JP3698677B2 - レーザパルス制御方法と装置およびx線発生方法と装置 - Google Patents

レーザパルス制御方法と装置およびx線発生方法と装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光をターゲットに照射してX線を発生させるX線発生方法および装置に関し、特に高出力超短光パルスレーザを使用して特定波長のX線を発生させるX線発生方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高強度レーザ光を金属表面に照射すると金属表面に形成されるプラズマから高輝度のX線が発生する。特に超短光パルスレーザ光を用いることにより比較的低いエネルギーで極めて高輝度のX線が得られる。
超短光パルスレーザをターゲットに照射してX線を得るようにしたX線発生装置では、X線出力は、ターゲットの材質や形状、レーザビームの波長、空間強度分布や時間波形など、非常に多くのパラメータに左右される。また、ターゲット表面に発生するプラズマの状態や照射するレーザ光の偏光によっても影響を受けることが分かっている。
【0003】
しかし、従来のX線出力制御は、レーザビームの総合的強度すなわち波長全体にわたる積分値としてのエネルギー強度、あるいはパルスレーザを用いるときはパルス間隔の調整などによる方法が用いられているため、X線出力を精密に制御することは難しかった。
なお、レーザの光質を向上させるため、たとえば可変形鏡などを使用してレーザ出力ビームの波面補償制御を行うことにより平坦な波面を形成して、回折限界ビームを生成させるような制御システムの概念は従来にも存在した。
また、従来は、レーザビームの集光系の焦点をずらすなどしてレーザパルスX線のエネルギー強度を調整するようにしているが、レーザ自体の空間強度分布を変化させることができないため、最適な調整をすることができなかった。
【0004】
たとえば、特開平9−184900には、発生したX線の強度を測定してX線露光量が設定値と一致するように最後のパルスレーザショットの強度を調整するようにしたパルスX線照射装置が開示されている。ビーム強度調整は、光路中に設けた透過率可変フィルターや、Qスイッチレーザ装置におけるQスイッチの作動開始信号とレーザ媒質の励起開始信号の時間差を用いるなどの方法によって行っている。この装置によれば、パルスX線源の出力がショット毎に揺らいでも設定X線照射量と積算X線照射量を一致させることができる。
【0005】
また、特開平8−213192には、短パルスレーザ光をハーフミラーで分割して光学遅延回路で光路長差を与えた後に同じターゲット表面に照射することにより、高ピークパワーを有する主パルスレーザ光に先行してピークパワーの小さい副パルスレーザ光を照射するようにしたX線発生装置が開示されている。この装置は、副パルスレーザ光により予備プラズマを発生させて、この予備プラズマを主パルスレーザ光で加熱するもので、両パルスレーザ光の時間間隔を制御することにより発生するX線量を変調させることができる。
【0006】
しかし、X線の作用を利用するときには、単にその総体的なエネルギーを問題にするのではなく、化学物質や生体物質の吸収反応、単波長X線を使用した集積回路の製造など、特定波長におけるX線作用が重大な関心となる場合も多い。
ところが、特定のスペクトル線の強度を制御する簡単な方法はまだ開発されていない。なお、主パルスレーザ光と副パルスレーザ光の時間間隔を制御してX線量を調整する方法が知られているが、単に強度の異なるパルスレーザを前後して用いるものでしかなく、レーザ光の空間強度分布、時間波形、偏光状態を調整して発生させるX線の特性を精密に制御するものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、超短光パルスレーザの空間強度分布、時間波形あるいは偏光状態を調整するようにしたレーザパルス制御方法と装置を提供することであり、また、超短光パルスレーザなど高強度のレーザビームをターゲットに照射してX線を発生させる方法と装置であって、X線の強度、特に必要とする特定波長のX線強度を選択的に制御するようにパルスレーザを調整する機構を備えたX線発生方法と装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のレーザパルス制御方法は、入射する超短光パルスレーザ光を分割してそれぞれ別の光路を走行させ、再び合成して得られたレーザ光を放射するレーザパルス発生方法において、一方または両方の光路内に可変形鏡を備えて該可変鏡表面形状によりパルスレーザ毎に空間強度分布が所定のパターンになるように調整すると共に、光路中における光路長を調整して先行パルスレーザと後続パルスレーザに時間差を与えることを特徴とする。
さらに、パルスストレッチャーとレーザ増幅器とパルス圧縮器を有するチャープパルス増幅器を備えてピーク値をさらに高くしたパルスレーザ光とすることができる。また、偏光ビームスプリッタを用いることにより、偏光状態を特定した超短光パルスレーザ光とすることができる。なお、偏光ビームスプリッタを使用するときは、入射レーザ光の偏光特性を調整することにより分割したレーザ光の強度に差を持たせることができる。
【0009】
本発明のレーザパルス制御方法によれば、超短光パルスレーザを変成して任意に設定したフェムト秒fsからピコ秒ps水準の短い時間間隔で繋がったパルスとして発生させることができる。さらに、それぞれのパルスの空間強度分布を別々に調整することができる。また、パルスレーザの偏光状態を指定することも可能である。
高強度レーザパルスを物質に照射して、原子核反応、プラズマ反応、化学反応、同位体分離などのプロセスを生起させることができる。こうしたプロセスにより、化学物質や元素の合成、分解、分離などや、原子、分子、イオン、電子、陽電子、中性子、クラスターなどの粒子生成や、X線、γ線などの電磁波の発生を行わせることができる。上記技術は、半導体、化学、エネルギー、医療、機械などの産業分野や、粒子加速器などの基礎研究などへの応用が期待されている。
【0010】
本発明のレーザパルス制御方法によれば、超短光パルスレーザ光の空間強度分布と時間波形、また必要があれば偏光状態まで任意に調整して、発生させるX線の特性を精密に制御することができるので、上記プロセスを適宜に制御することが可能となる。さらに、P偏光とS偏光の光強度比を調整してそれぞれを効果的に作用させることができる。
また、本発明のレーザパルス制御方法により生成した超短光パルスレーザ光をターゲットに照射してX線を発生させることにより、ターゲット位置におけるレーザ光の空間強度分布と照射時間間隔を適宜に調整することができるので、上記プロセスの設計を微細な点にわたって行うことができる。
【0011】
また、上記課題を解決するため、レーザ光をターゲットに照射してX線を発生させるX線発生装置に適用する本発明のX線発生方法は、発生するX線の強度特性を測定し、ターゲットに集光した位置におけるレーザビームの空間強度分布を所定のパターンにすると共に、X線強度特性の測定結果に基づいてX線強度が適正なものとなるようにレーザビームの波面状態を調整することを特徴とする。
本発明のX線発生方法によれば、発生したX線の特性を測定して、その測定結果をレーザビームの空間強度分布パターンにフィードバックすることにより、X線の発生を制御するので、目的の特性が最適の値を取るようなX線を効率よく発生させることができる。
【0012】
なお、伝送光学系中のレーザビームの波面状態をモニタしてレーザビームの空間強度分布調整状況を確認すると共に、空間強度分布に関係するパラメータを適当に調整してX線を適正化するようにすることが好ましい。ターゲット位置におけるレーザビームの空間強度分布を直接知る方法はないが、伝送ビームの一部をビームスプリッターで分岐させその集光パターン(ファーフィールドパターン)からターゲット位置における空間強度分布を推定したり、調整結果をレーザビームの波面状態から推定することができるからであり、またレーザビームの波面状態を直接的に知ることにより空間強度分布パターンを左右するパラメータを調整したときなどに結果を的確に把握することができるからである。
【0013】
また、X線の強度特性として波長特性を測定し、目的とする特定波長におけるX線強度の計測値に基づいて、レーザビームの波面状態の調整を行うことができるようにしてもよい。発生させるX線は目的によって決まる適正な波長成分が多く含まれるようにすることが好ましい。X線の波長特性を測定するようにすれば、目的波長のX線強度を測定して、この強度が大きくなるように空間強度分布を調整するようにすることができる。
なお、本発明の方法は、パルス幅がピコ秒からフェムト秒しかない超短光パルスレーザを用いてX線を発生させる場合にも適用することができる。超短光パルスレーザを用いると、短時間ではあるが極めて高い強度のエネルギーを与えることができるので、ターゲット物質を効率よくプラズマ化し効率的なX線発生が可能である。
【0014】
ここで、ターゲットに集光した位置におけるレーザビームの空間強度分布パターンは、中心部が弱く周辺部が強いリング形に形成することが好ましい。
このようなカルデラ状の強度分布をとることにより、ターゲット位置における温度分布が台形状になって高温部分の面積が広がるので、発生するX線の特性が安定し、良質のX線を得ることができる。
また、空間強度分布パターンにおけるリング形の周辺部と中心部の強度比に基づいてレーザビームの波面状態を制御することができる。ターゲット位置におけるレーザの空間強度分布パターンは可変形鏡や液晶素子などの波面制御装置により調整することができ、周辺部と中心部の強度比によってターゲットのレーザ照射位置におけるプラズマの温度を調整することができる。
上記プラズマ温度は発生するX線の波長毎の強度に大きく影響を与えるので、X線の波長特性を測定して波面制御装置にフィードバックすることにより、所定の波長におけるX線強度を自動的に制御することができる。
【0015】
また、上記課題を解決するため、本発明のX線発生装置は、発生するX線の強度を測定するX線測定装置を配設し、レーザビーム伝送光学系中にレーザビームの波面制御装置を介装させて、X線測定装置によりX線の強度を測定し、その測定結果に基づいて波面制御装置によりレーザビームの波面状態を調整して、ターゲットに集光した位置におけるレーザビームの空間強度分布を所定のパターンにし、かつX線強度を適正なものとすることを特徴とする。
本発明のX線発生装置は、X線の特性を測定した結果に基づき、推定して求めるターゲット位置における空間強度分布が所定のパターンになるようにレーザビームの波面状態を調整するので、発生するX線の性状を望まれる最適な状態に制御することができる。
【0016】
さらに、本発明のX線発生装置において、レーザビーム伝送光学系中にレーザビームの波面状態を測定する波面測定装置を配設し、レーザビームの波面状態をモニタして波面制御装置のレーザビーム波面調整方法を適正化することが好ましい。
なお、使用するレーザ光は超短光パルスレーザであってもよい。
さらに、X線測定装置は、波長特性を測定するもので、測定結果から抽出した特定の波長におけるレーザ強度に基づいて波面制御装置を調整するように構成することが好ましい。X線の波長特性を測定することにより、X線発生装置に要求される特定波長のX線を選択的に制御することができる。
【0017】
なお、波面制御装置は、可変形鏡を備えて反射面の凹凸を局所的に調整してレーザビームの波面状態を制御するようにすることができる。
また、波面制御装置は、局所的に屈折率を調整することができる透過型光学素子を用いてもよい。
なお、ターゲットに集光した位置におけるレーザビームの空間強度分布パターンを中心部が弱く周辺部が強いリング形に形成することが好ましい。
さらに、このリング形の空間強度分布パターンにおける周辺部と中心部の強度比に基づいて波面制御装置を制御するようにすることができる。
【0018】
さらに、本発明のレーザパルス制御装置は、上記課題を解決するため、光分割器、1個以上の可変形鏡を含む2個の反射鏡、1個または2個の光学遅延回路および光合成器を備え、光分割器と反射鏡と光合成器を入射したレーザパルスを光分割器で分割しそれぞれ反射鏡で反射し光合成器で合成してレーザビームとするときに分割されたレーザパルスそれぞれの光路長が等しくなるように配置して、いわゆるマッハ・ツェンダー干渉計と同じ光学系が形成されるようにし、さらに反射鏡として用いる可変形鏡の反射面形状を調整することによりそれぞれのレーザパルスの空間強度分布を調整して、レーザ光がターゲットに集光した位置における空間強度分布が所定のパターンになるようにした上で、さらに分割されたレーザビームの一方または両方の光路中に介装した光学遅延回路によりそれぞれのレーザパルスが光合成器に到達する時刻に差異を生じさせることができるようにしたことを特徴とする。
【0019】
本発明のレーザパルス制御装置は、発振時間の短い超短光パルスレーザのレーザパルスを2個のレーザパルスに分割して、それぞれのレーザパルスについて遅延時間を調整することにより、2個のレーザパルスが極く短い時間間隔で並んだレーザ光を作成することができる。しかも、可変形鏡により2個のパルスの空間強度分布をそれぞれ独立に調整することができる。
したがって、レーザ光の調整が広がるばかりでなく、fsからpsの超短時間間隔で続けて到達する2個以上のパルスの空間強度分布をそれぞれ任意に変えることができる新しい超短光パルスレーザ制御法を提供して、従来不可能だった色々な種類のレーザ反応プロセスの制御を行うことができるようになる。
【0020】
なお、偏光ビームスプリッタで光分割器と光合成器を構成し、レーザ光の偏光を利用してビームを分割し合成するようにすると、時間差を持ってターゲットに照射するレーザの偏光を一方の状態に特定することができる。偏光状態によりレーザ光に対する反応が支配される場合があるので、偏光状態を選択することによりX線の発生量や波長を調整するなど反応プロセス制御の新しい手段を提供することになる。
さらに、入射レーザビームを偏光面回転素子に通すことにより、光分割器で分配される2個のレーザ光の強度比を調整することができるので、時間差をもってターゲットに照射する2つのパルスの強度比を制御することができる。
また、上記レーザパルス制御装置を並列に2式用いて、任意の空間強度分布を有する超短光パルスが4個並んだレーザ光を得ることができる。
【0021】
また、本発明のX線発生装置は、上記課題を解決するため、超短光パルスレーザ発生装置、本発明に係るレーザパルス制御装置、および収束光学系を備え、超短光パルスレーザ発生器から射出される超短光パルスレーザをレーザパルス制御装置に入射して得られるレーザ光を収束光学系でターゲットに照射することによりX線を発生させることを特徴とする。
【0022】
本発明のX線発生装置は、互いに独立に空間強度分布を設定した超短光パルスレーザが2個または4個、極く短い時間間隔でX線ターゲットに入射するので、従来不可能だった色々な種類のX線を発生させることができるようになる。
また、偏光状態によりレーザ光に対する反応が支配される場合があるので、ターゲットに照射するレーザパルス毎の偏光状態を選択することによりX線の特性や発生量を調整することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【0024】
【実施例1】
本実施例のX線発生装置は、パルスレーザ発生装置で発生するレーザビームをターゲットの表面に集光してプラズマを生成し、そこからX線を発生させるもので、レーザビームの光路中に波面位相調整機構を配設してレーザビームの波面位相分布を適当に調整することにより、ターゲット表面に集光したところにおけるレーザビームの空間強度分布を制御して目的とするX線を得るようにしたものである。
図1は本実施例のX線発生装置の構成図、図2は本実施例に用いる波面計測法の例を示す概念図、図3は本実施例の装置における制御の流れを示したフロー図、図4と図5はレーザビームの集光強度分布とターゲットの温度分布の関係を示すグラフである。
【0025】
本実施例のX線発生装置は波面位相調整機構として可変形鏡を用いたもので、図1に示すように、超短光パルスレーザ発生装置1、可変形鏡3、反射鏡4、レンズ6、真空容器9内にセットされたターゲット7、X線分光器10、波面センサ12、データ処理装置13、制御装置14を備える。
超短光パルスレーザ発生装置1で発生するレーザビーム2を可変形鏡3で波面位相分布調整した後に、反射鏡4でレンズ6に投入して真空容器9内にセットされたターゲット7に集光させ、発生したプラズマからX線8を発生させる。
真空容器9にはX線分光器10がX線利用に障碍にならないように設けられていて、発生したX線8のX線強度波長分布を測定する。
【0026】
本実施例に用いる可変形鏡3は、レーザ波面の歪みを補正して波面を平面にするために使用するため反射面の凹凸を局所的に調整することができるように構成されたデフォーマブルミラーDMと呼ばれるものなどを利用することができる。たとえば薄い石英板の表面に反射コーティングを施した反射鏡板の裏に積層ピエゾ素子をアレイ状にならべたものなどがある。この可変形鏡は、各ピエゾ素子に加える電圧を調整し電歪効果を用いて鏡面を任意に変形させることができる。なお、これ以外の形式の可変形鏡を利用しても本発明の趣旨を逸脱することにならないことはいうまでもない。
【0027】
また、反射鏡4は、レーザビームの一部を透過する性質を有し、透過したレーザ11は波面センサ12に入射する。
波面センサ12には、コリメーションレンズの後方に形成される開口面の像の位置に多数の小さなレンズからなるレンズアレイを置き結像させて、スポット像の位置のずれから各々の場所での波面の傾きを求めるシャック・ハルトマン型波面センサを使うことができる。もちろん他の形式の波面センサを利用することもできる。
【0028】
本実施例では、図2に示すような波面センサにより波面を求める。この波面センサは、レーザビーム伝送路20中の離れた2点に部分反射鏡21,22を備え、反射光をレンズ系23,24を介してイメージセンサ25,26に入射させて、レーザ光軸に垂直な面の空間強度分布を同時に測定する。レーザビーム伝送路中、上流側に設けたイメージセンサ25で測定した光束内の強度分布に基づいてレーザビームの初期位相を仮定し、下流側のイメージセンサ26における強度分布を光の回折理論によるビーム伝播の計算値から求める。この計算値と下流側イメージセンサ26で得られる強度分布の実測値を比較し差が無くなるように初期位相を補正することによりレーザビームの波面分布を求めることができる。
【0029】
本実施例のX線発生装置は、図3に概略的に示すような手順でX線発生を制御する。
X線分光器10が、発生したX線8のX線強度波長分布を測定し、測定結果はデータ処理装置13に送信される(S1)。データ処理装置13は、X線強度分布の測定結果に基づいて所定の波長における強度など目的に対応したX線スペクトルの評価をする(S2)。さらに、評価結果に基づいて制御パラメータの変動させるべき量を算定して、制御装置14に指示信号を供給し(S3)、制御装置14が可変形鏡(デフォーマブルミラー)3の対応位置のアクチュエータを作動させ反射面形状を制御して、レーザビームの波面状態を調整することにより(S4)、レーザビームが集光するターゲット7表面における空間強度分布を調整し、ターゲット7の表面に発生するプラズマから放出されるX線の強度分布が望ましいパターンになるようにする。
【0030】
また、波面センサ12は、可変形鏡3でレーザビームの波面状態を調整した結果を測定し、レーザビームの波面分布計測結果はデータ処理装置13に与えられる(S5)。集光位置におけるレーザビームの空間強度分布を直接測定することが好ましいのであるが、集光位置では高エネルギー状態になっているため適当な測定方法がない。そこでエネルギー密度が低い位置で波面状態を測定することにより集光位置における強度分布を推定するようにしたものである。
データ処理装置13は、X線スペクトルの測定結果とレーザビームの波面計測結果を突き合わせることにより、必要なX線特性を得るためにいわゆるニアフィールドにおけるレーザビームの空間強度分布パターンの最適状態を解析した結果を用いて、上記手順S3における制御装置14に対する指示信号を生成する(S6)。
【0031】
本実施例のレーザプラズマX線発生装置は、可変形鏡3によりレーザビームのニアフィールドにおける波面位相分布を調整して集光位置における空間強度分布を最適化するため、たとえばX線を利用するために必要なある特定の波長におけるX線強度が最大になるように調整することができる。
図4と図5は、集光位置におけるレーザビームの空間強度分布パターンと作用の関係を例示したものである。両図共、(a)は集光位置におけるレーザビーム空間強度分布を示し、(b)では実線でターゲット表面に発生するプラズマの密度分布、破線でプラズマ温度分布を示し、(c)では実線でレーザパルス照射後時間が経過した後のプラズマ密度分布、破線で温度分布を示す。
【0032】
図4は、集光位置におけるレーザビームの空間強度分布をリング型にした場合である。可変形鏡3に入射するレーザビーム2の光強度は、普通、光軸に垂直な方向にガウシアン分布している。しかし、可変形鏡3の表面の凹凸分布を調整することにより、レンズ6によりターゲット7に集光したときの強度分布が外周部が高く中心部が低いリング型にすることができる(図4(a))。
ターゲット7の表面にリング型の強度分布パターンが形成されると、ターゲット材質や形状、またレーザ特性などにより決まる閾値を越えた強度を示す外周部だけにプラズマが発生し中央部にはプラズマが発生しないので、リング状のプラズマ分布が生成することになる。このとき、プラズマ発生部における温度はプラズマ部分は少し外側に漏れ出した高温部がありレーザエネルギーを受けて若干温度が高くなった中央部があるような井戸型の分布を呈する(図4(b))。
【0033】
さらに、レーザビームの照射を終了して時間が経過すると、プラズマは平準化して周辺に広がり、温度分布もプラズマの広がりに対応して広がるが、中央には十分広い平坦な高温部を形成させることができる(図4(c))。
X線の波長スペクトルはプラズマ温度によって大きく左右されるため、温度分布が広い等温部を有することは特性の等しいX線を効率よく取得する上で効果がある。また、所定の波長におけるX線に注目する場合にも、プラズマ温度を調整することによって、その強度を制御することができる。
【0034】
図5は、リング型分布において中央部の強度が外周部と同じになった場合に当たる円柱状分布を取る場合を説明する図面である。
集光位置におけるレーザビーム空間強度分布が円柱状であるときは(a)、レーザ照射時におけるプラズマ密度分布は円柱状になり、プラズマ温度も円柱状になる(b)。照射後、適当時間経過すると、プラズマは周辺部に拡大し、プラズマ温度は中央部が高い円錐台形になる(c)。
このときの最高温度領域はリング状分布の場合より狭い代わりに、温度水準は高くなる。
【0035】
プラズマ発生量と温度分布は、集光位置におけるレーザビーム空間強度分布パターンであるリングの内外径や外周部と中央部の高さなど形状パラメータにより調整することができる。
レーザビームのエネルギーが同じであっても、レーザビーム空間強度分布においてプラズマ発生閾値以上の強度を有する領域が大きければプラズマ発生量が大きくなり、外周部と中央部の強度差が小さくなって中央部の強度が強くなればプラズマ温度のピーク値が高くなる。
また、一般的に、短波長のX線を発生させるためにはプラズマが高温でなければならないが、長波長のX線は低温プラズマから発生させることができるので、レーザビーム空間強度分布を調整することにより目的とするX線を最大値化することができる。
【0036】
そこで、発生したX線をX線分光器10で計測して、レーザビームの空間強度分布と対応させることにより、目的とするX線の強度制御を行う。
なお、前述のように、可変形鏡3で調整した状態は波面センサ12により確認することができる。波面分布測定結果はX線強度とレーザ波面位相分布の関連性を解析するために使用し、最適なレーザ空間強度分布状態を推定したり、的確に可変形鏡3の表面凹凸分布状態を制御するための補助とする。
【0037】
また、X線分光器10の出力から目的の波長におけるX線強度を検出して、これを最適値にするようにレーザビームの集光位置における空間強度分布を自動的に調整することができる。所定のX線強度と強い相関を示すものにリング状空間強度分布の外周部と中央部の高さ偏差がある。自動制御には、この高さ偏差を操作関数として使用することができる。なお、外周部の内径や外径もX線強度に影響を与えるので、条件が変化したときにこれらをパラメータとして調整することができる。
【0038】
さらに、外周部と中心部の強度比をパラメータとして順次走査する制御系を用いることにより、空間強度分布の最適値に自動的に到達できるようにすることも可能である。
なお、本実施例のX線発生装置は、ターゲットの材質や形状あるいは表面加工状態が異なっても、同様の手順でレーザ集光ビームの空間強度分布を最適化して目的のX線の強度調整を行うことができる。
また、本実施例では超短光パルスレーザを使用したが、他のレーザ光を利用する場合においても全く同じ機構を適用することができることはいうまでもない。
【0039】
【実施例2】
図6は本発明第2の実施例の構成を示す概念図である。
本実施例は、第1の実施例と比較すると波面位相調整機構に透過型波面補正光学系を利用したところのみが異なるだけであるので、機能が共通する素子については図1に用いた参照番号を使用して、説明を簡略化する。
超短光パルスレーザ発生装置1で発生するレーザビームは透過光学素子30を透過する間に局所的な屈折率変化または透過率変化によりレーザ光の強度分布もしくは位相分布を変成して反射鏡4に入射し、レンズ6によりターゲット7の表面に照射してプラズマを発生させる。
【0040】
本実施例では、液晶で形成される透過光学素子30を用いて、制御装置14から供給される制御信号に従って液晶内の屈折率もしくは透過率を変化させて、透過レーザの波面分布を調整し、ターゲット7に集光したときのレーザビームの空間強度分布を制御する。
集光されたレーザビームの強度は極めて高いが、レーザビームが収束する前のレーザビーム伝送路中ではまだレーザエネルギー密度が大きくないので、液晶素子を挿入することができる。
液晶素子などは、透過率の局所的制御が容易で、制御技術も確立されているため、経済的かつ確実な波面位相調整機構を構成することができる。
なお、透過光学素子は透過率あるいは屈折率を変化させることができるものであればよく、液晶以外にも各種の光学素子を利用することができる。
【0041】
【実施例3】
本発明第3の実施例のレーザパルス制御装置は、いわゆるマッハ・ツェンダー干渉計と同じ構成を有する光学系を活用したもので、入射する超短光パルスレーザ光を分割してそれぞれ別の光路を走行させ、再び合成して得られたレーザ光を放射するレーザパルス発生装置であるが、さらに分割されたレーザ光の光路内に光学遅延回路を用いて光路長を調整して先行パルスレーザと後続パルスレーザに時間差を与えるようにすると共に、反射鏡として可変形鏡を用いてパルスレーザ毎に空間強度分布を調整できるようにした装置である。
【0042】
図7は本実施例のレーザパルス制御装置の構成図、図8は本実施例のレーザパルス制御装置を用いたレーザ発生装置の全体の構成を示すブロック図、第9図は本実施例のレーザパルス制御装置の別の態様を示す構成図、図10はさらに別の態様を示す構成図、図11は本実施例装置の出力の利用法を説明するブロック図、図12は本実施例の装置で得られる出力パルスの形状例を説明する概念図、図13は図12の出力パルスをX線ターゲットに照射した時の作用を説明する図面である。
【0043】
図7に示すように、本実施例のレーザパルス制御装置40は、光分割器41、2個の反射鏡42,43、光合成器44、光学遅延回路ORC45,46から構成され、パルスレーザ発生装置47から放射されるパルスレーザの空間強度分布と時間波形を制御する。
レーザパルス制御装置40に入射するパルスレーザは、ビームスプリッタBSで形成される光分割器41で2個のレーザ光に分割され、それぞれ反射鏡42,43で反射し、ビームスプリッタBSで形成される光合成器44で再び統合されてレーザ光として放出される。
【0044】
光学遅延回路45,46は4枚の反射鏡を図7に示すように直列に配置し、反射鏡間の距離により光路長を調整するもので、分割されたパルスレーザそれぞれの光路中に介装され、光路長を調整することにより分割されたパルスレーザが光合成器44に到達する時刻にわずかな差を生じさせる。
本実施例のレーザパルス制御装置40は、反射鏡42,43に可変形鏡を用いるところに特徴を有する。可変形鏡は電歪素子などにより表面形状を局所的に調整することができる反射鏡で、入射光束の部分々々で反射方向を変化させることにより反射した光束の空間強度分布を調整することができる。
なお、可変形鏡による調整は、レーザ光を作用させる位置における空間強度分布に基づいて行うことが好ましい。
【0045】
本実施例のレーザパルス制御装置40は、超短光パルスレーザが入射すると、光分割器41で2個のパルスレーザに分割され、それぞれ別々に可変形鏡42,43で空間強度分布を調整された上で、光合成器44に入射して再び1個のレーザ光となって射出する。分割されたパルスレーザは光路長が異なるため光合成器44に到達する時刻に差異が生じ、1個に合成されたレーザ光は2個のパルスをわずかに前後する形で含むようになる。また、前後する2個のパルスはそれぞれ異なる空間強度分布を有するものとなっている。
【0046】
光学遅延回路45,46は2個の光路にそれぞれ装置することにより、微妙な調整が可能になるばかりでなく、二つの光路を通過する分割パルスレーザの前後関係まで変更できる。しかし、二つの分割パルスレーザに走行時間差を与えればよいときには、一方の光路だけに光学遅延回路を挿入すればよい。
可変形鏡DMは2個の反射鏡42,43の一方のみに適用してもよい。
【0047】
本実施例のレーザパルス制御装置40は、チャープパルス増幅機構を備えた超短光パルスレーザ装置に適用することができる。
チャープパルス増幅機構は、パルスストレッチャーとレーザ増幅器とパルス圧縮器から構成される。
【0048】
また、長波長成分が前に短波長成分が後ろに分布するような幅広パルスを、平行に配置される回折格子の間に供給すると、反射角の関係で長波長成分の光路長が長く短波長成分の光路中が短くなるので、回折格子から放出されるパルスは幅が狭くなりエネルギーの集中度が向上する。このような回折格子対はパルス圧縮器として機能する。
チャープパルス増幅機構は、超短光パルスレーザを光ファイバーで構成されるパルスストレッチャーに通してパルス幅を拡げ、これをレーザ増幅器に通して強度を増大させ、さらに回折格子対で構成されるパルス圧縮器を通してパルス幅
を圧縮して高強度のパルスレーザとする。
【0049】
レーザ発振器の能力に限界があるため、超短光パルスレーザで大きなエネルギーのパルスを得ようとする場合には、レーザ発振器の出力をある程度にとどめて、その出力パルスをパルスストレッチャーに通して引き延し、ピークパワーを抑えたパルスをレーザ増幅器で増幅して、パルス圧縮器で整形して高ピークパワーのパルスレーザとすることが行われる。このようなレーザ発生装置は光学テーブルに載る程度のコンパクトな装置として実現できる。
レーザパルス制御装置40をこのようなレーザ発生装置の出力位置に配置することにより、空間強度分布の異なる2個のピークパルスを任意の時間間隔を置いて並べた超短光パルスレーザを得るようなレーザ発生装置を簡単にかつ全体としてコンパクトに構成することができる。
【0050】
しかし、上記構成は、パルス圧縮器の出力部にレーザパルス制御装置を配置することになり、レーザ強度が極めて強くなるので、レーザが透過する構成素子に重大な損傷を与えるおそれがある。
そこで、図8に示すように、超短光パルスレーザ発振器51から放出されるパルスレーザをパルスストレッチャー52とパルス増幅器53に通したところでレーザパルス制御装置40でパルス形状を整えた後にパルス圧縮器54でパルス幅を縮めて放出させるようにすることが好ましい。
このような配置にすることにより、レーザパルス制御装置40内のビームスプリッターなどレーザ光が透過する素子を損傷させる危険が低下し、装置の寿命が延長される効果がある。
【0051】
本実施例のレーザパルス制御装置を用いることにより、fsからps水準の時間間隔で続けて到着する超短光パルスレーザを、時間波形のみならず空間強度分布までも指定して発生させることができるようになった。特に、化学反応プロセスやプラズマプロセスの素過程における変化速度はfsからpsとされているので、本実施例のレーザパルス制御装置はこれらプロセスの制御を精密に行うために使用することができる。
【0052】
図9は、本実施例のレーザパルス制御装置の別の態様を説明する図面である。この態様のレーザパルス制御装置60は、光分割器61と光合成器64に偏光ビームスプリッタPBSを使用するものである。また、必要に応じて光分割器61の上流に偏光面回転素子65を挿入してもよい。その他の構成は図7に関して説明したものと同じである。
入射するパルスレーザを光分割器61でP偏光成分とS偏光成分に分割し、それぞれを別々の光路に通して光合成器64で1個のレーザ光に合成する。
【0053】
光分割器61と光合成器64は同じ特性の偏光ビームスプリッタを使用する。たとえば、偏光ビームスプリッタPBSは、P偏光成分を透過しS偏光成分を反射するものとする。
すると、入射したパルスレーザは光分割器61を透過するP偏光成分と反射するS偏光成分に分かれ、P偏光成分は第1の光学遅延回路45で光路長の調整を受けて可変形鏡DMで構成された第1の反射鏡42で反射し空間強度分布を調整されて光合成器64に入射して透過する。
また、光分割器61で反射したS偏光成分は、第2の反射鏡43で反射し空間強度分布を調整され、第2の光学遅延回路46で光路長の調整を受けて光合成器64で反射する。
【0054】
光合成器64におけるP偏光成分とS偏光成分が全く同じ光路上に射出されるように各光学素子が配置されている。
したがって、レーザパルス制御装置60から放出されるレーザ光は、任意の空間強度分布を有するS偏光パルスと、S偏光とは独立した任意の空間強度分布を有するP偏光パルスが、任意の時間間隔で前後して並んだ超短光パルスレーザになっている。
なお、偏光ビームスプリッタPBSは、互いに直交するP偏光とS偏光のうち片方の偏光成分を全て透過し他方の偏光成分を全て反射する機能を有するので、光合成器64で2つの偏光を1本のレーザ光に再合成する時に損失が生じない。
【0055】
このように、本態様のレーザパルス制御装置によれば、空間強度分布と時間波形と偏光状態を適当に指定した2個のパルスを持った超短光パルスレーザを得ることができる。
なお、本態様のレーザパルス制御装置60におけるレーザ光入射位置にファラディー素子などの偏光面回転素子65を配置し、直線偏光や楕円偏光など偏光分布を有するレーザ光を入射させて、入射レーザ光の偏光状態を変化させてP偏光とS偏光の比率を調整することにより、パルス制御装置から出射される超短光パルスレーザ光中のパルスのエネルギー配分を制御することができる。
【0056】
たとえば、プラズマのエネルギー吸収率はP偏光とS偏光では異なることが観察されている。このように、超短光パルスレーザにより生起される反応プロセスは、偏光状態によって異なる場合があり、本態様のレーザパルス制御装置を用いてさらに詳細な研究を行うことによりレーザ照射生成物やプロセス条件を最適化する偏光配分が確認できることが期待される。
なお、入射光路中に偏光面回転素子65を使用する代りに、レーザ発生装置の発振器内にブリュースター窓を配置し、光軸周りに回転して、発生するレーザ光の偏光状態を調整することにより出射レーザ光中のパルスのエネルギー配分を制御することもできる。
【0057】
図10は、本実施例のレーザパルス制御装置のさらに別の態様を説明する図面である。
この態様のレーザパルス制御装置70は、光分割器71と光合成器74に入射光の半分を透過し半分を反射する半透明鏡もしくはハーフミラーHMを使用するものである。その他の構成は図7に関して説明したものと同じである。
入射するパルスレーザを光分割器71で半分割し、それぞれを別々の光路に通して光合成器74で合成する。光合成器74では、2方向から入射するレーザパルスをそれぞれ半分割して反射および透過させるので、レーザパルス制御装置70からは直交する2個のレーザ光が放射されることになる。
【0058】
それぞれのレーザ光中には、2個の超短光パルスが同じ状態で含まれ、図11に示すように、一度に2個の利用系77,78でパルス列を有する超短光パルスレーザを利用することができる。
なお、反射鏡を用いて出力レーザを1個の対象に集結して使用することもできる。たとえばX線ターゲットに2個のパルスレーザを集結する場合は、エネルギーを集中してより強力なX線を得ることができる。1個の対象に集光する場合は、光合成器74から対象までの光路長を調整することによってパルスレーザの到着時刻を調整して、実質的に4個のパルスが列になって入射するようにすることができる。また、反射鏡の角度によって対象への入射角度を調整することもできる。
【0059】
上記各態様のレーザパルス制御装置を使用したレーザ発生装置により、それぞれ空間強度分布の異なる超短光パルスレーザが極めて短い期間間隔で2個または4個並んだパルスレーザ光を得ることができるようになった。また、P偏光とS偏光の超短光パルスの列からなるパルスレーザ光を得ることも可能になった。
こうして発生した超短光パルスレーザ光は、気体、液体、固体、プラズマなどの形態を有する各種材料に照射することにより、X線やγ線などの電磁波の発生、あるいは原子、分子、イオン、電子、陽電子、中性子、クラスターなどの粒子の生成、または化学物質や元素の合成・分解、同位体等の分離など、各種プロセスを制御することができる。
【0060】
こうした各種プロセスの制御では、対象とするプロセスの最適状態が位相空間中の特定の曲線で表現したときに、その曲線を特定する係数の数だけ制御変数があれば制御が可能である。そして、制御変数が多いほど容易に最適曲線に近い状態にプロセスを導くことができる。本実施例の装置は、このような制御変数を増加する効果がある。
【0061】
図12には、本実施例のレーザパルス制御装置を使用したレーザ発生装置で生成できるようになった超短光パルスレーザ光の空間形状の例を表示した。このような超短光パルス群は、従来技術では製作できなかったものであるが、本実施例の装置により容易に取得することができる。
レーザパルス制御装置において、たとえば、光学遅延回路により2つの光路の光路長に15μmの差ができるように調整し、さらに、光路長の短い方の光路に設けられた可変形鏡を調整して光軸の周りにパルスレーザが集るようにし、光路長の長い方の光路に設けられた可変形鏡を調整してパルスレーザが円環状に集光するようにする。
【0062】
このように調整されたレーザパルス調整装置に、実質的に幅6μmの超短光パルスレーザを入射させると、図12に示すような、パルス幅20fsの2個の超短光パルスが50fsの時間差で並んで伝播している状態が出現する。なお、パルス形状は、集光光学系を通って焦点近傍で形成されるはずのものを示したものである。
パルスの幅は6μmで、パルスの先端同士の距離は15μmになる。先行パルスは直径10μmの円柱状に集光されており、後続パルスは直径20μmの穴を有する外径40μmのリング形をしている。
【0063】
このように整形された超短光パルスレーザを発生させることは、従来の方法によっては思いも寄らないことであった。なお、このような空間強度分布と時間間隔は相互に独立に任意に調整することができる。また、図9で説明したように、偏光ビームスプリッタを用いて、前後して到着する超短光パルスの偏光をそれぞれ特定することができる。プラズマの吸光率など超短光パルスレーザの作用が偏光によって異なる場合があるので、偏光を選択することによって制御の自由度を増加させる効果がある。
【0064】
図12に示したような超短光パルスレーザ列をX線ターゲットに照射すると、図13に示すようなメカニズムで、より広い領域にわたってX線発生に適した一様な温度領域を作り出すことができる。
図13の(a)は、先行光パルスがターゲットに到達した時の強度分布を概念的に示す。先行パルスのエネルギーは光軸周辺に集中しており、ターゲット表面からプラズマを発生させる。
図13(b)は、円環状の後続光パルスが到達した時の状態を概念的に示すもので、先行光パルスにより光軸周辺に生成された内部が高温になったプラズマが存在し、その周囲を囲むように後続光パルスが照射している。後続光パルスの空間強度分布は、集光位置において、中心部が弱く周辺部が強いリング形をしている。
【0065】
図13(c)は、超短光パルスが消滅した後の状態を概念的に示す図面である。先行光パルスが生成したプラズマが適当に広がったところに後続光パルスを照射してプラズマを生成させると、後続光パルスは先行光パルスより効率的にプラズマを生成するので、パルスの強度分布と到達時間差を適当に選べば、それぞれのプラズマが発展し互いに混じり合って、より広い領域にわたり、より一様な温度領域を作り出すことができる。したがって、プラズマ温度を目的のX線の発生条件に合わせることにより、特性が安定したより大量のX線を発生させることができる。
こうして得られる超短光パルスレーザ光は、X線発生や粒子発生、化学反応など、各種のレーザプロセスに適用することができる。
【0066】
【実施例4】
本発明第4の実施例のレーザパルス制御装置は、第3実施例のレーザパルス制御装置を複数使用して、パルス列の組合わせを調整するようにした装置である。図14は本実施例の第1の態様を示す構成図、図15は本実施例の第2の態様を示す構成図である。
【0067】
図14に示した本実施例第1態様のレーザパルス制御装置は、図10で説明したような半透明鏡HMを用いたレーザパルス制御装置を2式用いて4個の超短光パルスが連続したレーザ光を得るようにしたものである。この装置は、パルスレーザ発生装置81から放出されたレーザ光を半透明鏡HMからなる光分割器82で2分し、一方を第1の単位レーザパルス制御装置83に通して出力を半透明鏡HMからなる光合成器85に射出する。また分割されたレーザ光のもう一方は、第2の単位レーザパルス制御装置84を通して光合成器85に入射させる。
【0068】
単位レーザパルス制御装置83,84は、図10で説明したように半透明鏡HMで2本のレーザ光に分けてそれぞれの空間強度分布を調整すると共に光路長に長短を付けて到達時間を調整して外部に射出する。
単位レーザパルス制御装置83,84から放射されるレーザ光は、それぞれ2個の超短光パルスを有するので、光路長を適当に調整すれば光合成器85で合成したレーザ光は4個の超短光パルスが時間軸に沿って並んだものとなり、それぞれの超短光パルスの空間強度分布と到達時間間隔は任意に調整することができる。
【0069】
なお、それぞれのレーザ光が光合成器85を透過する成分と反射する成分を持つため、本態様のレーザパルス制御装置からは互いに直交する2本のレーザ光が放出される。2本のレーザ光はそれぞれ異なる対象に照射して利用してもよいし、反射鏡を用いて1個の対象に照射するようにしてもよい。
【0070】
図15に示した本実施例第2態様のレーザパルス制御装置は、半透明鏡HMを用いた単位レーザパルス制御装置に代えて、図9で説明したような偏光ビームスプリッタPBSを用いたレーザパルス制御装置を使用したものである。
この装置は、パルスレーザ発生装置81から放出されたレーザ光を光分割器82で2分し、一方を第1の単位レーザパルス制御装置86に通し他方を第2の単位レーザパルス制御装置87を通して、それぞれの出力レーザ光を光合成器85に入射させて合成し、2本の超短光レーザパルスとして出力する。
【0071】
単位レーザパルス制御装置86,87は、図10で説明したように偏光ビームスプリッタPBSで偏光成分を分けることにより2本のレーザ光を生成させてそれぞれの空間強度分布を調整すると共に光路長に長短を付けて到達時間を調整して外部に射出する。単位レーザパルス制御装置86,87から放射されるレーザ光は、P偏光を有する超短光パルスレーザP1,P2とS偏光を有する超短光パルスレーザS1,S2が適当な時間間隔を空けて連なったものとなる。
したがって、本態様のレーザパルス制御装置からは、それぞれ一方の偏光を有する4個の超短光パルスが適当な間隔を持って任意の順序に並んだ同じレーザ光が2本、互いに直交する方向に放出されることになる。
【0072】
【発明の効果】
本発明のレーザパルス制御方法および装置を用いることにより、超短光パルスレーザの空間強度分布、時間波形あるいは偏光状態を調整することができるので、操作要素を豊富化してレーザ反応プロセスをより高度に制御することを可能にするので、各種産業における超短光パルスレーザの応用を促進する。また、本発明のX線発生装置またはX線発生方法を用いれば、レーザによりプラズマを発生してX線を放出させる場合に、X線の強度調整をすることができ、特に特定波長のX線の強度を選択的に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例におけるX線発生装置の構成図である。
【図2】第1実施例に用いる波面計測法の例を示す概念図である。
【図3】第1実施例の装置における制御の流れを示したフロー図である。
【図4】第1実施例におけるレーザビームの集光強度分布とターゲットの温度分布の関係を示すグラフである。
【図5】第1実施例における別のレーザビーム集光強度分布とターゲットの温度分布の関係を示すグラフである。
【図6】本発明に係る第2実施例におけるX線発生装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3実施例に係るレーザパルス制御装置を示す構成図である。
【図8】第3実施例のレーザパルス制御装置を用いたレーザ発生装置の全体の構成を示すブロック図である。
【図9】第3実施例のレーザパルス制御装置の別の態様を示す構成図である。
【図10】第3実施例のレーザパルス制御装置さらに別の態様を示す構成図である。
【図11】第3実施例の装置の出力の利用法の1例を説明するブロック図である。
【図12】第3実施例の装置で得られる出力パルスの形状例を説明する概念図である。
【図13】図12の出力パルスをX線ターゲットに照射した時の作用を説明する図面である。
【図14】本発明の第4実施例のレーザパルス制御装置の態様を示す構成図である。
【図15】第4実施例のレーザパルス制御装置の別の態様を示す構成図である。
【符号の説明】
1 超短光パルスレーザ発生装置
2,5,11 レーザビーム
3 可変形鏡
4 反射鏡
6 凸レンズまたは凹面鏡
7 ターゲット
8 X線
9 真空容器
10 X線分光器
12 波面センサ
13 データ処理装置
14 制御装置
20 レーザビーム伝送路
21,22 部分反射鏡
23,24 レンズ系
25,26 イメージセンサ
30 透過光学素子
40,60,70 レーザパルス制御装置
41,61,71 光分割器
42,43 反射鏡
44,64,74 光合成器
45,46 光学遅延回路
47 パルスレーザ発生装置
51 超短光パルスレーザ発振器
52 パルスストレッチャー
53 パルス増幅器
54 パルス圧縮器
65 偏光面回転素子
77,78 パルスレーザ利用系
81 パルスレーザ発生装置
82 光分割器
83,84,86,87 単位レーザパルス制御装置
85 光合成器
BS ビームスプリッタ
ORC 光学遅延回路
DM 可変形鏡
HM 半透明鏡(ハーフミラー)
PBS 偏光ビームスプリッタ

Claims (26)

  1. 入射する超短光パルスレーザ光を分割してそれぞれ別の光路を走行させ、再び合成して先行パルスレーザと後続パルスレーザの列として得られたレーザ光を放射するレーザパルス発生方法であって、一方または両方の光路内に可変形鏡を備えて該可変鏡表面形状により先行パルスレーザと後続パルスレーザごとに独立に空間強度分布のパターンを調整すると共に、前記光路中における光路長を調整して先行パルスレーザと後続パルスレーザの到達時間間隔を精密に制御することにより得られた前記レーザ光をさらに集光してターゲットに集光した位置における該レーザビームの空間強度分布が所定のパターンになるように調整すると共に、ターゲットの表面に照射してX線を発生させ、さらに、発生するX線の強度特性を測定し、該X線強度特性の測定結果に基づいてX線強度が適正なものとなるように該レーザビームの波面状態を調整することを特徴とするX線発生方法
  2. さらに前記入射超短光パルスレーザ光にチャープパルス増幅を施すことを特徴とする請求項1記載のX線発生方法
  3. 前記入射超短光パルスレーザ光の分割と合成はそれぞれ偏光ビームスプリッタで行うことを特徴とする請求項1または2記載のX線発生方法
  4. 前記入射超短光パルスレーザ光の偏光特性を調整することにより前記放射レーザ光の光強度を制御することをことを特徴とする請求項3記載のX線発生方法
  5. さらに伝送光学系中のレーザビームの波面状態をモニタして前記レーザビームの空間強度分布調整状況を確認できるようにすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のX線発生方法。
  6. 前記測定するX線の強度特性は波長特性を含み、特定の波長におけるX線強度の計測値に基づいて、前記波面状態の補正を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のX線発生方法。
  7. 前記ターゲットに集光した位置におけるレーザビームの空間強度分布パターンが中心部が弱く周辺部が強いリング形であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のX線発生方法。
  8. 前記中心部が弱く周辺部が強いリング形における周辺部と中心部の強度比に基づいてレーザビームの波面状態を制御することを特徴とする請求項記載のX線発生方法。
  9. 超短光パルスレーザ光を光分割器で分割してそれぞれ別の光路を走行させ、光合成器で再び合成して先行パルスレーザと後続パルスレーザの列としてターゲットに照射してX線を発生させるX線発生装置において、発生するX線の強度を測定するX線測定装置を配設し、一方または両方のレーザビーム伝送光学系中の前記光分割器と光合成器の間にレーザビームの波面制御装置を介装させて、前記X線測定装置によりX線の強度を測定し、該測定結果に基づいて前記波面制御装置によりレーザビームの波面状態を補正して、前記ターゲットに集光した位置におけるレーザビームの空間強度分布が所定のパターンになり、かつX線強度が適正なものとなるように調整することを特徴とするX線発生装置。
  10. さらに、レーザビーム伝送光学系中にレーザビームの波面状態を測定する波面測定装置を配設し、該レーザビームの波面状態をモニタして前記波面制御装置のレーザビーム波面調整方法を適正化することを特徴とする請求項記載のX線発生装置。
  11. 前記X線測定装置は、波長特性を測定することができるもので、特定の波長におけるレーザ強度に基づいて前記波面制御装置を調整することを特徴とする請求項9または10記載のX線発生装置。
  12. 前記波面制御装置は、可変形鏡を備えて反射面の凹凸を局所的に調整してレーザビームの波面状態を制御することを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載のX線発生装置。
  13. 前記波面制御装置は、局所的に屈折率を調整することができる透過型光学素子を用いてレーザビームの波面状態を制御することを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載のX線発生装置。
  14. 前記ターゲットに集光した位置におけるレーザビームの空間強度分布パターンが中心部が弱く周辺部が強いリング形であることを特徴とする請求項9から13のいずれかに記載のX線発生装置。
  15. 前記中心部が弱く周辺部が強いリング形における周辺部と中心部の強度比に基づいて前記波面制御装置を制御することを特徴とする請求項14記載のX線発生装置。
  16. 光分割器、1個以上の可変形鏡を含む2個の反射鏡、1個または2個の光学遅延回路、および光合成器を備え、入射した超短光パルスレーザを前記光分割器で2分し、それぞれを前記反射鏡で反射して前記光合成器で再び合成してレーザビームとするときに分割されたレーザパルスそれぞれの光路長が等しくなるように配置し、前記可変形鏡の反射面形状を調整することによりそれぞれのレーザパルスがターゲットに集光した位置における空間強度分布を調整するようにした上で、さらに該分割されたレーザビームの一方または両方の光路中に前記光学遅延回路を介装して、前記それぞれのレーザパルスが前記光合成器に到達する時刻に差異を生じさせるようにしたレーザパルス制御装置、さらに発生するX線の強度を測定するX線測定装置を配設し、ターゲットから発生するX線量の値に基づき、前記ターゲットに到着するレーザビーム中の先に到達する先行パルスと後に到達する後続パルスにおけるエネルギー密度ピークの強度比と、ビーム径と、時間差をパラメータとして、前記可変形鏡の形状と光学遅延回路の遅延距離を調整することによりX線発生量を制御することを特徴とするX線発生装置。
  17. 前記レーザパルス制御装置にはさらに、前記光路中にパルスストレッチャーとレーザ増幅器とパルス圧縮器を有するチャープパルス増幅装置を備えることを特徴とする請求項16記載のX線発生装置
  18. 前記パルスストレッチャーと前記レーザ増幅器を超短光パルスレーザ発生装置と前記光分割器の間に、かつ前記パルス圧縮器を前記光合成器と前記収束光学系の間に備えることを特徴とする請求項17記載のX線発生装置
  19. 前記光分割器と光合成器が偏光ビームスプリッタであることを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載のX線発生装置
  20. さらに前記光分割器の上流に偏光面回転素子を備えることを特徴とする請求項19記載のX線発生装置
  21. 前記光分割器と光合成器がハーフミラーであることを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載のX線発生装置
  22. 光分割器、請求項16から21のいずれかに記載のレーザパルス制御装置からなる単位パルス制御装置を2式、および光合成器を備え、入射した超短光パルスレーザを前記光分割器で2分し、それぞれを前記2式の単位パルス制御装置のそれぞれに入射して、パルスの空間強度分布とパルス同士の時間間隔が調整された2個のパルスレーザを含むレーザビームを得て、該レーザビームを前記光合成器で再び合成して、4個のパルスレーザを含むレーザビームを形成するレーザパルス制御装置、さらに発生するX線の強度を測定するX線測定装置を配設し、ターゲットから発生するX線量の値に基づき、前記ターゲットに到着するレーザビーム中の先に到達する先行パルスと後に到達する後続パルスにおけるエネルギー密度ピークの強度比と、ビーム径と、時間差をパラメータとして、前記可変形鏡の形状と光学遅延回路の遅延距離を調整することによりX線発生量を制御することを特徴とするX線発生装置。
  23. レーザ光をターゲットに照射してX線を発生させるX線発生装置において、超短光パルスレーザ発生装置と、請求項16から22のいずれかに記載のレーザパルス制御装置、および収束光学系を備え、該超短光パルスレーザ発生装置で発生したレーザパルスを前記レーザパルス制御装置に入射して得られるレーザ光を前記収束光学系で前記ターゲットに照射するようにすると共に、発生するX線の強度を測定するX線測定装置を配設し、ターゲットから発生するX線量の値に基づき、前記ターゲットに到着するレ ーザビーム中の先に到達する先行パルスと後に到達する後続パルスにおけるエネルギー密度ピークの強度比と、ビーム径と、時間差をパラメータとして、前記可変形鏡の形状と光学遅延回路の遅延距離を調整することによりX線発生量を制御することを特徴とするX線発生装置。
  24. 請求項21または22記載のレーザパルス制御装置を用いた請求項23記載のX線発生装置において、前記レーザパルス制御装置から放出される直交した2本のレーザビームはそれぞれターゲットに集光するようにしたことを特徴とするX線発生装置。
  25. 前記2本のレーザビームは同じターゲットに集光するようにしたことを特徴とする請求項24記載のX線発生装置。
  26. 前記先行パルスはターゲットの集光した位置における空間強度分布パターンが中心部にピークを持つように細く絞った形状を有し、前記後続パルスは中心部が弱く周辺部が強いリング形の空間強度分布を持つことを特徴とする請求項16から25のいずれかに記載のX線発生装置。
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