JP3709919B2 - 液体試料中の成分の測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酵素反応を利用するバイオセンサを用いて液体試料中の特定成分の測定を行う測定装置および測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生体試料等に含まれる各種成分の測定方法として、酵素反応と電気化学反応を組み合わせた測定方法が広く用いられている。たとえば、溶液中の化学物質を酵素の触媒機能により他の物質に変換し、この物質を酸化還元反応により計測するバイオセンサが汎用化している。
【0003】
このようなバイオセンサを使用する方法として、使用直前に較正液を用いて較正を行った後、測定を行うのが一般的である。較正を行うことにより、バイオセンサの品質のばらつき、測定環境の変動やセンサ性能の経時変化等によらず安定な測定値を得ることが可能となる。
【0004】
ここで、バイオセンサの感度は温度依存性を有するため、測定試料と較正液の温度差があると測定誤差が生じることとなる。そこで従来の測定装置では、測定試料の温度検出手段、較正液の温度検出手段、温度補正手段を具備する構成とし、これにより測定精度向上を図る工夫がなされていた。たとえば特開昭63−1971号公報には、グルコースセンサおよび酸素センサを具備する尿検査装置が開示されており、この装置を使用する際、較正値の温度補正を行うことが記載されている。また、特開昭62−11160号公報には、固定化酵素膜利用計測装置が開示されており、標準液による較正および試料測定の際にセル温度を測定し、これにより温度補正を行うことが記載されている。
【0005】
しかしながら、上記公報に記載された従来の測定装置においては、温度検出手段はセンサ部分に設置され、センサに接触した較正液や試料の温度を測定して温度補償を行うという方式を採用していた。しかしながらこの方法では、以下の課題を有していた。
【0006】
第一に、温度検出器がセンサと一体化して形成されるため、センサを含む測定装置を小型化を図る場合の障害となっていた。
【0007】
第二に、温度検出器がセンサ近傍に一体化して形成されるため、寿命によりセンサを交換する際、温度検出器も同時に交換しなければならなくなり、ランニングコストの上昇を招いていた。酵素を利用するバイオセンサにおいては、センサの寿命は比較的短く、所定の頻度で交換する必要があるため、かかる課題の解決はコスト低減の点で重要となる。
【0008】
第三に、較正液の温度測定が正確に行われず、センサ測定値の誤差が大きくなることがあった。センサに較正液が接触すると、センサは、即、その較正液の温度を検出し得るわけではない。検出温度は、センサ自体の熱容量、センサが取り付けられている箇所の温度や環境温度、センサやその周辺部材の熱伝導率等の因子によって決定される曲線に沿って徐々に較正液温度に近づいていくといった挙動を示す。したがって、センサが較正液温度に到達しない間に較正液との接触が終了した場合、検出温度の遅れに伴い、真の温度からずれた値が温度が較正液温度として認識され、これに基づいて温度補正がなされることとなり、センサ測定値に測定誤差がもたらす結果となる。なお、このような検出温度の遅れについては、特開平2−54027号公報、特開平2−54028号公報にも記載されている。これらの公報には、便器にセンサを取り付けた構成の尿温測定器が開示されており、センサに放尿が当たったときの尿温の検出の遅れによる問題が記載されている。このような較正液温度の検出の遅れによって生じる測定誤差は、酵素反応を利用するバイオセンサを使用する場合、大きな問題となる。酵素反応は温度によって活性が顕著に相違するためである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、バイオセンサを使用する測定装置において、装置の小型化により省スペース化を図り、ランニングコストを抑えつつ、測定精度の向上を図ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、酵素反応を利用して液体試料中の特定成分の測定を行うバイオセンサと、該バイオセンサの出力信号を演算処理して計測値を得る演算処理部と、該バイオセンサを較正するための較正液を収容する容器と、を有する測定装置であって、
前記容器は、前記較正液を一定温度に維持するための温度制御手段を有することを特徴とする測定装置、が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、酵素反応を利用して液体試料中の特定成分の測定を行うバイオセンサと、該バイオセンサの出力信号を演算処理して計測値を得る演算処理部と、該バイオセンサを較正するための較正液を収容する容器と、を有する測定装置であって、
前記容器は、前記較正液の温度を測定する温度測定手段を有し、
前記演算処理部は、前記温度測定手段により測定された較正液の温度により前記計測値の補正を行う機能を有することを特徴とする測定装置、が提供される。
【0012】
従来技術の項で述べたように、センサ近傍で較正液の温度を測定した場合、較正液温度の検出の遅れが生じ、測定誤差が生じることがあった。これは、較正液の温度検出手段が較正液と接触している時間が限られていることに起因する。これに対して本発明の測定装置では、センサ近傍で較正液の温度を測定することに代え、▲1▼較正液を収容する容器に、較正液を一定温度に維持するための温度制御手段を設ける、あるいは、▲2▼較正液を収容する容器に温度測定手段を配設し、これにより較正液の温度を測定する、という手段を採用し、これにより、センサ近傍における較正液温度測定の誤差に由来する問題を解消し、較正の精度を高めている。試料中の微量成分を高精度に測定する場合、たとえば、後述するように1〜5mg/dlといった低濃度の尿糖を測定する場合等、上記較正液温度の検出の遅れによる測定誤差は無視できない程度となる。本発明によれば、このような問題を解消し、高精度の較正を実現できる。
【0013】
また、温度制御手段を設ける構成の測定装置にあっては、温度補正のための回路を省略でき、装置を一層小型化できるという利点を有する。たとえば、測定対象となる試料の温度を、恒温に維持された較正液と同じ温度とすれば、温度補正が不要となる。また、たとえば、尿を測定試料とする場合、人体から放出された直後の尿温度が約32℃であるため、トイレにセンサを設置し、センサ部に尿を直接滴下することにより測定を行う場合や、採取された尿を直ぐに測定する場合は、温度補正が不要となり、本発明を好適に適用できる。
【0014】
また、本発明の測定装置は、センサ部分に試料や較正液の温度検出手段を設けなくて済むため、装置の小型化を図ることができる。このため、ハンディサイズとして携帯用測定装置としたり、あるいは、トイレ等の狭い空間に設置する装置として、好適に用いることができる。
【0015】
さらに、本発明の測定装置は、センサ部分に試料や較正液の温度検出手段を設けなくて済むため、センサを交換する際に温度検出器も同時に交換する必要がなく、従来の測定装置に比べランニングコストを低減できる。この利点を生かすため、本発明におけるバイオセンサは、酵素電極を着脱可能に配設した構成とすることが好ましい。
【0016】
また本発明によれば、
酵素反応を利用するバイオセンサを用いて液体試料中の特定成分の測定を行う測定方法であって、
較正液を一定温度に維持するステップと、
前記バイオセンサに前記較正液を接触させて較正を行うステップと、
前記較正液と同じ温度の前記液体試料について測定を行い、該液体試料中の特定成分の濃度計測値を得るステップと、を有することを特徴とする測定方法、が提供される。
【0017】
この方法によれば、較正値の温度補正が不要となり、測定手順が簡略化できる。このため、一般ユーザーが使用する場合にも、較正液の温度補正の操作ミス等によって測定値が不正確になることを防止できる。また、センサ近傍で較正液の温度を測定する従来技術において課題となっていた、較正液温度の検出の遅れが発生せず、高い精度の較正を行うことができる。さらに、センサに温度測定手段を設けなくて済むため、装置が小型化できるとともに、ランニングコストを低減できる。
【0018】
また本発明によれば、
酵素反応を利用するバイオセンサを用いて液体試料中の特定成分の測定を行う測定方法であって、
較正液の温度を測定するステップと、
前記バイオセンサに前記較正液を接触させて較正を行った後、前記較正液の温度により補正した較正値を得るステップと、
前記液体試料中の特定成分の濃度を測定した後、前記較正値を用いて補正を行い、濃度計測値を得るステップと、
を有することを特徴とする測定方法、が提供される。
【0019】
この方法によれば、センサ近傍で較正液の温度を測定する従来技術において課題となっていた、較正液温度の検出の遅れが発生せず、高い精度の較正を行うことができる。さらに、センサに温度測定手段を設けなくて済むため、装置が小型化できるとともに、ランニングコストを低減できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明においては、酵素反応を利用して液体試料中の特定成分の測定を行うバイオセンサを用いる。バイオセンサは、種々の測定方式のものを採用することができ、電気化学的測定によるものや光吸収の測定によるもの等を利用することができる。このうち、電気化学的測定によるものは、高精度の較正を実現する等の本発明の効果がより顕著に発揮される。
【0021】
電気化学的測定によるバイオセンサの具体的構成としては、金属膜上に酵素層を備えた酵素電極を作用極とし、この作用極と離間して対極を設け、作用極に流れる電流値を測定する方式のものが挙げられる。この構成のバイオセンサでは、液体試料中の特定成分を酵素反応により他の物質に変換し、変換された物質の発生量を測定するという方式を採用することができる。たとえばグルコースバイオセンサでは、グルコースをグルコースオキシターゼ(GOX)によって酸化し、グルコン酸と過酸化水素とし、発生した過酸化水素の測定によりグルコース濃度を定量する。また、この方式とは別に、酵素層近傍における酸素の減少にともなう酸素還元電流の減少値を計測し、これによりグルコース濃度を定量する方式を採用することもできる。
【0022】
本発明の測定装置を構成するバイオセンサの一例を図17に示す。絶縁基板31上に作用極37、対極38、および参照極39が形成されている。作用極37、対極38、および参照極39の上には、結合層33、固定化酵素層34および制限透過層35がこの順で形成されている。
【0023】
絶縁基板31の材料としては、セラミックス、ガラス、石英、プラスチック等の絶縁性の高い材料から主としてなるものを用いることができる。耐水性、耐熱性、耐薬品性および電極との密着性に優れた材料であることが好ましい。作用極37、対極38の材料としては、たとえば白金、金、銀、炭素等から主としてなるものを用いることができ、このうち耐薬品性および過酸化水素の検出特性に優れた白金が好ましく用いられる。一方、参照極39は、銀/塩化銀電極が好ましく用いられる。結合層33は、その上の固定化酵素層34と、絶縁基板31および各電極との密着性(結合力)を向上させるために設けられ、シランカップリング剤から主としてなる。例えばシランカップリング剤溶液をスピンコートすることにより形成することができる。
【0024】
固定化酵素層34は、有機高分子を母材として、触媒機能をもつ酵素を固定化したものである。固定化酵素層34は、例えば、各種酵素、グルタルアルデヒド等のタンパク質架橋剤、およびアルブミンを含む溶液を結合層33上に滴下し、スピンコート法にて形成される。アルブミンは、各種酵素を架橋剤の反応から保護するとともにタンパク質の基材となる。酵素としては、乳酸酸化酵素、グルコース酸化酵素、尿酸酸化酵素、ガラクトース酸化酵素、ラクトース酸化酵素、スクロース酸化酵素、エタノール酸化酵素、メタノール酸化酵素、スターチ酸化酵素、アミノ酸酸化酵素、モノアミン酸化酵素、コレステロール酸化酵素、コリン酸化酵素およびピルビン酸酸化酵素等、触媒反応の生成物として過酸化水素を生成する、または酸素を消費する酵素が挙げられる。
【0025】
ここで、2種類以上の酵素を同時に用いてもよい。例えば、クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、およびサルコシンオキシダーゼがこれに該当する。これらの酵素を用いることによってクレアチニンの検出が可能になる。また、酵素と補酵素を同時に用いてもよい。例えば、3-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素とニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)がこれに該当する。これらの酵素を用いることによって3-ヒドロキシ酪酸の検出が可能になる。さらに、酵素と電子メディエータを同時に用いてもよい。この場合は、酵素によって還元された電子メディエータが電極表面上で酸化され、このときに得られる酸化電流値を測定する。例えば、グルコースオキシダーゼとフェリシアン化カリウムがこれに該当する。これらを用いることによってグルコースの検出が可能になる。
【0026】
以上述べたように、固定化酵素層34は、少なくとも酵素を含み、測定対象物質を電極感応物質である過酸化水素等に変換する機能を持つ構成であれば、特に限定されない。
【0027】
なお、固定化酵素層34の形成方法については、均一な膜厚を形成できる方法であれば特に制限がなく、スピンコート法以外にもスクリーン印刷法などを用いることもできる。
【0028】
制限透過層35は、測定対象となる化学物質の過剰な拡散を制限するため、測定可能範囲を高濃度にまで拡大するとともに、低濃度領域の測定に関しても精度の向上を図る役割を果たす。また、制限透過層35は、汚染物質や電極に反応する干渉物質の透過を制限する役割を果たす。汚染物質としてはタンパク質等、干渉物質としてはアスコルビン酸、尿酸、p-アセトアミノフェン等が挙げられる。制限透過層35は、メタクリル酸樹脂のフルオロアルコールエステルにより構成されることが好ましい。メタクリル酸樹脂のフルオロアルコールエステルとは、メタクリル酸樹脂の一部、または全部をフルオロアルコールでエステル化され、前記フルオロアルコールとはアルコール中の水素のすべて、または少なくとも一つをフッ素に置き換えられたものである。たとえばポリメタクリル酸1H,1H−パーフルオロオクチルやポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルを用いることができる。ここで、ポリメタクリル酸1H,1H−パーフルオロオクチルは、メタクリル酸の一部または全部が1H,1H−パーフルオロオクチルアルコールによりエステル化された重合体をいうものとする。
【0029】
この制限透過層35は、パーフルオロヘキサン等のパーフルオロカーボンの溶媒で希釈したメタクリル酸樹脂のフルオロアルコールエステル溶液を、触媒機能をもつ酵素を固定化した固定化酵素層34上に滴下してスピンコート法等により形成することができる。
【0030】
この酵素電極をグルコースセンサとして使用する場合、最外層の制限透過層35がグルコースの拡散速度を制限する。拡散してきたグルコースは、グルコース酸化酵素を使用した固定化酵素層34で触媒反応を起こし、過酸化水素とグルコノラクトンを発生する。このうち過酸化水素が作用極37に到達した際の酸化電流を測定してグルコースの濃度を知ることができる。
【0031】
上記のように特定構造の制限透過層を備えた酵素電極を用いた場合、従来のセンサに比べ測定感度が大幅に向上する。たとえば、上記バイオセンサを、尿中のグルコース(尿糖)を測定する尿糖センサとして用いた場合、尿糖の測定下限に関し、従来技術では50mg/dlであったのに対し、本発明のセンサでは1〜5mg/dlまで検出可能となる。ところが、このような低濃度領域における測定を行う場合は、尿糖測定値に与える較正液温度の影響が相対的に大きくなり、較正に関し、高い水準の精度が求められることとなる。この点、本発明によれば、上記要求に応える充分な精度の較正を実現できるため、このような用途に好適に適用できる。以上のように、本発明は、上記特定構造の制限透過層を備えた酵素電極を用いた場合、特に顕著な効果を発揮し、たとえば尿糖センサに適用すれば、従来のセンサでは不可能であった、尿糖値が正常範囲内にある人や、糖尿病予備軍に該当する人の尿糖を測定することが可能となり、糖尿病の予防に役立つデータ収集が可能となる。
【0032】
本発明は、生体の体液、特に尿を測定対象とするセンサに適用したときに一層効果的である。尿の温度は放尿直後において約32℃とほぼ一定の値を示す。このため、較正液の温度を予め把握する本発明によれば、簡易な構造で正確な較正を実現できることとなる。
【0033】
本発明におけるバイオセンサの較正液とは、使用前にセンサの電極部を接触させ、較正を行うための液をいう。較正液には既知濃度の測定対象物質が溶解している。バイオセンサのセンサ出力は電流値や電圧として得られるため、較正液は、解離定数の高い電解質とpH緩衝作用を持つ物質(以下、緩衝物質と記載する)を含有することが好ましい。電解質は塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムが一般的に用いられるが、解離定数が高く、電極である作用極と反応しない物質、もしくは反応し難い物質であればよい。緩衝物質としては、例えばN−トリス(ヒドロキシメチル)−メチル−2−アミノエタンスルホン酸(以下、TESと記述する)や、N−2−(ヒドロキシメチル)ピパラジン−N’−2−エタンサルフォニックアシッドが一般的に用いられるが、電解質と同様に電極である作用極と反応しないもの、もしくは反応し難いものであればよい。較正の方法は、所定濃度における測定値とゼロ点とによる2点較正としてもよいし、2点以上の測定値による3点較正としてもよい。
【0034】
本発明における較正液容器は、較正液の温度を一定に維持するための温度制御手段、または較正液の温度を測定する温度測定手段を備えている。温度制御手段は、ヒータ等の昇温手段とPID等による制御手段とを組み合わせた構成とすることができ、適宜、冷却管等の降温手段を採用することもできる。温度測定手段は、たとえば熱電対式の温度センサなどを用いることができる。温度測定手段は、容器内に収容された較正液と接するように、または、較正液と同じ温度に安定している容器の壁面と接するように設ける。
【0035】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0036】
(第1の実施の形態)
本実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る測定装置は、バイオセンサ、演算処理部、データ報知部を含む測定器(図1(a))と、較正液容器(図1(b))と、により構成されている。
【0037】
較正液容器は、図2に示すように、容器6とふた8からなり、容器6には、電源スイッチ9、温度調節スイッチ10が設けられている。容器6には較正液7が満たされている。図2に示す較正液容器のより詳細な構造は、図22のようになっている。較正液容器の温度制御部は、ヒータ40、サーモスタット41、電線42、電源スイッチ9、温度調節スイッチ10により構成されており、温度調節スイッチ10を調節することにより較正液容器の温度を調整できるようになっている。この容器には、降温手段は特に設けていないが、容器の周囲に冷却管を配設する等して、降温手段を設けることもできる。
【0038】
一方、測定器は図3に示す構造となっており、先端部に酵素電極5が設けられており、この酵素電極5からの出力を演算処理する回路(不図示)を備えている。本体1には、電源スイッチ3、較正スイッチ4、データ報知部2、較正液温度設定スイッチ11がそれぞれ設けられている。
【0039】
測定器の回路構成を図4に示す。酵素電極5は、電気化学測定回路部21と接続している。電気化学測定回路部21は、本実施形態ではポテンシオスタットを用いるが、酵素電極5に対して定電位を印加し、電流値を測定できる回路であれば、特に限定されない。電気化学測定回路部21を経由した出力信号は、データ処理部22に入力される。データ処理部22は、酵素電極5からの出力信号をもとに測定値を算出する機能を有しており、たとえば、上記電気信号をアナログ信号またはデジタル信号に変換し、測定値を算出するという形態で動作する。データ処理部22の構成は、電気化学測定回路部21からの信号を処理できるマイクロプロセッサ等の演算部を持つものであれば特に限定されない。
【0040】
データ処理部22で処理された信号は、データ報知部2で測定値として報知される。データ報知部2は、データ処理部22によって処理されたデータを報知する機能を有するものであれば特に限定されない。報知する手段は、本実施形態は本体に設置された表示窓への表示としているが、これ以外に、音声、光、振動、色彩、光等により結果を報知する形態とすることもできる。
【0041】
以上の機能を有する各部は、配線24により電気的に接続されている。
【0042】
本実施形態に係る測定装置を用いた測定方法について、図9を参照して説明する。はじめに、較正液容器の電源スイッチ9をオンにし、温度調節スイッチ10の温度を測定サンプルと同じ値に設定する。次に測定器の酵素電極5を保存液(不図示)中に浸漬し、測定器の電源スイッチ3をオンにする。較正液が設定温度になっていることを確認してから、酵素電極5を、図2に示す較正液容器に満たされた較正液7に浸漬し、測定器の較正スイッチ4を押し、液体成分測定器の較正を行う。較正の方法は、所定濃度における測定値とゼロ点とによる2点較正としてもよいし、2点以上の測定値による3点較正としてもよい。そして、酵素電極5表面の較正液を洗い流した後、酵素電極5を保存液に浸漬する。次いで酵素電極5を測定サンプルに浸漬し、測定を行う。測定終了後は酵素電極5部分を洗浄し、保存液に戻してから次の測定を行う。以上の測定方法により、高い精度の測定値を得ることができる。
【0043】
(第2の実施形態)
本実施形態について図面を参照して説明する。図5に示すように、本実施形態に係る測定装置は、バイオセンサ、演算処理部、データ報知部を含む測定器(図1(a))と、較正液容器(図1(b))と、により構成されている。図6に示すように、較正液容器は容器6とふた8からなり、容器6には、温度計12が設けられている。容器6には較正液7が満たされている。この較正液容器のより詳細な構造は、図23のようになっており、較正液容器の温度計12は、熱電対方式の温度センサ43と電気回路44により構成されている。
【0044】
一方、測定器は図7に示す構造となっており、先端部に酵素電極5が設けられており、この酵素電極5からの出力を演算処理する回路(不図示)を備えている。本体1には、第1の実施の形態と同様、電源スイッチ3、較正スイッチ4、データ報知部2が設けられ、さらに、較正液の温度を入力するための較正液温度設定スイッチ11が設けられている。
【0045】
測定器の回路構成を図8に示す。酵素電極5は、電気化学測定回路部21と接続している。電気化学測定回路部21は、本実施形態ではポテンシオスタットを用いるが、酵素電極5に対して定電位を印加し、電流値を測定できる回路であれば、特に限定されない。電気化学測定回路部21を経由した出力信号は、データ処理部22に入力される。データ処理部22は、酵素電極5からの出力信号をもとに測定値を算出する機能を有しており、たとえば、上記電気信号をアナログ信号またはデジタル信号に変換し、測定値を算出するという形態で動作する。データ処理部22の構成は、電気化学測定回路部21からの信号を処理できるマイクロプロセッサ等の演算部を持つものであれば特に限定されない。このデータ処理部での演算は、温度補正処理部25による温度補正を考慮してなされる。これにより、較正液の温度を考慮した高精度の較正が実現される。
【0046】
データ処理部22で処理された信号は、データ報知部2で測定値として報知される。データ報知部2は、データ処理部22によって処理されたデータを報知する機能を有するものであれば特に限定されない。報知する手段は、本実施形態は本体に設置された表示窓への表示としているが、これ以外に、音声、光、振動、色彩、光等により結果を報知する形態とすることもできる。
【0047】
以上の機能を有する各部は、配線24により電気的に接続されている。
【0048】
本実施形態に係る測定装置を用いた測定方法について、図10を参照して説明する。はじめに、測定器の酵素電極5部分を保存液中に浸漬し、電源スイッチ3をオンにする。続いて、較正液容器に備え付けられている温度計12が表示している温度に、測定器の較正液温度設定スイッチ11を設定する。次に、酵素電極を較正液に浸漬し、較正スイッチを押し、液体成分測定器の較正を行う。つづいて酵素電極5表面の較正液を洗い流した後、酵素電極5を保存液に浸漬した後、測定サンプルに浸漬し、測定を行う。測定終了後は酵素電極部分を洗浄し、保存液に戻してから次の測定を行う。以上の測定方法により、高い精度の測定値を得ることができる。
【0049】
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、測定器と較正液容器が独立した形態となっていたが、これらを電線24により電気的に接続した構成とすることもできる。図11〜13はこのような構成の測定器の概略図である。図11において、測定器と較正液容器は電線24により電気的に接続している。図12に示すように、較正液容器は容器6とふた8からなり、容器6には、熱電対方式の温度計12が設けられている。容器6には較正液7が満たされている。測定器は図13に示す構造となっており、先端部に酵素電極5を備え、この酵素電極5からの出力を演算処理する回路(不図示)を内蔵している。本体1には、電源スイッチ3、較正スイッチ4、データ報知部2がそれぞれ設けられている。第2の実施形態と異なり、本実施形態では、較正液の温度を入力するための較正液温度設定スイッチ11が設けられておらず、較正容器と接続する電線24を介して較正液温度データが直接、測定器に取り込まれるようになっている。
【0050】
この測定装置を用いた測定方法は、概略、第2の実施形態と同様であり、較正液温度設定スイッチ11の設定が不要となる点が相違する。本実施形態の装置では、測定器のハンディ性が若干失われるものの較正液温度を設定する操作が不要となるため、操作性が向上する。
【0051】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、以下の各実施例、比較例で使用した較正液は、すべて200 mg/dlグルコース溶液とした。すなわち、150 mMの塩化ナトリウムを含むpH 7の1 mMのTES(エヌ・トリス(ハイドロキシメチル)・メチル・2−アミノエタンサルフォニックアシッド)緩衝液中に200 mg/dlのグルコースが溶けているものを使用した。
【0052】
実施例1
本実施例では、図1〜3に示したのと同様の構成の測定装置を作製し、評価を行った。まず10mm×6mmの石英基板上に、白金からなる作用極(面積7mm2)と対極(面積4mm2)、2つの銀/塩化銀からなる参照極(面積1mm2)を形成した。つづいて1v/v%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン溶液をスピンコートして結合層を形成した後、グルコース酸化酵素を含み、かつ1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v%アルブミン溶液をスピンコートして、固定化酵素層を形成し、電流検出型の酵素電極を作製した。
【0053】
つづいて、この酵素電極を用いて液体成分測定器を作製した。液体成分測定器は、本体内部に電気化学測定回路部、データ処理部、データ表示部を実装して結線し、本体表面にこれらを動作させるための電源スイッチと、較正スイッチを形成し、さらに、前述の酵素電極を本体に実装して電気化学測定回路部と結線することにより作製した。酵素電極は本体から着脱可能に装着され、適宜、交換できるようになっている。
【0054】
一方、酵素電極の較正を行うための較正液を収容する較正液容器は、図2に示したのと同様の構成とした。
【0055】
次に、上記液体成分測定器および較正液容器からなる測定装置の操作手順、およびこの測定装置を用いて尿中のグルコースを測定した結果について説明する。
【0056】
はじめに、較正液容器の電源スイッチを入れ、温度調節スイッチの温度を測定サンプルと同値である32℃に設定する。次に液体成分測定器の酵素電極部分を150mMの塩化ナトリウムを含むpH7のTES(エヌ・トリス(ハイドロキシメチル)・メチル・2−アミノエタンサルフォニックアシッド)緩衝液の保存液中に浸漬し、電源スイッチを入れる。較正液が設定温度になっていることを確認してから、酵素電極を較正液に浸漬し、較正スイッチを押し、液体成分測定器の較正を行う。そして、酵素電極表面の較正液を洗い流した後、酵素電極を前述の保存液に戻してから、測定サンプルに浸漬し、測定を行う。測定終了後は酵素電極部分を洗浄し、保存液に戻してから次の測定を行う。
【0057】
上記測定装置の測定値の温度依存性を図14に示す。図中、横軸は測定試料の温度であり、縦軸は、センサ出力を示す。測定試料は1000mg/dlグルコース溶液である。図示して結果から、温度によって測定値が大きく変動することがわかる。
【0058】
次に、この測定装置を用いて、32℃の21mg/dlグルコースを含む実尿サンプルを測定した。同一サンプルを10回繰り返して測定し、測定値と測定値の変動を評価した。なお、評価中の実尿サンプルの温度低下を防ぐため、サンプルを恒温装置に入れて評価した。
【0059】
比較例1
較正液容器に温度調整機能を備えていない測定装置を用い、実施例1と同様にしてグルコース測定を行った。
【0060】
実施例1および比較例1の測定結果を図15に示す。図中、丸印が実施例1、四角印が比較例1の結果である。実施例1の測定置では、21±0.8mg/dlという測定値が得られた。これは、実際の濃度(21mg/dl)と同じ値である。これに対し、比較例1の測定値は26±0.9mg/dlであった。較正液容器に温度調整機能を設けることにより、高い精度で測定できることが示された。
【0061】
実施例2
本実施例では、図5〜7に示したのと同様の構成の測定装置を作製し、評価を行った。まず10mm×6mmの石英基板上に、白金からなる作用極(面積7mm2)と対極(面積4mm2)、2つの銀/塩化銀からなる参照極(面積1mm2)を形成した。つづいて1v/v%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン溶液をスピンコートして結合層を形成した後、グルコース酸化酵素を含み、かつ1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v%アルブミン溶液をスピンコートして、固定化酵素層を形成し、電流検出型の酵素電極を作製した。
【0062】
つづいて、この酵素電極を用いて液体成分測定器を作製した。液体成分測定器は、本体内部に電気化学測定回路部、温度補正処理部を備えたデータ処理部、データ表示部を実装して結線し、本体表面にこれらを動作させるための電源スイッチと、較正スイッチと、較正液温度設定スイッチを形成し、さらに、前述の酵素電極を本体に実装して電気化学測定回路部と結線することにより作製した。酵素電極は本体から着脱可能に装着され、適宜、交換できるようになっている。
【0063】
一方、酵素電極の較正を行うための較正液を収容する較正液容器は、図6に示したのと同様の構成とした。
【0064】
つづいて、この測定装置の操作手順、およびこの測定装置を用いて尿中のグルコースを測定した結果について説明する。
【0065】
以下の測定方法では、測定対象物質の温度が予めわかっていることを前提としており、測定前に、測定対象物質の温度を測定器データ処理部のメモリに記録しておく。
【0066】
次に、液体成分測定器の酵素電極部分を150mMの塩化ナトリウムを含むpH7のTES(エヌ・トリス(ハイドロキシメチル)・メチル・2−アミノエタンサルフォニックアシッド)緩衝液の保存液中に浸漬し、電源スイッチを入れる。続いて、較正液容器に備え付けられている温度計が表示している温度に、液体成分測定器の較正液温度設定スイッチを設定する。次に酵素電極を較正液に浸漬し、較正スイッチを押し、液体成分測定器の較正を行う。次に、酵素電極表面の較正液を洗い流した後、酵素電極を前述の保存液に戻してから、測定サンプルに浸漬し、測定を行う。測定終了後は酵素電極部分を洗浄し、保存液に戻してから次の測定を行う。
【0067】
この測定装置を用いて、32℃の21mg/dlグルコースを含む実尿サンプルを測定した。較正液温度設定スイッチを24℃、測定サンプル温度設定スイッチを32℃にそれぞれ設定し、同一サンプルを10回繰り返して測定し、測定値と測定値の変動を評価した。なお、評価中の実尿サンプルの温度低下を防ぐため、サンプルを恒温装置に入れて評価した。
【0068】
比較例2
実施例2の対照実験として、以下の2種類の装置を用意し、測定を行った。
(a)温度補正処理部を欠いた測定装置を用い、実施例2と同様にして測定を行った。
(b)較正液容器側ではなく、酵素電極部分に温度計を設けた測定装置を用いた。酵素電極部分に較正液を浸漬し、較正を行う際、温度計が表示している温度に液体成分測定器の較正液温度設定スイッチを設定した。これ以外の測定手順は実施例2と同様にした。
【0069】
実施例2および比較例2の結果を図16に示す。実施例2の測定装置では、21±0.8mg/dlを示したのに対して、比較例2では、実験(a):26±0.9mg/dl、実験(b):23±1.8mg/dlを示した。この結果から、温度計を較正液容器側に設置することにより、高い精度の測定値が得られることが示された。
【0070】
実施例3
本実施例では、図1〜3に示したのと同様の構成の測定装置を作製し、評価を行った。まず10mm×6mmの石英基板上に、白金からなる作用極(面積7mm2)と対極(面積4mm2)、2つの銀/塩化銀からなる参照極(面積1mm2)を形成した。つづいて1v/v%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン溶液をスピンコートして結合層を形成した後、グルコース酸化酵素を含み、かつ1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v%アルブミン溶液をスピンコートして、固定化酵素層を形成し、電流検出型の酵素電極を作製した。
【0071】
つづいて、この酵素電極を用いて液体成分測定器を作製した。液体成分測定器は、本体内部に電気化学測定回路部、データ処理部、データ表示部を実装して結線し、本体表面にこれらを動作させるための電源スイッチと、較正スイッチを形成し、さらに、前述の酵素電極を本体に実装して電気化学測定回路部と結線することにより作製した。酵素電極は本体から着脱可能に装着され、適宜、交換できるようになっている。
【0072】
一方、酵素電極の較正を行うための較正液を収容する較正液容器は、図2に示したのと同様の構成とした。
【0073】
つづいて、この測定装置の操作手順、およびこの測定装置を用いて尿中のグルコースを測定した結果について説明する。
【0074】
はじめに、較正液容器の電源スイッチを入れ、温度調節スイッチの温度を測定サンプルと同値である32℃に設定する。次に液体成分測定器の酵素電極部分を150mMの塩化ナトリウムを含むpH7のTES(エヌ・トリス(ハイドロキシメチル)・メチル・2−アミノエタンサルフォニックアシッド)緩衝液の保存液中に浸漬し、電源スイッチを入れる。較正液が設定温度になっていることを確認してから、酵素電極を較正液に浸漬し、較正スイッチを押し、液体成分測定器の較正を行う。そして、酵素電極表面の較正液を洗い流した後、酵素電極を前述の保存液に戻してから、測定サンプルに浸漬し、測定を行う。測定終了後は酵素電極部分を洗浄し、保存液に戻してから次の測定を行う。
【0075】
この測定装置を用いて、32℃の21mg/dlグルコースを含む実尿サンプルを、雰囲気温度が10、15、20、25、30℃の状態で測定した。評価中の実尿サンプルの温度低下を防ぐため、サンプルを恒温装置に入れて評価した。
【0076】
比較例3
実施例3の対照実験として、較正液容器に温度調整機能を備えていない測定装置を用い、同様の測定を行った。較正液の温度は、常に雰囲気温度と同値、もしくは雰囲気温度にきわめて近くなっている。
【0077】
実施例3および比較例3の測定結果を図21に示す。実施例3の測定装置では、雰囲気温度に影響されず21mg/dlを示したのに対して、比較例では、雰囲気温度が低い場合ほど高い測定値を示し、温度による影響を受けやすいことが示された。この原因は較正液が雰囲気温度の影響を受け、装置の較正が正常に行われなかったためである。以上のことから、較正液容器に温度調整機能を設けることにより、高い精度で測定できることが示された。
【0078】
実施例4
以上述べた実施形態では、測定器をカートリッジタイプとした携帯型の測定装置としたが、据え付け型の測定装置とすることもできる。本実施例は、尿糖センサを含む測定器をトイレの便器に設置したものである。
【0079】
まず10mm×6mmの石英基板上に、白金からなる作用極(面積7mm2)と対極(面積4mm2)、2つの銀/塩化銀からなる参照極(面積1mm2)を形成した。つづいて1v/v%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン溶液をスピンコートして結合層を形成した後、グルコース酸化酵素を含み、かつ1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v%アルブミン溶液をスピンコートして、固定化酵素層を形成した。次いで、固定化酵素層の上に全面に、パーフルオロヘキサンを用いて0.3質量%に調整したポリメタクリル酸1H,1H−パーフルオロオクチル(数平均分子量は約7000程度)溶液をスピンコートした後、乾燥を行って制限透過層を形成した。以上により電流検出型の尿糖センサを作製した。尿糖センサの概略構造は図17に示したものと同様である。
【0080】
上記のようにして得られた尿糖センサ53を、図19に示すように配置した。尿糖センサ53は、採尿器52と一体化して設けられ、支持部54によって支持されている。尿糖センサ53からの出力は、計測・表示部55に導かれ、測定結果が表示される。
【0081】
計測・表示部55の下部には、図20に示すように、収納部60が設けられ、その内部に、較正液容器56、保存液・洗浄液容器57が収納されている。なお、収納部の大きさは、奥行き100mm、高さ100mm程度である。較正液容器56は、図22に示す容器と同様の構造を有しており、ヒータおよびサーモスタットからなる温度制御部が設けられている。
【0082】
測定装置全体の構成は図18のようになっている。較正液容器56および保存液・洗浄液容器57に収容された較正液、保存液、洗浄液は、それぞれ配管59、ポンプ51により、尿糖センサ53表面に導かれるようになっている。測定は、尿61を尿糖センサ53表面に直接、接触させ、尿糖センサ53からの出力をデータ処理することにより行われる。データ処理は、電気化学測定回路部、データ処理部、およびデータ表示部により構成された計測・表示部55により行われる。データ処理部には、較正液容器56に取り付けられた温度センサ58が接続しており、較正液の温度により、計測値の補正が行われるようになっている。なお、本実施例の測定装置は、制限透過層を設けているため、尿を原液のまま測定することができるようになっている。
【0083】
次に、上記測定装置を用いた測定方法を以下に示す。
【0084】
はじめに、較正液容器の電源スイッチを入れ、温度調節スイッチの温度を測定サンプルと同値である32℃に設定する。次に、150mMの塩化ナトリウムを含むpH7のTES(エヌ・トリス(ハイドロキシメチル)・メチル・2−アミノエタンサルフォニックアシッド)緩衝液の洗浄液を、尿糖センサの酵素電極部分に向けて噴出する。次いで、較正液が設定温度になっていることを確認してから、酵素電極に向けて較正液を噴出し、その状態で較正スイッチを押し、尿糖センサの較正を行う。そして、再び洗浄液を用いて酵素電極表面の較正液を洗い流した後、酵素電極部分に尿をかけ、測定を行う。測定終了後は、洗浄液により酵素電極部分を洗浄する。
【0085】
本実施例で示したように、試料(尿)を直接センサ部分にあてる方式で測定を行う場合、較正液の温度の検出遅れによる測定誤差が顕著となる。本実施例の装置では、バイオセンサ部分に温度計を設ける従来の方式に代え、較正液に温度制御手段を設けたため、高い精度で較正を行うことができ、尿糖のレベルが低い場合でも繰り返し精度の高い安定な測定結果を得ることができる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、較正液を収容する容器に、較正液を一定温度に維持するための温度制御手段を設ける、あるいは、較正液を収容する容器に温度測定手段を配設し、これにより較正液の温度を測定する、という手段を採用している。このため、従来技術において課題となっていた液温の検出の遅れを解消し、較正の精度を高めることができる。また、センサ部分に試料や較正液の温度検出手段を設けなくて済むため、装置の小型化を図ることができ、ハンディサイズとして携帯用測定装置としたり、あるいは、トイレ等の狭い空間に設置することができる。さらに、センサを交換する際に温度検出器も同時に交換する必要がなく、従来の測定装置に比べランニングコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る測定装置の概略図である。
【図2】本発明に係る較正液容器の概略図である。
【図3】本発明に係る測定器の概略図である。
【図4】本発明に係る測定装置の回路構成を示す図である。
【図5】本発明に係る測定装置の概略図である。
【図6】本発明に係る較正液容器の概略図である。
【図7】本発明に係る測定器の概略図である。
【図8】本発明に係る測定装置の回路構成を示す図である。
【図9】本発明に係る測定装置を用いた測定手順を示す図である。
【図10】本発明に係る測定装置を用いた測定手順を示す図である。
【図11】本発明に係る測定装置の概略図である。
【図12】本発明に係る較正液容器の概略図である。
【図13】本発明に係る測定器の概略図である。
【図14】センサ出力の温度依存性を示す図である。
【図15】本発明に係る測定装置を用いた尿糖測定結果を示す図である。
【図16】本発明に係る測定装置を用いた尿糖測定結果を示す図である。
【図17】酵素電極の構造を示す図である。
【図18】本発明に係る測定装置の概略図である。
【図19】本発明に係る測定装置の概略図である。
【図20】本発明に係る測定装置の概略図である。
【図21】本発明に係る測定装置を用いた尿糖測定結果を示す図である。
【図22】本発明に係る較正液容器の概略図である。
【図23】本発明に係る較正液容器の概略図である。
【符号の説明】
1 本体
2 データ報知部
3 電源スイッチ
4 較正スイッチ
5 酵素電極
6 容器
7 較正液
8 ふた
9 電源スイッチ
10 温度調節スイッチ
11 較正液温度設定スイッチ
12 温度計
21 電気化学測定回路部
22 データ処理部
24 電線
25 温度補正処理部
31 絶縁基板
33 結合層
34 固定化酵素層
35 制限透過層
37 作用極
38 対極
39 参照極
40 ヒータ
41 サーモスタット
42 電線
43 温度センサ
44 電気回路
50 測定装置
51 ポンプ
52 採尿器
53 尿糖センサ
54 支持部
55 計測・表示部
56 較正液容器
57 保存液・洗浄液容器
58 温度センサ
59 配管
60 収納部
61 尿

Claims (4)

  1. 酵素反応を利用して液体試料中の特定成分の測定を行うバイオセンサと、該バイオセンサの出力信号を演算処理して計測値を得る演算処理部と、該バイオセンサを較正するための較正液を収容する容器と、を有する測定装置であって、
    該測定装置は、前記較正液を収容する容器中において、該バイオセンサの電極部に前記較正液を接触させて、該バイオセンサの較正を行う方式を採用し、
    前記容器は、前記較正液を一定温度に維持するための温度制御手段を有することを特徴とする測定装置。
  2. 酵素反応を利用して液体試料中の特定成分の測定を行うバイオセンサと、該バイオセンサの出力信号を演算処理して計測値を得る演算処理部と、該バイオセンサを較正するための較正液を収容する容器と、を有する測定装置であって、
    前記容器は、前記較正液の温度を測定する温度測定手段を有し、
    前記演算処理部は、前記温度測定手段により測定された較正液の温度により前記計測値の補正を行う機能を有することを特徴とする測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の測定装置において、前記バイオセンサは、作用極として酵素電極を備える電気化学センサであることを特徴とする測定装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかに記載の測定装置において、前記液体試料が尿であることを特徴とする測定装置。
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