〔参考例1〕
本発明の参考例1について図1ないし図14を用いて以下に説明する。
本参考例では、被把持棒の具体例として、鉛筆や筆、ボールペンなどいった筆記具、あるいは箸を挙げ、それらの正しい持ち方を習得するための被把持棒の持ち方練習具(以下、練習具と略記する)1について説明する。
図1は、本参考例に係る練習具1の斜視図である。図1に示すように、練習具1は、第1壁部材10と第2壁部材20という独立した2つの部材が摺動可能に嵌合することによって構成されている。
はじめに、図1〜5を用いて、第1壁部材10と第2壁部材20とが嵌合した状態の練習具1の形状について説明する。なお、図2(a)は練習具1の正面図、図2(b)は練習具1の背面図、図3(a)は練習具1の右側面図、図3(b)は練習具1の左側面図、図4は練習具1を上壁部側から見た平面図、図5は練習具1を下壁部側から見た平面図(底面図)である。図2(a)に示すように、練習具1は、正面側(図において紙面手前側)から見たときの断面がほぼカタカナの「エ」字状をなしている。
具体的には、本参考例の被把持棒の持ち方練習具1は、板状の上壁部12と、該上壁部12と対向して位置する板状の下壁部22と、これら上下壁部が所定の間隔を形成するために設けられる挟持壁部30とから構成されている。また、図4に示すように、上壁部12は、下壁部22よりも長手方向(図4においては、横方向)の長さが短くなっているとともに、下壁部の端部の一つには、筆記具あるいは箸など被把持棒の側面が当接し、使用者が被把持棒を把持したときに該被把持棒の傾斜角度を規定する被把持棒当接部23が設けられている。
そして、上壁部12と下壁部22との間は、挟持壁部30によって2つの凹部に区切られている。この2つの凹部のうち、被把持棒当接部23の設けられている側の凹部が、使用時に人差指を配置するための人差指配置部(第1指配置部)31であり、他方の凹部が、使用時に中指を配置するための中指配置部(第2指配置部)32である。
上記の構成によって、人差指配置部31には人差指を、中指配置部32には中指を挿入するとともに、これらの人差指配置部31・中指配置部32に、人差指と中指の付け根から第2関節にわたる各領域(以下、この領域を練習具装着領域という)を挿入し、両指で挟持壁部30を挟み込んだ状態(練習具装着状態)では、人差指と中指との上下方向の移動が上壁部12と下壁部22によって規制され、これによって、人差指と中指との各練習具装着領域が互いにほぼ平行に維持され、段違いとなるのが防止される。なお、上壁部12および下壁部22の幅方向の長さは、必ずしも指の幅に合わせる必要はなく、少なくとも指の幅の2分の1を超える寸法で形成することができる。
本参考例の練習具1においては、上壁部12および下壁部22は、それぞれ独立して第1壁部材10および第2壁部材20となっている。第1壁部材10は、上壁部12の他に、該上壁部に対して立設された凹型の第1嵌合部11を備え、第2壁部材20は、下壁部22の他に、該下壁部に対して立設された凸型の第2嵌合部21を備えている。さらに、第1嵌合部11および第2嵌合部21は、摺動可能に互いに嵌合するようになっているとともに、嵌合した状態の第1・第2嵌合部11・21によって挟持壁部30が形成されている。
続いて、練習具1の構成部材の一つである第1壁部材10について、より詳細に説明する。
図6(a)には、第1壁部材10の断面図を示し、図6(b)には、第1壁部材10を第1嵌合部11側から見た斜視図を示し、図6(c)には、第1壁部材10を上壁部12側から見た斜視図を示す。図6に示すように、第1壁部材10は、上壁部12と、該上壁部12が広がる方向に対してほぼ垂直に立設するように設けられた凹型の第1嵌合部11とを備えている。
上壁部12は、図6(a)に示すように、上記第1嵌合部11が設けられている側が凸型の形状になるようにやや湾曲している。これによって、人差指と中指とで挟持壁部30を挟んだときに、人差指と中指との境目に形成される凹型の形状に適合させることができ、練習具1を違和感なく使用することができる。そのため、筆記具などの持ち方の練習を行う場合に、正しい持ち方を安定して維持することができる。なお、上記上壁部12の形状は、上述の湾曲の形状以外に、たとえば、上記第1嵌合部11が設けられている位置に向かって両端から傾斜するような形状(すなわち、ひらがなの「く」の字形の形状)になっていてもよい。
凹型形状の第1嵌合部11は、上壁部12のほぼ中央に位置し、上壁部12の幅方向(長手方向と直交する方向)のほぼ全体にわたって、図6(a)に示すような同一の断面形状で形成されており、上記幅方向の両端部のみが異なる断面形状をしている。そして、上壁部12の第1嵌合部11には、図6(c)に示すように、凹部として機能する貫通孔16が設けられている。
図6(a)に示すように、上記凹型の第1嵌合部11の凹部の開口部側、すなわち、第2壁部材20の凸型の第2嵌合部21が挿入される側には、位置決め用突起部14が設けられている。さらに、凹型の第1嵌合部11の上記開口部側で、かつ、側面側には、上記開口部の大きさを調整するための調整溝15が設けられている。なお、上記側面側とは、凹型の第1嵌合部11が挟持壁部30を形成する場合に、「壁」として二次元に広がる面を表面と称し、この表面から見て側方になる面のことを言う。
上記調整溝15は、特に、上記第1壁部材10が、プラスチックなどの可塑性を有する材質で形成されている場合に、開口部の大きさを広げることができるため、第2壁部材20との嵌合をスムーズに行うことができる。
続いて、練習具1のもう一つの構成部材である第2壁部材20について、より詳細に説明する。
図7(a)には、第2壁部材20の正面図を示し、図7(b)には、第2壁部材20を下壁部22側から見た斜視図を示し、図7(c)には、第2壁部材20を第2嵌合部21側から見た斜視図を示す。図7に示すように、第2壁部材20は、下壁部22と、該下壁部22が広がる方向に対してほぼ垂直に立設するように設けられた凸型の第2嵌合部21とを備えている。
下壁部22は、図7(a)に示すように、上記第2嵌合部21が設けられている側が凸型の形状になるようにやや湾曲している。これによって、人差指と中指とで挟持壁部30を挟んだときに、人差指と中指との境目に形成される凹型の形状に適合させることができ、練習具1を違和感なく使用することができる。そのため、筆記具などの持ち方の練習を行う場合に、正しい持ち方を安定して維持することができる。なお、上記下壁部22の形状は、上述の湾曲の形状以外に、たとえば、上記第2嵌合部21が設けられている位置に向かって両端から傾斜するような形状(すなわち、ひらがなの「く」の字形の形状)になっていてもよい。
凸型形状の第2嵌合部21は、下壁部22の幅方向(長手方向と直交する方向)のほぼ全体にわたって、図7(a)に示すのと同一の断面形状で形成されている。そして、上壁部12に対する第2嵌合部21の立設位置は、図7(a)に示すように、上壁部表面の長手方向における中央部からややずれた位置となっている。つまり、上記下壁部12において第2嵌合部21によって区切られる2つの先端のうち、上記第2嵌合部21の立設位置を基準として、該立設位置から一方の先端部までの長さが、他方の先端部までの長さよりも長くなっている。この長さの比は特に限定されるものではないが、長い方の先端が短い方の先端の1.25倍程度の長さであればよい。そして、上述の被把持棒当接部23は、下壁部12の長い方の先端側に設けられている。上記被把持棒当接部23の形状は、特に限定されるものではないが、筆記具を安定して配置するために凹型の形状をしていることが好ましく、上記凹型の形状は筆記具の形状に合わせた形状になっていることがより好ましい。
なお、上記下壁部22のより具体的な湾曲形状の例としては、上述の長い方の先端および短い方の先端の弧の角度が、それぞれ40°および32°のものを挙げることができる。また、上述の長い方の先端の長さは、特に限定されるものではないが、大人から児童まで幅広い年齢の人を使用の対象とする場合には、3cm以上とすることが好ましい。
また、上記下壁部22の幅方向の寸法は、人差指や中指における付け根から第2関節までの練習具装着領域の長さよりも幾分短く設定されている。なお、上記上壁部12の幅方向の寸法も下壁部22の寸法と同様にして設定すればよい。
また、上記第2壁部材20には、図7(a)に示すように、上記凸型の第2嵌合部21の側面には、位置変化用突起部が複数個設けられている。より具体的には、4個の位置変化用突起部25〜28が上記凸型の第2嵌合部21の側面に順番に並列して設けられている。なお、上記凸型の第2嵌合部21の側面とは、凸型の第2嵌合部21が挟持壁部30を形成する場合に、「壁」として二次元に広がる面を表面と称し、この表面から見て側方になる面のことを言う。
さらに、上記凸型の第2嵌合部21の先端側には、嵌合状態支持突起部24が設けられており、該嵌合状態支持突起部24が、凹型の第1嵌合部11における開口部側に設けられた位置決め用突起部14に引っ掛かることで、使用中に嵌合状態が外れることを防止することができる。なお、上記嵌合状態支持突起部24は、凸型の第2嵌合部21の先端近く、すなわち、下壁部22の付け根を基準として、凸型の第2嵌合部21の側面において、位置決め用突起部25〜28が並んで複数個設けられている位置よりも遠い側に設けられていることが好ましい。
次に、上述の第1壁部材10と第2壁部材20とが嵌合して練習具1を形成する様子について説明する。
図8には、練習具1において、第1壁部材10と第2壁部材20とが嵌合する様子を示す。図8に示すように、第1壁部材10に設けられた凹型の第1嵌合部11の凹部に、第2壁部材20の凸型の第2嵌合部21が矢印A方向に挿入され、嵌まり込むことによって、一つの練習具1を形成する。そして、練習具1は、嵌合した状態の凹型の第1嵌合部11と凸型の第2嵌合部21とで、挟持壁部30を形成している。
ここで、上記第1壁部材10と上記第2壁部材20とは、摺動可能な状態で嵌合している。これによって、挟持壁部の長さ、すなわち上壁部12と下壁部22との間隔を適当に変更させることができる。なお、上記挟持壁部30の長さとは、第1・第2嵌合部11・21が設けられている位置における、第1壁部材と第2壁部材とを嵌合させた状態での上壁部12と下壁部22との距離のことを意味する。
上壁部12と下壁部22の間は、挟持壁部により2つの凹部に区切られており、一方の凹部が第1指配置部31となり、他方の凹部が第2指配置部32となる。2本の隣接する指をそれぞれ各指配置部31・32に挿入すれば、各指を正しい位置に規定することができる。なお、本参考例の練習具1では、上記第1指配置部31には人差指を配置し、上記第2指配置部32には中指を配置して使用するため、第1指配置部を人差指配置部31、第2指配置部を中指配置部32と呼ぶ。
また、上壁部材10および下壁部材20を形成する素材については、特に限定されることはなく、従来の被把持棒の持ち方練習具の素材として使用されていたものを用いることができる。この素材の例としては、木材、金属、合成樹脂、ゴムなどを挙げることができる。合成樹脂であれば、押し出し成形によって、より安価に製作することが可能である。また、幼児から成人までの指の大きさから考えると、指の太さや大きさに合わせて、約5種類の練習具1が必要になるが、この場合でも、押し出し成形の他、合成樹脂材料に対する射出成形にて大量生産を行うことで、より低廉な練習具1として製作することができる。
また、第1嵌合部11と第2嵌合部21とをより摺動し易い状態で嵌合させるためには、上壁部材10および下壁部材20を、合成樹脂、プラスチックなどの可塑性を有する材質で作製し、表面の摩擦を少なくすることが好ましい。これによれば、上記調整溝15を設けることによって得られる凹型の第1嵌合部11における開口部の大きさを調整する能力をより高めることができる。
本参考例に係る練習具1は、上述のような構成を有することによって、挟持壁部30の長さを使用者の指の厚さ(手指の手のひら側から手の甲側までの長さ)に応じて適宜調節することができる。これによれば、幼児から大人までの指の大きさを考慮して練習具自体の大きさを変化させるだけでは追いつかなかった練習具1の挟持壁部30の長さの微調整が可能となるため、各使用者の指の大きさに応じた練習具1を提供することができる。この練習具1は使用する各個人の指の大きさに合わせて挟持壁部30の長さを調整することによって、使用時に被把持棒の持ち方の状態をより安定させることができるため、筆記具や箸などの正しい持ち方の習得には、さらに有効なものと言える。
また、上述のように幼児から大人までの指の大きさや太さを考慮して、練習具自体の大きさを変えることでしか対応できなかった従来の練習具と比較して、本参考例の練習具1は、一つの練習具1について、その挟持壁部30の長さを調節することができる。それゆえ、本来各個人に合わせた大きさの練習具を提供するために、より多くのサイズの練習具を設計する必要があった製造者にとっても、本発明の練習具1であれば、サイズの種類を減らしても、各個人の指の大きさに合わせた練習具を供給することが可能となり、コスト的にも有利となる。
さらに、本参考例の練習具1においては、上記第1・第2嵌合部11・21のうち、凹型の第1嵌合部11における開口部側には、位置決め用突起部14が設けられている一方、凸型の第2嵌合部21における側面には、第1突起25、第2突起26、第3突起27、第4突起28という4個の位置変化用突起部が設けられている。
これによって、凹型の第1嵌合部11と凸型の第2嵌合部21とを嵌合させた状態では、上記位置決め用突起部14と位置変化用突起部25〜28のうちの一つとを引っ掛けて噛み合わせることにより、凹型の第1嵌合部11から凸型の第2嵌合部21を出し入れさせて変化させた挟持壁部30の長さを、各位置変化用突起部が設けられている位置で安定化させることができる。図9(a)〜(d)には、第1嵌合部11の位置決め用突起部14と、第1突起25〜第4突起28のうちの何れかを、引っ掛けて噛み合わせることによって、挟持壁部30の長さが変化した各状態で固定し安定化させた状態を示している。
上記のような位置変化用突起部25〜28が設けられていることによって、挟持壁部30の長さを適宜調節することができるだけでなく、いくつかの特定の長さで安定化させることもできる。これによって、第1嵌合部11と第2嵌合部21とが使用時に摺動して挟持壁部30の長さが変化することがなくなり、筆記具や箸の正しい持ち方を安定して維持することができる。
なお、上壁部12と下壁部22との間に設けられる挟持壁部30の長さは、使用時には人差指や中指の厚さ(手指の手のひら側から手の甲側までの長さ)とほぼ同じ長さになるように設定されることが好ましい。それゆえ、この点を考慮して、例えば対象とする使用者の年齢での平均的な指の厚さから、使用時の挟持壁部30の長さを設定すればよい。そして、第1嵌合部11の位置決め用突起部14と、第2嵌合部21の位置変化用突起部のうちの中間位置の突起(例えば、第2突起26、あるいは第3突起27)とが引っ掛かって嵌合した状態の練習具1の挟持壁部30の長さが、上述の対象とする使用者の年齢での平均的な指の厚さになるように、第1・第2嵌合11・21の長さ、および、位置決め用突起部14および各位置変化用突起部25〜28の位置を決めればよい。
また、凹型の第1嵌合部11の付け根の上壁部12には貫通孔16が設けられているため、凸型の第2嵌合部21の下先端までの長さを、凹型の第1嵌合部11の上壁部12から先端までのよりも長くすれば、より広範囲の幅の調節が可能になる。この場合には、第2嵌合部21には、4個よりも多くの位置変化用突起部を設けることがこのましい。これによって、挟持壁部30の長さをより幅広く変化させることができる。
次に、本参考例の練習具1の使用方法を説明する。上記練習具1を使用する場合(つまり、筆記具や箸などの持ち方の練習を行う場合)には、挟持壁部30の長さは、使用者の指の厚さ(手指の手のひら側から手の甲側までの長さ)にちょうど適合させて使用することが好ましい。そのためには、上記練習具1を以下のような手順で使用すればよい。
練習具1の使用時には、先ず、第1嵌合部11の位置決め用突起部14と第2嵌合部21の嵌合状態支持突起部24とが互いに噛み合った状態で、仮に嵌合させておく。この仮の嵌合状態では、指の太さに対して各指配置部31・32が大きな状態になっているため、容易に人差指および中指を練習具1に挿入することができる。そして、人差指および中指をそれぞれの指配置部31・32に配置させた状態で、第1嵌合部11と第2嵌合部21との嵌合をより深くする(図9(a)〜(d)参照)。このときに、当該使用者の指の厚さと同程度になるように、位置決め用突起部14を第1突起25から第4突起28のうちの最も好ましい位置変化用突起部と噛み合わせる。
以上のようにして、位置決め用突起部14と位置変化用突起部25〜28との引っ掛かかりによって、挟持壁部の長さを変化させた場合でも、嵌合を安定化させることができる。これによって、使用時に第1壁部材10と第2壁部材20とが摺動するのを防止することができ、筆記具や箸などを正しい持ち方で安定して維持することができる。加えて、人差指および中指を練習具1の各指配置部31・32に挿入する場合には、位置決め用突起部14と嵌合状態支持突起部24とが引っ掛かった状態で固定させた状態にしておけば、上壁部12と下壁部22との間隔が比較的広くなっているため、容易に人差指と中指を練習具1に配置させることができる。
なお、上記凸型の第2嵌合部21には、上記突起部が4個設けられているが、本発明の練習具はこれに限定されてものではない。しかし、上記練習具1のように、突起部が4個設けられていれば、挟持壁部30が少なくとも4段階の長さになるように、上記上壁部材10と下壁部材10との嵌合をしっかりと固定することができる。挟持壁部30をさらに多くの長さで固定させることが必要な場合は、上記突起部を4個以上設ければよい。
ここで、上記練習具1を用いて、鉛筆、ボールペンなどの筆記具を持つ場合について、図10を参照して説明する。
先ず、手の形を、図15に示した正しい鉛筆の持ち方の状態にして、練習具1を挟み込む。すなわち、図10に示すように、練習具1の図示しない挟持壁部30を人差指と中指の各付け根から第2関節に至る各練習具装着領域で挟み込む。これによって、人差指と中指との各練習具装着領域は、練習具1における上述の人差指配置部31、中指配置部32内に固定される。このとき、人差指配置部32を形成している側の下壁部22の先端は、もう一方の側の先端よりも長い形状になっているため、人差指配置部32を形成している側の下壁部22の先端に形成された凹型の被把持棒当接部23は、人差指の下側から親指側に向けて突出して位置する。
一方、各指先を軽く丸めた状態の人差指・中指・親指の三指で、鉛筆100の削り際を持つと、この鉛筆Aの中途部が上記被把持棒当接部23と交差する。そこで、鉛筆100の中途部を、上記被把持棒当接部23に当接させて配置することで、鉛筆の正しい位置が保持され、後方への倒れ込みが防止される。このように、練習具1を用いれば、指、手の正しい位置を変えることなく、鉛筆の正しい持ち方が保持される。
さらに、本参考例の練習具1によれば、挟持壁部30の長さを調節することができるため、一つの練習具1を各使用者に応じて調整することができる。そして、使用者の指の大きさが平均的な指の大きさではない場合にも、その使用者に適合した挟持壁部30の長さに調節することができるため、従来の練習具に比べて持ち方の矯正にはより有効となる。
続いて、上記練習具1を箸の正しい持ち方の矯正、習得に使用する場合について、図11を参照して説明する。
この場合にも、上述の筆記具の持ち方練習の場合と同様に、人差指と中指の付け根に練習具1を挟持する。そして、人差指・中指・親指の三指の各先端で、上方箸200aの中途部を握るとともに、その後方を練習具1の被把持棒当接部23に当接させて配置する。これにより、上方箸200aは、人差指の第2関節よりも先端側に沿って安定した保持状態となり、この上方箸200aを人差指と中指との間で自在に操作することが可能となる。なお、下方箸200bが固定しにくいときは、図示してはいないが、練習具1をもう一つ使用して、このもう一つの練習具1を小指と薬指の付け根に挟持する。そして、小指・薬指を曲げた状態で、下方箸200bの中途部が薬指の側部爪の辺りに位置するようにするとともに、下方箸200bの後方部を親指と人差指の付け根に位置させて挟持することによって、不安定にぐらつくことなく固定することができる。これによって、箸の持ち方や、使用法の習得、矯正が容易になる。
さらに、本参考例の練習具1によれば、挟持壁部30の長さを調節することができるため、一つの練習具1を各使用者に応じて調整することができる。そして、使用者の指の大きさが平均的な指の大きさではない場合にも、その使用者に適合した挟持壁部30の長さに調節することができるため、従来の練習具に比べて持ち方の矯正にはより有効となる。
なお、本参考例で説明した練習具1には、貫通孔16が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく凹型の嵌合を有する側の壁部材(第1あるいは第2壁部材の何れか)には、貫通孔がなく上壁部(あるいは下壁部)によって全面が覆われているような形状であってもよい。
また、本参考例では、第1壁部材10に凹型の第1嵌合部11を設け、第2壁部材20に凸型の第2嵌合部21を設けた練習具1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されることなく、第1部材10と、第2壁部材20のどちらに凸部を設け、どちらに凹部を設けるかは任意に決定することができる。つまり、本参考例に係る練習具1の変形例として、図12に示すようなものを挙げることができる。
図12に示す練習具は、練習具1と同様に第1壁部材10’と第2壁部材20’とが嵌合して形成されている。しかしながら、第1壁部材10’に上壁部12’と凸型の第1嵌合部11’とが備えられ、第2壁部材20’に下壁部22’と凹型の第2嵌合部21’とが備えられており、矢印Aのように嵌合することで、上述の練習具1とほぼ同様の形状の練習具を形成している。
さらに、本参考例では、1つの練習具1を人差指と中指とで挟持して使用する使用方法について説明したが、図13、14に示すように、本発明の練習具を2つ用いて筆記具および箸の持ち方の練習を行ってもよい。
図13に示すように、人差指と中指の間に練習具1を挟み込むとともに、中指と薬指の付け根にも、例えば少し小さめのもう一つの練習具1を挟み込むことによって、中指と薬指とにおける付け根から第2関節までの間が固定される。これによって、そのまま筆記を行えば、親指、人差指、中指、および薬指が、鉛筆100を正しい持ち方で保持することができる。
また、図14に示すように、人差指と中指の間に練習具1を挟みこむとともに、薬指と小指の付け根にも、例えば少し小さめのもう一つの練習具1を挟み込んで使用してもよい。これによれば、薬指と小指とにおける付け根から第2関節までの間が固定される。そして、鉛筆100を正しい持ち方で把持した状態で全指を保持することができる。この場合、薬指と小指の間に挟む練習具1については、被把持棒当接部23が設けられた側の下壁部22を小指の外側に向ける。そして、被把持棒当接部23が設けられた側の下壁部22の先端が、紙面に軽く接する状態となるようにして筆記する。これにより、小指を強く握る欠点が矯正できると共に、小指側面が紙面について手が右に傾く欠点も矯正できる。
以上のように、人差指と中指、及び中指と薬指との各付け根に、あるいは、人差指と中指、及び薬指と小指との各付け根に練習具1・1を挟むことにより、これらの指が固定されると、固定されない場合に比べて第1関節、第2関節を強く握り込めないため、鉛筆を持つ上で重要なことの一つである「中指・薬指・小指を軽く内側に曲げ、手の内側の空間を卵を握った状態にすること、及び鉛筆を力を入れずに握ること」が保たれ、筆記時の指、手、腕の疲れも軽減される。また、「鉛筆の軸を人差指の第2・第3関節の中間あたりにおく」ことが保たれる結果、文字を上手に早く書くことができ、且つ文字を書く時に指、手が疲れない。さらに、上記練習具1は、単に指の間に挟持することだけによるため違和感も少なく、このため、長時間筆記を続けることができると共に、正しい鉛筆の持ち方をより短期間で習得することができる。
〔参考例2〕
本発明の参考例2について、図15ないし図22を用いて以下に説明する。
本参考例では、被把持棒の具体例として、鉛筆や筆、ボールペンなどいった筆記具、あるいは箸を挙げ、それらの正しい持ち方を習得するための被把持棒の持ち方練習具(以下、練習具と略記する)40について説明する。
図15は、本参考例に係る練習具40の斜視図である。練習具40は、参考例1にかかる練習具1と同様に、第1壁部材10と第2壁部材20という独立した2つの部材が摺動可能に嵌合することによって構成されている。本参考例では、参考例1で説明した練習具1と同じ形状および機能を有する部材については、同じ部材番号・部材名を付す。
図15に示す練習具40においては、第1壁部材20に設けられた凹型の第1嵌合部51、第2壁部材20に設けられた凸型の第2嵌合部41の形状、および、当該第1嵌合部51と第2嵌合部41とが嵌合して形成される挟持壁部50の形状が、参考例1の練習具1とは異なっている。
はじめに、図15〜19を用いて、第1壁部材10と第2壁部材20とが嵌合した状態の練習具40の形状について説明する。なお、図16(a)は練習具40の正面図、図16(b)は練習具40の背面図、図17(a)は練習具40の右側面図、図17(b)は練習具40の左側面図、図18は練習具40を上壁部側から見た平面図、図19は練習具40を下壁部側から見た平面図(底面図)である。図16(a)に示すように、練習具40は、正面側(図において紙面手前側)から見たときの断面がほぼカタカナの「エ」字状をなしている。
具体的には、本参考例の被把持棒の持ち方練習具40は、板状の上壁部12と、該上壁部12と対向して位置する板状の下壁部22と、これら上下壁部が所定の間隔を形成するために設けられる挟持壁部50とから構成されている。また、図18に示すように、上壁部12は、下壁部22よりも長手方向(図18においては、横方向)の長さが短くなっているとともに、下壁部の端部の一つには、筆記具あるいは箸など被把持棒の側面が当接し、使用者が被把持棒を把持したときに該被把持棒の傾斜角度を規定する被把持棒当接部23が設けられている。
そして、上壁部12と下壁部22との間は、挟持壁部50によって2つの凹部に区切られている。この2つの凹部のうち、被把持棒当接部23の設けられている側の凹部が、使用時に人差指を配置するための人差指配置部(第1指配置部)31であり、他方の凹部が、使用時に中指を配置するための中指配置部(第2指配置部)32である。
上記の構成によって、人差指配置部31には人差指を、中指配置部32には中指を挿入するとともに、これらの人差指配置部31・中指配置部32に、人差指と中指の付け根から第2関節にわたる各領域(以下、この領域を練習具装着領域という)を挿入し、両指で挟持壁部50を挟み込んだ状態(練習具装着状態)では、人差指と中指との上下方向の移動が上壁部12と下壁部22によって規制され、これによって、人差指と中指との各練習具装着領域が互いにほぼ平行に維持され、段違いとなるのが防止される。なお、上壁部12および下壁部22の幅方向の長さは、必ずしも指の幅に合わせる必要はなく、少なくとも指の幅の2分の1を超える寸法で形成することができる。
本参考例の練習40においては、参考例1の練習具1と同様に、上壁部12および下壁部22は、それぞれ独立して第1壁部材10および第2壁部材20となっている。第1壁部材10は、上壁部12の他に、該上壁部の長手方向のほぼ中央部の壁を突き抜けるように立設された凹型の第1嵌合部51を備えている。また、第2壁部材20は、下壁部22の他に、該下壁部に対して立設された凸型の第2嵌合部41を備えている。さらに、第1嵌合部51および第2嵌合部41は、摺動可能に互いに嵌合するようになっているとともに、主に嵌合した状態の第2嵌合部41によって挟持壁部50が形成されている。
続いて、練習具40の構成部材の一つである第1壁部材10について、より詳細に説明する。
図20(a)には、第1壁部材10の断面図を示し、図20(b)には、第1壁部材10を下側(人差指配置部31・中指配置部32が形成される面側)から見た斜視図を示し、図20(c)には、第1壁部材10を上側(人差指配置部31・中指配置部32が形成される面とは反対側)から見た斜視図を示す。図20に示すように、第1壁部材10は、上壁部12と、該上壁部12が広がる方向に対してほぼ垂直に立設するように設けられた凹型の第1嵌合部51とを備えている。
ここで、上記第1嵌合部51は、上壁部12の長手方向のほぼ中央部の壁の一方の面から他方の面へ突き抜けるように立設されている。つまり、参考例1にかかる練習具1の第1壁部材10では、上壁部12の人差指配置部31・中指配置部32が形成される面側のみに第1嵌合部11が立設されているのに対して、参考例2にかかる練習具40の第1壁部材10では、上壁部12の人差指配置部31・中指配置部32が形成される面側だけでなく、その反対側の面にも第1嵌合部51が立設されている。
上壁部12は、図20(a)に示すように、人差指配置部31・中指配置部32が形成される面側が凸型の形状になるようにやや湾曲している。これによって、人差指と中指とで挟持壁部50を挟んだときに、人差指と中指との境目に形成される凹型の形状に適合させることができ、練習具40を違和感なく使用することができる。そのため、筆記具などの持ち方の練習を行う場合に、正しい持ち方を安定して維持することができる。なお、上記上壁部12の形状は、上述の湾曲の形状以外に、たとえば、上記第1嵌合部51が設けられている位置に向かって両端から傾斜するような形状(すなわち、ひらがなの「く」の字形の形状)になっていてもよい。
凹型形状の第1嵌合部51は、上壁部12のほぼ中央に位置し、上壁部12の幅方向(長手方向と直交する方向)のほぼ全体にわたって、図20(a)に示すような同一の断面形状で形成されており、上記幅方向の両端部のみが異なる断面形状をしている。そして、上壁部12の第1嵌合部51には、凹部として機能する貫通孔56が設けられている。
続いて、練習具40のもう一つの構成部材である第2壁部材20について、より詳細に説明する。
図21(a)には、第2壁部材20の正面図を示し、図21(b)には、第2壁部材20を下壁部22側から見た斜視図を示し、図21(c)には、第2壁部材20を第2嵌合部41側から見た斜視図を示す。図21に示すように、第2壁部材20は、下壁部22と、該下壁部22が広がる方向に対してほぼ垂直に立設するように設けられた凸型の第2嵌合部41とを備えている。
下壁部22は、図21(a)に示すように、上記第2嵌合部41が設けられている側が凸型の形状になるようにやや湾曲している。これによって、人差指と中指とで挟持壁部50を挟んだときに、人差指と中指との境目に形成される凹型の形状に適合させることができ、練習具40を違和感なく使用することができる。そのため、筆記具などの持ち方の練習を行う場合に、正しい持ち方を安定して維持することができる。なお、上記下壁部22の形状は、上述の湾曲の形状以外に、たとえば、上記第2嵌合部41が設けられている位置に向かって両端から傾斜するような形状(すなわち、ひらがなの「く」の字形の形状)になっていてもよい。
凸型形状の第2嵌合部41は、下壁部22の幅方向(長手方向と直交する方向)のほぼ全体にわたって、図21(a)に示すのと同一の断面形状で形成されている。そして、上壁部12に対する第2嵌合部41の立設位置は、図21(a)に示すように、上壁部表面の長手方向における中央部からややずれた位置となっている。つまり、上記下壁部12において第2嵌合部41によって区切られる2つの先端のうち、上記第2嵌合部41の立設位置を基準として、該立設位置から一方の先端部までの長さが、他方の先端部までの長さよりも長くなっている。この長さの比は特に限定されるものではないが、長い方の先端が短い方の先端の1.25倍程度の長さであればよい。そして、上述の被把持棒当接部23は、下壁部12の長い方の先端側に設けられている。上記被把持棒当接部23の形状は、特に限定されるものではないが、筆記具を安定して配置するために凹型の形状をしていることが好ましく、上記凹型の形状は筆記具の形状に合わせた形状になっていることがより好ましい。
また、上記下壁部22のより具体的な湾曲形状の例については、上述の参考例1において説明したものを同じく挙げることができる。
以上のように、本参考例にかかる練習具40では、凹状の第1嵌合部51が、上壁部12の人差指配置部31・中指配置部32が形成される面とは反対側の面に設けられている。これによって、上壁部12の人差指配置部31・中指配置部32が形成される面側では第1嵌合部51の上壁部12からの高さを小さくしても、第1嵌合部51と第2嵌合部41との嵌合状態を安定して維持することができる。そして、人差指配置部31・中指配置部32が形成される面における第1嵌合部51の長さを短くすることができる。
上記のような構成にすれば、挟持壁部50を主として第2嵌合部41のみで形成することが可能となる。これによって、挟持壁部の挟持部分(人差指と中指とによって挟み込まれる部分)の壁の厚さを薄くすることが可能となり、練習具をより持ち易くすることができ、筆記具や箸などの持ち方の矯正にはより効果が高くなる。
また、図22には、本参考例にかかる練習具40を構成する第1壁部材10の他の例を示す。図22に示す第1壁部材10は、第1嵌合部51が人差指配置部31・中指配置部32が形成される面とは反対側の面のみに設けられ、人差指配置部31・中指配置部32が形成される面側には設けられていないという点が、上述の第1壁部材とは異なる。
このように、本参考例にかかる練習具40は、凹状の第1嵌合部51を、上壁部12の人差指配置部31・中指配置部32が形成される面とは反対側の面のみに設けてもよい。図22に示す第1壁部材10のように、上壁部12の人差指配置部31・中指配置部32が形成される面とは反対側の面に第1嵌合部51が設けられていれば、人差指配置部31・中指配置部32が形成される面側には第1嵌合部51を設けないような構成にしても、第1嵌合部51と第2嵌合部41との嵌合状態を安定して維持することができる。
上記のような構成にすれば、挟持壁部50を第2嵌合部41のみで形成することが可能となる。これによって、挟持壁部の挟持部分の壁の厚さを薄くすることが可能となり、練習具をより一層持ち易くすることができ、筆記具や箸などの持ち方の矯正にはより効果が高くなる。
なお、上記第2壁部材20には、図21(a)に示すように、上記凸型の第2嵌合部41の側面に、位置変化用突起部が複数個設けられている。より具体的には、4個の位置変化用突起部45〜48が上記凸型の第2嵌合部41の側面に順番に並列して設けられている。この位置変化用突起部は、参考例1にかかる練習具1に設けられているものと同様に凸型の第2嵌合部41の側面に設けられている。しかしながら、本参考例においては、上記位置変化用突起部45〜48が、第2嵌合部41の先端部近傍に設けられているという点で、参考例1とは異なる。
さらに、上記凸型の第2嵌合部41の先端側には、嵌合状態支持突起部44が設けられており、該嵌合状態支持突起部44が、図15に示すように、凹型の第1嵌合部51の上端部に引っ掛かることで、使用中に嵌合状態が外れることを防止することができる。なお、上記嵌合状態支持突起部44は、凸型の第2嵌合部41の先端近く、すなわち、下壁部22の付け根を基準として、凸型の第2嵌合部41の側面において、位置決め用突起部45〜48が並んで複数個設けられている位置よりも遠い側に設けられている。
また、図示はしていないが、第1嵌合部51の貫通孔56を形成している面には、任意の位置に、参考例1において説明したような位置決め用突起部が設けられていてもよい。
上記の構成によれば、凹型の第1嵌合部51と凸型の第2嵌合部41とを嵌合させた状態で、上記位置決め用突起部と位置変化用突起部45〜48のうちの一つとを引っ掛けて噛み合わせることにより、挟持壁部50の長さを、各位置変化用突起部が設けられている位置で安定化させることができる。
上記のような位置変化用突起部45〜48が設けられていることによって、挟持壁部50の長さを適宜調節することができるだけでなく、いくつかの特定の長さで安定化させることもできる。これによって、第1嵌合部51と第2嵌合部41とが使用時に摺動して挟持壁部50の長さが変化することがなくなり、筆記具や箸の正しい持ち方をより安定して維持することができる。
本参考例2の練習具40における第1嵌合部51、第2嵌合部41、挟持壁部50以外の構成については、上述の参考例1において説明した構成を同様に適用することができる。また、本参考例にかかる練習具40の使用方法は、上述の参考例1にかかる練習具1と同様であるため、ここではその説明を省略する。
以上のように、本発明の参考例にかかる被把持棒の持ち方練習具は、板状の上壁部と、該上壁部と対向して位置する板状の下壁部と、これら上下壁部が所定の間隔を形成するために設けられる挟持壁部とを有しており、上記上壁部は、上記下壁部よりも長手方向の長さが短くなっているとともに、下壁部の端部の一つには、被把持棒の側面に当接し、被把持棒を把持した状態における該被把持棒の傾斜角度を規定する被把持棒当接部が設けられており、上壁部および下壁部との間は、挟持壁部により2つの凹部に区切られており、上記被把持棒当接部のある側の凹部を第1指配置部とし、他方の凹部を第2指配置部とし、該第1・第2指配置部に隣接する2本の指を挿入し、これら各指の位置を規定することによって、筆記具および箸を正しい持ち方に矯正する被把持棒の持ち方練習具において、上記上壁部および下壁部は、それぞれ独立して第1壁部材および第2壁部材となっており、上記第1壁部材は、上記上壁部と、該上壁部が広がる方向に対して立設するように設けられる第1嵌合部とを備え、上記第2壁部材は、上記下壁部と、該下壁部が広がる方向に対して立設するように設けられる第2嵌合部とを備えており、さらに、上記第1嵌合部および第2嵌合部は摺動可能に互いに嵌合するようになっているとともに、嵌合した状態の第1・第2嵌合部によって上記挟持壁部が形成されることを特徴とするものである。
また、上記の被把持棒の持ち方練習具は、上記の構成に加えて、上記第1嵌合部および第2嵌合部の一方が凹状になっているとともに、他方が凸状になっており、凹状の嵌合部から凸状の嵌合部を出し入れすることにより、挟持壁部の長さを変化させることができるようになっていてもよい。
また、上記の被把持棒の持ち方練習具は、上記の構成に加えて、上記第1・第2嵌合部のうち、凹状の嵌合部における開口部側には、位置決め用突起部が設けられている一方、凸状の嵌合部における側面には、位置変化用突起部が複数設けられており、凹状の嵌合部と凸状の嵌合部とを嵌合させた状態では、上記位置決め用突起部と位置変化用突起部とを引っ掛けることにより、凹状の嵌合部から凸状の嵌合部を出し入れさせて変化させた挟持壁部の長さを安定化させるという構成であってもよい。
また、上記の被把持棒の持ち方練習具は、上記の構成に加えて、上記第1・第2嵌合部のうち、凸状の嵌合部の先端側には、嵌合状態支持突起部が設けられており、該嵌合状態支持突起部は、凹状の嵌合部における開口部側に設けられる位置決め用突起部に引っ掛かることで、使用中に嵌合状態が外れることを防止してもよい。
また、上記の被把持棒の持ち方練習具は、上記の構成に加えて、上記第1・第2嵌合部のうち、凹状の嵌合部の上記開口部側かつ側面側には、凹状の嵌合部における開口部の大きさを調整するための調整溝が設けられていてもよい。
また、上記の被把持棒の持ち方練習具は、上記の構成に加えて、上記第1嵌合部が凹状になっており、上記第2嵌合部が凸状になっているととともに、凹状の上記第1嵌合部は、上壁部において、上記第1指・第2指配置部が形成される面とは反対側の面に立設していてもよい。
また、上記の被把持棒の持ち方練習具は、上記の構成に加えて、上記被把持棒当接部は、該被把持棒を配置するために凹型の形状をしていてもよい。
また、上記の被把持棒の持ち方練習具は、上記の構成に加えて、上記第1指配置部は、人差指を配置させるための人差指配置部であり、上記第2指配置部は、中指を配置する中指配置部であってもよい。
また、上記の被把持棒の持ち方練習具は、上記の構成に加えて、上記下壁部における2つの先端のうち、上記第2嵌合部の立設位置を基準として、該立設位置から一方の先端部までの長さが、他方の先端部までの長さよりも長くなっており、長いほうの下壁部の先端が被把持棒当接部となっていてもよい。
また、上記の被把持棒の持ち方練習具は、上記の構成に加えて、上記下壁部は、上記第2嵌合部が設けられている側が凸型の形状になるように湾曲していてもよい。
上記の構成によれば、挟持壁部の長さを使用者の指の厚さ(手指の手のひら側から手の甲側までの長さ)に応じて適宜調節することができる。これによれば、幼児から大人までの指の大きさを考慮して練習具自体の大きさを変化させるだけでは追いつかなかった被把持棒の持ち方練習具の挟持壁部の長さの微調整が可能となる。そして、この練習具の使用時に、各使用者の指の大きさに合わせて挟持壁部の長さを調整することによって、被把持棒の持ち方の状態を容易に正しい状態で保持することができるため、筆記具や箸などの正しい持ち方の習得にさらに有効なものとなる。
また、上記の被把持棒の持ち方練習具は、挟持壁部の長さを調整することで、一つの大きさの練習具でより幅広い年齢層の使用者を対象とすることができるため、結果的に練習具のサイズの種類を減らすことができる。
さらに、上記の被把持棒の持ち方練習具には、上記下壁部の端部のうち、指が挿入される側の端部、および/または、指が突き出される側の端部に、上記上壁部から離れる斜め方向へ延びる突出壁がさらに設けられていてもよい。これによれば、筆記具や箸などの被把持棒をより安定して、かつ、正しく保持することができるという効果を得ることができる。
〔実施の形態〕
本発明の実施の形態について図23ないし図30を用いて以下に説明する。なお、本発明は、この記載に限定されるものではない。
本実施の形態では、被把持棒の具体例として、鉛筆や筆、ボールペンなどいった筆記具、あるいは箸を挙げ、それらの正しい持ち方を習得するための被把持棒の持ち方練習具(以下、練習具と略記する)60について説明する。
図23は、本実施の形態に係る練習具60の斜視図である。上述の参考例1および2では、練習具は第1壁部材および第2壁部材という2つの部材が嵌合することによって形成されているが、本実施の形態における練習具は、1つの部材のみから構成されている。
はじめに、図23〜30を用いて、練習具60の形状について説明する。なお、図23は、練習具60の斜視図、図24(a)は練習具60の正面図、図24(b)は練習具60の背面図、図25(a)は練習具60の右側面図、図25(b)は練習具60の左側面図、図26は練習具60を上壁部側から見た平面図、図26は練習具60を下壁部側から見た平面図(底面図)である。図26(a)に示すように、練習具60は、正面側(図において紙面手前側)から見たときの断面がほぼカタカナの「エ」字状をなしている。
具体的には、本実施の形態の被把持棒の持ち方練習具60は、板状の上壁部61と、該上壁部61と対向して位置する板状の下壁部62と、これら上下壁部が所定の間隔を形成するために設けられる挟持壁部63とから構成されている。また、図26に示すように、上壁部61は、下壁部62よりも長手方向(図26においては、横方向)の長さが短くなっている。
そして、上壁部61と下壁部62との間は、挟持壁部63によって2つの凹部に区切られている。この2つの凹部のうち、片方の凹部が、使用時に人差指を配置するための人差指配置部(第1指配置部)71であり、他方の凹部が、使用時に中指を配置するための中指配置部(第2指配置部)72である。
さらに、上記下壁部62の端部のうち、指挿入方向の2つの端部(つまり、指が挿入される側の端部および指が突き出される側の端部)には、2つの突出壁(第1の突出壁73・第2の突出壁74)が、それぞれ斜め外方向へ延びるように形成されている。なお、上記各突出壁73・74は、上壁部61へ近づく斜め方向ではなく、上壁部61から離れる斜め方向へ延びている。この上壁部61から離れる斜め方向のことを、ここでは、「斜め外方向」と呼ぶ。
そして、本実施の形態にかかる練習具60においては、2つの突出壁のうち、下壁部62の表面からの角度が小さい方(図25(a)におけるθ1)の第1の突出壁73は、鉛筆の持ち方練習を行う場合に当該鉛筆を固定させるために使用される。一方、2つの突出壁のうち、下壁部62の表面からの角度が大きい方(図25(a)におけるθ2)の第2の突出壁74は、ボールペンの持ち方練習を行う場合に当該ボールペンを固定させるために使用される。突出壁73・74のより具体的な形状や配置位置、および、各種筆記具を用いて持ち方の練習を行う方法については、後ほど説明する。
上記の構成によって、人差指配置部71には人差指を、中指配置部72には中指を挿入するとともに、これらの人差指配置部71・中指配置部72に、人差指と中指の付け根から第2関節にわたる各領域(以下、この領域を練習具装着領域という)を挿入し、両指で挟持壁部63を挟み込んだ状態(練習具装着状態)では、人差指と中指との上下方向の移動が上壁部61と下壁62によって規制され、これによって、人差指と中指との各練習具装着領域が互いにほぼ平行に維持され、段違いとなるのが防止される。なお、上壁部61および下壁部62の幅方向の長さは、必ずしも指の幅に合わせる必要はなく、少なくとも指の幅の2分の1を超える寸法で形成することができる。
続いて、練習具60の各部分についてより詳細に説明する。
まず、上壁部61は、図23に示すように、挟持壁部63が設けられている側が凸型の形状になるようにやや湾曲している。これによって、人差指と中指とで挟持壁部63を挟んだときに、人差指と中指との境目に形成される凹型の形状に適合させることができ、練習具60を違和感なく使用することができる。そのため、筆記具などの持ち方の練習を行う場合に、正しい持ち方を安定して維持することができる。なお、上記上壁部61の形状は、上述の湾曲の形状以外に、たとえば、上記挟持壁部63が設けられている位置に向かって両端から傾斜するような形状(すなわち、ひらがなの「く」の字形の形状)になっていてもよい。
また、下壁部62は、図23に示すように、挟持壁部63が設けられている側が凸型の形状になるようにやや湾曲している。これによって、人差指と中指とで挟持壁部63を挟んだときに、人差指と中指との境目に形成される凹型の形状に適合させることができ、練習具60を違和感なく使用することができる。そのため、筆記具などの持ち方の練習を行う場合に、正しい持ち方を安定して維持することができる。なお、上記下壁部62の形状は、上述の湾曲の形状以外に、たとえば、上記挟持壁部63が設けられている位置に向かって両端から傾斜するような形状(すなわち、ひらがなの「く」の字形の形状)になっていてもよい。
なお、上記下壁部62のより具体的な湾曲形状の例としては、上述の長い方の先端および短い方の先端の弧の角度が、それぞれ40°および32°のものを挙げることができる。また、上記下壁部62における挟持壁部63から先端までの長さは、特に限定されるものではないが、大人から児童まで幅広い年齢の人を使用の対象とする場合には、16〜18mmの範囲内とすることが好ましい。
また、上記下壁部62の幅方向の寸法は、人差指や中指における付け根から第2関節までの練習具装着領域の長さよりも幾分短く設定されている。なお、上記上壁部61の幅方向の寸法も下壁部62の寸法と同様にして設定すればよい。
上壁部61と下壁部62の間は、挟持壁部63により2つの凹部に区切られており、一方の凹部が第1指配置部71となり、他方の凹部が第2指配置部72となる。2本の隣接する指をそれぞれ各指配置部71・72に挿入すれば、各指を正しい位置に規定することができる。なお、本実施の形態の練習具60では、鉛筆の持ち方練習を行う場合には、上記第1指配置部71には人差指を配置し、上記第2指配置部72には中指を配置して使用するため、第1指配置部を人差指配置部71、第2指配置部を中指配置部72と呼ぶ。
なお、上壁部12と下壁部22との間に設けられる挟持壁部30の長さは、人差指や中指の厚さ(手指の手のひら側から手の甲側までの長さ)とほぼ同じ長さになるように設定されることが好ましい。この点を考慮して、例えば対象とする使用者の年齢での平均的な指の厚さから、挟持壁部63の長さを決定すればよい。
次に、第1の突出壁73、および、第2の突出壁74について詳しく説明する。
2つの突出壁73・74は、下壁部62の端部からそれぞれ異なる傾き(すなわち、下壁部62の表面に対する傾斜角度がθ1あるいはθ2)を有して斜め外方向に延びている。また、この2つの突出壁73・74が設けられている上記下壁部62の端部とは、人差配置部71および中指配置部72に指が配置される場合の、その挿入方向に位置する2つの端部である。
この2つの突出壁73・74のうち、第1の突出壁73は、鉛筆の持ち方練習を行う場合に当該鉛筆の位置を固定させるために使用され、第2の突出壁74は、ボールペンの持ち方練習を行う場合に当該ボールペンの位置を固定させるために使用される。このとき、上記第1の突出壁73の下壁部62の端部からの傾きθ1は、上記第2の突出壁74の下壁部62の端部からの傾きθ2よりも、小さな角度になっている。これは、鉛筆およびボールペンを把持する場合、紙面に対する各筆記具の最適な角度はそれぞれ異なっており、θ1・θ2は、それに合わせた角度に設定されているからである。
このように、第1の突出壁73と第2の突出壁74とが、それぞれ異なる傾斜角度で配置されていることによって、鉛筆とボールペン、鉛筆と万年筆、鉛筆と毛筆などといった異なる2種の筆記具、あるいは、鉛筆と箸などといった異なる2種の被把持棒を、それぞれ最適な位置に配置した状態で保持することが可能となる。これによって、筆記具や箸などの被把持棒をより安定した状態で、正しく保持することができる。
例えば、第1の突出壁73が鉛筆の持ち方練習用であり、第2の突出壁74がボールペンの持ち方練習用である場合、上記θ1の好ましい角度は、40〜50°であり、上記θ2の好ましい角度は、70〜90°である。
なお、この練習具60を用いて鉛筆の持ち方練習を行う場合には、図28に示すように、第2の突出壁74を指が挿入される側に、第1の突出壁73を指が突き出される側に配置した状態で、中指と人差指との間に挟み込む。このとき、その部材名通り、人差指配置部(第1指配置部)71に人差指が配置され、中指配置部(第2指配置部)72に中指が配置される。
一方、この練習具60を用いてボールペンの持ち方練習を行う場合には、当該練習具60を鉛筆の場合とは逆に配置し、第1の突出壁73を指が挿入される側に、第2の突出壁74を指が突き出される側に配置した状態で、中指と人差指との間に挟み込む。このときは、その部材名とは反対に、中指配置部(第2指配置部)72に人差指が配置され、人差指配置部(第1指配置部)71に中指が配置される。
上記第1および第2の突出壁73・74の形状は、下壁部62の端部から略一定の幅を有し、下壁部62の湾曲に沿って湾曲した平板状であればよい。そして、その幅は、筆記具を持つ場合の手の握り具合が卵を握るような状態になるような大きさに設定されることが好ましく、具体的な大きさは使用対象者の年齢によって異なる。使用対象者を幼児および小学校低学年の児童とした場合には、上記幅は、10〜12mmであることが好ましい。また、この練習具60を、主として鉛筆などを把持したときの手の握り具合を把握するための道具として用いる場合は、上記θ1およびθ2をともに同じ角度に設定してもよく、このときのθ1およびθ2は、50°程度とすればよい。
また、練習具60を形成する素材については、特に限定されることはなく、従来の被把持棒の持ち方練習具の素材として使用されていたものを用いることができる。この素材の例としては、木材、金属、合成樹脂、ゴムなどを挙げることができる。合成樹脂であれば、押し出し成形によって、より安価に製作することが可能である。また、幼児から成人までの指の大きさから考えると、指の太さや大きさに合わせて、約2〜3種類の練習具60が必要になるが、この場合でも、押し出し成形の他、合成樹脂材料に対する射出成形にて大量生産を行うことで、より低廉な練習具60として製作することができる。
以上のように、本実施の形態にかかる練習具60は、下壁部62の指が挿入される方向の端部に、突出壁が斜め外方向へ延びるように設けられているものである。上記の構成によれば、筆記具や箸などの被把持棒をより安定した状態で、かつ正しく保持することができるようになる。
つまり、上記の練習具60によれば、隣接する2本の指が配置される人差指配置部71(第1指配置部)および第中指配置部(第2指配置部)72を形成している下壁部62の指挿入方向の2つの端部に第1および第2の突出壁73・74が設けられているため、隣接する2本の指(例えば、人差指と中指、薬指と小指)を軽く内側に曲げ、手の内側が卵を握った状態になるように手の形を維持することができる。上記第1および第2の突出壁73・74が、上壁部61から離れる斜め方向へ延びるような形状で設けられているため、隣接する2本の指を、被把持棒を正しく持つために必要な形および位置に確実に維持させることが可能となる。
このように、第1および第2の突出壁73・74が設けられていることにより、筆記具を正しく持つ上で重要なことの一つである「中指・薬指・小指を軽く内側に曲げ、手の内側の空間を卵を握った状態にすること、及び鉛筆を力を入れずに握ること」が保たれ、筆記時の指、手、腕の疲れも軽減される。また、上記第1の突出壁73または第2の突出壁74に筆記具を置くことによって、「鉛筆の軸を人差指の第2・第3関節の中間あたりにおく」ことが保たれる結果、文字を上手に早く書くことができ、且つ文字を書く時に指、手が疲れない。さらに、上記練習具60は、単に指の間に挟持することだけによるため違和感も少なく、このため、長時間筆記を続けることができると共に、正しい鉛筆の持ち方をより短期間で習得することができる。
上述の実施の形態では、下壁部における指が挿入される側の端部および指が突き出される側の端部の両方にそれぞれ突出壁(第1の突出壁および第2の突出壁)が設けられているものについて説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、下壁部における指が挿入される側の端部、または、指が突き出される側の端部の少なくとも何れかに突出壁が設けられていればよい。
図29、30には、指が突き出される側の端部にのみに突出壁(第1の突出壁73)が設けられている練習具60を示す。なお、図28、30に示す練習具60における突出壁以外の部分については、図23に示す練習具60と同じである。
なお、図29に示す練習具60は、図23に示す練習具60における第2の突出壁74が除かれたものであり、第1の突出壁73の形状については、図23に示す練習具60の第1の突出壁73と同じである。
一方、図30に示す練習具60は、図23に示す練習具60から第2の突出壁74が除かれただけでなく、第1の突出壁73の形状も図23に示す練習具60とは異なっている。具体的には、図30に示す練習具60は、第1の突出壁73における下壁部62の端部からの幅が一定ではなく、その長手方向の中央部付近で幅が異なっている。つまり、人差指配置部71側の第1の突出壁73の幅よりも、中指配置部72側の第1の突出壁73の幅の方が大きくなっており、その間に段差75を有している。
この幅の違いは、人差指と中指の長さの差に起因するものである。つまり、図30に示す練習具60は、第1の突出壁の人差指配置部(第1指配置部)31に対応する部分の幅と、中指配置部(第2指配置部)32に対応する部分の幅を、それぞれの指に合わせた幅にしている。これによって、筆記具を持った場合の手の握り具合をより把握し易くなる。
このように突出壁が1つだけ設けられる場合、下壁部62の表面に対する傾斜角度θ1は、一般的な筆記具に対応した角度に設定されていればよいが、筆記具の持ち方練習を行う場合には、筆記具の代表として鉛筆が選択されることが多いため、鉛筆を持つ場合に適した傾斜角度(すなわち、40〜50°)に設定されることが好ましい。また、箸の持ち方練習を行う場合には、50°程度に設定されることが好ましい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態および参考例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
つまり、本発明には、参考例1および参考例2において説明した、第1壁部材と第2壁部材という独立した2つの部材が摺動可能に嵌合することによって構成されているとともに、この第2壁部材の下壁部に、実施の形態において説明したような第1の突出壁および/または第2の突出壁が設けられているような練習具も含まれる。
このような練習具によれば、各個人の手指の大きさに応じて、指を配置する部分の大きさを調節することができるとともに、筆記具や箸などの被把持棒をより安定して、かつ、正しく保持することができるという効果を得ることができる。