JP3710696B2 - 車両用交流回転電機 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用交流回転電機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図２は従来の車両用交流回転電機（以下の説明では、回転電機と略称する）を示す断面図であり、図において、この回転電機は、第１のブラケット５１と、この第１のブラケット５１内に設けられ、回転子軸５２に固定されたランドル型の回転子５３と、第１のブラケット５１の内壁面に固定された固定子５４と、回転子軸５２の端部に固定され、回転子５３に電流を供給するためのスリップリング５５と、スリップリング５５の表面に摺接する一対のブラシ５６と、このブラシ５６及びブラシ５６を押圧したスプリング５７を収納したブラシホルダ５８とを備えている。
【０００３】
回転子５３は、電流を流して磁束を発生する界磁巻線５９と、この界磁巻線５９を覆った回転子鉄心６０とを備えている。固定子５４は、界磁巻線５９からの磁束が通るとともに、複数の鋼板が積層されてなる固定子鉄心６１と、三相交流電流が流れる三相の固定子巻線６２とを備えている。
また、回転電機は、第２のブラケット６３内に設けられた、電磁クラッチ６４と、遊星歯車機構６５と、プーリ６６と、一方向クラッチ６７とを備えている。
【０００４】
上記電磁クラッチ６４は、固定用ネジ６８及びキー等の固定手段６９で第２のブラケット６３に固定されている電磁クラッチ本体７０と、この電磁クラッチ本体７０内に設けられた界磁コイル７１と、第１のブラケット５１の保持体７２を介して固定用ネジ７３で固定されているとともに、電磁クラッチ本体７０と対向し、かつ係合部７４を有する電磁クラッチ従動体７５と、電磁クラッチ従動体７５と固定用ネジ７３の頭部との間に設けられ、電磁クラッチ従動体７５を反電磁クラッチ本体７０側に付勢するばね７６とを備えている。
【０００５】
保持体７２の外周面には、案内面７２ａが形成され、この案内面７２ａに、電磁クラッチ従動体７５の内周面に形成された案内面７５ｂが軸線方向に摺動して、保持体７２に電磁クラッチ従動体７５が組み付けられている。尚、第１のブラケット５１の保持体７２は別部材でなく、一体成形されていてもよい。
【０００６】
上記遊星歯車機構６５は、太陽歯車７７と、電磁クラッチ従動体７５の係合部７４と係合する係合部７８が端面に形成され、また内壁面に内歯車７９が形成された円筒状体８０と、この円筒状体８０の一端面と第１のブラケット５１の端部との間に設けられた軸受け８１と、内歯車部７９及び太陽歯車７７と歯合した遊星歯車８２と、遊星歯車８２の中心部を軸受け８３を介して貫通した遊星歯車軸８４と、この遊星歯車軸８４を介して、遊星歯車８２を回転自在に支持し、かつプーリ６６と一体に構成されたキャリア８５と、このキャリア８５の端部と円筒状体８０の端部との間に設けられた軸受け８６とを備えている。
【０００７】
上記一方向クラッチ６７は、キャリア８５の内側に設けられたカム部８７と、このカム部８７の両側に設けられた軸受け８８と、回転子軸５２の端部に固定用キー８９を介して太陽歯車７７とともに固定されている従動体９０とを備えている。
更に、９１，９２は軸受け、９３，９４はスペーサ、９５は固定用ボルトである。
【０００８】
次に、動作について説明する。
まず、回転電機の電動機動作について説明する。
機関始動時には、電磁クラッチ６４の界磁コイル７１に通電し、電磁クラッチ従動体７５はばね７６の弾性力に逆らって、電磁クラッチ本体７０と接合し、電磁クラッチ従動体７５の係合部７４は円筒状体８０の係合部７８と係合する。
この結果、円筒状体８０の内歯車部７９が固定要素となり、遊星歯車機構６５の減速比での減速が可能となり、回転子５３の回転力は太陽歯車７７を入力要素とし、太陽歯車７７の回転により、遊星歯車８２は遊星歯車軸８４を中心に自転しながら、太陽歯車７７を中心に公転する。
【０００９】
遊星歯車８２の公転に伴い、キャリア８５を出力要素として、キャリア８５と一体のプーリ６６は回転し、プーリ６６に巻掛けされたベルト（図示せず）を介して、機関に回転力が伝達され、機関は始動する。この時、一方向クラッチ６７は空転動作となる。従って、回転子５３の回転速度に対して、遊星歯車機構６５の減速比と、プーリ６６と図示しない機関のクランクプーリの減速比との積で機関が駆動される。
【００１０】
尚、回転子５３の回転力は、バッテリ（図示せず）、ブラシ５６、スリップリング５５を介して、界磁巻線５９に励磁電流を供給することで、回転子鉄心６０に磁束が発生し、この状態で三相固定子巻線６２に三相交流電流を供給することにより得られる。
【００１１】
次に、回転電機の発電機動作について説明する。
発電機動作による電力供給時には、電磁クラッチ６４の界磁コイル７１への通電を遮断することにより、電磁クラッチ従動体７５は、ばね７６の弾性力により、電磁クラッチ本体７０から離れ、電磁クラッチ従動体７５の係合部７４と、円筒状体８０の係合部７８との係合が解除され、円筒状体８０は回転可能となる。この状態のとき、機関からの動力は、プーリ６６を介して、入力要素であるキャリア８５に伝達される。この時には、一方向クラッチ６７は接続動作となるので、キャリア８５の回転に伴い、回転子軸５２を通じて、回転子５３が回転し、三相固定子巻線６２に起電力が発生する。
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車両用交流回転電機は以上のように構成されているので、遊星歯車機構６５を組み立てる場合、まず、あらかじめキャリア８５の内側に一方向クラッチ６７を組み込んでおき、キャリア８５の外周に、軸受け８６の内周を嵌合した後、次に軸受け８３を介して遊星歯車８２を保持している遊星歯車軸８４を、キャリア８５に嵌合することによりサブＡＳＳＹを構成し、このサブＡＳＳＹごと、軸受け８６の外周に沿って円筒状体８０の内周に圧入嵌合しなければならず、組み立てが非常に困難であるという問題点があった。
更に、圧入嵌合時、軸受け８６の内輪を押して、軸受け８６の外輪を、円筒状体８０の内周に圧入するので、軸受け８６内のレース面の肩部に圧痕を発生させるという問題点があった。
【００１３】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、車両用交流回転電機の組み立てを容易にするとともに、組み立て時における不良、並びに部品への損傷の発生を回避することのできる車両用交流回転電機を提供することを目的とする。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項１に係る車両用交流回転電機は、ブラケット内に設けられた回転子軸に固定された回転子と、回転子軸の端部に固定された太陽歯車と、この太陽歯車と歯合した遊星歯車と、この遊星歯車と歯合する内歯車部を有する円筒状体と、遊星歯車の中心部を軸線方向に貫通した遊星歯車軸を介して遊星歯車を回転自在に支持するキャリアと、キャリアの内側に設けられ、動力伝達機構からの回転力を太陽歯車を通じて回転子軸に伝達する一方向クラッチと、ブラケット内に設けられた電磁クラッチとを備えたものであって、動力伝達機構と一方向クラッチと太陽歯車とが一体となるよう固定されるとともに、遊星歯車機構とキャリアとが一体に結合固定され、キャリアと動力伝達機構を連結する場合、動力伝達機構の一端部の外周とキャリアの内周で同軸に嵌合して、径方向に位置決めするものである。
【００１５】
この発明の請求項２に係る車両用交流回転電機は、キャリアと動力伝達機構がネジ等の結合手段により連結されているものである。
【００１６】
この発明の請求項３に係る車両用交流回転電機は、キャリアと動力伝達機構をピンによって一体に嵌合結合したものである。
【００１７】
この発明の請求項４に係る車両用交流回転電機は、キャリアと円筒状体とでラビリンスを構成したものである。
【００１８】
【発明の実施の形態】
実施の形態１．
図１はこの発明の実施の形態１による車両用交流回転電機を示す断面図であり、図において、この回転電機は、第１のブラケット１、第３のブラケット２と、この第１のブラケット１及び第３のブラケット２内に設けられ、回転子軸３に固定されたランドル型の回転子４と、第１のブラケット１及び第３のブラケット２の内壁面に固定された固定子５と、回転子軸３の端部に固定され、回転子４に電流を供給するスリップリング６と、スリップリング６の表面に摺接する一対のブラシ７と、このブラシ７及びブラシ７を押圧するスプリング８を収納したブラシホルダ９とを備えている。
【００１９】
回転子４は、電流を流して磁束を発生する界磁巻線１０と、この界磁巻線１０を覆った回転子鉄心１１とを備えている。固定子５は、界磁巻線１０からの磁束が通るとともに、複数の鋼板が積層されてなる固定子鉄心１２と、三相交流電流が流れる三相の固定子巻線１３とを備えている。
また、回転電機は、第２のブラケット１４内に設けられた電磁クラッチ１５と、さらに遊星歯車機構１６と、プーリ１７と、一方向クラッチ１８とを備えている。
【００２０】
電磁クラッチ１５は、固定用ネジ１９で第２のブラケット１４に固定されている電磁クラッチ本体２０と、この電磁クラッチ本体２０内に設けられた界磁コイル２１と、第１のブラケット１に固定手段２２で固定されているとともに、電磁クラッチ本体２０と対向し、かつ係合部２３を有する電磁クラッチ従動体２４と、電磁クラッチ従動体２４と固定手段２２の頭部との間に設けられ、電磁クラッチ従動体２４を反電磁クラッチ本体２０側に付勢するばね２５とを備えている。
【００２１】
遊星歯車機構１６は、太陽歯車２６と、電磁クラッチ従動体２４の係合部２３と係合する係合部２７が端面に形成され、また内壁面に内歯車２８が形成された円筒状体２９と、この円筒状体２９の一端面と第１のブラケット１の端部との間に設けられた軸受け３０と、内歯車２８及び太陽歯車２６と歯合した遊星歯車３１と、遊星歯車３１の中心部を軸受け３２を介して貫通した遊星歯車軸３３と、遊星歯車軸３３とを介して遊星歯車３１を回転自在に支持しているキャリア３４とから構成されており、このキャリア３４の端部と円筒状体２９の端部との間にラビリンス２９ａ，３４ａを構成している。尚、これらラビリンスの代わりに、オイルシールを同部に構成してもよい。
【００２２】
このように、キャリア３４と円筒状体２９とでラビリンス２９ａ，３４ａを構成することにより、遊星歯車機構部１６の潤滑材が外部に流出するのを防止するとともに、外部からの塩水や塵埃等の浸入を防止し、歯面の発錆や、潤滑材の劣化による騒音の発生等を防止できる。
【００２３】
一方向クラッチ１８は、プーリ１７の内側に設けられたカム部３５と、このカム部３５の両側に設けられた軸受け３６と、回転子軸３の端部に太陽歯車２６と一体化されて固定されている従動体３７とを備えている。太陽歯車２６とプーリ１７とが一体に構成された一方向クラッチ１８は、回転子軸３の端部に挿嵌され、プレート３８を介して固定用ボルト３９によって回転子軸３に固定されている。
このように、一方向クラッチ１８と太陽歯車２６が一体化されて構成されているので、一方向クラッチ１８と太陽歯車２６の同軸度が精度良く確保でき、組み立てによる組み立て誤差を回避できるため、遊星歯車機構１６での歯面の偏摩耗や騒音発生を抑制できる。
又、太陽歯車２６と一方向クラッチ１８を連結するためのキー等の部品点数を省略できる。
【００２４】
プーリ１７とキャリア３４は、プーリ１７の一端部の外周と、キャリア３４の内周で同軸に嵌合されて径方向に位置決めを行い、かつ結合手段４０及びピン４１によって一体に結合固定されている。又、４２，４３は軸受け、４４はスペーサである。
このように、キャリア３４と動力伝達機構であるプーリ１７が、ネジ等の結合手段４０により連結されることにより、キャリア３４に遊星歯車軸３３と、軸受け３２を介して遊星歯車３１を組み付けてサブＡＳＳＹとし、同じく、プーリ１７に一方向クラッチ１８を組み付けてサブＡＳＳＹとした後、キャリア３４とプーリ１７を結合手段４０により連結することができ、これらサブＡＳＳＹを一体化できるので、組み立てが容易になるばかりでなく、組み立て時の組み立て不良や部品への損傷を回避できる。
【００２５】
又、キャリア３４とプーリ１７を結合手段４０によって連結する場合、キャリア３４とプーリ１７をピン４１によって一体に嵌合結合しておく。
このように、結合手段４０とは別に、ピン４１によってキャリア３４とプーリ１７を一体に結合しておくことによって、キャリア３４とプーリ１７間のトルク伝達を、ピン４１で分担させ、トルク伝達の為の応力分散と低減を図ることができる。
【００２６】
更に、キャリア３４とプーリ１７を結合手段４０によって連結する場合、プーリ１７の一端部の外周と、キャリア３４の内周で同軸に嵌合して、径方向に位置決めするようにしたので、キャリア３４に遊星歯車軸３３及び軸受け３２を介して連結されている遊星歯車３１の、太陽歯車２６に対する位置精度を確保することが可能となり、遊星歯車機構１６での歯面の偏摩耗や騒音発生を低減できる。
【００２７】
又、プーリ１７と一方向クラッチ１８と太陽歯車２６とがサブＡＳＳＹとして一体に構成されるとともに、遊星歯車軸３１と、軸受け３２を介して設けられた遊星歯車３１と、キャリア３４とがサブＡＳＳＹとして一体に構成されており、このように、サブＡＳＳＹ化することにより、組み立てが容易になるばかりでなく、組み立て精度及び信頼性が向上する。
【００２８】
次に、回転電機の動作について説明する。
まず、回転電機の電動機動作について説明する。
機関始動時には、電磁クラッチ１５の界磁コイル２１に通電し、電磁クラッチ従動体２４は、ばね２５の弾性力に逆らって電磁クラッチ本体２０と接合し、電磁クラッチ従動体２４の係合部２３は、円筒状体２９の係合部２７と係合する。 この結果、円筒状体２９の内歯車部２８が固定要素となり、遊星歯車機構１６の減速比での減速が可能となり、回転子４の回転力は太陽歯車２６を入力要素とし、太陽歯車２６の回転により、遊星歯車３１は遊星歯車軸３３を中心に自転しながら、太陽歯車２６を中心に公転する。
【００２９】
遊星歯車３１の公転に伴い、キャリア３４を出力要素として、キャリア３４と一体に結合固定されたプーリ１７は回転し、プーリ１７に巻掛けされたベルト（図示せず）を介して機関に回転力が伝達され、機関は始動する。この時、一方向クラッチ１８は空転動作となる。従って、回転子４の回転速度に対して、遊星歯車機構１６の減速比とプーリ１７及び図示しない機関のクランクプーリの減速比との積で機関が駆動される。
尚、回転子４の回転力は、バッテリ（図示せず）、ブラシ７、スリップリング６を介して、界磁巻線１０に励磁電流を供給することで、回転子鉄心１１に磁束が発生し、この状態で三相固定子巻線１３に三相交流電流を供給することにより得られる。
【００３０】
次に、回転電機の発電機動作について説明する。
発電機動作による電力供給時には、電磁クラッチ１５の界磁コイル２１への通電を遮断することにより、電磁クラッチ従動体２４は、ばね２５の弾性力により電磁クラッチ本体２０から離れ、電磁クラッチ従動体２４の係合部２３と、円筒状体２９の係合部２７との係合が解除され、円筒状体２９は回転可能となる。
【００３１】
この状態のとき、機関からの動力はプーリ１７を介して、入力要素であるキャリア３４に伝達される。同時に、一方向クラッチ１８は接続動作となるので、プーリ１７の回転に伴い、一方向クラッチ１８、太陽歯車２６、回転子軸３を通じて、回転子４が回転し、三相固定子巻線１３に起電力が発生する。
【００３２】
【発明の効果】
この発明の請求項１に係る車両用交流回転電機によれば、ブラケット内に設けられた回転子軸に固定された回転子と、回転子軸の端部に固定された太陽歯車と、この太陽歯車と歯合した遊星歯車と、この遊星歯車と歯合する内歯車部を有する円筒状体と、遊星歯車の中心部を軸線方向に貫通した遊星歯車軸を介して遊星歯車を回転自在に支持するキャリアと、キャリアの内側に設けられ、動力伝達機構からの回転力を太陽歯車を通じて回転子軸に伝達する一方向クラッチと、ブラケット内に設けられた電磁クラッチとを備えたものであって、動力伝達機構と一方向クラッチと太陽歯車とが一体となるよう固定されるとともに、遊星歯車機構とキャリアとが一体に結合固定されているので、組み立てが容易になるばかりでなく、組み立て精度及び信頼性が向上する。
【００３３】
更にはキャリアと動力伝達機構を連結する場合、動力伝達機構の一端部の外周とキャリアの内周で同軸に嵌合して、径方向に位置決めするようにしたので、キャリアに遊星歯車軸、軸受けを介して連結されている遊星歯車の太陽歯車に対する位置精度を確保することが可能となり、遊星歯車機構での歯面の偏摩耗や騒音発生を低減できる。
【００３４】
この発明の請求項２に係る車両用交流回転電機によれば、キャリアと動力伝達機構がネジ等の結合手段により連結されているので、キャリアに遊星歯車軸と軸受けを介して遊星歯車を組み付けてサブＡＳＳＹとし、同じく、動力伝達機構に一方向クラッチを組み付けてサブＡＳＳＹとした後、キャリアと動力伝達機構を結合手段により連結することによって、これらサブＡＳＳＹを一体化でき、組み立てが容易になるばかりでなく、組み立て時の組み立て不良や部品への損傷を回避できる。
【００３５】
この発明の請求項３に係る車両用交流回転電機によれば、キャリアと動力伝達機構をピンによって一体に嵌合結合したので、キャリアと動力伝達機構間のトルク伝達をピンで分担させ、トルク伝達の為の応力分散と低減を図ることができる。
【００３６】
この発明の請求項４に係る車両用交流回転電機によれば、キャリアと円筒状体とでラビリンスを構成したので、遊星歯車機構部の潤滑材が外部に流出するのを防止するとともに、外部からの塩水や塵埃等の浸入を防止し、歯面の発錆や潤滑材の劣化による騒音の発生等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明の実施の形態１による車両用交流回転電機を示す断面図である。
【図２】 従来の車両用交流回転電機を示す断面図である。
【符号の説明】
１，２ ブラケット、３ 回転軸、４ 回転子、１５ 電磁クラッチ、
１８ 一方向クラッチ、２６ 太陽歯車、２８ 内歯車、２９ 円筒状体、
３１ 遊星歯車、３３ 遊星歯車軸、３４ キャリア、４０ 結合手段、４１ ピン。
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用交流回転電機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図２は従来の車両用交流回転電機（以下の説明では、回転電機と略称する）を示す断面図であり、図において、この回転電機は、第１のブラケット５１と、この第１のブラケット５１内に設けられ、回転子軸５２に固定されたランドル型の回転子５３と、第１のブラケット５１の内壁面に固定された固定子５４と、回転子軸５２の端部に固定され、回転子５３に電流を供給するためのスリップリング５５と、スリップリング５５の表面に摺接する一対のブラシ５６と、このブラシ５６及びブラシ５６を押圧したスプリング５７を収納したブラシホルダ５８とを備えている。
【０００３】
回転子５３は、電流を流して磁束を発生する界磁巻線５９と、この界磁巻線５９を覆った回転子鉄心６０とを備えている。固定子５４は、界磁巻線５９からの磁束が通るとともに、複数の鋼板が積層されてなる固定子鉄心６１と、三相交流電流が流れる三相の固定子巻線６２とを備えている。
また、回転電機は、第２のブラケット６３内に設けられた、電磁クラッチ６４と、遊星歯車機構６５と、プーリ６６と、一方向クラッチ６７とを備えている。
【０００４】
上記電磁クラッチ６４は、固定用ネジ６８及びキー等の固定手段６９で第２のブラケット６３に固定されている電磁クラッチ本体７０と、この電磁クラッチ本体７０内に設けられた界磁コイル７１と、第１のブラケット５１の保持体７２を介して固定用ネジ７３で固定されているとともに、電磁クラッチ本体７０と対向し、かつ係合部７４を有する電磁クラッチ従動体７５と、電磁クラッチ従動体７５と固定用ネジ７３の頭部との間に設けられ、電磁クラッチ従動体７５を反電磁クラッチ本体７０側に付勢するばね７６とを備えている。
【０００５】
保持体７２の外周面には、案内面７２ａが形成され、この案内面７２ａに、電磁クラッチ従動体７５の内周面に形成された案内面７５ｂが軸線方向に摺動して、保持体７２に電磁クラッチ従動体７５が組み付けられている。尚、第１のブラケット５１の保持体７２は別部材でなく、一体成形されていてもよい。
【０００６】
上記遊星歯車機構６５は、太陽歯車７７と、電磁クラッチ従動体７５の係合部７４と係合する係合部７８が端面に形成され、また内壁面に内歯車７９が形成された円筒状体８０と、この円筒状体８０の一端面と第１のブラケット５１の端部との間に設けられた軸受け８１と、内歯車部７９及び太陽歯車７７と歯合した遊星歯車８２と、遊星歯車８２の中心部を軸受け８３を介して貫通した遊星歯車軸８４と、この遊星歯車軸８４を介して、遊星歯車８２を回転自在に支持し、かつプーリ６６と一体に構成されたキャリア８５と、このキャリア８５の端部と円筒状体８０の端部との間に設けられた軸受け８６とを備えている。
【０００７】
上記一方向クラッチ６７は、キャリア８５の内側に設けられたカム部８７と、このカム部８７の両側に設けられた軸受け８８と、回転子軸５２の端部に固定用キー８９を介して太陽歯車７７とともに固定されている従動体９０とを備えている。
更に、９１，９２は軸受け、９３，９４はスペーサ、９５は固定用ボルトである。
【０００８】
次に、動作について説明する。
まず、回転電機の電動機動作について説明する。
機関始動時には、電磁クラッチ６４の界磁コイル７１に通電し、電磁クラッチ従動体７５はばね７６の弾性力に逆らって、電磁クラッチ本体７０と接合し、電磁クラッチ従動体７５の係合部７４は円筒状体８０の係合部７８と係合する。
この結果、円筒状体８０の内歯車部７９が固定要素となり、遊星歯車機構６５の減速比での減速が可能となり、回転子５３の回転力は太陽歯車７７を入力要素とし、太陽歯車７７の回転により、遊星歯車８２は遊星歯車軸８４を中心に自転しながら、太陽歯車７７を中心に公転する。
【０００９】
遊星歯車８２の公転に伴い、キャリア８５を出力要素として、キャリア８５と一体のプーリ６６は回転し、プーリ６６に巻掛けされたベルト（図示せず）を介して、機関に回転力が伝達され、機関は始動する。この時、一方向クラッチ６７は空転動作となる。従って、回転子５３の回転速度に対して、遊星歯車機構６５の減速比と、プーリ６６と図示しない機関のクランクプーリの減速比との積で機関が駆動される。
【００１０】
尚、回転子５３の回転力は、バッテリ（図示せず）、ブラシ５６、スリップリング５５を介して、界磁巻線５９に励磁電流を供給することで、回転子鉄心６０に磁束が発生し、この状態で三相固定子巻線６２に三相交流電流を供給することにより得られる。
【００１１】
次に、回転電機の発電機動作について説明する。
発電機動作による電力供給時には、電磁クラッチ６４の界磁コイル７１への通電を遮断することにより、電磁クラッチ従動体７５は、ばね７６の弾性力により、電磁クラッチ本体７０から離れ、電磁クラッチ従動体７５の係合部７４と、円筒状体８０の係合部７８との係合が解除され、円筒状体８０は回転可能となる。この状態のとき、機関からの動力は、プーリ６６を介して、入力要素であるキャリア８５に伝達される。この時には、一方向クラッチ６７は接続動作となるので、キャリア８５の回転に伴い、回転子軸５２を通じて、回転子５３が回転し、三相固定子巻線６２に起電力が発生する。
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車両用交流回転電機は以上のように構成されているので、遊星歯車機構６５を組み立てる場合、まず、あらかじめキャリア８５の内側に一方向クラッチ６７を組み込んでおき、キャリア８５の外周に、軸受け８６の内周を嵌合した後、次に軸受け８３を介して遊星歯車８２を保持している遊星歯車軸８４を、キャリア８５に嵌合することによりサブＡＳＳＹを構成し、このサブＡＳＳＹごと、軸受け８６の外周に沿って円筒状体８０の内周に圧入嵌合しなければならず、組み立てが非常に困難であるという問題点があった。
更に、圧入嵌合時、軸受け８６の内輪を押して、軸受け８６の外輪を、円筒状体８０の内周に圧入するので、軸受け８６内のレース面の肩部に圧痕を発生させるという問題点があった。
【００１３】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、車両用交流回転電機の組み立てを容易にするとともに、組み立て時における不良、並びに部品への損傷の発生を回避することのできる車両用交流回転電機を提供することを目的とする。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項１に係る車両用交流回転電機は、ブラケット内に設けられた回転子軸に固定された回転子と、回転子軸の端部に固定された太陽歯車と、この太陽歯車と歯合した遊星歯車と、この遊星歯車と歯合する内歯車部を有する円筒状体と、遊星歯車の中心部を軸線方向に貫通した遊星歯車軸を介して遊星歯車を回転自在に支持するキャリアと、キャリアの内側に設けられ、動力伝達機構からの回転力を太陽歯車を通じて回転子軸に伝達する一方向クラッチと、ブラケット内に設けられた電磁クラッチとを備えたものであって、動力伝達機構と一方向クラッチと太陽歯車とが一体となるよう固定されるとともに、遊星歯車機構とキャリアとが一体に結合固定され、キャリアと動力伝達機構を連結する場合、動力伝達機構の一端部の外周とキャリアの内周で同軸に嵌合して、径方向に位置決めするものである。
【００１５】
この発明の請求項２に係る車両用交流回転電機は、キャリアと動力伝達機構がネジ等の結合手段により連結されているものである。
【００１６】
この発明の請求項３に係る車両用交流回転電機は、キャリアと動力伝達機構をピンによって一体に嵌合結合したものである。
【００１７】
この発明の請求項４に係る車両用交流回転電機は、キャリアと円筒状体とでラビリンスを構成したものである。
【００１８】
【発明の実施の形態】
実施の形態１．
図１はこの発明の実施の形態１による車両用交流回転電機を示す断面図であり、図において、この回転電機は、第１のブラケット１、第３のブラケット２と、この第１のブラケット１及び第３のブラケット２内に設けられ、回転子軸３に固定されたランドル型の回転子４と、第１のブラケット１及び第３のブラケット２の内壁面に固定された固定子５と、回転子軸３の端部に固定され、回転子４に電流を供給するスリップリング６と、スリップリング６の表面に摺接する一対のブラシ７と、このブラシ７及びブラシ７を押圧するスプリング８を収納したブラシホルダ９とを備えている。
【００１９】
回転子４は、電流を流して磁束を発生する界磁巻線１０と、この界磁巻線１０を覆った回転子鉄心１１とを備えている。固定子５は、界磁巻線１０からの磁束が通るとともに、複数の鋼板が積層されてなる固定子鉄心１２と、三相交流電流が流れる三相の固定子巻線１３とを備えている。
また、回転電機は、第２のブラケット１４内に設けられた電磁クラッチ１５と、さらに遊星歯車機構１６と、プーリ１７と、一方向クラッチ１８とを備えている。
【００２０】
電磁クラッチ１５は、固定用ネジ１９で第２のブラケット１４に固定されている電磁クラッチ本体２０と、この電磁クラッチ本体２０内に設けられた界磁コイル２１と、第１のブラケット１に固定手段２２で固定されているとともに、電磁クラッチ本体２０と対向し、かつ係合部２３を有する電磁クラッチ従動体２４と、電磁クラッチ従動体２４と固定手段２２の頭部との間に設けられ、電磁クラッチ従動体２４を反電磁クラッチ本体２０側に付勢するばね２５とを備えている。
【００２１】
遊星歯車機構１６は、太陽歯車２６と、電磁クラッチ従動体２４の係合部２３と係合する係合部２７が端面に形成され、また内壁面に内歯車２８が形成された円筒状体２９と、この円筒状体２９の一端面と第１のブラケット１の端部との間に設けられた軸受け３０と、内歯車２８及び太陽歯車２６と歯合した遊星歯車３１と、遊星歯車３１の中心部を軸受け３２を介して貫通した遊星歯車軸３３と、遊星歯車軸３３とを介して遊星歯車３１を回転自在に支持しているキャリア３４とから構成されており、このキャリア３４の端部と円筒状体２９の端部との間にラビリンス２９ａ，３４ａを構成している。尚、これらラビリンスの代わりに、オイルシールを同部に構成してもよい。
【００２２】
このように、キャリア３４と円筒状体２９とでラビリンス２９ａ，３４ａを構成することにより、遊星歯車機構部１６の潤滑材が外部に流出するのを防止するとともに、外部からの塩水や塵埃等の浸入を防止し、歯面の発錆や、潤滑材の劣化による騒音の発生等を防止できる。
【００２３】
一方向クラッチ１８は、プーリ１７の内側に設けられたカム部３５と、このカム部３５の両側に設けられた軸受け３６と、回転子軸３の端部に太陽歯車２６と一体化されて固定されている従動体３７とを備えている。太陽歯車２６とプーリ１７とが一体に構成された一方向クラッチ１８は、回転子軸３の端部に挿嵌され、プレート３８を介して固定用ボルト３９によって回転子軸３に固定されている。
このように、一方向クラッチ１８と太陽歯車２６が一体化されて構成されているので、一方向クラッチ１８と太陽歯車２６の同軸度が精度良く確保でき、組み立てによる組み立て誤差を回避できるため、遊星歯車機構１６での歯面の偏摩耗や騒音発生を抑制できる。
又、太陽歯車２６と一方向クラッチ１８を連結するためのキー等の部品点数を省略できる。
【００２４】
プーリ１７とキャリア３４は、プーリ１７の一端部の外周と、キャリア３４の内周で同軸に嵌合されて径方向に位置決めを行い、かつ結合手段４０及びピン４１によって一体に結合固定されている。又、４２，４３は軸受け、４４はスペーサである。
このように、キャリア３４と動力伝達機構であるプーリ１７が、ネジ等の結合手段４０により連結されることにより、キャリア３４に遊星歯車軸３３と、軸受け３２を介して遊星歯車３１を組み付けてサブＡＳＳＹとし、同じく、プーリ１７に一方向クラッチ１８を組み付けてサブＡＳＳＹとした後、キャリア３４とプーリ１７を結合手段４０により連結することができ、これらサブＡＳＳＹを一体化できるので、組み立てが容易になるばかりでなく、組み立て時の組み立て不良や部品への損傷を回避できる。
【００２５】
又、キャリア３４とプーリ１７を結合手段４０によって連結する場合、キャリア３４とプーリ１７をピン４１によって一体に嵌合結合しておく。
このように、結合手段４０とは別に、ピン４１によってキャリア３４とプーリ１７を一体に結合しておくことによって、キャリア３４とプーリ１７間のトルク伝達を、ピン４１で分担させ、トルク伝達の為の応力分散と低減を図ることができる。
【００２６】
更に、キャリア３４とプーリ１７を結合手段４０によって連結する場合、プーリ１７の一端部の外周と、キャリア３４の内周で同軸に嵌合して、径方向に位置決めするようにしたので、キャリア３４に遊星歯車軸３３及び軸受け３２を介して連結されている遊星歯車３１の、太陽歯車２６に対する位置精度を確保することが可能となり、遊星歯車機構１６での歯面の偏摩耗や騒音発生を低減できる。
【００２７】
又、プーリ１７と一方向クラッチ１８と太陽歯車２６とがサブＡＳＳＹとして一体に構成されるとともに、遊星歯車軸３１と、軸受け３２を介して設けられた遊星歯車３１と、キャリア３４とがサブＡＳＳＹとして一体に構成されており、このように、サブＡＳＳＹ化することにより、組み立てが容易になるばかりでなく、組み立て精度及び信頼性が向上する。
【００２８】
次に、回転電機の動作について説明する。
まず、回転電機の電動機動作について説明する。
機関始動時には、電磁クラッチ１５の界磁コイル２１に通電し、電磁クラッチ従動体２４は、ばね２５の弾性力に逆らって電磁クラッチ本体２０と接合し、電磁クラッチ従動体２４の係合部２３は、円筒状体２９の係合部２７と係合する。 この結果、円筒状体２９の内歯車部２８が固定要素となり、遊星歯車機構１６の減速比での減速が可能となり、回転子４の回転力は太陽歯車２６を入力要素とし、太陽歯車２６の回転により、遊星歯車３１は遊星歯車軸３３を中心に自転しながら、太陽歯車２６を中心に公転する。
【００２９】
遊星歯車３１の公転に伴い、キャリア３４を出力要素として、キャリア３４と一体に結合固定されたプーリ１７は回転し、プーリ１７に巻掛けされたベルト（図示せず）を介して機関に回転力が伝達され、機関は始動する。この時、一方向クラッチ１８は空転動作となる。従って、回転子４の回転速度に対して、遊星歯車機構１６の減速比とプーリ１７及び図示しない機関のクランクプーリの減速比との積で機関が駆動される。
尚、回転子４の回転力は、バッテリ（図示せず）、ブラシ７、スリップリング６を介して、界磁巻線１０に励磁電流を供給することで、回転子鉄心１１に磁束が発生し、この状態で三相固定子巻線１３に三相交流電流を供給することにより得られる。
【００３０】
次に、回転電機の発電機動作について説明する。
発電機動作による電力供給時には、電磁クラッチ１５の界磁コイル２１への通電を遮断することにより、電磁クラッチ従動体２４は、ばね２５の弾性力により電磁クラッチ本体２０から離れ、電磁クラッチ従動体２４の係合部２３と、円筒状体２９の係合部２７との係合が解除され、円筒状体２９は回転可能となる。
【００３１】
この状態のとき、機関からの動力はプーリ１７を介して、入力要素であるキャリア３４に伝達される。同時に、一方向クラッチ１８は接続動作となるので、プーリ１７の回転に伴い、一方向クラッチ１８、太陽歯車２６、回転子軸３を通じて、回転子４が回転し、三相固定子巻線１３に起電力が発生する。
【００３２】
【発明の効果】
この発明の請求項１に係る車両用交流回転電機によれば、ブラケット内に設けられた回転子軸に固定された回転子と、回転子軸の端部に固定された太陽歯車と、この太陽歯車と歯合した遊星歯車と、この遊星歯車と歯合する内歯車部を有する円筒状体と、遊星歯車の中心部を軸線方向に貫通した遊星歯車軸を介して遊星歯車を回転自在に支持するキャリアと、キャリアの内側に設けられ、動力伝達機構からの回転力を太陽歯車を通じて回転子軸に伝達する一方向クラッチと、ブラケット内に設けられた電磁クラッチとを備えたものであって、動力伝達機構と一方向クラッチと太陽歯車とが一体となるよう固定されるとともに、遊星歯車機構とキャリアとが一体に結合固定されているので、組み立てが容易になるばかりでなく、組み立て精度及び信頼性が向上する。
【００３３】
更にはキャリアと動力伝達機構を連結する場合、動力伝達機構の一端部の外周とキャリアの内周で同軸に嵌合して、径方向に位置決めするようにしたので、キャリアに遊星歯車軸、軸受けを介して連結されている遊星歯車の太陽歯車に対する位置精度を確保することが可能となり、遊星歯車機構での歯面の偏摩耗や騒音発生を低減できる。
【００３４】
この発明の請求項２に係る車両用交流回転電機によれば、キャリアと動力伝達機構がネジ等の結合手段により連結されているので、キャリアに遊星歯車軸と軸受けを介して遊星歯車を組み付けてサブＡＳＳＹとし、同じく、動力伝達機構に一方向クラッチを組み付けてサブＡＳＳＹとした後、キャリアと動力伝達機構を結合手段により連結することによって、これらサブＡＳＳＹを一体化でき、組み立てが容易になるばかりでなく、組み立て時の組み立て不良や部品への損傷を回避できる。
【００３５】
この発明の請求項３に係る車両用交流回転電機によれば、キャリアと動力伝達機構をピンによって一体に嵌合結合したので、キャリアと動力伝達機構間のトルク伝達をピンで分担させ、トルク伝達の為の応力分散と低減を図ることができる。
【００３６】
この発明の請求項４に係る車両用交流回転電機によれば、キャリアと円筒状体とでラビリンスを構成したので、遊星歯車機構部の潤滑材が外部に流出するのを防止するとともに、外部からの塩水や塵埃等の浸入を防止し、歯面の発錆や潤滑材の劣化による騒音の発生等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明の実施の形態１による車両用交流回転電機を示す断面図である。
【図２】 従来の車両用交流回転電機を示す断面図である。
【符号の説明】
１，２ ブラケット、３ 回転軸、４ 回転子、１５ 電磁クラッチ、
１８ 一方向クラッチ、２６ 太陽歯車、２８ 内歯車、２９ 円筒状体、
３１ 遊星歯車、３３ 遊星歯車軸、３４ キャリア、４０ 結合手段、４１ ピン。
Claims (4)
- ブラケット内に設けられた回転子軸に固定された回転子と、上記回転子軸の端部に固定された太陽歯車と、この太陽歯車と歯合した遊星歯車と、この遊星歯車と歯合する内歯車部を有する円筒状体と、上記遊星歯車の中心部を軸線方向に貫通した遊星歯車軸を介して遊星歯車を回転自在に支持するキャリアと、上記キャリアの内側に設けられ、動力伝達機構からの回転力を上記太陽歯車を通じて上記回転子軸に伝達する一方向クラッチと、上記ブラケット内に設けられた電磁クラッチとを備えた車両用交流回転電機において、上記動力伝達機構と上記一方向クラッチと上記太陽歯車とが一体となるよう固定されるとともに、遊星歯車機構と上記キャリアとが一体に結合固定され、上記キャリアと上記動力伝達機構を連結する場合、上記動力伝達機構の一端部の外周と上記キャリアの内周で同軸に嵌合して、径方向に位置決めしたことを特徴とする車両用交流回転電機。
- 上記キャリアと上記動力伝達機構がネジ等の結合手段により連結されていることを特徴とする請求項１記載の車両用交流回転電機。
- 上記キャリアと上記動力伝達機構をピンによって一体に嵌合結合したことを特徴とする請求項２記載の車両用交流回転電機。
- 上記キャリアと上記円筒状体とでラビリンスを構成したことを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の車両用交流回転電機。
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