JP3700401B2 - 光コネクタの取付構造及び取付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバと光電素子とを光結合させるための光コネクタ、特にシールド性能を有する光コネクタの取付構造及び取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の光コネクタの取付構造として、図14及び図15に示すような構成のものがある。
【0003】
この光コネクタ100は、ハウジング100aの内部に発光素子や受光素子等の光電素子(図示省略)が収容配置されてなる。
【0004】
上記ハウジング100aの前面側には、接続口部101が形成されており、この接続口部101に光ファイバを保持した相手側のコネクタを挿入接続することにより、その内部の光電素子と光ファイバとの光結合がなされるように構成されている。
【0005】
また、ハウジング100aの底面側に光電素子のリードbが貫設しており、光コネクタ100をプリント配線基板Pに取付けた状態では、各リードbはプリント配線基板Pに形成された所定の配線パターンにはんだ付けされる。
【0006】
また、ハウジング100aの両側部には、導電性樹脂製の取付部102が一体成形されると共に、この取付部102にネジ孔103が形成されており、プリント配線基板Pに形成されたネジ孔Phにその下方からネジSを挿通させ、そのネジSをネジ孔103に螺合させることにより、光コネクタ100がプリント配線基板Pに固定される。
【0007】
ここで、上記ハウジング100aは、その内部の光電素子を外来ノイズから保護すべく導電性樹脂によって形成されており、このハウジング100aは、同じく導電性樹脂によって形成された取付部102からネジSを介してプリント配線基板Pに形成されたアース接地用の所定の配線パターンに電気的に接続され、これにより当該ハウジング100aのアース接地がなされる構成となっている。
【0008】
なお、これに関連する技術として実開平7−8811号公報を挙げておく。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように、光コネクタ100をネジSによって取付けて、そのネジSを介してハウジング100aをアース接地するような光コネクタの取付構造によると、以下に述べるような問題が生じる。
【0010】
まず、ネジSを取付部102のネジ孔103にねじ込む際に、取付部102に割れが生じるという問題である。
【0011】
即ち、導電性樹脂は、通常、絶縁性樹脂に炭素フィラーや金属フィラー等の導電性フィラーを混入することにより導電性を付与したものであるため、元の絶縁性樹脂と比べて脆くなりやすい。従って、ネジ孔103にネジSをねじ込む際に、ネジ孔103を拡開するような無理な力が作用すると、取付部102に割れが生じてしまうことになる。
【0012】
次に、取付部102を介したアース接地が不確実であるという問題がある。
【0013】
即ち、上述したようにネジSを取付部102のネジ孔103にねじ込む際に生じた取付部102への割れ等により、ネジSと取付部102との電気的接触が不充分となり、アース接地が確実になされないことがある。
【0014】
そこで、この発明は上述したような各問題を解決すべくなされたもので、取付部の割れを防止し、かつ、アース接地をより確実に行うことが可能な光コネクタの取付構造及び取付方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明の請求項1記載の光コネクタの取付構造は、内部に光電素子が収容配置され少なくとも前記光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成されたハウジングに、このハウジングの導電性樹脂によって形成された部分をアース接地すると共にこのハウジングの固定を行うための取付部が形成された光コネクタを所定の被取付部材に取付けるための光コネクタの取付構造であって、前記取付部に孔部が形成される一方、前記被取付部材に前記孔部に圧入可能でかつアース接地された導電性の取付ピンが立設され、前記取付ピンが前記孔部に圧入された状態でその取付ピンが加熱されることにより、前記孔部の内周面が前記取付ピンの外周面に溶着されている。
【0016】
また、請求項2記載の光コネクタの取付方法は、内部に光電素子が収容配置され少なくとも前記光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成されたハウジングに、このハウジングの導電性樹脂によって形成された部分をアース接地すると共にこのハウジングの固定を行うための取付部が形成された光コネクタを所定の被取付部材に取付けるための光コネクタの取付方法であって、前記取付部に孔部を形成する一方、前記被取付部材に前記孔部に圧入可能でかつアース接地された導電性の取付ピンを立設し、前記取付ピンを前記孔部に圧入させた後、その取付ピンを加熱することにより、前記孔部の内周面を前記取付ピン外周面に溶着させている。
【0017】
さらに、請求項3記載の光コネクタの取付構造は、内部に光電素子が収容配置され少なくとも前記光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成されたハウジングに、このハウジングの導電性樹脂によって形成された部分をアース接地すると共にこのハウジングの固定を行うための取付部が形成された光コネクタを所定の被取付部材に取付けるための光コネクタの取付構造であって、前記取付部に孔部が形成される一方、前記被取付部材にアース接地された導電性の取付ピンが立設されると共にその取付ピンの外周面に前記取付ピンを前記孔部内に圧入する際にその孔部の内周面の少なくとも一部を削取るための削取り部が形成され、前記削取り部により前記孔部の内周面の少なくとも一部を削取るようにして前記取付ピンが前記孔部内に圧入されている。
【0018】
なお、この場合、請求項4記載のように、前記孔部内に前記取付ピンが圧入された状態でその取付ピンが加熱されて、前記孔部の内周面が前記取付ピンの外周面に溶着されていてもよい。
【0019】
また、請求項5記載の光コネクタの取付方法は、内部に光電素子が収容配置され少なくとも前記光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成されたハウジングに、このハウジングの導電性樹脂によって形成された部分をアース接地すると共にこのハウジングの固定を行うための取付部が形成された光コネクタを所定の被取付部材に取付けるための光コネクタの取付方法であって、前記取付部に孔部を形成する一方、前記被取付部材にアース接地された導電性の取付ピンを立設すると共にその取付ピンの外周面に前記取付ピンを前記孔部内に圧入する際にその孔部の内周面の少なくとも一部を削取るための削取り部を形成し、前記削取り部により前記孔部の内周面の少なくとも一部を削取るようにして前記取付ピンを前記孔部内に圧入している。
【0020】
なお、この場合、請求項6記載のように、前記取付ピンを前記孔部内に圧入した後に、前記取付ピンを加熱して、前記孔部の内周面を前記取付ピンの外周面に溶着させてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる第1実施形態の光コネクタの取付構造及び取付方法について説明する。
【0022】
この光コネクタの取付構造は、図1に示すように、被取付部材としてのプリント配線基板Pに光コネクタ1が取付けられた構成となっている。
【0023】
光コネクタ1は、図1〜図4に示すように、内部に発光素子や受光素子等の光電素子を収容するハウジング2と、このハウジング2の両側面に外方に張り出すようにして一体成形された一対の取付部10とからなり、これらハウジング2及び取付部10は共に導電性樹脂によって形成されている。
【0024】
ハウジング2は、内部に光電素子を収容する収容部3が形成された筺状体であり、その前面が開口して接続口部4が形成されている。この接続口部4は、光ファイバを保持した相手側のコネクタ(図示省略)が挿入可能なように構成されており、その接続口部4の上部及び下部に当該相手側のコネクタに形成された係合部(図示省略)が係合可能な係合孔部4a,4bが形成されている。そして、相手側のコネクタを接続口部4に挿入接続してその係合部を係合孔部4a,4bに係合させることにより、ハウジング2内に収容配置された光電素子と相手側のコネクタに保持された光ファイバとの光結合がなされるように構成されている。
【0025】
また、ハウジング2の底面後部には、その内部に収容配置された光電素子のリードb(図2の2点鎖線参照)を外部に導出するためのリード引出孔5が形成されており、光コネクタ1がプリント配線基板Pに取付けられた状態では、このリード引出孔5から引出されたリードbがプリント配線基板Pに形成された所定の配線パターンにはんだ付けされる構成となっている。
【0026】
各取付部10は、ハウジング2の両側面の下部後方より外方に張り出すようにして形成された厚板状の部材であり、その底面がハウジング2の底面と同一平面上に連接して形成されると共に、それぞれに上下に貫通する孔部11が形成されている。
【0027】
プリント配線基板Pには、図1及び図4に示すように、上記光コネクタ1の取付領域のうちその各取付部10の各孔部11に対応する各位置に一対の取付ピン50が立設される。
【0028】
各取付ピン50は、その外径寸法が孔部11の内径寸法とほぼ同じ、又は、孔部11の内径寸法よりも僅かに大きく仕上げられて孔部11に圧入可能とされると共に、その高さ寸法が取付部10の厚み寸法よりも大きく仕上げられて取付ピン50を孔部11に圧入すると、その取付ピン50の上部が孔部11より上方に突出可能なように構成されている。
【0029】
また、各取付ピン50は、導電性材、例えば、金属等によって形成されると共に、プリント配線基板Pに形成された所定のアース接地用の配線パターンに電気的に接続されており、各取付ピン50が孔部11内に圧入されると取付部10がその取付ピン50を介してアース接地されるように構成されている。
【0030】
各取付ピン50をプリント配線基板Pに取付ける構成としては、例えば、図5及び図6に示すような構成とすればよい。
【0031】
即ち、プリント配線基板Pには取付ピン50圧入用の圧入孔Phを形成しておく。一方、取付ピン50は、前記孔部11に圧入される部分である円柱形状のピン部51の下端部に鍔状のヘッド部53を形成すると共に、そのヘッド部53寄りの部分をそのピン部51よりもやや径大で前記圧入孔Phに圧入可能な同じく円柱形状の圧入部52に仕上げておく。
【0032】
そして、プリント配線基板Pの下方から圧入孔Ph内に取付けピン50を挿入して、その圧入部52を圧入孔Phに圧入する。これにより、取付ピン50が、そのピン部51をプリント配線基板Pの上面に立設させた状態で抜止め状に取付けられる。
【0033】
なお、このとき、例えば、取付ピン50のヘッド部53をプリント配線基板P下面に形成された配線パターンに接触させて、アース接地を行うようにすればよい。
【0034】
次に、光コネクタ1をプリント配線基板Pに取付ける方法について説明する。
【0035】
まず、図7に示すように、プリント配線基板Pの取付ピン50を取付部10の孔部11内にその下方から挿入するようにして、光コネクタ1をプリント配線基板P上に押し下げる。
【0036】
そして、光コネクタ1の底面とプリント配線基板Pの上面とが互いに接触するまで光コネクタ1を押し下げると、図8に示すように、各取付ピン50が各取付部10の孔部11内に圧入されると共に、それらの上部が各孔部11の上方に突出した状態となる。この状態で、図8の矢符Pに示すように、各取付ピン50の孔部11上方に突出した部分を、はんだごて等で加熱する。これにより熱が取付ピン50内を伝わって各孔部11の内周面が溶融されその後の自然冷却により取付ピン50の外周面に溶着されて、光コネクタ1がプリント配線基板Pに固定されることになる。
【0037】
この際、例えば、導電性樹脂として、ポリブチレンテレフタレート(PBT)に導電性フィラーとしてニッケルでコーティングしたカーボンファイバを20%含有したものを用いた場合には、220℃程度に加熱すればよい。
【0038】
ところで、導電性フィラーを混入した導電性樹脂によって光コネクタ1を形成した際には、その光コネクタ1表面に導電性フィラーを含まない絶縁性樹脂のみのスキン層Lが形成されている。
【0039】
従って、上記取付け工程において、孔部11内に取付ピン50を圧入した後その取付ピン50を加熱する前の状態では、図9に示すように、取付ピン50の外周面がスキン層Lを介して取付部10の導電性を有する部分に接触しており、両者間に電気的導通が得にくい状態となっている。そして、この状態で、上述のごとく取付ピン50を加熱することにより、スキン層Lが溶けて、図10に示すように、当該スキン層Lが除去され、又は、そのスキン層Lにも導電性フィラーが混入して、取付ピン50が取付部10の導電性を有する部分に直接接触するようになり、両者間により確実な電気的接触が得られるようになる。
【0040】
なお、ハウジング2のリード引出孔5から引出された光電素子のリードbは、プリント配線基板Pに形成されたスルーホールに挿通されて、そのプリント配線基板P下面に形成された所定の配線パターンにはんだ付けされるようになっている(図示省略)。
【0041】
以上のように構成された光コネクタの取付構造及びその取付方法によると、ハウジング2に形成された取付部10に孔部11を形成する一方、プリント配線基板Pには取付ピン50を立設し、その取付ピン50を取付部10の孔部11に圧入する構成となっているので、図14及び図15に示す従来例のようにネジSを取付部102のネジ孔103にねじ込む構成と比較して、取付部10に割れが生じにくくなる。そして、そのように取付ピン50が孔部11に圧入された状態でその取付ピン50を加熱することにより、孔部11の内周面を取付ピン50の外周面に溶着させるようにしているため、その取付ピン50と取付部10との間により確実な電気的接触がなされ、この光コネクタ1のアース接地をより確実に行うことが可能となる。
【0042】
また、このように取付ピン50を孔部11内に圧入し、その取付ピン50を加熱するだけで取付が行えるので、従来のネジ締めによる取付構造に比べて、当該取付作業も短時間で容易に行うことができる。
【0043】
また、図14及び図15に示す光コネクタの取付構造の場合、ネジSをネジ孔103にねじ込む際にネジ孔103の内周面がネジSにより削られて導電性の削り屑が発生し、この屑がプリント配線基板Pに付着して短絡等を生じさせる恐れがあったが、この取付構造では、圧入時にたとえそのような屑が発生しても取付ピン50の加熱時に溶けて取付部10に一体化してしまうので、上述のような問題は生じない。
【0044】
なお、ハウジング2を導電性樹脂によって形成するのは、その内部の光電素子を電磁シールドするためなので、必ずしもその全体を導電性樹脂によって形成する必要はなく、少なくとも光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成されていればよい。また、そのハウジング2の外周側を他の絶縁性樹脂製のハウジングによって覆ってあってもよい。
【0045】
なお、実際にこの第1実施形態にかかる光コネクタの取付構造を製作した。
【0046】
この場合、シールド効果は次に示すようであった。
【0047】
まず、144MHz,1.2GHzのトランシーバ試験(直近でアマチュア無線用トランシーバを使用して光送受信素子の機能が損なわれないか否かの試験)では、図14及び図15に示す従来の取付構造と同等のシールド効果が得られた。
【0048】
そして、TEMセル試験によって耐電磁波試験を行った場合でも10MHz〜500MHzまで、図14及び図15に示す従来の取付構造と同等のシールド効果が得られた。
【0049】
また、最低受信感度を測定したところ、図14及び図15に示す従来の取付構造では、−28.5〜−32.0dBm(サンプル数n=20)であり、本実施形態の取付構造でも−28.5〜−32.0dBm(サンプル数n=20)であり、両者同等の最低受信感度であることがわかった。
【0050】
次に、この発明にかかる第2実施形態の光コネクタの取付構造及び取付方法について説明する。
【0051】
なお、光コネクタについては、上記第1実施形態の光コネクタ1と同様構成であるので、ここでの説明は省略する。
【0052】
即ち、この第2実施形態では、図11に示すように、プリント配線基板Pに立設される取付ピン60Aの形状を六角柱形状に仕上げることにより、その外周面に周方向に所定間隔で形成された6つのコーナー部を削取り部61Aに仕上げている。また、取付ピン60Aの最大幅寸法H1(相対向する頂点間の距離)を取付部10の孔部11の内径寸法rよりも若干大きく仕上げ、また、最小幅寸法H2(対向する辺間の距離)を前記内径寸法rよりも若干小さく仕上げている。また、取付ピン60Aの高さ寸法は、取付部10の厚み寸法よりも大きく仕上げられており、取付ピン60Aを取付部10の孔部11に圧入した状態で、取付ピン60Aの上部が孔部11より上方に突出するように構成されている。
【0053】
次に、光コネクタ1をプリント配線基板Pに取付ける方法について説明すると、まず、プリント配線基板Pの取付ピン60Aを取付部10の孔部11内にその下方から挿入するようにして、光コネクタ1をプリント配線基板P上に押し下げる。
【0054】
すると、上記各削取り部61Aの上部のエッジ部分が孔部11の内周面をその下方から削取るようにして、取付ピン60Aが孔部11内に圧入されて、光コネクタ1がプリント配線基板Pに取付けられる。
【0055】
このように各削取り部61Aの上部のエッジ部分が孔部11の内周面をその下方から削取る際には、孔部11の内周面の表面に形成されたスキン層Lが(図9参照)削取られて除去されるので、その取付ピン60Aと取付部10の内部導電部とは部分的にスキン層Lを介することなく直接接触し、取付部10と取付ピン60A間により確実な電気的接続がなされる。
【0056】
以上のように構成された光コネクタ1の取付構造及び取付方法によると、取付ピン60Aの外周面にその取付ピン60Aを光コネクタ1側の孔部11内に圧入する際にその孔部11の内周面を削取るための削取り部61Aが形成されており、その削取り部61Aにより孔部11の内周面を削取るようにして当該取付ピン60Aを孔部11内に圧入しているため、従来のようにネジSを取付部102のネジ孔103にねじ込む構成と比較して、取付部10に割れが生じにくくなる。また、そのように削取り部61Aによって孔部11内周面が部分的に削取られてその取付ピン60Aと取付部10の内部導電部とがスキン層Lを介することなく直接密着するために、取付ピン60Aと取付部10との間により確実な電気的接触が得られ、この光コネクタ1のアース接地をより確実に行うことが可能となる。
【0057】
また、このように取付ピン60Aを孔部11内に圧入することで光コネクタ1の取付けが行えるので、従来のネジ締めによる取付構造に比べて、当該取付作業も短時間で容易に行うことができる。
【0058】
なお、取付ピン60Aに形成される削取り部61Aの形状は、図11に示すものに限られるものではない。
【0059】
例えば、図12に示すように、円柱形状の部分の両側部に上下方向に沿って突条状の削取り部61Bを形成した取付ピン60Bや、図13に示すように、円柱形状の部分の両側部に複数の細かい突条よりなる鋸歯状の削取り部61Cを形成した取付ピン60Cであっても、上述の場合と同様に、それら取付ピン60B,60Cを孔部11内に圧入する際に、それら削取り部61B,61Cが孔部11内周面のスキン層Lを削取って取付けピン60B,60Cと取付部10間により確実な電気的接触がなされることになる。
【0060】
なお、この第2実施形態の場合にも、上記第1実施形態の場合と同様に、取付ピン60A,60B,60Cを孔部11内に圧入した後、その取付ピン60A,60B,60Cを加熱することにより、孔部11の内周面を取付けピン60A,60B,60Cの外周面に溶着させることにより、その取付ピン60A,60B,60Cと取付部10との間にさらに確実な電気的接触がなされ、この光コネクタ1のアース接地をさらに確実に行うことが可能となる。
【0061】
特に、この第2実施形態の場合には、削取り部61A,61B,61Cが孔部11内周面を削取って削り屑を発生させることになるので、このように取付ピン60A,60B,60Cを加熱すれば、それらの削り屑が当該加熱により溶けて取付部10に一体化してしまうので、その削り屑による短絡等の問題が生じなくなる。
【0062】
なお、この第2実施形態の光コネクタ1の取付構造を製作して、上記第1実施形態の場合と同様にシールド効果の試験及び最低受信感度の測定を行った。
【0063】
この場合でも、図11〜図13のいずれに示す場合でも、トランシーバ試験及びTEMセル試験で従来と同等のシールド効果が得られ、また、最低受信感度についても従来の同等の最低受信感度が得られた。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1記載の光コネクタの取付構造によると、ハウジングに形成された取付部に孔部が形成される一方、被取付部材に前記孔部に圧入可能でかつアース接地された導電性の取付ピンが立設され、その取付ピンが孔部に圧入される構成となっているので、従来のようにネジを取付部のネジ孔にねじ込む構成と比較して、取付部に割れが生じにくくなる。そして、そのように取付ピンが孔部に圧入された状態でその取付ピンが加熱されることにより、孔部の内周面が取付ピンの外周面に溶着されて光コネクタが被取付部材に取付けられているため、その取付ピンと取付部との間により確実な電気的接触がなされ、この光コネクタのアース接地をより確実に行うことが可能となる。
【0065】
次に、この発明の請求項2記載の光コネクタの取付方法によると、ハウジングに形成された取付部に孔部を形成する一方、被取付部材に孔部に圧入可能でかつアース接地された導電性の取付ピンを立設し、その取付ピンを孔部に圧入させているため、従来のようにネジを取付部のネジ孔にねじ込む構成と比較して、取付部に割れが生じにくくなる。そして、そのように取付ピンを孔部に圧入させた後、当該取付ピンを加熱することにより、孔部の内周面を取付ピン外周面に溶着させて光コネクタを被取付部材に取付けているため、その取付ピンと取付部との間により確実な電気的接触がなされ、この光コネクタのアース接地をより確実に行うことが可能となる。
【0066】
また、この発明の請求項3記載の光コネクタの取付構造によると、ハウジングに形成された取付部に孔部が形成される一方、被取付部材にアース接地された導電性の取付ピンが立設されると共にその取付ピンの外周面に取付ピンを孔部内に圧入する際にその孔部の内周面の少なくとも一部を削取るための削取り部が形成されており、削取り部により前記孔部の内周面の少なくとも一部を削取るようにして取付ピンを前記孔部内に圧入することにより、光コネクタが被取付部材に取付けられているため、従来のようにネジを取付部のネジ孔にねじ込む構成と比較して、取付部に割れが生じにくくなる。また、取付ピンの削取り部が孔部の内周面を削取ってその削取り部分に密着することになるので、取付ピンと取付部との間により確実な電気的接触が得られ、この光コネクタのアース接地をより確実に行うことが可能となる。
【0067】
この場合にも、請求項4記載のように、孔部内に取付ピンが圧入された状態でその取付ピンが加熱されて、前記孔部の内周面が前記取付ピンの外周面に溶着された構成とすると、その取付ピンと取付部との間にさらに確実な電気的接触がなされ、この光コネクタのアース接地をより確実に行うことが可能となる。
【0068】
また、この発明の請求項5記載の光コネクタの取付方法によると、ハウジングに形成された取付部に孔部を形成する一方、被取付部材にアース接地された導電性の取付ピンを立設すると共にその取付ピンの外周面に取付ピンを孔部内に圧入する際にその孔部の内周面の少なくとも一部を削取るための削取り部を形成し、その削取り部により孔部の内周面の少なくとも一部を削取るようにして取付ピンを孔部内に圧入して、光コネクタを前記被取付部材に取付けているため、従来のようにネジを取付部のネジ孔にねじ込む構成と比較して、取付部に割れが生じにくくなる。また、取付ピンの削取り部が孔部の内周面を削取ってその削取り部分に密着することになるので、取付ピンと取付部との間により確実な電気的接触がなされ、この光コネクタのアース接地をより確実に行うことが可能となる。
【0069】
この場合にも、請求項6記載のように、孔部内に取付ピンを圧入した後でその取付ピンを加熱して、孔部の内周面を取付ピンの外周面に溶着させるようにすると、その取付ピンと取付部との間にさらに確実な電気的接触がなされ、この光コネクタのアース接地をより確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる第1実施形態の光コネクタの取付構造を示す正面図である。
【図2】光コネクタの斜視図である。
【図3】図3(a)は光コネクタの平面図、図3(b)は光コネクタの正面図、図3(c)は光コネクタの底面図、図3(d)は光コネクタの側面図である。
【図4】光コネクタの取付構造の分解斜視図である。
【図5】取付ピンをプリント配線基板へ取付ける一工程を示す一部断面側面図である。
【図6】取付ピンをプリント配線基板へ取付けた状態を示す一部断面側面図である。
【図7】光コネクタをプリント配線基板に取付ける一工程を示す正面図である。
【図8】光コネクタをプリント配線基板に取付ける他の工程を示す正面図である。
【図9】取付部の孔部と取付ピンとの接触状態を示す要部拡大断面図である。
【図10】取付部の孔部と取付ピンとの他の接触状態を示す要部拡大断面図である。
【図11】この発明にかかる第2実施形態の光コネクタの取付構造にかかる取付ピンを示す斜視図である。
【図12】同上の取付ピンの変形例を示す斜視図である。
【図13】同上の取付ピンの他の変形例を示す斜視図である。
【図14】従来例を示す一部断面正面図である。
【図15】同上の従来例を示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
1 光コネクタ
2 ハウジング
10 取付部
11 孔部
50 取付ピン
60A,60B,60C 取付ピン
61A,61B,61C 削取り部
P プリント配線基板
Claims (6)
- 内部に光電素子が収容配置され少なくとも前記光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成されたハウジングに、このハウジングの導電性樹脂によって形成された部分をアース接地すると共にこのハウジングの固定を行うための取付部が形成された光コネクタを所定の被取付部材に取付けるための光コネクタの取付構造であって、
前記取付部に孔部が形成される一方、前記被取付部材に前記孔部に圧入可能でかつアース接地された導電性の取付ピンが立設され、
前記取付ピンが前記孔部に圧入された状態でその取付ピンが加熱されることにより、前記孔部の内周面が前記取付ピンの外周面に溶着された光コネクタの取付構造。 - 内部に光電素子が収容配置され少なくとも前記光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成されたハウジングに、このハウジングの導電性樹脂によって形成された部分をアース接地すると共にこのハウジングの固定を行うための取付部が形成された光コネクタを所定の被取付部材に取付けるための光コネクタの取付方法であって、
前記取付部に孔部を形成する一方、前記被取付部材に前記孔部に圧入可能でかつアース接地された導電性の取付ピンを立設し、
前記取付ピンを前記孔部に圧入させた後、その取付ピンを加熱することにより、前記孔部の内周面を前記取付ピン外周面に溶着させた光コネクタの取付方法。 - 内部に光電素子が収容配置され少なくとも前記光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成されたハウジングに、このハウジングの導電性樹脂によって形成された部分をアース接地すると共にこのハウジングの固定を行うための取付部が形成された光コネクタを所定の被取付部材に取付けるための光コネクタの取付構造であって、
前記取付部に孔部が形成される一方、前記被取付部材にアース接地された導電性の取付ピンが立設されると共にその取付ピンの外周面に前記取付ピンを前記孔部内に圧入する際にその孔部の内周面の少なくとも一部を削取るための削取り部が形成され、
前記削取り部により前記孔部の内周面の少なくとも一部を削取るようにして前記取付ピンが前記孔部内に圧入された光コネクタの取付構造。 - 前記孔部内に前記取付ピンが圧入された状態でその取付ピンが加熱されて、前記孔部の内周面が前記取付ピンの外周面に溶着された請求項3記載の光コネクタの取付構造。
- 内部に光電素子が収容配置され少なくとも前記光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成されたハウジングに、このハウジングの導電性樹脂によって形成された部分をアース接地すると共にこのハウジングの固定を行うための取付部が形成された光コネクタを所定の被取付部材に取付けるための光コネクタの取付方法であって、
前記取付部に孔部を形成する一方、前記被取付部材にアース接地された導電性の取付ピンを立設すると共にその取付ピンの外周面に前記取付ピンを前記孔部内に圧入する際にその孔部の内周面の少なくとも一部を削取るための削取り部を形成し、
前記削取り部により前記孔部の内周面の少なくとも一部を削取るようにして前記取付ピンを前記孔部内に圧入した光コネクタの取付方法。 - 前記取付ピンを前記孔部内に圧入した後に、前記取付ピンを加熱して、前記孔部の内周面を前記取付ピンの外周面に溶着させる請求項5記載の光コネクタの取付方法。
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