JP3707517B2 - 画像中継装置、画像中継システム、画像送信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、公衆回線やLANなどのネットワーク回線を介して異機種間で高品質に画像データを通信する際に、画像データを中継する画像中継装置および画像中継装置を含む画像中継システムと、画像中継システムで用いられる画像送信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、公衆回線を用いたファクシミリ通信に加え、公衆回線やLANなどのネットワークを用いた画像通信が盛んに行なわれている。画像データを送受する機器もファクシミリのほか、パーソナルコンピュータや複合ディジタル複写機、ネットワークプリンタなど、各種の機器が用いられている。また最近はこれらの機器のカラー化も進み、カラーFAXやカラープリンタも主流になりつつある。このようなネットワークシステムでは、例えば解像度がそれぞれ異なる異機種装置間での相互接続や、カラー複写機と白黒複写機といったような色空間がそれぞれ異なる異機種装置間での相互接続が必要となる。
【0003】
このような異機種装置間で画像データをやりとりする場合、例えば白黒画像であればファクシミリの種々の画像データ形式が存在し、またカラー画像であればカラー画像用の画像データ形式が存在する。そのため、従来では画像データ形式が解釈できる装置間でしか画像を送受信することができなかった。
【0004】
一方、このようなネットワークシステムでは従来より中継装置が用いられており、その機能の一つとしてフォーマット変換の機能が提供されるようになってきている。この機能を用いることによって受信側か解釈できない画像フォーマットによって送信を行なっても、中継装置が受信側の解釈できる画像フォーマットに変換して受信側に送信できるようになってきている。
【0005】
既存の例えばファクシミリなどの中継装置では中継元(送信側)と中継先(受信側)でカラーや解像度が異なる場合に、これらの変換処理を行なって画像フォーマットを整合させてから中継先へと転送する。この場合の変換処理は、通常、画像を1枚のプレーン画像として扱い、色変換や解像度変換を行なう。送信側から送信する場合にも同様に、画像を1枚のプレーン画像として扱って処理を行なっている。
【0006】
このように原稿画像を1枚のプレーン画像として扱った場合、原稿画像が文字のみ、あるいは写真のみといった1種類の属性の画像データだけで構成されるのであれば特に問題はない。しかし、文字と写真が混在しているような複数の種類の画像データから構成されている場合には不都合が生じる。例えば文字と写真が混在している画像データに対して解像度変換を行なう場合、1枚のプレーン画像に対して同じ解像度変換手法を用いて解像度変換を施すので、適用する解像度変換手法によっては文字部あるいは写真部のいずれかの画質が劣化してしまうという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、より高速にしかも高画質で画像の通信を行なうことができるとともに、既存の白黒FAXやカラーFAX、そしてインターネットメールが使用可能なパソコンなど、種々の機器が解釈可能な画像フォーマットに高品質に変換することで画像交換を可能にした画像中継装置、画像中継システム、画像送信方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1画像データと第2画像データと第1画像データまたは第2画像データのいずれかを選択する選択データとをそれぞれ圧縮した圧縮データからなる多層データ形式で送信された多層画像データが送信され、これを画像中継装置が受信し、受信した多層画像データを受け取る受信装置とネゴシエーションを行なって送信画像属性を決定し、受信した多層画像データを第1画像データと第2画像データと選択データにそれぞれ伸長し、これらを合成して合成画像を生成し、生成された合成画像に対して送信画像属性に応じた変換処理を行ない、変換処理後の合成画像を受信装置に対して送信するものである。このように第1画像データ、第2画像データ、選択データに分離することによって、それぞれのデータに最適な画像処理および圧縮処理を施して送信することができる。また、それを受け取った画像中継装置においても、それぞれのデータについて最適に処理された高画質のままの画像データを受け取ることができ、その状態で受信装置とのネゴシエーションなどによって決定される送信画像属性に従って他の画像データ形式への変換を行なって送信することができるので、画像の劣化を最小限に抑えて他の画像データ形式を解釈できる受信装置へと転送することができる。
【0009】
また本発明は、送信装置より送信された単一プレーンの圧縮された画像情報を画像中継装置が受信し、受信した画像情報を受け取る受信装置とネゴシエーションを行なって送信画像属性を決定し、受信した画像情報を伸長し、伸長された画像情報を第1画像データと第2画像データと第1画像データまたは第2画像データのいずれかを選択する選択データとに分離し、分離された第1画像データと第2画像データと選択データに対して前記送信画像属性に応じた変換処理を行ない、変換処理後の前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データとからなる多層画像データを受信装置に送信するものである。これによって受信装置に送信する際には第1画像データ、第2画像データ、選択データに対して最適な画像処理および圧縮処理を施すことができ、中継装置で行なうデータ形式の変換の際の画質の劣化を最小限に抑えることができる。
さらに本発明は、画像送信方法であって、送信相手とネゴシエーションを行ない送信画像属性を決定しておき、第1画像データと第2画像データと前記第1画像データまたは前記第2画像データのいずれかを選択する選択データとをそれぞれ圧縮した圧縮データからなる多層データ形式の多層画像データを前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データにそれぞれ伸長し、伸長した前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データを合成して合成画像を生成し、前記合成画像に対して前記送信画像属性に応じて変換処理を行ない、変換処理後の合成画像を送信することを特徴とするものである。
さらにまた本発明は、画像送信方法であって、送信相手とネゴシエーションを行ない送信画像属性を決定しておき、圧縮された画像情報を伸長し、伸長した画像情報を第1画像データと第2画像データと前記第1画像データまたは前記第2画像データのいずれかを選択する選択データとに分離し、分離した前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データに対して前記送信画像属性に応じた変換処理を行ない、変換処理後の前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データからなる多層データ形式の多層画像データを送信し、前記画像情報を多層データ形式の多層画像データとして送信することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像中継システムの第1の実施の形態を示すシステム構成図である。図中、101は送信装置、102は中継装置、103はG3白黒FAX、104はG4白黒FAX、105はカラーFAX、106は伝送路である。また、太線は多層画像データの流れを、破線は単一プレーンの画像の流れをそれぞれ示している。
【0011】
送信装置101は、画像データを取り込んで第1画像データ、第2画像データ、および第1画像データまたは第2画像データのいずれかを選択する選択データに分離し、分離した各データを少なくとも圧縮し、圧縮した圧縮データからなる多層データ形式の多層画像データを中継装置102にFAX送信するものである。この第1の実施の形態では、第1画像データ、第2画像データとして後述するように中間調の絵柄部分を抽出した絵柄データと、文字色を抽出した文字色データとし、文字の形状データは選択データに含めるものとする。また、1枚の画像を構成するデータをプレーンと呼び、取り込んだ画像データは1プレーンを構成するとともに、分離した絵柄データ、文字色データ、選択データもそれぞれプレーンを構成する。すなわち、取り込んだ1プレーンの画像データは、絵柄プレーン、文字色プレーン、選択プレーンの3プレーンに分離される。そして3プレーンで構成された多層画像データを中継装置にFAX送信する。
【0012】
中継装置102は、送信装置101から送られた多層画像データをFAX受信し、1プレーンに合成した後、合成画像データをG3モードあるいはG4モードの白黒FAXまたはJPEGのカラーFAXのデータ形式に変換して、伝送路106を介してG3白黒FAX103、G4白黒FAX104、カラーFAX105などに送信する。
【0013】
G3白黒FAX103は、G3モードの白黒FAXを受信できる受信装置である。G4白黒FAX104は、G4モードの白黒FAXを受信できる受信装置である。カラーFAX105は、JPEG方式によるカラーFAXを受信できる受信装置である。伝送路106は、送信装置101と中継装置102と各種FAX103〜105を接続する伝送路であり、例えば公衆回線またはISDN網などである。
【0014】
なお、送信装置101は受信機能を有していてもよいし、また各FAX103〜105は送信機能を有していてもよい。また、これらの装置の他にも、種々の装置が伝送路106を介して接続されていてよい。
【0015】
図2は、本発明の第1の実施の形態における送信装置の一例を示す概略構成図である。図中、111は画像入力部、112はページヘッダ作成部、113はストライプ分割部、114は色変換部、115はプレーン分離部、116は絵柄プレーン解像度変換部、117は絵柄プレーンオフセット処理部、118は絵柄プレーン圧縮部、119は文字色プレーン解像度変換部、120は文字色プレーンオフセット処理部、121は文字色プレーン圧縮部、122は選択プレーン圧縮部、123はストライプヘッダ作成部、124は画像データ送信部、125は送信属性決定部、126は記憶部である。
【0016】
画像入力部111は、送信すべき画像を取り込み、取り込んだ画像を入力画像ファイルとして記憶部126に記憶させる。ページヘッダ作成部112は、送信用の多層画像データからなる多層画像ファイルを作成し、ページヘッダを多層画像ファイルに書き込む。ストライプ分割部113は、入力画像ファイル中の画像をストライプに分割する。色変換部114は、ストライプ分割された画像の色空間を変換する。なお、この色変換部114は、入力された画像の色空間と以降の処理を行なう色空間とが同じ場合には設ける必要はない。プレーン分離部115は、ストライプ分割部113で分割されたストライプ画像を、第1画像データ、第2画像データ、選択データに分離する。ここでは、選択プレーン、絵柄プレーン、文字色プレーンに分離するものとする。
【0017】
絵柄プレーン解像度変換部116は、絵柄プレーンの解像度を変換する。絵柄プレーンオフセット処理部117は、絵柄プレーンで絵柄が存在する領域の位置情報を求める。絵柄プレーン圧縮部118は、絵柄プレーンの圧縮を行なう。文字色プレーン解像度変換部119は、文字色プレーンの解像度を変換する。文字色プレーンオフセット処理部120は、文字色プレーンで文字が存在する領域の位置情報を求める。文字色プレーン圧縮部121は、文字色プレーンの圧縮を行なう。選択プレーン圧縮部122は、選択プレーンの圧縮を行なう。絵柄プレーン圧縮部118、文字色プレーン圧縮部121、選択プレーン圧縮部122で圧縮された各プレーンの圧縮データは、記憶部126中に多層画像ファイルとして格納される。
【0018】
ストライプヘッダ作成部123は、ストライプヘッダを多層画像ファイルに書き込む。画像データ送信部124は、多層画像ファイルを伝送路に送出する。送信属性決定部125は、送信相手のFAXとネゴシエーションを行ない、ユーザが指定した送信属性とネゴシエーションの結果から送信画像の属性を決定する。
【0019】
図3は、本発明の第1の実施の形態における送信装置の一例の実現例を示す概略構成図である。図中、131は制御装置、132は指示装置、133はイメージスキャナ、134は主記憶装置、135は外部記憶装置、136は伝送装置、137はバスである。
【0020】
制御装置131は、送信装置101の機能を実現するものであり、図2に示す画像入力部111、ページヘッダ作成部112、ストライプ分割部113、色変換部114、プレーン分離部115、絵柄プレーン解像度変換部116、絵柄プレーンオフセット処理部117、絵柄プレーン圧縮部118、文字色プレーン解像度変換部119、文字色プレーンオフセット処理部120、文字色プレーン圧縮部121、選択プレーン圧縮部122、ストライプヘッダ作成部123、画像データ送信部124、送信属性決定部125などを実行する。ここでは画像入力部111は、指示装置132にユーザが原稿読み取り属性や送信指示を行なうための画面を表示させるとともに、イメージスキャナ133から原稿を読み取り、読み取った画像を外部記憶装置135に格納する。また色変換部114は、一例として、イメージスキャナ133で読み取ったときの色空間をRGB色空間、内部で処理を行なう色空間をL* a* b* 色空間とし、RGB色空間からL* a* b* 色空間への変換を行なうものとする。
【0021】
指示装置132は、ユーザが原稿読み取り属性の指示や送信指示を行なうためのユーザインタフェースを有している。イメージスキャナ133は、ユーザが指示した原稿読み取り属性に基づいて原稿を走査し、読み取った画像信号をA/D変換し、ディジタル画像として画像を取り込む。
【0022】
主記憶装置134は、取り込んだ画像データや分離した各プレーンのデータ、さらに画像属性を記述した各種のヘッダなどを一時的に格納する。外部記憶装置135は、イメージスキャナ133から読み取った画像や送信するための多層画像データなどファイルとして格納する。この例では、図2に示した入力画像ファイルおよび多層画像ファイルを外部記憶装置135に、他のデータは主記憶装置134に記憶するように構成している。
【0023】
伝送装置136は、多層画像データを伝送路106に出力する。バス137は、各装置を接続する。
【0024】
図4は、本発明の第1の実施の形態における中継装置の一例を示す概略構成図である。図中、141は画像データ受信部、142は送信属性決定部、143はページヘッダ解釈部、144はストライプヘッダ解釈部、145は選択プレーン伸長部、146は絵柄プレーン伸長部、147は絵柄プレーンオフセット処理部、148は絵柄プレーン解像度変換部、149は文字色プレーン伸長部、150は文字色プレーンオフセット処理部、151は文字色プレーン解像度変換部、152はプレーン合成部、153は合成画像解像度変換部、154は色変換部、155はMH/MR圧縮部、156はMMR圧縮部、157はJPEG圧縮部、158は画像データ送信部、159は記憶部である。
【0025】
画像データ受信部141は、送信装置101からの多層画像データを受信し、多層画像データを多層画像ファイルとして記憶部159に格納する。多層画像データは、第1画像データ、第2画像データ、第1画像データまたは第2画像データのいずれかを選択する選択データによって構成されるが、ここでは一例として上述のように絵柄プレーン、文字色プレーン、選択プレーンのデータによって構成されているものとする。
【0026】
送信属性決定部142は、送信相手のFAXとネゴシエーションを行ない、ネゴシエーションの結果から送信画像の属性を決定する。ページヘッダ解釈部143は、多層画像ファイルからページヘッダを読み出して解釈する。ストライプヘッダ解釈部144は、記憶部159中の多層画像ファイルからストライプヘッダを読み出して解釈する。
【0027】
選択プレーン伸長部145は、選択プレーンの伸長を行なう。絵柄プレーン伸長部146は、絵柄プレーンの伸長を行なう。絵柄プレーンオフセット処理部147は、伸長された絵柄プレーンのオフセット処理を行なう。絵柄プレーン解像度変換部148は、オフセット処理された絵柄プレーンの解像度を変換する。文字色プレーン伸長部149は、文字色プレーンの伸長を行なう。文字色プレーンオフセット処理部150は、伸長された文字色プレーンのオフセット処理を行なう。文字色プレーン解像度変換部151は、オフセット処理された文字色プレーンの解像度を変換する。
【0028】
プレーン合成部152は、選択プレーン、絵柄プレーン、文字色プレーンを合成して合成画像を生成する。合成画像解像度変換部153は、合成画像の解像度を変換する。色変換部154は、白黒FAX用に合成した画像を2値化する。MH/MR圧縮部155は、G3白黒FAX103用に合成し2値化した画像をMH/MR圧縮する。MMR圧縮部156は、G4白黒FAX104用に合成値画像をMMR圧縮する。JPEG圧縮部157は、JPEGカラーFAX105用に合成画像をJPEG圧縮する。画像データ送信部158は、圧縮された合成画像を伝送路106に送出する。
【0029】
図5は、本発明の第1の実施の形態における中継装置の一例の実現例を示す概略構成図である。図中、161は制御装置、162は指示装置、163は主記憶装置、164は外部記憶装置、165は伝送装置、166はバスである。制御装置161は、中継装置102の機能を実現するものであり、画像データ受信部141、送信属性決定部142、ページヘッダ解釈部143、ストライプヘッダ解釈部144、選択プレーン伸長部145、絵柄プレーン伸長部146、絵柄プレーンオフセット処理部147、絵柄プレーン解像度変換部148、文字色プレーン伸長部149、文字色プレーンオフセット処理部150、文字色プレーン解像度変換部151、プレーン合成部152、合成画像解像度変換部153、色変換部154、MH/MR圧縮部155、MMR圧縮部156、JPEG圧縮部157、画像データ送信部158などを実行する。画像データ受信部141は、多層画像データの受信処理とともに、指示装置162にユーザが送信指示を行なうための画面を表示させる処理も行なう。
【0030】
指示装置162は、ユーザが送信指示を行なうためのユーザインタフェースを有している。主記憶装置163は、画像データや画像属性を記述したヘッダを一時的に格納する。外部記憶装置164は、受信した画像や送信するための画像をファイルとして格納する。なおこの例では、図4に示した多層画像ファイルを外部記憶装置164に、他のデータは主記憶装置163に記憶するように構成している。伝送装置165は、多層画像データを伝送路106から入力し、また送信画像を伝送路106へ出力する。バス166は、各装置を接続する。
【0031】
次に本発明の画像中継システムの第1の実施の形態における動作の一例について説明する。なお、以下の説明では送信装置101は図3に示した構成であるものとし、また中継装置は図5に示した構成であるものとして説明する。
【0032】
図6は、本発明の第1の実施の形態における送信装置の動作の一例を示すフローチャートである。まずS701において、画像入力部111は指示装置132に対して、ユーザが原稿読み取り属性や送信指示を行なうインタフェースを提供させる。図7は、本発明の第1の実施の形態において送信装置の指示装置が提供するユーザインタフェースの表示画面の一例の説明図である。指示装置132は、例えば図7に示すような表示画面をユーザに提示し、イメージスキャナ133で読み取って送信する画像のサイズ、カラー指定、解像度、そして画像を送信する中継装置のアドレスの入力などを受け付ける。図7では選択されている項目にハッチングを施して示しており、送信画像サイズとしてA4、送信カラーとしてカラー、送信解像度として400dpiが選択されている。以下の説明では、図7で設定されているように、A4サイズの原稿を解像度400dpiでカラーで送信するものとする。
【0033】
ユーザがインターフェースで送信指示を行なうと、送信属性決定部125が中継装置102とネゴシエーションし、送信画像のサイズ、解像度、カラー圧縮方式などが中継装置102でサポートされているか否かを判断する。もしサポートされていない場合は、指示装置132に再設定を要求するメッセージを表示させてユーザが再設定するか、中継装置102でサポートされているサイズ、解像度、カラー、圧縮方式などに自動的に切り替える。ここでは、後述する各プレーンの圧縮方式も中継装置102でサポートされているものとする。
【0034】
S702において、画像入力部111は指示装置132でユーザから指示された原稿読み取り属性に基づき、イメージスキャナ133から原稿を読み取り、読み取った画像を入力画像ファイルとして順次外部記憶装置135に格納する。また主記憶装置134には、ページの画像属性を記述するためのページヘッダ領域、ストライプの画像属性を記述するためのストライプヘッダ領域、絵柄プレーンの画像属性を記述するための絵柄プレーンヘッダ領域、文字色プレーンの画像属性を記述するための文字色プレーンヘッダ領域を確保する。
【0035】
図8は、本発明の第1の実施の形態におけるヘッダの一例を示すデータ構成図である。171はページヘッダ、172はストライプヘッダ、173は絵柄プレーンヘッダ、174は文字色プレーンヘッダである。図8(A)に示すようにページヘッダ171は、ページの開始を示すSOP(Start of page)181、ページヘッダのサイズを示すページヘッダ長182、選択プレーンの圧縮方式を示す選択プレーン圧縮方式183、絵柄プレーンの圧縮方式を示す絵柄プレーン圧縮方式184、文字色プレーンの圧縮方式を示す文字色プレーン圧縮方式185、選択プレーンの解像度を示す選択プレーン解像度186、ページの幅を示すページ幅187、ページの終了を示すEOP(End of page)188で構成されている。
【0036】
図8(B)に示すようにストライプヘッダ172は、ストライプの開始を示すSOSt(Start of Stripe)191、ストライプヘッダのサイズを示すストライプヘッダ長192、ストライプがどのプレーンで構成されているかを示すストライプタイプ193、絵柄プレーンをストライプに格納しない場合に使用される絵柄プレーンデフォルト色194、文字色プレーンをストライプに格納しない場合に使用される文字色プレーンデフォルト色195、絵柄プレーンの絵柄が存在する矩形領域の位置を記した絵柄プレーンオフセット196、文字色プレーンの文字が存在する矩形領域の位置を記した文字色プレーンオフセット197、ストライプのライン数を記したストライプ高さ198、選択プレーンの圧縮後のサイズを記した選択プレーン圧縮サイズ199で構成されている。このストライプヘッダ172は、ストライプ単位に記述される。
【0037】
図8(C)に示すように絵柄プレーンヘッダ173は、絵柄プレーンの絵柄が存在する矩形領域の幅を示す絵柄プレーン幅201、絵柄プレーンの絵柄が存在する矩形領域のライン数を示す絵柄プレーン高さ202、絵柄プレーンの解像度を示す絵柄プレーン解像度203で構成されている。絵柄プレーンヘッダ173は、絵柄プレーンの圧縮データとともに格納される。
【0038】
図8(D)に示すように文字色プレーンヘッダ174は、文字色プレーンの文字が存在する矩形領域の幅を示す文字色プレーン幅211、文字色プレーンの文字色が存在する矩形領域のライン数を示す文字色プレーン高さ212、文字色プレーンの解像度を示す文字色プレーン解像度213で構成されている。文字色プレーンヘッダ174は、文字色プレーンの圧縮データとともに格納される。
【0039】
画像入力部111は、主記憶装置134に確保したページヘッダ領域、ストライプヘッダ領域、絵柄プレーンヘッダ領域、文字色プレーンヘッダ領域に送信装置のデフォルト値とユーザが指示装置132のユーザインタフェースを通じて指定した値をセットする。なお、デフォルト値もユーザインタフェースを通じてユーザが設定可能である。以下の説明では、次のような値がセットされたものとする。
・ページヘッダ171
選択プレーン圧縮方式183=MMR(送信装置のデフォルト)
絵柄プレーン圧縮方式184=JPEG(送信装置のデフォルト)
文字色プレーン圧縮方式185=JPEG(送信装置のデフォルト)
選択プレーン解像度186=400dpi(ユーザが指定後ネゴシエーションした結果の送信解像度)
ページ幅187=3200画素(ユーザが指定後ネゴシエーションした結果のA4縦の画像の幅)
・ストライプヘッダ172
絵柄プレーンデフォルト色194=白(送信装置のデフォルト)
文字色プレーンデフォルト色195=黒(送信装置のデフォルト)
ストライプ高さ198=64(送信装置のデフォルト)
・絵柄プレーンヘッダ173
絵柄プレーン解像度203=200dpi(選択プレーン解像度÷2)
・文字色プレーンヘッダ174
文字色プレーン解像度213=200dpi(選択プレーン解像度÷2)
上述の設定において、送信装置101のデフォルト値として選択プレーン圧縮方式183はMMR、絵柄プレーン圧縮方式184、文字色プレーン圧縮方式185はJPEGにセットしている。MMR方式は2値画像を可逆に圧縮する方式であり、文字の輪郭形状を保持する選択プレーンの圧縮に向いている。またJPEG方式は多値画像を非可逆に圧縮する方式であり、絵柄プレーンと文字色プレーンのように低周波成分で構成される画像に対して画質をそこそこ保ったまま、圧縮効率を高めることができる。絵柄プレーンデフォルト色194は絵柄プレーンが存在しないストライプがあった場合に仮想的に作られる絵柄プレーンの色であり、送信装置101のデフォルト値として白にセットしている。これにより絵柄も文字も存在しない部分は白となる。文字色プレーンデフォルト色195は文字色プレーンが存在しないストライプがあった場合に仮想的に作られる文字色プレーンの色であり、送信装置101のデフォルト値として黒にセットしている。これによって文字色が指定されなかった文字は黒文字となる。絵柄プレーン解像度203と文字色プレーン解像度213は、選択プレーン解像度186の1/2にセットしている。この1/2は送信装置101のデフォルト値である。低解像度にする理由は、絵柄プレーンと文字色プレーンが低周波成分で構成されるため、低解像度にしても画質を損なわずに圧縮効率を高められるからである。
【0040】
画像入力部111が読み取った画像を入力画像ファイルとして外部記憶装置135に格納した後、ページヘッダ作成部112が外部記憶装置135に多層画像ファイルを作成してオープンし、ファイルの先頭に主記憶装置134のページヘッダ領域に記憶されているページヘッダを書き込む。
【0041】
ストライプ分割部113は、S703において、読み取った画像をストライプごとに外部記憶装置135の入力画像ファイルからすべて読み出して主記憶装置134に転送したか否かを判定する。未転送のストライプ画像が存在する場合には、S704において主記憶装置134に1ストライプ分の入力画像領域を確保し、外部記憶装置135の入力画像ファイルから1ストライプ分の画像を主記憶装置134の入力画像領域に転送する。
【0042】
図9は、本発明の第1の実施の形態の送信装置におけるストライプ分離の具体例の説明図である。ストライプとは図9に示すように、画像をあるライン数単位に分割した画像片のことである。以下に説明する画像に対する処理は、主記憶装置134上でストライプ単位に行なわれる。図9に示す例では、図9(A)に示す読み取った画像を、図9(B)に示すように4つのストライプに分割した場合を示している。実際には主記憶装置134の容量の制約から数十ライン単位で固定値あるいは可変値に分割される。ストライプの幅はページヘッダ171のページ幅187で、ストライプの高さはストライプヘッダ172のストライプ高さ198で表わされる。上述のストライプヘッダ172の設定値の例では、ストライプ高さ198には送信装置のデフォルト値として64ラインがセットされている。もちろん、ストライプ高さは固定値に限らず、各ストライプごとに設定することができる。図9に示した例ではストライプの境界に文字や絵柄が存在しないが、ストライプの境界に文字や絵柄が存在する場合には、その前後にストライプの境界を移動させることによって、後述するプレーン分離によって生成されるプレーン数を減少させ、圧縮効率を向上させることが可能である。
【0043】
主記憶装置134に転送されたストライプ画像は、S705において、色変換部114でマトリクス演算により色空間の変換処理を行なう。ここでは上述のように、イメージスキャナ133から出力される画像の色空間であるRGB色空間から、デバイスに依存しない色空間であるL* a* b* 色空間への色変換が行なわれる。
【0044】
L* a* b* 色空間に色変換された入力画像は、S706において、主記憶装置134上でプレーン分離部115により選択プレーン、絵柄プレーン、文字色プレーンの3プレーンに分離される。図10は、本発明の第1の実施の形態の送信装置におけるプレーン分離処理の具体例の説明図である。この例では、図9においてストライプ分割された各ストライプについて、そのプレーン分離の様子を示している。なお、図示の都合上、白、黒を除くハーフトーンおよびカラーの部分にはハッチングを施して示している。また、選択プレーンにおいては、画素値1を黒で、画素値0を白でそれぞれ示している。
【0045】
図10(A)に示すストライプ画像には、色文字「A」とともに星型の絵柄が存在している。このように絵柄と文字が混在している場合、絵柄部分を絵柄プレーンに、文字の色情報を文字色プレーンにそれぞれ分離する。また、色文字「A」の存在している画素に対応する選択プレーンの画素値を1とする。これによって選択プレーンに文字の形状が分離される。なお、選択プレーンの文字部分以外は画素値を0として、絵柄プレーンを選択するように構成する。文字色プレーンは文字の形状を保存しないので、例えば図示したように文字の外接矩形内を文字色とした画像であってよい。このようにして図10(A)に示したストライプ画像は3プレーンに分離される。
【0046】
図10(B)に示したストライプ画像には、顔の絵柄のみが存在する。この場合には、顔の絵柄を絵柄プレーンに分離し、選択プレーンはすべて絵柄プレーンを選択するように画素値を0とすればよい。これによって図10(B)に示したストライプ画像は選択プレーンと絵柄プレーンの2プレーンに分離される。なお、文字色プレーンは省略される。また、選択プレーンも画素値がすべて0であることから省略することが可能である。その場合には絵柄プレーンのみを送信することになり、一層の圧縮効率の向上を図ることができる。
【0047】
図10(C)に示したストライプ画像には、色文字「BCDEF」のみが存在する。この場合には、文字の色情報を文字色プレーンに分離し、文字が存在している画素に対応する選択プレーンの画素値を1とする。このストライプ画像では絵柄が存在しないので、文字色プレーンと選択プレーンの2プレーンに分離される。
【0048】
図10(D)に示したストライプ画像には、黒文字「GHI」が存在する。基本的には図10(A),(C)と同様に文字を文字色プレーンと選択プレーンに分離するが、上述のように、ストライプヘッダ172の文字色プレーンデフォルト色195として黒が設定されている場合、黒文字のみの場合には文字色プレーンを省略することができる。そのため、選択プレーンのみの1プレーンとなる。
【0049】
図11は、本発明の第1の実施の形態の送信装置におけるプレーン分離処理の一例を示すフローチャートである。最初に主記憶装置134に選択プレーン、絵柄プレーン、文字色プレーン用の領域をストライプの大きさだけ確保する。プレーン分離処理は、ここでは8画素×8画素の64画素を単位としたブロックごとに行なうこととする。
【0050】
S721において、ストライプ画像中のすべてのブロックを処理したか否かを判定し、すべてのブロックについて処理が終了していれば、そのストライプ画像についてのプレーン分離処理を終了する。未処理のブロックが残っていれば、S722において主記憶装置134の入力画像領域から1ブロックを取り出す。S723において、S722で取り出したブロックのL* 画素値でヒストグラムを作成する。S724において、S723で作成したヒストグラムからブロック内の最大画素値をMAX、最小画素値をMINに設定する。
【0051】
次に入力画像のL* ブロックの分散を求める。分散Vは、
V=(Σi=1 64xi 2/64)−(Σi=1 64xi /64)2
で表わされる。すなわち、画素値の2乗をブロック画素数(64画素)分加算し、ブロック画素数(64画素)で割ったものから、ブロック内の画素値の平均の2乗を引いたものである。分散Vが大きいとブロックにエッジ成分が多く含まれ手いることを示し、分散Vが小さいとブロックにエッジ成分があまり含まれないことを示す。
【0052】
エッジの有無の判別は、S725において分散Vと閾値THbの比較により行なわれる。閾値THbはあらかじめ設定されているものとする。分散Vが閾値THb以下の場合には、エッジが含まれていないものとし、S726においてブロックの各画素に対応する選択プレーンの64画素の画素値を全て「0」とする。選択プレーンの画素値「0」は、エッジ成分を含まない絵柄プレーンを選択するフラグになる。
【0053】
分散Vが閾値THbより大きい場合には、ブロック内の画素ごとにエッジを判断する手順に移る。まずS727において、MAXとMINの中間値を閾値THpに設定する。S728においてブロック内のすべての画素について処理を行なったか否かを判定し、未処理の画素が存在する場合にはS729において入力画像の対象ブロック中の1画素を取り出し、S730において画素値を閾値THpと比較する。画素値が閾値THpより小さいときは、S731において選択プレーンの対象画素を1にする。選択プレーンの画素値「1」はエッジ成分、つまり文字の形状を表わすと同時に文字色プレーンを選択するフラグになる。画素値が閾値THp以上のときは、S732において選択プレーンの対象画素を0にする。選択プレーンの画素値「0」は、エッジ成分を含まない絵柄プレーンを選択するフラグになる。S731またはS732において選択プレーンの対象画素値を設定した後、S728へ戻ってブロック内の他の画素についての処理を繰り返す。
【0054】
ここまでの処理で64画素で構成されたブロックに対応する選択プレーンの画素が設定される。上述の例ではエッジの有無を分散と画素値の中間値から判別したが、ヒストグラムから濃度の分布状況を考慮して判別したり、あるいは色数、平均を組み合わせた判別を行なうことで高精度にエッジを検出することが可能になる。
【0055】
1ブロック分の選択プレーンの画素値を決定した後、次に絵柄プレーンの画素値を設定する。S733においてブロック内のすべての画素について処理が終了したか否かを判定した後、未処理の画素についてS734において対応する選択プレーンの画素値を判定し、選択プレーンの画素値が0ならば、S735〜S737において入力画像のL* a* b* 各画素値を、絵柄プレーンの対応する画素に設定する。
【0056】
絵柄プレーンの画素値を設定した後、S738においてブロック内の画素に対応する選択プレーンの各画素中に画素値が1の画素が存在するか否かを判定し、画素値が1の画素が存在する場合には、S739〜S741において文字色プレーンの画素値を設定する。文字色プレーンの画素値の設定は、ブロック内において画素値が1の選択プレーンの画素位置に対応する入力画像のL* ,a* ,b* 成分ごとの平均値を求め、その平均値をそのブロック全体に対応する文字色プレーンの画素値として設定する。
【0057】
以上で1ブロック分のプレーン分離処理が終了する。この後、S721に戻って次の未処理のブロックに対して同様のプレーン分離処理を行なう。このようにして、プレーン分離処理をストライプに含まれるブロック数分行なう。
【0058】
このようにしてプレーン分離処理を行なった結果、文字部分が存在しなければ文字色プレーンへの画素値の設定は行なわれない。この場合、選択プレーンは画素値がすべて0となる。また、絵柄部分が存在しない場合、絵柄プレーンにはほぼ白色の画素が設定されるので、これを検出することによって絵柄プレーンが有意の情報を有するか否かを判定することができる。さらに、文字部分が存在して文字色プレーンへの画素値の設定がなされた場合でも、文字色が黒のみであるか否かを調べることによって、文字色プレーンが必要か否かを判定することができる。このようにして、ストライプ画像がどのプレーンで構成されているかを知ることができる。ストライプ画像を構成するプレーンを、ストライプヘッダ172のストライプタイプ193にセットする。
・ストライプヘッダ172
ストライプタイプ192=選択/絵柄/文字色
図6に戻り、S706のプレーン分離処理終了後、S707において絵柄プレーンの有無を判別する。絵柄プレーンがない場合にはS711へ進む。絵柄プレーンがある場合は、S708において、絵柄プレーン解像度変換部116が絵柄プレーンの解像度変換を行なう。絵柄プレーンに対する解像度変換手法は補間を伴う高度な手法を用いる。例えばバイキュービック法を用い、絵柄プレーンを400dpiから1/2の200dpiに変換する。バイキュービック法は出力画素をその周囲16個の入力画像から補間生成するアルゴリズムであり、処理時間はかかるが高画質な変換を行なうことができる。もちろん、4点補間法や投影法など、他の解像度変換手法を用いてもよい。
【0059】
絵柄プレーンの解像度変換終了後、S709において絵柄プレーンオフセット処理部117が絵柄プレーンのオフセット処理を行なう。図12は、本発明の第1の実施の形態における絵柄プレーンのオフセット処理の具体例の説明図である。絵柄プレーンのオフセット処理は、ストライプに分割された絵柄プレーンに対して、絵柄が存在する領域を矩形領域として切り出し、その領域の位置情報を求める処理である。位置情報を求めるには、図12に示すように絵柄プレーンのストライプ画像からL* 成分を取り出し、X方向およびY方向のL* 画素平均と画素位置の周辺分布を作成する。ここで、ある画素値Lwを閾値とし、原点からXの正方向にL* 画素平均と比較し、閾値Lw以下になったらXオフセットの開始位置とする。次にX方向の終端つまり原点からストライプ幅移動した位置からXの負方向にL* 画素平均と比較し、閾値Lw以下になったらXオフセットの終了位置とする。Yオフセットの開始位置、終了位置もXオフセットと同様の手順で求める。これにより絵柄プレーンに複数の絵柄領域が存在する場合でもそれらをまとめた1つの矩形領域として処理することが可能になる。
【0060】
絵柄プレーンオフセット処理部117は、上述のようにして絵柄プレーンのオフセット値を求めた後、主記憶装置134上のストライプヘッダ領域に下記値をセットする。
・ストライプヘッダ172
絵柄プレーンオフセット196=Xオフセットの開始位置、Yオフセットの開始位置
・絵柄プレーンヘッダ173
絵柄プレーン幅201=Xオフセットの終了位置−Xオフセットの開始位置
絵柄プレーン高さ202=Yオフセットの終了位置−Yオフセットの開始位置
絵柄プレーンに対するオフセット処理の終了後、S710において、絵柄プレーン圧縮部118は、絵柄プレーンヘッダ173の絵柄プレーン幅201と絵柄プレーン高さ202で示される作業領域を主記憶装置134に確保し、オフセット処理された絵柄プレーンの矩形領域をJPEG方式(ページヘッダ171の絵柄プレーン圧縮方式184に格納した方式)により圧縮し、作業領域に圧縮コードを格納する。もちろんカラー画像を圧縮可能な他の圧縮方式を用いてもよい。絵柄プレーンヘッダ173の内容は、圧縮コードとともに格納される。
【0061】
次にS711において、文字色プレーンの有無を判定し、文字色プレーンが作成されている場合にはその文字色プレーンについての処理を行なう。S712において、文字色プレーン解像度変換部119が文字色プレーンの解像度変換を行なう。文字色プレーンはそれほど画質が要求されないので、文字色プレーンの解像度変換手法としては、例えばゼロ次ホールド法やニアレストネイバー法など、補間を伴わない単純な手法を用いることができる。もちろん、他の解像度変換手法を用いてもよい。ここでは一例としてニアレストネイバー法を用い、文字色プレーンを400dpiから1/2の200dpiに変換する。ニアレストネイバー法は出力画素をその最近傍の入力画像で置き換えるアルゴリズムであり、低画質であるが高速な変換処理を行なうことができる。
【0062】
文字色プレーンの解像度変換終了後、S713において、文字色プレーンオフセット処理部120は文字色プレーンのオフセット処理を行なう。図13は、本発明の第1の実施の形態における文字色プレーンのオフセット処理の具体例の説明図である。文字色プレーンに対するオフセット処理は、ストライプに分割された文字色プレーンに対して、文字が存在する領域を矩形画像として切り出し、その領域の位置情報を求める処理である。文字色プレーンのオフセット処理は、選択プレーンを用いて行なう。図13(B)に示すように、選択プレーンのストライプ画像からX方向およびY方向の画素平均と画素位置の周辺分布を作成する。ここで、ある画素値THwを閾値とし、原点からXの正方向に画素平均と比較し、閾値THw以上になったらXオフセットの開始位置とする。次にX方向の終端つまり原点からストライプ幅移動した位置から、Xの負方向に画素平均と比較し、閾値THw以上になったらXオフセットの終了位置とする。Yオフセットの開始位置、終了位置もXオフセットと同様の手順で求める。これにより選択プレーンに複数の文字領域が存在する場合でもそれらをまとめた1つの矩形領域として処理することが可能になる。
【0063】
文字色プレーンオフセット処理部120は、上述のようにして選択プレーンから文字色プレーンのオフセット値を求めた後、主記憶装置134上のストライプヘッダ領域に下記値をセットする。
・ストライプヘッダ172
文字色プレーンオフセット197=Xオフセットの開始位置、Yオフセットの開始位置
・文字色プレーンヘッダ174
文字色プレーン幅211=Xオフセットの終了位置−Xオフセットの開始位置
文字色プレーン高さ212=Yオフセットの終了位置−Yオフセットの開始位置
文字色プレーンに対するオフセット処理の終了後、S714において、文字色プレーン圧縮部121は文字色プレーンヘッダ174の文字色プレーン幅211と文字色プレーン高さ212の値で示される大きさの作業領域を主記憶装置134に確保し、オフセット処理された文字色プレーンの矩形領域をJPEG方式(ページヘッダ171の文字色プレーン圧縮方式185に設定した方式)により圧縮し、作業領域に圧縮コードを格納する。圧縮方式はJPEGに限らず、カラー画像を圧縮可能な種々の方式を用いることができる。文字色プレーンヘッダ174の内容は、圧縮コードとともに格納される。
【0064】
文字色プレーンの処理後、S715において、選択プレーン圧縮部122はページヘッダ171のページ幅187とストライプヘッダ172のストライプ高さ198の値で示される大きさの作業領域を主記憶装置134に確保し、選択プレーンをMMR方式(ページヘッダ381の選択プレーン圧縮方式393に設定した方式)により圧縮し、作業領域に圧縮コードを格納する。選択プレーンは、この例では2値のデータであるので、2値画像に適した種々の可逆圧縮方式を適用することができる。そして主記憶装置134にストライプヘッダ172の選択プレーン圧縮サイズ199としてMMR圧縮後の選択プレーンのコードサイズをセットする。
・ストライプヘッダ172
選択プレーン圧縮サイズ199=選択プレーンのMMR圧縮後のコードサイズ
1ストライプの各プレーンの処理が終了した後、S716において、上述の処理によって設定された主記憶装置134のストライプヘッダを、ストライプヘッダ作成部123が外部記憶装置135でオープンしている多層画像ファイルに追加する。続いてS717において、主記憶装置134に格納された選択プレーンのMMR圧縮データ、絵柄プレーンのJPEG圧縮データ、文字色プレーンのJPEG圧縮データを順次追加し、1ストライプの送信画像の作成処理を終了する。
【0065】
S703に戻り、未処理のストライプ画像の有無を判定後、S704でストライプ分割部113が次のストライプ画像を外部記憶装置135から主記憶装置134に転送し、上記手順により1ストライプ分の送信画像の作成処理を行なう。ページに含まれている全てのストライプの送信画像の作成処理が終了した後、S703からS718に移り、ページヘッダ作成部112がページの最後を示すEOPコード188を外部記憶装置135でオープンしている多層画像ファイルに追加し、多層画像ファイルをクローズする。これで1ページ分の送信画像の作成処理を終了する。
【0066】
図14は、本発明の第1の実施の形態において送信装置で作成した多層画像ファイルの一例の説明図である。上述の1ページ分の送信画像の作成処理を終了した時点で、多層画像ファイルは図14に示すように、ページヘッダに続いてN個のストライプデータ1〜Nが順次続き、最後にEOPデータが付加された構造になっている。各ストライプデータ1〜Nは、ストライプヘッダと選択プレーン圧縮データ、絵柄プレーン圧縮データ、文字色プレーン圧縮データから構成されている。絵柄プレーンヘッダおよび文字色プレーンヘッダは、それぞれ絵柄プレーン圧縮データ、文字色プレーン圧縮データ中に含まれている。なお、図14ではすべてのストライプデータが、ストライプヘッダ、選択プレーン圧縮データ、絵柄プレーン圧縮データ、文字色プレーン圧縮データから構成されている例を示しているが、図10でも説明したようにストライプデータによっては文字色プレーンが存在しなかったり、絵柄プレーンが存在しない場合や、選択プレーンと文字色プレーンが存在しない場合もある。そのような場合には、ストライプヘッダと、存在するプレーンの圧縮データによってストライプデータが構成される。
【0067】
最後にS719において、画像データ送信部124はユーザが指定したアドレスに向けて、伝送装置136を使い、外部記憶装置135の多層画像ファイルを送信する。
【0068】
なお、上述の動作例では、絵柄プレーン、文字色プレーン、選択プレーンの順に圧縮処理を行なっているが、これらの処理順はこの例に限られるものではない。また、選択プレーンについては必ず存在するものとして図示しているが、選択プレーンを省略可能に構成する場合には、選択プレーンの処理に先立って、選択プレーンの有無について判定する必要がある。
【0069】
絵柄プレーンおよび文字色プレーンに対する画像処理として、ここでは解像度変換およびオフセット処理、圧縮処理を行なっているが、圧縮処理以外の画像処理は任意であって、他の画像処理を行なったり、解像度変換、オフセット処理の一方あるいは両方を行なわなくてもよい。また、選択プレーンについてはこの例では圧縮処理のみしか行なっていないが、解像度変換を含む種々の画像処理を施してもよい。
【0070】
さらに、上述の例ではストライプ分割を行なっているが、これに限らず、例えば1ページ分の画像を分割せずに多層データ形式で送信してもよい。この場合には、ページヘッダの後に選択プレーン圧縮データ、絵柄プレーン圧縮データ、文字色プレーン圧縮データ、EOPデータによって送信画像データが構成されることになる。
【0071】
図15、図16は、本発明の第1の実施の形態における中継装置の動作の一例を示すフローチャートである。中継装置102は、送信装置101から伝送装置165を通じてネゴシエーション要求があった場合には、中継装置102が受信可能な画像のサイズ、解像度、カラー、圧縮方式などを伝送装置165を通じて送信装置101に送信する。ネゴシエーションに続いて、送信装置101から送信された多層画像データが伝送装置165によって受信された場合は、S751において、ユーザインタフェースを通じてユーザに通知を行なうとともに、受信された多層画像データをいったん外部記憶装置164に多層画像ファイルとして格納する。図17は、本発明の第1の実施の形態において中継装置の指示装置が提供するユーザインタフェースの表示画面の一例の説明図である。画像データが受信されると、図17に示した例では、受信した日時、送信者、カラーなどを表示して、画像データの到来をユーザに知らせる。
【0072】
また、主記憶装置163には図8に示したページの画像属性を記述するためのページヘッダ171の領域、ストライプの画像属性を記述するためのストライプヘッダ172の領域、絵柄プレーンの画像属性を記述するための絵柄プレーンヘッダ173の領域、文字色プレーンの画像属性を記述するための文字色プレーンヘッダ174の領域、送信属性を記述するための送信属性領域を確保する。
【0073】
S752において、ユーザは例えば図17に示すようなユーザインタフェースから送信する画像データを選択するとともに、送信先のアドレスを入力し、送信指示を行なう。送信属性決定部142は、送信相手のFAXとネゴシエーションを行ない、送信画像のサイズ、解像度、カラー、圧縮方式を決定する。決定した内容は主記憶装置163の送信属性領域にセットされる。解像度は、送信相手のFAXの最大解像度に設定したり、あるいは中継装置102のデフォルト値に設定することができる。このような設定を切替可能とし、標準モードの場合にはデフォルト値(例えば200dpi程度)に設定し、ユーザインタフェースを通じてユーザが高画質モードを選択した場合には、送信相手のFAXの最大解像度に設定するように構成してもよい。カラーは、送信相手のFAXがG3白黒FAX103やG4白黒FAX104であれば白黒2値、送信相手のFAXがカラーFAX105であればカラー(例えばL* a* b* カラー)に設定することができる。圧縮方式は、例えば、送信相手のFAXがG3白黒FAX103であればMH/MR、G4白黒FAX104であればMMR、カラーFAX105であればJPEGに設定することができる。なお、送信先アドレスを含めて送信属性を例えばネゴシエーションや受信した画像データから自動的に決定できる場合には、ユーザによる指示を省略して自動的に中継することが可能である。
【0074】
S753において、ページヘッダ解釈部143は外部記憶装置164に格納された多層画像ファイルからページヘッダを読み出し、ページヘッダの内容を主記憶装置163のページヘッダ領域に転送する。以下の説明ではページヘッダの項目は例えば図8(A)に示した構成であるものとし、以下の内容がセットされているものとする。
・ページヘッダ171
選択プレーン圧縮方式183=MMR
絵柄プレーン圧縮方式184=JPEG
文字色プレーン圧縮方式185=JPEG
選択プレーン解像度186=400dpi
ページ幅187=3200画素
以下、ストライプごとに処理を行なって行く。S754において未処理のストライプが残っているか否かを判定し、未処理のストライプについて以下の処理を行なって行く。S755において、ストライプヘッダ解釈部144は外部記憶装置164に格納された多層画像ファイルから処理対象のストライプデータに対するストライプヘッダを読み出し、ストライプヘッダの内容を主記憶装置163のストライプヘッダ領域に転送する。
【0075】
S756において、主記憶装置163にストライプの幅と高さ分の選択プレーン領域を確保し、外部記憶装置94に格納された多層画像ファイルのストライプヘッダの後に続けて格納されている選択プレーン圧縮データを主記憶装置163に転送する。そしてS757において、選択プレーン伸長部145はストライプの幅と高さ分の作業領域を主記憶装置163に確保し、選択プレーン圧縮データを伸長し、作業領域に伸長画像を格納する。ここでは上述のように送信装置101において選択プレーンをMMR方式によって圧縮したので、選択プレーン伸長部145はMMR方式によって伸長処理する。なお、ストライプの幅はページヘッダ171のページ幅187、ストライプの高さはストライプヘッダ172のストライプ高さ198から知ることができる。
【0076】
次に絵柄プレーンの処理を行なう。S758において、ストライプヘッダ172のストライプタイプ193の内容から、絵柄プレーンが存在するか否かを判定し、絵柄プレーンが存在する場合には主記憶装置163にストライプの幅と高さ分の絵柄プレーン領域を確保し、S759において、外部記憶装置164に格納された多層画像ファイル中の絵柄プレーン圧縮データを主記憶装置163に転送する。絵柄プレーン伸長部146は、圧縮データとともに格納された図8(C)に示す絵柄プレーンヘッダ173を主記憶装置163の絵柄プレーンヘッダ領域に読み出す。この例では絵柄プレーン解像度203に200dpiが記述されているものとする。
【0077】
S760において、絵柄プレーンヘッダ173に記述された絵柄プレーン幅201と絵柄プレーン高さ202の作業領域を主記憶装置163に確保し、絵柄プレーンを伸長し、作業領域に伸長した画像を格納する。上述のようにこの例では、送信装置101で絵柄プレーンをJPEG方式により圧縮したので、絵柄プレーン伸長部146はJPEG方式によって伸長処理を行なう。
【0078】
S761において、絵柄プレーンオフセット処理部147は、まず以下のようにして計算される幅と高さ分の絵柄ベースプレーンを、ストライプヘッダ172に記述された絵柄プレーンデフォルト色194で主記憶装置163に作成する。
【0079】
絵柄ベースプレーン幅=絵柄プレーンオフセット196のX成分+絵柄プレーン幅201
絵柄ベースプレーン高さ=絵柄プレーンオフセット196のY成分+絵柄プレーン高さ202
そして伸長した絵柄プレーンを作成した絵柄ベースプレーン中の絵柄プレーンオフセット位置に合成する。
【0080】
絵柄プレーンオフセット処理部147による絵柄プレーンオフセット処理の終了後、S762において、絵柄プレーン解像度変換部148が絵柄プレーンの解像度変換を行なう。解像度変換手法としては、バイキュービック法や4点補間法、投影法など、補間を伴う高度な手法を用いることができる。また、変換先解像度は、合成のために選択プレーン、絵柄プレーン、文字色プレーンの解像度が一致するように設定する。ここでは例えばバイキュービック法を用いて絵柄プレーンを200dpiから選択プレーン解像度の400dpiに変換する。バイキュービック法は出力画素をその周囲16個の入力画像から補間生成するアルゴリズムであり、処理時間はかかるが高画質な変換を行なうことができる。また、変換先解像度を選択プレーンの解像度としたが、これに限らず、例えば送信属性で設定された解像度とするなど、任意の解像度とすることができる。
【0081】
一方、S758において絵柄プレーンの存在の有無を判別した結果、絵柄プレーンが存在しない場合は、S763において、ストライプの幅と高さ分の絵柄プレーンを、ストライプヘッダ172に記述された絵柄プレーンデフォルト色194で主記憶装置163上に作成する。
【0082】
次に文字色プレーンの処理を行なう。S764において、ストライプヘッダ172のストライプタイプ193の内容から、文字色プレーンが存在するか否かを判別し、文字色プレーンが存在する場合は主記憶装置163にストライプの幅と高さ分の文字色プレーン領域を確保し、S765において、外部記憶装置164に格納された多層画像ファイル中の文字色プレーン圧縮データを主記憶装置163に転送する。
【0083】
文字色プレーン伸長部149は、文字色プレーン圧縮データとともに格納されている、例えば図8(D)に示すような文字色プレーンヘッダ174を主記憶装置163の文字色プレーンヘッダ領域に読み出す。以下の説明では、一例として文字色プレーン解像度213に200dpiが記述されているものとする。さらに文字色プレーンヘッダ174に記述された文字色プレーン幅404aと文字色プレーン高さ404d分の作業領域を主記憶装置163に確保し、S766において文字色プレーン圧縮データを伸長し、作業領域に伸長した文字色プレーンの画像を格納する。上述のようにここでは送信装置101において文字色プレーンをJPEG方式によって圧縮したので、文字色プレーン伸長部149はJPEG方式によって伸長処理を行なう。
【0084】
S767において、文字色プレーンオフセット処理部150は以下のようにして計算される幅と高さ分の文字色ベースプレーンを、ストライプヘッダ172に記述された文字色プレーンデフォルト色195で主記憶装置163上に作成する。
【0085】
文字色ベースプレーン幅=文字色プレーンオフセット197のX成分+文字色プレーン幅211
文字色ベースプレーン高さ=文字色プレーンオフセット197のY成分+文字色プレーン高さ212
そして、伸長した文字色プレーンを作成した文字色ベースプレーン中の文字色プレーンオフセット位置に合成する。
【0086】
S768において、文字色プレーン解像度変換部151は文字色プレーンの解像度変換を行なう。上述のように文字色プレーンはそれほど画質を要求されないので、解像度変換手法は補間を伴わない単純な手法を用いることができる。また、変換先解像度は、選択プレーン、絵柄プレーン、文字色プレーンを合成するためにこれらの解像度が一致するように設定される。ここでは例えばニアレストネイバー法を用いて文字色プレーンを200dpiから選択プレーン解像度の400dpiに変換することとする。ニアレストネイバー法は出力画素をその最近傍の入力画像で置き換えるアルゴリズムであり、低画質ではあるが高速に解像度変換を行なうことができる。
【0087】
一方、S764における文字色プレーンが存在するか否かの判別により、文字色プレーンが存在しないと判定された場合には、S769において、ストライプの幅と高さ分の文字色プレーンを、ストライプヘッダ172に記述された文字色プレーンデフォルト色195で主記憶装置163上に作成する。
【0088】
この時点でストライプの選択プレーン、絵柄プレーン、文字色プレーンが主記憶装置163に格納された状態になり、各プレーンを合成する処理に移る。S770において、プレーン合成部152はまずストライプの幅と高さ分の大きさの合成画像領域を主記憶装置163上に確保し、そこにベースプレーンを、ストライプヘッダ172に記述された絵柄プレーンデフォルト色194で作成する。次にベースプレーンに絵柄プレーンを上書き(コピー)する。絵柄プレーンが上書きされたベースプレーンに選択プレーンの画素値が1の画素位置に対応する文字色プレーンの画素を上書き(コピー)することで合成画像を作成することができる。
【0089】
S771において、合成画像解像度変換部153は主記憶装置93の送信属性領域にセットされている解像度に合成画像を解像度変換する。解像度変換手法は、例えばバイキュービック法や4点補間法、投影法など、補間を伴う高度な手法を用いることができる。この例では、合成画像の解像度が400dpi、送信属性として設定された解像度が200dpiであるとし、例えばバイキュービック法を用いて合成画像を400dpiから200dpiに変換する。
【0090】
次にS772において送信属性領域にセットされたカラーを判別する。カラーが白黒2値の場合は、S773において色変換部148が合成画像を2値化する。2値化の方法としては、組織的ディザ法や誤差拡散法など、種々の2値化手法を用いることができる。次にS774において、送信属性領域にセットされた圧縮方式を判別し、圧縮方式がMH/MRの場合はS775においてMH/MR圧縮部155がMH/MR方式による圧縮を行なう。圧縮方式がMMRの場合は、S776においてMMR圧縮部156がMMR方式による圧縮を行なう。S772において、送信属性領域にセットされたカラーがL* a* b* カラーであると判定された場合は、S777においてJPEG圧縮部157がJPEG方式による圧縮を行なう。
【0091】
S778において、画像データ送信部158はユーザが指定したアドレスに向けて、圧縮された合成画像を伝送装置165を用いて送信する。以上で1ストライプの合成画像の送信処理が終了する。なお送信画像のサイズや解像度はFAXとのネゴシエーション時に送信相手に通知されるほか、圧縮画像中にヘッダとして記述されることもある。
【0092】
1ストライプの合成画像の送信処理を終えた後、S754に戻り、未送信のストライプが残っている場合にはその未送信のストライプについての処理を上述のようにして行なう。すべてのストライプの合成画像を送信し終わると、1ページ分の画像送信を終了する。もちろん上述のような処理を繰り返すことによって複数ページの画像を送信することもできる。
【0093】
上述の動作例では、中継装置102で送信相手であるFAXのアドレスをユーザが指定するようにしているが、送信装置101で中継装置102と送信相手のアドレスを指定することにより、中継装置でユーザが介入する手間を省くことができる。あるいは、送信装置101または送信相手によって一意に定まる中継装置102を用いる場合には、送信装置101において送信相手のアドレスを指定するのみでよい。
【0094】
また、上述の動作例では選択プレーン、絵柄プレーン、文字色プレーンの順に処理を行なう例を示しているが、これは送信装置101から送られてくるデータフォーマットに合わせたものであるので、データフォーマットによってはこの順に限らないし、また並列的に処理を行なってもよい。
【0095】
さらに、上述の例では合成の際の解像度を選択プレーンの解像度に合わせたが、これに限らず、例えば送信相手のFAXに合わせるように、選択プレーンを含む各プレーンの解像度をそれぞれ変換してもよい。また、各プレーンに対してそれぞれ分離された状態で各プレーンの特性に応じた各種の画像処理を施すことも可能である。合成画像についても各種の画像処理を施してもよい。
【0096】
以上述べたように、この第1の実施の形態によれば、複数プレーンで構成される画像フォーマットをFAXで受信し、既存の白黒FAXやカラーFAXに中継することで、文字および写真等の絵柄とも、高画質で画像を中継することができる。
【0097】
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図18は、本発明の画像中継システムの第2の実施の形態において取り扱う多層画像データの具体例の説明図である。上述の第1の実施の形態では、送信装置101が図10で説明したような選択プレーン、絵柄プレーン、文字色プレーンで構成される多層画像データをFAXで送信する例を示した。この第2の実施の形態では多層画像データにおける各層のデータが異なり、図18に示すように選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンで構成される多層画像データを送信する例を示す。すなわち、図18(A)に示す原画像のうち、絵柄部分を図18(C)に示すように絵柄プレーンに分離し、文字部分を図18(D)に示すようにそのまま文字プレーンに分離する。さらに、いずれかのプレーンを選択するために図18(B)に示すような選択プレーンを生成する。なお後述するように、この第2の実施の形態においてもストライプ分割してからプレーン分離を行なう。
【0098】
上述の第1の実施の形態におけるプレーン構成では、文字情報は選択プレーンと文字色プレーンに分離されたのに対し、この第2の実施の形態におけるプレーン構成では、文字情報は文字プレーンのみに分離される。そのため、第1の実施の形態におけるプレーン分離方法より比較的簡単にプレーン分離を行なうことができ、かつ絵柄のエッジ成分が文字と認識されるような分離エラーが起こったとしてもプレーン合成後の画質に及ぼす影響が少ないという利点を有している。また文字サイズが小さくかつ色がたくさん使われている文字の場合は、図18に示したようなプレーン構成の方が有利である。しかし、文字色プレーンに比べて文字プレーンは高周波成分が含まれるため、極端に解像度を落としたり非可逆の圧縮を使用すると、画質に影響してしまう。従って、圧縮率の面では上述の第1の実施の形態におけるプレーン構成のほうが有利である。
【0099】
また、上述の第1の実施の形態における中継装置102は、多層画像データをFAXで受信し、G3/G4白黒FAXまたはJPEGカラーFAXに送信する例を示した。この第2の実施の形態における中継装置は、多層画像データをFAXまたはインターネットメールで受信し、G3/G4白黒FAX、JPEGカラーFAX、インターネットメールで単一プレーン画像が受信可能なパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータ機器に送信する例を示す。
【0100】
図19は、本発明の画像中継システムの第2の実施の形態を示すシステム構成図である。図中、301は送信装置、302は中継装置、303はパーソナルコンピュータ、304はワークステーション、305は伝送路、306は送信装置、307はG3白黒FAX、308はG4白黒FAX、309はカラーFAX、310は伝送路である。また、太線は多層画像データの流れを、破線は単一プレーンの画像の流れをそれぞれ示している。
【0101】
送信装置301は、画像データを取り込んで選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンに分離し、複数プレーンで構成された多層画像データを中継装置302にインターネットメール送信する。中継装置302は、送信装置301や送信装置306などから送られてきた複数プレーンからなる多層画像データをインターネットメールまたはFAXで受信し、1プレーンに合成して、合成画像データをインターネットメールでパーソナルコンピュータ303やワークステーション304に送信したり、あるいは合成画像データをG3白黒FAX307やG4白黒FAX308、カラーFAX309などに送信する。
【0102】
パーソナルコンピュータ303およびワークステーション304は、少なくともインターネットメールを受信する機能を有したコンピュータである。伝送路305は、送信装置301、中継装置302、パーソナルコンピュータ303、ワークステーション304等を接続するLANやインターネットである。
【0103】
送信装置306は、画像データを取り込んで、選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンに分離し、複数プレーンで構成された多層画像データを中継装置302にFAX送信する。G3白黒FAX307は、G3モードの白黒FAXを受信できる受信装置である。G4白黒FAX308は、G4モードの白黒FAXを受信できる受信装置である。カラーFAX309は、JPEG方式によるカラーFAXを受信できる受信装置である。伝送路310は、送信装置306、中継装置302、各種FAX307〜309を接続する伝送路であり、例えば公衆回線またはISDN網などである。
【0104】
なお、送信装置301、306は受信機能を有していてもよいし、またパーソナルコンピュータ303、ワークステーション304、各FAX307〜309は送信機能を有していてもよい。また、これらの装置の他にも、種々の装置が伝送路305や伝送路310に接続されていてもよい。
【0105】
図20は、本発明の第2の実施の形態における送信装置の一例を示す概略構成図である。図中、321は画像入力部、322はページヘッダ作成部、323はストライプ分割部、324は色変換部、325はプレーン分離部、326は絵柄プレーン解像度変換部、327は絵柄プレーンオフセット処理部、328は絵柄プレーン圧縮部、329は文字プレーン解像度変換部、330は文字プレーンオフセット処理部、331は文字プレーン圧縮部、332は選択プレーン圧縮部、333はストライプヘッダ作成部、334は画像データ送信部、335は記憶部である。
【0106】
画像入力部321は、送信すべき画像を取り込み、取り込んだ画像を記憶部335に入力画像ファイルとして格納する。ページヘッダ作成部322は、送信用の多層画像データからなる多層画像ファイルを作成し、ページヘッダを多層画像ファイルに書き込む。ストライプ分割部323は、記憶部335中の入力画像ファイルに格納されている画像をストライプに分割する。色変換部324は、読み取った画像の色空間を必要に応じて変換する。入力された画像の色空間が以後の処理で用いる色空間と同じ場合には色変換部324は設けなくてもよい。プレーン分離部325は、ストライプ画像を選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンに分離する。
【0107】
絵柄プレーン解像度変換部326は、絵柄プレーンの解像度を変換する。絵柄プレーンオフセット処理部327は、絵柄プレーンで絵柄が存在する領域の位置情報を求める。絵柄プレーン圧縮部328は、絵柄プレーンの圧縮を行なう。文字プレーン解像度変換部329は、文字プレーンの解像度を変換する。文字プレーンオフセット処理部330は、文字プレーンで文字が存在する領域位置情報を求める。文字プレーン圧縮部331は、文字プレーンの圧縮を行なう。選択プレーン圧縮部332は、選択プレーンの圧縮を行なう。
【0108】
ストライプヘッダ作成部333は、ストライプヘッダを記憶部335中の多層画像ファイルに書き込む。画像データ送信部334は、多層画像ファイルを伝送装置346を用いて伝送路305または伝送路310に送出する。
【0109】
図21は、本発明の第2の実施の形態における送信装置の一例の実現例を示す概略構成図である。図中、341は制御装置、342は指示装置、343はイメージスキャナ、344は主記憶装置、345は外部記憶装置、346は伝送装置、347はバスである。制御装置341は、送信装置301や送信装置306の機能を実現するものであり、画像入力部321、ページヘッダ作成部322、ストライプ分割部323、色変換部324、プレーン分離部325、絵柄プレーン解像度変換部326、絵柄プレーンオフセット処理部327、絵柄プレーン圧縮部328、文字プレーン解像度変換部329、文字プレーンオフセット処理部330、文字プレーン圧縮部331、選択プレーン圧縮部332、ストライプヘッダ作成部333、画像データ送信部334などの機能を実行する。なお、画像入力部321は、指示装置342にユーザが各種の指示入力を行なうための画面を表示させるとともに、イメージスキャナ343から原稿を読み取り、読み取った画像を外部記憶装置345に入力画像ファイルとして格納する。また、イメージスキャナ343で読み取ったときの色空間をRGB色空間、内部で処理を行なう色空間をL* a* b* 色空間とし、色変換部324はRGB色空間からL* a* b* 色空間への変換を行なうものとする。
【0110】
指示装置342は、ユーザが原稿読み取り属性の指示や送信指示を行なうためのユーザインタフェースを有している。イメージスキャナ343は、ユーザが指示した原稿読み取り属性に基づいて原稿を走査し、読み取った画像信号をA/D変換し、ディジタル画像として画像を取り込む。主記憶装置344は、読み取った画像データや、プレーン分離した各プレーンの画像、さらには画像属性を記述した各種のヘッダなどを一時的に格納する。外部記憶装置345は、イメージスキャナから読み取った画像や、送信するための多層画像データをファイルとして格納する。ここでは、図20に示した入力画像ファイルおよび多層画像ファイルを外部記憶装置345に、他のデータは主記憶装置344に記憶するように構成している。伝送装置346は、多層画像データを伝送路305または伝送路310に出力する。バス347は、各装置を接続する。
【0111】
図22、図23は、本発明の第2の実施の形態における中継装置の一例を示す概略構成図である。図中、351は画像データ受信部、352は送信属性決定部、353はページヘッダ解釈部、354はストライプヘッダ解釈部、355は選択プレーン伸長部、356は絵柄プレーン伸長部、357は絵柄プレーンオフセット処理部、358は絵柄プレーン解像度変換部、359は文字プレーン伸長部、360は文字プレーンオフセット処理部、361は文字プレーン解像度変換部、362はプレーン合成部、363は合成画像解像度変換部、364は色変換部、365はMH/MR圧縮部、366はMMR圧縮部、367はJPEG圧縮部、368は送信フォーマット作成部、369は画像データ送信部、370は記憶部である。
【0112】
画像データ受信部351は、送信装置301や送信装置306から送られてくる多層画像データを受信し、多層画像データを多層画像ファイルとして記憶部370に格納する。受信する多層画像データは、上述のように絵柄プレーン、文字プレーン、選択プレーンから構成されているものとする。送信属性決定部352は、送信相手のFAXとネゴシエーションを行ない、ネゴシエーションの結果から送信画像の属性を決定する。ページヘッダ解釈部353は、記憶部370に格納されている多層画像ファイルからページヘッダを読み出して解釈する。ストライプヘッダ解釈部354は、記憶部370に格納されている多層画像ファイルからストライプヘッダを読み出して解釈する。
【0113】
選択プレーン伸長部355は、選択プレーンの伸長を行なう。絵柄プレーン伸長部356は、絵柄プレーンの伸長を行なう。絵柄プレーンオフセット処理部357は、伸長された絵柄プレーンのオフセット処理を行なう。絵柄プレーン解像度変換部358は、オフセット処理された絵柄プレーンの解像度を変換する。文字プレーン伸長部359は文字プレーンの伸長を行なう。文字プレーンオフセット処理部360は、伸長された文字プレーンのオフセット処理を行なう。文字プレーン解像度変換部361は、オフセット処理された文字プレーンの解像度を変換する。
【0114】
プレーン合成部362は、選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンを合成し、記憶部370に合成画像ファイルとして格納する。合成画像解像度変換部363は、合成した画像をFAX送信する場合に、合成した画像の解像度を変換する。色変換部364は、解像度変換された合成画像を2値化する。MH/MR圧縮部365は、2値化した合成画像をMH/MR圧縮する。MMR圧縮部366は、2値化した合成画像をMMR圧縮する。JPEG圧縮部367は、合成画像をカラーFAXへ送信する場合あるいはインターネットメールとして送信する場合に、合成画像をJPEG圧縮する。送信フォーマット作成部368は、合成した画像をディスクに格納する場合に、例えばTIFFのような画像データの標準的なフォーマットに変換する。画像データ送信部369は、圧縮した画像を、伝送装置375または伝送装置376を用いて伝送路305または伝送路310に送出する。
【0115】
図24は、本発明の第2の実施の形態における中継装置の一例の実現例を示す概略構成図である。図中、371は制御装置、372は指示装置、373は主記憶装置、374は外部記憶装置、375,376は伝送装置、377はバスである。制御装置371は、中継装置302の機能を実現するものであり、画像データ受信部351、送信属性決定部352、ページヘッダ解釈部353、ストライプヘッダ解釈部354、選択プレーン伸長部355、絵柄プレーン伸長部356、絵柄プレーンオフセット処理部357、絵柄プレーン解像度変換部358、文字プレーン伸長部359、文字プレーンオフセット処理部360、文字プレーン解像度変換部361、プレーン合成部362、合成画像解像度変換部363、色変換部364、MH/MR圧縮部365、MMR圧縮部366、JPEG圧縮部367、送信フォーマット作成部368、画像データ送信部369などを実行する。なお、画像データ受信部351は、多層画像データの受信処理とともに、指示装置372にユーザが各種の指示を行なうための画面を表示させる。指示装置372は、ユーザが送信指示を行なうためのユーザインタフェースを有している。
【0116】
主記憶装置373は、各プレーンごとの画像データ、合成した画像データ、送信する画像データや、画像属性を記述した各種のヘッダ、送信属性などを一時的に格納する。外部記憶装置374は、受信した多層画像データや、合成した画像データ、送信するための画像データをファイルとして格納する。この例では、図22、図23に示した多層画像ファイル、合成画像ファイル、送信画像ファイルを外部記憶装置345に、他のデータは主記憶装置344に記憶するように構成している。
【0117】
伝送装置375は、多層画像データをインターネットなどの伝送路305から入力し、また、送信画像データをインターネットなどの伝送路305へ出力する。伝送装置376は、多層画像データを公衆回線などの伝送路310から入力し、また、送信画像データを公衆回線などの伝送路310へ出力する。バス377は、各装置を接続する。
【0118】
次に本発明の画像中継システムの第2の実施の形態における動作の一例について説明する。なお以下の説明では、送信装置301および送信装置306として図21に示す構成、中継装置302として図24に示す構成であるものとして説明する。
【0119】
図25は、本発明の第2の実施の形態における送信装置の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは送信装置301において多層画像データをインターネットメールとして中継装置302に送信する場合について示す。
【0120】
まずS801において、画像入力部321が指示装置342に対して、ユーザが各種の指示を行なうためのインタフェースを提供させる。図26は、本発明の第2の実施の形態において送信装置の指示装置が提供するユーザインタフェースの表示画面の一例の説明図である。指示装置342は、例えば図26に示すような表示画面をユーザに提示し、イメージスキャナ343で読み取って送信する画像のサイズ、カラー指定、解像度、そしてメールのサブジェクトと、画像を送信する中継装置のアドレスの入力などを受け付ける。中継装置のアドレスは、例えばインターネットにおけるメールの表記に従って入力することができる。図26では選択されている項目にハッチングを施して示しており、以下の説明では図26で設定されているように、A4サイズの原稿を解像度400dpiでカラーで送信するものとする。
【0121】
ユーザがユーザインタフェースで送信指示を行なうと、S802において、画像入力部321はイメージスキャナ343から原稿画像を読み取り、読み取った画像を入力画像ファイルとして順次外部記憶装置345に格納する。また主記憶装置344には、ページの画像属性を記述するためのページヘッダ領域、ストライプの画像属性を記述するためのストライプヘッダ領域、絵柄プレーンの画像属性を記述するための絵柄プレーンヘッダ領域、文字プレーンの画像属性を記述するための文字プレーンヘッダ領域を確保する。
【0122】
図27は、本発明の第2の実施の形態におけるヘッダの一例を示すデータ構成図である。381はページヘッダ、382はストライプヘッダ、383は絵柄プレーンヘッダ、384は文字プレーンヘッダである。図27(A)に示すようにページヘッダ381は、ページの開始を示すSOP(Start of page)391、ページヘッダのサイズを示すページヘッダ長392、選択プレーンの圧縮方式を示す選択プレーン圧縮方式393、絵柄プレーンの圧縮方式を示す絵柄プレーン圧縮方式394、文字プレーンの圧縮方式を示す文字プレーン圧縮方式395、選択プレーンの解像度を示す選択プレーン解像度396、ページの幅を示すページ幅397、ページの終了を示すEOP(End of page)398で構成されている。
【0123】
ストライプヘッダ382は、図27(B)に示すように、ストライプの開始を示すSOSt(Start of Stripe)401、ストライプヘッダのサイズを示すストライプヘッダ長402、ストライプがどのプレーンで構成されているかを示すストライプタイプ403、絵柄プレーンをストライプに格納しない場合に使用される絵柄プレーンデフォルト色404、文字プレーンをストライプに格納しない場合に使用される文字プレーンデフォルト色405、絵柄プレーンの絵柄が存在する矩形領域の位置を記した絵柄プレーンオフセット406、文字プレーンの文字が存在する矩形領域の位置を記した文字プレーンオフセット407、ストライプのライン数を記したストライプ高さ408、選択プレーンの圧縮後のサイズを記した選択プレーン圧縮サイズ409で構成されている。このストライプヘッダ382は、ストライプ単位に記述される。
【0124】
絵柄プレーンヘッダ383は、図27(C)に示すように、絵柄プレーンの絵柄が存在する矩形領域の幅を示す絵柄プレーン幅411、絵柄プレーンの絵柄が存在する矩形領域のライン数を示す絵柄プレーン高さ412、絵柄プレーンの解像度を示す絵柄プレーン解像度413で構成されている。この絵柄プレーンヘッダ383は、絵柄プレーンの圧縮データとともに格納される。
【0125】
文字プレーンヘッダ384は、図27(D)に示すように、文字プレーンの文字が存在する矩形領域の幅を示す文字プレーン幅421、文字プレーンの文字が存在する矩形領域のライン数を示す文字プレーン高さ422、文字プレーンの解像度を示す文字プレーン解像度423で構成されている。この文字プレーンヘッダ384は、文字プレーンの圧縮データとともに格納される。
【0126】
画像入力部321は、主記憶装置344に確保したページヘッダ領域、ストライプヘッダ領域、絵柄プレーンヘッダ領域、文字プレーンヘッダ領域に送信装置のデフォルト値とユーザが指示装置342のユーザインタフェースを通じて指定した値をセットする。なお、デフォルト値もユーザインタフェースを通じてユーザが設定可能である。以下の説明では、次のような値がセットされたものとする。
・ページヘッダ381
選択プレーン圧縮方式393=MMR(送信装置のデフォルト)
絵柄プレーン圧縮方式394=JPEG(送信装置のデフォルト)
文字プレーン圧縮方式395=JBIG(送信装置のデフォルト)
選択プレーン解像度396=400dpi(ユーザが指定した送信解像度)
ページ幅397=3200画素(ユーザが指定したA4縦の画像の幅)
・ストライプヘッダ382
絵柄プレーンデフォルト色404=白(送信装置のデフォルト)
文字プレーンデフォルト色405=黒(送信装置のデフォルト)
ストライプ高さ408=64(送信装置のデフォルト)
・絵柄プレーンヘッダ383
絵柄プレーン解像度413=200dpi(選択プレーン解像度÷2)
・文字プレーンヘッダ384
文字プレーン解像度423=400dpi(選択プレーン解像度)
上述の設定において、選択プレーン圧縮方式393はMMR、絵柄プレーン圧縮方式394はJPEG、文字プレーン圧縮方式395はJBIGをデフォルト値としてセットしている。MMR方式は白黒2値画像を可逆に圧縮する方式であり、2値画像である選択プレーンの圧縮に向いている。JPEG方式は多値画像を非可逆に圧縮する方式であり、絵柄プレーンのように低周波成分で構成される画像に対して画質がそこそこ保て、圧縮効率を高めることができる。JBIG方式は、もともとは2値画像を可逆に圧縮する方式であるが、この方式を多値画像に適用することが可能であり、文字プレーンのように高周波成分で構成される画像に対して圧縮効率を高めることができる。これらの圧縮方式は一例であり、他の圧縮方式を用いてももちろんよい。
【0127】
絵柄プレーンデフォルト色404は、絵柄プレーンが存在しないストライプがあった場合に仮想的に作られる絵柄プレーンの色を示すものであり、デフォルト値として白にセットしている。これにより絵柄も文字も存在しない部分は白となる。文字プレーンデフォルト色405は、文字プレーンが存在しないストライプがあった場合に仮想的に作られる文字プレーンの色を示しており、デフォルト値として黒にセットしている。これによって文字色が指定されなかった文字は黒文字となる。
【0128】
絵柄プレーン解像度413は、選択プレーン解像度の1/2にセットしている。この1/2はデフォルト値である。低解像度にする理由は絵柄プレーンが低周波成分で構成されるため、低解像度にしても画質を損なわずに圧縮効率を高められるからである。文字プレーン解像度423は、選択プレーン解像度と同じ解像度にセットしている。この解像度はデフォルト値である。文字プレーンの解像度を選択プレーンと同じ高解像度にする理由は、文字プレーンが高周波成分で構成されるので、解像度変換による画質劣化を防ぐためである。
【0129】
画像入力部321が読み取った画像を入力画像ファイルとして外部記憶装置345に格納終了後、ページヘッダ作成部322は、外部記憶装置345に多層画像ファイルを作成してオープンし、ファイルの先頭に主記憶装置344のページヘッダ領域に記憶されているページヘッダを書き込む。
【0130】
ストライプ分割部323は、S803において、読み取った画像をストライプごとに外部記憶装置345の入力画像ファイルからすべて読み出して主記憶装置344に転送したか否かを判定する。未転送のストライプ画像が存在する場合には、S804において主記憶装置344に1ストライプ分の入力画像領域を確保し、外部記憶装置345の入力画像ファイルから1ストライプ分の画像を主記憶装置344の入力画像領域に転送する。
【0131】
ストライプとは、上述の第1の実施の形態において図9で説明したように、画像をあるライン数単位に分割した画像片のことである。以下に説明する画像に対する処理は、主記憶装置344上でストライプ単位に行なわれる。ストライプの高さは、主記憶装置344の容量の制約から数十ライン単位で固定値に設定される。なお、ストライプの幅はページヘッダ381のページ幅397で、ストライプの高さはストライプヘッダ382のストライプ高さ408で表わされる。上述のストライプヘッダ382の設定値の例では、ストライプ高さ408にはデフォルト値として64ラインがセットされている。もちろん、ストライプ高さは固定値に限らず、各ストライプごとに設定することができる。また、画像に合わせてストライプ高さを可変としてもよい。
【0132】
主記憶装置344に転送されたストライプ画像は、S805において、色変換部324で例えばマトリクス演算により色空間の変換処理を行なう。ここでは上述のように、イメージスキャナ343から出力される画像の色空間であるRGB色空間から、デバイスに依存しない色空間であるL* a* b* 色空間への色変換が行なわれる。
【0133】
L* a* b* 色空間に色変換された入力画像は、S806において、主記憶装置344上でプレーン分離部325により選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンの3プレーンに分離される。図28は、本発明の第2の実施の形態の送信装置におけるプレーン分離処理の具体例の説明図である。この例では、図9においてストライプ分割された各ストライプについて、そのプレーン分離の様子を示している。なお、図示の都合上、白、黒を除くハーフトーンおよびカラーの部分にはハッチングを施して示している。また、選択プレーンにおいては、画素値1を黒で、画素値0を白でそれぞれ示している。
【0134】
図28(A)に示すストライプ画像には、色文字「A」とともに星型の絵柄が存在している。このように絵柄と文字が混在している場合、絵柄部分を絵柄プレーンに、文字部分を文字プレーンにそれぞれ分離する。また、色文字「A」の存在している画素に対応する選択プレーンの画素値を1とし、それ以外の画素値を0とする。このようにして図28(A)に示したストライプ画像は3プレーンに分離される。
【0135】
図28(B)に示したストライプ画像には、顔の絵柄のみが存在する。この場合には、顔の絵柄を絵柄プレーンに分離し、選択プレーンはすべて絵柄プレーンを選択するように画素値を0とすればよい。これによって図28(B)に示したストライプ画像は選択プレーンと絵柄プレーンの2プレーンに分離される。なお、文字プレーンは省略される。また、選択プレーンも画素値がすべて0であることから省略することが可能である。その場合には絵柄プレーンのみを送信することになり、一層の圧縮効率の向上を図ることができる。
【0136】
図28(C)に示したストライプ画像には、色文字「BCDEF」のみが存在する。この場合には、文字部分を文字プレーンに分離し、文字が存在している画素に対応する選択プレーンの画素値を1とする。このストライプ画像では絵柄が存在しないので、文字プレーンと選択プレーンの2プレーンに分離される。
【0137】
図28(D)に示したストライプ画像には、黒文字「GHI」が存在する。基本的には図28(A),(C)と同様に文字を文字プレーンに分離するが、上述のように、ストライプヘッダ382の文字プレーンデフォルト色405として黒が設定されている場合、黒文字のみの場合には文字プレーンを省略することができる。そのため、選択プレーンのみの1プレーンとなる。
【0138】
図29、図30は、本発明の第2の実施の形態の送信装置におけるプレーン分離処理の一例を示すフローチャート、図31は、同じくプレーン分離処理におけるヒストグラム処理の一例の説明図である。最初にプレーン分離部325は、主記憶装置344に選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーン用の領域をストライプの大きさだけ確保する。次にS821において、入力画像から1ストライプ分の画素のL* 成分を取り出す。S822において、L* 成分からなる画像に対してメディアンフィルタをかけ、ノイズを除去する。メディアンフィルタは、ある画素の周辺領域内の画素値の中央値を求め、それを目的の画素値とする処理であり、エッジを保存しつつノイズを除去することができる。もちろん、他のノイズ除去の方法を用いてもよい。
【0139】
S823において、L* 成分からなる画像で画素値と画素数のヒストグラムを作成する。S824において、図31(A)に示すように、あらかじめ設定された画素数の閾値THcを用い、作成したヒストグラムの各画素値における画素数と閾値THcを比較し、閾値THc以上となる画素値の最大値MAXと画素値の最小値MINを求める。S825において、画素値の最大値MAXと最小値MINの間の値を、取りうる画素値の全体幅に広げ、コントラストを強調する。例えばL* 成分からなる画像のビット深さが8ビットである場合、最大値MAXと最小値MINが画素値0と255になるように、図31(B)に示すように広げ、コントラストを強調する。
【0140】
S826において、コントラストを強調したL* 成分からなる画像に対して、エッジ強調フィルタをかけ、エッジを強調する画像処理を施す。S827において、あらかじめ設定された閾値THbを閾値として、エッジ強調したL* 成分からなる画像を単純2値化処理する。この時点で文字部はエッジ成分を含んでいるため画素値1になり、文字部以外は画素値0になる。S828において、2値化した画像の画素値1の部分のスポットノイズを除去する。除去した画素は画素値0になる。S829において拡散処理を行ない、文字部である画素値1の部分を広げる。拡散処理は、ある画素の周辺領域内の画素値が1であれば目的の画素の値を1とする処理である。
【0141】
このような処理を行なうことによって、文字部の画素値を1とするマスク画像を作成することができる。このマスク画像を選択プレーンとする。選択プレーンは、主記憶装置344の選択プレーン領域に格納される。
【0142】
以上のようにして、ストライプを単位として選択プレーンの作成処理が行なわれる。次に選択プレーンを画素ごとに判別して、絵柄プレーンと文字プレーンを作成する。ここではまず絵柄プレーンを作成する。S830において未処理の画素が存在することを確認した後、その未処理の画素について、S831において選択プレーンの画素が0か否かを判定する。選択プレーンの画素が0の時のみ、S832〜S834において、画素値が0の選択プレーンの画素位置に対応する入力画像の画素のL* ,a* ,b* 成分をそれぞれ絵柄プレーン領域の対応画素に設定する。このような処理を選択プレーンの各画素について行なうことにより、絵柄プレーンが作成される。全ての画素について処理を行なった後、S835以降の文字プレーンの作成処理に移る。
【0143】
次に文字プレーンを作成する。S835において未処理の画素が存在することを確認した後、未処理の画素について、S836において選択プレーンの画素値が1か否かを判定する。選択プレーンの画素値が1である場合にのみ、S837〜S839において、画素値が1の選択プレーンの画素位置に対応する入力画像の画素のL* ,a* ,b* 成分をそれぞれ文字プレーン領域の対応画素に設定する。このような処理を選択プレーンの各画素について行なうことにより、文字プレーンが作成される。全ての画素について処理を行ない、プレーン分離処理を終了する。このような処理で、選択プレーンの画素値0は絵柄プレーンを選択するフラグになり、選択プレーンの画素値1は文字プレーンを選択するフラグになる。
【0144】
なお、図29に示したフローチャートにおける文字領域の抽出処理は一例であって、他の種々のも時抽出方式を採用することが可能である。また、図30に示すフローチャートでは、絵柄プレーンと文字プレーンをこの順に作成しているが、逆の順序でもよいし、1回の選択プレーンの画素値の判定により両プレーンを同時に作成してもよい。
【0145】
上述のようにしてプレーン分離処理を行なった結果、文字部分が存在しなければ文字プレーンにはS837〜S839において画素値は設定されない。また、絵柄部分が存在しない場合には、絵柄プレーンにはほぼ白色の画素のみが設定されるので、これを検出することによって絵柄プレーンが有意の情報を有するか否かを判定することができる。このようにしてストライプ画像がどのプレーンで構成されているかを知ることができる。ストライプ画像を構成するプレーンを、ストライプヘッダ382のストライプタイプ403にセットする。
・ストライプヘッダ382
ストライプタイプ403=選択/絵柄/文字
図25に戻り、S806のプレーン分離処理終了後、S807において絵柄プレーンの有無を判別する。絵柄プレーンが存在しない場合にはS811に進む。絵柄プレーンが存在する場合は、S808において、絵柄プレーン解像度変換部326が絵柄プレーンの解像度変換を行なう。解像度変換手法としては、例えばバイキュービック法や4点補間法、投影法など、補間を伴う高度な手法を用いる。この例では、例えばバイキュービック法を用い、絵柄プレーンを400dpiから1/2の200dpiに変換する。バイキュービック法は出力画素をその周囲16個の入力画像から補間生成する方法であり、処理時間はかかるが高画質な変換を行なうことができる。
【0146】
絵柄プレーンの解像度変換終了後、S809において絵柄プレーンオフセット処理部327が絵柄プレーンのオフセット処理を行なう。図32は、本発明の第2の実施の形態における絵柄プレーンのオフセット処理の具体例の説明図である。絵柄プレーンのオフセット処理は、ストライプに分割された絵柄プレーンに対して、絵柄が存在する領域を矩形画像として切り出し、その領域の位置情報を求める処理である。位置情報を求めるには、図32に示すように絵柄プレーンのストライプ画像からL* 成分を取り出し、X方向およびY方向の画素のL* 成分の平均と画素位置の周辺分布を作成する。ここで、ある画素値ILwを閾値とし、原点からXの正方向に画素のL* 成分の平均と比較し、閾値ILw以下になったらXオフセットの開始位置とする。次に、X方向の終端つまり原点からストライプ幅移動した地点からXの負方向に画素のL* 成分の平均と閾値ILwを比較し、閾値ILw以下になったらXオフセットの終了位置とする。Yオフセットの開始、終了位置もXオフセットと同様の手順で求める。これにより絵柄プレーンに複数の絵柄領域が存在する場合でも、それらをまとめた1つの矩形領域として処理することが可能になる。
【0147】
絵柄プレーンオフセット処理部327は、上述のようにして絵柄プレーンのオフセット値を求めた後、主記憶装置344上のストライプヘッダ領域に以下の値をセットする。
・ストライプヘッダ382
絵柄プレーンオフセット406=Xオフセットの開始位置、Yオフセットの開始位置
・絵柄プレーンヘッダ383
選択プレーン幅411=Xオフセットの終了位置−Xオフセットの開始位置
絵柄プレーン高さ413=Yオフセットの終了位置−Yオフセットの開始位置
絵柄プレーンのオフセット処理の終了後、S810において、絵柄プレーン圧縮部328は、ストライプヘッダ382の絵柄プレーン幅411と絵柄プレーン高さ413で示される大きさの作業領域を主記憶装置344に確保し、オフセット処理された絵柄プレーンの矩形領域をJPEG方式(ページヘッダ381の絵柄プレーン圧縮方式394に格納した方式)により圧縮し、作業領域に圧縮コードを格納する。絵柄プレーンヘッダ383の内容は、圧縮コードとともに格納される。
【0148】
次に文字プレーンの処理を行なう。S811において文字プレーンの有無を判定し、文字プレーンが作成されている場合には、S812〜S814の文字プレーンに対する処理を行なう。なお、文字プレーンが作成されていない場合にはS815へ移る。S812において、文字プレーン解像度変換部329は文字プレーンの解像度変換を行なう。この例では文字プレーンの解像度は選択プレーンの解像度と同じ400dpiなので実際には解像度変換されないが、解像度変換を行なう場合にはバイキュービック法などの補間を伴う高度な手法を用いる。
【0149】
文字プレーンの解像度変換処理の終了後、S813において、文字プレーンオフセット処理部330は文字プレーンのオフセット処理を行なう。図33は、本発明の第2の実施の形態における文字プレーンのオフセット処理の具体例の説明図である。文字プレーンに対するオフセット処理は、ストライプ分割された文字プレーンに対して文字が存在する領域を矩形画像として切り出し、その領域の位置情報を求める処理である。位置を求めるには、図33に示すように、文字プレーンのストライプ画像からL* 成分を取り出し、X方向およびY方向の画素のL* 成分の平均と画素位置の周辺分布を作成する。ここで、ある画素値TLwを閾値とし、原点からXの正方向に画素平均と閾値TLwを比較し、閾値TLw以下になったらXオフセットの開始位置とする。次にXの終端つまり原点からストライプ幅移動した地点からXの負方向に画素のL* 成分の平均と閾値TLwとを比較し、閾値TLw以下になったらXオフセットの終了位置とする。Yオフセットの開始位置および終了位置もXオフセットと同様の手順で求める。これにより文字プレーンに複数の絵柄領域が存在する場合でもそれらをまとめた1つの矩形領域として処理することが可能になる。
【0150】
文字プレーンオフセット処理部330は、上述のようにして文字プレーンのオフセット値を求めた後、主記憶装置344上のストライプヘッダ領域に以下のような値をセットする。
・ストライプヘッダ382
文字プレーンオフセット407=Xオフセットの開始位置、Yオフセットの開始位置
・文字プレーンヘッダ384
文字プレーン幅421=Xオフセットの終了位置−Xオフセットの開始位置
文字プレーン高さ422=Yオフセットの終了位置−Yオフセットの開始位置
文字プレーンに対するオフセット処理の終了後、S814において、文字プレーン圧縮部331が文字プレーンヘッダ384の文字プレーン幅421と文字プレーン高さ422の値で示される大きさの作業領域を主記憶装置344に確保し、オフセット処理された文字プレーンの矩形領域をJBIG方式(ページヘッダ381の文字プレーン圧縮方式395に設定した方式)により圧縮し、作業領域に圧縮コードを格納する。文字プレーンヘッダ384の内容は、圧縮コードとともに格納される。
【0151】
文字プレーンの処理後、S815において、選択プレーン圧縮部332はページヘッダ381のページ幅397とストライプヘッダ332のストライプ高さ408の値で示される1ストライプ分の大きさの作業領域を主記憶装置344に確保し、選択プレーンをMMR方式(ページヘッダ381の選択プレーン圧縮方式393に設定した方式)により圧縮し、作業領域に圧縮コードを格納する。そして主記憶装置344にストライプヘッダ382の選択プレーン圧縮サイズ409として圧縮後の選択プレーンのコードサイズをセットする。
・ストライプヘッダ382
選択プレーン圧縮サイズ409=選択プレーンのMMR圧縮後のコードサイズ
1ストライプの各プレーンの処理が終了した後、S816において、ストライプヘッダ作成部333は主記憶装置344中のストライプヘッダを外部記憶装置345でオープンしている多層画像ファイルに追加する。続いてS817において、主記憶装置344に格納された選択プレーンの圧縮データ、絵柄プレーンの圧縮データ、文字プレーンの圧縮データを多層画像ファイルに順次追加し、1ストライプ分の送信画像の作成処理を終了する。
【0152】
S803に戻り、未処理のストライプ画像の有無を判定し、未処理のストライプ画像について上述の手順によって1ストライプ分の送信画像の作成処理を順次行なう。ページに含まれる全てのストライプ画像について送信画像の作成処理が終了した後、S803からS818に移り、ページヘッダ作成部322はページの最後を示すEOPコード398を外部記憶装置345でオープンしている多層画像ファイルに追加し、多層画像ファイルをクローズする。これで1ページ分の送信画像の作成処理を終了する。このような処理を繰り返すことによって複数ページの送信画像を作成することもできる。
【0153】
図34は、本発明の第2の実施の形態において送信装置で作成した多層画像ファイルの一例の説明図である。上述の1ページ分の送信画像の作成処理を終了した時点で、多層画像ファイルは図34に示すように、ページヘッダに続いてN個のストライプデータ1〜Nが順次続き、最後にEOPデータが付加された構造になっている。各ストライプデータ1〜Nは、ストライプヘッダと選択プレーン圧縮データ、絵柄プレーン圧縮データ、文字プレーン圧縮データから構成されている。絵柄プレーンヘッダおよび文字プレーンヘッダは、それぞれ絵柄プレーン圧縮データ、文字プレーン圧縮データ中に含まれている。なお、図34ではすべてのストライプデータが、ストライプヘッダ、選択プレーン圧縮データ、絵柄プレーン圧縮データ、文字プレーン圧縮データから構成されている例を示しているが、図28でも説明したようにストライプデータによっては文字色プレーンが存在しなかったり、絵柄プレーンが存在しない場合や、選択プレーンと文字色プレーンが存在しない場合もある。そのような場合には、ストライプヘッダと、存在するプレーンの圧縮データによってストライプデータが構成される。
【0154】
最後にS819において、画像データ送信部334は外部記憶装置345の多層画像ファイルに例えばファイルのフォーマット形式を示すMIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)ヘッダを付加し、ユーザが指定したメールのサブジェクトを付加して、ユーザが指定したアドレスに向けて伝送装置346を用いて送出する。
【0155】
なお、この第2の実施の形態における送信装置の動作例においても上述の第1の実施の形態と同様に、各プレーンの処理順序は任意であり、また各プレーンに対する画像処理も任意である。また選択プレーンについても省略可能に処理してもよい。さらに、ストライプ分割処理についても任意である。
【0156】
ここでは送信装置301において多層画像データをインターネットメールとして送信する場合について説明したが、送信装置306から多層画像データをFAX送信する場合については、上述の第1の実施の形態における送信装置101の動作と同様であるのでここでは説明を省略する。
【0157】
図35ないし図38は、本発明の第2の実施の形態における中継装置の動作の一例を示すフローチャートである。中継装置302は、送信装置306などから伝送装置376を通じてネゴシエーション要求があった場合は、中継装置302が受信可能な画像のサイズ、解像度、カラー、圧縮方式を伝送装置376を通じて送信装置306などに送信する。ネゴシエーションに続いて、送信装置306などから送信された多層画像データが公衆回線などの伝送路310を経由して伝送装置376によって受信されると、S841において、ユーザインタフェースを通じてユーザに通知を行なうとともに、受信された多層画像データをいったん外部記憶装置374に多層画像ファイルとして格納する。一方、送信装置301から送信された多層画像データがインターネットなどの伝送路305を経由して伝送装置375によって受信された場合も、ユーザインタフェースを通じてユーザに通知を行なうとともに、受信された多層画像データをいったん外部記憶装置374に多層画像ファイルとして格納する。
【0158】
図39ないし図41は、本発明の第2の実施の形態において中継装置の指示装置が提供するユーザインタフェースの表示画面の一例の説明図である。画像データが受信されると、図39ないし図41に示した例では、受信した日時、送信者、カラーなどを表示して、画像データの到来をユーザに知らせる。また、中継装置302が受け取った多層画像データの送信方法として、FAXまたはインターネットメールによる送信あるいはディスクへの格納が選択可能に構成されている。送信方法としてFAXが選択された場合には、図39に示すように、送信先のFAXの電話番号が入力可能となる。また、送信方法としてインターネットメールによる送信が選択された場合には、図40に示すように、メールのアドレスとサブジェクトが入力可能となる。さらに、送信方法としてディスクへの格納が選択された場合には、図41に示すように、ファイル名が入力可能となる。なお、電話番号やメールアドレス、ファイル名などを含めた送信属性を、例えばネゴシエーションや受信した画像データなどから自動的に決定できる場合には、ユーザによる指示を省略して自動的に中継することが可能である。
【0159】
主記憶装置373には図27に示したページの画像属性を記述するためのページヘッダ領域、ストライプの画像属性を記述するためのストライプヘッダ領域、絵柄プレーンの画像属性を記述するための絵柄プレーンヘッダ領域、文字プレーンの画像属性を記述するための文字プレーンヘッダ領域、送信属性を記述するための送信属性領域を確保する。また、外部記憶装置374に合成画像の格納に使用する合成画像ファイルを作成し、オープンしておく。
【0160】
S842において、ユーザは例えば図39ないし図41に示すようなユーザインタフェースから送信したい画像データを選択し、選択した画像データを送信する方法を選択する。例えば公衆回線などの伝送路310に接続されているFAXに送信したい場合は、送信方法でFAXを選択し、FAXの電話番号を入力後、送信指示を行なう。インターネットなどの伝送路305に接続されているパーソナルコンピュータやワークステーションに接続したい場合は、送信方法でインターネットを選択し、インターネットメールのアドレスとサブジェクトを入力後、送信指示を行なう。さらに外部記憶装置374に保存したい場合は、送信方法でディスクを選択し、ファイル名を入力後、送信指示を行なう。
【0161】
送信方法でFAXが選択された場合は、送信属性決定部352が送信相手のFAXとネゴシエーションを行ない、送信属性として送信画像のサイズ、解像度、カラー、圧縮方式を決定する。決定した内容は主記憶装置373の送信属性領域にセットされる。解像度は、送信相手のFAXの最大解像度に設定したり、あるいは中継装置302のデフォルト値(例えば200dpi程度)に設定することができる。このような設定を切替可能とし、標準モードの場合にはデフォルト値に設定し、ユーザインタフェースを通じてユーザが高画質モードを選択した場合には、送信相手のFAXの最大解像度に設定するように構成してもよい。カラーは、送信相手のFAXかG3白黒FAX307またはG4白黒FAX308であれば白黒2値、送信相手のFAXがカラーFAX309であればカラー(例えばL* a* b* カラー)に設定することができる。圧縮方式は、送信相手のFAXがG3白黒FAX307であればMH/MR、G4白黒FAX308であればMMR、カラーFAX309であればJPEGに設定することができる。
【0162】
S843において、ページヘッダ解釈部353は外部記憶装置374に格納された多層画像ファイルからページヘッダを読み出し、ページヘッダの内容を主記憶装置373のページヘッダ領域に転送する。以下の説明ではページヘッダの項目は例えば図27(A)に示した構成であるものとし、以下の内容がセットされているものとする。
・ページヘッダ381
選択プレーン圧縮方式393=MMR
絵柄プレーン圧縮方式394=JPEG
文字プレーン圧縮方式395=JBIG
選択プレーン解像度396=400dpi
ページ幅397=3200画素
以下、ストライプごとに処理を行なって行く。S844において未処理のストライプが残っているか否かを判定し、未処理のストライプについて以下の処理を行なう。S845において、ストライプヘッダ解釈部354は外部記憶装置374に格納された多層画像ファイルから処理対象のストライプデータに対するストライプヘッダを読み出し、その内容を主記憶装置373のストライプヘッダ領域に転送する。
【0163】
S846において、主記憶装置373にストライプの幅と高さ分の大きさの選択プレーン領域を確保し、外部記憶装置374に格納された多層画像ファイルにおいてストライプヘッダの後に続けて格納されている選択プレーン圧縮データを主記憶装置373に転送する。そしてS847において、選択プレーン伸長部355は、ストライプの幅と高さ分の大きさの作業領域を主記憶装置373に確保し、選択プレーン圧縮データを伸長し、作業領域に伸長画像を格納する。この例では選択プレーンはMMR方式により圧縮されているので、MMR方式によって伸長する。なお、ストライプの幅はページヘッダ381のページ幅397、ストライプの高さはストライプヘッダ382のストライプ高さ408から知ることができる。
【0164】
次に絵柄プレーンの処理を行なう。S848において、ストライプヘッダ382のストライプタイプ403の内容から、絵柄プレーンが存在するか否かを判定し、絵柄プレーンが存在する場合にはS849以降の処理を行なう。S849において、主記憶装置373にストライプの幅と高さ分の大きさの絵柄プレーン領域を確保し、外部記憶装置374に格納された多層画像ファイル中の絵柄プレーン圧縮データを主記憶装置373に転送する。絵柄プレーン伸長部356は、圧縮データとともに格納された図27(C)に示す絵柄プレーンヘッダ383を主記憶装置373の絵柄プレーンヘッダ領域に読み出す。この例では絵柄プレーン解像度413に200dpiが記述されているものとする。
【0165】
S850において、絵柄プレーンヘッダ383に記述された絵柄プレーン幅411と絵柄プレーン高さ413だけの大きさの作業領域を主記憶装置373に確保し、絵柄プレーン圧縮データを伸長し、作業領域に伸長画像を格納する。この例では絵柄プレーンをJPEG方式により圧縮しているので、絵柄プレーン伸長部356はJPEG方式によって伸長処理を行なう。
【0166】
S851において、絵柄プレーンオフセット処理部357は、まず以下のようにして計算される幅と高さ分の絵柄ベースプレーンを、ストライプヘッダ382に記述された絵柄プレーンデフォルト色404で主記憶装置373に作成する。
【0167】
絵柄ベースプレーン幅=絵柄プレーンオフセット406のX成分+絵柄プレーン幅411
絵柄ベースプレーン高さ=絵柄プレーンオフセット406のY成分+絵柄プレーン高さ412
そして伸長した絵柄プレーンを作成した絵柄ベースプレーン中の絵柄プレーンオフセット位置に合成する。
【0168】
絵柄プレーンオフセット処理の終了後、S852において、絵柄プレーン解像度変換部358が絵柄プレーンの解像度変換を行なう。解像度変換手法としては、バイキュービック法や4点補間法、投影法など、補間を伴う高度な手法を用いることができる。また、変換先解像度は、合成のために選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンの解像度が一致するように設定する。ここでは例えばバイキュービック法を用い、絵柄プレーンを200dpiから選択プレーン解像度の400dpiに変換する。バイキュービック法は出力画素をその周囲16個の入力画像から補間生成するアルゴリズムであり、処理時間はかかるが高画質な変換を行なうことができる。また、変換先解像度を選択プレーンの解像度としたが、これに限らず、例えば送信属性で設定された解像度とするなど、任意の解像度とすることができる。
【0169】
一方、S848において絵柄プレーンの存在の有無を判定した結果、絵柄プレーンが存在しないと判定された場合は、S853において、ストライプの幅と高さ分の大きさの絵柄プレーンを、ストライプヘッダ382に記述された絵柄プレーンデフォルト色404で主記憶装置373上に作成する。
【0170】
次に文字プレーンの処理を行なう。S854において、ストライプヘッダ382のストライプタイプ403の内容から、文字プレーンが存在するか否かを判別し、文字プレーンが存在する場合はS854〜S858の処理を行なう。S854において、主記憶装置373にストライプの幅と高さ分の大きさの文字プレーン領域を確保し、外部記憶装置374に格納された多層画像ファイル中の文字プレーン圧縮データを主記憶装置373に転送する。
【0171】
文字プレーン伸長部359は、文字プレーン圧縮データとともに格納されている、例えば図27(D)に示すような文字プレーンヘッダ384を主記憶装置373の文字プレーンヘッダ領域に読み出す。以下の説明では、一例として文字プレーン解像度423に400dpiが記述されているものとする。さらに文字プレーンヘッダ384に記述されている文字プレーン幅421と文字プレーン高さ424分の大きさの作業領域を主記憶装置373に確保し、S856において文字プレーン圧縮データを伸長して、作業領域に伸長した文字プレーンの画像を格納する。この例では文字プレーンはJBIG方式によって圧縮されているので、文字プレーン伸長部359はJBIG方式によって伸長処理を行なう。
【0172】
S857において、文字プレーンオフセット処理部360は、以下のようにして計算される幅と高さ分の大きさの文字ベースプレーンを、ストライプヘッダ382に記述された文字プレーンデフォルト色405で主記憶装置373上に作成する。
【0173】
文字ベースプレーン幅=文字プレーンオフセット407のX成分+文字プレーン幅421
文字ベースプレーン高さ=文字プレーンオフセット407のY成分+文字プレーン高さ422
そして、伸長した文字プレーンを作成した文字ベースプレーン中の文字プレーンオフセット位置に合成する。
【0174】
S858において、文字プレーン解像度変換部361は、文字プレーンの解像度変換を行なう。この例では文字プレーン解像度は選択プレーンの解像度と同じ400dpiなので実際には解像度変換されない。例えば送信属性に合わせて解像度に変換を行なう場合など、解像度変換を行なう場合には、例えばバイキュービック法などの補間を伴う高度な手法を用いて行なう。なお変換先解像度は、選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンの解像度が一致するように設定される。
【0175】
一方、S854における文字プレーンの存在の有無の判別で、文字プレーンが存在しないと判定された場合は、S859において、ストライプの幅と高さ分の大きさの文字プレーンを、ストライプヘッダ382に記述された文字プレーンデフォルト色405で主記憶装置373上に作成する。
【0176】
この時点でストライプの選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンが主記憶装置373に格納された状態になり、各プレーンを合成する処理に移る。S860において、プレーン合成部362はまずストライプの幅と高さ分の大きさの合成画像領域を主記憶装置373上に確保し、そこにベースプレーンを、ストライプヘッダ382に記述された絵柄プレーンデフォルト色404で作成する。次にベースプレーンに絵柄プレーンを上書き(コピー)する。さらに、絵柄プレーンが上書きされたベースプレーンに、選択プレーンの画素値が1の画素位置に対応する文字プレーンの画素を上書き(コピー)することで合成画像を作成することができる。
【0177】
S861において、合成されたストライプ画像を外部記憶装置374の合成画像ファイルに格納する。以上で1ストライプの合成画像作成処理を終了する。S844に戻り、未処理のストライプ画像が存在するか否かを判定した後、未処理のストライプ画像について順次上述のような合成画像作成処理を行なう。全てのストライプ画像について合成画像を作成した後、合成画像ファイルをクローズして1ページ分の合成画像作成処理を終了する。処理はS844からS862へ移る。
【0178】
外部記憶装置374に合成画像ファイルが作成されると、送信処理を行なう。まずS862において、送信方法の判別が行なわれる。ここでは送信方法としてFAX送信、インターネットメールによる送信、ディスクへの格納のいずれかが選択されるものとする。
【0179】
S862における送信方法の判別により、例えば図40に示すように送信方法としてインターネットメールによる送信が選択されている場合は、以下の手順で合成画像を送信する。まずJPEG圧縮部367は、主記憶装置373に送信画像領域を確保する。確保するサイズは、画像をJPEG圧縮するのに都合が良い大きさでよく、例えば画像幅×8ライン程度である。また、外部記憶装置374には送信画像ファイルが作成され、オープンされる。
【0180】
S863において、未処理の送信画像が残っているか否かが判定される。未処理の送信画像が存在する場合は、S864において外部記憶装置374に格納された合成画像ファイルから、送信画像データを主記憶装置373の送信画像領域に転送する。転送サイズは画像を圧縮するのに都合がよい大きさでよく、例えばJPEG方式により圧縮する際には8ライン程度でよい。S865において、JPEG圧縮部367は主記憶装置373の送信画像領域の画像をJPEG方式により圧縮し、S860において外部記憶装置374の送信画像ファイルに圧縮した送信画像データを格納する。ここでは圧縮方式をJPEG方式としたが、これに限らず、転送先で伸長可能な種々の圧縮方式を用いることができる。
【0181】
S864〜S866の処理を繰り返し行ない、すべての送信画像を処理した後、外部記憶装置374の送信画像ファイルをクローズする。S863において未処理の送信画像が存在しないことが判定された後、S867へ移る。
【0182】
S867において、画像データ送信部369は送信画像ファイルにファイルのフォーマット形式を示すMIMEヘッダを付加し、またユーザが指定したメールのサブジェクトを付加し、S868において、ユーザが指定したアドレスに向けて伝送装置375を用いてインターネットメールとして送信する。
【0183】
なお、送信画像のサイズ、解像度、カラーなどの送信属性は圧縮データにヘッダとして含まれるほか、画像データ送信部369で画像を送信する前に、送信フォーマット作成部368で送信画像ファイルをTIFFのような画像データの標準的なフォーマットにし、そのヘッダに入れることでインターネットメールを受信したパーソナルコンピュータやワークステーションで容易に画像を表示したりプリントすることができる。
【0184】
S862における送信方法の判別により、例えば図41に示すように送信方法としてディスクへの格納が選択されている場合は、以下の手順で合成画像ファイルを作成する。送信フォーマット作成部368は、S869において、外部記憶装置374に格納された合成画像ファイルに画像のサイズ、解像度、カラーを記述したヘッダを付加し、またS870において、ユーザが指定したファイル名を付加する。このファイルは非圧縮の画像であり、圧縮により画質の劣化を避けたい場合や非圧縮の画像を送信したくない場合にCDやMO等の着脱可能な外部記憶装置に保存することができる。
【0185】
S862における送信方法の判別により、例えば図39に示すように送信方法としてFAXによる送信が選択されている場合は、以下の手順で合成画像を送信する。S871において、合成画像解像度変換部363は主記憶装置373の送信属性領域にセットされた解像度に合成画像を解像度変換する。解像度変換手法は、例えばバイキュービック法や4点補間法、投影法など、補間を伴う高度な手法を用いることができる。例えば合成画像の解像度が400dpi、送信属性として設定されたFAXの解像度が200dpiであるとき、バイキュービック法を用いて合成画像を400dpiから200dpiに変換する。
【0186】
次にS872において、送信属性領域にセットされたカラーを判別する。この例においては、カラーは白黒2値あるいはL* a* b* カラーのいずれかであるとする。
【0187】
カラーが白黒2値の場合は、以下の手順で合成画像を送信する。まず色変換部364が主記憶装置373に送信画像領域を確保する。確保するサイズは、画像を2値化するのに都合がよいライン数でよく、例えば、画像幅×3ライン程度でよい。S873において未処理の送信画像が残っているか否かを判定した後、未処理の送信画像について、S874で外部記憶装置374に格納された合成画像ファイルから送信する合成画像データを主記憶装置373の送信画像領域に転送する。転送するデータのサイズは、画像を2値化するのに都合がよいライン数で、例えば3ライン程度である。
【0188】
S875において、色変換部364は主記憶装置373の送信画像領域の画像を2値化する。2値化の方法は、組織的ディザ法や誤差拡散法はど、種々の2値化手法を用いることができる。
【0189】
次にS876において、送信属性領域にセットされた圧縮方式を判別し、圧縮方式がMH/MRの場合は、S877においてMH/MR圧縮部365がMH/MR方式によって圧縮を行なう。一方、圧縮方式がMMRの場合は、S878においてMMR圧縮部366がMMR方式による圧縮を行なう。S879において、画像データ送信部369はユーザが指定したアドレスに向けて、圧縮された合成画像を伝送装置376を用いて送信する。
【0190】
S873に戻り、未処理の送信画像が存在している間は、色変換部364は、外部記憶装置374に格納された合成画像ファイルから、送信すべき合成画像データを主記憶装置373の送信画像領域に転送し、上記手順を繰り返す。すべての合成画像を送信し終えたら、S873でこれを検出し、送信処理を終了する。
【0191】
一方、送信属性領域にセットされたカラーがL* a* b* カラーの場合は、JPEG圧縮部367が主記憶装置373に送信画像領域を確保する。確保するサイズは、画像をJPEG圧縮するのに都合がよいライン数でよく、例えば8ライン程度でよい。S880において未処理の送信画像が残っているか否かを判定した後、未処理の送信画像について、S881で外部記憶装置374に格納された合成画像ファイルから送信する合成画像データを主記憶装置373の送信画像領域に転送する。転送するデータのサイズは、画像をJPEG圧縮するのに都合がよいライン数で、例えば8ライン程度である。
【0192】
S882において、JPEG圧縮部367は主記憶装置373の送信画像領域の画像をJPEG方式によって圧縮する。もちろん、他の方式で圧縮して送信する場合には、その圧縮方式によって圧縮する。S883において、画像データ送信部369はユーザが指定したアドレスに向けて圧縮された合成画像を伝送装置376を用いて送信する。
【0193】
S880に戻り、未処理の送信画像が存在している間は、JPEG圧縮部367は、外部記憶装置374に格納された合成画像ファイルから、送信すべき合成画像データを主記憶装置373の送信画像領域に転送し、上記手順を繰り返す。すべての合成画像を送信し終えたら、S880でこれを検出し、送信処理を終了する。
【0194】
なお、送信画像のサイズや解像度は、送信相手のFAXとのネゴシエーション情報として送信相手のFAXに通知されるほか、圧縮画像中にヘッダとして記述されることもある。
【0195】
以上述べたように、この第2の実施の形態によれば、複数プレーンで構成される多層画像データをインターネットメールまたはFAXで受信し、単一プレーン画像としてインターネットメールでパーソナルコンピュータやワークステーションに、または既存の白黒FAXやカラーFAXに中継することで文字、写真とも高画質な画像を中継することができる。
【0196】
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。上述の第1の実施の形態と第2の実施の形態では、中継装置が多層画像データをインターネットメールまたはFAXで受信し、単一プレーン画像に変換してインターネットメールでパーソナルコンピュータやワークステーションへ、または既存の白黒FAXやカラーFAXに送信する例を示した。この第3の実施の形態では、中継装置がパーソナルコンピュータやワークステーション、または既存の白黒FAXやカラーFAXから単一プレーン画像を受信し、多層画像データに変換して送信する例を示す。
【0197】
なお以下の説明において多層画像データを、上述の第2の実施の形態と同様に選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンで構成されたものとして説明するが、この第3の実施の形態における文字プレーンは、上述の第2の実施の形態で説明したように文字部分をそのまま分離する場合と、上述の第1の実施の形態と同様に文字色を分離した場合とを圧縮方法によって使い分けている。
【0198】
図42は、本発明の画像中継システムの第3の実施の形態を示すシステム構成図である。図中、501は送信装置、502は中継装置、503はパーソナルコンピュータ、504はワークステーション、505は伝送路、506はG3白黒FAX、507はG4白黒FAX、508はカラーFAX、509は伝送路である。また、太線は多層画像データの流れを、破線は単一プレーンの画像の流れをそれぞれ示している。
【0199】
受信装置501は、中継装置502から送信された、選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンに分離した複数プレーンで構成された多層画像データをインターネットメールまたはFAXで受信する。中継装置502は、パーソナルコンピュータ503やワークステーション504からインターネットメールで送信されたり、またはG3白黒FAX506、G4白黒FAX507やカラーFAX508からFAX送信された単一プレーン画像データを受信し、選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンに分離した多層画像データをインターネットメールまたはFAXで受信装置501に送信する。
【0200】
パーソナルコンピュータ503およびワークステーション504は、少なくともインターネットメールで単一プレーン画像データを送信する機能を有したコンピュータである。伝送路505は、受信装置501と中継装置502とパーソナルコンピュータ503、ワークステーション504を接続するLANやインターネットである。
【0201】
G3白黒FAX506は、G3モードで白黒FAX送信可能な送信装置である。G4白黒FAX507は、G4モードで白黒FAX送信可能な送信装置である。カラーFAX508は、例えばJPEG方式でカラーFAX送信可能な送信装置である。伝送路509は、受信装置501、中継装置502、各種FAX506〜508を接続する伝送路であり、例えば公衆回線またはISDN網などである。
【0202】
なお、受信装置501は送信機能を有していてもよいし、またパーソナルコンピュータ503、ワークステーション504、各FAX506〜508は受信機能を有していてもよい。また、これらの装置の他にも、種々の装置が伝送路505や伝送路509に接続されていてもよい。
【0203】
図43は、本発明の第3の実施の形態における中継装置の一例を示す概略構成図である。511は画像データ受信部、512は送信属性決定部、513はページヘッダ作成部、514はストライプ分割部、515は色変換部、516はプレーン分離部、517は絵柄プレーン解像度変換部、518は絵柄プレーンオフセット処理部、519は絵柄プレーン圧縮部、520は文字プレーン解像度変換部、521は文字プレーンオフセット処理部、522は文字プレーン圧縮部、523は選択プレーン圧縮部、524はストライプヘッダ作成部、525は画像データ送信部、526は反転処理部、527は記憶部である。
【0204】
画像データ受信部511は、伝送装置535,536から単一プレーン画像データを受信し、入力画像ファイルとして記憶部527に格納する。送信属性決定部512は、送信相手のFAXとネゴシエーションを行ない、ネゴシエーションの結果から送信画像の属性を決定する。ページヘッダ作成部513は、複数プレーンからなる多層画像データを格納する多層画像ファイルを作成し、ページヘッダを書き込む。ストライプ分割部514は、入力画像ファイル中の画像を1以上のストライプ画像に分割する。色変換部515は、ストライプに分割された画像の色空間を所定の色空間に色変換する。プレーン分離部516は、ストライプ画像を選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンに分離するものとする。
【0205】
絵柄プレーン解像度変換部517は、絵柄プレーンの解像度を変換する。絵柄プレーンオフセット処理部518は、絵柄プレーンで絵柄が存在する領域の位置情報を求める。絵柄プレーン圧縮部519は、絵柄プレーンの圧縮を行なう。文字プレーン解像度変換部520は、文字プレーンの解像度を変換する。文字プレーンオフセット処理部521は、文字プレーンで文字が存在する領域の位置情報を求める。文字プレーン圧縮部522は、文字プレーンの圧縮を行なう。選択プレーン圧縮部523は、選択プレーンの圧縮を行なう。
【0206】
ストライプヘッダ作成部524は、ストライプヘッダを多層画像ファイルに書き込む。画像データ送信部525は、多層画像ファイルを伝送路に送出する。反転処理部526は、プレーン分離部516において選択プレーンとして分離された画像に対して、必要に応じて白黒2値画像の白黒反転を行なう。
【0207】
図44は、本発明の第3の実施の形態における中継装置の一例の実現例を示す概略構成図である。図中、531は制御装置、532は指示装置、533は主記憶装置、534は外部記憶装置、535,536は伝送装置、537はバスである。制御装置531は、中継装置502の機能を実現するものであり、画像データ受信部511、送信属性決定部512、ページヘッダ作成部513、ストライプ分割部514、色変換部515、プレーン分離部516、絵柄プレーン解像度変換部517、絵柄プレーンオフセット処理部518、絵柄プレーン圧縮部519、文字プレーン解像度変換部520、文字プレーンオフセット処理部521、文字プレーン圧縮部522、選択プレーン圧縮部523、ストライプヘッダ作成部524、画像データ送信部525、反転処理部526等を実行する。この例では、画像データ受信部511は、単一プレーン画像データの受信処理とともに、指示装置532にユーザが各種の指示を行なうための画面を表示させる処理も行なう。また、色変換部515は、例えばL* a* b* 色空間への色変換を行なうものとする。指示装置532は、ユーザが送信属性入力や送信指示を行なうためのユーザインタフェースを提供する。
【0208】
主記憶装置533は、受信した画像データや複数プレーンに分離した各プレーンの画像データ、画像属性を記述したヘッダ、送信属性などを一時的に記憶する。外部記憶装置534は、伝送装置から受信した画像や送信するための画像をファイルとして格納する。ここでは、図43に示した入力画像ファイルおよび多層画像ファイルを外部記憶装置534に、他のデータは主記憶装置533に記憶するように構成している。
【0209】
伝送装置535は、単一プレーン画像データをインターネット等の伝送路505から入力し、また多層画像データをインターネット等の伝送路505へ出力する。伝送装置536は、単一プレーン画像データを公衆回線等の伝送路509から入力し、また多層画像データを公衆回線等の伝送路509へ出力する。バス537は、各装置を接続する。
【0210】
図45は、本発明の第3の実施の形態における受信装置の一例を示す概略構成図である。図中、541は画像データ受信部、542はページヘッダ解釈部、543はストライプヘッダ解釈部、544は選択プレーン伸長部、545は絵柄プレーン伸長部、546は絵柄プレーンオフセット処理部、547は絵柄プレーン解像度変換部、548は文字プレーン伸長部、549は文字プレーンオフセット処理部、550は文字プレーン解像度変換部、551はプレーン合成部、552は合成画像解像度変換部、553は色変換部、554は画像データプリント部、555は記憶部である。
【0211】
画像データ受信部541は中継装置502から多層画像データを受信し、多層画像データを多層画像ファイルとして記憶部555に格納する。ページヘッダ解釈部542は、記憶部555に格納されている多層画像ファイルからページヘッダを読み出す。ストライプヘッダ解釈部543は、記憶部555に格納されている多層画像ファイルからストライプヘッダを読み出す。
【0212】
選択プレーン伸長部544は、選択プレーンの伸長を行なう。絵柄プレーン伸長部545は、絵柄プレーンの伸長を行なう。絵柄プレーンオフセット処理部546は、伸長された絵柄プレーンのオフセット処理を行なう。絵柄プレーン解像度変換部547は、オフセット処理された絵柄プレーンの解像度を変換する。文字プレーン伸長部548は、文字プレーンの伸長を行なう。文字プレーンオフセット処理部549は、伸長された文字プレーンのオフセット処理を行なう。文字プレーン解像度変換部550は、オフセット処理された文字プレーンの解像度を変換する。
【0213】
プレーン合成部551は、選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンを合成する。合成画像解像度変換部552は、合成した画像の解像度を変換する。色変換部553は、合成した画像を例えばプリンタの色空間に色変換する。画像データプリント部554は、合成画像を例えばプリンタに送信する。
【0214】
図46は、本発明の第3の実施の形態における受信装置の一例の実現例を示す概略構成図である。図中、561は制御装置、562はプリンタ、563は主記憶装置、564は外部記憶装置、565,566は伝送装置、567はバスである。制御装置561は、受信装置501の機能を実現するものであり、画像データ受信部541、ページヘッダ解釈部542、ストライプヘッダ解釈部543、選択プレーン伸長部544、絵柄プレーン伸長部545、絵柄プレーンオフセット処理部546、絵柄プレーン解像度変換部547、文字プレーン伸長部548、文字プレーンオフセット処理部549、文字プレーン解像度変換部550、プレーン合成部551、合成画像解像度変換部552、色変換部553、画像データプリント部554などを実行する。
【0215】
プリンタ562は、合成画像をプリントするカラープリンタである。なおこの例においてプリンタ542の色空間がYMCK色空間であるものとし、色変換部553は、合成した画像をCMYK色空間に色変換するものとする。
【0216】
主記憶装置563は、画像データや画像属性を記述したヘッダを一時的に格納する。外部記憶装置564は、受信した画像をファイルとして格納する。ここでは、図20に示した多層画像ファイルを外部記憶装置564に、他のデータは主記憶装置563に記憶するように構成している。
【0217】
伝送装置565は、多層画像データをインターネット等の伝送路505から入力する。伝送装置566は、多層画像データを公衆回線等の伝送路509から入力する。バス567は、各装置を接続する。
【0218】
次に本発明の画像中継システムの第3の実施の形態における動作の一例について説明する。以下の説明では、中継装置502は図44に示した構成、また受信装置501は図46に示した構成であるものとして説明する。
【0219】
図47、図48は、本発明の第3の実施の形態における中継装置の動作の一例を示すフローチャートである。G3白黒FAX506やG4白黒FAX507、カラーFAX508などから伝送装置536を通じてネゴシエーション要求があった場合は、中継装置502が受信可能な画像のサイズ、解像度、カラー、圧縮方式などを伝送装置536を通じてG3白黒FAX506やG4白黒FAX507、カラーFAX508などに送信する。ネゴシエーションに続いて、G3白黒FAX506やG4白黒FAX507、カラーFAX508などから送信された単一プレーン画像データが公衆回線経由で伝送装置536によって受信されると、S901において、ユーザインタフェースを通じてユーザに通知を行なうとともに、受信された単一プレーン画像データをいったん外部記憶装置534に入力画像ファイルとして格納する。
【0220】
一方、パーソナルコンピュータ503やワークステーション504から送信された単一プレーン画像データがインターネット等の伝送路505を経由して伝送装置535によって受信された場合も、ユーザインタフェースを通じてユーザに通知するとともに、受信された単一プレーン画像データをいったん外部記憶装置534に入力画像ファイルとして格納する。
【0221】
図49ないし図51は、本発明の第3の実施の形態において中継装置の指示装置が提供するユーザインタフェースの表示画面の一例の説明図である。画像データが受信されると、図49ないし図51に示した例では、受信した日時、送信者、カラーなどを表示して、画像データの到来をユーザに知らせる。また、中継装置502が多層画像データを送信する方法および圧縮方法が選択可能に構成されている。送信方法としては、FAXまたはインターネットメールによる送信あるいはディスクへの格納が選択可能に構成されている。送信方法としてFAXが選択された場合には、図49に示すように、送信先のFAXの電話番号が入力可能となる。また、送信方法としてインターネットメールによる送信が選択された場合には、図50に示すように、メールのアドレスとサブジェクトが入力可能となる。さらに、送信方法としてディスクへの格納が選択された場合には、図51に示すように、ファイル名が入力可能となる。また圧縮方法としては、送信方法としてFAXまたはインターネットメールによる送信が選択されている場合には標準圧縮または高圧縮が選択可能であり、ディスクへの格納が選択されている場合には、標準圧縮、高圧縮とともに、圧縮なしが選択可能である。もちろん、FAX送信やメール送信の際に圧縮しない送信を可能としてもよい。
【0222】
なお、電話番号やメールアドレス、ファイル名などを含めて送信属性を例えばネゴシエーションや受信した画像データなどから自動的に決定できる場合には、ユーザによる指示を省略して自動的に中継することも可能である。
【0223】
主記憶装置533には図27に示したページの画像属性を記述するためのページヘッダ領域、ストライプの画像属性を記述するためのストライプヘッダ領域、絵柄プレーンの画像属性を記述するための絵柄プレーンヘッダ領域、文字プレーンまたは文字色プレーンの画像属性を記述するための文字プレーンヘッダ領域、送信属性を記述するための送信属性領域を確保する。また、外部記憶装置534に合成画像の格納に使用する多層画像ファイルを作成し、オープンしておく。
【0224】
S902において、ユーザは例えば図49ないし図51に示すようなユーザインタフェースから送信したい画像データを選択し、画像データを送信する方法および圧縮方法を選択する。公衆回線等の伝送路509に接続されている受信装置501に送信したい場合は、送信方法でFAXを選択し、圧縮方法として標準または高圧縮のいずれかを選択する。受信装置501のFAX電話番号を入力後、送信指示を行なう。インターネット等の伝送路505に接続されている受信装置501にメールとして送りたい場合は、送信方法でインターネットを選択し、圧縮方法として標準圧縮または高圧縮のいずれかを選択する。そして受信装置501のインターネットメールのアドレスとサブジェクトを入力後、送信指示を行なう。外部記憶装置534にファイルとして保存したい場合は、送信方法でディスクを選択し、圧縮方法として圧縮なし、標準圧縮、高圧縮のいずれかを選択する。ファイル名を入力後、送信指示を行なう。
【0225】
送信方法でFAXが選択された場合は、送信属性決定部512が送信相手の受信装置501とネゴシエーションを行ない、送信属性として送信画像のサイズ、解像度を決定する。決定した内容は主記憶装置533の送信属性領域にセットされる。解像度とサイズは、外部記憶装置534に格納された入力画像ファイルの属性値がデフォルト値にリセットされ、ネゴシエーションでこのデフォルトの解像度、サイズが受信装置501で受信不可能な時は、受信装置501で受信可能な解像度とサイズにセットされる。
【0226】
一方、送信方法でインターネットメールによる送信またはディスクへの格納が選択された場合は、解像度とサイズには外部記憶装置534に格納された入力画像ファイルの属性値がセットされる。
【0227】
さらに送信属性として送信画像圧縮をセットする。送信画像圧縮には、ユーザが指定した圧縮なしまたは標準圧縮または高圧縮のいずれかがセットされる。
【0228】
以下の説明では、送信属性として次のような値がセットされているものとする。
・送信属性
送信画像サイズ=A4
送信解像度=400dpi
送信画像圧縮=圧縮なしまたは標準圧縮または高圧縮
画像データ受信部511は、主記憶装置533に確保したページヘッダ領域、ストライプヘッダ領域、絵柄プレーンヘッダ領域、文字プレーンヘッダ領域に、中継装置502のデフォルト値とユーザがユーザインタフェースを通じて指定した値と主記憶装置533の送信属性領域にセットされた値をセットする。なお、デフォルト値もユーザインタフェースを通じてユーザが設定可能である。以下の説明では次のような値がセットされたものとする。
・ページヘッダ381
選択プレーン圧縮方式393=圧縮なしまたはMMR(送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が圧縮なしの時は圧縮なし、標準圧縮または高圧縮の時はMMR)
絵柄プレーン圧縮方式394=圧縮なしまたはJPEG(送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が圧縮なしの時は圧縮なし、標準圧縮または高圧縮の時はJPEG)
文字プレーン圧縮方式395=圧縮なしまたはJBIGまたしJPEG(送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が圧縮なしの時は圧縮なし、標準圧縮の時はJBIG、高圧縮の時はJPEG)
選択プレーン解像度396=400dpi(送信属性領域にセットされた解像度)
ページ幅397=3200画素(送信属性領域にセットされたA4縦の画像の幅)
・ストライプヘッダ382
絵柄プレーンデフォルト色404=白(送信装置のデフォルト)
文字色プレーンデフォルト色405=黒(送信装置のデフォルト)
ストライプ高さ408=64(送信装置のデフォルト)
・絵柄プレーンヘッダ383
絵柄プレーン解像度413=400dpiまたは200dpi(送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が圧縮なしの時は選択プレーン解像度、標準圧縮または高圧縮の時は選択プレーン解像度÷2)
・文字プレーンヘッダ384
文字プレーン解像度423=400dpiまたは200dpi(送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が圧縮なしまたは標準圧縮の時は選択プレーン解像度、高圧縮の時は選択プレーン解像度÷2)
画像データ受信部511が受信画像を入力画像ファイルとして外部記憶装置534に格納終了後、ページヘッダ作成部513が外部記憶装置534に多層画像ファイルを作成し、オープンして、ファイルの先頭に主記憶装置533のページヘッダを書き込む。
【0229】
ストライプ分割部514は、主記憶装置533に1ストライプ分の入力画像領域を確保し、S903において未処理のストライプ画像が存在していることを確認後、S904において外部記憶装置534の入力画像ファイルから1ストライプ分の画像を主記憶装置533の入力画像領域に転送する。
【0230】
S905において、主記憶装置533に転送されたストライプ画像が白黒2値の画像か、あるいはカラーまたは白黒多値の画像かを判定する。主記憶装置533に転送されたストライプ画像がカラーまたは白黒多値の画像である場合は、S906において、色変換部515で例えばデバイスに依存しない色空間であるL* a* b* 色空間に色変換される。
【0231】
色変換されたストライプ画像は、S907において、主記憶装置533上でプレーン分離部516により選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンの3プレーンに分離され、選択プレーン領域、絵柄プレーン領域、文字プレーン領域にそれぞれ格納される。
【0232】
分離方法は、主記憶装置533の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が圧縮なしまたは標準圧縮の時は例えば上述の第2の実施の形態において説明したように文字部分をそのまま分離する方法を用い、高圧縮の時は例えば文字プレーンに文字色を保存する第1の実施の形態において説明した方法を用いることができる。
【0233】
分離処理の結果、ストライプヘッダ382のストライプタイプ403にストライプがどのプレーンで構成されてるいるかをセットする。
・ストライプヘッダ382
ストライプヘッダ403=選択/絵柄/文字
プレーン分離処理終了後、S908において絵柄プレーンの有無を判別する。絵柄プレーンが存在しない場合には、S913へ進む。絵柄プレーンが存在する場合は、S909において、絵柄プレーン解像度変換部517が絵柄プレーンの解像度変換を行なう。解像度変換手法としては、例えばバイキュービック法や4点補間法、投影法など、補間を伴う高度な手法を用いることができる。例えば絵柄プレーンヘッダ383の絵柄プレーン解像度として200dpiが設定されている場合には、バイキュービック法を用い絵柄プレーンを400dpiから1/2の200dpiに変換する。バイキュービック法は出力画素をその周囲16個の入力画像から補間生成するアルゴリズムであり、処理時間はかかるが高画質な変換を行なうことができる。
【0234】
絵柄プレーンの解像度変換終了後、S910において絵柄プレーンオフセット処理部518が絵柄プレーンのオフセット処理を行なう。オフセット処理方法としては、例えば上述の第1の実施の形態で説明した方法を用いることができる。絵柄プレーンオフセット処理部518は、主記憶装置533上のストライプヘッダ領域に以下の値をセットする。
・ストライプヘッダ382
絵柄プレーンオフセット406=Xオフセットの開始位置、Yオフセットの開始位置
・絵柄プレーンヘッダ383
絵柄プレーン幅411=Xオフセットの終了位置−Yオフセットの開始位置
絵柄プレーン高さ412=Yオフセットの終了位置−Yオフセットの開始位置
絵柄プレーンのオフセット処理終了後、S911において、主記憶装置533の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮を参照し、圧縮方法を判別する。送信画像圧縮が標準圧縮または高圧縮の時は、S912において、絵柄プレーン圧縮部519が絵柄プレーンヘッダ383の絵柄プレーン幅411と絵柄プレーン高さ412で示される大きさの作業領域を主記憶装置533に確保し、オフセット処理された絵柄プレーンの矩形領域を例えばJPEG方式(ページヘッダ381の絵柄プレーン圧縮方式394に格納した方式)により圧縮し、作業領域に圧縮コードを格納する。絵柄プレーンヘッダ383の内容は、圧縮コードとともに格納される。
【0235】
一方、主記憶装置538の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が圧縮なしの時は、絵柄プレーン圧縮部519が絵柄プレーンヘッダ383の絵柄プレーン幅411と絵柄プレーン高さ412で示される大きさの作業領域を主記憶装置533に確保し、オフセット処理された絵柄プレーンの矩形領域を圧縮せずに作業領域に格納する。
【0236】
次に文字プレーンの処理を行なう。S913において文字プレーンの有無を判別する。文字プレーンが存在しない場合には、S920へ進む。文字プレーンが存在する場合は、S914において、文字プレーン解像度変換部520が文字プレーンの解像度変換を行なう。解像度変換手法は、主記憶装置533の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が標準圧縮の時はバイキュービック法など補間を伴う高度な手法を用い、高圧縮の時はニアレストネイバー法など補間を伴わない単純な手法を用いることができる。
【0237】
文字プレーンの解像度変換終了後、S915において、文字プレーンオフセット処理部521が文字プレーンのオフセット処理を行なう。オフセット処理方法は、主記憶装置533の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が圧縮なしまたは標準圧縮の時は第2の実施の形態で説明した方法を用い、高圧縮の時には第1の実施の形態で説明した方法を用いることができる。文字プレーンオフセット処理部521は、主記憶装置533上のストライプヘッダ領域に以下の値をセットする。
・ストライプヘッダ382
文字プレーンオフセット407=Xオフセットの開始位置、Yオフセットの開始位置
・文字プレーンヘッダ384
文字プレーン幅421=Xオフセットの終了位置−Xオフセットの開始位置
文字プレーン高さ422=Yオフセットの終了位置−Yオフセットの開始位置
文字プレーンに対するオフセット処理の終了後、S916において、主記憶装置533の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮を参照し、圧縮方法を判別する。送信画像圧縮が標準圧縮または高圧縮の時は、S917において、文字プレーン圧縮部522が文字プレーンヘッダ384の文字プレーン幅421と文字プレーン高さ422の値で示される大きさの作業領域を主記憶装置533に確保し、オフセット処理された文字プレーンの矩形領域をJBIG方式またはJPEG方式(ページヘッダ381の文字プレーン圧縮方式395に設定した方式)により圧縮し、作業領域に圧縮コードを格納する。文字プレーンヘッダ384の内容は、圧縮コードとともに格納される。
【0238】
一方、主記憶装置533の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が圧縮なしの時は、文字プレーン圧縮部522が文字プレーンヘッダ384の文字プレーン幅421と文字プレーン高さ422の値で示される大きさの作業領域を主記憶装置533に確保し、オフセット処理された文字プレーンの矩形領域を圧縮せずに作業領域に格納する。
【0239】
一方、S905において外部記憶装置534の入力画像ファイルから主記憶装置533に転送されたストライプ画像の色空間が白黒2値の場合は、絵柄プレーン、文字プレーンは存在せず、選択プレーンとして主記憶装置533の選択プレーン領域にそのストライプ画像が格納される。S918において、ストライプ画像が画素値0で白、画素値1で黒を表わしている白黒2値画像であるか否かを判定し、画素値0で白、画素値1で黒を表わしている白黒2値画像の場合はS919で反転処理部526が白黒の反転を行なう。これによって選択プレーンの画素を、画素値0が絵柄プレーン、画素値1が文字プレーンを選択するフラグとして機能させることができる。
【0240】
次に選択プレーンについての処理に移る。S920において、主記憶装置533の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮を参照し、圧縮方法を判別する。送信画像圧縮が標準圧縮または高圧縮の時は、S921において、選択プレーン圧縮部523が1ストライプの幅と高さ分の大きさの作業領域を主記憶装置533に確保し、選択プレーンをMMR方式(ページヘッダ381の選択プレーン圧縮方式393に設定した方式)により圧縮し、作業領域に圧縮コードを格納する。そして主記憶装置533にストライプヘッダ382の選択プレーン圧縮サイズ409として、圧縮後のコードサイズをセットする。
【0241】
一方、主記憶装置533の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が圧縮なしの時は、選択プレーン圧縮部523が1ストライプの幅と高さ分の大きさの作業領域を主記憶装置533に確保し、選択プレーンを圧縮せずに作業領域に格納する。そして主記憶装置533にストライプヘッダ382の選択プレーン圧縮サイズ409として、圧縮しない画像データサイズをセットする。
・ストライプヘッダ382
選択プレーンオフセット409=選択プレーンの無圧縮データサイズまたはMMR圧縮後のコードサイズ
1ストライプの各プレーンの処理が終了した後、S922において、ストライプヘッダ作成部524が主記憶装置533のストライプヘッダを外部記憶装置534でオープンしている多層画像ファイルに追加する。
【0242】
続いてS923において、主記憶装置533に格納された処理済みの選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンを外部記憶装置534でオープンしている多層画像ファイルに順次追加する。主記憶装置533の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が標準圧縮または高圧縮の時は、主記憶装置533に格納された選択プレーンのMMR圧縮データ、絵柄プレーンのJPEG圧縮データ、文字プレーンのJBIGまたはJPEG圧縮データが外部記憶装置534でオープンしている多層画像ファイルに順次追加される。また、主記憶装置533の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が圧縮なしの時は、主記憶装置533に格納された選択プレーンの無圧縮データ、絵柄プレーンヘッダ、絵柄プレーンの無圧縮データ、文字プレーンヘッダ、文字プレーンの無圧縮データを外部記憶装置534でオープンしている多層画像ファイルに順次追加する。これにより、1ストライプの送信画像の作成処理を終了する。
【0243】
S903に戻り、未処理のストライプ画像の有無を判定し、未処理のストライプ画像について上述の手順によって1ストライプ分の送信画像の作成処理を順次行なう。すべてのストライプ画像について送信画像の作成処理が終了した後、S903からS924に移り、ページヘッダ作成部513がページの最後を示すEOPコード398を外部記憶装置534でオープンしている多層画像ファイルに追加し、多層画像ファイルをクローズする。これで1ページ分の送信画像作成処理を終了する。このような処理を繰り返すことによって複数ページの送信画像を作成することもできる。
【0244】
1ページ分の送信画像の作成処理が終了した時点で、多層画像ファイルは、主記憶装置533の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が標準圧縮または高圧縮の時には図34に示す構成になっている。一方、主記憶装置533の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が圧縮なしの時は図52に示す構成になっている。図52は、本発明の第3の実施の形態において送信装置で作成した圧縮なしの時の多層画像ファイルの一例の説明図である。主記憶装置533の送信属性領域にセットされた送信画像圧縮が圧縮なしの時には、ページヘッダに続いてN個のストライプデータ1〜Nが順次続き、最後にEOPデータが付加された構造であることは同じであるが、各ストライプデータは、ストライプヘッダ、圧縮していない選択プレーン画像データ、絵柄プレーンヘッダ、圧縮していない絵柄プレーン画像データ、文字プレーンヘッダ、圧縮していない文字プレーン画像データから構成されている。
【0245】
外部記憶装置534に多層画像ファイルが作成されると、S925において送信方法の判別が行なわれる。送信方法がインターネットメールによる送信の場合は、S926において、画像データ送信部525は外部記憶装置534の多層画像ファイルにファイルのフォーマット形式を示すMIME(Multipurpose Internet Extentions)ヘッダを追加し、ユーザが指定したサブジェクトを付加して、ユーザが指定したアドレスに向けて伝送装置535を用いて送出する。
【0246】
送信方法がディスクへの格納である場合は、S927において、画像データ送信部525は外部記憶装置534に格納された多層画像ファイルにユーザが指定したファイル名を付加する。このファイルは非圧縮の画像であり、圧縮により画質の劣化を避けたい場合や、非圧縮の画像を送信したくない場合に、CDやMO等の着脱可能な外部記憶装置に保存することができる。
【0247】
送信方法がFAX送信の場合は、S926において、画像データ送信部525は外部記憶装置534の多層画像ファイルをユーザが指定したアドレスに向けて伝送装置535を用いて送出する。
【0248】
なお、この第3の実施の形態における中継装置の動作例においても上述の第1、第2のの実施の形態における送信装置と同様に、各プレーンの処理順序は任意であり、また各プレーンに対する画像処理も任意である。また選択プレーンについても省略可能に処理してもよい。さらに、ストライプ分割処理についても任意である。また、この例では1ページ分の送信データを作成してから送信処理を行なう例を示しているが、これに限らず、ストライプ処理ごとに送信処理を行なってもよいし、複数ページの画像を送信する場合に複数ページ分の送信データが揃ってから送信処理を行なうようにしてもよい。
【0249】
図53、図54は、本発明の第3の実施の形態における受信装置の動作の一例を示すフローチャートである。画像受信部541は、インターネット等の伝送路505経由または公衆回線などの伝送路509経由で中継装置502から送られてくる多層画像データの受信要求の有無を監視している。中継装置502から伝送装置566を通じてネゴシエーション要求があった場合は、受信装置501が受信可能な画像のサイズ、解像度、カラー、圧縮方式などを伝送装置566を通じて中継装置502に送信する。ネゴシエーションに続いて、中継装置502から送信された多層画像データが公衆回線等の伝送路509を経由して伝送装置566によって受信された場合は、S931において、いったん外部記憶装置564に多層画像ファイルとして格納される。一方、中継装置502から送信された多層画像データがインターネット等の伝送路505を経由して伝送装置565によって受信された場合は、S931において、いったん外部記憶装置564に多層画像ファイルとして格納される。
【0250】
主記憶装置563には図27に示したページの画像属性を記述するためのページヘッダ領域、ストライプの画像属性を記述するためのストライプヘッダ領域、絵柄プレーンの画像属性領域を記述するための絵柄プレーンヘッダ領域、文字プレーンまたは文字色プレーンの画像属性を記述するための文字プレーンヘッダ領域を確保する。S932において、ページヘッダ解釈部542は外部記憶装置564に格納された多層画像ファイルからページヘッダを読み出し、ページヘッダの内容を主記憶装置563のページヘッダ領域に転送する。ページヘッダの項目は、例えば図27(A)に示すような項目とすることができる。
【0251】
ストライプヘッダ解釈部543は、S933において未処理のストライプ画像の存在を確認後、S934において、外部記憶装置564に格納された多層画像ファイルから処理対象のストライプ画像に対するストライプヘッダを読み出し、ストライプヘッダ内容を主記憶装置563のストライプヘッダ領域に転送する。さらにS935において、主記憶装置563にストライプの幅と高さ分の大きさの選択プレーン領域を確保し、外部記憶装置564に格納された多層画像ファイルにおいてストライプヘッダの後に続けて格納されている選択プレーン圧縮データを主記憶装置563に転送する。
【0252】
S936において、選択プレーン伸長部544は、ストライプの幅と高さ分の大きさの作業領域を主記憶装置563に確保し、選択プレーン圧縮データをページヘッダ381の選択プレーン圧縮方式393に記述された方式で伸長し、作業領域に伸長画像を格納する。ストライプの幅はページヘッダ381のページ幅397、ストライプの高さはストライプヘッダ382のストライプ高さ408から知ることができる。
【0253】
次に絵柄プレーンの処理を行なう。S937において、ストライプヘッダ382のストライプタイプ403の内容から、絵柄プレーンの有無を判別する。絵柄プレーンが存在する場合は、S938において、主記憶装置563にストライプの幅と高さ分の大きさの絵柄プレーン領域を確保し、外部記憶装置564に格納された多層画像ファイル中の絵柄プレーン圧縮データを主記憶装置563に転送する。絵柄プレーン伸長部545は、圧縮データに格納された図27(C)に示す絵柄プレーンヘッダ383を主記憶装置563の絵柄プレーンヘッダ領域に読み出す。絵柄プレーンヘッダ383に記述された絵柄プレーン幅411と絵柄プレーン高さ412の値で示される大きさの作業領域を主記憶装置563に確保し、S939において絵柄プレーン圧縮データをページヘッダ381の絵柄プレーン圧縮方式394に記述された方式で伸長し、作業領域に伸長画像を格納する。
【0254】
S940において、絵柄プレーンオフセット処理部546は、伸長された絵柄プレーンに対してオフセット処理を行なう。ここで行なうオフセット処理方法としては、例えば第2の実施の形態の中継装置302で行なったオフセット処理方法を用いることができる。
【0255】
S941において、絵柄プレーン解像度変換部547は、絵柄プレーンの解像度変換を行なう。解像度変換手法としては、バイキュービック法や4点補間法、投影法など、補間を伴う高度な手法を用いることができる。
【0256】
一方、S937において絵柄プレーンの有無を判定した結果、絵柄プレーンが存在しない場合には、S942において、ストライプの幅と高さ分の大きさの絵柄プレーンを、ストライプヘッダ382に記述された絵柄プレーンデフォルト色404で主記憶装置563上に作成する。
【0257】
次に文字プレーンの処理を行なう。S943において、ストライプヘッダ382のストライプタイプ403の内容から、文字プレーンの有無を判別する。文字プレーンが存在する場合には、S944において、主記憶装置563にストライプの幅と高さ分の大きさの文字プレーン領域を確保し、外部記憶装置564に格納された多層画像ファイルに格納されている文字プレーン圧縮データを主記憶装置563に転送する。
【0258】
文字プレーン伸長部548は、文字プレーン圧縮データとともに格納されている図27(D)に示すような文字プレーンヘッダ384を主記憶装置563の文字プレーンヘッダ領域に読み出す。文字プレーンヘッダ384に記述された文字プレーン幅421と文字プレーン高さ422分の大きさの作業領域を主記憶装置563に確保し、S945において文字プレーン圧縮データをページヘッダ381の文字プレーン圧縮方式395に記述された方式で伸長し、作業領域に伸長画像を格納する。
【0259】
S946において、文字プレーンオフセット処理部549は、伸長された文字プレーンに対してオフセット処理を行なう。ここで行なうオフセット処理方法としては、例えば第2の実施の形態の中継装置302で行なったオフセット処理方法を用いることができる。
【0260】
S947において、文字プレーン解像度変換部550は、文字プレーンの解像度変換を行なう。解像度変換手法は、ページヘッダ381の文字プレーン圧縮方式395に記述された圧縮方式がJBIG方式の場合は、文字プレーンに文字輪郭が含まれるため、例えばバイキュービック法などの補間を伴う高度な手法を用いる。また、ページヘッダ381の文字プレーン圧縮方式395に記述された圧縮方式がJPEG方式の場合は、文字プレーンに文字色のみが含まれるため、補間を伴わない単純な手法を用いてもよい。
【0261】
一方、S943における文字プレーンの存在の有無の判別で、文字プレーンが存在しないと判定された場合は、S948において、ストライプの幅と高さ分の大きさの文字プレーンを、ストライプヘッダ382に記述された文字プレーンデフォルト色405で主記憶装置563上に作成する。
【0262】
この時点でストライプの選択プレーン、絵柄プレーン、文字プレーンが主記憶装置563に格納された状態になり、各プレーンを合成する処理に移る。S949において、プレーン合成部551はまずストライプの幅と高さ分の大きさの合成画像領域を主記憶装置563に確保し、そこでベースプレーンを、ストライプヘッダ382に記述された絵柄プレーンデフォルト色404で作成する。次にベースプレーンに絵柄プレーンを上書き(コピー)する。さらに、絵柄プレーンが上書きされたベースプレーンに、選択プレーンの画素値が1の画素位置に対応する文字プレーンの画像を上書き(コピー)する。これによって合成画像を作成することができる。
【0263】
S950において、合成画像解像度変換部552はプリンタ562の解像度に合成画像を解像度変換する。解像度変換手法としては、例えばバイキュービック法などの補間を伴う高度な手法を用いることができる。
【0264】
S951において、合成画像のカラーを判別し、合成画像がL* a* b* カラーの場合はS952で色変換部553がL* a* b* 色空間からプリンタの色空間であるCMYK色空間に色変換する。
【0265】
S953において、画像データプリント部554は1ストライプ分のCMYK画像をプリンタ562に送信する。また、S951で合成画像が白黒2値と判別された場合は、K成分のみの画像としてプリンタ562に送信する。プリンタ562は、1ストライプ分の画像を被記録媒体に形成する。以上で1ストライプの合成画像のプリント処理を終了する。
【0266】
S933に戻り、未処理のストライプ画像が存在するか否かを判定した後、未処理のストライプ画像について順次上述のような合成画像のプリント処理を行なう。未処理のストライプ画像がなくなった時点で処理を終了する。
【0267】
以上述べたように、この第3の実施の形態によれば、単一プレーン画像をパーソナルコンピュータやワークステーションからインターネットメールで、または既存の白黒FAXやカラーFAXからFAXで受信し、多層画像データとしてインターネットメールやFAXで送信することができ、文字、写真とも高画質な画像を中継することができる。このとき、多層画像データに分離しさらにはオフセット処理を行なっているので、データ量は減少しており、高速に受信装置へ送信することができる。また、受信装置は、多層画像データを受信できる機能があれば、単一プレーン画像も受信できるため、多数のモードで受信する機能を設ける必要がなくなり、装置構成を単純化して小型化することができるという利点もある。
【0268】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、第1画像データ、第2画像データ、選択データに分離した多層画像データを受信し、あるいは多層画像データを生成して送信することができるので、画像中の各部のデータに最適な画像処理および圧縮処理を施したデータの送受信が可能となり、画質の劣化を最小限に抑えて他の画像データ形式との間の変換処理を行なうことができる。また、画像中継装置でこのような多層画像データと他の画像データ形式との変換処理を行なうことによって、より高速にしかも高画質で画像の通信を行なうことができるとともに、既存の白黒FAXやカラーFAX、そしてインターネットメールが使用可能なパソコンなど、種々の機器間での画像交換を可能にすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像中継システムの第1の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態における送信装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態における送信装置の一例の実現例を示す概略構成図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態における中継装置の一例を示す概略構成図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態における中継装置の一例の実現例を示す概略構成図である。
【図6】 本発明の第1の実施の形態における送信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の第1の実施の形態において送信装置の指示装置が提供するユーザインタフェースの表示画面の一例の説明図である。
【図8】 本発明の第1の実施の形態におけるヘッダの一例を示すデータ構成図である。
【図9】 本発明の第1の実施の形態の送信装置におけるストライプ分離の具体例の説明図である。
【図10】 本発明の第1の実施の形態の送信装置におけるプレーン分離処理の具体例の説明図である。
【図11】 本発明の第1の実施の形態の送信装置におけるプレーン分離処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】 本発明の第1の実施の形態における絵柄プレーンのオフセット処理の具体例の説明図である。
【図13】 本発明の第1の実施の形態における文字色プレーンのオフセット処理の具体例の説明図である。
【図14】 本発明の第1の実施の形態において送信装置で作成した多層画像ファイルの一例の説明図である。
【図15】 本発明の第1の実施の形態における中継装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】 本発明の第1の実施の形態における中継装置の動作の一例を示すフローチャート(続き)である。
【図17】 本発明の第1の実施の形態において中継装置の指示装置が提供するユーザインタフェースの表示画面の一例の説明図である。
【図18】 本発明の画像中継システムの第2の実施の形態において取り扱う多層画像データの具体例の説明図である。
【図19】 本発明の画像中継システムの第2の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図20】 本発明の第2の実施の形態における送信装置の一例を示す概略構成図である。
【図21】 本発明の第2の実施の形態における送信装置の一例の実現例を示す概略構成図である。
【図22】 本発明の第2の実施の形態における中継装置の一例を示す概略構成図である。
【図23】 本発明の第2の実施の形態における中継装置の一例を示す概略構成図(続き)である。
【図24】 本発明の第2の実施の形態における中継装置の一例の実現例を示す概略構成図である。
【図25】 本発明の第2の実施の形態における送信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図26】 本発明の第2の実施の形態において送信装置の指示装置が提供するユーザインタフェースの表示画面の一例の説明図である。
【図27】 本発明の第2の実施の形態におけるヘッダの一例を示すデータ構成図である。
【図28】 本発明の第2の実施の形態の送信装置におけるプレーン分離処理の具体例の説明図である。
【図29】 本発明の第2の実施の形態の送信装置におけるプレーン分離処理の一例を示すフローチャートである。
【図30】 本発明の第2の実施の形態の送信装置におけるプレーン分離処理の一例を示すフローチャート(続き)である。
【図31】 本発明の第2の実施の形態の送信装置のプレーン分離処理におけるヒストグラム処理の一例の説明図である。
【図32】 本発明の第2の実施の形態における絵柄プレーンのオフセット処理の具体例の説明図である。
【図33】 本発明の第2の実施の形態における文字プレーンのオフセット処理の具体例の説明図である。
【図34】 本発明の第2の実施の形態において送信装置で作成した多層画像ファイルの一例の説明図である。
【図35】 本発明の第2の実施の形態における中継装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図36】 本発明の第2の実施の形態における中継装置の動作の一例を示すフローチャート(続き)である。
【図37】 本発明の第2の実施の形態における中継装置の動作の一例を示すフローチャート(続き)である。
【図38】 本発明の第2の実施の形態における中継装置の動作の一例を示すフローチャート(続き)である。
【図39】 本発明の第2の実施の形態において中継装置の指示装置が提供するユーザインタフェースのFAX送信選択時の表示画面の一例の説明図である。
【図40】 本発明の第2の実施の形態において中継装置の指示装置が提供するユーザインタフェースのインターネットメールによる送信選択時の表示画面の一例の説明図である。
【図41】 本発明の第2の実施の形態において中継装置の指示装置が提供するユーザインタフェースのディスク格納選択時の表示画面の一例の説明図である。
【図42】 本発明の画像中継システムの第3の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図43】 本発明の第3の実施の形態における中継装置の一例を示す概略構成図である。
【図44】 本発明の第3の実施の形態における中継装置の一例の実現例を示す概略構成図である。
【図45】 本発明の第3の実施の形態における受信装置の一例を示す概略構成図である。
【図46】 本発明の第3の実施の形態における受信装置の一例の実現例を示す概略構成図である。
【図47】 本発明の第3の実施の形態における中継装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図48】 本発明の第3の実施の形態における中継装置の動作の一例を示すフローチャート(続き)である。
【図49】 本発明の第3の実施の形態において中継装置の指示装置が提供するユーザインタフェースのFAX送信選択時の表示画面の一例の説明図である。
【図50】 本発明の第3の実施の形態において中継装置の指示装置が提供するユーザインタフェースのインターネットメール送信選択時の表示画面の一例の説明図である。
【図51】 本発明の第3の実施の形態において中継装置の指示装置が提供するユーザインタフェースのディスク格納選択時の表示画面の一例の説明図である。
【図52】 本発明の第3の実施の形態において送信装置で作成した圧縮なしの時の多層画像ファイルの一例の説明図である。
【図53】 本発明の第3の実施の形態における受信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図54】 本発明の第3の実施の形態における受信装置の動作の一例を示すフローチャート(続き)である。
【符号の説明】
101…送信装置、102…中継装置、103…G3白黒FAX、104…G4白黒FAX、105…カラーFAX、106…伝送路、111…画像入力部、112…ページヘッダ作成部、113…ストライプ分割部、114…色変換部、115…プレーン分離部、116…絵柄プレーン解像度変換部、117…絵柄プレーンオフセット処理部、118…絵柄プレーン圧縮部、119…文字色プレーン解像度変換部、120…文字色プレーンオフセット処理部、121…文字色プレーン圧縮部、122…選択プレーン圧縮部、123…ストライプヘッダ作成部、124…画像データ送信部、125…送信属性決定部、126…記憶部、131…制御装置、132…指示装置、133…イメージスキャナ、134…主記憶装置、135…外部記憶装置、136…伝送装置、137…バス、141…画像データ受信部、142…送信属性決定部、143…ページヘッダ解釈部、144…ストライプヘッダ解釈部、145…選択プレーン伸長部、146…絵柄プレーン伸長部、147…絵柄プレーンオフセット処理部、148…絵柄プレーン解像度変換部、149…文字色プレーン伸長部、150…文字色プレーンオフセット処理部、151…文字色プレーン解像度変換部、152…プレーン合成部、153…合成画像解像度変換部、154…色変換部、155…MH/MR圧縮部、156…MMR圧縮部、157…JPEG圧縮部、158…画像データ送信部、159…記憶部、161…制御装置、162…指示装置、163…主記憶装置、164…外部記憶装置、165…伝送装置、166…バス、171…ページヘッダ、172…ストライプヘッダ、173…絵柄プレーンヘッダ、174…文字色プレーンヘッダ、181…SOP、182…ページヘッダ長、183…選択プレーン圧縮方式、184…絵柄プレーン圧縮方式、185…文字色プレーン圧縮方式、186…選択プレーン解像度、187…ページ幅、188…EOP、191…SOSt、192…ストライプヘッダ長、193…ストライプタイプ、194…絵柄プレーンデフォルト色、195…文字色プレーンデフォルト色、196…絵柄プレーンオフセット、197…文字色プレーンオフセット、198…ストライプ高さ、199…選択プレーン圧縮サイズ、201…絵柄プレーン幅、202…絵柄プレーン高さ、203…絵柄プレーン解像度、211…文字色プレーン幅、212…文字色プレーン高さ、213…文字色プレーン解像度、301…送信装置、302…中継装置、303…パーソナルコンピュータ、304…ワークステーション、305…伝送路、306…送信装置、307…G3白黒FAX、308…G4白黒FAX、309…カラーFAX、310…伝送路、321…画像入力部、322…ページヘッダ作成部、323…ストライプ分割部、324…色変換部、325…プレーン分離部、326…絵柄プレーン解像度変換部、327…絵柄プレーンオフセット処理部、328…絵柄プレーン圧縮部、329…文字プレーン解像度変換部、330…文字プレーンオフセット処理部、331…文字プレーン圧縮部、332…選択プレーン圧縮部、333…ストライプヘッダ作成部、334…画像データ送信部、335…記憶部、341…制御装置、342…指示装置、343…イメージスキャナ、344…主記憶装置、345…外部記憶装置、346…伝送装置、347…バス、351…画像データ受信部、352…送信属性決定部、353…ページヘッダ解釈部、354…ストライプヘッダ解釈部、355…選択プレーン伸長部、356…絵柄プレーン伸長部、357…絵柄プレーンオフセット処理部、358…絵柄プレーン解像度変換部、359…文字プレーン伸長部、360…文字プレーンオフセット処理部、361…文字プレーン解像度変換部、362…プレーン合成部、363…合成画像解像度変換部、364…色変換部、365…MH/MR圧縮部、366…MMR圧縮部、367…JPEG圧縮部、368…送信フォーマット作成部、369…画像データ送信部、370…記憶部、371…制御装置、372…指示装置、373…主記憶装置、374…外部記憶装置、375,376…伝送装置、377…バス、381…ページヘッダ、382…ストライプヘッダ、383…絵柄プレーンヘッダ、384…文字プレーンヘッダ、391…SOP、392…ページヘッダ長、393…選択プレーン圧縮方式、394…絵柄プレーン圧縮方式、395…文字プレーン圧縮方式、396…選択プレーン解像度、397…ページ幅、398…EOP、401…SOSt、402…ストライプヘッダ長、403…ストライプタイプ、404…絵柄プレーンデフォルト色、405…文字プレーンデフォルト色、406…絵柄プレーンオフセット、407…文字プレーンオフセット、408…ストライプ高さ、409…選択プレーン圧縮サイズ、411…絵柄プレーン幅、412…絵柄プレーン高さ、413…絵柄プレーン解像度、421…文字プレーン幅、422…文字プレーン高さ、423…文字プレーン解像度、501…送信装置、502…中継装置、503…パーソナルコンピュータ、504…ワークステーション、505…伝送路、506…G3白黒FAX、507…G4白黒FAX、508…カラーFAX、509…伝送路、511…画像データ受信部、512…送信属性決定部、513…ページヘッダ作成部、514…ストライプ分割部、515…色変換部、516…プレーン分離部、517…絵柄プレーン解像度変換部、518…絵柄プレーンオフセット処理部、519…絵柄プレーン圧縮部、520…文字プレーン解像度変換部、521…文字プレーンオフセット処理部、522…文字プレーン圧縮部、523…選択プレーン圧縮部、524…ストライプヘッダ作成部、525…画像データ送信部、526…反転処理部、527…記憶部、531…制御装置、532…指示装置、533…主記憶装置、534…外部記憶装置、535,536…伝送装置、537…バス、541…画像データ受信部、542…ページヘッダ解釈部、543…ストライプヘッダ解釈部、544…選択プレーン伸長部、545…絵柄プレーン伸長部、546…絵柄プレーンオフセット処理部、547…絵柄プレーン解像度変換部、548…文字プレーン伸長部、549…文字プレーンオフセット処理部、550…文字プレーン解像度変換部、551…プレーン合成部、552…合成画像解像度変換部、553…色変換部、554…画像データプリント部、555…記憶部、561…制御装置、562…プリンタ、563…主記憶装置、564…外部記憶装置、565,566…伝送装置、567…バス。
Claims (16)
- 第1画像データと第2画像データと前記第1画像データまたは前記第2画像データのいずれかを選択する選択データとをそれぞれ圧縮した圧縮データからなる多層データ形式で送信された多層画像データを受信する受信手段と、該受信手段において受信された前記多層画像データを前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データにそれぞれ伸長する伸長手段と、該伸長手段で伸長された前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データを合成して合成画像を生成する合成画像生成手段と、送信相手とネゴシエーションを行ない送信画像属性を決定する送信属性決定手段と、該合成画像生成手段において合成された前記合成画像に対して前記送信画像属性に応じた変換処理を行なう処理手段と、変換処理後の合成画像を送信する送信手段を具備し、多層データ形式で送信された多層画像データを白黒またはカラーファクシミリ装置へ中継することを特徴とする画像中継装置。
- 前記合成画像生成手段において生成された前記合成画像を圧縮する圧縮手段をさらに具備し、前記送信手段は、前記圧縮手段により圧縮された合成画像に当該合成画像の大きさを表わす情報を少なくとも含む属性情報を付加して送信することを特徴とする請求項1に記載の画像中継装置。
- 第1画像データと第2画像データと前記第1画像データまたは前記第2画像データのいずれかを選択する選択データとをそれぞれ圧縮した圧縮データからなる多層データ形式の多層画像データを送信する送信装置と、該送信装置より送信された前記多層画像データを前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データにそれぞれ伸長し伸長された前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データを合成して合成画像を生成し合成された前記合成画像を送信する中継装置と、該中継装置より送信された前記合成画像を受信する受信装置を備え、前記中継装置は、前記受信装置とネゴシエーションを行なって送信画像属性を決定し、前記合成画像に対して前記送信画像属性に応じた変換処理を行ない、変換処理後の合成画像を送信することを特徴とする画像中継システム。
- 前記中継装置は、前記合成画像を圧縮し、圧縮した合成画像に当該合成画像の大きさを表わす情報を少なくとも含む属性情報を付加して送信することを特徴とする請求項3に記載の画像中継システム。
- 圧縮された画像情報を受信する受信手段と、該受信手段により受信された前記圧縮された画像情報を伸長する伸長手段と、送信相手とネゴシエーションを行ない送信画像属性を決定する送信属性決定手段と、前記伸長手段により伸長された画像情報を第1画像データと第2画像データと前記第1画像データまたは前記第2画像データのいずれかを選択する選択データとに分離する分離手段と、該分離手段において分離された前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データに対して前記送信画像属性に応じた変換処理を行なう処理手段と、変換処理後の前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データとからなる多層画像データを送信する送信手段を具備し、単一プレーンの前記画像情報を多層データ形式の多層画像データとして中継することを特徴とする画像中継装置。
- 前記分離手段において分離された前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データをそれぞれ圧縮する圧縮手段をさらに具備し、前記送信手段は、前記圧縮手段において圧縮された第1画像データ、第2画像データ、および選択データに当該第1画像データ、当該第2画像データ、および当該選択データが表わす画像の大きさを示す情報を少なくとも含む属性情報を付加して送信することを特徴とする請求項5に記載の画像中継装置。
- 単一プレーンの画像情報を圧縮して送信する送信装置と、該送信装置より送信された圧縮された画像情報を伸長し伸長された前記画像情報を第1画像データと第2画像データと前記第1画像データまたは前記第2画像データのいずれかを選択する選択データとに分離し分離された前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データとからなる多層画像データを送信する中継装置と、該中継装置より送信された属性情報が付加された前記多層画像データを受信する受信装置を備え、前記中継装置は、前記受信装置とネゴシエーションを行なって送信画像属性を決定し、分離した前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データに対して前記送信画像属性に応じた変換処理を行ない、変換処理後の前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データとからなる多層画像データを送信することを特徴とする画像中継システム。
- 前記中継装置は、前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データをそれぞれ圧縮し、圧縮された第1画像データ、第2画像データ、および選択データに当該第1画像データ、当該第2画像データ、および当該選択データが表わす画像の大きさを示す情報を少なくとも含む属性情報を付加して送信することを特徴とする請求項7に記載の画像中継システム。
- 第1画像データと第2画像データと前記第1画像データまたは前記第2画像データのいずれかを選択する選択データとをそれぞれ圧縮した圧縮データからなる多層データ形式で送信された多層画像データを受信し、また送信相手とネゴシエーションを行ない送信画像属性を決定しておき、受信した前記多層画像データを前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データにそれぞれ伸長し、伸長した前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データを合成して合成画像を生成し、前記合成画像に対して前記送信画像属性に応じた変換処理を行ない、変換処理後の合成画像を送信し、多層データ形式で送信された多層画像データを白黒またはカラーファクシミリ装置へ中継することを特徴とする画像中継方法。
- 第1画像データと第2画像データと前記第1画像データまたは前記第2画像データのいずれかを選択する選択データとをそれぞれ圧縮した圧縮データからなる多層データ形式の多層画像データを送信装置から中継装置へ送信し、前記中継装置では、受信装置とネゴシエーションを行なって送信画像属性を決定し、前記送信装置より送信された前記多層画像データを前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データにそれぞれ伸長し、伸長した前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データを合成して合成画像を生成し、前記合成画像に対して前記送信画像属性に応じた変換処理を行ない、変換処理後の合成画像を中継装置から受信装置へ送信し、前記中継装置より送信された前記合成画像を受信装置において受信することを特徴とする画像中継方法。
- 圧縮された画像情報を受信し、送信相手とネゴシエーションを行ない送信画像属性を決定し、受信した前記圧縮された画像情報を伸長し、伸長した画像情報を第1画像データと第2画像データと前記第1画像データまたは前記第2画像データのいずれかを選択する選択データとに分離し、分離した前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データに対して前記送信画像属性に応じた変換処理を行なう処理手段と、変換処理後の前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データとからなる多層画像データを送信し、単一プレーンの前記画像情報を多層データ形式の多層画像データとして中継することを特徴とする画像中継方法。
- 単一プレーンの画像情報を圧縮して送信装置から中継装置へ送信し、前記中継装置では、受信装置とネゴシエーションを行なって送信画像属性を決定し、前記送信装置より送信された圧縮された画像情報を伸長し、伸長した前記画像情報を第1画像データと第2画像データと前記第1画像データまたは前記第2画像データのいずれかを選択する選択データとに分離し、分離した前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データに対して前記送信画像属性に応じた変換処理を行ない、変換処理後の前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データとからなる多層画像データを中継装置から受信装置へ送信し、前記中継装置より送信された前記多層画像データを受信装置において受信することを特徴とする画像中継方法。
- 送信相手とネゴシエーションを行ない送信画像属性を決定しておき、第1画像データと第2画像データと前記第1画像データまたは前記第2画像データのいずれかを選択する選択データとをそれぞれ圧縮した圧縮データからなる多層データ形式の多層画像データを前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データにそれぞれ伸長し、伸長した前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データを合成して合成画像を生成し、前記合成画像に対して前記送信画像属性に応じて変換処理を行ない、変換処理後の合成画像を送信することを特徴とする画像送信方法。
- 送信相手とネゴシエーションを行ない送信画像属性を決定しておき、圧縮された画像情報を伸長し、伸長した画像情報を第1画像データと第2画像データと前記第1画像データまたは前記第2画像データのいずれかを選択する選択データとに分離し、分離した前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データに対して前記送信画像属性に応じた変換処理を行ない、変換処理後の前記第1画像データと前記第2画像データと前記選択データからなる多層データ形式の多層画像データを送信し、前記画像情報を多層データ形式の多層画像データとして送信することを特徴とする画像送信方法。
- 前記画像情報は、単一プレーンからなることを特徴とする請求項14に記載の画像送信方法。
- 前記変換処理は解像度変換処理を含み、前記送信画像属性に従って前記第1画像データ、前記第2画像データ、前記選択データの少なくとも1つのデータについては他のデータと異なる解像度への変換を行なうことを特徴とする請求項14または請求項15に記載の画像送信方法。
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