JP3700542B2 - スポンジ用油展共重合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スポンジ用油展共重合体に関するものである。更に詳しくは、本発明は、長時間圧縮永久歪み、シール性能、低温特性、加工性及び外観等の諸特性に優れたスポンジゴムを提供することができるスポンジ用油展共重合体に関するものである。かかる優れた特性を有するスポンジゴムは、自動車用シール材、土木建築用シール材の他、広い分野に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
自動車、建築用に使用されるスポンジゴムの多くには、耐熱性、耐候性、加工性及びコストの点で優れた性能をもつエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムが使用されており、特に、自動車用ドアシール、トランクシール、ウィンドシールには欠くことのできない素材として、その普及率は著しい。しかし、自動車の高性能化に伴い、これらのスポンジゴムに要求される性能も高度化されてきており、従来の技術で、高度化されたすべての要求性能を十分に満たすことが困難になってきた。すなわち、自動車の高速走行におけるエンジン音、ドア廻りの風切り音、タイヤのキシミ音等の室内への漏洩、雨洩れ等の問題は、ドア廻りのシール性能に大きく依存しており、シール性能に優れたスポンジゴムへの要求はより厳しいものとなっている。ドアシールスポンジは、ドアを閉止した場合、ドアとボディーの間のシール材として、長時間圧縮されたまま使用されることから、圧縮によるヘタリが小さいことが好ましい。圧縮によるヘタリを定量化する手段としては、圧縮永久歪みが一般的に用いられており、この値の小さいシールスポンジが求められている。また、高温から低温にわたる広い温度領域においても、ドアの開閉がスムーズに行われることが重要であり、スポンジゴムも広範囲な温度領域で充分柔らかさを維持することが必要とされている。以上述べたスポンジゴムに要求される性能の他に、混練加工性、押出加工性、形状保持性等の加工特性に充分優れることが要求されることはいうまでもない。スポンジゴムに対するこのような要求に対して、従来の技術として、たとえば、特開平3−20339号公報に記載された、エチレン/α−オレフィンの重量比が73/27〜40/60で、非共役ジエンの含有量がヨウ素価で10〜36で、ムーニー粘度(ML1+4(121℃))が135〜200であるようなエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体を用いる例があげられている。しかしながら、該共重合体の圧縮永久歪みは、現在の要求を十分満足させるものではなかった。
【0003】
分子量の指標であるムーニー粘度(ML1+4(121℃))が200を超えると圧縮永久歪みは改良されるが、混練加工性が悪化し、カーボン凝集塊を形成し、更に、押出機で押出された成型物の肌荒れ、エッジ切れ等の原因になる。よって、このような高ムーニー粘度の共重合体は実用上使用することが困難であった。
【0004】
前述した特開平3−20339号公報に、伸展油を配合しないで測定したムーニー粘度(ML1+4(121℃))が165及び210の共重合体を用いる例が記載されているが、ムーニー粘度が200を超えるものは混練加工性の点で十分に満足できるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、長時間圧縮永久歪み、シール性能、低温特性、加工性及び外観等の諸特性に優れたスポンジゴムを提供することができるスポンジ用油展共重合体を実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、高ムーニー粘度の共重合体を伸展油で油展して得られる特定の油展共重合体を用いることにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記の条件(イ)〜(ニ)を充足するエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体(I)100重量部及び伸展油(II)10〜90重量部を含有するスポンジ用油展共重合体(III)に係るものである。
(イ):エチレン/α−オレフィンの重量比が73/27〜40/60であること
(ロ):非共役ジエンの含有量がヨウ素価で20〜36であること
(ハ):共重合体(I)100重量部あたりに伸展油(II)を20重量部配合させて測定したムーニー粘度(JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃))が100〜180であること
(ニ):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定におけるQ値(重量平均分子鎖長/数平均分子鎖長)が3〜5であること
【0007】
【発明の実施の形態】
共重合体(I)のα−オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、なかでもプロピレン及び1−ブテンが好ましい。
【0008】
共重合体(I)中のエチレン/α−オレフィンの重量比は73/27〜40/60であり、好ましくは67/33〜45/55である。エチレン比率が過大であると、スポンジゴムの低温における圧縮永久歪が極端に悪くなり、スポンジゴムの回復性が著しく劣り、シール材として不適当なものとなる。逆に、エチレン比率が過小であると、カーボンブラック、無機フィラー等の補強剤の分散が不十分になり、スポンジゴムの表面肌が悪化する原因となる。
【0009】
本発明における非共役ジエンにおけるジエンとは、ジエンの他にトリエン以上のポリエンを含む用語であり、たとえば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのような鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエンのようなトリエンがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、5−エチリデン−2−ノルボルネン及び/又はジシクロペンタジエンが好ましい。更に、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエンを例示することができる。
【0010】
共重合体(I)中の非共役ジエンの含有量は、ヨウ素価で20〜36であり、好ましくは20〜32である。ヨウ素価が過小であると、スポンジゴムの圧縮永久歪が劣り、更に、加硫速度が遅くなるため、加硫促進剤を多量に配合しなければならなく、ブルームの原因になる等の問題がある。逆に、ヨウ素価が過大であると、スポンジゴムの柔さが失われたり、コストが高くなる等の問題が生じる。
【0011】
共重合体(I)のムーニー粘度(JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃))は、共重合体(I)100重量部あたりに伸展油(II)を20重量部配合させて測定した値で100〜180であり、好ましくは110〜170である。ここで、共重合体(I)100重量部あたりに伸展油(II)を20重量部配合させてムーニー粘度(JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃))を測定する理由は、以下のとおりである。分子量の指標であるムーニー粘度を測定する場合、測定装置の構造上、ムーニー粘度が200を超えるような場合は、トルクを検出するローターと共重合体(I)の間に滑り等が発生し、正確なムーニー粘度が測定できない場合があるからである。そのため、一般的に、測定ムーニー粘度が200を超えるような場合は、ムーニー粘度を測定する共重合体にあらかじめ伸展油を配合させて柔らかくし、測定ムーニー粘度が200以下となるような措置がとられる。ムーニー粘度は一般的にその共重合体の分子量の指標とも考えられ、共重合体の分子量又は特性等を比較するためにムーニー粘度を用いる場合は、ムーニー粘度測定条件を同一にして比較する必要があり、当然のことながら、伸展油の配合量も同一にして比較しなければならない。たとえば、前述した特開平3−20339号公報に、ムーニー粘度(ML1+4(121℃))が165及び210の共重合体を用いる例が記載されているが、このムーニー粘度は伸展油を配合しない時のムーニー粘度であり、これと同じムーニー粘度の共重合体を、共重合体100重量部あたりに伸展油を20重量部配合させてムーニー粘度(JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃))をそれぞれ測定すると、その値は85及び103となり、ここでいう、共重合体100重量部あたりに伸展油を20重量部配合させて測定したムーニー粘度(JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃))と比較が可能になるのである。
【0012】
この共重合体(I)100重量部あたりに伸展油(II)を20重量部配合させて測定したムーニー粘度(JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃))が低すぎると、目的とする圧縮永久歪みの小さいスポンジゴムは得られなく、逆にこのムーニー粘度が高すぎると、共重合体(I)の品質にバラツキが発生しやすくなり、それがスポンジゴムの品質バラツキにもつながり、実用上使用することが困難となる場合がある。
【0013】
なお、該共重合体(I)は、伸展油を添加しないで測定したムーニー粘度(ML1+4(121℃))が200を超えている共重合体(I)であることが好ましい。
【0014】
本発明の油展ゴム共重合体(III)においては、共重合体(I)100重量部あたりに配合されている伸展油(II)の量は10〜90重量部であり、好ましくは20〜80重量部である。配合されている伸展油量が過少であると、共重合体100重量部あたりに伸展油を20重量部配合させて測定したムーニー粘度(JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃))が100以上の共重合体において、その共重合体(I)の混練加工性が悪化し、カーボン凝集塊を形成し、更に、押出機で押出された成型物の肌荒れ、エッジ切れ等の原因になる。これは従来技術である、特開平3−20339号公報の比較例(ムーニー粘度 ML1+4 121℃ (伸展油なし)が210(伸展油20重量部配合での測定では103に相当)の共重合体)にも、このような高ムーニー粘度品は混練加工性が悪いことが述べられており、本発明はこのような高ムーニー粘度品に伸展油を配合させることによりこの混練加工性を改良させたものである。一方、配合されている伸展油量が過多であると、混練加工前の、伸展油(II)を含有した油展共重合体の粘度が下がりすぎることにより、混練時のカーボンブラック、無機フィラー等の補強剤の分散が不十分になり、スポンジゴム特性が悪化する。
【0015】
本発明にいう伸展油(II)とは、油展共重合体(III)の生産の工程で添加し混合する油である。り、ここでいう伸展油を添加された共重合体とは、たとえば油展EPDM(エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体)等として通常合成ゴム製造メーカーから販売されているものをさす。つまり、高ムーニー粘度の共重合体(I)の場合、この共重合体(I)にカーボンブラック又は無機フィラー等を添加する一連の混練工程内において、プロセスオイル等の可塑剤を添加しても混練加工性は改良されず、良くならなく、この一連の混練工程以前に、すでに共重合体(I)に共重合体(I)100重量部あたり10〜90重量部の伸展油(II)を配合させておくことが、次工程の混練加工性をよくし、更に押出機で押出された成型物の押出肌をよくするのである。一方、前記の共重合体(I)のムーニー粘度を測定するために配合する伸展油(II)については、油展共重合体(III)の生産の工程で添加し混合する油に限らず、任意に伸展油を配合して測定することが可能である。
【0016】
伸展油(II)としてはパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどが用いられ、その100℃の動粘度は一般的に5〜35mm2/sである。
【0017】
本発明の共重合体(I)の製造方法は、特に限定されず、チタン系触媒、バナジウム系触媒又はメタロセン系触媒など、種々の触媒を用いて製造することができる。
【0018】
共重合体(I)のGPC測定におけるQ値(重量平均分子鎖長/数平均分子鎖長)は、3〜5であり、好ましくは3〜4である。一般的に該Q値が大きいと分子量分布が広くなり、混練加工性及び押出加工性が良くなるといわれているが、本発明における高ムーニー粘度の共重合体(I)においては、Q値が過大であると高分子量部分の分子量が更に大きくなり、混練時にカーボンブラック、無機フィラー等の補強剤の分散が不十分となり、スポンジゴムの物性が悪化する原因となる。逆にQ値が過小であると、オープンロール等での混練作業性が悪化し、使用が困難となる場合がある。
【0019】
本発明のスポンジ用油展共重合体(III)には、更に可塑剤、発泡剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、充填剤、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂等の各種配合剤が適宜添加配合される。ここでいう可塑剤とは、本発明のスポンジ用油展共重合体(III)にカーボンブラック又は無機フィラー等を添加する一連の混練工程内において添加する可塑剤を指す。この可塑剤としては、通常ゴムに使用される可塑剤が使用されるが、たとえば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン、コールタールピッチなどのヒマシ油、アマニ油、サブ、密ロウ、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂などをあげることができる。なかでも、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。これらの可塑剤は通常共重合体(I)100重量部に対して10〜150重量部、好ましくは30〜150重量部、更に好ましくは50〜150重量部用いられる。かかる範囲で可塑剤を用いることにより、目的とする柔らかさのスポンジゴムを得ることができる。
【0020】
本発明で使用される加硫剤としては、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、4,4′−ジチオジモルホリン、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、第三ブチルヒドロペルオキシドなどをあげることができる。特にイオウ、ジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。
【0021】
イオウは通常共重合体(I)100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の割合で使用される。また有機過酸化物は通常共重合体(I)100重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で使用される。
【0022】
また、加硫剤としてイオウ又はイオウ系化合物を使用するときは必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤が併用される。加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフエンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフエニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル−ジスルフイド、ジフエニルグアニジン、トリフエニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、オルソトリル−バイ−グアナイド、ジフエニルグアニジン−フタレート、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア、2−メルカプトイミダゾリン、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア、テトラメチルチウラムモノスルフイド、テトラメチルチウラムジスルフイド、テトラエチルチウラムジスルフイド、テトラブチルチウラムジスルフイド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフイド、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルキサントゲン酸亜鉛、エチレンチオウレアなどをあげることができる。これら加硫促進剤は共重合体(I)100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の割合で使用される。
【0023】
加硫助剤としては酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物をあげることができるが、酸化亜鉛の使用が好ましい。通常これらの加硫助剤は共重合体(I)100重量部に対して3〜20重量部使用される。
【0024】
また、過酸化物による架橋に際しては、硫黄、P−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、ジビニルベンゼンなどの架橋助剤を使用してもよい。
【0025】
本発明で使用される充填剤としては、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどの通常ゴムに用いられるカーボンブラック、微粉ケイ酸、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの無機充填剤が好ましく使用される。
【0026】
本発明で使用される発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、N,N′−ジメチルN,N′−ジニトロン−テレフタルアミド、N,N′−ジニトロン−ペンタメチレン−テトラミン、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウム−アゾジカルボキシレート、ベンゼン−スルホニル−ヒドラジド、トルエン−スルホニル−ヒドラジド、P,P′−オキシビス(ベンゼンスルホニル−ヒドラジド)、ジフエニルスルホン−3,3′−ジスルホニル−ヒドラジド、カルシウムアジド,4,4′−ジフエニル−ジスルホニルアジド−バラ−トルエン−マルホニルアジドをあげることができる。発泡剤は共重合体(I)100重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは1〜15重量部の割合で配合される。また、必要に応じて発泡剤と併用して、発泡助剤を使用しても差支えない。
【0027】
また、スポンジゴムのゴム成分として、本発明の油展共重合体(III)と共に他の種類のゴム又は他のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体を混合使用してもさしつかえない。
【0028】
本発明においては、従来から公知の混練機、押出機、発泡装置を適用することができる。すなわち、本発明のスポンジ用油展共重合体に前記の配合剤を加え、オープンロールミル、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて処理した後、発泡及び加硫可能温度にて発泡架橋させる方法がとられる。
【0029】
【実施例】
次に、実施例をあげ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、GPCの測定条件は以下のとおりとした。
GPC:Waters社製 150C−PLUS型
カラム:東ソー株式会社製 TSK−GEL GMHHR−H(S)2本使用
サンプル量:300μl(ポリマー濃度0.1重量%)
流量:1ml/分
温度:140℃
溶媒:オルトジクロルベンゼン
検量線は東洋曹達(株)製の標準ポリスチレンを使用し、常法により作製した。
【0030】
比較例1〜3及び実施例1〜6
表1及び表3に比較例1〜3及び実施例1〜6に使用した油展(又は非油展)共重合体の構造を示す。表1及び表3に示されている油展(又は非油展)共重合体の種類のAとBの違いは、共重合体の構造は同一であるが、伸展油量が違うのである。また同様に、C、D、E、Fの違いも、共重合体の構造は同一であるが、伸展油量が違うのである。
【0031】
バンバリーミキサー(内容積1.5リットル)を用い、表1及び表3に示す配合剤のうち、油展(又は非油展)共重合体、プロセスオイル、カーボンブラック、炭酸カルシウム、ステアリン酸、酸化亜鉛を混練した後、8インチオープンロールで表1及び表3に示す配合剤のその他を添加してコンパウンドを作製した。プロセスオイルの添加量については、比較例1〜3及び実施例1〜6の未加硫コンパウンドのムーニー粘度が一定となるよう、添加量の調整を行なった。これは、比較例1〜3及び実施例1〜6で得られるスポンジの比重を一定にすることと、それぞれの加工条件(押出条件)をそろえるためである。次に、45mm押出機にチューブ状ダイス(内径10mm、肉厚1.5mm)を装着し、ダイス温度80℃、シリンダー温度60℃の条件でコンパウンドを押出し、チューブ状に成型した。表2及び表4に示す押出肌の評価はこの時のチューブの外観の平滑性を目視にて判定した。この成型物を230℃の熱空気加硫槽に導入し、4分間加熱してチューブ状のスポンジゴムを得た。スポンジゴムの比重は長さ50mmに切断したものを試験片とし、空気中の重量と水中に浸漬した場合の浮力からその容積を求め、重量/容積の値から求めた。圧縮永久歪はチューブ状スポンジゴムを長さ20mmに切断して試験片とした。スポンジ圧縮永久歪測定金型に、チューブの外径に対し50%圧縮して、70℃×200時間ギャーオーブンで熱処理を行い、膨張ゴムの物理試験方法(SRIS−0101)に準拠して求めた。各評価結果を表2及び表4に示した。
【0032】
本発明の要件を満足する実施例1〜6においては、そのいずれも、スポンジゴムの圧縮永久歪が小さく押出肌も良好である。一方、共重合体のムーニー粘度が、本発明の規定範囲より小さい、比較例1〜2においては、押出肌は良好であるが、スポンジゴムの圧縮永久歪が大きく不満足であり、共重合体のムーニー粘度が、本発明の規定範囲に入っているが、共重合体に伸展油が配合されていない比較例3においては、スポンジゴムの圧縮永久歪は小さいが、押出肌が不良であり、不満足である。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
(表の説明)
空欄は測定せず
1)エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体
2)共重合体に伸展油を配合させないで測定したムーニー粘度(JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃))
3)共重合体100重量部あたりに伸展油を20重量部配合させて測定したムーニー粘度(JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃))
4)共重合体100重量部あたりに伸展油を30重量部配合させて測定したムーニー粘度(JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃))
5)共重合体100重量部あたりに伸展油を40重量部配合させて測定したムーニー粘度(JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃))
6)共重合体100重量部あたりに配合されている伸展油量(重量部)
使用伸展油の100℃の動粘度は10.6mm2/s
7)出光興産社製「PW90」
8)旭カーボン社製「旭50HG」
9)酸化カルシウムが2重量部、硫黄が1.2重量部、永和化成工業社製発泡剤「ネオセルボンN1000S」4,4′オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドが3.2重量部、加硫促進剤M、BZ、TRA、22、PZの混合物が5.1重量部、大内新興化学社製「バルノックR」が0.6重量部
10)JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(100℃)
【0038】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、長時間圧縮永久歪み、シール性能、低温特性、加工性及び外観等の諸特性が優れたスポンジゴムを提供することができるスポンジ用油展共重合体を実現することができた。
Claims (5)
- 下記の条件(イ)〜(ニ)を充足するエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体(I)100重量部及び伸展油(II)10〜90重量部を含有するスポンジ用油展共重合体(III)。
(イ):エチレン/α−オレフィンの重量比が73/27〜40/60であること
(ロ):非共役ジエンの含有量がヨウ素価で20〜36であること
(ハ):共重合体(I)100重量部あたりに伸展油(II)を20重量部配合させて測定したムーニー粘度(JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃))が100〜180であること
(ニ):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定におけるQ値(重量平均分子鎖長/数平均分子鎖長)が3〜5であること - 共重合体(I)のエチレン/α−オレフィンの重量比が67/33〜45/55である請求項1記載のスポンジ用油展共重合体(III)。
- 共重合体(I)の非共役ジエンの含有量がヨウ素価で20〜32である請求項1記載のスポンジ用油展共重合体(III)。
- 共重合体(I)のα−オレフィンがプロピレンである請求項1記載のスポンジ用油展共重合体(III)。
- 共重合体(I)の非共役ジエンが5−エチリデン−2−ノルボルネン又はジシクロペンタジエンである請求項1記載のスポンジ用油展共重合体(III)。
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