JP3704750B2 - 自動車のエアバッグ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の助手席の前部のインストルメントパネル内に装備されるエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5,図6は従来のエアバッグ装置に関する。
インストルメントパネル1の助手席に面する部位に開口部2を設け、この開口部2を介して前記インストルメントパネル1の内方に、エアバッグユニット4が装備される。エアバッグユニット4のドア3とインストルメントパネル開口部2との位置合わせを向上するために、エアバッグユニット本体4とドア3を分離し、インストルメントパネル開口部2に開口部補強用ブラケット5とエアバッグユニットのドア3を組込んだ。
【0003】
又、エアバッグ4が展開するときにドア3を開放する手段は、ドア3の車両後方側(下端)に薄肉部(ティア部)6を設け、車両前方側(上端)をヒンジ部6aとして、エアバッグの展開反力によりティア部6を破断し、ヒンジ部6aを中心に回動させるものである。
この種のエアバッグは実開平5−89116号公報にも開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
エアバッグ展開時のドア開放力を保持するために、インストルメントパネルのエアバッグ開口部に補強用ブラケットを設定しているため、組立て工数及び重量増加を招くと共に、エアバッグドア並びにブラケットの交換作業に際し、インストルメントパネル車載状態での交換が困難である。
又、エアバッグ廻りのインストルメントパネルに対する衝撃(頭部の衝突)に対し、頭部に加えられる加速度(G)が高くなり、乗員の傷害値が増す恐れがある。
本発明はインストルメントパネルに対する取付けと交換の作業性を向上するエアバッグ装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、本発明はエアバッグユニット本体とエアバッグユニットのドアを分離し、エアバッグのドアをインストルメントパネル開口部に補強用ブラケットの設定なしに固定すると同時に、その固定に際し、インストルメントパネル車載状態での交換が容易なように、車両前方側(上端部)をインストルメントパネル開口部表面側より、固定できるようにしたものである。
又、エアバッグ展開時に、エアバッグのドア開放側である車両後方側(下端部)の固定において、インストルメントパネルへの結合部展開反力を軽減する構造としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施例を示す説明図、図2は図1のA−A断面図、図3は図2のV矢視図、図4はエアバッグドアの成形状態を示す断面図である。
車両のインストルメントパネル1の助手席に面する部位に開口部2を設け、この開口部2を介してエアバッグユニット本体4を装備するエアバッグユニット本体4の構造は従来のものと同様である。
【0006】
エアバッグユニット本体4とは別体に形成されるエアバッグのドア3は、樹脂材料を成形加工してつくられるものであって、インストルメントパネル1の開口部2の上端側に設けられる上端スカート部10と、開口部2の下端側に設けられる下端スカート部13を有する。
上端スカート部10は、ドア3に薄肉屈曲部を設けることによって形成される第1のティア部11と、第2のティア部12が設けられる。下端スカート部13は、複数のU字固定穴14を有する。
【0007】
インストルメントパネル1の上面の裏側には縦リブ19が設けられ、開口部2の上端部には樹脂ボス部15が設けられる。インストルメントパネル1の開口部2の下面の裏側には金属板製の補強部材18がビス7によって固定される。ドア3の下端スカート部13を取り付けるための樹脂ボス部16と、補強部材を取り付けるための樹脂ボス部17が設けられ、縦リブ20と横リブ21で補強される。
インストルメントパネル1の下部にはグローブボックス22が配設される。
【0008】
次にエアバッグ装置を装着したり、交換する作業手順を説明する。
エアバッグのドア3をインストルメントパネル1の開口部2に対して表面より下端スカート13を挿入し、上端スカート10に設けた第1のティア部11を内側に屈曲させた状態で、上端スカート10を開口部2に挿入する。次に第2のティア部12を回転中心としてエアバッグのドア3をインストルメントパネル開口部2の内方へ回転させ、上端スカート部10をインストルメントパネル表面側より、インストルメントパネルと一体に成形した樹脂ボス15に対してビス7にて固定する。そして、グローブボックスのための開口部を利用し、インストルメントパネル1の裏面より、下端スカート部13を樹脂ボス16にビス7にて固定する。前記上端スカート部10の固定は、インストルメントパネル裏面側から固定する下端スカート部13の仮保持機能も兼ねており、固定ビス7も表面側より見えないようにしたものである。
【0009】
エアバッグユニット本体4は、グローブボックス22のための開口部を利用して車体の構造部材に取り付けられる。エアバッグユニット本体4はドア3及びインストルメントパネル1とは結合されない。
エアバッグ展開においては、エアバッグのドア3は第1のティア部11を支点として、下端側が開放する方式であり、展開反力によるインストルメントパネル1への応力軽減のため、エアバッグドアの下端スカート部13のインストルメントパネルとの結合部は、樹脂ボス16側のビス固定座面をエアバッグの下端スカート部固定U字穴14より突出するように設定し、インストルメントパネル側に設定したリブ20,21とビス7との接触圧にて、エアバッグの下端スカート部13を保持させ、エアバッグのドアの膨張変形に伴うせん断力によって、下端スカート部13を開放させる構造である、さらに、エアバッグ展開による膨張変形でのインストルメントパネルの割れ防止のため、グローブボックス開口部補強用レインフォース18をエアバッグのドア下端近傍まで延長すると同時に、上端スカート部固定樹脂ボス15部に補強リブ19を設定している。
【0010】
【発明の効果】
上記構成とすることにより、エアバッグユニットのドアとインストルメントパネル開口部との合わせ向上が図れる。
エアバッグ交換時、エアバッグのドアのみの交換対応及び車載状態でのグローブボックス部のみを外すだけで、交換作業が容易にできる。
エアバッグ展開反力によるインストルメントパネル割れ防止用の開口部補強ブラケットが無いため、重量軽減及び作業工数の低減ができる。
エアバッグ展開反力によるインストルメントパネルへの入力を軽減でき、インストルメントパネルの割れが防止できる。
上記効果により、軽衝突時のリペアコストを最小限に抑えることができる。
インストルメントパネルの割れによるエアバッグ破損等によるエアバッグ性能の低下防止が図れる。
インストルメントパネルの割れによる樹脂片の飛散での乗員傷害の防止ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エアバッグユニット組立て状態を示す斜視図。
【図2】図1の組付け後のA−A線断面図。
【図3】図2の矢視V方向の矢視図。
【図4】エアバグドアの成形状態を示す断面図。
【図5】従来のエアバッグユニットの取付構造を示す斜視図。
【図6】図5のB−B断面図。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
2 開口部
3 エアバッグドア
4 エアバッグユニット
5 補強用ブラケット
6 ティア(薄肉部)
7 ビス
8 ボルト
9 溶接ナット
10 上端スカート部(車両前方側)
11 第1のティア部(第1薄肉屈曲部)
12 第2のティア部(第2薄肉屈曲部)
13 下端スカート部(車両後方側)
14 U字固定穴
15 樹脂ボス
16 樹脂ボス
17 樹脂ボス
18 補強部材
19 縦リブ
20 縦リブ
21 横リブ
22 グローブボックス
Claims (1)
- 自動車のインストルメントパネルの助手席に対向する位置に装備されるエアバッグ装置において、
インストルメントパネルのエアバッグ用の開口部の内側に取り付けられるエアバッグユニット本体と、エアバッグユニット本体とは別体にインストルメントパネルに取り付けられるドアとを有し、
ドア(3)は、インストルメントパネル(1)の開口部(2)の上端側に設けられる上端スカート部(10)と、開口部(2)の下端側に設けられる下端スカート部(13)を有し、上端スカート部(10)は、ドア(3)に薄肉屈曲部を設けることによって形成される第1のティア部(11)と第2のティア部(12)を備え、上端スカート部(10)は、ヒンジとして作用する第2のティア部(12)を介してドア(3)をインストルメントパネル開口部(2)の内方へ回転させた状態でインストルメントパネル表面側よりインストルメントパネルと一体に成形した樹脂ボス(15)に対してビス(7)にて固定され、下端スカート部は、下端が開放するU字取付穴を介してインストルメントパネルと一体に成形した樹脂ボス部(16)に対して内側からビス(7)で固定されることを特徴とする自動車のエアバッグ装置。
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