JP3704079B2 - シート排出装置及びシート排出装置を具備する画像形成装置 - Google Patents

シート排出装置及びシート排出装置を具備する画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コピー装置又は印字装置等の画像形成装置から排出される複数のシートを集積してこれを整合し、さらには、整合されたシート束を綴じる(ステイプル)等の処理を行うためのシート排出装置及びこのようなシート排出装置を具備する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置は、例えば、画像読取装置、ファクシミリ装置又はコンピュータ等のデータ処理装置から印字すべき画像データを受信し、これに基づいてシート上に印字画像を形成する。
【0003】
そして、シート排出装置は、このような画像形成装置から画像形成後のシートを受け取りこれをシート排出トレイ上に排出させるものであるが、画像形成後のシート数が複数枚の場合は、該シート束の端部を整合させると共に、必要に応じてシート束の端部をステイプリングしたり、場合によってはパンチ穴を開ける等の後処理を行う。そして、このような後処理が施されたシート束は、最終的にスタックトレイ上に順次スタックされ、オペレータに取り出されることとなる。
【0004】
このようなシート排出装置は、画像形成装置を排出する画像形成装置が種々のサイズのシートを取り扱うことが可能になっていることに対応して、同様に種々な広範なサイズのシートの後処理を行う必要がある。
【0005】
これに対応してシート排出装置も種々のサイズのシートを取り扱うこととなるが、シート束の整合基準位置は、通常、スタックトレイへのシート排出口のシート排出方向と直交する一方の端側(以下、「基準側」という)に合わせるようにしている。従って、画像形成装置は、画像形成シートをシート排出装置へ基準側に沿った位置で引き渡すようにしている。
【0006】
このために、シート排出装置におけるステイプル手段の位置は、当然のことながら、その上でシートの整合等の後処理を行うための処理トレイにおいて基準側の位置に配置されており、整合すべきシートの一方の端を整合基準に合わせるためにシートの他方の端を押圧するための押圧手段は、処理トレイにおける基準側の反対側に配置されることとなる。そして、シート束の整合基準は、通常、1箇所の固定位置に設定され、このために処理トレイの基準側には前記整合基準を規定するための整合基準部が設けられることとなる。
【0007】
ところで、画像形成装置及びシート排出装置内のシート搬送機構においては、通常2箇所に配置された上下の対ローラによってニップされた状態でシートが搬送される。ここで、当該2箇所の対ローラは、シートの中心から等間隔の位置に配置されていることが望ましい。これは、二つの対ローラが、シートの中心から著しく相違する位置にあると、シートの搬送方向が不安定になったり、シートが斜行してジャムする危険性が高まるからである。しかしながら、上記のように、画像形成装置及びシート排出装置は、種々のサイズのシートを取り扱うが、このような種々のサイズのシートを装置の一方の端の基準側に寄せて搬送し排出している。このため、所定の横幅方向のサイズよりも小さいシートは、前記2箇所の対ローラの配置位置の中心から著しくオフセットした状態にてニップされたり、基準側と反対側の一方の対ローラによるニップが外れてしまうこととなる。
【0008】
このため、例えば、特開平2−276691号(第1の従来技術)は、装置の両サイド側から1対のジョガーフェンス(押圧手段)が、シートを装置の中央に寄せようにして整合するように構成された画像形成後処理装置を開示している。
【0009】
また、特開平10−109809号(第2の従来技術)に記載の用紙後処理装置は、図11に示すように、整合基準を定めるサイドフェンス408と本願の押圧手段に相当するジョガーフェンス402を個別の駆動部により独立させ、コピー用紙のサイズによって移動可能にしステイプラ400をサイドフェンス408と一体に移動するようにしている。このため、この第2の従来技術においては、ジョガーフェンス402、サイドフェンス408は、ステイプルトレイ401に用紙排出方向の直交方向に固定されているガイド軸417に沿って移動する。ジョガーフェンス402は、駆動ステッピングモータ414によって、タイミングベルト415を介して移動し、サイドフェンス408は、駆動ステッピングモータ411、タイミングベルト412によって移動する。そして、コピー用紙がステイプルユニットに搬送され、コピー用紙後端がステイプルトレイに収まると、ジョガーフェンス402がコピー用紙端面をサイドフェンス408の方向に移動して整合するように構成している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これ等の従来技術に係る後処理装置はその機構が非常に複雑であって、前記第1の従来技術を簡易にした第2の従来技術の装置であっても、整合基準を規定するサイドフェンス408及びステイプラ400を作動させる機構と、これと別個のサイドフェンス408に用紙を移動させるためのジョガーフェンス402を作動させる機構がきわめて複雑であって、このためコストの低減と装置サイズの小型化を困難にしていた。
【0011】
また、サイドフェンス408とステイプラ400が一体的に移動するために、シート束に施される綴じ位置は安定するものの、整合位置がステイプラの移動に伴って移動するものであって、二つの作動機構の構成が複雑であってタイミングベルト411,414等の緩みやすべり等によって整合基準位置の長期的安定性に欠け、ひいては整合性に問題が生じることとなる。
【0012】
このため、本発明は、広範なサイズのシートを取り扱うことを可能とするためにシートサイズに応じて整合基準が複数の固定位置に形成され、且つこれを簡易な機構で整合性能の長期的安定を可能とするシート排出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のシート排出装置は、画像形成装置から排出されるシートを載置するトレイ手段と、前記トレイ手段上のシートの一端を揃えるための基準位置が各々異なる複数の基準部材からなる整合基準手段と、前記整合基準手段にシートを移動させてシートの一端を揃える整合手段とを備えている。これにより、1つの整合基準部材が複数の基準位置に移動するために停止位置がずれて正確な整合ができない従来装置に比べて正確な基準位置でシートを整合することができる。
【0014】
そして、前記基準位置に対応した後処理位置に移動し整合したシートに所定の後処理を施す後処理手段とを備え、少なくとも、前記整合手段から最も離れた基準位置にある基準部材を除いた基準部材は、前記トレイ手段上のシートの一端と係合する係合位置と前記係合位置から退避した退避位置との間で移動自在に支持する。更に、この基準部材を前記退避位置に選択的に移動させる移動手段を作動し、前記後処理手段を後処理位置に移動する共通の駆動手段を備えた。これにより、係合位置と退避位置との間での基準部材の移動と後処理手段の移動を同一の駆動手段で動作させることができ、装置の更なる小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0015】
これにより、1つの整合基準部材が複数の基準位置に移動するために停止位置がずれて正確な整合ができない従来装置に比べて正確な基準位置でシートを整合することができ、更には正確に整合されたシートに対して正確な位置に所定の後処理を施すことができる。
【0017】
これにより、全ての基準部材若しくは整合手段から最も離れた基準部材を除く全ての基準部材が基準位置において、係合位置と退避位置の間で移動する構成になっていることから、基準位置自体がずれることがなく、正確な整合、後処理を実施できる。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明のシート排出装置は、シートが排出される際の排出基準若しくはシートサイズに応じて前記基準位置を異ならせるように、前記各基準部材を前記退避位置に選択的に移動させる移動手段を備えている。
【0019】
これにより、例えばシートが整合される方向において小さいサイズのシートほど、整合手段に近い基準部材を使用して、シートが整合される際に移動する距離を少なくすることができ、整合に要する時間を短縮し、整合時のシートのジャムの危険性を少なくするとができる。
【0021】
上記目的を達成するため、本発明のシート排出装置は、前記移動手段は前記後処理手段と共に移動する圧接部材と、前記後処理手段の移動に応じて前記圧接部材と係合することよって前記基準部材を前記係合位置に移動し、前記圧接部材との係合が外れることによって前記基準部材を退避位置に移動する当接部材によって構成される。
これにより、後処理手段の移動によって基準部材を係合位置と退避位置との間で移動することができ、装置の更なる小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0022】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、画像形成部から排出されるシートを載置するトレイ手段と、前記トレイ手段上のシートの一端を揃えるための基準位置が各々異なる複数の基準部材からなる整合基準手段と、前記整合基準手段にシートを移動させてシートの一端を揃える整合手段と、前記基準位置に対応した後処理位置に移動して整合されたシートに所定の後処理を施す後処理手段とを備える。少なくともシートのシートサイズ若しくはシートが排出される排出基準を表わす信号を送信する送信手段と、前記整合手段から最も離れた基準位置にある基準部材を除いた前記複数の基準部材を、前記収納手段上のシートの一端と係合する係合位置と前記係合位置から退避した退避位置との間で移動自在に支持する支持手段と、前記支持手段によって支持された基準部材を前記係合位置と前記退避位置との間で移動させる移動手段と、前記移動手段を作動し、前記後処理手段を後処理位置に移動する共通の駆動手段とを備え
前記送信手段からの信号に応じて前記各基準部材を前記退避位置に選択的に移動させて前記基準位置を異ならせるように前記駆動手段を制御する制御手段とを備えている。
【0023】
これにより、例えばシートが整合される方向において小さいサイズのシートほど、整合手段に近い基準部材を使用して、シートが整合される際に移動する距離を少なくすることができ、整合に要する時間を短縮し、整合時のシートのジャムの危険性を少なくするとができる。
【0025】
また、前記後処理手段を移動し、前記移動手段を作動させる共通の駆動手段を備えることにより、係合位置と退避位置との間での基準部材の移動と後処理手段の移動を同一の駆動手段で動作させることができ、装置の更なる小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0026】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、前記移動手段は前記後処理手段と共に移動する圧接部材と、前記後処理手段の移動に応じて前記圧接部材と係合することよって前記基準部材を前記係合位置に移動し、前記圧接部材との係合が外れることによって前記基準部材を退避位置に移動する当接部材によって構成されている。
【0027】
これにより、後処理手段の移動によって基準部材を係合位置と退避位置との間で移動することができ、装置の更なる小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のシート排出装置及びシート排出装置を具備する画像形成装置の実施形態を図面参照の上で詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態の全体構成を示す概要図である。
図1において、複写機やプリンタなどの画像形成装置Gと、シート排出装置としてのシート排出装置11とから構成されている。シート排出装置11は、画像形成装置Gに着脱可能な構造である。
【0030】
図1に示す画像形成装置Gは、既知の複写機やプリンタ等の要部構成を示しており、自動原稿フィーダ(ADF)1の下部にスキャナ(画像読取装置)2が設けられている。スキャナ2の下部に画像生成部(プリンタエンジン)3が配置されている。
【0031】
図2は、シート排出装置11の要部の外観構成をカバーを外した状態で示す斜視図であり、図3はシート排出装置11の要部の内部構成を示す側面図である。
【0032】
図1及び図2において、シート排出装置11には、本体装置12と、この本体装置12の一方の側部フレームに配置されたシート束を綴じるためのステイプルユニット13と、本体装置12の他方の側部フレームに配置される駆動力伝達機構14とが設けられる。
【0033】
本装置には、画像形成装置Gから排出された画像を形成したシートが供給される受入口18と、受入口18から供給されたシートSを反転する反転トレイ50と、受入口18と反対側の面に形成した排出口20と、この排出口20から排出されるシートSを集積する集積トレイ15が備えられる。
【0034】
そして、シートSを反転する反転トレイ50が、集積トレイ15の下方位置に設けられている。集積トレイ15はシート排出装置11の上方に設けられていて、集積トレイ15の下方は空きスペースであった。この空スペースに反転トレイ50を配置することにより画像形成装置G側の省スペース化が実現でき、シート排出装置11の小型化を可能にしている。
【0035】
尚、画像形成装置Gによってはシートの表裏を反転させるためのスイッチバック経路と反転手段を設ける必要はないが、本実施の形態では、反転機能を有するものとして、以下説明する。
【0036】
ステイプルユニット13は、シートS束の端部をステイプルで綴じるものであり、これに替えてパンチ穴を穿孔するための穿孔ユニットやシートS束の端部に糊を付ける糊付けユニット等の他の後処理手段を配置するようにしても良い。ここでは、ステイプル手段を有するものとして説明する。
【0037】
本体装置12の内部には、受入口18からのシートSを内部に導入し反転トレイ50に導く第1搬送経路300と、この反転トレイ50から排出口20を経由して集積トレイ15へシートを反転して排出するための反転手段としての第2搬送経路302と、この第2搬送経路302と段差を隔てるとともに搬送方向をスイッチバックさせてシートSを一時収納する収納手段としての処理トレイ39内へシートSが搬送する第3搬送経路303とを有している。
【0038】
処理トレイ39では、前記したステイプルユニット13によるステイプリングを行うとともに、シートSの束の端面を一致させる整合を、例えば、押圧駆動部材(図示せず)によって行うためのものである。
【0039】
次に、本装置において、シートが画像形成装置側から受領し、それを集積及び整合してステイプリングするまでの流れについて説明する。
【0040】
シートSは、第2から第3搬送経路303に沿ってスイッチバック搬送され、処理トレイ39に複数枚載置されて整合される。そして、ステイプルユニット13によってステイプリングがなされた後に、集積トレイ15にシートSの束が排出される。
【0041】
第1搬送経路は、シートの端を検出する入口センサ21と入口ローラ180を有してスイッチバック搬送経路301に延伸している。スイッチバック搬送経路301はスイッチバックローラ181とシートの端を検出する反転センサ185を有しており反転トレイ50に延伸している。
【0042】
第2搬送経路302には、第3搬送経路303へシートSを搬送するエンドレス搬送ベルト28を有している。エンドレス搬送ベルト28の下方には、処理トレイユニット30が設けられている。この処理トレイユニット30は、エンドレス搬送ベルト28が回転してシートSを順次が引き込んで所定枚数のシートSの束ごとにステイプルユニット3によってステイプリングを行うために、シートSを一時載せ置くものである。さらに、整合手段としての押圧手段205と対向する処理トレイ39の一方の側部には、固定の整合基準部材が形成されている。
【0043】
第2搬送経路302は、スイッチバック搬送経路301から湾曲して搬送ローラ182に至り、搬送ローラ182から搬送ローラ183の第2搬送経路302は略垂直に直立して設けられ、搬送ローラ183から湾曲して排出口20に向けて設けられている。
【0044】
また、第2搬送経路302の上方には、パドル駆動ローラ軸を軸支点として上下に回転する回動ユニット24が設けられている。この回動ユニット24は、処理トレイユニット30内のシートSの束を集積トレイ15に排出するときに、下方位置に移動し、シートSを処理トレイユニット30への第3搬送経路303へ導く場合には上方位置に移動する。
【0045】
また、回動ユニット24内には、従動排出ローラ(束排出ローラ)25が設けられている。この従動排出ローラ25は、シートS又はシートSの束を排出口20から集積トレイ15に排出するためのものである。排出口20には、従動排出ローラ25と対向して排出ローラ36が配置されている。
【0046】
この排出ローラ36の下方には、集積トレイ15に集積するシートSの端縁を規制するシート突き当て部材12aが、本体装置12の正面フレームと一体的に構成されている。このシート突き当て部材12aの排出ローラ36に近接したシート突き当て部材12aの上方位置から集積トレイ15に向かって出没するシート押えレバー78が設けられている。このシート押えレバー78は、シートS又はシートSの束が排出ローラ36と従動排出ローラ25によって排出される毎に、集積トレイ15に向けて突出するように移動する。
【0047】
ここで、本発明におけるシート排出装置11におけるステイプルユニット13及び処理トレイ39の構成について説明する。
【0048】
上述したように、第1搬送経路301から搬送されるシートSはエンドレス搬送ベルト28で第3搬送路303を経て処理トレイ39に載置される。シートSのサイズは複数のサイズがあり、シートSが排出される排出基準もセンター基準、フロント片側基準、リア片側基準等複数の排出基準がある。これらサイズや排出基準の異なるシートに応じた整合基準位置で整合し、この整合基準位置に応じた後処理位置に移動したステイプルでシートSの所定の位置を綴じる。
【0049】
シートSの整合は、処理トレイ上のシートの端をシート排出方向に直行する一つの方向の整合基準に合わせるために、シートSを整合基準の方向に移動させるための押圧手段205によって押圧して整合する。
【0050】
本発明のシート排出装置11においては、処理トレイ39にシートSのサイズに合わせて昇降させることが可能な整合基準手段としての整合部材101を設け、ステイプルユニット13は、シートSサイズに合わせて本体装置12の正面から見て左右に移動する。且つ、処理トレイの1部であるスライドトレイ202がステイプルユニット13と一体的に構成されて連動する。この実施の形態の例では、収納手段上のシートの一端と係合する係合位置と前記係合位置から退避した退避位置との間で移動自在な整合基準部材を整合部材101ひとつとしているが、整合基準位置の異なる複数個所に設けて、取り扱うシートサイズ、シート排出基準に応じて選択的に整合基準位置を変化させることが、同様の構成により可能であることはいうまでもない。
【0051】
又、本実施例では、整合手段としての押圧手段205から最も離れた基準位置にあり、処理トレイ39の一方の側部に形成された整合基準部材は固定に設けられているが、他の整合基準部材同様、前記収納手段上のシートの一端と係合する係合位置と前記係合位置から退避した退避位置との間で移動自在に構成してもよい。
【0052】
処理トレイ39のステイプルユニット側の一部は、ステイプルユニット13が移動可能となるように切り欠かれ、ステイプルユニット13の移動経路として切欠部201が形成されている。この切り欠きがないと移動したステイプルユニット13が処理トレイ39をステイプルしてしまうことになる。ステイプルユニット13にはこの切り欠き部分に相当するスライドトレイ202が固着され一体に形成されている。
【0053】
このスライドトレイ202は、ステイプルユニット13の移動に伴い、スライドトレイ202も移動して処理トレイ39の切欠部201の部分を埋めてシートSパス面を確保する。
【0054】
処理トレイ39は、シートの排出方向の端を揃えるための先端規制部材209が設けられ、スライドトレイ202にも、先端規制部材と協同して前記シートの排出方向の端を規制するための同様の規制部材が設けられている。さらに、前記処理トレイ39のスライドトレイ202の少なくとも一方は、さらに、整合されるシートの撓み上がりを防止するためのウェイト204が構成されている。このウェイト204はステイプルユニット13の移動に追従して移動する構成でありシートサイズが変更されてもシート面から外れることがない。又、ウェイト204は、スライドトレイ202の上方支持部202aでシートを押さえる位置に設定されているので、スライドトレイ202の下方支持部202bでシートを押さえた場合のように、上方支持部202aと下方支持部202bとの高さ方向のギャップにシートSを押し下げて整合手段としての押圧手段205による整合作用を妨害することがなく、ステープルユニット13の処理部にシートSを確実に導くことができる。
【0055】
ここで、本発明のシート排出装置11における整合基準手段として、シートSのサイズに合わせて昇降させる回動可能な整合部材101について説明する。
【0056】
図4及び図5は、シート排出装置11の処理トレイ39の部分とステイプルユニット13の部分を拡大した斜視図である。
【0057】
画像形成装置GからシートSの搬送とともに、シフト動作(ここでは前記したシフト動作におけるステイプリング)、シートSのサイズ、シートSの排出基準によるステイプルユニット13の動作の要求信号がシート排出装置11に転送されてくる。この信号によりシフト動作モードとストレート動作モードの切替えを行ない、ステイプルユニット13の現在の停止位置と新たに要求された位置とから判断して移動の必要があるときは要求に対応した位置にステイプルユニット13の移動を行う。
【0058】
ここで、シートSのサイズによる、ステイプルユニット13の移動及び整合部材101の昇降を行うためのシートSのサイズ判断基準例を示す。
【0059】
ステイプルユニット13の移動条件をシートSのサイズにより設定する。
例えば、大きいシートのグループをAグループ、小さいシートのグループをBグループとする。
【0060】
Aグループのシートザイズは、A3,B4,A4LEF、B5LEF、LD、LTLEF、八開、7.25X10.5LEF(Exective)である。
Bグループのシートサイズは、A4SEF、B5SEF、A5LEF、8.5x14(LG)、8.5x13、LTSEF、STLEFである。
【0061】
Aグループの際は、ステイプルユニット13は整合基準側にあり、整合部材101は押し上げられない。
Bグループの際は、ステイプルユニット13は整合部材101側に押し込まれ、整合部材101は押し上げられる。
【0062】
図4においては、処理トレイ39とステイプルユニット13は、大きいサイズであるAグループのシートSを処理する状態を示している。整合部材101は下降して、処理トレイ39のトレイ面と可動可能な整合部材101のトレイ面とは同一平面を形成している。このステイプルユニット13の位置がステイプルユニット13のホームポジションである。図5は、処理トレイ39とステイプルユニット13は、小さいサイズのシートSを処理する状態を示している。処理トレイ39の可動可能な整合部材101は、ステイプルユニット13が移動してステイプルユニット13に設けられた押上部材102により上方に押し上げられて上昇している。移動して押し上げられた整合部材101がシートSサイズに合わせた整合基準となる。処理トレイ39の幅はシートに合わせて狭くなっている。
【0063】
図6は、シート排出装置11に形成された搬送ローラ107の駆動とステイプルユニット13の移動を行う駆動伝達機構14の概略図である。
【0064】
次に、ステイプルユニット13の移動機構について説明する。
画像形成装置Gから小さいサイズのシートSに対応する動作の要求信号がシート排出装置11のマイクロプロセッサ11Aに転送されてくる。入口モータ110は逆回転駆動を始める。入口モータ110は、正転時には入口ローラ180を駆動している。回転はベルト111で駆動される搬送ローラ回転軸107を介してワンウェイギヤ108に伝える。その回転は、ワンウェイギヤ108を介してウォームギヤ106に伝えられ、さらにウォームギヤ106はウォームホイール104を回転させる。
【0065】
ウォームホイール104の上部に設けられた凹状の回転盤105の周縁の内側には、これに接して回動可能に連結したクランクレバー103が設けられている。このクランクレバー103の他方端はステイプルユニット13に回動可能に接続されている。
【0066】
ウォームホイール104が回転すると、クランクレバー103の連結部は回転盤105の回転とともに回転盤105の周縁に沿って摺動する。回転盤105の回転運動がクランクレバー103により直線運動に変換される。クランクレバー103はピストン運動をすることになる。図4のクランクレバー103の連結部は集積トレイ15側からみてウォームホイール104のステイプルユニット13の外側にあり、ステイプルユニット13はホームポジション位置にある。図5では、ウォームホイール104の回転に従いクランクレバー103とウォームホイール104との連結部は本体装置12の整合部材側101にある。
【0067】
これでクランクレバー103はシート排出装置11の本体装置12側に押し込まれる。クランクレバー103に連結されたステイプルユニット13はクランクレバー103に押され本体装置12側の整合部材側101に移動する。
【0068】
図4及び図5に示すように、ステイプルユニット13には、整合基準手段としての整合部材101をシートの一端と係合して規制する係合位置とこの係合位置から退避した退避位置との間で昇降させる押上部材102が設けられている。シート排出装置11のマイクロプロセッサ11Aがステイプルユニット13の動作の要求信号を受けるとステイプルユニット13移動の動作が始まる。ステイプルユニット13が移動するとステイプルユニット13に設けられている押上部材102は、ホームポジションセンサ108から開放されてステイプルユニット13と共に移動する。
【0069】
整合部材101の一端は処理トレイ39にビス等の結合部材で回動可能に結合支持されている。押上部材102は、整合部材101の当接部109を押し上げる押動部120に所定の角度が設けられ、移動とともに整合部材101の当接部109を押し上げるように形成されている。整合部材101は、整合面112が形成されており固定の整合基準と同様な整合基準機能を有する。
【0070】
また、上述した動作と逆にA5サイズのシートS処理位置からA3サイズのシートS処理への切替の時は、画像形成装置GからA3サイズのような大きなサイズのシートSに対応する動作の要求信号がシート排出装置11に転送されてくる。シート排出装置11がステイプルユニット13の動作の要求信号を受けるとステイプルユニット13移動の動作が始まる。ステイプルユニット13が移動開始するとステイプルユニット13に設けられている押上部材102は、ステイプルユニット13と共に移動してホームポジションセンサ108に接合する。このとき押上部材102の押動部120は整合部材101の当接部109を離れ、整合部材101は回動して下方に移動する。整合部材101の面は処理トレイ39のトレイ面と同一のレベル面となる。
このようにしてシートSは大きさに合わせた整合基準で整合ができる。
【0071】
本発明においては、上述した通り処理トレイ39に固定の整合基準と昇降可能な整合部材101の整合基準とを有している。整合基準と昇降可能な整合部材101の位置はシートが整合される方向においてスライド移動しないのでそれらの整合基準位置がずれることはない。
【0072】
さらに、2箇所の対ローラは、シートの中心から等間隔の位置に配置されていることが望ましい。これは、二つの対ローラ300、301が、シートの中心から著しく相違する位置にあると、シートの搬送方向が不安定になったり、シートが斜行してジャムする危険性が高まる。本願の、画像形成装置及びシート排出装置は、種々のサイズのシートSに合わせて昇降可能な整合部材101を昇降させ、整合する位置を変えてシートSを搬送し排出している。このため、所定の横幅方向のサイズよりも小さいシートでも、前記2箇所の対ローラ300、301の配置位置の中心にニップされるので、基準側と反対側の一方の対ローラによるニップが外れてしまうことはない。
【0073】
このため、シートSのサイズに合わせて整合基準及び押圧手段205を移動する必要がない。整合基準及び押圧手段205の位置を移動するための駆動手段を設ける必要がなく駆動機構が簡単となる。
【0074】
尚、押上部材102及び当接部109はそれぞれステイプルユニット13及び整合部材101と一体でなくてもよく、ステイプルユニット13の移動にあわせて押上部材102が移動し、整合部材101と別体の当接部109と当接して整合部材を押し上げるものであってもよい。
【0075】
このようにして、本発明のシート排出装置は、処理するシートSに対応して画像形成装置Gから送られた動作信号に基づきステイプルユニット13を移動し、整合部材101を昇降してシートに合わせたトレイ幅で整合することができる。
【0076】
第2搬送経路302から搬送されるシートを処理トレイ39に載置して、押圧手段205でシートの端を押圧して整合する。
【0077】
整合動作は次のように行われる。処理トレイ39にシートが搬送されると、整合モータ(図示しない)が正回転駆動し、その回転が整合ベルト113を介して押圧手段205に伝えられ、押圧手段205は移動してシート端を押圧して整合する。1回目の整合が終了すると整合モータ(図示しない)は逆回転駆動して、押圧手段205をシート端から離す。2回目の整合のため同様に、整合モータ(図示しない)が正回転駆動し、その回転が整合ベルト113を介して押圧手段205に伝えられ、押圧手段205は移動してシート端を押圧して整合する。
【0078】
整合が終了すると整合モータ(図示しない)は逆回転駆動して、押圧手段205をシート端から離す。整合モータ(図示しない)は停止し、次のシートが処理トレイ39に搬送されてくるのを待つ。
【0079】
所定の枚数の搬送が行われ整合が終了するとステイプル手段でシート束を綴じ排出ローラ36とパドル駆動ローラ軸を軸支点として上下に回動する回動ユニット24とで処理トレイユニット30内のシートSの束を集積トレイ15に排出する。
【0080】
次に、本発明に対応した実施形態の動作について図7、図8、図9のフローチャートに基づき説明する。図10は本装置内の駆動機構を示す概略図である。
【0081】
ステイプル処理を開始すると(S1)、まずシートSサイズの情報からステイプルユニット13の移動の必要を判定する(S2)。移動が必要であればステイプルユニット13の移動動作を行う(S3)。ステイプルユニット13の移動は、シートSサイズが変更された時に移動を行う。例えばA3からA4SEFにシートサイズが変更されたされた時ステイプルユニット13の移動を行う。またA4SEFからA3に変更された時も同様にステイプルユニット13の移動を行う。
【0082】
ステイプルユニット13の移動条件をシートSのサイズにより設定する。
大きいシートサイズのAグループの時は、ステイプルユニット13はホームポジションで、整合部材101は押し上げられていない。
【0083】
小さいシートサイズのBグループの時は、ステイプルユニット13は本体装置12側に押し込まれ、整合部材101は押し上げられている。
【0084】
次に、入口モータ110及び搬送モータ160は正回転駆動を始める(S4)。
【0085】
まず、入口センサ21がシートS有無を検出する(S5)。シートSがあると入口ローラ180によりシートは第1搬送経路300に搬送される。シートSの所定距離の搬送が検知されると反転モータ161が正回転を開始する(S6、S7)。シートの後端部が入口センサから離れたことを検出すると、反転モータ161が回転を加速する(S8、S9)。シートSはスイッチバックローラ181により反転トレイ50に導かれる。所定の距離を搬送される(S11)と、反転モータ161は停止する(S11)。次に反転モータ161は逆転駆動を開始する(S12)。
【0086】
シートSは入口から取り入れられた時の上面が反転されて反転トレイ50から第2搬送経路302を搬送される。所定距離の搬送が検知される(S22)と、パドルソレノイドがオンの状態になり回動ユニット24が上方位置に回動しシートSを処理トレイ39に導く(S23、S24)。シートSは処理トレイ39に集積されている。
【0087】
シートSの所定距離搬送が検知されると(S25)、この集積されたシートSの整合を行う(S26)。シートSの整合はシートSを処理トレイ39の基準側に押圧手段205で押圧して整合する。最終シートSでない場合は同様の動作を最終シートSを検知するまで符号S5ステップから繰り返す(S29)。
【0088】
最終シートSの場合は、回動ユニット24が下降を開始する(S28)。所定距離搬送すると搬送モータが停止する(S31)。ここでステイプラモータ(図示しない)がオンになりステイプラ綴じを行う(S32)。ここで搬送モータ160が正転駆動を開始する(S33)。先に下方に位置している回動ユニット24の排出ローラ25に駆動を伝える(S34)。ステイプリングされたシートS束は集積トレイ15に排出される。シートS束の排出が終わると入口モータ110、搬送モータ160は停止してステイプル処理が終わる(S36、S37)。
【0089】
以上詳しく説明したように、本発明に係るシート排出装置においては、収納手段上のシートの一端を揃えるための基準位置が各々異なる複数の基準部材の内、少なくとも、整合手段から最も離れた基準位置にある基準部材を除いた前記複数の基準部材を、収納手段上のシートの一端と係合する係合位置と係合位置から退避した退避位置との間で移動自在にし、シートが排出される際の排出基準若しくはシートサイズに応じて前記基準位置を異ならせるように、例えば、使用する基準部材以外の前記各基準部材を前記退避位置に選択的に移動させる移動手段を動作させる共通の駆動手段を備えている。
【0090】
これによって、広範なサイズのシートを取り扱えることを可能とすると共に、整合基準が複数の固定位置に形成されることとなる。さらに、整合されたシート束の端部を綴じるためのステイプル手段は、整合するシートサイズやシートの排出基準に応じて、ホーム位置から前記整合部材側に移動可能に構成される。
【0091】
これによって、本発明は、より簡易な機構で整合性能の長期的安定を可能とするシート排出装置を実現したのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の全体構成を示す模式図である。
【図2】 図1のシート排出装置の要部外観構成を示す斜視図である。
【図3】 図1のシート排出装置の要部内部構成を示す側面図である。
【図4】 本シート排出装置の処理トレイの部分とステイプルユニットの構成部分を拡大した斜視図で整合部材が下降した状態を示す。
【図5】 本シート排出装置の処理トレイの部分とステイプルユニットの構成部分を拡大した斜視図で、整合部材が上昇した状態を示す。
【図6】 本シート排出装置に形成された搬送ローラの駆動とステイプルユニットの移動を行う駆動伝達機構の概略図である。
【図7】 本シート排出装置におけるシフト動作モード(ステイプリング)を説明するブロック図(その1)である。
【図8】 本シート排出装置におけるシフト動作モード(ステイプリング)を説明するブロック図(その2)である。
【図9】 本シート排出装置におけるシフト動作モード(ステイプリング)を説明するブロック図(その3)である。
【図10】 本シート排出装置内の駆動機構を示す概略図である。
【図11】 従来技術に係るシート排出装置の例を示す。
【符号の説明】
G 画像形成装置
GA,11A マイクロプロセッサ
3 画像生成部
11 シート排出装置
12 本体装置
13 ステイプルユニット
15 集積トレイ
25 従動排出ローラ
30 処理トレイユニット
36 排出ローラ
39 処理トレイ
40 センサレバー
50 反転トレイ
101 整合部材
102 押上部材
103 クランクレバー
104 ウォームホイール
106ウォームギヤ
108 ホームポジションセンサ
109 当接部
110 入口モータ
202 スライドトレイ

Claims (4)

  1. 画像形成装置から排出されるシートを載置するトレイ手段と、
    前記トレイ手段上のシートの一端を揃えるための基準位置が各々異なる複数の基準部材からなる整合基準手段と、
    前記整合基準手段にシートを移動させてシートの一端を揃える整合手段と、
    前記基準位置に対応した後処理位置に移動して整合されたシートに所定の後処理を施す後処理手段と、を備え
    少なくとも、前記整合手段から最も離れた基準位置にある基準部材を除いた基準部材は、前記トレイ手段上のシートの一端と係合する係合位置と前記係合位置から退避した退避位置との間で移動自在に支持され、
    この基準部材を前記退避位置に選択的に移動させる移動手段を作動し、前記後処理手段を後処理位置に移動する共通の駆動手段を備えたことを特徴とするシート排出装置。
  2. 前記移動手段は前記後処理手段と共に移動する圧接部材と前記後処理手段の移動に応じて前記圧接部材と係合することよって前記基準部材を前記係合位置に移動し、前記圧接部材との係合が外れることによって前記基準部材を退避位置に移動する当接部材によって構成される請求項記載のシート排出装置。
  3. シートに画像を形成する画像形成部と、
    画像形成部から排出されるシートを載置するトレイ手段と、
    前記トレイ手段上のシートの一端を揃えるための基準位置が各々異なる複数の基準部材からなる整合基準手段と、
    前記整合基準手段にシートを移動させてシートの一端を揃える整合手段と、
    前記基準位置に対応した後処理位置に移動して整合されたシートに所定の後処理を施す後処理手段と、
    少なくともシートのシートサイズ若しくはシートが排出される排出基準を表わす信号を送信する送信手段と、
    少なくとも、前記整合手段から最も離れた基準位置にある基準部材を除いた前記複数の基準部材を、前記収納手段上のシートの一端と係合する係合位置と前記係合位置から退避した退避位置との間で移動自在に支持する支持手段と、
    前記支持手段によって支持された基準部材を前記係合位置と前記退避位置との間で移動させる移動手段と、
    前記移動手段を作動し、前記後処理手段を後処理位置に移動する共通の駆動手段と、
    前記送信手段からの信号に応じて前記各基準部材を前記退避位置に選択的に移動させて前記基準位置を異ならせるように前記駆動手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記移動手段は前記後処理手段と共に移動する圧接部材と前記後処理手段の移動に応じて前記圧接部材と係合することよって前記基準部材を前記係合位置に移動し、前記圧接部材との係合が外れることによって前記基準部材を退避位置に移動する当接部材によって構成される請求項記載の画像形成装置。
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