JP3708377B2 - 音声周波数帯域内信号伝送装置及び音声周波数帯域内信号伝送方法 - Google Patents

音声周波数帯域内信号伝送装置及び音声周波数帯域内信号伝送方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、音声信号・ファクシミリ信号・データモデム信号等の音声周波数帯域内の信号を高能率に伝送する音声周波数帯域内信号伝送装置及び音声周波数帯域内信号伝送方法に関するものであり、特に、V.34変調方式を搭載したファクシミリ端末、データモデム端末を用いた通信において高能率伝送を可能にする音声周波数帯域内信号伝送装置及び音声周波数帯域内信号伝送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の通信トラフィックの増大と共に、トラフィックの大半を占める電話音声を高能率に伝送するという要求が高まっている。
この要求に対応して、例えば、DCME(Digital Circuit Multiplication Equipment:ディジタル回線多重化装置)が実用化されている。
【0003】
これは、電話音声の有音率が40%以下であることに着目して、音声の有音部分のみを伝送することにより、音声の伝送効率を改善するDSI(Digital Speech Interpolation:ディジタル音声挿入)技術と、音声信号をそれまでのPCM方式より少ないビット数で符号化して伝送することにより、音声の伝送効率を改善する高能率音声符号化技術とを組み合わせた装置である。
【0004】
例えば、音声符号化方式としてADPCM(Adaptive Differencial Pulse Code Modulation:適応差分パルス符号変調)方式を用いたDCMEでは、それまでの64kbit/sPCM符号化方式で音声信号を伝送する場合と比較して、約5倍の伝送効率の向上が可能になっている。ところが、近年のファクシミリ端末の急激な普及に伴って、このような伝送効率を見込めなくなってきている。これは、ファクシミリ通信においては、その通信時間の大半が有音であり、上記のDSI効果が期待できないためである。
【0005】
これに対して、音声帯域モデム信号であるファクシミリ信号を一旦復調してベースバンドデータとして伝送し、対向装置がベースバンドデータを再び変調することにより、ファクシミリ信号を効率よく伝送するベースバンド伝送技術をDCMEに採用した音声周波数帯域内信号伝送装置が存在する。
【0006】
図21は例えば特開平9−247414号公報に示された従来の音声周波数帯域内信号伝送装置を示す構成図であり、図において、1はトランクインタフェース、2はファクシミリ信号検出部、3は送信プロセッサ、4はベアラインタフェース、5はファクシミリモデム部、6は受信プロセッサ、7は運用監視プロセッサである。この装置はDCMEとトランク回線との間に挿入され、ファクシミリ信号の高能率伝送を実現するものである。
【0007】
次に動作について説明する。
まず、送信側から説明する。トランクインタフェース1は最大9系統のディジタル1次群のトランク回線を収容する。
各トランクチャネルの音声/ファクシミリ入力信号は、トランクインタフェース1を介してファクシミリ信号検出部2及び送信プロセッサ3に入力される。
【0008】
ファクシミリ信号検出部2では、入力信号がファクシミリ信号であるか否かを判定し、その判定結果を送信プロセッサ3に出力する。
送信プロセッサ3では、この判定結果を参照して、入力信号が音声の場合は、その入力信号をそのままベアラインタフェース4に出力し、入力信号がファクシミリ信号の場合は、その入力信号をファクシミリモデム部5に出力する。
【0009】
ファクシミリモデム部5では、入力された音声帯域モデム信号を復調して送信プロセッサ3に出力する。送信プロセッサ3では、その復調されたファクシミリベースバンドデータとファクシミリ信号割り当て情報を多重化して、ベアラインタフェース4のファクシミリルートに出力する。
ベアラインタフェース4は、音声ルートとして9系統とファクシミリルートとして1系統を収容し、DCMEとの音声/ファクシミリ信号の入出力を行う。
【0010】
次いで、受信側を説明する。受信側では、ベアラインタフェース4を介して入力された信号が受信プロセッサ6に入力される。
受信プロセッサ6では、ファクシミリ信号割り当て情報を元にファクシミリルートより入力したファクシミリベースバンド信号をファクシミリモデム部5に出力する。
【0011】
ファクシミリモデム部5では、入力したファクシミリベースバンド信号を変調して受信プロセッサ6に出力する。
受信プロセッサ6では、ファクシミリ通信中のチャネルについてはファクシミリモデム部5から入力したファクシミリ信号を、その他のチャネルについてはベアラインタフェース4の音声ルートから入力した信号を、トランクインタフェース1にそれぞれ出力する。
【0012】
そして、トランクインタフェース1から音声/ファクシミリ信号トランク回線に出力される。
運用監視プロセッサ7は、ファクシミリのトラフィックに応じてファクシミリルートに64kbit/s単位でファクシミリチャネルを設定し、その設定情報をDCMEに伝える。
【0013】
上記の音声周波数帯域内信号伝送装置は、ファクシミリ信号のベースバンドデータ伝送速度は最大9600bit/sである。
この装置が接続されていないDCMEにおいては、9600bit/sの情報量を伝送するために40kbit/sADPCM音声符号化方式が必要となる。
【0014】
これは、通常の音声の伝送には32kbit/sの符号化速度のADPCM音声符号化方式を用いているのに対し、9600bit/sの伝送速度をもつ変調方式であるV.29信号を正常に伝送するためには、40kbit/sADPCM以上の伝送速度の音声符号化方式が必要となるからである。
【0015】
このように、9600bit/sの情報量しかないファクシミリ信号を40kbit/sの伝送速度をもつADPCMで伝送することが回線使用効率を下げるだけではなく、ファクシミリ信号の有音率が高いことがDSI効果を損ねる原因になっており、音声/ファクシミリ信号の高能率伝送の妨げとなっていた。
この装置の採用により、前述のようにファクシミリ信号のベースバンドデータ伝送速度は最大9600bit/sに抑えることができるため、音声/ファクシミリ信号の高能率伝送が可能となっている。
【0016】
ここで、ファクシミリ信号の復調伝送について、図21の細部を示す図22を参照して説明する。図22は音声/ファクシミリ信号チャネルが1チャネルの場合についての装置例を示している。
音声/FAX判別部10は、ファクシミリ端末からの入力信号がファクシミリ信号であるか否かの判別を実施して、その判別結果をセレクタ12,セレクタ15及び補助情報付加部16に出力する。
【0017】
遅延部11は、上記入力信号を音声/FAX判別部10の処理時間分だけ遅延させてセレクタ12に出力する。
セレクタ12は、音声/FAX判別部10の判別結果に基づき、遅延部11からの出力信号をFAX復調部13または音声符号化部14に出力する。
FAX復調部13は、上記入力信号の復調を実施して、セレクタ15にファクシミリベースバンドデータを出力する。
音声符号化部14は、上記入力信号の高能率音声符号化を実施して、セレクタ15に符号化データを出力する。
【0018】
セレクタ15は、音声/FAX判別部10の判別結果に基づき、FAX復調部13からの入力データまたは音声符号化部14からの入力データを補助情報付加部16に出力する。
補助情報付加部16は、音声/FAX判別部10の判別結果に基づき、セレクタ15からの入力データに、データがファクシミリベースバンドデータであるか符号化データであるかが識別できる等の補助情報を付加して、伝送路側に出力する。
【0019】
一方、補助情報分解部17は、伝送路側より入力される入力データの補助情報をモニタし、入力データが符号化データであるかファクシミリベースバンドデータであるかの判別を実施して、その判別結果をセレクタ18,21に出力すると共に、補助情報以外の入力データをセレクタ18に出力する。
セレクタ18は、補助情報分解部17の判別結果に基づき、上記入力データを音声復号部19またはFAX変調部20に出力する。
【0020】
音声復号部19は、上記入力符号化データを64kbit/sPCM信号に復号してセレクタ21に出力する。
FAX変調部20は、上記入力ファクシミリベースバンドデータを再変調してセレクタ21に出力する。
セレクタ21は、補助情報分解部17の判別結果に基づき、音声復号部19からの出力信号またはFAX変調部20からの出力信号をファクシミリ端末に出力する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
従来の音声周波数帯域内信号伝送装置は以上のように構成されているので、入力信号がファクシミリ信号の場合はベースバンドデータに復調されて伝送され、ファクシミリ信号以外の場合は高能率音声符号化されて伝送されるが、V.34変調方式によるファクシミリ信号はファクシミリ信号検出部2がファクシミリ信号として認識できないため、V.34変調方式によるファクシミリ信号は復調伝送されず、音声信号として高能率音声符号化されて伝送されることになる。
その結果、伝送効率が非常に低下するか、或いは、さらに圧縮度の高い高能率音声符号化方式が行われると、ファクシミリ端末の通信ができなくなる課題があった。
【0022】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、V.34以外の既存の変調方式によるファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号の復調伝送に加えて、V.34変調方式を搭載したファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号も復調して伝送することができる音声周波数帯域内信号伝送装置及び音声周波数帯域内信号伝送方法を得ることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、判定手段の判定結果がV.34変調方式による通信が不可能である旨を示す場合には、V.34変調方式以外の変調方式を用いる変復調器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、その判定手段の判定結果がV.34変調方式による通信が可能である旨を示す場合には、V.34変調方式を用いる変復調器をPCM信号の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0024】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、判定手段がCJ信号の終了を検出すると、受信側の伝送ルートにV.34変調方式を用いる変復調器が組み込まれている場合、V.34変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0025】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、判定手段がJM信号の終了を検出して、V.34変調方式による通信が可能である旨を示す場合、V.34変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0026】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、PCM信号を復調して変調モードのオクテットを検出し、そのオクテットを解析してV.34変調方式による通信が可能であるか否かを判定するようにしたものである。
【0027】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、判定手段がPCM信号の種類がV.34ファクシミリ信号であることを示す場合には、変復調器の動作モードをファクシミリ伝送モードに設定し、そのPCM信号の種類がV.34データ信号であることを示す場合には、その変復調器の動作モードをデータ伝送モードに設定するようにしたものである。
【0028】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、PCM信号を復調して起呼機能のオクテットを検出し、そのオクテットを解析してPCM信号の種類を判定するようにしたものである。
【0029】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、送受双方向のPCM信号からJM信号を検出する処理を実施するようにしたものである。
【0030】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、判定手段がV.21信号の終了を検出すると、V.34変調方式以外の変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0031】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、判定手段がCED信号又はANSam信号の何れかを検出すると、モデム伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、その判定手段がCED信号及びANSam信号の双方を検出しないと、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0032】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、送受双方向のPCM信号からCED信号及びANSam信号を検出する処理を実施するようにしたものである。
【0033】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、CED信号及びANSam信号の検出情報を対向装置側に送信し、その対向装置側ではCED信号及びANSam信号の検出情報を受信すると、モデム伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0034】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、判定手段の判定結果がPCM信号の種類がデータであることを示す場合には、モデム伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、その判定手段の判定結果がPCM信号の種類が音声であることを示す場合には、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0035】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、CED信号又はANSam信号を検出すると、PCM信号の種類がデータであると判定するようにしたものである。
【0036】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送装置は、呼切断を検出すると、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0037】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送方法は、判定結果がV.34変調方式による通信が不可能である旨を示す場合には、V.34変調方式以外の変調方式を用いる変復調器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、その判定結果がV.34変調方式による通信が可能である旨を示す場合には、V.34変調方式を用いる変復調器をPCM信号の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0038】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送方法は、CJ信号の終了を検出すると、受信側の伝送ルートにV.34変調方式を用いる変復調器が組み込まれている場合、V.34変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0039】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送方法は、JM信号の終了を検出して、V.34変調方式による通信が可能である旨を示す場合、V.34変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0040】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送方法は、V.21信号の終了を検出すると、V.34変調方式以外の変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0041】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送方法は、CED信号又はANSam信号の何れかを検出すると、モデム伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、そのCED信号及びANSam信号の双方を検出しないと、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0042】
この発明に係る音声周波数帯域内信号伝送方法は、呼切断を検出すると、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むようにしたものである。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による音声周波数帯域内信号伝送装置を示す構成図であり、図において、30は端末側送信PCM信号からCED/ANSam信号を検出するCED/ANSam信号検出器、31は端末側送信PCM信号からJM信号を検出するとともに、変調モードのオクテットを解析してV.34変調方式による通信が可能であるか否かを判定し、また、端末側送信PCM信号の種類を判定するJM信号検出器、32は端末側送信PCM信号からCJ信号を検出するCJ信号検出器、33は端末側送信PCM信号からV.21信号を検出するV.21信号検出器である。
なお、CED/ANSam信号検出器30,JM信号検出器31,CJ信号検出器32及びV.21信号検出器33から判定手段が構成されている。
【0044】
34はCED/ANSam信号検出器30やJM信号検出器31等の検出結果に基づいてPCM信号の伝送ルートを設定するセレクタ制御部、35は送信側の伝送ルートを切り換える送信側入力セレクタ、36は送信側の伝送ルートを切り換える送信側出力セレクタ、37は受信側の伝送ルートを切り換える受信側入力セレクタ、38は受信側の伝送ルートを切り換える受信側出力セレクタである。なお、セレクタ制御部34,送信側入力セレクタ35,送信側出力セレクタ36,受信側入力セレクタ37及び受信側出力セレクタ38から伝送ルート制御手段が構成されている。
【0045】
39はモデム伝送用音声符号器、40は音声伝送用音声符号器、41はV.17,V.29,V.27ter,V.21等の既存の変調方式を用いるV.17以下ファクシミリ変復調器、42はV.34の変調方式を用いるV.34ファクシミリ/データ変復調器、43は音声伝送用音声復号器、44はモデム伝送用音声復号器である。
なお、モデム伝送用音声符号器39及びモデム伝送用音声復号器44からモデム伝送用符復号器が構成され、音声伝送用音声符号器40及び音声伝送用音声復号器43から音声伝送用符復号器が構成されている。
【0046】
次に動作について説明する。
音声周波数帯域内信号伝送装置に入力される端末側送信PCM信号は、CED/ANSam信号検出器30,JM信号検出器31,CJ信号検出器32,V.21信号検出器33及び送信側入力セレクタ35に入力される。
【0047】
CED/ANSam信号検出器30は、端末側送信PCM信号を入力し、CED信号(CED信号は被呼局識別信号と呼ばれ、ファクシミリ端末から送信される2100Hzのトーン信号である)の有無を判定するとともに、ANSam信号(ANSam信号は変形応答信号と呼ばれ、ファクシミリ端末から送信される2100Hzのトーン信号を15Hzで振幅変調した信号である)の有無を判定する。
【0048】
そして、CED/ANSam信号検出器30は、CED信号及びANSam信号の検出結果Aをセレクタ制御部34に出力する。
なお、CED信号またはANSam信号のいずれか一方を検出した場合には、その検出結果Aは“信号検出”を意味し、CED信号及びANSam信号のいずれも検出しない場合には、その検出結果Aは“信号不検出”を意味する。
【0049】
JM信号検出器31は、端末側送信PCM信号を入力し、JM信号(共通メニュー信号)の有無を判定する。JM信号が有りの場合は、そのJM信号の内容を解析して、変調モードを識別するとともに、端末側送信PCM信号の種類を判別(ファクシミリ信号又はデータ信号の判別)し、JM信号の終了を示す検出結果Bと、変調モードの解析結果Cと、ファクシミリ/データの判別結果Dとをセレクタ制御部34に出力する。
【0050】
CJ信号検出器32は、端末側送信PCM信号を入力し、CJ信号(CM終端子)の有無を判定し、CJ信号の終了を示す検出結果Eをセレクタ制御部34に出力する。
V.21信号検出器33は、端末側送信PCM信号を入力し、ITU勧告V.21チャネルNo.2方式で変調されたフラグ(7eh)データの有無を判定し、V.21信号の終了を示す検出結果Fをセレクタ制御部34に出力する。
【0051】
セレクタ制御部34は、CED/ANSam信号の検出結果A、JM信号終了の検出結果B、変調モードの解析結果C、ファクシミリ/データの判別結果D、CJ信号終了の検出結果E、V.21信号終了の検出結果Fに基づいて、端末側から入力される信号の信号種別を判定し、送信側の伝送ルートを設定するための送信側伝送ルート設定Gを出力する。
この送信側伝送ルート設定Gは、送信側入力セレクタ35、送信側出力セレクタ36に与えられるとともに、V.34ファクシミリ/データ変復調器42及び対向装置側にも送信される。
対向装置側に送信された送信側伝送ルート設定Gは、対向装置側では受信側伝送ルート設定Hとして受信される。
【0052】
送信側入力セレクタ35は、セレクタ制御部34の出力する送信側伝送ルート設定Gに基づいて、モデム伝送用音声符号器39、音声伝送用音声符号器40、V.17以下ファクシミリ変復調器41又はV.34ファクシミリ/データ変復調器42のいずれかを伝送ルートに組み込んで、端末側送信PCM信号を伝送ルートに出力する。
【0053】
モデム伝送用音声符号器39は、端末側から入力されるPCM信号の信号種別が復調伝送できないモデム信号であると判定された場合に用いられ、このモデム信号を高能率符号化し、符号化データを送信側出力セレクタ36に出力する。
このモデム伝送用音声符号器39において用いられる符号化アルゴリズムとしては、モデム信号の伝送において伝送誤りができるだけ少ないアルゴリズムを用いられ、例えば、ITU勧告G.726に規定された40kbit/s ADPCM方式が用いられる。
【0054】
音声伝送用音声符号器40は、端末側から入力されるPCM信号の信号種別が音声信号であると判定された場合に用いられ、この音声信号を高能率符号化し、符号化データを送信側出力セレクタ36に出力する。
この音声伝送用音声符号器40において用いられる符号化アルゴリズムとしては、モデム伝送用音声符号器39よりもビットレートの低いアルゴリズムを用いることが好ましく、例えば、ITU勧告G.728に規定された16kbit/s LD−CELP方式や、ITU勧告G.729に規定された8kbit/s
CS−ACELP方式が用いられる。
【0055】
V.17以下ファクシミリ変復調器41は、端末側から入力されるPCM信号の信号種別が復調伝送可能な既存のV.17,V.29,V.27ter,V.21変調方式によるファクシミリ信号であると判定された場合に用いられ、このV.17以下のファクシミリ信号をベースバンド信号に復調して、その復調信号を送信側出力セレクタ36に出力する。
【0056】
V.34ファクシミリ/データ変復調器42は、端末側から入力されるPCM信号の信号種別が復調伝送可能なV.34変調方式によるファクシミリ信号またはデータ信号であると判定された場合に用いられ、このV.34ファクシミリ信号またはデータ信号をベースバンド信号に復調して、その復調信号を送信側出力セレクタ36に出力する。
端末側から入力されるPCM信号がV.34ファクシミリ信号、V.34データ信号のいずれであるかは送信側伝送ルート設定Gによって通知され、V.34ファクシミリ/データ変復調器42は、この送信側伝送ルート設定Gにより設定されるアルゴリズム(ファクシミリ信号復調アルゴリズム、データ信号復調アルゴリズムのいずれか一方)に従って復調処理を行う。
【0057】
送信側出力セレクタ36は、セレクタ制御部34の出力する送信側伝送ルート設定Gに基づいて、モデム伝送用音声符号器39の出力する符号化データ、音声伝送用音声符号器40の出力する符号化データ、V.17以下ファクシミリ変復調器41の出力する復調信号、V.34ファクシミリ/データ変復調器42の出力する復調信号のうちのいずれか1つを選択し、伝送路側送信符号化/復調信号として対向装置側へ送信する。
対向装置側に対して送信された伝送路側送信符号化/復調信号は、対向装置側では伝送路側受信符号化/復調信号として受信される。
【0058】
受信側入力セレクタ37は、対向装置側から受信した受信側伝送ルート設定Hに基づいて、対向装置側から受信した伝送路側受信符号化/復調信号を、V.17以下ファクシミリ変復調器41、V.34ファクシミリ/データ変復調器42、音声伝送用音声復号器43、モデム伝送用音声復号器44のうちのいずれかに出力する。
【0059】
V.17以下ファクシミリ変復調器41は、対向装置側から受信した信号の信号種別が復調伝送可能なV.17以下のファクシミリ信号であると判定された場合に用いられ、ベースバンド信号に復調された受信信号をV.17以下のファクシミリ信号として再変調して、この再変調した信号を受信側出力セレクタ38に出力する。
【0060】
V.34ファクシミリ/データ変復調器42は、対向装置側から受信した信号の信号種別が復調伝送可能なV.34ファクシミリ信号またはデータ信号であると判定された場合に用いられ、ベースバンド信号に復調された受信信号をV.34ファクシミリ信号またはデータ信号として再変調して、この再変調した信号を受信側出力セレクタ38に出力する。
伝送路側から入力される信号がV.34ファクシミリ信号、V.34データ信号のいずれであるかは受信側伝送ルート設定Hによって通知され、V.34ファクシミリ/データ変復調器42は、この受信側伝送ルート設定Hにより設定されるアルゴリズム(ファクシミリ信号復調アルゴリズム、データ信号復調アルゴリズムのいずれか一方)に従って再変調処理を行う。
【0061】
音声伝送用音声復号器43は、対向装置側から受信した信号の信号種別が音声信号であると判定された場合に用いられ、受信した符号化信号を復号し、その復号信号を受信側出力セレクタ38に出力する。
この音声伝送用音声復号器43において用いる符号化アルゴリズムは、音声伝送用音声符号器40において用いた符号化アルゴリズムと同一としなければならない。
【0062】
モデム伝送用音声復号器44は、対向装置側から受信した信号の信号種別が復調伝送できないモデム信号であると判定された場合に用いられ、受信した符号化信号を復号し、その復号信号を受信側出力セレクタ38に出力する。
このモデム伝送用音声復号器44において用いる符号化アルゴリズムは、モデム伝送用音声符号器39において用いた符号化アルゴリズムと同一としなければならない。
【0063】
受信側出力セレクタ38は、対向装置側から受信した受信側伝送ルート設定Hに基づいて、V.17以下ファクシミリ変復調器41の出力する再変調信号、V.34ファクシミリ/データ変復調器42の出力する再変調信号、音声伝送用音声復号器43の出力する復号信号、モデム伝送用音声復号器44の出力する復号信号のうちのいずれか1つを選択し、端末側受信PCM信号として出力する。
【0064】
ここで、図2はJM信号検出器31の詳細構成を示す構成図であり、図において、70はV.21(H)復調手段、71はキャリア検出手段、72はJM同期符号検出手段、73は変調モード解析手段、74はファクシミリ/データ判別手段、75はJM信号終了検出手段である。
【0065】
次に動作について説明する。
端末側送信PCM信号は、V.21(H)復調手段70及びキャリア検出手段71に入力される。
【0066】
V.21(H)復調手段70は、端末側送信PCM信号に対し、ITU勧告V.21チャネルNo.2方式で変調された信号の復調を実施し、その復調データをJM同期符号検出手段72、変調モード解析手段73及びファクシミリ/データ判別手段74に出力する。
【0067】
キャリア検出手段71は、端末側送信PCM信号に対し、ITU勧告V.21チャネルNo.2方式による変調信号のキャリアの有無を判定し、その判定結果をJM信号終了検出手段75に出力する。
【0068】
JM同期符号検出手段72は、V.21(H)復調手段70の出力する復調データに対し、JM信号特有の同期符号を検出し、このJM同期符号の検出結果をJM信号終了検出手段75に出力する。
変調モード解析手段73は、V.21(H)復調手段70の出力する復調データに対し、変調モードのオクテットを検出し、この変調モードのオクテットを解析して、V.34変調方式による通信が可能であるか否かを判別し、その判別結果を変調モードの解析結果Cとしてセレクタ制御部34に出力する。
【0069】
ファクシミリ/データ判別手段74は、V.21(H)復調手段70の出力する復調データに対し、起呼機能のオクテットを検出し、この起呼機能のオクテットを解析して、V.34ファクシミリ信号またはV.34データ信号のいずれであるかを判別し、その判別結果をファクシミリ/データの判別結果Dとしてセレクタ制御部34に出力する。
【0070】
JM信号終了検出手段75は、JM同期符号検出手段72の出力するJM同期符号の検出結果を入力し、JM同期符号が検出されたら処理を開始し、以後、キャリア検出手段71の出力信号を監視する。そして、キャリア検出手段71よりキャリア無しと通知された場合、JM信号が終了したと判定し、JM信号終了の検出結果Bをセレクタ制御部34に出力する。
【0071】
図3はCJ信号検出器32の詳細構成を示す構成図であり、図において、76はV.21(L)復調手段、77はキャリア検出手段、78はCJ同期符号検出手段、79はCJ信号終了検出手段である。
【0072】
次に動作について説明する。
端末側送信PCM信号は、V.21(L)復調手段76及びキャリア検出手段77に入力される。
【0073】
V.21(L)復調手段76は、端末側送信PCM信号に対し、ITU勧告V.21チャネルNo.1方式で変調された信号の復調を実施し、その復調データをCJ同期符号検出手段78に出力する。
キャリア検出手段77は、端末側送信PCM信号に対し、ITU勧告V.21チャネルNo.1方式による変調信号のキャリアの有無を判定し、その判定結果をCJ信号終了検出手段79に出力する。
【0074】
CJ同期符号検出手段78は、V.21(L)復調手段76の出力する復調データに対し、CJ信号特有の同期符号を検出し、このCJ同期符号の検出結果をCJ信号終了検出手段79に出力する。
CJ信号終了検出手段79は、CJ同期符号検出手段78の出力するCJ同期符号の検出結果を入力し、CJ同期符号が検出されたら処理を開始し、以後、キャリア検出手段77の出力信号を監視する。そして、キャリア検出手段77よりキャリア無しと通知された場合、CJ信号が終了したと判定し、CJ信号終了の検出結果Eをセレクタ制御部34に出力する。
【0075】
図4はV.21信号検出器33の詳細構成を示す構成図であり、図において、80はV.21(H)復調手段、81はキャリア検出手段、82はフラグ検出手段、83はV.21信号終了検出手段である。
【0076】
次に動作について説明する。
端末側送信PCM信号は、V.21(H)復調手段80及びキャリア検出手段81に入力される。
【0077】
V.21(H)復調手段80は、端末側送信PCM信号に対し、ITU勧告V.21チャネルNo.2方式で変調された信号の復調を実施し、その復調データをフラグ検出手段82に出力する。
キャリア検出手段81は、端末側送信PCM信号に対し、ITU勧告V.21チャネルNo.2方式による変調信号のキャリアの有無を判定し、その判定結果をV.21信号終了検出手段83に出力する。
【0078】
フラグ検出手段82は、V.21(H)復調手段80の出力する復調データに対し、フラグ(7eh)データの有無を判定し、その判定結果をV.21信号終了検出手段83に対して出力する。
V.21信号終了検出手段83は、フラグ(7eh)データ有無の判定結果を入力し、フラグデータが検出されたら処理を開始し、以後、キャリア検出手段81の出力信号を監視する。そして、キャリア検出手段81よりキャリア無しと通知された場合、V.21信号が終了したと判定し、V.21信号終了の検出結果Fをセレクタ制御部34に出力する。
【0079】
図5及び、図6はセレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートである。
まず、セレクタ制御部34は、処理を開始すると、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36に対して、送信側伝送ルート設定GをCodec(音声用)ルートに初期設定するよう指示するとともに(ステップST1)、CJ信号検出済みフラグを非検出状態にリセットする(ステップST2)。
【0080】
次に、現在の送信側伝送ルート設定Gのチェックを実施し(ステップST3)、送信側伝送ルート設定GがCodec(音声用)、Codec(モデム用)、V.17以下復調、V.34ファクシミリ/データ復調のいずれであるかにしたがって、処理を分岐する。
【0081】
まず、現在の送信側伝送ルート設定GがCodec(音声用)である場合は、CED/ANSam信号の検出結果Aをチェックし(ステップST4)、CED/ANSam信号を検出している場合は、送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)に設定する(ステップST5)。
また、受信側伝送ルート設定Hをチェックし(ステップST6)、受信側伝送ルート設定HがCodec(モデム用)である場合は、送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)に設定する(ステップST7)。
その後、呼切断時の処理に進む(ステップST24〜ステップST26)。
【0082】
次に、現在の送信側伝送ルート設定GがCodec(モデム用)である場合は、V.21信号終了の検出結果Fをチェックし(ステップST8)、V.21信号の終了を検出している場合は、送信側伝送ルート設定GをV.17以下復調ルートに設定する(ステップST9)。その後、呼切断時の処理に進む(ステップST24〜ステップST26)。
【0083】
一方、V.21信号の終了を検出していない場合は、受信側伝送ルート設定Hをチェックし(ステップST10)、受信側伝送ルート設定HがV.17以下復調ルートである場合は、送信側伝送ルート設定GをV.17以下復調ルートに設定する(ステップST11)。
【0084】
ステップST10において、受信側伝送ルート設定HがV.17以下復調ルートでない場合は、JM信号終了の検出結果Bをチェックし(ステップST12)、JM信号の終了を検出している場合は、変調モードの解析結果CをチェックしてV.34能力の有無を判定する(ステップST13)。
そして、V.34能力有りの場合は、さらにファクシミリ/データの判別結果Dのチェックを実施し(ステップST14)、ファクシミリ通信である場合は、送信側伝送ルート設定GをV.34ファクシミリ復調ルートに設定し(ステップST15)、ファクシミリ通信でない場合(データ通信である場合)は送信側伝送ルート設定GをV.34データ復調ルートに設定する(ステップST16)。その後、呼切断時の処理に進む(ステップST24〜ステップST26)。
【0085】
ステップST12において、JM信号の終了を検出していない場合は、CJ信号終了の検出結果Eをチェックし(ステップST17)、CJ信号の終了を検出している場合は、CJ信号検出済みフラグを検出状態にセットする(ステップST18)。
【0086】
その後、CJ信号検出済みフラグをチェックして(ステップST19)、CJ信号検出済みフラグが検出状態である場合には、受信側伝送ルート設定Hをチェックし(ステップST20)、受信側伝送ルート設定HがV.34ファクシミリ復調ルートである場合は、送信側伝送ルート設定GをV.34ファクシミリ復調ルートに設定する(ステップST21)。
受信側伝送ルート設定Hをチェックし(ステップST22)、受信側伝送ルート設定HがV.34データ復調ルートである場合は、送信側伝送ルート設定GをV.34データ復調ルートに設定する(ステップST23)。
その後、呼切断時の処理に進む(ステップST24〜ステップST26)。
【0087】
なお、ステップST3において、現在の送信側伝送ルート設定GがV.17以下復調である場合と、V.34ファクシミリ/データ復調である場合は、呼切断時の処理に進む(ステップST24〜ステップST26)。
【0088】
呼切断時の処理においては、まず、呼制御情報Jをチェックして、呼切断を検出したか否かの判定を実施し(ステップST24)、呼切断を検出した場合は、送信側伝送ルート設定GをCodec(音声用)ルートに設定し(ステップST25)、CJ信号検出済みフラグを非検出状態にリセットする(ステップST26)。その後、ステップST3の処理に進む。
【0089】
次に、音声周波数帯域内信号伝送装置にV.34ファクシミリ信号が入力された場合の具体的動作を説明する。
なお、図7は音声周波数帯域内信号伝送装置に入力されるV.34ファクシミリ信号のシーケンスの一例を示す説明図である。
【0090】
まず、V.34ファクシミリ信号が入力される前の初期状態においては、セレクタ制御部34は、送信側伝送ルート設定GをCodec(音声用)にセットし(ステップST1)、CJ信号検出済みフラグを非検出状態にリセットする(ステップST2)。
【0091】
これにより、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36は、音声伝送用音声符号器40側にセットされ、音声伝送用音声符号器40による符号化伝送が開始される。
また、送信側伝送ルート設定Gは対向側装置に送信され、対向側装置ではこれを受信側伝送ルート設定Hとして受信するため、受信側入力セレクタ37及び受信側出力セレクタ38は、音声伝送用音声復号器43側にセットされ、音声伝送用音声復号器43による伝送路側からの受信信号の復号処理が行われる。
【0092】
次に、起呼側のファクシミリ端末が図7に示すようにCI信号(機能表示信号)を送信し、着呼側のファクシミリ端末がANSam信号を送信すると、着呼側のファクシミリ端末が接続された音声周波数帯域内信号伝送装置(以下、着呼側装置と称す)のCED/ANSam信号検出器30が、このANSam信号を検出し、CED/ANSam信号の検出結果Aを検出状態にセットする。
【0093】
セレクタ制御部34は、CED/ANSam信号が検出状態になったことにより、送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)にセットする(ステップST3〜ステップST5)。
これにより、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36をモデム伝送用音声符号器39側に切り換えて、モデム伝送用音声符号器39による符号化伝送が開始される。
【0094】
着呼側装置が送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)ルートにセットするとともに、この送信側伝送ルート設定Gを対向側装置、即ち、起呼側のファクシミリ端末が接続された音声周波数帯域内信号伝送装置(以下、起呼側装置と称す)に送信すると、起呼側装置はこれを受信側伝送ルート設定Hとして受信し、受信側入力セレクタ37及び受信側出力セレクタ38をモデム伝送用音声復号器44側に切り換えて、モデム伝送用音声復号器44による伝送路側からの受信信号の復号処理が行われる。
【0095】
さらに、起呼側装置内のセレクタ制御部34では、受信側伝送ルート設定HがCodec(モデム用)に切り換わったことを受けて、送信側の伝送ルート設定GをCodec(モデム用)にセットする(ステップST6,ステップST7)。
これにより、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36をモデム伝送用音声符号器39側に切り換えて、モデム伝送用音声符号器39による符号化伝送が開始される。
【0096】
起呼側装置が送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)ルートにセットして対向側装置(着呼側装置)に送信すると、着呼側装置はこれを受信側伝送ルート設定Hとして受信し、受信側入力セレクタ37及び受信側出力セレクタ38をモデム伝送用音声復号器44側に切り換えて、モデム伝送用音声復号器44による伝送路側からの受信信号の復号処理が行われる。
これらの一連の動作により、起呼側装置から着呼側装置、着呼側装置から起呼側装置の双方向の伝送が、モデム伝送用音声符号器、復号器による伝送に切り換わることになる。
【0097】
次に、起呼側ファクシミリ端末は、ANSam信号を受信すると、図7に示すようにCI信号の送信を停止し、次いでCM信号(起呼メニュー信号)の送信を開始する。
着呼側ファクシミリ端末は、CM信号を受信すると、ANSam信号の送信を停止し、JM信号の送信を開始する。このJM信号には、起呼側ファクシミリ端末と着呼側ファクシミリ端末の間で共通に使用することができる変調方式のメニューが、変調モードオクテット内に示されている。
【0098】
着呼側装置内のJM信号検出器31は、JM信号が入力されると、V.21(H)復調手段70が、ITU勧告V.21チャネルNo.2方式で変調された信号の復調を行うとともに、キャリア検出手段71が、ITU勧告V.21チャネルNo.2方式で変調された信号のキャリア有りと判定する。
その後、JM同期符号検出手段72がJM信号特有の同期符号を検出し、このJM同期符号の検出結果をJM信号終了検出手段75に出力する。
引き続き、変調モード解析手段73が、変調モードのオクテットを解析して、V.34変調方式による通信が可能であるか否かを判別し、その判別結果を変調モードの解析結果Cとしてセレクタ制御部34に出力する。
【0099】
起呼側ファクシミリ端末は、JM信号を受信すると、図7に示すようにCM信号の送信を停止し、次いでCJ信号の送信を開始する。
起呼側装置内のCJ信号検出器32は、CJ信号が入力されると、V.21(L)復調手段76が、ITU勧告V.21チャネルNo.1方式で変調された信号の復調を行うとともに、キャリア検出手段77が、ITU勧告V.21チャネルNo.1方式で変調された信号のキャリア有りと判定する。その後、CJ同期符号検出手段78が、CJ信号特有の同期符号を検出し、このCJ同期符号の検出結果をCJ信号終了検出手段79に出力する。
【0100】
その後、起呼側ファクシミリ端末からのCJ信号の送信が停止されると、起呼側装置内のCJ信号検出器32はCJ信号が終了したと判定し、CJ信号終了の検出結果Eをセレクタ制御部34に出力する。
セレクタ制御部34は、CJ信号終了検出状態になったことにより、CJ信号検出済みフラグを検出状態にセットする(ステップST17,ステップST18)。
【0101】
次いで、着呼側ファクシミリ端末は、CJ信号の終了を検出すると、図7に示すようにJM信号の送信を停止する。
着呼側装置内のJM信号検出器31は、JM信号終了検出手段75が、このJM信号の終了を検出し、その検出結果をJM信号終了の検出結果Bとしてセレクタ制御部34に出力する。
【0102】
セレクタ制御部34は、JM信号終了検出状態になったことを受けて、V.34能力有無の判定処理を実施する(ステップST13)。そして、V.34能力有りの場合は、ファクシミリ/データの判別結果Dのチェックを実施し(ステップST14)、ファクシミリ通信である場合は、送信側伝送ルート設定GをV.34ファクシミリ復調ルートにセットする(ステップST15)。
これにより、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36をV.34ファクシミリ/データ変復調器42側に切り換えて、V.34ファクシミリ/データ変復調器42による復調伝送が開始される。
【0103】
ステップST13の判定において、V.34能力無しの場合は、送信側伝送ルート設定GはCodec(モデム用)のままである。また、ステップST14の判定において、ファクシミリ通信でない場合(データ通信である場合)は、送信側伝送ルート設定GをV.34データ復調ルートに設定する(ステップST16)。
【0104】
着呼側装置が送信側伝送ルート設定Gを、V.34ファクシミリ復調ルートにセットして対向側装置(起呼側装置)に送信すると、起呼側装置はこれを受信側伝送ルート設定Hとして受信し、受信側入力セレクタ37及び受信側出力セレクタ38をV.34ファクシミリ/データ変復調器42側に切り換えて、V.34ファクシミリ/データ変復調器42による伝送路側からの受信信号の再変調処理が行われる。
【0105】
さらに、起呼側装置内のセレクタ制御部34では、受信側伝送ルート設定HがV.34ファクシミリ復調に切り換わったことを受けて、送信側伝送ルート設定GをV.34ファクシミリ復調にセットする(ステップST20,ステップST21)。
これにより、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36をV.34ファクシミリ/データ変復調器42側に切り換えて、V.34ファクシミリ/データ変復調器42による復調伝送が開始される。
【0106】
起呼側装置が送信側伝送ルート設定Gを、V.34ファクシミリ復調ルートにセットして対向側装置(着呼側装置)に送信すると、着呼側装置はこれを受信側伝送ルート設定Hとして受信し、受信側入力セレクタ37及び受信側出力セレクタ38をV.34ファクシミリ/データ変復調器42側に切り換えて、V.34ファクシミリ/データ変復調器42による伝送路側からの受信信号の再変調処理が行われる。
これらの一連の動作により、起呼側装置から着呼側装置、着呼側装置から起呼側装置の双方向の伝送が、V.34ファクシミリ/データ変復調器による伝送に切り換わることになる。
【0107】
その後、起呼側ファクシミリ端末、着呼側ファクシミリ端末間のV.34ファクシミリ信号の送受信が完了し、セレクタ制御部34が呼制御情報Jとして呼切断の情報を受信すると、起呼側装置、着呼側装置ともセレクタ制御部34では呼切断時の初期化処理を実施する。
【0108】
即ち、この初期化処理により、セレクタ制御部34は送信側伝送ルート設定GをCodec(音声用)にセットする(ステップST24,ステップST25)。
これにより、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36が音声伝送用音声符号器40側にセットされる。また、CJ信号検出済みフラグが非検出状態にリセットされる(ステップST26)。
【0109】
送信側伝送ルート設定Gが対向側装置に送信されることにより、受信側伝送ルート設定HがCodec(音声用)となり、これにより受信側入力セレクタ37及び受信側出力セレクタ38が音声伝送用音声復号器43側にセットされる。
これらの処理により、引き続き入力される音声呼、または、ファクシミリ/データ呼の伝送を開始する準備が整う。
【0110】
次に、音声周波数帯域内信号伝送装置に、従来の手順によるV.17以下ファクシミリ信号が入力された場合の具体的動作を説明する。図8は音声周波数帯域内信号伝送装置に入力されるV.17以下ファクシミリ信号シーケンスの一例を示す説明図である。
【0111】
まず、このV.17以下ファクシミリ信号が入力される前の初期状態においては、セレクタ制御部34は送信側伝送ルート設定GをCodec(音声用)にセットし(ステップST1)、CJ信号検出済みフラグを非検出状態にリセットする(ステップST2)。
【0112】
これにより、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36は音声伝送用音声符号器40側にセットされ、音声伝送用音声符号器40による符号化伝送が開始される。また、送信側伝送ルート設定Gは対向側装置に送信され、対向側装置ではこれを受信側伝送ルート設定Hとして受信するため、受信側入力セレクタ37及び受信側出力セレクタ38は音声伝送用音声復号器43側にセットされ、音声伝送用音声復号器43による伝送路側からの受信信号の復号処理が行われる。
【0113】
次に、起呼側のファクシミリ端末が、図8に示すように、CNG信号(起呼表示信号)を送信し、着呼側のファクシミリ端末がCED信号を送信すると、着呼側装置は、CED/ANSam信号検出器30がCED信号を検出し、CED/ANSam信号の検出結果Aを検出状態にセットする。
セレクタ制御部34は、CED/ANSam信号検出状態になったことにより、送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)にセットする(ステップST3〜ステップST5)。
これにより、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36をモデム伝送用音声符号器39側に切り換えて、モデム伝送用音声符号器39による符号化伝送が開始される。
【0114】
着呼側装置が送信側伝送ルート設定Gを、Codec(モデム用)ルートにセットして対向側装置(起呼側装置)に送信すると、起呼側装置はこれを受信側伝送ルート設定Hとして受信し、受信側入力セレクタ37及び受信側出力セレクタ38をモデム伝送用音声復号器44側に切り換えて、モデム伝送用音声復号器44による伝送路側からの受信信号の復号処理が行われる。
【0115】
さらに、起呼側装置内のセレクタ制御部34では、受信側伝送ルート設定HがCodec(モデム用)に切り換わったことを受けて、送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)にセットする(ステップST6,ステップST7)。これにより、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36をモデム伝送用音声符号器39側に切り換えて、モデム伝送用音声符号器39による符号化伝送が開始される。
【0116】
起呼側装置が送信側伝送ルート設定Gを、Codec(モデム用)ルートにセットして対向側装置(着呼側装置)に送信すると、着呼側装置はこれを受信側伝送ルート設定Hとして受信し、受信側入力セレクタ37及び受信側出力セレクタ38をモデム伝送用音声復号器44側に切り換えて、モデム伝送用音声復号器44による伝送路側からの受信信号の復号処理が行われる。
これらの一連の動作により、起呼側装置から着呼側装置、着呼側装置から起呼側装置の双方向の伝送が、モデム伝送用音声符号器、復号器による伝送に切り換わることになる。
【0117】
次に、着呼側ファクシミリ端末は、CED信号を所定時間送信すると、図8に示すようにCED信号の送信を停止し、次いでDIS信号の送信を開始する。着呼側装置内のV.21信号検出器33は、DIS信号が入力されると、ITU勧告V.21チャネルNo.2方式で変調されたフラグ(7eh)データを検出し、その後、着呼側ファクシミリ端末がDIS信号の送信を停止すると、V.21信号が終了したと判定し、V.21信号終了の検出結果Fをセレクタ制御部34に出力する。
【0118】
セレクタ制御部34は、V.21信号終了検出状態になったことにより、送信側伝送ルート設定GをV.17以下復調にセットする(ステップST8,ステップST9)。
これにより、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36をV.17以下ファクシミリ変復調器41側に切り換えて、V.17以下ファクシミリ変復調器41による復調伝送が開始される。
【0119】
着呼側装置が送信側伝送ルート設定Gを、V.17以下復調ルートにセットして対向側装置(起呼側装置)に送信すると、起呼側装置はこれを受信側伝送ルート設定Hとして受信し、受信側入力セレクタ37及び受信側出力セレクタ38をV.17以下ファクシミリ変復調器41側に切り換えて、V.17以下ファクシミリ変復調器41による伝送路側からの受信信号の再変調処理が行われる。
【0120】
さらに、起呼側装置内のセレクタ制御部34では、受信側伝送ルート設定HがV.17以下復調に切り換わったことを受けて、送信側伝送ルート設定GをV.17以下復調にセットする(ステップST10,ステップST11)。
これにより、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36をV.17以下ファクシミリ変復調器41側に切り換えて、V.17以下ファクシミリ変復調器41による復調伝送が開始される。
【0121】
起呼側装置が送信側伝送ルート設定Gを、V.17以下復調ルートにセットして対向側装置(着呼側装置)に送信すると、着呼側装置はこれを受信側伝送ルート設定Hとして受信し、受信側入力セレクタ37及び受信側出力セレクタ38をV.17以下ファクシミリ変復調器41側に切り換えて、V.17以下ファクシミリ変復調器41による伝送路側からの受信信号の再変調処理が行われる。
これらの一連の動作により、起呼側装置から着呼側装置、着呼側装置から起呼側装置の双方向の伝送が、V.17以下ファクシミリ変復調器による伝送に切り換わることになる。
【0122】
その後、起呼側ファクシミリ端末、着呼側ファクシミリ端末間のV.17以下ファクシミリ信号の送受信が完了し、セレクタ制御部34が呼制御情報Jとして呼切断の情報を受信すると、起呼側装置、着呼側装置ともセレクタ制御部34では呼切断時の初期化処理を実施する。
【0123】
即ち、この初期化処理により、セレクタ制御部34は送信側伝送ルート設定GをCodec(音声用)にセットする(ステップST24,ステップST25)。
これにより、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36が音声伝送用音声符号器40側にセットされる。また、CJ信号検出済みフラグが非検出状態にリセットされる(ステップST26)。
【0124】
送信側伝送ルート設定Gが対向側装置に送信されることにより、受信側伝送ルート設定HがCodec(音声用)となり、これにより受信側入力セレクタ37及び受信側出力セレクタ38が音声伝送用音声復号器43側にセットされる。
これらの処理により、引き続き入力される音声呼、または、ファクシミリ/データ呼の伝送を開始する準備が整う。
【0125】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、V.34以外の既存の変調方式によるファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号の復調伝送に加えて、V.34変調方式を搭載したファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号も復調して伝送することができる効果を奏する。
【0126】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、端末側送信PCM信号のみに対してCED/ANSam信号の検出を行うものについて示したが、端末側送信PCM信号と端末側受信PCM信号の両方に対して、CED/ANSam信号の検出を行うようにしてもよい。
【0127】
図9はこの発明の実施の形態2による音声周波数帯域内信号伝送装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0128】
上記実施の形態1では、図1に示したように、CED/ANSam信号検出器30は、端末側送信PCM信号のみを入力し、その端末側送信PCM信号に対して、CED信号及びANSam信号の有無を判定し、CED/ANSam信号の検出結果Aをセレクタ制御部34に出力するようにしていたが、この実施の形態2では、図9に示すように、CED/ANSam信号検出器30は、端末側送信PCM信号及び端末側受信PCM信号を入力し、その端末側送信PCM信号及び端末側受信PCM信号のそれぞれに対して、CED信号及びANSam信号の有無を判定し、CED/ANSam信号の検出結果Aをセレクタ制御部34に出力するようにしている。
【0129】
即ち、端末側送信PCM信号、または、端末側受信PCM信号の少なくとも一方から、CED信号またはANSam信号のいずれか一方を検出した場合、CED/ANSam信号の検出結果Aは“信号検出”を意味し、端末側送信PCM信号及び端末側受信PCM信号のいずれにおいても、CED信号及びANSam信号のいずれも検出しない場合、CED/ANSam信号の検出結果Aは“信号不検出”を意味する。
【0130】
図10、及び図11はセレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートであり、図において、図5,6と同一符号は同一または相当部分を示す。
上記実施の形態1で、図5,6に示したように、セレクタ制御部34は、現在の送信側伝送ルート設定Gのチェックを実施し(ステップST3)、送信側伝送ルート設定GがCodec(音声用)である場合は、CED/ANSam信号の検出結果Aをチェックし(ステップST4)、CED/ANSam信号を検出している場合は、送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)に設定する(ステップST5)。また、受信側伝送ルート設定Hをチェックし(ステップST6)、受信側伝送ルート設定HがCodec(モデム用)である場合は、送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)に設定し(ステップST7)、その後、呼切断時の処理に進むようにしている(ステップST24〜ステップST26)。
【0131】
しかし、この実施の形態2では、CED/ANSam信号の検出結果Aは、送受双方向に対するCED/ANSam信号の検出結果であるので、ステップST6,ステップST7の処理が不要となる。
したがって、セレクタ制御部34は、図10,11に示すように、現在の送信側伝送ルート設定Gのチェックを実施し(ステップST3)、送信側伝送ルート設定GがCodec(音声用)である場合は、CED/ANSam信号の検出結果Aをチェックし(ステップST4)、CED/ANSam信号を検出している場合は、送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)に設定し(ステップST5)、その後、呼切断時の処理に進むようにしている(ステップST24〜ステップST26)。
【0132】
図10,11における他のステップの処理は図5,6と同様である。
また、図9におけるCED/ANSam信号検出器30及びセレクタ制御部34以外の各部の動作は図1と同様である。
【0133】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様に、V.34以外の既存の変調方式によるファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号の復調伝送に加えて、V.34変調方式を搭載したファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号も、復調して伝送することができる効果を奏する。
【0134】
実施の形態3.
上記実施の形態2では、端末側送信PCM信号と端末側受信PCM信号の両方に対してCED/ANSam信号の検出を行うものについて示したが、端末側送信PCM信号のみに対してCED/ANSam信号の検出を実施して、CED/ANSam信号の検出結果Aを対向装置側に送信し、対向装置側においてはこの受信したCED/ANSam信号の検出結果を用いて伝送ルートの切り換えを行うようにしてもよい。
【0135】
図12はこの発明の実施の形態3による音声周波数帯域内信号伝送装置を示す構成図であり、図において、図9と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0136】
上記実施の形態2では、図9に示したように、CED/ANSam信号検出器30は、端末側送信PCM信号及び端末側受信PCM信号を入力し、その端末側送信PCM信号及び端末側受信PCM信号のそれぞれに対して、CED信号及びANSam信号の有無を判定し、CED/ANSam信号の検出結果Aをセレクタ制御部34に出力するようにしていたが、この実施の形態3では、図12に示すように、CED/ANSam信号検出器30は、端末側送信PCM信号のみを入力し、その端末側送信PCM信号に対して、CED信号及びANSam信号の有無を判定し、CED/ANSam信号の検出結果Aをセレクタ制御部34に出力するとともに、このCED/ANSam信号の検出結果Aを対向装置側に送信する。
対向装置側では、この信号を受信CED/ANSam信号検出結果Kとして受信し、受信CED/ANSam信号検出結果Kはセレクタ制御部34に入力される。
【0137】
図13、及び図14はセレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートであり、図において、図10,11と同一符号は同一または相当部分を示す。
上記実施の形態2では、図10,11に示したように、セレクタ制御部34は、現在の送信側伝送ルート設定Gのチェックを実施し(ステップST3)、送信側伝送ルート設定GがCodec(音声用)である場合は、CED/ANSam信号の検出結果Aをチェックし(ステップST4)、CED/ANSam信号を検出している場合は、送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)に設定し(ステップST5)、その後、呼切断時の処理に進むようにしている(ステップST24〜ステップST26)。
【0138】
しかし、この実施の形態3では、図13,14に示すように、セレクタ制御部34は、現在の送信側伝送ルート設定Gのチェックを実施し(ステップST3)、送信側伝送ルート設定GがCodec(音声用)である場合は、CED/ANSam信号の検出結果Aをチェックし(ステップST4)、CED/ANSam信号を検出している場合は、送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)に設定する(ステップST5)。
また、受信CED/ANSam信号の検出結果Kをチェックし(ステップST27)、受信側CED/ANSam信号を検出している場合は、送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)に設定し(ステップST28)、その後、呼切断時の処理に進むようにしている(ステップST24〜ステップST26)。
【0139】
図13,14におけるその他のステップの処理は図10,11と同様である。
また、図12におけるCED/ANSam信号検出器30及びセレクタ制御部34以外の各部の動作は図9と同様である。
【0140】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、上記実施の形態1,2と同様に、V.34以外の既存の変調方式によるファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号の復調伝送に加えて、V.34変調方式を搭載したファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号も、復調して伝送することができる効果を奏する。
【0141】
実施の形態4.
上記実施の形態1では、端末側送信PCM信号に対してCJ信号の検出と、JM信号の検出を行うものについて示したが、CJ信号の検出を行わず、代わりに端末側受信PCM信号に対してJM信号の検出を行うようにしてもよい。
【0142】
図15はこの発明の実施の形態4による音声周波数帯域内信号伝送装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
31aは送信側JM信号検出器、31bは受信側JM信号検出器である。
【0143】
次に動作について説明する。
送信側JM信号検出器31aは、端末側送信PCM信号を入力し、JM信号の有無を判定するとともに、JM信号有りの場合はその信号の内容を解析し、送信側JM信号終了の検出結果Ba、送信側変調モードの解析結果Ca、送信側ファクシミリ/データの判別結果Daをセレクタ制御部34に出力する。
【0144】
一方、受信側JM信号検出器31bは、端末側受信PCM信号を入力し、JM信号の有無を判定するとともに、JM信号有りの場合はその信号の内容を解析し、受信側JM信号終了の検出結果Bb、受信側変調モードの解析結果Cb、受信側ファクシミリ/データの判別結果Dbをセレクタ制御部34に出力する。
【0145】
図16、及び図17はセレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートであり、図において、図5,6と同一符号は同一または相当部分を示す。
まず、セレクタ制御部34は、処理を開始すると、送信側入力セレクタ35及び送信側出力セレクタ36に対して、送信側伝送ルート設定GをCodec(音声用)ルートに初期設定するよう指示する(ステップST1)。
【0146】
次に、現在の送信側伝送ルート設定Gのチェックを実施し(ステップST3)、送信側伝送ルート設定GがCodec(音声用)、Codec(モデム用)、V.17以下復調、V.34ファクシミリ/データ復調のいずれであるかにしたがって、処理を分岐する。
【0147】
次に、現在の送信側伝送ルート設定GがCodec(モデム用)である場合は、V.21信号終了の検出結果Fをチェックし(ステップST8)、V.21信号の終了を検出している場合は、送信側伝送ルート設定GをV.17以下復調ルートに設定する(ステップST9)。その後、呼切断時の処理に進む(ステップST24〜ステップST25)。
【0148】
一方、V.21信号の終了を検出していない場合は、受信側伝送ルート設定Hをチェックし(ステップST10)、受信側伝送ルート設定HがV.17以下復調ルートである場合は、送信側伝送ルート設定GをV.17以下復調ルートに設定する(ステップST11)。
【0149】
ステップST10において、受信側伝送ルート設定HがV.17以下復調ルートでない場合は、送信側JM信号終了の検出結果Baをチェックし(ステップST12a)、送信側JM信号の終了を検出している場合は、次いで送信側変調モードの解析結果Caをチェックして、V.34能力の有無を判定する(ステップST13a)。
【0150】
V.34能力有りの場合は、次いで送信側ファクシミリ/データの判別結果Daのチェックを実施し(ステップST14a)、ファクシミリ通信である場合は送信側伝送ルート設定GをV.34ファクシミリ復調ルートに設定し(ステップST15a)、ファクシミリ通信でない場合(データ通信である場合)は送信側伝送ルート設定GをV.34データ復調ルートに設定する(ステップST16a)。その後、呼切断時の処理に進む(ステップST24〜ステップST25)。
【0151】
一方、ステップST12aにおいて、送信側JM信号の終了を検出していない場合は、受信側JM信号終了の検出結果Bbをチェックし(ステップST12b)、受信側JM信号の終了を検出している場合は、次いで受信側変調モードの解析結果Cbをチェックして、V.34能力の有無を判定する(ステップST13b)。
【0152】
V.34能力有りの場合は、次いで受信側ファクシミリ/データの判別結果Dbのチェックを実施し(ステップST14b)、ファクシミリ通信である場合は送信側伝送ルート設定GをV.34ファクシミリ復調ルートに設定し(ステップ15b)、ファクシミリ通信でない場合(データ通信である場合)は送信側伝送ルート設定GをV.34データ復調ルートに設定する(ステップST16b)。
その後、呼切断時の処理に進む(ステップST24〜ステップST25)。
なお、ステップST12bにおいて、受信側JM信号の終了を検出していない場合は、呼切断時の処理に進む(ステップST24〜ST25)。
呼切断時の処理においては、まず呼制御情報Jをチェックして、呼切断を検出したか否かの判定を実施し(ステップST24)、呼切断を検出した場合は、送信側伝送ルート設定GをCodec(音声用)ルートに設定する(ステップST25)。その後、ステップST3の処理に進む。
【0153】
図16,17におけるその他のステップの処理は図5,6と同様である。
また、図15における送信側JM信号検出器31a、受信側JM信号検出器31b及びセレクタ制御部34以外の各部の動作は図1と同様である。
【0154】
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、V.34以外の既存の変調方式によるファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号の復調伝送に加えて、V.34変調方式を搭載したファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号も、復調して伝送することができる効果を奏する。
また、CJ信号検出器32が不要になり、装置構成が簡略化される効果も奏する。
【0155】
実施の形態5.
上記実施の形態1では、CED/ANSam信号検出器30を備え、CED/ANSam信号を検出した場合に、モデム用コーデックによる伝送ルートに切り換えるようにしていたが、これに加え、音声/データ識別器を備え、音声/データ識別器が、端末側受信PCM信号の信号種別が“データ”であると判定した場合に、モデム用コーデックによる伝送ルートに切り換えるようにしてもよい。
【0156】
図18はこの発明の実施の形態5による音声周波数帯域内信号伝送装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
45は音声/データ識別器である。
【0157】
次に動作について説明する。
上記実施の形態1では、図1に示したように、CED/ANSam信号検出器30は、CED/ANSam信号の検出結果Aをセレクタ制御部34に出力するものについて示したが、この実施の形態5では、図18に示すように、CED/ANSam信号検出器30は、CED/ANSam信号の検出結果Aを音声/データ識別器45に出力する。
【0158】
音声/データ識別器45は、端末側送信PCM信号を入力し、例えば、スペクトル分析、零交差数解析や信号強度の解析などの手法を用いて、その端末側送信PCM信号が音声信号であるか音声帯域データ信号(データ)であるかを識別し、音声/データの識別結果Lをセレクタ制御部34に出力する。
また、音声/データ識別器45は、CED/ANSam信号検出器30の出力するCED/ANSam信号の検出結果Aを入力し、CED/ANSam信号を検出している場合は、内部状態を“データ”状態に初期化し、音声/データの識別結果Lを“データ”とするように動作する。
【0159】
図19、及び図20はセレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートであり、図において、図5,6と同一符号は同一または相当部分を示す。
上記実施の形態1では、図5,6に示したように、セレクタ制御部34は、現在の送信側伝送ルート設定Gのチェックを実施し(ステップST3)、送信側伝送ルート設定GがCodec(音声用)である場合は、CED/ANSam信号の検出結果Aをチェックし(ステップST4)、CED/ANSam信号を検出している場合は、送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)に設定していたが(ステップST5)、この実施の形態5では、CED/ANSam信号の検出結果Aの代わりに、音声/データの識別結果Lを用いて、セレクタ制御部34は、送信側伝送ルート設定GがCodec(音声用)である場合は、音声/データの識別結果Lをチェックし(ステップST29)、音声/データの識別結果Lが“データ”である場合は、送信側伝送ルート設定GをCodec(モデム用)に設定する(ステップST30)。
【0160】
また、上記実施の形態1では、図5,6に示したように、呼切断時の処理において、まず、呼制御情報Jをチェックして呼切断を検出したか否かの判定を実施し(ステップST24)、呼切断を検出した場合は、送信側伝送ルート設定GをCodec(音声用)ルートに設定し(ステップST25)、CJ信号検出済みフラグをリセットし(ステップST26)、その後、ステップST3の処理に進むようにしている。
【0161】
しかし、この実施の形態5では、図19,20に示すように、上記処理において呼切断を検出しなかった場合は、さらに音声/データの識別結果Lをチェックし(ステップST31)、音声/データの識別結果Lが“音声”である場合に限り、送信側伝送ルート設定GをCodec(音声用)ルートに設定し(ステップST25)、CJ信号検出済みフラグをリセットするようにする(ステップST26)。
【0162】
図19,20におけるその他のステップの処理は図5,6と同様である。
また、図18におけるCED/ANSam信号検出器30、セレクタ制御部34及び音声/データ識別器45以外の各部の動作は図1と同様である。
【0163】
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、CED信号もANSam信号も送信しないファクシミリ端末が接続された場合でも、モデム用コーデックによる伝送ルートに切り換えが正常に行えるという効果を奏する。
【0164】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、判定手段の判定結果がV.34変調方式による通信が不可能である旨を示す場合には、V.34変調方式以外の変調方式を用いる変復調器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、その判定手段の判定結果がV.34変調方式による通信が可能である旨を示す場合には、V.34変調方式を用いる変復調器をPCM信号の伝送ルートに組み込むように構成したので、V.34変調方式以外の既存の変調方式によるファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号の復調伝送に加えて、V.34変調方式を搭載したファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号も復調して伝送することができる効果がある。
【0165】
この発明によれば、判定手段がCJ信号の終了を検出すると、受信側の伝送ルートにV.34変調方式を用いる変復調器が組み込まれている場合、V.34変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むように構成したので、受信側の伝送ルートに合わせて、送信側の伝送ルートにV.34変調方式を用いる変復調器を組み込むことができる効果がある。
【0166】
この発明によれば、判定手段がJM信号の終了を検出して、V.34変調方式による通信が可能である旨を示す場合、V.34変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むように構成したので、V.34変調方式を搭載したファクシミリ端末を使用することができる効果がある。
【0167】
この発明によれば、PCM信号を復調して変調モードのオクテットを検出し、そのオクテットを解析してV.34変調方式による通信が可能であるか否かを判定するように構成したので、簡単にV.34変調方式による通信の可能性を判定することができる効果がある。
【0168】
この発明によれば、判定手段がPCM信号の種類がV.34ファクシミリ信号であることを示す場合には、変復調器の動作モードをファクシミリ伝送モードに設定し、そのPCM信号の種類がV.34データ信号であることを示す場合には、その変復調器の動作モードをデータ伝送モードに設定するように構成したので、V.34変調方式によるファクシミリ信号だけでなく、V.34変調方式によるデータ信号も復調して伝送することができる効果がある。
【0169】
この発明によれば、PCM信号を復調して起呼機能のオクテットを検出し、そのオクテットを解析してPCM信号の種類を判定するように構成したので、簡単にPCM信号の種類を判定することができる効果がある。
【0170】
この発明によれば、送受双方向のPCM信号からJM信号を検出する処理を実施するように構成したので、CJ信号の検出が不要になり、装置構成が簡略化される効果がある。
【0171】
この発明によれば、判定手段がV.21信号の終了を検出すると、V.34変調方式以外の変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むように構成したので、ファクシミリ信号及びデータモデム信号を確実に伝送することができる効果がある。
【0172】
この発明によれば、判定手段がCED信号又はANSam信号の何れかを検出すると、モデム伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、その判定手段がCED信号及びANSam信号の双方を検出しないと、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むように構成したので、音声信号、ファクシミリ信号及びデータモデム信号を高能率伝送することができる効果がある。
【0173】
この発明によれば、送受双方向のPCM信号からCED信号及びANSam信号を検出する処理を実施するように構成したので、V.34変調方式以外の既存の変調方式によるファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号の復調伝送に加えて、V.34変調方式を搭載したファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号も復調して伝送することができる効果がある。
【0174】
この発明によれば、CED信号及びANSam信号の検出情報を対向装置側に送信し、その対向装置側ではCED信号及びANSam信号の検出情報を受信すると、モデム伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むように構成したので、V.34変調方式以外の既存の変調方式によるファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号の復調伝送に加えて、V.34変調方式を搭載したファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号も復調して伝送することができる効果がある。
【0175】
この発明によれば、判定手段の判定結果がPCM信号の種類がデータであることを示す場合には、モデム伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、その判定手段の判定結果がPCM信号の種類が音声であることを示す場合には、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むように構成したので、音声信号、ファクシミリ信号及びデータモデム信号を高能率伝送することができる効果がある。
【0176】
この発明によれば、CED信号又はANSam信号を検出すると、PCM信号の種類がデータであると判定するように構成したので、PCM信号の種類がデータである場合には、その種類を簡単に判定することができる効果がある。
【0177】
この発明によれば、呼切断を検出すると、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むように構成したので、装置を初期化することができる効果がある。
【0178】
この発明によれば、判定結果がV.34変調方式による通信が不可能である旨を示す場合には、V.34変調方式以外の変調方式を用いる変復調器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、その判定結果がV.34変調方式による通信が可能である旨を示す場合には、V.34変調方式を用いる変復調器をPCM信号の伝送ルートに組み込むように構成したので、V.34変調方式以外の既存の変調方式によるファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号の復調伝送に加えて、V.34変調方式を搭載したファクシミリ端末が送信するファクシミリ信号も復調して伝送することができる効果がある。
【0179】
この発明によれば、CJ信号の終了を検出すると、受信側の伝送ルートにV.34変調方式を用いる変復調器が組み込まれている場合、V.34変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むように構成したので、受信側の伝送ルートに合わせて、送信側の伝送ルートにV.34変調方式を用いる変復調器を組み込むことができる効果がある。
【0180】
この発明によれば、JM信号の終了を検出して、V.34変調方式による通信が可能である旨を示す場合、V.34変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むように構成したので、V.34変調方式を搭載したファクシミリ端末を使用することができる効果がある。
【0181】
この発明によれば、V.21信号の終了を検出すると、V.34変調方式以外の変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むように構成したので、ファクシミリ信号及びデータモデム信号を確実に伝送することができる効果がある。
【0182】
この発明によれば、CED信号又はANSam信号の何れかを検出すると、モデム伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、そのCED信号及びANSam信号の双方を検出しないと、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むように構成したので、音声信号、ファクシミリ信号及びデータモデム信号を高能率伝送することができる効果がある。
【0183】
この発明によれば、呼切断を検出すると、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むように構成したので、装置を初期化することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による音声周波数帯域内信号伝送装置を示す構成図である。
【図2】 JM信号検出器31の詳細構成を示す構成図である。
【図3】 CJ信号検出器32の詳細構成を示す構成図である。
【図4】 V.21信号検出器33の詳細構成を示す構成図である。
【図5】 セレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】 図5に続く、セレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】 音声周波数帯域内信号伝送装置に入力されるV.34ファクシミリ信号のシーケンスの一例を示す説明図である。
【図8】 音声周波数帯域内信号伝送装置に入力されるV.17以下ファクシミリ信号シーケンスの一例を示す説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態2による音声周波数帯域内信号伝送装置を示す構成図である。
【図10】 セレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートである。
【図11】 図10に続く、セレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態3による音声周波数帯域内信号伝送装置を示す構成図である。
【図13】 セレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートである。
【図14】 図13に続く、セレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートである。
【図15】 この発明の実施の形態4による音声周波数帯域内信号伝送装置を示す構成図である。
【図16】 セレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートである。
【図17】 図17に続く、セレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートである。
【図18】 この発明の実施の形態5による音声周波数帯域内信号伝送装置を示す構成図である。
【図19】 セレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートである。
【図20】 図20に続く、セレクタ制御部34の処理内容を示すフローチャートである。
【図21】 従来の音声周波数帯域内信号伝送装置を示す構成図である。
【図22】 図21の細部を示す構成図である。
【符号の説明】
30 CED/ANSam信号検出器(判定手段)、31 JM信号検出器(判定手段)、31a 送信側JM信号検出器、31b 受信側JM信号検出器、32 CJ信号検出器(判定手段)、33 V.21信号検出器(判定手段)、34 セレクタ制御部(伝送ルート制御手段)、35 送信側入力セレクタ(伝送ルート制御手段)、36 送信側出力セレクタ(伝送ルート制御手段)、37受信側入力セレクタ(伝送ルート制御手段)、38 受信側出力セレクタ(伝送ルート制御手段)、39 モデム伝送用音声符号器(モデム伝送用符復号器)40 音声伝送用音声符号器(音声伝送用符復号器)、41 V.17以下ファクシミリ変復調器(変復調器)、42 V.34ファクシミリ/データ変復調器(変復調器)、43 音声伝送用音声復号器(音声伝送用符復号器)、44 モデム伝送用音声復号器(モデム伝送用符復号器)、45 音声/データ識別器、70 V.21(H)復調手段、71 キャリア検出手段、72 JM同期符号検出手段、73 変調モード解析手段、74 ファクシミリ/データ判別手段、75 JM信号終了検出手段、76 V.21(L)復調手段、77 キャリア検出手段、78 CJ同期符号検出手段、79 CJ信号終了検出手段、80 V.21(H)復調手段、81 キャリア検出手段、82 フラグ検出手段、83 V.21信号終了検出手段。

Claims (20)

  1. 音声信号、ファクシミリ信号及びデータモデム信号等の音声周波数帯域内の信号を伝送する音声周波数帯域内信号伝送装置において、PCM信号を解析して、V.34変調方式による通信が可能であるか否かを判定する判定手段と、上記判定手段の判定結果がV.34変調方式による通信が不可能である旨を示す場合には、V.34変調方式以外の変調方式を用いる変復調器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、その判定手段の判定結果がV.34変調方式による通信が可能である旨を示す場合には、V.34変調方式を用いる変復調器をPCM信号の伝送ルートに組み込む伝送ルート制御手段とを備えたことを特徴とする音声周波数帯域内信号伝送装置。
  2. 伝送ルート制御手段は、判定手段がCJ信号の終了を検出すると、受信側の伝送ルートにV.34変調方式を用いる変復調器が組み込まれている場合、V.34変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むことを特徴とする請求項1記載の音声周波数帯域内信号伝送装置。
  3. 伝送ルート制御手段は、判定手段がJM信号の終了を検出して、V.34変調方式による通信が可能である旨を示す場合、V.34変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むことを特徴とする請求項1記載の音声周波数帯域内信号伝送装置。
  4. 判定手段は、PCM信号を復調して変調モードのオクテットを検出し、そのオクテットを解析してV.34変調方式による通信が可能であるか否かを判定することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の音声周波数帯域内信号伝送装置。
  5. 伝送ルート制御手段は、判定手段がPCM信号の種類がV.34ファクシミリ信号であることを示す場合には、変復調器の動作モードをファクシミリ伝送モードに設定し、そのPCM信号の種類がV.34データ信号であることを示す場合には、その変復調器の動作モードをデータ伝送モードに設定することを特徴とする請求項1記載の音声周波数帯域内信号伝送装置。
  6. 判定手段は、PCM信号を復調して起呼機能のオクテットを検出し、そのオクテットを解析してPCM信号の種類を判定することを特徴とする請求項5記載の音声周波数帯域内信号伝送装置。
  7. 判定手段は、送受双方向のPCM信号からJM信号を検出する処理を実施することを特徴とする請求項1記載の音声周波数帯域内信号伝送装置。
  8. 伝送ルート制御手段は、判定手段がV.21信号の終了を検出すると、V.34変調方式以外の変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むことを特徴とする請求項1記載の音声周波数帯域内信号伝送装置。
  9. 伝送ルート制御手段は、判定手段がCED信号又はANSam信号の何れかを検出すると、モデム伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、その判定手段がCED信号及びANSam信号の双方を検出しないと、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むことを特徴とする請求項1記載の音声周波数帯域内信号伝送装置。
  10. 判定手段は、送受双方向のPCM信号からCED信号及びANSam信号を検出する処理を実施することを特徴とする請求項9記載の音声周波数帯域内信号伝送装置。
  11. 判定手段は、CED信号及びANSam信号の検出情報を対向装置側に送信し、その対向装置側ではCED信号及びANSam信号の検出情報を受信すると、モデム伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むことを特徴とする請求項9記載の音声周波数帯域内信号伝送装置。
  12. 判定手段は、PCM信号を解析して、そのPCM信号の種類が音声であるかデータであるかを判定し、伝送ルート制御手段は、その判定手段の判定結果がPCM信号の種類がデータであることを示す場合には、モデム伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、その判定手段の判定結果がPCM信号の種類が音声であることを示す場合には、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むことを特徴とする請求項1記載の音声周波数帯域内信号伝送装置。
  13. 判定手段は、CED信号又はANSam信号を検出すると、PCM信号の種類がデータであると判定することを特徴とする請求項12記載の音声周波数帯域内信号伝送装置。
  14. 伝送ルート制御手段は、呼切断を検出すると、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むことを特徴とする請求項1記載の音声周波数帯域内信号伝送装置。
  15. 音声信号、ファクシミリ信号及びデータモデム信号等の音声周波数帯域内の信号を伝送する音声周波数帯域内信号伝送方法において、PCM信号を解析して、V.34変調方式による通信が可能であるか否かを判定し、その判定結果がV.34変調方式による通信が不可能である旨を示す場合には、V.34変調方式以外の変調方式を用いる変復調器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、その判定結果がV.34変調方式による通信が可能である旨を示す場合には、V.34変調方式を用いる変復調器をPCM信号の伝送ルートに組み込むことを特徴とする音声周波数帯域内信号伝送方法。
  16. CJ信号の終了を検出すると、受信側の伝送ルートにV.34変調方式を用いる変復調器が組み込まれている場合、V.34変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むことを特徴とする請求項15記載の音声周波数帯域内信号伝送方法。
  17. JM信号の終了を検出して、V.34変調方式による通信が可能である旨を示す場合、V.34変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むことを特徴とする請求項15記載の音声周波数帯域内信号伝送方法。
  18. V.21信号の終了を検出すると、V.34変調方式以外の変調方式を用いる変復調器を送信側の伝送ルートに組み込むことを特徴とする請求項15記載の音声周波数帯域内信号伝送方法。
  19. CED信号又はANSam信号の何れかを検出すると、モデム伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込む一方、そのCED信号及びANSam信号の双方を検出しないと、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むことを特徴とする請求項15記載の音声周波数帯域内信号伝送方法。
  20. 呼切断を検出すると、音声伝送用符復号器をPCM信号の伝送ルートに組み込むことを特徴とする請求項15記載の音声周波数帯域内信号伝送方法。
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