JP3701034B2 - 耐水性接着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水性エマルジョン、ポリビニルアルコール、イソシアネート基を有する化合物またはその重合物を配合してなる接着剤において、特定の組成を有する、エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョンを用いる事を特徴とする耐水性接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ホルマリンを含有しない耐水性接着剤として、水性エマルジョン、ポリビニルアルコールおよびイソシアネート基を有する化合物またはその重合物を配合してなる接着剤が広く用いられている。
【0003】
例えば、特公昭51−30577号公報には、イソシアネート系化合物を溶剤に溶解したものをポリビニルアルコールを含む水溶液または水性エマルジョンに分散せしめてなる耐水性接着剤が開示されており、水性エマルジョンとしては、酢酸ビニル系重合体エマルジョンまたは酢酸ビニル系共重合体エマルジョン(エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンなど)が記載されている。
【0004】
また、特公昭56−15418号公報には、ポリビニルアルコールを含む水溶液または水性エマルジョンに有機酸およびイソシアネート系化合物またはイソシアネート系重合物を配合してなる組成物が開示されている。ここで水性エマルジョンとしては、酢酸ビニル系重合体エマルジョン、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、ブタジエン−アクリルニトリル共重合体エマルジョン、クロロプレンラテックス、ポリアクリル酸エステルラテックス、ブチルゴムラテックス、ポリブタジエンラテックス、ポリ塩化ビニルエマルジョン、ポリ塩化ビニリデンエマルジョンが例示され、当該エマルジョンは、ポリビニルアルコール水溶液を配合したもの、もしくはポリビニルアルコールを保護コロイドとして用いたものである事が示されている。
【0005】
また、特公昭57−16149号公報には、エチレン・酢酸ビニル系共重合体水性エマルジョンに、ポリビニルアルコールおよびイソシアネート基を有する化合物を疎水性溶剤に溶解したものを配合してなる接着剤が開示されている。ここでエチレン・酢酸ビニル系共重合体エマルジョンとはエチレン・酢酸ビニル共重合体、あるいはこの共重合体にアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などの不飽和酸およびこれらのエステルを共重合させた共重合体エマルジョンと示されている。
【0006】
また、特公昭55−18759号公報には、カルボキシル化SBRまたはカルボキシル化NBRを主成分とするラテックスにイソシアネートまたはイソシアネート重合物を配合してなる耐水性接着剤が開示されている。
【0007】
上記公知文献のエマルジョンでは、本発明の目的である、耐水接着剤として、初期接着性に優れ、かつ耐水性、耐沸水性等の全ての要求物性を満足するものは見い出されていない。
【0008】
即ち、当該耐水性接着剤において、水性エマルジョンとしては用いられている、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(以下SBRと称する)およびエチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(以下EVAと称する)においては、以下の欠点を有する。SBRを用いた場合、初期接着性が劣るため、充分な接着強度を得るためには充分な圧締処理時間を必要とし生産性が極めて劣る欠点を有した。また、EVAでは、初期接着性は優れているが、耐水性、耐沸騰水性がSBRより劣る欠点を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況に鑑み、本発明が解決しようとする主たる課題は、ホルマリンを含まない耐水性接着剤において、初期接着性、耐水性、耐沸騰水性等の物性を同時に満足する接着剤に関するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意検討の結果、本発明に到達したものである。すなわち、本発明は、乳化剤として保護コロイド及び界面活性剤を併用して得られる水性エマルジョンに、ポリビニルアルコールおよびイソシアネート基を有する化合物またはその重合物を配合してなる接着剤において、当該水性エマルジョンが、エチレン3〜30重量%、酢酸ビニルが10〜85重量%、塩化ビニルが10〜75重量%からなり、Tg(ガラス転移温度)が−10〜+40℃であるエチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョンであり、接着剤におけるポリビニルアルコールの使用量がエチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョン(固形分)100重量部に対し10〜150重量部であることを特徴とする耐水性接着剤に係るものである。
【0011】
本発明のエチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョンにおけるポリマー組成は、エチレン3〜30重量%、酢酸ビニル10〜85重量%、塩化ビニル10〜75重量%である。
【0012】
本発明のエチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョンにおいて、エチレン共重合量が2重量%未満、または酢酸ビニル共重合量が93重量%を越える場合、及び/または、塩化ビニル共重合量が5重量%未満の場合、耐水強度、耐沸水強度が劣り好ましくない。
【0013】
また、塩化ビニルが85重量%を越える場合、及び/または、酢酸ビニル共重合量が3重量%未満の場合、初期接着性が劣るため好ましくない。また、接着剤原料として用いた際、フィルム形成性が問題となるため、造膜助剤または可塑剤を多量に添加する必要がある。その結果、接着性能が低下、経時での造膜助剤または可塑剤の移行による接着性の低下などが起こり好ましくない。一方、エチレン共重合量が40重量%を越える場合または酢酸ビニル共重合量が3重量%未満の場合、共重合体のポリマー凝集力が不足するため、充分な接着力が得られない。
【0014】
本発明で用いる、エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョンにおいて、プロピオン酸ビニル、、ピバリン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル類;臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル;2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;マレイン酸エステル、クロトン酸エステル、イタコン酸エステルなどの共重合可能なモノマーの1種または2種以上を本発明の諸効果を阻害しない範囲で、共重合体中30%以下の範囲で共重合させた多元共重合体エマルジョンを用いてもよい。
【0015】
また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸(半エステルを含む)、マレイン酸(半エステルを含む)などのカルボキシル基含有モノマーおよびその無水塩;N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチロールアクリルアミドなどのN−メチロール誘導体モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、多価アルコールのモノアリルエーテルなどの水酸基含有モノマー;ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルプロピルアクリルアミドなどのアミノ基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有モノマー;アクリルアミド、メタアクリルアミド、マレインアミドなどのアミド基含有モノマー;ビニルスルホン酸ソーダ、メタリルスルホン酸ソーダなどのスルホン基含有モノマーなどのうちから選ばれた一種又は2種以上を、本発明の耐水性、耐沸騰水性等の向上を目的に、0.1〜10重量%共重合することが好ましい。特に有効な官能基含有モノマーとしては、水酸基を有する上記化合物を用いることがより好ましい。
【0016】
更に、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、アジピン酸ジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレートなどの多ビニル化合物などのうちから選ばれた一種又は2種以上を、本発明の諸効果を阻害しない範囲で、かつ、耐水性、耐溶剤性、耐候性、耐熱性などの種々の物性を向上させる目的で、共重合体中5重量%以下の範囲で含有する共重合体を用いることもできる。
【0017】
本発明で用いるエチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョンのTgは、−10〜+40℃、好ましくは−5〜+35℃である。Tgが−10℃未満の場合、ポリマーの凝集力が劣り充分な接着強度が得られない。また、Tgが+40℃を越える場合、接着剤をコールドプレス法で用いる際、造膜温度を低下するため多量な造膜助剤または可塑剤の添加が必要となり、接着性能に悪影響が生ずるため好ましくない。
【0018】
本発明で用いるエチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョンは通常のエマルジョン重合で製造したものである。
【0019】
エマルジョン重合で用いる乳化剤としては、保護コロイドおよびノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などの界面活性剤を併用することが好ましい。
【0020】
本発明で用いる保護コロイドとしては、水溶性高分子が用いられる。部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シラノール基変性ポリビニルアルコール、などのポリビニルアルコール類;ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体が用いられるが、特に、ヒドロキシエチルセルロースまたはポリビニルアルコール類が特に好ましい。
【0021】
本発明で用いる保護コロイドの使用量は、使用酢酸ビニルおよび塩化ビニルの合計量に対して0.1〜20重量%が適当である。更に好ましくは、0.3〜15重量%である。
【0022】
保護コロイド使用量が0.1%未満の場合、エマルジョンの安定性が劣るため好ましくない。また、その使用量が20重量%を越えると、エマルジョン製造時にエマルジョンの粘度が高くなり、製造条件として好ましくない。
【0023】
本発明で用いるノニオン系界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが用いられるが、特に、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルおよびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体を併用することが好ましい。
【0024】
本発明で用いるアニオン系界面活性剤としては、たとえば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩等の一般的なアニオン系界面活性剤を用いることが出来る。また、アリルアルキルフェノール・エチレンオキサイド付加体の硫酸エステル塩、アルキルアリルスルホコハク酸ソーダ(三洋化成工業(株)製“エレミノール JS−2”)、アリル基を有するスルホコハク酸ジエステル塩(特開昭58−203960号公報)、硫酸エステル塩含有アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル又は硫酸エステル基含有メタクリル酸ポリアルキレングリコールエステル(特開昭62−34947号公報)などの反応性アニオン系界面活性剤を用いることも出来る。
【0025】
ノニオン系界面活性剤および(または)アニオン系界面活性剤などの界面活性剤の使用量は、使用酢酸ビニルと塩化ビニルの合計量に対し、8重量%以下である。界面活性剤の使用量が8重量%を越える場合、耐沸水強度が低下するため好ましくない。
【0026】
本発明で用いる、エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョンの平均粒子径は0.1〜1.5μであることが好ましい。エマルジョンの平均粒子径が0.1μ未満の場合、接着剤の初期接着性が低下するため好ましくない。また、エマルジョンの平均粒子径が1.5μを越えると、接着剤の耐沸騰水強度が劣り好ましくない。
【0027】
本発明のポリビニルアルコールは、前述の如く、乳化重合時に保護コロイドとして使用しても良く、または(および)接着剤配合時に添加しても良い。
【0028】
本発明で接着剤配合時に添加するポリビニルアルコールとしては、通常の部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、およびスルホン酸変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シラノール基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコールなどの変性タイプのポリビニルアルコールを用いることもできる。
【0029】
本発明のポリビニルアルコールの使用量は、エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体エマルジョン(固形分)100重量部に対し、10〜150重量部である。
【0030】
本発明で用いるイソシアネート基を有する化合物またはその重合物としては、分子中に2個以上のイソシアネート基を含むものなら何れでもよく、例えばトリフェニルメタントリイソシアネート(TTI、Desmodur R:バイエル社製)、トリレンジイソシアネート(TDI、Desmodur T:バイエル社製)、メチレンビス・ジ・フェニルイソシアネート(MDI、Desmodur 44:バイエル社製)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI:Desmodur N:住友バイエルウレタン(株)製)、トリメチロールプロパン(TMP)−TDIアダクト(Desmodur L:住友バイエルウレタン(株)製、コロネートL:日本ポリウレタン(株)製)、水素化TDI、水素化MDI、HMDIのアダクト変性化合物、キシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が代表的なものとして使用できる。また、イソシアネート基を有する化合物として、その重合物たとえば、ポリイソシアネート系重合物(スミジュール44V:住友バイエルウレタン(株)製、ミリオネートMR:日本ポリウレタン(株)製)、ポリオール混合方式、即ち含水酸基ポリエステル及びポリエーテル(Desmophen)等のポリオールに上記のDesmodur L等のポリイソシアネートを過剰に混合したものを使用しても差し支えない。
【0031】
本発明で用いるイソシアネート基を有する化合物の配合量は、エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョン(固形分)100重量部に対して2〜200重量部、更に好ましくは、5〜100重量部である。
【0032】
イソシアネート基を有する化合物の配合量が2重量部未満の場合、耐水強度、耐沸水強度の発現が不十分である、また、その使用量が200重量部を越えると接着剤の可使時間が短くなり接着性も劣る。
【0033】
また、本発明の接着剤を配合するに際して、更に増量剤として、小麦粉、澱粉類、脱脂大豆粉、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタンなどを用いることができる。これら増量剤は使用目的により配合量が異なるが、一般的には、エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョン(固形分)100重量部に対し、200重量部以下、好ましくは150重量部以下である。
【0034】
さらにまた、本発明の接着剤には、ホウ酸、ホウ酸塩、硫酸アルミニウム、明バン、ホウ酸クロムなどの反応促進剤を添加することも出来る。
【0035】
本発明の接着剤を使用する場合は、コールドプレス(常温・圧締処理)のみで充分接着できるが、更に生産性を向上する目的で、熱プレス(加熱板で圧締処理)で加工することもできる。
【0036】
本発明のエチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョンで最低造膜温度が室温以上のエマルジョンを用いる場合、最小必要量の造膜助剤または可塑剤を添加する。造膜助剤または可塑剤の添加量は、エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョンの固形分100重量部に対し20重量部以下、更に好ましくは10重量部以下とする。
【0037】
造膜助剤または可塑剤としては、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(テキサノール)、2,2,4ートリメチル1,3−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、オレイン酸ブチルなどが例示される。
【0038】
本発明の接着剤は、特に、木/木用接着剤(合板用接着剤、木工用接着剤、パーティクルボード用接着剤など)、木/プラスチック素材用接着剤(PVC合板用接着剤、発泡樹脂/木接着剤など)などに好適であるが、さらに、パッケージング用接着剤(紙/紙接着剤、紙/プラスチック接着剤、紙/アルミ箔用接着剤など)、布用接着剤(布/プラスチック接着剤、布/紙接着剤、布/木接着剤など)、建材用接着剤(コンクリート/木接着剤、木/各種ボード用接着剤など)として用いることができる。
【0039】
また、本発明のエチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョンを混入してなる接着剤には、その特性を損なわない範囲で、更に、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類に代表される凍結防止剤;ポリエチレンオキサイド・ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリエチレンオキサイド・アルキルフェノールエーテル、ポリエチレンオキサイド・アルキルエーテル等のノニオン系界面活性剤系の分散助剤;消泡剤;防腐剤;防カビ剤;着色剤;溶剤;増粘剤などを適宜添加して用いることが出来る。
【0040】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
保護コロイドとしてヒドロキシエチルセルロース(フジケミカル(株)製:HEC AG−15)0.5重量部、ノニオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンノニルフェノニルエーテル(エマルゲン−913:花王(株)製)2.8重量部、およびポリオキシエチレン・ポリプロピレンオキシド・ブロック共重合体(プルロニックL64:旭電化(株)製)1.4重量部を乳化安定剤として用いた、エチレン20重量%、酢酸ビニル40重量%、塩化ビニル40重量%、2−ヒドロキシエチルアクリレートを酢酸ビニルと塩化ビニルの合計量に対し2重量%共重合した、得られたエチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル・2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体エマルジョンのTgは0℃であった。当該エマルジョンを下記配合処方接着剤とし、JIS K−6806に準拠し各測定項目について評価した。実用評価結果は第1表に示した(以下記載の各実施例および比較例の評価結果も第1表に示した)。
【0041】
配合
エマルジョン(固形分48%)/ポリビニルアルコール(ポバール217:クラレ(株)製)15%水溶液/炭酸カルシウム(NS−100:日東粉化(株)製)/水=37.5/40/20/2.5(みかけ重量比)で配合したもの(固形分=44%)を主剤とし、主剤100重量部に対し硬化剤としてMDI系重合物(スミジュール44V−20:住友バイエルウレタン(株)製)を15重量部(みかけ重量部)を添加し接着剤とした。
【0042】
評価方法
1.試験片の作成:2片のカバ材柾目板(10mm×25mm×30mm)の片面に上記で配合した接着剤を0.06〜0.09g(120±25g/m2 )塗布し、塗布面同士を重ね合わせ、所定時間(接着特性:常態強度、耐水強度、耐沸水強度では24時間、初期接着性では1時間〜3時間)×8Kg/cm2 で圧締し試験片を作成した。
【0043】
2.常態強度:上記で作成した試験片につき、島津製作所(株)製オートグラフで、剪断圧縮強度の測定を行った。
【0044】
3.耐水強度:上記で作成した試験片につき、常温水に2日間浸漬後、試験片が濡れたままで、島津製作所(株)製オートグラフにより、剪断圧縮強度を測定した。
【0045】
4.耐沸水性:上記で作成した試験片を、沸騰水中に4時間浸漬後、60℃乾燥器中で20時間乾燥し、再度沸騰水中に4時間浸漬した後、常温水に15分以上浸漬したあと、試験片が濡れたままで、島津製作所(株)製オートグラフで、剪断圧縮強度の測定をおこなった。
【0046】
5.初期接着性:上記試験片作成条件で圧締時間を1時間、2時間および3時間とした場合の剪断圧縮強度を、島津製作所(株)製オートグラフにて測定した。
【0047】
実施例2
実施例1に記載の保護コロイドおよびノニオン系界面活性剤を用い、エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合比率を5/30/65各重量%とし、2−ヒドロキシエチルアクリレートを2重量%(酢酸ビニル+塩化ビニル合計使用量に対して)共重合したTgが30℃のエマルジョンに、造膜助剤として、ブチルカルビトールアセテートを6重量部(当該エマルジョン100重量部に対して)添加したエマルジョンを評価用エマルジョンとした。
【0048】
実施例3
アニオン系界面活性剤である、ジアルキルスルホコハク酸ソーダ(ペレックスOTP:花王(株)製)3重量%(酢酸ビニルと塩化ビニルの合計量に対して)用い、エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合比を30/5/65各重量%で、官能基含有モノマーとして、N−メチロールアクリルアミド2重量%(酢酸ビニルと塩化ビニルの合計量に対して)共重合したTgが25℃のエマルジョンを用いた。
【0049】
実施例4
エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合比率を20/70/10各重量%とし、Tgが−5℃のエマルジョンを用いた。他の条件は実施例1に同じ。
【0050】
比較例1〜比較例4
本発明の組成範囲外のエチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系エマルジョンおよび現在当該接着剤原料として用いられているエチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン等につき前述の評価を実施した結果を表2に示した。
【0051】
表1〜2の結果から、次のことがわかる。本発明の条件を満足するすべての実施例においては、すべての項目において満足すべき結果を示している。一方、本発明の条件のいずれかを欠く比較例は、次のとおり不満足な結果を示している。エチレンおよび塩化ビニルの共重合量が過少な比較例1では、耐水接着強度、耐沸水強度が不十分で好ましくない。酢酸ビニルが過少な比較例2では、耐沸水強度、初期接着性が劣り好ましくない。エチレン共重合量が過少な比較例3も、耐沸水強度、初期接着性が不十分で好ましくない。エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョンを用いた比較例4では、耐水接着強度および耐沸水強度が不十分である。
【0052】
【表1】
Figure 0003701034
【0053】
【表2】
Figure 0003701034
【0054】
*1 造膜助剤
ブチルカルビトールアセテート(重量部/100重量部エマルジョン固形分)
【0055】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、特定な組成のエチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョンを用いることを特徴とする、ホルマリンを含まない“初期接着性”“耐水性”“耐沸騰水性”の両物性を同時に満足する耐水接着剤を提供することが出来た。

Claims (1)

  1. 乳化剤として保護コロイド及び界面活性剤を併用して得られる水性エマルジョンに、ポリビニルアルコールおよびイソシアネート基を有する化合物またはその重合物を配合してなる接着剤において、当該水性エマルジョンが、エチレン3〜30重量%、酢酸ビニルが10〜85重量%、塩化ビニルが10〜75重量%からなり、Tg(ガラス転移温度)が−10〜+40℃であるエチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョンであり、接着剤におけるポリビニルアルコールの使用量がエチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル系共重合体エマルジョン(固形分)100重量部に対し10〜150重量部であることを特徴とする耐水性接着剤。
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