JP3700539B2 - ボタン電話装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボタン電話装置に関し、特に網から提供される通話中割り込み着信サービスを利用するボタン電話装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な電話網では、通話中の電話回線へ他の相手先から着信があった場合、所定の通知信号をその電話回線へ送出して、その利用者へ通話中割り込み着信を通知する通話中割り込み着信サービス(いわゆるキャッチホンサービス)が提供されている。このサービスをボタン電話装置で利用する場合、例えば、通話中割り込み着信に応じてフッキング操作を行うことにより、網側で元の通話の相手先を保留して割り込み相手先が切替接続され、割り込み相手先との通話を開始できる。そして、その後のフッキング操作に応じて、割り込み相手先と元の相手先のいずれかを交互に切替選択できる。また、外線転送機能を利用して、元の通話の子機以外の子機と割り込み相手先とで割り込み通話を形成できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のボタン電話装置では、通話中割り込み着信が発生した電話回線で通話中の利用者によるフッキング操作により、相手先の切替選択や外線転送機能を用いて他の子機での割り込み通話へ通話切り替えができるものの、ボタン電話装置自体でこれを管理していない。したがって、通話中割り込み着信は、その着信が発生した電話回線で通話中の利用者しか知ることができず、必要に応じて他の子機で通話中割り込み着信へ応答して対応することができないという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、必要に応じて他の子機で通話中割り込み着信へ応答して対応することができ、通話中割り込み着信を確実に処理できるボタン電話装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明によるボタン電話装置は、少なくとも第1および第2の子機を含む複数の子機と、電話回線に接続され各子機を制御する主装置とを有し、通話中の電話回線に対して網側から通話中割り込み着信があった場合、その電話回線を用いた通話を一時中断し、その電話回線を用いて割り込み通話を形成するボタン電話装置であって、通話中割り込み着信を検出する検出手段を設け、制御手段により、第1の子機が通話中の電話回線に対する通話中割り込み着信が検出手段により検出された場合は、第1の子機以外の子機で、かつ通話中割り込み着信に応答可能な1つ以上の対応子機を選択し、その対応子機へ通話中割り込み着信を通知するようにしたものである。
【0005】
通話中割り込み着信を通知する際、検出手段で通話中割り込み着信の発側相手先を示す相手先情報を受信し、その相手先情報に基づく発側相手先を通知するようにしてもよい。また、対応子機に対して通話中割り込み着信が検出された電話回線を示す情報や、通話中割り込み着信が検出された電話回線で通話中の第1の子機を示す情報を通知するようにしてもよい。さらに、通話中割り込み着信が保留状態にある電話回線から検出された場合、対応子機に対して通話中割り込み着信が検出された電話回線が保留状態にある旨を通知するようにしてもよい。
【0006】
通話中割り込み着信を通知する際、その通知先の対応子機として、相手先情報に対応して予め登録されている子機を選択して、通話中割り込み着信を通知するようにしてもよい。
さらに、対応子機において、制御手段からの通話中割り込み着信の通知に応じて、通常着信時の着信音とは異なる着信音を出力するようにしてもよく、制御手段から通知された通話中割り込み着信に関する内容を文字または図柄で表示出力するようにしてもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態であるボタン電話装置のブロック図である。同図において、1は1つ以上の電話回線11A〜11M(M≧1)に接続された主装置、2A〜2Nは内線伝送路3を介して主装置1に接続されたN個(N≧2)の子機(ボタン電話機)である。
【0008】
主装置1において、12は電話回線11A〜11Mを終端制御する外線I/F部、13は内線伝送路3を介して子機2(2A〜2N)を収容する内線I/F部、14は外線I/F部12と内線I/F部13とを交換接続する交換処理部、15は電話回線11A〜11Mおよび子機2(2A〜2N)の状態を管理し、装置全体を制御する主制御部、16は主制御部15での制御に必要な各種制御情報を記憶する主記憶部、17は電話回線11A〜11Mを介して網側から送信されている各種情報を受信する情報受信部(検出手段)である。
【0009】
子機2(2A〜2N)は、ほぼ同様の構成をなしており、21は内線伝送路3を介して主装置1とデータ伝送を行う伝送I/F部、22は伝送I/F部21で受信された音声データを音声信号に復号化してハンドセットまたはスピーカ(図示せず)から出力し、ハンドセットから入力された音声を音声データに符号化して伝送I/F部21へ出力する通話回路、23は子機2の各部を制御する子機制御部である。
通話回路22には、着信時に表示される通常着信音や割り込み通話中着信音などの音源が設けられており、主装置1とのデータ伝送に基づき子機制御部23により制御される。
【0010】
24はフラッシュキー、フックスイッチやダイヤルキーなどの各種キーの操作を検出する操作入力部、25は各種情報を文字・図柄で表示する表示部、26は子機制御部23の処理に用いる制御情報を記憶するメモリである。
表示部24では、主装置1とのデータ伝送に基づき子機制御部23により、例えば外線着信などが文字・図柄で表示される。
【0011】
次に、図2〜4を参照して、本発明の処理動作として、通話中割り込み着信通知処理について説明する。
図2は通話中割り込み着信通知処理で用いるボタン電話装置と網側との接続状態を示す説明図であり、以下では、網4に相手先X(4X)と相手先Y(4Y)が接続され、電話回線11を介して網4と主装置1とが接続されており、主装置1には子機A(2A)と子機B(2B)とが接続されているものとする。図3は通話中着信時の動作を示すシーケンス図、図4は通話中割り込み着信通知処理を示すフローチャートである。
【0012】
まず、図3に示すように、網4、電話回線11Aおよび主装置1を介して、子機Aと相手先Xとで外線通話が行われている(ステップ50)。この状態で、相手先Yから電話回線11Aに対して外線発呼が行われた場合(ステップ51)、網4では、電話回線11Aが通話中であることから、通話中割り込み着信が発生した旨を示す所定の割り込み着信音を電話回線11Aへ送出し、通話中割り込み着信を通知する(ステップ52)。また、相手先Yに対して呼び出し中を示す呼び出し音(リングバックトーン)を送出する(ステップ53)。
【0013】
その後、網4では、相手先Xの通話パスを一時的に切断し(ステップ54)、電話回線11Aへ起動信号を送出した後(ステップ55)、通話中割り込み着信の発側相手先ここでは相手先Yを示す相手先情報を電話回線11Aへ送出する(ステップ56)。そして、相手先Xの通話バスを再接続する(ステップ57)。通常、起動信号および相手先情報はDTMF信号やモデム信号など音声帯域の信号が用いられるため、相手先Xへの通話パスが1秒以下のわずかな期間だけ切断されて無音状態となる。この後、網4では、通話中割り込み着信が発生した旨を通知するため割り込み着信音の送出を再開する(ステップ58)
【0014】
主装置1の情報受信部17では、網4からの起動信号に続いて相手先情報を受信し、主制御部15へ割り込み着信情報を出力する(ステップ59)。これに応じて、主装置1の主制御部15では、図4の通話中割り込み着信通知処理を開始する(ステップ60)。
まず、情報受信部17から割り込み着信情報を取得する(ステップ100)。この割り込み着信情報には、通話中割り込み着信が検出された電話回線ここでは電話回線11Aを示す着信外線番号、および網4から通知された相手先情報ここでは相手先Yを示す相手先番号などの情報が含まれている。
【0015】
続いて、その割り込み着信情報に含まれる着信外線番号に基づき、通話中割り込み着信が検出された電話回線11Aで通話している子機を示す子機番号すなわち通話子機番号を検索する(ステップ101)。主制御部15では、常時、すべての電話回線および子機の状態を管理しており、主記憶部16で保持している。各電話回線の状態とその電話回線を用いて通話を行っている子機との対応関係が、図5に示すような通話管理テーブルとして示すことができる。この通話管理テーブルを参照することにより、着信外線番号に対応する通話子機番号を検索できる。
【0016】
次に、主制御部15では、情報受信部17から取得した割り込み着信情報に相手先番号が含まれている場合には(ステップ102:YES)、その相手先番号に対応する相手先の名前を検索し(ステップ103)、さらにその相手先番号に対応する個別子機番号を検索する(ステップ104)。主制御部15では、主記憶部16に予め登録された図6に示すような相手先テーブルを用いて、それぞれの相手先番号について、その相手先の名前とその相手先番号が通知された場合に個別着信を行う子機を示す個別子機番号とを管理している。この相手先テーブルを参照することにより、網4から通知された相手先番号に対応する相手先の名前と、その相手先に対応する個別子機番号を検索できる。
【0017】
ステップ104において、相手先番号に対応する特定の個別子機番号が相手先テーブルに予め登録されておらず検索できなかった場合(ステップ105:NO)、主制御部15では、システム設定による各子機での着信規制や各子機の動作状態などを考慮して、その割り込み通話着信に応答できる子機を選択する(ステップ106)。そして、その選択子機へ通話中割り込み着信が発生したことを通知し(ステップ108)、一連の割り込み着信通知処理を終了する。
【0018】
この通話中割り込み着信の通知では、通話中割り込み着信が発生したことが通知され、選択された子機で通常着信とは異なる通話中割り込み着信音が送出される。これにより利用者が通話中割り込み着信である旨を音で認識できる。また、この通話中割り込み着信の通知の際、前述した各ステップで得られた情報が通知され、通知先の子機の表示部25で文字や図柄により表示される。これにより、通話中割り込み着信の内容が詳細に把握できる。
図7は子機での表示出力例を示す説明図である。例えば、通話子機番号「11」の子機Aが電話回線11Aすなわち「外線1」で外線通話中の場合、図7(a)に示すような、その外線通話の相手先や通話時間などの情報71が表示部25に表示される。また、通話管理テーブルは図5に示すような状態となる。
【0019】
このような通話状態で、電話回線「外線1(11A)」で通話中割り込み着信が検出された場合、ステップ101で通話子機番号として「11(A)」が検索される。また、相手先テーブルが図6に示すような内容で登録されており、網4から通知された相手先番号が「03−3493−749x」であった場合、ステップ103で相手先名「稲毛 隆行」が検索される。このとき、相手先番号に対応する個別子機番号が登録されていないことから、ステップ106で子機A以外で通話中割り込み着信に応答できる子機、例えば子機Bが選択され、ステップ106で通話中割り込み着信が発生したことが通知され、その子機Bで図7(b)に示すような情報72が表示される。
【0020】
通知先の子機Bでは、図7(b)に示すように、通話中割り込み着信が「外線1」で発生したことの他に、発側相手先を示す情報として、相手先の名前「稲毛隆行」や相手先番号「03−3493−749x」が表示され、さらに、通話中割り込み着信が発生した「外線1」で子機「11」が通話中であることが表示される。なお、通話中の子機「11」に対して通話中割り込み着信が発生したことを通知し、図7(c)に示すように、通話中割り込み着信に関する情報73として、相手先の名前や相手先番号を表示するようにしてもよい。
【0021】
このように、子機Aが通話中の電話回線11Aに対する通話中割り込み着信が情報受信部17により検出された場合は、子機A以外で通話中割り込み着信に応答可能な1つ以上の対応子機、例えば子機Bを選択し、その対応子機へ通話中割り込み着信を通知するようにしたので、その通話中割り込み着信が発生したことを、その着信が発生した電話回線で通話中の利用者以外の利用者が知ることができ、必要に応じて他の子機で通話中割り込み着信へ応答して対応することができ、通話中割り込み着信を確実に処理できようになる。
【0022】
また、通話中割り込み着信を通知する際、対応子機Bに対して相手先情報に基づく発側相手先を示す情報、通話中割り込み着信が検出された電話回線11Aを示す情報、通話中割り込み着信が検出された電話回線11Aで通話中の子機Aを示す情報を通知するようにしたので、対応子機Bで通話中割り込み着信が発生した情報を詳細に把握することができ、適切に対応することができる。なお、図5に示す電話回線「外線2(11B)」のように、通話中割り込み着信が保留状態にある電話回線から検出された場合、対応子機に対して通話中割り込み着信が検出された電話回線が保留状態にある旨を通知するようにしてもよく、対応子機Bで通話中割り込み着信が発生した情報をさらに詳細に把握することができる。
【0023】
一方、網4から通知された相手先番号に対応する1つ以上の特定の個別子機番号が相手先テーブルに予め登録されており、それが検索された場合(ステップ105:YES)、主制御部15では、その個別子機番号に対応する子機すなわち対応子機を選択して(ステップ107)、その対応子機へ通話中割り込み着信が発生したことを通知し(ステップ108)、一連の割り込み着信通知処理を終了する。したがって、前述した図7(b)の表示は、個別子機番号に対応する子機でのみ表示出力される。
このように、対応子機Bとして相手先情報に対応して予め登録されている子機を選択して通話中割り込み着信を通知するようにしたので、通話中割り込み着信であっても個別着信機能を提供できる。
【0024】
前述のステップ102において、網4から相手先番号が通知されなかった場合は(ステップ102:NO)、ステップ106へ移行する。これにより、その通話中割り込み着信に応答できる子機が選択され(ステップ106)、その選択子機へ通話中割り込み着信の発生したことが通知され(ステップ108)、一連の割り込み着信通知処理を終了する。このとき、図7(b)のうち、相手先の名前および相手先番号は表示されない。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、第1の子機が通話中の電話回線に対する通話中割り込み着信が検出された場合は、第1の子機以外の子機で、かつ通話中割り込み着信に応答可能な1つ以上の対応子機を選択し、その対応子機へ通話中割り込み着信を通知するようにしたので、その通話中割り込み着信が発生したことを、その着信が発生した電話回線で通話中の利用者以外の利用者が知ることができ、必要に応じて他の子機で通話中割り込み着信へ応答して対応することができ、通話中割り込み着信を確実に処理できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態によるボタン電話装置のブロック図である。
【図2】 ボタン電話装置と網側との接続状態を示す説明図である。
【図3】 通話中割り込み着信時の動作を示すシーケンス図である。
【図4】 通話割り込み通知処理を示すフローチャートである。
【図5】 通話管理テーブルの構成例を示す説明図である。
【図6】 相手先テーブルの構成例を示す説明図である。
【図7】 子機での表示出力例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…主装置、2,2A〜2N…子機、11A〜11M…電話回線、12…外線I/F部、13…内線I/F部、14…交換処理部、15…主制御部、16…主記憶部、17…情報受信部、21…伝送I/F部、22…通話回路、23…子機制御部、24…操作入力部、25…表示部、26…メモリ,3…内線伝送路、4…網、4X…相手先X、4Y…相手先Y。
Claims (8)
- 少なくとも第1および第2の子機を含む複数の子機と、電話回線に接続され前記各子機を制御する主装置とを有し、通話中の電話回線に対して網側から通話中割り込み着信があった場合、その電話回線を用いた通話を一時中断し、その電話回線を用いて割り込み通話を形成するボタン電話装置であって、
通話中割り込み着信を検出する検出手段と、
前記第1の子機が通話中の電話回線に対する通話中割り込み着信が前記検出手段により検出された場合は、前記第1の子機以外の子機で、かつ前記通話中割り込み着信に応答可能な1つ以上の対応子機を選択し、その対応子機へ前記通話中割り込み着信を通知する制御手段とを備えることを特徴とするボタン電話装置。 - 請求項1記載のボタン電話装置において、
前記検出手段は、前記通話中割り込み着信の発側相手先を示す相手先情報を受信し、
前記制御手段は、前記通話中割り込み着信を通知する際、前記対応子機に対して前記相手先情報に基づき前記発側相手先を通知することを特徴とするボタン電話装置。 - 請求項1記載のボタン電話装置において、
前記制御手段は、前記通話中割り込み着信を通知する際、前記対応子機に対して前記通話中割り込み着信が検出された前記電話回線を示す情報を通知することを特徴とするボタン電話装置。 - 請求項1記載のボタン電話装置において、
前記制御手段は、前記通話中割り込み着信を通知する際、前記対応子機に対して前記通話中割り込み着信が検出された前記電話回線で通話中の前記第1の子機を示す情報を通知することを特徴とするボタン電話装置。 - 請求項1記載のボタン電話装置において、
前記検出手段は、前記通話中割り込み着信の発側相手先を示す相手先情報を受信し、
前記制御手段は、前記対応子機として前記相手先情報に対応して予め登録されている子機を選択して前記通話中割り込み着信を通知することを特徴とするボタン電話装置。 - 請求項1記載のボタン電話装置において、
前記制御手段は、前記通話中割り込み着信が保留状態にある電話回線から検出された場合、前記対応子機に対して前記通話中割り込み着信が検出された前記電話回線が保留状態にある旨を通知することを特徴とするボタン電話装置。 - 請求項1〜6記載のボタン電話装置において、
前記対応子機は、前記制御手段からの前記通話中割り込み着信の通知に応じて、通常着信時の着信音とは異なる着信音を出力することを特徴とするボタン電話装置。 - 請求項1〜6記載のボタン電話装置において、
前記対応子機は、前記制御手段から通知された前記通話中割り込み着信に関する内容を文字または図柄で表示出力することを特徴とするボタン電話装置。
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