JP3708120B2 - 液晶コポリ(エステル−イミド)およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、液晶コポリ(エステル−イミド)およびその製造方法に関する。特に、本発明は、場合により芳香族ジカルボン酸、ジオールまたはヒドロキシ酸、特に2,;6−ヒドロキシナフトエ酸と組み合わせたN−(3'−アセトキシフェニル)トリメリット酸イミドまたはN−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミドから誘導される構造単位を有する液晶コポリ(エステル−イミド)に関する。また、本発明は、このようなコポリマーの製造方法に関する。さらに本発明は、ポリマーブレンド、成型品、ファイバー、フィラメントおよびシート製品におけるそれらの使用にも関する。
従来の技術
トリメリット酸無水物の誘導体を含有する種々のコポリ(エステル−イミド)が、熱安定性のエンジニアリングプラスチックであることが既知である。DE特許公開第3737067号およびkricheldorfら、Marcomolecules 24(1991)1011に記載されているように、トリメリット酸無水物とアミノフェノールまたはアミノ安息香酸とからの合成によって、対応するイミドが生成される。
種々のヒドロキシフェニルトリメリット酸イミドのホモポリ(エステル−イミド)が、米国特許第3542731号に記載されている。下式で示される、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、3−フェニル−1,4−ジヒドロキシベンゼンおよび3−(t−ブチル)−1,4−ジヒドロキシベンゼンのそれぞれと、N−(3'−ヒドロキシフェニル)トリメリットイミドおよびN−(4'−カルボキシフェニル)トリメリットイミドとの二成分コポリ(エステル−イミド)が、Kricheldorfら、Eur.Ploym.J.30(1994):4,549;Kricheldorfら、Macro-molecules 26(1993),米国特許第4954606号に開示されている。
しかし、これらの二成分コポリ(エステル−イミド)は、ガラス転移温度(Tg)が約200℃またはそれ以上であるかまたは融点が300℃を越え、これらの温度はポリオレフィンのような熱可塑性ポリマーとブレンドするにはあまりにも高すぎる。一方、ポリ(エチレンテレフタレート)および4−アセトキシ−安息香酸のネマチックコポリエステル(例えば、ユニチカのRodrun LC-3000(登録商標)およびRodrun LC-5000(登録商標))が市販されているが、それらのTgは実用には低すぎる(60〜80℃)またはそれらは4−アセトキシ安息香酸の高含有量によって半結晶質である(米国特許第3804805号参照)。DE特許第3015386号、米国特許第4395513号に開示されているHoechst Celanese(Vectra A950(登録商標))のLC−ポリエステルは、半結晶質であり、そのTm280℃が熱可塑性樹脂と共に溶融加工するにはあまりにも高すぎる。
発明の概要
前記に基づき、本発明の目的は、他のポリマー成分とブレンドするのに適している高いガラス転移温度および良好な熱安定性を有する液晶ポリマーを提供することである。
本発明の他の目的は、そのようなポリマーを製造する方法を提供することである。
本発明の第三の目的は、新規ポリマーに基づくポリマーブレンドおよび二次加工製品を提供することである。
本発明は、芳香族ポリエステル(主鎖にフェニレンまたはナフタレニレン基を有する)に基づくある種のコポリ(エステル−イミド)が、ブレンド成分に必要とされる全ての特性を有するという発見に基づいている。特に本発明は、式(I):
または式(II):
で示される少なくとも1つの構造単位および式(III):
−[−CO−Ar−CO−O−al−0]n−
[式中、Arはフェニレンまたはナフタレニレン基、alは炭素原子1〜6個を有する非環式または環式脂肪族残基、nは1〜500の整数である。]
で示される構造単位を有し、式(III)の構造単位:式(I)または式(II)の構造単位の比が、1:100〜100:1であるコポリ(エステル−イミド)を提供するものである。
式(III)の構造単位は、例えば、式IIIa:
で示されるポリ(エチレンテレフタレート)または式IIIb:
で示されるポリ(エチレンナフタレート)または式IIIc:
[式中、nは前記と同意義である。]
で示されるポリ(ブチレンテレフタレート)を含んでいてよい。
本発明のコポリマーは特に、請求項1の特徴部分に記載されていることを特徴とする。
本発明の方法は、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンナフタレート)またはポリ(シクロヘキサノールテレフタレート)のような芳香族ポリエステルと、N−(3−ヒドロキシフェニル)トリメリット酸イミドまたはN−(4'カルボキシフェニル)トリメリット酸イミドまたはそれらの誘導体とを重縮合する段階を含んで成る。
この方法は、請求項14の特徴記載部分に記載されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1および2で製造されたポリマーの構造単位を示す。
図2は、実施例3および4で製造されたポリマーの構造単位を示す。
図3Aおよび3Bは、実施例5および6で製造されたポリマーの構造単位を示す。
図4は、実施例7および8で製造されたポリマーの構造単位を示す。
図5は、実施例9で製造されたポリマーの構造単位を示す。
図6および7は、押出機で混合された不相溶化ポリエチレン/コポリ(エステル−イミド)ブレンドの破面のSEM顕微鏡写真を示す。
発明の詳細な説明
定義
本明細書において、「等方性ポリマー」という語は、融点未満の温度で分解せず、従って溶融加工することができる熱可塑性ポリマーを意味する。
「異方性ポリマー」または「液晶ポリマー(LCP)」という語は、液体状態で、特にメルト(=サーモトロピックLCP)として、固体結晶と等方性液体との境界に存在するポリマーに関して互換的に用いられている。
本明細書において、「相溶剤」という語は、コンパウンドの等方性および異方性成分の相容性を促進する物質を意味する。
本発明の新規コポリ(エステル−イミド)の分子量の絶対値は測定されていない。その代わりに、種々のコポリマーの分子量が、それらの固有粘度によって特徴付けられている。従って、「低分子量コポリ(エステル−イミド)」は、粘度約0.6未満、一般的には0.5未満を有する。エンジニアリングプラスチックは、一般に、0.6〜1.0の粘度を有することが必要である。
新規コポリ(エステル−イミド)
本発明は、ポリ(アルキレンテレフタレート)またはポリ(アルキレンナフタレート)のような芳香族ポリエステルが出発物質の1つとして使用されるサーモトロピックコポリ(エステル−イミド)を提供するという考えに基づいている。これらのコポリ(エステル−イミド)は、エンジニアリングプラスチックとして使用することができる。即ち、本発明は、
a)芳香族ポリエステルから誘導される少なくとも1つの構造単位、および
b)N−(3'−ヒドロキシ−フェニル)トリメリット酸イミドまたはN−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミドから誘導される少なくとも1つの構造単位
を含んで成るサーモトロピックコ(ポリエステル−イミド)を提供する。
これらのポリ(エステル−イミド)は射出成形によって成形することができ、優れた寸法安定性および耐熱性を示し、従って、成形品、ファイバー、フィラメントおよびシート製品に使用することができる。
多くの他のコポリ(エステル−イミド)が液晶ポリマーを形成しないので、本発明のコポリ(エステル−イミド)の有益な特性は非常に意外である。言うまでもなく、それらの特性によって、ポリマーブレンドの製造に使用するのに適するものとなっている。従って、例えば、ビスフェノール−Aまたは二置換ヒドロキノンに基づくコポリ(エステル−イミド)はほとんど全て等方性である。小さい置換基(−CH3、−Cl)を有するヒドロキノンおよびジヒドロキシナフタレンを、N−(3'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミドと組み合わせることによって、高い融点を有する半結晶質ポリ(エステル−イミド)を生成する(Kricheldorfら、Eur.Polym.J.28(1993),Kricheldorfら、Macromolecules 24(1991))。
本発明はまた、マトリックス成分としてのポリオレフィン、特にポリプロピレンおよびポリエチレンまたはポリ(フェニレンオキシド)(PPE)とのブレンド中の強化成分として機能するように設計されたサーモトロピック性を有するポリ(アルキレンテレフタレート)またはポリ(アルキレンナフタレート)またはポリ(シクロヘキサノールテレフタレート)を少なくとも1つ含有する低分子量コポリ(エステル−イミド)を提供し、その製造方法を提供する。加工の間、これらのポリ(エステル−イミド)は、前記先行技術のポリ(エステル−イミド)よりも低い溶融粘度という利点を有する。一般に、ブレンドするためには、液晶ポリマーが下記必要条件を満たさなければならない:
I.LCPの特性が熱履歴に依存せず、従って再生がより容易であるように、LCPが非結晶性(非晶質)でなければならない。
II.これらのポリマーのガラス転移温度が、110℃〜160℃でなければならない。通常の使用条件において充分な熱変形温度を保証するために、低温限界が熱湯の温度よりも高くなければならない。高温限界は、2つのことを考慮して決められる。溶融状態における加工の間の易流動性および変形を保証するために、Tgがポリオレフィンの溶融温度よりも低くなければならない。
III.溶融ドメインを良好な強化力を有する長い粒子に容易に変形することができるように、ブレンドの加工の間の低い溶融粘度を保証するためにポリマーメルトがネマチックでなければならない。さらに、ブレンド全体の溶融粘度を低くしなければならない。
本発明の新規熱可塑性液晶芳香族ポリ(エステル−イミド)は、前記基準を全て満たしている。
本発明の好ましい具体例によれば、液晶ポリマーの耐熱性に対して特徴的な温度(TgおよびHDT)に少なくともほぼ対応する温度において、ポリマーが溶融加工される。この特徴に基づいて、本発明のLCPが、ポリプロピレンが熱分解しない低い温度において、例えばポリプロピレンとブレンドされる。それでもなお、良好な耐熱性を有するブレンドが得られる。前記のように、低い加工温度は主に、LCPが非晶質である場合に得られる。特に有益なポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)またはポリ(エチレンナフタレート)(PEN)から誘導することができるエチレン基を含有する。しかし、そのような非晶質LCPの耐熱度(TgおよびHDT)は、第三級ブチルヒドロキノンのような嵩高い側基を含まない場合に、非常に低くなることが多い。
前記の理由から、PETまたはPENから誘導される構造単位を含む本発明のLCPに、t−ブチルヒドロキノンまたは同様の嵩高いモノマーから誘導される構造単位を含むのが好ましい。しかし、そのようなモノマーは、ポり(ブチレンテレフタレート)およびポリ(ブチレンテレフタレート)およびポリ(シクロヘキサノールテレフタレート)に基づく構造単位を有するポリマーにも使用することができる。
本発明のコポリ(エステル−イミド)は、イミドおよび芳香族ポリエステルに基づく構造単位に加えて、液晶コポリマー中にそれ自体既知の芳香族ヒドロキシ酸および二酸をも含むものが好ましい。2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、3−フェニル−1,4−ジヒドロキシベンゼンおよび3−(t−ブチル)−1,4−ジヒドロキシベンゼンが特に好ましい成分として例示される。
前記に基づき、新規コポリ(エステル−イミド)は、
(a)式(I)で示されるN−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミドまたは式(II)で示されるN−(3'−ヒドロキシフェニル)トリメリット酸イミドから誘導される少なくとも1つの構造単位、
(b)式(III)[式中nは1〜500の整数である]で示される芳香族ポリエステルから誘導される少なくとも1つの構造単位および
(c)(I)と組み合わせた、ヒドロキノンから誘導される少なくとも1つの構造単位(V):
[式中、XおよびYはそれぞれ水素、クロロまたはフェニル基、あるいは炭素原子1〜4個を有するアルキル基を表す]または
(d)(II)と組み合わせた、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸から誘導される少なくとも1つの構造単位(VII):
またはその誘導体、
を含む。
式(II)の構造単位は、式(IV):
の構造単位と組み合わせることもできる。本発明のコポリ(エステル−イミド)は、(II)と組み合わせた1つの芳香族ジカルボン酸またはその誘導体および/または(VI)から誘導される構造単位をも含むことができる:
構造単位II、IIIおよびVII、または構造単位II、III、VIおよびVIIを含んで成る本発明のポリ(エステル−イミド)は、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(ブチレンナフタレート)、ポリ(ブチレンナフタレート)またはポリ(シクロヘキサノールナフタレート)のような式IIIの芳香族ポリエステル1つまたはそれ以上、少なくとも1つのヒドロキシ酸またはその誘導体および少なくともN−(3'−ヒドロキシフェニル)トリメリット酸イミドまたはその誘導体を、モル比III:(II+VII)またはIII:(II+VI+VII)が、実質的に1:99〜60:40、好ましくは5:95〜60:40、特に10:90〜50:50であり、モル比II:VIIまたはII:(VI+VII)が1:100〜100:1である量で重縮合することによって製造される。
構造単位I、IIIおよびV、または構造単位I、III、VおよびVIまたは構造単位I、III、VおよびVIIを含んで成る本発明のポリ(エステル−イミド)は、ポリ(アルキレンテレフタレート)またはポリ(アルキレンナフタレート)のような芳香族ポリエステル1つまたはそれ以上、少なくとも1つのヒドロキノンまたはその誘導体、少なくともヒドロキシ酸またはその誘導体および少なくともN−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミドまたはその誘導体を、モル比III:(I+V)またはIII:(I+V+VI)またはIII:(I+V+VII)が実質的に1:99〜60:40、好ましくは5:90〜60:40、特に10:90〜50:50であり、モル比I:Vが1:1、およびI:(V+VI)またはI:(V+VII)が1:100〜100:1である量で重縮合することによって製造される。
構造単位I、III−VI、または構造単位I、III−VII、または構造単位I、III−VおよびVIIを含んで成る本発明のポリ(エステル−イミド)は、ポリ(アルキレンテレフタレート)および/またはポリ(アルキレンナフタレート)のような芳香族ポリエステル、少なくとも1つのヒドロキノンまたはその誘導体、少なくともヒドロキシ酸またはその誘導体および少なくともN−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミドまたはその誘導体および少なくとも1つのジカルボン酸またはその誘導体を、モル比III:(I+IV+V+VI)またはIII:(I+IV+V+VI+VII)またはIII:(I+IV+V+VII)が実質的に1:99〜60:40、好ましくは5:95〜60:40、特に10:90〜60:40、モル比(I+IV):Vが1:1およびI:(IV+V+VI)またはI:(IV+V+VI+VII)が1:100〜100:1である量で重縮合することによって製造される。
好ましい具体例は、式(II)の構造単位:式(VII)および任意の(VI)の構造単位のモル比が1:100〜100:1であるポリマーを含んで成る。
特に好ましい具体例は、N−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸、置換1,4−ジヒドロキシベンゼン、芳香族ヒドロキシ酸およびポリ(エチレンテレフタレート)および/またはポリ(エチレンテレフタレート)から誘導される構造単位を含む液晶コポリ(エステル−イミド)によって代表される。
N−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸から誘導される構造単位を含むポリマーは、この単位が優れたメソゲン(mesogens)であるので、一般に好ましい。幾分高いTgが必要である場合のポリマー用途に対しては、芳香族エステルの中のナフタレートが好ましい。テレフタレートはより低いTgを提供し、出発物質として、より安価である。本発明のLCPは芳香族ポリエステルの混合物を含むことができ、使用される芳香族ポリエステルは、ホモポリマー(即ち、1種類のモノマーだけから成る)であるかまたは例えばテレフタルおよびナフタレン構造単位の両方を含んで成るコポリマーである。
新規コポリ(エステル−イミド)のガラス転移温度は約100〜190℃、好ましくは約105〜175℃であり、このポリマーの固有粘度は、CHCl3およびトリフルオロ酢酸の混合物中、濃度2g/lでの測定で、約0.4〜1.0dL/g、好ましくは約0.45〜0.80dL/gである。
出発のコンパウンドとして使用されるポリ(エチレンテレフタレート)の固有粘度は、一般に、約0.5〜1.0dL/gである。
ポリマーブレンドの等方性ポリマー成分
新規液晶ポリマーを含有するポリマーブレンドおよびコンパウンドの等方性ポリマー成分は、適切な熱可塑性または熱硬化性ポリマー物質を含んで成ることができる。好ましくは、熱可塑性ポリマーは、マトリックスポリマーとして使用される。等方性ポリマーは、ポリオレフィンおよびオレフィンモノマーのコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリビニルクロリド、ポリアクリル、例えばポリ−R−アクリレートまたはポリ−R−メタクリレート[式中Rはメチル、エチル、ブチルまたは類似の置換基である]、ポリカーボネート、ポリケトン(例えばポリエーテルエーテルケトン)、ポリエーテルイミドおよびポリイミドを含んで成る群から選択することができる。一般的なコモノマーは、ビニルアセテート、ブチルアクリレート、メチルアクリレートおよびエチルアクリレートである。
等方性ポリマーの具体例として、下記のものを挙げることができる:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、ポリ(4−メチル−1−ペンチレン)のようなポリオレフィンであり、エチレンおよびプロピレンのコポリマー(EPM、EPDM)および塩素化(PVC)およびクロロスルホン化ポリエチレンを含む。等方性ポリマーは、スチレン(PS)、アクリル、ビニルおよびフルオロエチレン基を有する対応するポリアルカン、並びにポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)およびポリカーボネートのような種々のポリエステル、ポリアミド、並びにポリエーテル(例えば、ポリ(フェニレンエーテル))から成ることもできる。特に好ましいポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステルおよび(フェニレンエーテル)である。
好ましい等方性熱可塑性ポリマーの分子量は通常、約5000〜50000、好ましくは約10000〜30000である。マトリックスポリマーの曲げ弾性率(0.5〜0.25%)は、好ましくは約100〜10000MPa、特に約500〜5000MPaである。
相溶剤を、本発明によるポリマーブレンドおよびコンパウンドに使用することができる。相溶剤は、官能化または非官能化することができる。官能化された相溶剤は、一般に、カルボキシ、無水物、エポキシ、オキサゾリノ、ヒドロキシ、イソシアネート、アシルアセタムおよびカルボジイミド基のような官能基を有する。相溶剤のポリマー残基は、コ−およびターポリマー、グラフトポリオレフィン、グラフトポリスチレンおよび熱可塑性エラストマーを含んで成ることができる。ポリオレフィンコポリマーの極性基は一般に、アクリル酸エステル、官能アクリル酸基および無水マレイン酸基である。ターポリマーの極性基は、無水マレイン酸基、ヒドロキシル基およびエポキシ基であってもよく、そのうち最初に例示したものが特に好ましい。スチレンブロックコポリマーは、ポリスチレンセグメントおよび軟質エラストマーセグメントから成ることができる。一般的なスチレンブロックコポリマーは、SBS(スチレン/ブタジエン/スチレン−コポリマー)、SIS(スチレン/イソプレン/スチレン−コポリマー)およびSEBS(スチレン/エチレンブチレン/スチレン−コポリマー)である。
ポリ(フェニレンエーテル)に関連して、ある種の環式化合物を相溶剤として使用することができ、その化合物は一般式Ai−Bj[式中、AはPPEのフェニル環と環−環相互作用をすることができる少なくとも1つの3〜7員の環を有する基であり、Bは極性基であり、iは1〜20の整数であり、jは0〜20の整数であり、iとjの合計は2より大きい。]を有し、その化合物の融点は50℃より高く、沸点は200℃より高い。そのような相溶化化合物の具体的な例として、ヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、ビスフェノールA、安息香酸、ベンズアミドおよびフェニル−テレフタル酸を挙げることができる。
ポリマーブレンド添加剤の中でも、充填剤、顔料およびブレンドの加工を促進する種々の物質を挙げることができる。
それ自体既知のプラスチック添加剤を本発明によるポリマーブレンドに加えることができる。これらの添加剤は、例えば、安定剤、着色剤、潤滑剤、帯電防止剤、充填剤および難燃剤を含む。所望により、これらの物質を、ポリマーブレンドを造る前に、例えば等方性ポリマーと予備混合してもよい。ポリマー添加剤の量は一般に、ポリマーブレンドの重量の約0.1〜5%、好ましくは約0.1〜10%である。
製造方法
新規コポリ(エステル−イミド)の種々の成分の前記反応を実施するために、ポリエステルを製造するための既知の方法を用いることができる。好適な縮合法は、例えば:
A)ヒドロキシ化合物をアセチル誘導体の形態で使用し、カルボン酸をそのまま使用する「アセテート法」として既知の方法。アセチル化誘導体は低級アルキル化合物から選択され、アセチル化反応体が無水酢酸であるのが好ましい。通常のエステル交換触媒を使用することができる。
B)ヒドロキシ化合物およびカルボキシ化合物をそのままのアシル化反応体と共に使用する方法。アシル化反応体は低級アルキル無水物から選択することができ、アセチル化反応体は無水酢酸であるのが好ましい。通常のエステル交換触媒を使用することができる。
前記反応物質を使用する重縮合反応は一般に、60℃〜300℃、好ましくは185℃〜285℃の温度において、大気圧またはそれ以下の圧力下で行われ、後の場合には、減圧、好ましくは0.01〜1mbarの圧力下で行うのが好ましい。反応時間は、必要とされるポリマーの重合度および分子量に依存して、数分〜数時間である。酸化チタン、酸化アンチモン、オクタン酸錫などのような従来のウステル交換触媒を使用することができる。
本発明のポリ(エステル−イミド)は、300℃またはそれ以下の通常の成形温度で成形することができ、圧縮成型、押出または紡糸のような、熱可塑性材料に使用されるどのような成形方法でも使用することができる。従って、これらのポリ(エステル−イミド)は、成形品、ファイバー、フィラメントおよびシート製品に使用することができる。
従って、まとめれば、本発明の方法は下記の好ましい具体例を含む:
ポリ(エチレンテレフタレート)(または、前記の他の芳香族ポリエステルまたはそれらの混合物)およびN−(3'−ヒドロキシフェニル)トリメリット酸イミドまたはその誘導体と、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸またはその誘導体および/または1,4−ベンゼンジカルボン酸またはその誘導体とを重縮合することによって液晶ポリマーを製造する。ポリエステルに対するイミドおよびナフトエ酸およびカルボン酸の合計のモル比は、約1:99〜60:40、好ましくは5:95:60:40、特に10:90〜50:50に維持される。
ポリ(エチレンテレフタレート)(または、前記の他の芳香族ポリエステルまたはそれらの混合物)およびN−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミドまたはその誘導体と、置換1,4−ジヒドロキシベンゼン(置換基は、水素、クロロ、フェニルまたはC1-12アルキル、好ましくはC1-4アルキルから成る群から選択される)および/または4−ヒドロキシ安息香酸またはその誘導体とを重縮合することによって液晶ポリマーを製造する。ポリエステルに対するイミドおよびジヒドロキシベンゼンおよび安息香酸の合計のモル比は、約1:99〜60:40、好ましくは5:95〜60:40、特に10:90〜50:50である。
下記実施例は、本発明を例示するものとして記載されている。本発明が、実施例に記載されている特定の詳細に制限されるものではないと理解すべきである。
実施例1
この実施例は、ポリ(エチレンテレフタレート)、N−(3'−アセトキシフェニル)トリメリット酸イミドおよび2−アセトキシ−6−ナフトエ酸からの、液晶コポリ(エステル−イミド)の製造を例示する(図1の式1b〜1g参照)。
ポリ(エチレンテレフタレート)5.76g(0.03モル)、N−(3'−アセトキシフェニル)トリメリット酸イミド2.93g(0.009モル)および2−アセトキシ−6−ナフトエ酸8.29g(0.036モル)の混合物を、攪拌器、窒素の導入口および排出口を備えた100mlフラスコに入れる。フラスコを排気し、110℃において窒素で3回パージし、油浴で30分間加熱して最終的に280℃にする。混合物を窒素雰囲気中280℃で攪拌しつつ、酢酸をフラスコからゆっくりと留去する。120分後、酸のほとんどが排出され、低溶融粘度のポリ(エステル−イミド)を得る。次に、0.5mbarの減圧を280℃において適用し、攪拌を4時間継続する。白色不透明の繊維状コポリ(エステル−イミド)を得る。全体的に非晶質の液晶コポリ(エステル−イミド)は、固有粘度0.36およびガラス転移温度131℃を有する。
20、30、40および50モル%のポリ(エチレンテレフタレート)および異なるモル比を用いて重合を繰り返した。表1は、これらのポリマーの基本的特性を示す。
これらの全体的に非晶質の液晶ポリ(エステル−イミド)のガラス転移温度が、市販のRodrun LC−ポリエステル(比較例2を参照)のような従来のポリ(エチレンテレフタレート)/4−アセトキシ安息香酸物質のガラス転移温度よりもかなり高いことおよび、その温度がポリ(エチレンテレフタレート)の量によって制御できることが明らかである。100℃の高さのガラス転移温度が、ポリ(エチレンテレフタレート)50モル%でさえも得ることができる。これらの特性は、複合材料に使用される一般的な強化材に適している。
比較例1
この比較例は、ポリ(エチレンテレフタレート)および4−アセトキシ安息香酸からのコポリエステルの製造を例示している。
ポリ(エチレンテレフタレート)7.68g(0.04モル)、4−アセトキシ安息香酸10.40g(0.06モル)の混合物を、攪拌器、窒素のための導入口および排出口を備えた100mlフラスコに入れる。フラスコを排気し、110℃において窒素で3回パージし、油浴で30分間加熱して最終的に275℃にする。混合物を窒素雰囲気中275℃で攪拌しつつ、酢酸をフラスコからゆっくりと留去する。60分後、酸のほとんどが排出され、低溶融粘度のポリエステルを得る。次に、0.5mbarの減圧を275℃において適用し、攪拌を4時間継続する。白色不透明の繊維状コポリエステルを得る。この液晶コポリエステルは、固有粘度0.60、ガラス転移温度62℃および溶融温度212℃を有する。このポリマーはJacksonおよびKuhfussの米国特許第3804805号に最初に開示されたものとして既知である。ポリマーブレンドに関する限り、このポリマーの低いガラス転移温度および結晶性は好ましい特性ではない。
比較例2
この比較例は、ポリ(エチレンテレフタレート)および2−アセトキシ−6−ナフトエ酸からのコポリエステルの製造を例示する。
ポリ(エチレンテレフタレート)5.76g(0.03モル)、2−アセトキシ−6−ナフトエ酸10.6g(0.045モル)の混合物を、攪拌器、窒素のための導入口および排出口を備えた100mlフラスコに入れる。フラスコを排気し、110℃において窒素で3回パージし、油浴で30分間加熱して最終的に275℃にする。混合物を窒素雰囲気中275℃で攪拌しつつ、酢酸をフラスコからゆっくりと留去する。60分後、酸のほとんどが排出され、低溶融粘度のポリエステルを得る。次に、0.5mbarの減圧を275℃において適用し、攪拌を4時間継続する。白色不透明の繊維状コポリエステルは、固有粘度0.83、ガラス転移温度82℃および溶融温度205℃を有する。4−アセトキシ安息香酸を2−アセトキシ−6−ナフトエ酸で全て置き換えたこの場合においても、比較例1に記載のように、このポリマーの低いガラス転移温度および結晶性は、ポリマーブレンドに関して好ましい特性ではない。
実施例2
この実施例は、ポリ(エチレンテレフタレート)、N−(3'−アセトキシフェニル)トリメリット酸イミドおよび2−アセトキシ−6−ナフトエ酸と4−アセトキシ安息香酸の混合物からのコポリ(エステル−イミド)の製造を例示する(図1の式2aおよび2b参照)。
ポリ(エチレンテレフタレート)5.76g(0.03モル)、N−(3'−アセトキシフェニル)トリメリット酸イミド2.93g(0.009モル)、2−アセトキシ−6−ナフトエ酸4.14g(0.018モル)および4−アセトキシ安息香酸3.24g(0.018モル)の混合物を、攪拌器、窒素の導入口および排出口を備えた100mlフラスコに入れる。フラスコを排気し、110℃において窒素で3回パージし、油浴で30分間加熱して最終的に280℃にする。混合物を窒素雰囲気中280℃で攪拌しつつ、酢酸をフラスコからゆっくりと留去する。120分後、酸のほとんどが排出され、低溶融粘度のポリ(エステル−イミド)を得る。次に、0.5mbarの減圧を280℃において適用し、攪拌を4時間継続する。白色不透明の繊維状コポリ(エステル−イミド)を得る。全体的に非晶質の液晶コポリ(エステル−イミド)が、ガラス転移温度120℃を有する。
ポリ(エチレンテレフタレート)20モル%を用いて重合を繰り返した。表2はこれらのポリマーの基本的特性を示す。
前記データから明らかなように、2−アセトキシ−6−ナフトエ酸を、本発明において有用であることが見い出される4−アセトキシ安息香酸で一部置き換えた場合、これらのポリ(エステルイミド)のガラス転移温度は、実施例1よりは低いが、なお比較的高い。これらの特性は、複合材料に使用される一般的な強化材になお適している。
実施例3
この実施例は、ポリ(エチレンテレフタレート)、N−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミド、3−フェニル−1,4−ジアセトキシベンゼンおよび4−アセトキシ安息香酸からのコポリ(エステル−イミド)の製造を例示する(図2の式3a〜3f参照)。
ポリ(エチレンテレフタレート)5.76g(0.03モル)、N−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミド4.20g(0.014モル)、3−フェニル−1,4−ジアセトキベンゼン3.64g(0.014モル)および4−アセトキシ安息香酸3.24g(0.018モル)を用いて、実施例1に記載の方法によってコポリ(エステルイミド)を製造する。
ポリ(エチレンテレフタレート)20、30、40モル%およびモノマーの異なるモル比を用いて重合を繰り返した。表3はこれらのポリマーの基本的特性を示す。
これらの全体的に非晶質の液晶ポリ(エステルイミド)のガラス転移温度がここでもまた、従来のポリ(エチレンテレフタレート)/4−アセトキシ安息香酸物質よりもかなり高く、ポリ(エチレンテレフタレート)の量によって制御できることが明らかである。0.46〜0.76Dl/gの固有粘度が、特にポリオレフィンとのブレンドにおいて有益であることが見い出されている。
実施例4
この実施例は、ポリ(エチレンテレフタレート)、N−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミド、3−(t−ブチル)−1,4−ジアセトキシベンゼンおよび4−アセトキシ安息香酸からのコポリ(エステル−イミド)の製造を例示する(図2の式4a〜4f参照)。
ポリ(エチレンテレフタレート)2.88g(0.015モル)、N−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミド5.60g(0.018モル)、3−(t−ブチル)−1,4−ジアセトキベンゼン4.50g(0.018モル)および4−アセトキシ安息香酸4.32g(0.024モル)を用いて、実施例1に記載の方法によってコポリ(エステルイミド)を製造する。
ポリ(エチレンテレフタレート)20、30、40モル%およびコモノマーの異なるモル比を用いて重合を繰り返した。表4はこれらのポリマーの基本的特性を示す。
前記表4のデータは、3−フェニル−1,4−ジアセトキシベンゼンを全て、本発明に有用であることが明らかとなる3−(t−ブチル)−1,4−ジアセトキシベンゼンで置き換えた場合、これらの液晶の全体的に非晶質のポリ(エステルイミド)のガラス転移温度がここでもまた高く、ポリマーの脂肪族含有量に依存して広範囲にわたって制御することができることを示す。
実施例5および6
これらの実施例は、モノ−またはジ置換ジアセトキシベンゼンまたはそれらの混合物を用いるコポリ(エステル−イミド)の製造を示す。(図3Aおよび3Bの、式5a〜5fおよび6a〜6f参照)。
ポリ(エチレンテレフタレート)5.76g(0.03モル)、N−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミド7.00g(0.022モル)、3−(フェニル)−1,4−ジアセトキベンゼン3.04g(0.011モル)および3−(クロロ)−1,4−ジアセトキシベンゼン2.57g(0.011モル)を用いて、実施例1に記載の方法によってコポリ(エステルイミド)を製造する。
ポリ(エチレンテレフタレート)20、40モル%およびコモノマーの異なるモル比を用いて重合を繰り返した。表5および6は、これらのポリマーの基本的特性を示す。
これらの全体的に非晶質のポリ(エステルイミド)のガラス転移温度がここでもまた高く、ポリ(エチレンテレフタレート)のモル量に依存して120℃〜175℃の広い温度範囲にわたって制御することができる。
実施例7および8
これらの実施例は、置換ジアセトキシベンゼンおよびN−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸に基づくコポリ(エステル−イミド)中のポリ(エチレンテレフタレート)のモル量に対するガラス転移温度の依存性を示す(図4の式7a〜7fおよび8a〜8fを参照)。
ポリ(エチレンテレフタレート)9.60g(0.05モル)、N−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミド3.34g(0.011モル)、3−(フェニル)−1,4−ジアセトキベンゼン2.90g(0.011モル)を用いて、実施例1に記載の方法によってコポリ(エステルイミド)を製造する。
ポリ(エチレンテレフタレート)20〜70モル%およびコモノマーの異なるモル比を用いて重合を繰り返した。表7および8は、これらのポリマーの本質的特性を示す。
これらの全体的に非晶質のポリ(エステルイミド)のガラス転移温度がここでもまた高く、ポリ(エチレンテレフタレート)のモル量に依存して150℃〜170℃の広い温度範囲にわたって制御することができる。
実施例9
この実施例は、N−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸と1,4−ベンゼンジカルボン酸の混合物、置換1,4−ジアセトキシベンゼン、芳香族ヒドロキシ酸およびポリ(エチレンテレフタレート)を用いるコポリ(エステル−イミド)の製造を例示する(図5の式9a〜9cを参照)。
ポリ(エチレンテレフタレート)21.6g(0.11モル)、N−(4'カルボキシフェニル)トリメリット酸イミド11.7g(0.038モル)、3−t−ブチル−1,4−ジアセトキベンゼン46.9g(0.19モル)、1,4−ジカルボキシベンゼン24.9(0.15モル)および4−アセトキシ−安息香酸47.3g(0.26モル)を用いて、最高温度を285℃で8時間維持すること以外は実施例1と同様の方法によってコポリ(エステルイミド)を製造する。
テレフタル酸5〜20モル%およびコモノマーの異なるモル比を用いて重合を繰り返した。表9は、これらのポリマーの基本的特性を示す。
これらの全体的に非晶質の液晶ポリ(エステルイミド)のガラス転移温度がここでもまた高く、N−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミドおよびポリ(エチレンテレフタレート)のモル量によって制御することができる。
実施例10
この実施例は、N−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸(4−IMIDEと略称)およびポリ(エチレンナフタレン)(PEN)に基づくコポリ(エステル−イミド)の製造を例示する。
すなわち、PEN10.89g、4−IMIDE16.81gおよび3−t−ブチル−1,4−ジ−アセトキシベンゼン(TBHQA)13.52gおよび/またはジ−3−t−ブチル1,4−ジアセトキシベンゼン(ジ−TBHQA)16.55gおよび/または4−アセトキシ安息香酸(PAB)12.97gおよび/または2−アセトシキ−6−ナフトエ酸(HNA)16.57gおよび/または3−フェニル−1,4−ジアセトキシベンゼン(Ph−HQA)14.60gを、285℃で、窒素雰囲気中2〜2.5時間および減圧下で4時間、重合させた。
重合の結果を表10に示す。
最初の3つのポリマー(10a〜10c)の重合を実施例8に記載のように行い、第4番目のポリマーの重合を実施例4に記載のように行い、最後の3つポリマー(10e〜10g)の重合を実施例7に記載のように行った。
実施例11
この実施例は、N−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸(4−IMIDEと略称)およびポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)に基づくコポリ(エステル−イミド)の製造を例示する。
すなわち、PBT9.90gおよび4−IMIDE16.81gおよび3−t−ブチル−1,4−ジ−アセトキシベンゼン(TBHQA)13.52gおよび/またはジ−3−t−ブチル−1,4−ジアセトキシベンゼン(ジ−TBHQA)16.55gおよび/または4−アセトキシ安息香酸(PAB)12.97gおよび/または2−アセトシキ−6−ナフトエ酸(HNA)16.57gおよび/または3−フェニル−1,4−ジアセトキシベンゼン(Ph−HQA)14.60gを、285℃で、窒素雰囲気中2〜2.5時間および減圧下で4時間、重合させた。
重合の結果を表11に示す。
最初の3つのポリマー(11a〜11c)の重合を実施例7に記載のように行い、第4番目のポリマーの重合を実施例8に記載のように行い、最後の2つポリマー(11eおよび11f)の重合を実施例4に記載のように行った。
実施例12
ポリ(ブチレンナフタレート)(PBN)から誘導されるポリエステル構造単位を有するコポリ(エステル−イミド)を、PBN13.29g(20モル%)、4−IMIDE16.81g(27モル%)、TBHQA13.52g(22モル%)およびPAB12.97g(31モル%)の共重合によって製造した。この重合は実施例8に記載のように行った。
このようにして製造される非晶質コポリマーは、粘度0.39dL/gおよびTg123.2℃を有する。
実施例13
ポリ(シクロヘキサノールテレフタレート)(PCT)から誘導されるポリエステル構造単位を有するコポリ(エステル−イミド)を、PCT12.00g(20モル%)、4−IMIDE16.81g(27モル%)、TBHQA13.52g(22モル%)およびPAB12.97g(31モル%)の共重合によって製造した。この重合は実施例8に記載のように行った。
このようにして製造される非晶質コポリマーは、粘度0.30dL/gおよびTg127.5℃を有する。
実施例14
実施例9で製造されたコポリ(エステル−イミド)をポリエチレンポリマーとブレンドし、押出機中で配合し、バーの形態にした。このようにして成形されたバーは、表10に示すように、エンジニアリング材料または強化材としての商業的用途に適した望ましい機械的特性を示す。
図6および7は、不相溶化PE/ポリ(エステル−イミド)ブレンドの破面のSEM顕微鏡写真を示す。
Claims (24)
- ポリマーが式(III)、(I)および(V)の構造単位を有し、式(III)の構造単位のポリマーの他の構造単位の合計に対するモル比が1:99〜60:40である請求項2に記載のコポリ(エステル−イミド)。
- 式(I)の構造単位の式(V)の構造単位に対するモル比が0.8:1〜1:0.8である請求項2または3に記載のコポリ(エステル−イミド)。
- ポリマーが式(III)、(I)および(V)の構造単位と共に、式(VI)および(VII)の構造単位を有し、式(III)の構造単位のポリマーの他の構造単位の合計に対するモル比が1:99〜60:40である請求項2に記載のコポリ(エステル−イミド)。
- 式(I)の構造単位式(V)および(VI)または(VII)の構造単位の合計に対するモル比が1:100〜100:1である請求項2または5に記載のコポリ(エステル−イミド)。
- ポリマーが式(II)の構造単位と組み合わせて、式(VII)の構造単位を少なくとも1つ有し、式(III)の構造単位の式(II)および(VII)の構造単位の合計に対するモル比が1:99〜60:40である請求項2に記載のコポリ(エステル−イミド)。
- ポリマーが式(II)の構造単位と組み合わせて、式(VI)の構造単位を少なくとも1つおよび式(VII)の構造単位を少なくとも1つ有し、式(III)の構造単位のポリマーの他の構造単位の合計に対するモル比が1:99〜60:40である請求項2に記載のコポリ(エステル−イミド)。
- 式(II)の構造単位の式(VII)および任意の式(VI)の構造単位に対するモル比が1:100〜100:1である請求項7または8に記載のコポリ(エステル−イミド)。
- ポリ(アルキレンテレフタレート)、ポリ(アルキレンナフタレート)およびポリ(シクロヘキサノールテレフタレート)から成る群から選択される少なくとも1つの芳香族ポリエステルを、N−(3'−ヒドロキシフェニル)−トリメリット酸イミドまたはN−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミドまたはそれらの誘導体、およびt−ブチルヒドロキノンまたはその誘導体と重縮合させることを特徴とする非晶質液晶コポリ(エステル−イミド)の製造方法。
- 芳香族ポリエステルおよびN−(3'−ヒドロキシフェニル)−トリメリット酸イミドまたはそれらの誘導体を、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸またはその誘導体および/または1,4−ベンゼンジカルボン酸またはその誘導体と重縮合させる請求項10に記載の方法。
- 芳香族ポリエステルフタレートの、イミドおよびナフトエ酸およびカルボン酸の合計に対するモル比が1:99〜60:40である請求項11に記載の方法。
- 芳香族ポリエステルおよびN−(4'−カルボキシフェニル)トリメリット酸イミドまたはそれらの誘導体を、置換基が水素、クロロ、フェニルまたはC1−12アルキルから成る群から選択される置換1,4−ジヒドロキシベンゼンおよび/または4−ヒドロキシ安息香酸またはその誘導体と重縮合させる請求項10に記載の方法。
- 芳香族ポリエステルの、イミドおよびジヒドロキシベンゼンおよび安息香酸の合計に対するモル比が、1:99〜60:40である請求項13に記載の方法。
- エステル化の前に出発化合物のヒドロキシル基を少なくとも部分的にアセチル化することにより、アセテート法によってコポリ(エステル−イミド)を製造する請求項10に記載の方法。
- コポリ(エステル−イミド)をエステル交換によって製造する請求項10に記載の方法。
- 液晶成分が請求項1〜9のいずれか1つに記載のポリマーを含んで成ることを特徴とする、液晶プラスチックとブレンドされた熱可塑性樹脂を含有するポリマーマトリックスを含むポリマーブレンド。
- ポリマーマトリックスが、ポリオレフィンまたはオレフィンモノマーのコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリビニルクロリド、ポリアクリル、例えばポリ−R−アクリレートまたはポリ−R−メタクリレート[式中、Rはメチル、エチル、ブチルまたは類似のものである。]、ポリカーボネート、ポリケトン(例えばポリエーテルエーテルケトン)、ポリエーテルイミドまたはポリイミドを含んで成る請求項17に記載のポリマーブレンド。
- コモノマーがビニルアセテート、ブチルアクリレート、メチルアクリレートおよび/またはエチルアクリレートである請求項18に記載のポリマーブレンド。
- ポリマーマトリックスとブレンドすることができ、ポリマー技術においてそれ自体既知の方法によって製品に形成された、請求項1〜9のいずれか1つに記載のコポリエステルを含有することを特徴とするポリマー製品。
- 射出成形、吹込成形、押出、溶融紡糸または深絞り成形によって製造されたことを特徴とする請求項20に記載のポリマー製品。
- ファイバー、フィラメントまたはフイルムの形態であることを特徴とする請求項20または21に記載のポリマー製品。
- チユーブ、パイプまたはシースの形態であることを特徴とする請求項20または21に記載のポリマー製品。
- ケーブルの構造部品またはケーブルのシースの形態にされる請求項20または21に記載のポリマー製品。
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