタイミングチャートに従って説明する。
パチンコ機10に電源が投入されると、電源基板55によりDC32V、DC12V、バッテリバックアップ電源(VBB)であるDC5Vが生成される。この生成された各電源は各制御基板に供給されるが、リセット1回路60及びリセット2回路61の働きにより払出制御基板31等の各サブ制御基板及び主制御基板30は次のように動作の立ち上げ処理を行う。
【0038】
図11に示すように、電源基板55に電源が投入されると(ポイントP1)、DC12V電源の電圧は放物線を描いて漸次0Vから12Vに立ち上がる。この漸次立ち上がるDC12V電源の電圧が、基準値LV2(本具体例では、7.20〜7.75V)になるとリセット2回路60の出力信号であるリセット信号2がロウレベルからハイレベルとなる。これにより、サブ制御基板の各CPUのリセットが解除され、払出制御基板31のCPU65がセキュリティチェック動作を開始する(ポイントP2)。このとき、本具体例では、払出制御基板31を除く図柄制御基板32b等の各サブ制御基板は、セキュリティチェック動作は実行せずに本来の制御を実行するよう構成されている。
DC12Vの電源電圧が基準値LV2のときには、リセット1回路60の出力信号であるリセット信号1は、まだロウレベルの状態を維持している。従って、主制御基板30のCPU64は、まだ立ち上がっていない。
【0039】
DC12Vの電源電圧が基準値LV2から基準値LV1(本具体例では、9.39〜10.21V)に上昇すると、リセット1回路60のリセット信号1は、ロウレベルからハイレベルとなる。これにより、主制御基板30のCPU64のリセットが解除され、CPU64がセキュリティチェック動作を開始する(ポイントP3)。
主制御基板30のCPU64のセキュリティチェック時間T1は、払出制御基板31のCPU65のセキュリティチェック時間T2と同等かそれ以上長くなるように設計されている。
尚、セキュリティチェックとは、周知の如く、ワンチップマイコンであるCPU63及び64が遊技の進行内容を書き込んだROMの内容が正規の内容であるか否かをチェックする機能のことである。
【0040】
主制御基板30のセキュリティチェック時間T1が払出制御基板31のセキュリティチェック時間T2以上であり、且つ主制御基板30のCPU64のリセット解除時点が各サブ制御基板のCPUのリセット解除時点より遅い(ポイントP4及びP5)。これにより、主制御基板30のCPU64がROMに書き込まれたプログラムに従って遊技の制御を実行開始するときには、各サブ制御基板は既に遊技の制御を実行している。この結果、電源投入後直ちに、主制御基板30のCPU64が各サブ制御基板にデータを送信しても、各サブ制御基板は本来の制御を実行しているので確実にデータを受信することができる。
尚、本具体例では、セキュリティチェック時間T1は約439msであり、主制御基板30のCPU64が電源の投入から遊技の制御を実行するまでの時間は、約529ms〜549msである。また、セキュリティチェック時間T2は約200msであり、サブ制御基板の1つである払出制御基板31のCPU65が電源の投入から遊技の制御を実行するまでの時間は、約202ms〜203msである。
【0041】
次にパチンコ遊技機10への電源投入が遮断されるときの動作を、図12に示すタイミングチャートに従って説明することにする。
パチンコ遊技機10への電源投入が遮断されると(ポイントP6)、電源基板55で生成されるDC12Vの電源電圧は、遮断直後の低下が著しいもののその後はほぼリニアに低下してゆき所定時間後に0Vとなる。このリニアに漸減してゆく途中で、基準電圧LV4(本具体例では、10.25〜10.70V)に至ると(ポイントP7)、電源基板55のバックアップ1電圧監視回路62のバックアップ信号1は、ハイレベルからロウレベルに変化する。これにより、主制御基板30のCPU64の強制割り込み端子NMIがロウレベルとなり、CPU64にノンマスカブルインターラプトがかかることになる。このとき、CPU64は、現状のゲーム進行状況を示すデータを待避し、その後RAMへのアクセスを禁止することができる。
【0042】
電源電圧DC12Vの電圧が基準電圧LV4から前記基準電圧LV1に低下すると(ポイントP8)、電源基板55のリセット1回路60のリセット信号1はハイレベルからロウレベルに変化する。これにより、CPU64をリセット状態とする。この後、時間の経過に従ってDC12Vの電源電圧は漸減してゆき基準電圧LV(本具体例では、8.00〜9.23V)に至ると(ポイントP9)、バックアップ2電圧監視回路63の出力信号2がハイレベルからロウレベルに変化する。これにより、払出制御基板31のCPU65のNMI端子がロウレベルとなり、CPU65にノンマスカブルインターラプトがかかることになる。このとき、CPU65は、現状の賞球払い出し状態及び玉貸しの払い出し状態を示すデータを待避し、その後RAMへのアクセスを禁止することができる。
【0043】
DC12Vの電源電圧が基準電圧LV3から更に低下し基準電圧LV2に至ると(ポイントP10)、リセット2回路61の出力信号であるリセット信号2がハイレベルからロウレベルに変化する。これにより、CPU6及びCPU6をリセット状態とすると共に、その他のサブ制御基板の動作を停止させる。
ここで、前述したように、主制御基板30及び払出制御基板31各々のRAMはバッテリバックアップされており、電源遮断時もRAMに記憶されたデータは所定時間(本実施例では、約1時間20分〜約3時間30分)記憶保持される。
【0044】
前述したように、電源投入が遮断される場合、先ず主制御基板30のCPU64をリセット状態とし、その後、サブ制御基板の各CPUをリセット状態とする。これにより、主制御基板30のCPU64が電源投入が遮断される前に送信したデータを各サブ制御基板が確実に受信されるという効果を有する。
【0045】
次に前述した構成を有する本具体例の動作を、電源投入時及び電源遮断時について説明し、電源投入後から電源が遮断されるまでの処理は従来と同様なので詳細な説明は割愛する。ここでは、便宜上先ず、電源遮断時の処理を図13に示すフローチャートに従って説明することにする。
図13に示すフローチャートは、主制御基板30のCPU64及び払出制御基板31のCPU65により実行される処理であり、各々のCPUの強制割り込み端子NMIがハイレベルからロウレベルに変化する信号の立ち下げ時に実行される処理である。
CPU64及びCPU65により実行される処理が本ルーチンに移行すると、先ず、RAMの複数の所定領域に所定値55Hを書き込む処理が為される(ステップS100)。書き込まれる所定値は、如何なる値でも良いが、1バイト中の各々のビットが交互に「1」と「0」とになる55H又はAAHが好ましい。
【0046】
RAMの所定領域に所定値が書き込まれた後、データの待避が実行される(ステップS110)。このデータの待避処理は、主制御基板30では現状のゲームの進行状況、例えば、高確率中であるか否か、大当たり中であるか否か、特別図柄表示装置32で図柄変動中であるか否か等のゲームの進行状況を示す各データをRAMの所定領域に書き込む処理である。一方、払出制御基板31では、現状の賞球個数の払い出し状態及び貸し球の払い出し状態を示す各データをRAMの所定領域に書き込む処理である。この待避処理は、現状の状態を常にRAMの所定領域に書き込むアルゴリズムであれば、特にこの処理を実行する構成としなくても良い。データの待避が実行されると、次にRAMへのアクセスが禁止される(ステップS120)。
【0047】
このRAMへのアクセス禁止処理は、電源電圧の不安定な状態でのRAMへの書き込みを禁止することにより、待避するデータの正確性及び確実性を高めるためである。
RAMへのアクセスが禁止されると、リセット端子RESがローレベルに低下するのを待つ処理が実行される(ステップS130)。ここで、所定時間内にリセット端子がローレベルに低下すると、具体的には前述したリセット1回路60の出力するリセット信号1がローレベルに低下すると、CPU64は動作を停止し、同じく前述したリセット2回路61の出力するリセット信号2がローレベルに低下すると、CPU65は動作を停止する。一方、所定時間内に各リセット信号がローレベルに低下しない場合は、電源電圧が一時的に基準電圧LV3又はLV4に至らずに少し低下しただけで元の電圧に復帰したときである。この場合には、RAMへのアクセス禁止処理が解除された後(ステップS140)、処理は「リターン」に抜け本来の処理が実行される。
【0048】
電源が投入され、セキュリティチェックが終了すると、主制御基板30のCPU64は、図14に示す「電源投入時ルーチン」を実行する。このルーチンは、リセット端子RESがローレベルからハイレベルに変化する信号の立ち上げ時に1回だけ実行される。
このルーチンに処理が移行すると、停電復旧時か否か判断される(ステップS150)。本具体例では、DC5Vのバックアップ電源は、前述したように、コンデンサにより約1時間20分〜約3時間30分間CPU64及びCPU65のRAMに記憶されたデータを記憶保持するよう構成されている。このため、停電ではなく、営業が終了してから翌朝に電源を投入する通常状態では、RAMのデータは記憶保持されていない。これにより、RAMの所定領域に書き込まれた所定値は、記憶保持されることなく所定値とは異なった値となっている。一方、瞬停を含む一般的な停電は、1時間もあれば復旧する。係る停電時には、RAMの所定領域に書き込まれた所定値は、変化することなく記憶保持されている。従って、RAMの所定領域に書き込まれた値を比較することにより、停電復旧時か否かが判定される。
【0049】
ステップS150の判定処理により、停電復旧時でないとの否定判定が為されると、メモリの値をクリアする等の初期設定(ステップS160)が実行され、停電復旧時との肯定判定が為されると、復旧処理(ステップS170)が実行され処理はリターンに抜ける。
復旧処理では、主制御基板30のCPU64は、待避したゲームの進行を示すデータから通常の処理を実行するための準備を実行し、各サブ制御基板に停電から復旧したことを知らせるコマンドコードを送信する。このコマンドコードを受信した図柄制御基板32bは、LCD32aの画面上に「停電復旧処理実行」、「停電前のゲーム内容から続行しています」等のメッセージを表示する処理を行う。或いは、音制御基板35は、音声により停電があったことを報知する。
この後、CPU64は、図15に示す周知の「メインルーチン」を2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行する。
即ち、このメインルーチンは、本処理と残余処理からなり、詳細は略すが、正常割り込みか否かの判定(ステップS200)、初期設定(ステップS210)、乱数更新処理(ステップS220)、各入力処理(ステップS230)、当否判定処理(ステップS240)、画像出力処理(ステップS250)、各出力処理(ステップS260)、外れ図柄乱数更新処理(ステップS270)の各処理が実行される。
これにより、主制御基板30のCPU64は、停電発生時には、停電前のゲームの進行状態から続行してゲームの制御を司ることができ、遊技者に不測の不利益や違和感を与えることがない。
【0050】
一方、払出制御基板31のCPU65は、電源が投入されセキュリティチェックが終了すると、図16に示す「メインルーチン」を実行する。
このルーチンでは、前述したステップS150の処理と同様の処理により、停電復旧時か否か判定され(ステップS300)、停電復旧時との肯定判定が為されると、記憶保持されたデータに基づき玉切モータ31cを駆動制御して賞球の払い出しを実行し(ステップS310)、玉貸モータ31dを駆動制御して貸し玉の払い出しを実行する(ステップS320)。これにより、停電発生時に未払の賞球データがあれば、停電復旧後に記憶保持されたデータに基づき賞球の払い出しが実行される。同様に、停電発生時に未払の玉貸データがあれば、停電復旧後に記憶保持されたデータに基づき玉貸しの払い出しが実行される。これにより、停電が発生しても遊技者に不利益を与えることはない。
前記ステップS300の判定処理により、停電復旧時でないとの否定判定が為されると、初期設定(ステップS330)が実行された後に通常の処理が実行される。
【0051】
前述した構成により、払出制御基板31及び図柄制御基板32bを含むサブ制御基板及び主制御基板30は、1つの電源基板55によりリセットされて制御動作の立ち上げを実行し、また制御動作の停止を実行するよう構成されている。これにより、制御の統一化を実現することができるという効果、各制御基板にリセット回路を設けることがないので部品点数の削減を図ることができるという効果、部品の誤差による制御タイミングのズレを防ぐという効果、リセットのタイミング等は電源基板55だけをチェクすれば各制御基板でのタイミングを判定することができ検査効率を高めるという効果、を有する。
また、本具体例では、バックアップ電圧監視回路により制御動作を停止する前に、データを待避させているので記憶保持されるデータの正確性及び確実性を確保することができるという効果も有する。
更に、本具体例では、電源基板55に2つのリセット回路を備え、主制御基板3をサブ制御基板よりも早く制御動作を停止させ、電源投入時にはサブ制御基板を主制御基板3よりも早く制御動作を立ち上げるよう構成している。これにより、1方向通信の回路を構成しながらも各サブ制御基板は確実に主制御基板30からのデータを受信することができるという優れた効果を有する。
【0052】
更に、本具体例では、図4に示したように、賞球払出スイッチ31aは、払出制御基板31及び主制御基板30に接続されている。これにより、主制御基板30でも、入賞に係る賞球個数データと賞球の払い出し個数とをデータ管理することができ、主制御基板30でのデータ管理される賞球データを払出制御基板31に送信することにより比較判断することができる。また、払出基板31での賞球データが何等かの原因により消滅した場合には、主制御基板30での賞球データに基づき遊技客に賞球の払い出しを実行することもできる。
また、本具体例では、玉抜スイッチ46は、主制御基板30及び払出制御基板31に各々接続されているので、玉抜き操作を実行したときに賞球払出スイッチ31aにより検出される遊技球を、主制御基板30及び払出制御基板31で賞球による払い出しではなく玉抜き操作によるものと判断することができる。
【0053】
次に遊技盤面上に発射された遊技球が大入賞口40等の各入賞口に入賞した場合に行われる処理を図17〜図23に従って説明することにする。
主制御基板30のCPU6により実行される処理が、図17に示す「入賞記憶ルーチン」に移行すると、先ず、入賞が有るか否かが判定される(ステップS400)。本具体例では、始動口としての普通電動役物36が5個賞球、大入賞口40が15個賞球、その他入賞口が10個賞球の入賞口として構成されている。普通電動役物36に入賞したことは第1種始動口スイッチ36a、大入賞口40に入賞したことはカウントスイッチ40b、その他の入賞口に入賞したことは複数のその他入賞口スイッチ52により検知される。
入賞があるとの肯定判断が為されると(ステップS400)、未払入賞数MMNの値がインクリメント(+1)され(ステップS410)、その後入賞順番記憶処理が実行され(ステップS420)、処理はリターンに抜ける。また、ステップS400で否定判断が為されると処理はリターンに抜ける
【0054】
入賞順番記憶処理(ステップS420)は、図18のメモリマップに示すように、20バイトのメモリ空間上に1入賞に対して2ビットのメモリを使用して賞球数を判別するデータが入賞の順番に書き込まれる。本具体例では、5個賞球の入賞口の入賞に対して01(H)、10個賞球の入賞口の入賞に対して10(H)、15個賞球の入賞に対して11(H)のデータが書き込まれる。本具体例では、入賞が検知された順番に最下位ビットから2ビットづつ使用されて1バイト中に4個の入賞に対する賞球個数を表すデータが書き込まれ、1バイトのメモリが使用されれば、次の上位のアドレスのメモリに書き込まれる。メモリ空間のどの位置に書き込むかは、インクリメントされた未払入賞数MMNの値により判定することができる。
【0055】
前記「入賞記憶ルーチン」により入賞データが記憶されると、図19に示す「入賞送信ルーチン」が実行される。尚、図17に示す「入賞記憶ルーチン」及び図19に示す「入賞送信ルーチン」は、ハード割り込みにより定期的に実行される。
図19に示す「入賞送信ルーチン」では、前記未払入賞数MMNの値が零でないか否かが先ず判定される(ステップS450)。未払入賞数MMNの値が零でなければ、入賞送信処理が実行される(ステップS460)。本具体例では、アドレスA000(H)の1バイトのデータがそのまま、即ち、4個の入賞にたいする賞球個数のデータが一度に図柄制御基板32bに送信される。例え、未払入賞数MMNの値が3以下1以上であっても1バイトのデータがそのまま送信される。
入賞送信処理が実行されると、前記未払入賞数MMNの値から値4が減算され(ステップS470)、次に減算処理された未払入賞数MMNの値が零以下か否か判定される(ステップS480)。零以下でないとの否定判定が為されると、記憶更新処理が実行され(ステップS490)、処理はリターンに抜ける
【0056】
記憶更新処理(ステップS490)は、アドレスが1上のアドレスの1バイトのデータをアドレスが1下のアドレスにコピーする処理をデータが書き込まれていないアドレスまで繰り返し実行する処理である。具体的に言えば、アドレスA001(H)のデータをアドレスA000(H)に、アドレスA002(H)のデータをアドレスA001(H)、アドレスA003(H)のデータをアドレスA002(H)、に次々と1バイトづつコピーする処理であり、データが書き込まれていないアドレスまで繰り返し実行する処理である。
一方、前記ステップS80において、未払入賞数MMNの値が零以下との肯定判定が為されると、未払入賞数MMNの値を零クリアし(ステップS500)、アドレスA000(H)〜A013(H)までのメモリを零クリアする処理(ステップS510)が実行され、処理はリターンに抜ける。また、ステップS450で未払入賞数MMNの値が零であれば、処理はリターンに抜ける。
【0057】
尚、本具体例では、入賞送信処理(ステップS460)は、1バイトのデータを1回の処理により送信する構成としたが、アドレスA000(H)の最下位ビットである1ビット目及び2ビットのデータを1回の処理により送信する構成としても良い。この構成の場合には、送信処理の後に未払入賞数MMNの値がデクリメント(−1)され、記憶更新処理はデータを2ビットづつ右シフトし、7ビット目と最上位ビットである8ビット目には、アドレスが1つ上の1ビット目と2ビット目のデータがコピーされる。
【0058】
払出制御基板31のCPU6は、主制御基板30からの入賞データの送信があることを判定すると(ステップS550(図20 「受信データ記憶ルーチン」))、未払入賞数ZMNを加算する処理を実行する(ステップS560)。
前記ステップS560の加算処理は、送信された1バイトのデータが4個の入賞に対する各々の入賞個数を表したデータであれば未払入賞数ZMNを+4、3個の入賞に対する各々の入賞個数を表したデータであれば未払入賞数ZMNを+3、2個の入賞に対する各々の入賞個数を表したデータであれば未払入賞数ZMNを+2、1個の入賞に対する各々の入賞個数を表したデータであれば未払入賞数ZMNを+1、加算する処理である。
未払入賞数ZMNの加算処理が為されると(ステップS560)、未払入賞数ZMNがメモリオーバでないか否か判定される(ステップS570)。本具体例では、入賞個数を記憶するメモリは、図18に示した主制御基板30の入賞個数を記憶するメモリと同様、20バイトのメモリが容易されていて、5個賞球の賞球個数を01(H)、10個賞球の賞球個数を10(H)、15個賞球の賞球個数を11(H)の2ビットが使用される。従って、20バイトのメモリで80個の遊技球の入賞に対する各々の賞球個数を記憶することができる。
【0059】
メモリオーバでないとの判定が為されると、入賞順番記憶処理が実行される(ステップS580)。この処理は、主制御基板30で行ったステップS420の処理と同様、入賞に対応した賞球個数をメモリ上に書き込む処理であって、加算される前の未払入賞数ZMNに+1した未払入賞数ZMNに対応するメモリ空間上から送信された1〜4の入賞数を加算した未払入賞数ZMNに対応するメモリ空間上に01(H)、10(H)又は11(H)のデータが書き込まれる。尚、送信された1バイトのデータにより入賞数が1〜4のいづれであるかは、最上位ビットからどのビットまで00(H)が連続するかで判定できる。
前記ステップS550において送信された1バイトのデータに表された1個〜4個の入賞個数がメモリオーバに該当する場合には、該当する入賞個数分だけ加算されて新たなオーバ入賞数OMNとする処理が実行される(ステップS590)。
【0060】
ステップS580及び/又はステップS590の処理が実行されると、賞球個数M5D、MAD、MEDの加算処理が実行され(ステップS600)、処理はリターンに抜ける。この処理は、送信された1バイトのデータの中に01(H)のデータがあれば賞球個数M5Dをインクリメント(+1)し、10(H)のデータがあれば賞球個数MADをインクリメントし、11(H)のデータがあれば賞球個数MEDをインクリメントする処理である。また、ステップS550で否定判断が為されると処理はリターンに抜ける
図20に示す「受信データ記憶ルーチン」の各処理を実行することにより、払い出すべき15個賞球の入賞数が賞球個数MED、10個賞球の入賞数が賞球個数MAD、5個賞球の入賞数賞球個数M5Dとして記憶され、又、払い出すべき80個の入賞球に対する入賞の順番がメモリA000〜A013(H)上に記憶される。
【0061】
ここで、1回の送信処理により2ビットのデータ、即ち、1個の入賞に対するデータを送信する構成とした場合には、図21に示す「受信データ記憶ルーチン」の各処理(ステップS610〜S690)を実行することにより、払い出すべき15個賞球の入賞数を賞球個数MED、10個賞球の入賞数を賞球個数MAD、5個賞球の入賞数を賞球個数M5Dとして記憶し、又、払い出すべき80個の入賞球に対する入賞の順番をアドレスA000(H)〜A013(H)のメモリに記憶する構成としても良い。即ち、図20と同様に、主制御基板30からの入賞データの送信があることを判断すると(ステップS610)、未払入賞数ZMNを加算する処理を実行する(ステップS620)。また、未払入賞数ZMNがメモリオーバでない場合(ステップS630:YES)、入賞順番記憶処理(ステップS640)を行い、未払入賞数ZMNがメモリオーバである場合(ステップS630:NO)、該当の入賞個数分だけ加算され新たなオーバ入賞数OMNとする処理が行なわれる(ステップS650)。ステップS640又はS650の後、賞球個数が5個、10個、15個の場合につき、それぞれ賞球個数M5D,MAD,MEDがそれぞれ+1され(ステップS670〜S690)、処理はリターンに抜ける。ステップS610で否定判断が為されると、処理はリターンに抜ける。
【0062】
次に払出制御基板31のCPU6玉切モータ31cを駆動制御して賞球の払い出しを行う処理を、図22に示す「賞球払出しルーチン」に従って説明する。
前記ステップS560の処理により加算処理される未払入賞数ZMNの値が零でなく、且つオーバ入賞数OMNが零であれば(ステップS700〜S710)、未だ払い出していない入賞に対する賞球個数がメモリA000(H)〜A013(H)上に入賞の順番に記憶されていることになる。この場合には、払出制御基板31のCPU6は、アドレスの番地がA000(H)の最下位ビットである1ビット目と2ビット目のメモリに書き込まれたデータが、11(H)、10(H)又は01(H)かを判定する処理を行う(ステップS720)。
【0063】
判定処理により11(H)と判定されれば、賞球払出スイッチ31aにより15個の遊技球が払い出されたことが検出されるまで切モータ31cを駆動制御し(ステップS730)、その後、賞球個数MEDの値をデクリメント(−1)する処理を実行する(ステップS740)。判定処理により10(H)と判定されれば、賞球払出スイッチ31aにより10個の遊技球が払い出されたことが検出されるまで切モータ31cを駆動制御し(ステップS750)、その後、賞球個数MADの値をデクリメント(−1)する処理を実行する(ステップS760)。判定処理により01(H)と判定されれば、賞球払出スイッチ31aにより5個の遊技球が払い出されたことが検出されるまで切モータ31cを駆動制御し(ステップS770)、その後、賞球個数M5Dの値をデクリメント(−1)する処理を実行する(ステップS780)。
【0064】
賞球払い出し処理の実行が終了すると(ステップS720〜S780)、入賞順番記憶更新を実行した後(ステップS790)、未払入賞数ZMNをデクリメントし(ステップS00)、処理はリターンに抜ける。入賞順番記憶更新処理(ステップS790)は、A000(H)番地の1バイトのデータを2回右にシフト、即ち、書き込まれたデータが2ビット右に移動する処理を実行し、7ビット目と最上位ビットである8ビット目とには、A001(H)番地の1ビット目と2ビット目とのデータを移動させ、この処理をデータが書き込まれていないアドレスまで繰り返すことにより行われる。
一方、前記ステップS710によりオーバ入賞数OMNが零でないとの判定が為されたときは、未だ払い出されていない入賞の賞球データが80個を超えて入賞の順番が記憶されていない賞球を払い出す処理が実行され(ステップS810)、ステップS800の処理を実行し、リターンに抜けるまた、ステップS700で否定判断が為されると、処理はリターンに抜ける。このオーバ賞球払出し処理を、図23に示す「オーバ賞球払出し処理」に従って説明することにする。
【0065】
この処理では、払出制御基板31のCPU65は、先ず、賞球個数MEDの値が零か否か(ステップS850)、賞球個数MADの値が零か否か(ステップS860)、賞球個数M5Dの値が零か否か(ステップS870)が次々と判定実行される。
賞球個数MEDの値が零でなければ(ステップS850)、15個の遊技球を賞球として払い出した後に賞球個数MEDの値をデクリメントする(ステップS880〜S890)。賞球個数MEDの値が零で、且つ賞球個数MADの値が零でなければ(ステップS850〜S860)、10個の遊技球を賞球として払い出した後に賞球個数MADの値をデクリメントする(ステップS900〜S910)。賞球個数MEDの値及び賞球個数MADの値が共に零で、且つ賞球個数M5Dの値が零でなければ(ステップS850〜S870)、5個の遊技球を賞球として払い出した後に賞球個数M5Dの値をデクリメントする(ステップS920〜S930
【0066】
前記ステップS880及びS890、前記ステップS900及びS910、又は前記ステップS920及びS930のいづれかの処理を実行した後、オーバ入賞数OMNの値がデクリメントされ(ステップS940)、処理は「リターン」に抜ける。また、前記ステップS850〜S870により賞球個数MED、MAD及びM5Dの値が全て零との判定が為されたときには何も実行せず、処理はそのまま「リターン」に抜ける。
【0067】
前述した構成により、主制御基板30は、入賞の順番に賞球個数を記憶し、この記憶した入賞データを払出制御基板31に送信する。一方、払出制御基板31は、20バイトのメモリがメモリオーバするまでは、入賞の順番に賞球個数を記憶し、賞球が追いつかず又は入賞が一時に大量に発生し、20バイトのメモリがオーバしたときには、賞球個数の相違毎に入賞数だけを記憶する。そして、メモリオーバした分については、賞球個数の多いものから順番に賞球を実行する。これにより、通常時には、入賞の順番に賞球を払い出すことができると共に、賞球が追いつかない過渡時には、メモリオーバした分については賞球個数の多い賞球を優先して払い出しを実行する。この結果、入賞の順番を記憶するメモリ空間を徒に大きくすることなく構成することができるという優れた効果を有する。また、本具体例ではバッテリバックアップ機能を搭載しているので、停電から復帰したときでも、記憶保持されたデータに従って賞球を払い出すことができ、しかも入賞の順番に賞球を払い出すことができるという効果を有する。
【0068】
更に、本具体例では、メモリオーバする場合には、メモリオーバした分を優先して払い出し、その後に入賞順番に対応して払い出す構成を採用しているので、賞球払い出し処理の途中で入賞データが送信されても、賞球処理が為された後のデータにそのまま書き込み処理を実行すれば良く、入賞データの記憶処理を徒に複雑にしないという優れた効果も有する。
また、本具体例では、主制御基板30から払出制御基板31に送信する入賞データは1バイトのデータを一度に送信する構成としているので、主制御基板30の送信処理及び払出制御基板31の受信処理の時間短縮を行うことができるという優れた効果も有する。
【0069】
その上、本具体例では、メモリオーバしない状態では、アドレスA000(H)〜A013(H)の20バイトのメモリ空間上に、入賞の順番に賞球個数を示すデータを書き込むと共に、賞球個数を示すデータである賞球個数M5D、MAD、MEDをインクリメントする構成としているので、何等かの理由によりアドレスA000(H)〜A013(H)のメモリに書き込まれたデータの一部又は全部が消滅しても、賞球個数M5D、MAD、MEDに従って賞球の払い出しを実効することができ、遊技者に不測の不利益を与えないという効果を有する。
また、メモリオーバしなときには、アドレスA000(H)〜A013(H)に書き込まれたデータが示す賞球個数の合計と、賞球個数M5D、MAD、MEDが示す賞球個数の合計とを比較することにより賞球個数の合計に誤りがないか否かを比較判定することができるという効果も有する。
【0070】
ここで、前述した処理(ステップS610〜S690)によりインクリメントされる未払入賞数ZMN、オーバ入賞数OMN、賞球個数M5D、賞球個数MAD及び賞球個数MEDは、未払入賞数ZMNについては1バイトと1ビット、その他については各々1バイトのメモリが容易されている。従って、未払入賞数ZMNについては、未払の入賞個数が最大511個あることを記憶することができ、その他のデータについては各々最大255個の個数があることを記憶することができる。
本具体例では、これらのメモリに記憶されるデータ量が所定値以上になると遊技球の発射停止が実行される。即ち、図24の「発射停止ルーチン」に示すように、未払入賞数ZMNの値が400を超えるか(ステップS1000)、またはオーバ入賞数OMN、賞球個数M5D、MAD又はMEDの何れかが200以上になると(ステップS1010)、払出制御基板31は発射制御基板33に発射モータ33aの駆動停止を指示する信号を出力(ステップS1020)、処理はリターンに抜ける。未払入賞数ZMNが400以下であり、且つオーバ入賞数OMN、賞球個数M5D、MAD及びMEDの各値が全て200未満であれば、発射停止命令は解除され(ステップS1030)、発射モータ33aは駆動され、処理はリターンに抜ける。
【0071】
以上、詳細に説明した本具体例によると、払出制御基板31のRAMに記憶される未払入賞数ZMN、オーバ入賞数OMN、賞球個数M5D、MAD又はMEDの何れかが所定値以上になると払出制御基板31は発射制御基板33を介して発射モータ33aの駆動を停止する処理を行う。これにより、何等かの理由により玉切モータ31cにより賞球払い出し処理が実行されないときや、賞球の払い出し処理が入賞に追いつかない場合には、未払入賞数ZMN、オーバ入賞数OMN、賞球個数M5D、MAD又はMEDの値は増加する一方であるが、所定値以上増加することなく、確実に各々の容量内に抑えることができる。この結果、未払の入賞数を無制限に増加させるという不具合を未然に解決し、また、メモリオーバしてデータを書き込むことにより発生する不測の不具合の発生を未然に防ぐことができるという効果を有する。
更に、メモリオーバするときに書き込み禁止する処理を行うことなく、未然に遊技球の発射を停止する処理を行うので、入賞に対応する遊技球は必ず賞球として払い出すことができ、遊技者に不利益を与えないという効果も有する。
【0072】
次に、図25に示すフローチャートに従って第2の具体例について説明することにする。
第2の具体例は、図4に示した回路において払出制御基板31に図示しない警告ランプを設けたものであり、図24に示した「発射停止ルーチン」の処理の替わりに図25に示す「警告及び発射停止ルーチン」の処理を実行する構のものであり、その他の構成は第1の具体例と略同様である。
第2の具体例では、払出制御基板31のマイコンは、賞球個数M5Dが30以下、賞球個数MADが20以下、且つ賞球個数MEDが100未満のときには、警告信号が解除され(ステップS1050、S1060、S1070、S1090)、処理はリターンに抜ける。また、賞球個数M5Dが200以上(ステップS1050、S1120)、賞球個数MADが200以上(ステップS1060、S1130)、または賞球個数MEDが200以上(ステップS1070、S1080)の何れかの場合には、具体例1と同様に発射停止命令が実行され(ステップS1100)、処理はリターンに抜ける。
一方、賞球個数M5Dが30を超え200未満(ステップS1050、S1120)、賞球個数MADが20を超え200未満(ステップS1060、S1130)、または賞球個数MEDが100以上で200未満(ステップS1070、S1080)のいずれかの場合には、警告信号が出力され発射停止が解除され(ステップS1110)、警告ランプの点灯処理が実行され、処理はリターンに抜ける。
【0073】
前述した具体例2は、前記具体例1と同様の効果を有する他、賞球の未払状態に従って好適に警告ランプを点灯させ、パチンコホール又は遊技者に注意を促すことができるという優れた効果を有する。
一般に、賞球個数M5Dに対応する始動口36への未払の入賞個数が30個以上となっても賞球の払い出しが実行されないと、上皿15の遊技球が残り少なくなり、遊技者は貸出釦16をあらたに押下し金銭を使用してしまう、或いはゲームを途中で止めてしまうといったことが発生し遊技者に不利益を与えてしまう。また、賞球個数MEDに対応する大入賞口40への入賞数は大当たり中には激増する。更に、賞球個数MADに対応するその他の入賞口への入賞数は通常は多くない。そこで、本具体例では、各入賞口への入賞頻度を考慮し、各々の入賞口に対応する未払の入賞数に応じて警告ランプを点灯するよう構成している。これにより、遊技の状態に応じたきめ細かな警告を行うことができ、遊技者に不利益を与えることなく、パチンコホールはきめ細かな対応を行うことができるという優れた効果を有する。
【0074】
次に第3の具体例について説明する。
第3の具体例では、第1の具体例に用いた図4の回路に示す払出制御基板31から発射制御基板33への出力回路を削除した回路構成としたものであり、第1具体例の図17に示す「入賞記憶ルーチン」、図19に示す「入賞送信ルーチン」、図20に示す「受信データ記憶ルーチン」、の替わりに図26に示す「入賞記憶ルーチン2」、図27に示す「入賞送信ルーチン2」、図28に示す「受信データ記憶ルーチン2」を各々実行する構成としたものである。
第3の具体例では、入賞が発生すると未払入賞数MMNをインクリメント(+1)する他(ステップS1200〜S1210)、5個入賞、10個入賞又は15個入賞の入賞数を示す入賞個数MM5D、MMAD又はMMEDの何れかがインクリメントされ(ステップS1220)。
また、具体例1と同様に、20バイトのメモリ領域上に最大80個までの入賞の順番が01(H)、10(H)又は11(H)のデータで記憶される(ステップS1230)。また、未払の入賞数が80個を超えるときには、超える入賞数がインクリメントされ(ステップS1240)、処理はリターンに抜ける。ステップS1200で入賞がない場合にもリターンに抜ける。
【0075】
前記ステップS1200〜S1240の処理によりインクリメント又は記憶されたデータが、図27に示す入賞送信ルーチン2の処理により払出制御基板31に送信される(ステップS1250〜S1290)。即ち、未払入賞数MMNが零でないとき(ステップS1250)、未払入賞数MMNを送信し(ステップS1260)、賞球個数MM5D,MMAD及びMMEDを送信し(ステップS1270)、オーバ入賞数MMOを送信し(ステップS1280)、入賞順番を送信し(ステップS1290)、処理はリターンに抜ける。また、ステップS1250で未払入賞数MMNが零であれば、リターンに抜ける。
払出制御基板31では、送信が有った場合には、受信した未払入賞数MMNを未払入賞数ZMN、賞球個数MM5D、MMAD及びMMEDを賞球個数M5D、MAD及びMED、オーバ入賞数MMOをオーバ入賞数OMNとして更新処理し(図28 ステップS1300〜S1330)、また入賞順番の記憶更新処理を実行(ステップS1340)、リターンに抜けるステップS1300で送信がない場合にも、リターンに抜ける。
この後、払出制御基板31は、第1の具体例で用いた図22に示す「賞球払出しルーチン」及び図23に示す「オーバ賞球払出しルーチン」を実行し、賞球の払い出し処理を実行し各データをデクリメント(−1)する等のデータ更新処理をする。
【0076】
一方、主制御基板30は、賞球払出スイッチ31aの入力があることにより各データをデクリメントし記憶更新する処理を行う(図29 ステップS1350〜S1390)。主制御基板30は、払出制御基板31が行う賞球の払い出しアルゴリズムに従って各データをデクリメントする構成とすれば良い。
前述した処理により、具体例3では、主制御基板30と払出制御基板31とは、完全に同一の入賞に係るデータを共有することになる。
ここで、具体例3では、図24に示す「発射停止ルーチン」又は図25に示す「警告及び発射停止ルーチン」と同様の処理を主制御基板30が実行する。
【0077】
前述した具体例3では、具体例1又は具体例2と同様の効果を有する他、次の効果を有する。
具体例3では、払出制御基板31から発射制御基板33への出力回路を構成することなく、主制御基板30から各サブ制御基板31、32b、33、34、35への一方通信の回路構成のみとし、即ち、各サブ制御基板と各サブ制御基板との通信を行う複雑な回路構成とすることなく、主制御基板30が発射制御基板33に指示して発射モータ33aの駆動を停止することができ、また、ランプ制御基板34又は音制御基板35に指示して賞球の未払について警告することができるという極めて優れた効果を有する。
【0078】
また、本具体例では、主制御基板30と払出制御基板31とが入賞に係るデータを共有しているので、入賞がない場合に主制御基板30から送信される入賞に係るデータと、払出制御基板31が有する更新前の入賞に係るデータとは同一でなくてはならず、払出制御基板31が有する入賞に係るデータのチェックを行うことができるという効果を有する。また、入賞がある場合でも、主制御基板30が送信する入賞に係るデータと払出制御基板31が有する入賞に係るデータとに大きな誤差があってはならず、この点からもデータのチェックを行うことができる。
【0079】
更に、遊技の途中で何等かの原因により払出制御基板31が故障したような場合には、払出制御基板31を修理又は正常な基板に交換し、その後、主制御基板30が有する入賞に係るデータに従って賞球の払い出し処理を実行することができる。この処理は、主制御基板30のRAMがバッテリバックアップされているので実現可能である。また、逆に、主制御基板30が故障したような場合でも、払出制御基板31が有する入賞に係るデータに従って賞球の払い出し処理を実行することができる。この結果、遊技者の利益を確保し遊技機に対する信頼を一層高め、遊技機の健全化に寄与することができるという効果を発揮することができる。
【0080】
尚、第3の具体例では、主制御基板30が払出制御基板31と同一の入賞に係るデータを持つよう構成したが、同じ入賞に係るデータを持つことなく主制御基板30から発射制御基板33、ランプ制御基板34又は音制御基板35に指示する構成とすることも可能である。例えば、ハード構成を具体例3と同様の構成とし、ソフト構成を具体例1と同様の構成として、図17に示す「入賞記憶ルーチン」において、入賞を検出するとき入賞に対応する賞球個数を2バイトのRAMに加算し払い出すべき賞球個数の合計を記憶し、賞球払出スイッチ31aにより検出される払い出された賞球個数を減算して記憶する構成とし、この賞球個数の合計が所定値を超えたときに警告信号を出力する、或いは発射を停止する構成としても良い。この構成によれば、主制御基板30の処理の負担を軽減化することができる、また主制御基板30のRAMの使用容量を少なくすることができるという効果を有する。ここで、賞球個数の合計を記憶するために2バイトのメモリを使用すれば、約65,500個の賞球個数を記憶することができるが、警告信号を500個、1,000個、1,500個又は2,000個で出力し、1回の大当たりに対応する賞球個数の約2,400個以上の約3,000個の賞球個数が未払のときに発射停止信号を出力するよう構成することが考えられる。1回の大当たりに対応する賞球個数以上で発射を停止するのは、大当たり動作中に遊技球の発射を停止させないためである。
【0081】
更に、第1〜第3の具体例において、下皿23に遊技球が満タン状態となったことが満タンスイッチ43により検出されたときには、状態の如何に拘わらず、遊技球の発射を停止するよう構成しても良い。
一般に、賞球の払い出しが実行されているにも拘わらず、入賞に対する賞球の払い出しが間に合わないときには下皿23に遊技球が貯まることになるが、係る状態を遊技者が気が付かないときには、払い出された賞球が賞球通路をせり上がってくることになる。この状態を放置しておくと、せり上がってきた遊技球により玉詰まりを発生させる、玉ガミを発生させるといった不具合を発生させることにもなりかねない。そこで、メモリの使用量の如何に拘わらずに、満タンスイッチ43がオンしたときには、遊技球の発射を停止するのである。これにより、前述の不具合を未然に防止することができる。
尚、満タンスイッチ43は、取り付け場所を特に限定するものではないが、賞球払出スイッチ31a及び貸玉払出スイッチ31bの下方付近が好ましい。これは、頻繁に発射停止を行わないためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用した遊技機10を示す外観斜視図である。
【図2】遊技機10を裏面からみた裏面図である。
【図3】遊技機10の遊技盤22の構成を示す正面図である。
【図4】遊技機10の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】電源基板55から電源を供給する構成を示すブロック図である。
【図6】電源基板55と主制御基板30及び各サブ制御基板との関係を示すブロック図である。
【図7】リセット1回路60の構成を示す回路図である。
【図8】リセット2回路61の構成を示す回路図である。
【図9】バックアップ1電圧監視回路62の構成を示す回路図である。
【図10】バックアップ2電圧監視回路63の構成を示す回路図である。
【図11】電源投入時の状態を示すタイミングチャートである。
【図12】電源遮断時の状態を示すタイミングチャートである。
【図13】「停電処理ルーチン」での処理を示すフローチャートである。
【図14】「電源投入時ルーチン」での処理を示すフローチャートである。
【図15】主制御基板30の「メインルーチン」で行われる処理を示すフローチャートである。
【図16】払出制御基板31の「メインルーチン」で行われる処理を示すフローチャートである。
【図17】主制御基板30で行われる「入賞記憶ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図18】入賞順番を記憶するメモリ空間を例示するメモリマップである。
【図19】主制御基板30で行われる「入賞送信ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図20】払出制御基板31で行われる「受信データ記憶ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図21】払出制御基板31で行われる第2の「受信データ記憶ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図22】払出制御基板31で行われる「賞球払出しルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図23】払出制御基板31で行われる「オーバ賞球払出し処理」での処理を示すフローチャートである。
【図24】払出制御基板31で行われる「発射停止ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図25】第2具体例において払出制御基板31で行われる「警告及び発射停止ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図26】第3具体例において主制御基板30で行われる「入賞記憶ルーチン2」の処理を示すフローチャートである。
【図27】第3具体例において主制御基板30で行われる「入賞送信ルーチン2」の処理を示すフローチャートである。
【図28】第3具体例において払出制御基板31で行われる「受信データ記憶ルーチン2」の処理を示すフローチャートである。
【図29】第3具体例において主制御基板30で行われる「記憶データ減算ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…パチンコ機 13…カードリーダ(プリペイドカードユニット)
22…遊技盤 24…発射ハンドル
24a…タッチスイッチ 24b…発射停止スイッチ
30…主制御基板 31…払出制御基板
31a…賞球払出スイッチ 31b…貸玉払出スイッチ
31c…玉切モータ 31d…玉貸モータ
32…特別図柄表示装置
32a…LCDパネルユニット(LCD)
32b…図柄表示装置制御基板(図柄制御基板)
33…発射制御基板 33a…発射モータ
34…ランプ制御基板
35…音制御基板 36…普通電動役物(始動口)
36a…第1種始動スイッチ
37…普通図柄表示装置 40…大入賞口
40a…役物連続作動スイッチ(VSW)
40b…テンカウントスイッチ(カウントSW)
43…満タンスイッチ 44…捕球スイッチ
45…その他入賞口スイッチ 46…玉抜スイッチ
47…CR精算表示基板 48…タッチランプ
49…スピーカ 50…外部接続端子
55…電源基板 60…リセット1回路
61…リセット2回路 62…バックアップ1電圧監視回路
63…バックアップ2電圧監視回路
64、65、66…CPU(ワンチップマイコン)

Claims (3)

  1. 発射手段により遊技盤上に発射された遊技球の挙動に起因した遊技の進行を司る主御基板と、
    賞球払い出し手段により遊技者に賞球を払い出す賞球払出制御基板と、
    交流電源が供給され、該交流電源を直流電源に変換し、該変換した直流電源を前記主制御基板及び賞球払出制御基板に供給する電源基板と、
    を含む遊技機において、
    前記電源基板にリセット回路と、バックアップ供給電源と、前記変換された直流電源の電圧低下を監視するバックアップ電圧監視回路と、を備え、
    前記電源基板のリセット回路からリセット信号を入力することにより前記主制御基板及び賞球払出制御基板は制御動作を立ち上げ、
    前記電源基板のバックアップ電圧監視回路からバックアップ信号を入力することにより前記主制御基板及び賞球払出制御基板はデータを待避し、RAMへのアクセスを禁止した後に制御動作を停止し、
    前記主制御基板及び賞球払出制御基板は制御動作を停止した後の停電時に、前記電源基板のバックアップ供給電源により前記待避したデータを記憶保持する、ことを特徴とする弾球遊技機。
  2. 主制御基板及び賞球払出制御基板は、RAMへのアクセスを禁止した後、所定時間内にCPUを停止させる信号を入力しない場合にはRAMへのアクセス禁止を解除し、制御動作を停止しないことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記賞球制御基板に記憶される未払い個数データが予め定められた個数を超えれば遊技球の発射を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
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