JP2000056186A - 光コネクタの取付構造及び取付方法 - Google Patents

光コネクタの取付構造及び取付方法

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JP2000056186A
JP2000056186A JP10224412A JP22441298A JP2000056186A JP 2000056186 A JP2000056186 A JP 2000056186A JP 10224412 A JP10224412 A JP 10224412A JP 22441298 A JP22441298 A JP 22441298A JP 2000056186 A JP2000056186 A JP 2000056186A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取付部の割れを防止し、かつ、アース接地を
より確実に行うことが可能な光コネクタの取付構造を提
供すること。 【解決手段】 導電性樹脂によって形成され内部に光電
素子を収容するハウジング2の両側部に取付部10が一
体成形される。取付部10には孔部11が形成される一
方、プリント配線基板Pにはその孔部11に圧入可能な
金属製の取付ピン50が立設される。取付ピン50を孔
部11に圧入した状態でその取付ピン50を加熱して孔
部11の内周面を取付ピン50の外周面に溶着させるよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ファイバと光
電素子とを光結合させるための光コネクタ、特にシール
ド性能を有する光コネクタの取付構造及び取付方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の光コネクタの取付構造と
して、図14及び図15に示すような構成のものがあ
る。
【0003】この光コネクタ100は、ハウジング10
0aの内部に発光素子や受光素子等の光電素子(図示省
略)が収容配置されてなる。
【0004】上記ハウジング100aの前面側には、接
続口部101が形成されており、この接続口部101に
光ファイバを保持した相手側のコネクタを挿入接続する
ことにより、その内部の光電素子と光ファイバとの光結
合がなされるように構成されている。
【0005】また、ハウジング100aの底面側に光電
素子のリードbが貫設しており、光コネクタ100をプ
リント配線基板Pに取付けた状態では、各リードbはプ
リント配線基板Pに形成された所定の配線パターンには
んだ付けされる。
【0006】また、ハウジング100aの両側部には、
導電性樹脂製の取付部102が一体成形されると共に、
この取付部102にネジ孔103が形成されており、プ
リント配線基板Pに形成されたネジ孔Phにその下方か
らネジSを挿通させ、そのネジSをネジ孔103に螺合
させることにより、光コネクタ100がプリント配線基
板Pに固定される。
【0007】ここで、上記ハウジング100aは、その
内部の光電素子を外来ノイズから保護すべく導電性樹脂
によって形成されており、このハウジング100aは、
同じく導電性樹脂によって形成された取付部102から
ネジSを介してプリント配線基板Pに形成されたアース
接地用の所定の配線パターンに電気的に接続され、これ
により当該ハウジング100aのアース接地がなされる
構成となっている。
【0008】なお、これに関連する技術として実開平7
−8811号公報を挙げておく。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように、光コネクタ100をネジSによって取付けて、
そのネジSを介してハウジング100aをアース接地す
るような光コネクタの取付構造によると、以下に述べる
ような問題が生じる。
【0010】まず、ネジSを取付部102のネジ孔10
3にねじ込む際に、取付部102に割れが生じるという
問題である。
【0011】即ち、導電性樹脂は、通常、絶縁性樹脂に
炭素フィラーや金属フィラー等の導電性フィラーを混入
することにより導電性を付与したものであるため、元の
絶縁性樹脂と比べて脆くなりやすい。従って、ネジ孔1
03にネジSをねじ込む際に、ネジ孔103を拡開する
ような無理な力が作用すると、取付部102に割れが生
じてしまうことになる。
【0012】次に、取付部102を介したアース接地が
不確実であるという問題がある。
【0013】即ち、上述したようにネジSを取付部10
2のネジ孔103にねじ込む際に生じた取付部102へ
の割れ等により、ネジSと取付部102との電気的接触
が不充分となり、アース接地が確実になされないことが
ある。
【0014】そこで、この発明は上述したような各問題
を解決すべくなされたもので、取付部の割れを防止し、
かつ、アース接地をより確実に行うことが可能な光コネ
クタの取付構造及び取付方法を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明の請求項1記載の光コネクタの取付構造
は、内部に光電素子が収容配置され少なくとも前記光電
素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成されたハウジ
ングに、このハウジングの導電性樹脂によって形成され
た部分をアース接地すると共にこのハウジングの固定を
行うための取付部が形成された光コネクタを所定の被取
付部材に取付けるための光コネクタの取付構造であっ
て、前記取付部に孔部が形成される一方、前記被取付部
材に前記孔部に圧入可能でかつアース接地された導電性
の取付ピンが立設され、前記取付ピンが前記孔部に圧入
された状態でその取付ピンが加熱されることにより、前
記孔部の内周面が前記取付ピンの外周面に溶着されてい
る。
【0016】また、請求項2記載の光コネクタの取付方
法は、内部に光電素子が収容配置され少なくとも前記光
電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成されたハウ
ジングに、このハウジングの導電性樹脂によって形成さ
れた部分をアース接地すると共にこのハウジングの固定
を行うための取付部が形成された光コネクタを所定の被
取付部材に取付けるための光コネクタの取付方法であっ
て、前記取付部に孔部を形成する一方、前記被取付部材
に前記孔部に圧入可能でかつアース接地された導電性の
取付ピンを立設し、前記取付ピンを前記孔部に圧入させ
た後、その取付ピンを加熱することにより、前記孔部の
内周面を前記取付ピン外周面に溶着させている。
【0017】さらに、請求項3記載の光コネクタの取付
構造は、内部に光電素子が収容配置され少なくとも前記
光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成されたハ
ウジングに、このハウジングの導電性樹脂によって形成
された部分をアース接地すると共にこのハウジングの固
定を行うための取付部が形成された光コネクタを所定の
被取付部材に取付けるための光コネクタの取付構造であ
って、前記取付部に孔部が形成される一方、前記被取付
部材にアース接地された導電性の取付ピンが立設される
と共にその取付ピンの外周面に前記取付ピンを前記孔部
内に圧入する際にその孔部の内周面の少なくとも一部を
削取るための削取り部が形成され、前記削取り部により
前記孔部の内周面の少なくとも一部を削取るようにして
前記取付ピンが前記孔部内に圧入されている。
【0018】なお、この場合、請求項4記載のように、
前記孔部内に前記取付ピンが圧入された状態でその取付
ピンが加熱されて、前記孔部の内周面が前記取付ピンの
外周面に溶着されていてもよい。
【0019】また、請求項5記載の光コネクタの取付方
法は、内部に光電素子が収容配置され少なくとも前記光
電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成されたハウ
ジングに、このハウジングの導電性樹脂によって形成さ
れた部分をアース接地すると共にこのハウジングの固定
を行うための取付部が形成された光コネクタを所定の被
取付部材に取付けるための光コネクタの取付方法であっ
て、前記取付部に孔部を形成する一方、前記被取付部材
にアース接地された導電性の取付ピンを立設すると共に
その取付ピンの外周面に前記取付ピンを前記孔部内に圧
入する際にその孔部の内周面の少なくとも一部を削取る
ための削取り部を形成し、前記削取り部により前記孔部
の内周面の少なくとも一部を削取るようにして前記取付
ピンを前記孔部内に圧入している。
【0020】なお、この場合、請求項6記載のように、
前記取付ピンを前記孔部内に圧入した後に、前記取付ピ
ンを加熱して、前記孔部の内周面を前記取付ピンの外周
面に溶着させてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる第1実施
形態の光コネクタの取付構造及び取付方法について説明
する。
【0022】この光コネクタの取付構造は、図1に示す
ように、被取付部材としてのプリント配線基板Pに光コ
ネクタ1が取付けられた構成となっている。
【0023】光コネクタ1は、図1〜図4に示すよう
に、内部に発光素子や受光素子等の光電素子を収容する
ハウジング2と、このハウジング2の両側面に外方に張
り出すようにして一体成形された一対の取付部10とか
らなり、これらハウジング2及び取付部10は共に導電
性樹脂によって形成されている。
【0024】ハウジング2は、内部に光電素子を収容す
る収容部3が形成された筺状体であり、その前面が開口
して接続口部4が形成されている。この接続口部4は、
光ファイバを保持した相手側のコネクタ(図示省略)が
挿入可能なように構成されており、その接続口部4の上
部及び下部に当該相手側のコネクタに形成された係合部
(図示省略)が係合可能な係合孔部4a,4bが形成さ
れている。そして、相手側のコネクタを接続口部4に挿
入接続してその係合部を係合孔部4a,4bに係合させ
ることにより、ハウジング2内に収容配置された光電素
子と相手側のコネクタに保持された光ファイバとの光結
合がなされるように構成されている。
【0025】また、ハウジング2の底面後部には、その
内部に収容配置された光電素子のリードb(図2の2点
鎖線参照)を外部に導出するためのリード引出孔5が形
成されており、光コネクタ1がプリント配線基板Pに取
付けられた状態では、このリード引出孔5から引出され
たリードbがプリント配線基板Pに形成された所定の配
線パターンにはんだ付けされる構成となっている。
【0026】各取付部10は、ハウジング2の両側面の
下部後方より外方に張り出すようにして形成された厚板
状の部材であり、その底面がハウジング2の底面と同一
平面上に連接して形成されると共に、それぞれに上下に
貫通する孔部11が形成されている。
【0027】プリント配線基板Pには、図1及び図4に
示すように、上記光コネクタ1の取付領域のうちその各
取付部10の各孔部11に対応する各位置に一対の取付
ピン50が立設される。
【0028】各取付ピン50は、その外径寸法が孔部1
1の内径寸法とほぼ同じ、又は、孔部11の内径寸法よ
りも僅かに大きく仕上げられて孔部11に圧入可能とさ
れると共に、その高さ寸法が取付部10の厚み寸法より
も大きく仕上げられて取付ピン50を孔部11に圧入す
ると、その取付ピン50の上部が孔部11より上方に突
出可能なように構成されている。
【0029】また、各取付ピン50は、導電性材、例え
ば、金属等によって形成されると共に、プリント配線基
板Pに形成された所定のアース接地用の配線パターンに
電気的に接続されており、各取付ピン50が孔部11内
に圧入されると取付部10がその取付ピン50を介して
アース接地されるように構成されている。
【0030】各取付ピン50をプリント配線基板Pに取
付ける構成としては、例えば、図5及び図6に示すよう
な構成とすればよい。
【0031】即ち、プリント配線基板Pには取付ピン5
0圧入用の圧入孔Phを形成しておく。一方、取付ピン
50は、前記孔部11に圧入される部分である円柱形状
のピン部51の下端部に鍔状のヘッド部53を形成する
と共に、そのヘッド部53寄りの部分をそのピン部51
よりもやや径大で前記圧入孔Phに圧入可能な同じく円
柱形状の圧入部52に仕上げておく。
【0032】そして、プリント配線基板Pの下方から圧
入孔Ph内に取付けピン50を挿入して、その圧入部5
2を圧入孔Phに圧入する。これにより、取付ピン50
が、そのピン部51をプリント配線基板Pの上面に立設
させた状態で抜止め状に取付けられる。
【0033】なお、このとき、例えば、取付ピン50の
ヘッド部53をプリント配線基板P下面に形成された配
線パターンに接触させて、アース接地を行うようにすれ
ばよい。
【0034】次に、光コネクタ1をプリント配線基板P
に取付ける方法について説明する。
【0035】まず、図7に示すように、プリント配線基
板Pの取付ピン50を取付部10の孔部11内にその下
方から挿入するようにして、光コネクタ1をプリント配
線基板P上に押し下げる。
【0036】そして、光コネクタ1の底面とプリント配
線基板Pの上面とが互いに接触するまで光コネクタ1を
押し下げると、図8に示すように、各取付ピン50が各
取付部10の孔部11内に圧入されると共に、それらの
上部が各孔部11の上方に突出した状態となる。この状
態で、図8の矢符Pに示すように、各取付ピン50の孔
部11上方に突出した部分を、はんだごて等で加熱す
る。これにより熱が取付ピン50内を伝わって各孔部1
1の内周面が溶融されその後の自然冷却により取付ピン
50の外周面に溶着されて、光コネクタ1がプリント配
線基板Pに固定されることになる。
【0037】この際、例えば、導電性樹脂として、ポリ
ブチレンテレフタレート(PBT)に導電性フィラーと
してニッケルでコーティングしたカーボンファイバを2
0%含有したものを用いた場合には、220℃程度に加
熱すればよい。
【0038】ところで、導電性フィラーを混入した導電
性樹脂によって光コネクタ1を形成した際には、その光
コネクタ1表面に導電性フィラーを含まない絶縁性樹脂
のみのスキン層Lが形成されている。
【0039】従って、上記取付け工程において、孔部1
1内に取付ピン50を圧入した後その取付ピン50を加
熱する前の状態では、図9に示すように、取付ピン50
の外周面がスキン層Lを介して取付部10の導電性を有
する部分に接触しており、両者間に電気的導通が得にく
い状態となっている。そして、この状態で、上述のごと
く取付ピン50を加熱することにより、スキン層Lが溶
けて、図10に示すように、当該スキン層Lが除去さ
れ、又は、そのスキン層Lにも導電性フィラーが混入し
て、取付ピン50が取付部10の導電性を有する部分に
直接接触するようになり、両者間により確実な電気的接
触が得られるようになる。
【0040】なお、ハウジング2のリード引出孔5から
引出された光電素子のリードbは、プリント配線基板P
に形成されたスルーホールに挿通されて、そのプリント
配線基板P下面に形成された所定の配線パターンにはん
だ付けされるようになっている(図示省略)。
【0041】以上のように構成された光コネクタの取付
構造及びその取付方法によると、ハウジング2に形成さ
れた取付部10に孔部11を形成する一方、プリント配
線基板Pには取付ピン50を立設し、その取付ピン50
を取付部10の孔部11に圧入する構成となっているの
で、図14及び図15に示す従来例のようにネジSを取
付部102のネジ孔103にねじ込む構成と比較して、
取付部10に割れが生じにくくなる。そして、そのよう
に取付ピン50が孔部11に圧入された状態でその取付
ピン50を加熱することにより、孔部11の内周面を取
付ピン50の外周面に溶着させるようにしているため、
その取付ピン50と取付部10との間により確実な電気
的接触がなされ、この光コネクタ1のアース接地をより
確実に行うことが可能となる。
【0042】また、このように取付ピン50を孔部11
内に圧入し、その取付ピン50を加熱するだけで取付が
行えるので、従来のネジ締めによる取付構造に比べて、
当該取付作業も短時間で容易に行うことができる。
【0043】また、図14及び図15に示す光コネクタ
の取付構造の場合、ネジSをネジ孔103にねじ込む際
にネジ孔103の内周面がネジSにより削られて導電性
の削り屑が発生し、この屑がプリント配線基板Pに付着
して短絡等を生じさせる恐れがあったが、この取付構造
では、圧入時にたとえそのような屑が発生しても取付ピ
ン50の加熱時に溶けて取付部10に一体化してしまう
ので、上述のような問題は生じない。
【0044】なお、ハウジング2を導電性樹脂によって
形成するのは、その内部の光電素子を電磁シールドする
ためなので、必ずしもその全体を導電性樹脂によって形
成する必要はなく、少なくとも光電素子を覆う部分が導
電性樹脂によって形成されていればよい。また、そのハ
ウジング2の外周側を他の絶縁性樹脂製のハウジングに
よって覆ってあってもよい。
【0045】なお、実際にこの第1実施形態にかかる光
コネクタの取付構造を製作した。
【0046】この場合、シールド効果は次に示すようで
あった。
【0047】まず、144MHz,1.2GHzのトラ
ンシーバ試験(直近でアマチュア無線用トランシーバを
使用して光送受信素子の機能が損なわれないか否かの試
験)では、図14及び図15に示す従来の取付構造と同
等のシールド効果が得られた。
【0048】そして、TEMセル試験によって耐電磁波
試験を行った場合でも10MHz〜500MHzまで、
図14及び図15に示す従来の取付構造と同等のシール
ド効果が得られた。
【0049】また、最低受信感度を測定したところ、図
14及び図15に示す従来の取付構造では、−28.5
〜−32.0dBm(サンプル数n=20)であり、本
実施形態の取付構造でも−28.5〜−32.0dBm
(サンプル数n=20)であり、両者同等の最低受信感
度であることがわかった。
【0050】次に、この発明にかかる第2実施形態の光
コネクタの取付構造及び取付方法について説明する。
【0051】なお、光コネクタについては、上記第1実
施形態の光コネクタ1と同様構成であるので、ここでの
説明は省略する。
【0052】即ち、この第2実施形態では、図11に示
すように、プリント配線基板Pに立設される取付ピン6
0Aの形状を六角柱形状に仕上げることにより、その外
周面に周方向に所定間隔で形成された6つのコーナー部
を削取り部61Aに仕上げている。また、取付ピン60
Aの最大幅寸法H1(相対向する頂点間の距離)を取付
部10の孔部11の内径寸法rよりも若干大きく仕上
げ、また、最小幅寸法H2(対向する辺間の距離)を前
記内径寸法rよりも若干小さく仕上げている。また、取
付ピン60Aの高さ寸法は、取付部10の厚み寸法より
も大きく仕上げられており、取付ピン60Aを取付部1
0の孔部11に圧入した状態で、取付ピン60Aの上部
が孔部11より上方に突出するように構成されている。
【0053】次に、光コネクタ1をプリント配線基板P
に取付ける方法について説明すると、まず、プリント配
線基板Pの取付ピン60Aを取付部10の孔部11内に
その下方から挿入するようにして、光コネクタ1をプリ
ント配線基板P上に押し下げる。
【0054】すると、上記各削取り部61Aの上部のエ
ッジ部分が孔部11の内周面をその下方から削取るよう
にして、取付ピン60Aが孔部11内に圧入されて、光
コネクタ1がプリント配線基板Pに取付けられる。
【0055】このように各削取り部61Aの上部のエッ
ジ部分が孔部11の内周面をその下方から削取る際に
は、孔部11の内周面の表面に形成されたスキン層Lが
(図9参照)削取られて除去されるので、その取付ピン
60Aと取付部10の内部導電部とは部分的にスキン層
Lを介することなく直接接触し、取付部10と取付ピン
60A間により確実な電気的接続がなされる。
【0056】以上のように構成された光コネクタ1の取
付構造及び取付方法によると、取付ピン60Aの外周面
にその取付ピン60Aを光コネクタ1側の孔部11内に
圧入する際にその孔部11の内周面を削取るための削取
り部61Aが形成されており、その削取り部61Aによ
り孔部11の内周面を削取るようにして当該取付ピン6
0Aを孔部11内に圧入しているため、従来のようにネ
ジSを取付部102のネジ孔103にねじ込む構成と比
較して、取付部10に割れが生じにくくなる。また、そ
のように削取り部61Aによって孔部11内周面が部分
的に削取られてその取付ピン60Aと取付部10の内部
導電部とがスキン層Lを介することなく直接密着するた
めに、取付ピン60Aと取付部10との間により確実な
電気的接触が得られ、この光コネクタ1のアース接地を
より確実に行うことが可能となる。
【0057】また、このように取付ピン60Aを孔部1
1内に圧入することで光コネクタ1の取付けが行えるの
で、従来のネジ締めによる取付構造に比べて、当該取付
作業も短時間で容易に行うことができる。
【0058】なお、取付ピン60Aに形成される削取り
部61Aの形状は、図11に示すものに限られるもので
はない。
【0059】例えば、図12に示すように、円柱形状の
部分の両側部に上下方向に沿って突条状の削取り部61
Bを形成した取付ピン60Bや、図13に示すように、
円柱形状の部分の両側部に複数の細かい突条よりなる鋸
歯状の削取り部61Cを形成した取付ピン60Cであっ
ても、上述の場合と同様に、それら取付ピン60B,6
0Cを孔部11内に圧入する際に、それら削取り部61
B,61Cが孔部11内周面のスキン層Lを削取って取
付けピン60B,60Cと取付部10間により確実な電
気的接触がなされることになる。
【0060】なお、この第2実施形態の場合にも、上記
第1実施形態の場合と同様に、取付ピン60A,60
B,60Cを孔部11内に圧入した後、その取付ピン6
0A,60B,60Cを加熱することにより、孔部11
の内周面を取付けピン60A,60B,60Cの外周面
に溶着させることにより、その取付ピン60A,60
B,60Cと取付部10との間にさらに確実な電気的接
触がなされ、この光コネクタ1のアース接地をさらに確
実に行うことが可能となる。
【0061】特に、この第2実施形態の場合には、削取
り部61A,61B,61Cが孔部11内周面を削取っ
て削り屑を発生させることになるので、このように取付
ピン60A,60B,60Cを加熱すれば、それらの削
り屑が当該加熱により溶けて取付部10に一体化してし
まうので、その削り屑による短絡等の問題が生じなくな
る。
【0062】なお、この第2実施形態の光コネクタ1の
取付構造を製作して、上記第1実施形態の場合と同様に
シールド効果の試験及び最低受信感度の測定を行った。
【0063】この場合でも、図11〜図13のいずれに
示す場合でも、トランシーバ試験及びTEMセル試験で
従来と同等のシールド効果が得られ、また、最低受信感
度についても従来の同等の最低受信感度が得られた。
【0064】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1記載
の光コネクタの取付構造によると、ハウジングに形成さ
れた取付部に孔部が形成される一方、被取付部材に前記
孔部に圧入可能でかつアース接地された導電性の取付ピ
ンが立設され、その取付ピンが孔部に圧入される構成と
なっているので、従来のようにネジを取付部のネジ孔に
ねじ込む構成と比較して、取付部に割れが生じにくくな
る。そして、そのように取付ピンが孔部に圧入された状
態でその取付ピンが加熱されることにより、孔部の内周
面が取付ピンの外周面に溶着されて光コネクタが被取付
部材に取付けられているため、その取付ピンと取付部と
の間により確実な電気的接触がなされ、この光コネクタ
のアース接地をより確実に行うことが可能となる。
【0065】次に、この発明の請求項2記載の光コネク
タの取付方法によると、ハウジングに形成された取付部
に孔部を形成する一方、被取付部材に孔部に圧入可能で
かつアース接地された導電性の取付ピンを立設し、その
取付ピンを孔部に圧入させているため、従来のようにネ
ジを取付部のネジ孔にねじ込む構成と比較して、取付部
に割れが生じにくくなる。そして、そのように取付ピン
を孔部に圧入させた後、当該取付ピンを加熱することに
より、孔部の内周面を取付ピン外周面に溶着させて光コ
ネクタを被取付部材に取付けているため、その取付ピン
と取付部との間により確実な電気的接触がなされ、この
光コネクタのアース接地をより確実に行うことが可能と
なる。
【0066】また、この発明の請求項3記載の光コネク
タの取付構造によると、ハウジングに形成された取付部
に孔部が形成される一方、被取付部材にアース接地され
た導電性の取付ピンが立設されると共にその取付ピンの
外周面に取付ピンを孔部内に圧入する際にその孔部の内
周面の少なくとも一部を削取るための削取り部が形成さ
れており、削取り部により前記孔部の内周面の少なくと
も一部を削取るようにして取付ピンを前記孔部内に圧入
することにより、光コネクタが被取付部材に取付けられ
ているため、従来のようにネジを取付部のネジ孔にねじ
込む構成と比較して、取付部に割れが生じにくくなる。
また、取付ピンの削取り部が孔部の内周面を削取ってそ
の削取り部分に密着することになるので、取付ピンと取
付部との間により確実な電気的接触が得られ、この光コ
ネクタのアース接地をより確実に行うことが可能とな
る。
【0067】この場合にも、請求項4記載のように、孔
部内に取付ピンが圧入された状態でその取付ピンが加熱
されて、前記孔部の内周面が前記取付ピンの外周面に溶
着された構成とすると、その取付ピンと取付部との間に
さらに確実な電気的接触がなされ、この光コネクタのア
ース接地をより確実に行うことが可能となる。
【0068】また、この発明の請求項5記載の光コネク
タの取付方法によると、ハウジングに形成された取付部
に孔部を形成する一方、被取付部材にアース接地された
導電性の取付ピンを立設すると共にその取付ピンの外周
面に取付ピンを孔部内に圧入する際にその孔部の内周面
の少なくとも一部を削取るための削取り部を形成し、そ
の削取り部により孔部の内周面の少なくとも一部を削取
るようにして取付ピンを孔部内に圧入して、光コネクタ
を前記被取付部材に取付けているため、従来のようにネ
ジを取付部のネジ孔にねじ込む構成と比較して、取付部
に割れが生じにくくなる。また、取付ピンの削取り部が
孔部の内周面を削取ってその削取り部分に密着すること
になるので、取付ピンと取付部との間により確実な電気
的接触がなされ、この光コネクタのアース接地をより確
実に行うことが可能となる。
【0069】この場合にも、請求項6記載のように、孔
部内に取付ピンを圧入した後でその取付ピンを加熱し
て、孔部の内周面を取付ピンの外周面に溶着させるよう
にすると、その取付ピンと取付部との間にさらに確実な
電気的接触がなされ、この光コネクタのアース接地をよ
り確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる第1実施形態の光コネクタの
取付構造を示す正面図である。
【図2】光コネクタの斜視図である。
【図3】図3(a)は光コネクタの平面図、図3(b)
は光コネクタの正面図、図3(c)は光コネクタの底面
図、図3(d)は光コネクタの側面図である。
【図4】光コネクタの取付構造の分解斜視図である。
【図5】取付ピンをプリント配線基板へ取付ける一工程
を示す一部断面側面図である。
【図6】取付ピンをプリント配線基板へ取付けた状態を
示す一部断面側面図である。
【図7】光コネクタをプリント配線基板に取付ける一工
程を示す正面図である。
【図8】光コネクタをプリント配線基板に取付ける他の
工程を示す正面図である。
【図9】取付部の孔部と取付ピンとの接触状態を示す要
部拡大断面図である。
【図10】取付部の孔部と取付ピンとの他の接触状態を
示す要部拡大断面図である。
【図11】この発明にかかる第2実施形態の光コネクタ
の取付構造にかかる取付ピンを示す斜視図である。
【図12】同上の取付ピンの変形例を示す斜視図であ
る。
【図13】同上の取付ピンの他の変形例を示す斜視図で
ある。
【図14】従来例を示す一部断面正面図である。
【図15】同上の従来例を示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
1 光コネクタ 2 ハウジング 10 取付部 11 孔部 50 取付ピン 60A,60B,60C 取付ピン 61A,61B,61C 削取り部 P プリント配線基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に光電素子が収容配置され少なくと
    も前記光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成さ
    れたハウジングに、このハウジングの導電性樹脂によっ
    て形成された部分をアース接地すると共にこのハウジン
    グの固定を行うための取付部が形成された光コネクタを
    所定の被取付部材に取付けるための光コネクタの取付構
    造であって、 前記取付部に孔部が形成される一方、前記被取付部材に
    前記孔部に圧入可能でかつアース接地された導電性の取
    付ピンが立設され、 前記取付ピンが前記孔部に圧入された状態でその取付ピ
    ンが加熱されることにより、前記孔部の内周面が前記取
    付ピンの外周面に溶着された光コネクタの取付構造。
  2. 【請求項2】 内部に光電素子が収容配置され少なくと
    も前記光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成さ
    れたハウジングに、このハウジングの導電性樹脂によっ
    て形成された部分をアース接地すると共にこのハウジン
    グの固定を行うための取付部が形成された光コネクタを
    所定の被取付部材に取付けるための光コネクタの取付方
    法であって、 前記取付部に孔部を形成する一方、前記被取付部材に前
    記孔部に圧入可能でかつアース接地された導電性の取付
    ピンを立設し、 前記取付ピンを前記孔部に圧入させた後、その取付ピン
    を加熱することにより、前記孔部の内周面を前記取付ピ
    ン外周面に溶着させた光コネクタの取付方法。
  3. 【請求項3】 内部に光電素子が収容配置され少なくと
    も前記光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成さ
    れたハウジングに、このハウジングの導電性樹脂によっ
    て形成された部分をアース接地すると共にこのハウジン
    グの固定を行うための取付部が形成された光コネクタを
    所定の被取付部材に取付けるための光コネクタの取付構
    造であって、 前記取付部に孔部が形成される一方、前記被取付部材に
    アース接地された導電性の取付ピンが立設されると共に
    その取付ピンの外周面に前記取付ピンを前記孔部内に圧
    入する際にその孔部の内周面の少なくとも一部を削取る
    ための削取り部が形成され、 前記削取り部により前記孔部の内周面の少なくとも一部
    を削取るようにして前記取付ピンが前記孔部内に圧入さ
    れた光コネクタの取付構造。
  4. 【請求項4】 前記孔部内に前記取付ピンが圧入された
    状態でその取付ピンが加熱されて、前記孔部の内周面が
    前記取付ピンの外周面に溶着された請求項3記載の光コ
    ネクタの取付構造。
  5. 【請求項5】 内部に光電素子が収容配置され少なくと
    も前記光電素子を覆う部分が導電性樹脂によって形成さ
    れたハウジングに、このハウジングの導電性樹脂によっ
    て形成された部分をアース接地すると共にこのハウジン
    グの固定を行うための取付部が形成された光コネクタを
    所定の被取付部材に取付けるための光コネクタの取付方
    法であって、 前記取付部に孔部を形成する一方、前記被取付部材にア
    ース接地された導電性の取付ピンを立設すると共にその
    取付ピンの外周面に前記取付ピンを前記孔部内に圧入す
    る際にその孔部の内周面の少なくとも一部を削取るため
    の削取り部を形成し、 前記削取り部により前記孔部の内周面の少なくとも一部
    を削取るようにして前記取付ピンを前記孔部内に圧入し
    た光コネクタの取付方法。
  6. 【請求項6】 前記取付ピンを前記孔部内に圧入した後
    に、前記取付ピンを加熱して、前記孔部の内周面を前記
    取付ピンの外周面に溶着させる請求項5記載の光コネク
    タの取付方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6769815B2 (en) 2001-03-30 2004-08-03 Autonetworks Technologies, Ltd. Optical connector and shield case
US6869311B2 (en) 2002-08-09 2005-03-22 Sharp Kabushiki Kaisha Receptacle
JP2012194353A (ja) * 2011-03-16 2012-10-11 Yazaki Corp コネクタ固定構造

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