JP2010237234A - 光源装置およびその調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡明かつ低廉な構成で、和周波発生素子における光パルスの重なりを調整可能な光源装置を提供する。
【解決手段】光源装置1は、パルス光を発生するレーザ光発生部10と、発生されたパルス光を複数に並列分岐して各パルス光を各々増幅し出射する複数の光増幅器21〜23を備えた光増幅部20と、これらの光増幅器から出射されたパルス光を同軸に重ね合わせて波長変換光学素子に入射させ、和周波発生により高調波を発生させる波長変換部30とを備える。光増幅器22,23の出口部分には、波長変換部30に出射されるパルス光を平行光にコリメートする光学素子50と、波長変換部30に対する光学素子50の光軸方向の位置を調整設定可能な調整機構60とが設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光源装置およびその調整方法に関し、なお詳細には、レーザ光発生部により発生された一つのパルス光を、光増幅部において複数の光増幅器により並列増幅し、これを波長変換部において同軸に合波させて波長変換光学素子に入射し、和周波発生により高調波を発生させるように構成された光源装置に関するものである。
上記のような光源装置は、感光物に微細なデバイスパターンを転写する露光装置や、微細構造を観察するレーザ顕微鏡等の各種の光学式検査装置、眼科治療用の医療装置、などに用いる光源として広く検討が進められている。このような光源装置は、例えば、半導体レーザおよびパルス変調器等からなるレーザ光発生部により発生されたパルス光を、光増幅部において複数に並列分岐して各々ファイバー光増幅器により増幅し、増幅されたパルス光を波長変換部において順次波長変換して、例えばArFエキシマレーザの発振波長と同じ波長193[nm]の紫外光を出力するように構成される(例えば、特許文献1を参照)。
ここで、波長変換部の構成、すなわち、波長変換光学系を形成する波長変換光学素子の種別や配置には種々の形態があるが、紫外光を高効率で発生させ、かつ良好なビーム品質で得るため、光増幅部で並列増幅されたパルス光を、波長変換部において異なる経路を通して異なる波長のパルス光に波長変換し(あるいは波長変換せず)、これらを所定の波長変換光学素子の直前で同軸に重ね合わせて、和周波発生により高調波を発生させる、という手法が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特許第4232130号公報 特開2007−47332号公報
このような光源装置においては、和周波発生を行う波長変換光学素子(ここでは、便宜的に「和周波発生素子」という)に和周波の対象となるパルス光が同時に入射し、和周波発生素子において二つの光パルスが時間的・空間的に重なっている必要がある。この点、対象となるパルス光は、レーザ光発生部から出射された同一のパルス光であり、光増幅器に入射するまでは時間的なずれは生じない。しかしながら、光増幅器に入射したのち、波長変換部において同軸に重ね合わされるまでは、各パルス光は異なる経路を通っており、パルス光の光路長は所定範囲で異なったものとなり得る。
このため、従来では、対象となるパルス光を増幅する二つの光増幅器の少なくとも一方に、光を遅延させるオプティカル・ディレイ(Optical Delay)を介装し、和周波発生素子で二つの光パルスが時間的に重なるように、光路長を調整する構成が用いられてきた(例えば、上記特許文献2を参照)。オプティカル・ディレイは、光増幅部において相対的なサイズが大きく高価格であることに加え、ファイバーの融着作業が煩雑である、という課題があった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、簡明かつ低廉な構成で、和周波発生素子における光パルスの重なりを調整可能な光源装置、およびその調整方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の態様による光源装置は、パルス光を発生するレーザ光発生部と、発生されたパルス光を複数に並列分岐して各パルス光を各々増幅し出射する第1光増幅器および第2光増幅器を備えた光増幅部と、第1光増幅器から出射されたパルス光および第2光増幅器から出射されたパルス光を、同軸に重ね合わせて波長変換光学素子(例えば、実施形態における波長変換光学素子35,36)に入射させ、和周波発生により高調波を発生させる波長変換部とを備える。そして、第1光増幅器および第2光増幅器の少なくとも一方の出口部分に、波長変換部に出射されるパルス光を平行光にコリメートする光学素子(例えば、実施形態におけるコリメート光学素子50)と、波長変換部に対する光学素子の光軸方向の位置を調整設定可能な調整機構とを設けて構成される。
なお、前記第1,第2光増幅器はファイバー光増幅器であり、前記光学素子は、これらの光増幅器の少なくとも一方のファイバー端部に一体的に取り付けられるように構成することが好ましい。また、前記光学素子は、この光学素子に入射したパルス光をビーム径が100倍以上の平行光にコリメートして出射するように構成することが望ましい。
本発明の態様による光源装置の調整方法は、上記各光源装置の調整方法であり、第1光増幅器から出射されて波長変換光学素子に入射するパルス光と、第2光増幅器から出射されて波長変換光学素子に入射するパルス光とが、波長変換光学素子においてほぼ同軸とした後、時間的に重なるように、調整機構により光学素子の光軸方向の位置を調整する。
本発明の光源装置においては、第1,第2光増幅器の少なくとも一方の出口に、パルス光をコリメートする光学素子と、この光学素子の光軸方向位置を調整設定可能な調整機構とが設けられている。このため、調整機構により光学素子の光軸方向の位置を調整することで、当該経路の光路長を調整することができ、これにより第1,第2光増幅器から出射された二つのパルス光が、和周波発生素子において時間的に重なるように、容易に調整することができる。従って、本発明によれば、簡明かつ低廉な構成で、和周波発生素子における光パルスの重なりを調整可能な光源装置、およびその調整方法を提供することができる。
なお、第1,第2光増幅器がファイバー光増幅器であり、出力光をコリメートする光学素子がファイバー端部に一体的に取り付けられるような構成によれば、ファイバー光増幅器の出射端部の位置を調整する極めて簡明な操作で、和周波発生素子における光パルスの重ね合わせを容易に調整することができる。また、ファイバー光増幅器が劣化して交換を行う必要が生じた場合でも、波長変換部において煩雑な光軸調整を行う必要がなく、交換作業を迅速に行うことができる。
本発明の適用例として示す光源装置の概要構成図である。 上記光源装置における波長変換部の構成例を示すブロック図である。 パルス光の空間的長さを説明するための説明図である。 調整機構の構成例を示す(a)側面図および(b)平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に例示する光源装置は、半導体デバイス製造用の露光装置、各種の光学式検査装置、レーザ治療装置などに好適に用いられるものである。光源装置1の概要構成図を図1に示しており、この図を参照して光源装置1の全体構成について概要説明する。
光源装置1は、パルス光を発生するレーザ光発生部10と、レーザ光発生部10により発生されたパルス光を複数に並列分岐し各々増幅して出射する光増幅部20と、並列増幅された複数のパルス光を同軸に重ね合わせて和周波発生により高調波を発生させる波長変換部30とを備えて構成される。
レーザ光発生部10は、赤外〜可視領域において所定波長のレーザ光(シード光)を発生するレーザ光源11と、レーザ光源11により発生されたシード光の一部を切り出して、切り出された短パルス状のシード光(以下、便宜的に「パルスシード光」という)を出力する光変調器12とを備えて構成される。
レーザ光源11は、狭帯域化された単一波長のシード光を発生する。レーザ光源11として、例えば、発振波長1.02〜1.15[μm]のDFB(分布帰還型)半導体レーザ、発振波長1.51〜1.59[μm]のDFB半導体レーザが例示される。本構成形態では、レーザ光源11として、発振波長1.5[μm]帯のDFB半導体レーザを用い、ペルチェ素子等を利用した温度調整器により温度制御した状態で発振させることにより、波長λ=1.547[μm]の単一波長のシード光を発生させる。DFB半導体レーザは、励起電流を波形制御することにより任意強度でCW発振またはパルス発振させることができる。光源装置1においては、繰り返し周波数2[MHz]、パルス幅1〜2[nsec]の単一波長のシード光Lsを発生させる。なお、以下においては、レーザ光源11を、適宜「DFB半導体レーザ11」とも表記する。
光変調器12は、DFB半導体レーザ11により発生されたシード光Lsの一部を時間的に切り出し、切り出されたパルスシード光を光増幅部20に出射する。光変調器12として、例えば電気光学変調器(EOM)が用いられる。光変調器12は、図示省略する制御装置によりDFB半導体レーザ11と同期制御され、DFB半導体レーザ11から出射したパルス幅1〜2[nsec]のシード光から、パルス幅0.3[nsec]程度の光パルスを切り出し、切り出されたパルスシード光Lpが光増幅部20に出射される。
光増幅部20は、レーザ光発生部から出射されたパルスシード光Lpを複数に並列分岐する光分割器25と、分岐されたパルス光を各々増幅して出射する複数の光増幅器と、後述するコリメート光学素子50の光軸方向位置を調整設定可能な調整機構60と、を備えて構成される。
本構成形態では、レーザ光発生部10から出射されたパルスシード光Lpを、光分割器25により3つに並列分岐して第1,第2,第3ファイバー光増幅器21,22,23に入射させ、各ファイバー光増幅器21,22,23により増幅された光(以下、便宜的に「パルス光」という)La1,La2,La3を波長変換部30に出力する態様を示す。波長1.5[μm]帯の赤外光を増幅する第1,第2,第3ファイバー光増幅器21,22,23として、例えば、エルビウム(Er)・ドープ・ファイバー光増幅器(EDFA)が用いられる。なお、波長1.1[μm]帯の赤外光を増幅する場合には、イットリビウム(Yb)・ドープ・ファイバー光増幅器(YDFA)が好適に用いられる。
波長変換部(波長変換光学系)30は、非線形光学結晶や周期分極反転結晶などの波長変換光学素子を備えて構成され、光増幅部20から出射された複数のパルス光を同軸に重ね合わせて波長変換光学素子に入射させ、和周波発生により高調波を発生させる。このように、複数のパルス光を同軸に重ね合わせ、和周波発生により高調波を発生させる波長変換部には種々の態様がある。例えば、波長1.5[μm]帯の基本波レーザ光を8倍波に相当する波長193[nm]の紫外光に波長変換する波長変換光学系にあっても、種々の公知の態様がある(前述の特許文献1、特許文献2)。本発明は、異なる経路を通った複数のパルス光を同軸に重ね合わせて和周波発生を行わせる波長変換光学系であれば、いずれの態様にも適用可能である。そこで、図2に、波長変換光学系30の代表的な構成例を示し、簡潔に説明する。なお、図2において、光路上に楕円形で示すものはコリメータレンズや集光レンズであり、個々の説明を省略する。また、P偏光を矢印で、S偏光を○中に点のある印で示し、基本波をω、そのn倍波をnωで示す。
波長変換光学系30は、6つの波長変換光学素子31〜36を主体とし、3つの光路により構成される。第1ファイバー光増幅器21により増幅され波長変換光学系30に入射した周波数ωの第1のパルス光La1(基本波)は、ω→2ω→3ω→5ωの順に波長変換される。第2ファイバー光増幅器22により増幅され波長変換光学系30に入射した周波数ωの第2のパルス光La2(基本波)は、ω→2ωに波長変換される。そして、5倍波と2倍波の和周波発生により7倍波7ωが発生され、この7倍波と第3ファイバー光増幅器23により増幅された周波数ωの第3のパルス光La3(基本波)の和周波発生により8倍波8ωが生成される。
第1ファイバー光増幅器21から出射され、波長変換光学系30に入射したP偏光の基本波(第1のパルス光La1)は、波長変換光学素子31に集光入射され、P偏光の2倍波(2ω)を発生させる。発生した2倍波と波長変換光学素子31を透過した基本波は、波長変換光学素子32に集光入射し、和周波発生によりS偏光の3倍波(3ω)を発生させる。波長変換光学素子31,32は、例えば、2倍波発生用の波長変換光学素子31としてPPLN結晶、3倍波発生用の波長変換光学素子32としてLBO結晶が用いられる。なお、波長変換光学素子31として、PPKTP結晶、PPSLT結晶、LBO結晶等を用いることもできる。
波長変換光学素子32により発生されたS偏光の3倍波と、波長変換光学素子32を透過したP偏光の基本波および2倍波は、2波長波長板41を透過させて2倍波だけをS偏光に変換する。2波長波長板41として、例えば、結晶の光学軸と平行にカットした一軸性の結晶の平板からなる波長板が用いられる。この波長板は、一方の波長の光(2倍波)に対して偏光を回転させ、他方の波長の光に対しては、偏光が回転しないように、波長板(結晶)の厚さを一方の波長の光に対してλ/2の整数倍で、他方の波長の光に対しては、λの整数倍になるようにカットすることにより構成される。
ともにS偏光になった2倍波および3倍波は、波長変換光学素子33に集光入射させ、和周波発生によりP偏光の5倍波(5ω)を発生させる。なお、5倍波発生用の波長変換光学素子33として、例えばLBO結晶が用いられるが、BBO結晶、CBO結晶を用いることも可能である。波長変換光学素子33から出射される5倍波は、ウォークオフのため断面が楕円形になっている。そこで、2枚のシリンドリカルレンズ42v,42hにより、楕円形の断面形状を円形に整形し、ダイクロイックミラー43に入射させる。
第2ファイバー光増幅器22から出射され、波長変換光学系30に入射したP偏光の基本波(第2のパルス光La2)は、波長変換光学素子34に集光入射させ、P偏光の2倍波(2ω)を発生させる。波長変換光学素子34により発生された2倍波は、ダイクロイックミラー44に入射させる。2倍波発生用の波長変換光学素子34は、PPLN結晶を用いることができるほか、LBO結晶、PPKTP結晶、PPSLT結晶等を用いてもよい。
第3ファイバー光増幅器23から出射された基本波(第3のパルス光La3)は、S偏光で波長変換光学系30に入射させ、波長変換することなくダイクロイックミラー44に入射させる。ダイクロイックミラー44は、基本波の波長帯域の光を透過し、2倍波の波長帯域の光を反射するように構成されており、ダイクロイックミラー44を透過したS偏光の基本波と、ダイクロイックミラー44に反射されたP偏光の2倍波とが同軸に重ね合わされてダイクロイックミラー43に入射する。
ダイクロイックミラー43は、基本波および2倍波の波長帯域の光を透過し、5倍波の波長帯域の光を反射するように構成されており、このダイクロイックミラー43を透過したS偏光の基本波およびP偏光の2倍波と、ダイクロイックミラー43で反射されたP偏光の5倍波とが同軸に重ね合わされて波長変換光学素子35に入射する。
波長変換光学素子35,36は近接して配設されるとともに、基本波、2倍波、5倍波の各光路には、近接配設された波長変換光学素子35,36に数百[μm]程度の所定のスポットサイズで各波長の光が集光入射するように設定されたレンズが設けられている。波長変換光学素子35では、P偏光の2倍波(2ω)とP偏光の5倍波(5ω)による和周波発生が行われ、7倍波(7ω)が発生される。7倍波発生用の波長変換光学素子35として、CLBO結晶が用いられる。
波長変換光学素子35により発生されたS偏光の7倍波(7ω)と、波長変換光学素子35を透過したS偏光の基本波(ω)は、波長変換光学素子36に入射し、和周波発生によりP偏光の8倍波(8ω)が発生される。8倍波発生用の波長変換光学素子36として、CLBO結晶が用いられる。なお、波長変換光学素子36から出力される光には、8倍波以外に、波長変換光学素子36を透過した基本波や2倍波等の他の波長成分が含まれるが、ダイクロイックミラーや偏光ビームスプリッタ、プリズム等を使用することにより、これらを分離・除去することができる。
このようにして、光増幅部20から出力された波長1.547[μm]の基本波レーザ光が波長変換部30において順次波長変換され、波長変換部30から波長193[nm]の紫外光Lvが出力される。なお、波長変換部30の構成は、上記構成に限られるものではなく、例えば、いずれも本出願人に係る、特開2004−86193号公報に開示した構成、国際公開2005−116751号公報に開示した構成などを適用することができる。
以上のように概要構成される光源装置1にあって、ダイクロイックミラー43により5倍波、2倍波および基本波が同軸に重ね合わされ、7倍波発生用の波長変換光学素子35において5倍波と2倍波の和周波発生、8倍波発生用の波長変換光学素子36において7倍波と基本波の和周波発生が行われる。
いま、パルスシード光の繰り返し周波数を2[MHz]、パルス幅を0.1[nsec]とすると、図3にパルス光の空間的な概念図を示すように、パルス光における隣り合う光パルスのパルス間隔は約150[m]、単一の光パルスの空間長は約30[mm]となる。
そのため、第1ファイバー光増幅器21から出射され、波長変換光学素子31,32,33により順次波長変換されて波長変換光学素子35に入射する5倍波と、第2ファイバー光増幅器22から出射され、波長変換光学素子34により波長変換されて波長変換光学素子35に入射する2倍波の光路長とが30[mm]を超えて相違すると、5倍波の光パルスと2倍波の光パルスとが重ならず、波長変換光学素子35において和周波発生による7倍波発生が生じない。光路長の差異が30[mm]以下であっても、その大きさに応じて7倍波の発生効率が低下する。
同様に、波長変換光学素子35において発生し、波長変換光学素子36に入射するする7倍波と、第3ファイバー光増幅器23から出射され、波長変換光学素子36に入射する基本波の光路長とが30[mm]を超えて相違すると、7倍波の光パルスと基本波の光パルスとが重ならず、波長変換光学素子36において和周波発生による8倍波発生が生じない。光路長の差異が30[mm]以下であっても、その大きさに応じて8倍波の発生効率が低下する。
光源装置1では、第2ファイバー光増幅器22の出口部、および第3ファイバー光増幅器23の出口部に、それぞれファイバー光増幅器から出射するパルス光を平行光にコリメートするコリメート光学素子50を設けるとともに、各コリメート光学素子50の波長変換部30に対する光軸方向の位置を調整設定可能な調整機構60を設け、第2,第3のパルス光の光路長を調整設定可能としている。図4に調整機構60の構成例を示す。ここで、図4(a)は調整機構60の概要構成を示す側面図、同図(b)は平面図である。
コリメート光学素子50は、ファイバー光増幅器のファイバー端部から出射されるパルス光を、ビーム径が100倍以上の平行光にコリメートして出射する。例えば、モード径が10〜20[μm]のファイバー端部から出射されたパルス光を、コリメートレンズを用いてビーム径φ2〜3[mm]程度の平行光として出射する。コリメート光学素子50から出射された平行光束のパルス光La2,La3は波長変換部30に入射し、各光路に設けられたレンズにより集光されて、例えば、図4(a)に示すように、第2のパルス光La2が波長変換光学素子34に入射する。
調整機構60は、コリメート光学素子50を、波長変換部30の各光路の光軸CLに沿って光軸方向に移動させ、光軸方向の任意位置に固定可能に構成される。図4に例示する調整機構60は、コリメート光学素子50を着脱可能に係止するLアングル状のブラケット62と、ブラケット62の脚部を支持するフレームに光軸CLと平行に延びて固定されたガイドステー63、ブラケット62の脚部に光軸方向に延びて形成された長孔および固定ネジ等からなるブラケット固定構造64などから構成される。ブラケット62およびガイドステー63は、ブラケット62の側面をガイドステー63の側面に当接させて光軸方向に移動させたときに、コリメート光学素子50が、光軸CLに沿って移動するように構成される。
このように構成された調整機構60では、コリメート光学素子50が取り付けられたブラケット62の側端面をガイドステー63に当接させ、その状態のままブラケット62を光軸CL方向に移動させたときに、コリメート光学素子50から出射されたパルス光は、光軸CLに直行する面内においてビーム位置が変化せず、空間を伝播するパルス光の伝播距離のみが変化する。空間を伝播するパルス光は平行光であり、波長変換部30においてアライメントはほとんど変化しない。なお、調整機構60は、コリメート光学素子50を光軸CLに沿って移動調整可能であればよく、例えば1軸移動のステージなどを用いてもよい。
このため、調整機構60を利用して,コリメート光学素子50の波長変換部30に対する光軸方向の位置を調整することにより、第1のパルス光La1を基準として、第2のパルス光La2、および第3のパルス光La3の光路長を調整設定することができる。これにより、波長変換光学素子35に入射する5倍波に対して2倍波の時間的位置を調整し、波長変換光学素子36に入射する7倍波に対して基本波の時間的位置を調整することができる。
波長変換部30における各光路の光路長、すなわち、第1のパルス光La1が波長変換部30に入射して波長変換光学素子35に到達するまでの光路長、第2のパルス光La2が波長変換部30に入射して波長変換光学素子35に到達するまでの光路長、第3のパルス光La3が波長変換部30に入射して波長変換光学素子36に到達するまでの光路長、などは波長変換部30の構成から既知であり、これらの光路長に合わせて各ファイバー光増幅器21,22,23に融着される無ドープのファイバー長も設定されている。また、図3に示したように、パルス光の隣接する光パルスの間隔は空間的に150[m]程度、各光パルスの空間長は30[mm]程度である。
このため、調整機構60におけるブラケット62の光軸方向の調整範囲は、基準位置を中心として±50[mm]程度あればよく、調整精度は0.5[mm]程度の比較的粗い精度でも十分に調整設定することができる。従って、大型でありかつ比較的高価なオプティカル・ディレイを用いない簡明かつ安価な構成で、和周波発生素子における光パルスの重ね合わせを容易に調整することができる。
また、ファイバー光増幅器のファイバー端部に、ビーム径を100倍以上に拡大してコリメートするコリメート光学素子50を設け、このコリメート光学素子50の光軸方向位置を調整する。そのため、光路長を調整しても波長変換部に入射するパルス光の光軸ズレや波長変換部でのアライメントが変化するようなことがなく、ファイバー光増幅器の交換等を行う場合であっても、ファイバー端部の光軸直交面内の位置を数十[μm]オーダで微調整するような煩雑な調整作業の必要がなく、交換作業を容易かつ迅速に行うことができる。なお、ファイバー光増幅器のファイバー端部に、コリメートレンズを内蔵した光コネクタ(例えばFCコネクタやSCコネクタ等)を設け、ブラケット62に光コネクタと嵌脱自在なレセプタクルを設けて接続するような構成によれば、ファイバー光増幅器の交換を更に容易にかつ高い再現性で交換することができる。
次に、調整機構60を用いた具体的な調整手法について説明する。第1の調整方法は、ダイクロイックミラー43と7倍波発生用の波長変換光学素子35との間に、基本波〜5倍波の波長帯域の光パルスを検出可能な高速ディテクタを配置し、高速ディテクタの検出信号をオシロスコープにより観察しながら調整する。
このとき、まず第1ファイバー光増幅器21と、第2ファイバー光増幅器22とを駆動して、5倍波の光パルスと2倍波の光パルスの時間的なずれを観察する。そして、第2ファイバー光増幅器22の出口に設けられた調整機構60により第2ファイバー光増幅器22の出口端部(コリメート光学素子50)の光軸方向位置を調整し、2倍波の光パルスが、波長変換光学素子35において5倍波の光パルスと重なるように調整する。
次いで、第1ファイバー光増幅器21と、第3ファイバー光増幅器23とを駆動して、5倍波の光パルスと基本波の光パルスの時間的なずれを観察する。そして、第3ファイバー光増幅器23の出口に設けられた調整機構60により第3ファイバー光増幅器23の出口端部(コリメート光学素子50)の光軸方向位置を調整し、基本波の光パルスが、波長変換光学素子36において7倍波の光パルスと重なるように調整する。なお、基本波および7倍波が波長変換光学素子35を通過する速度は既知であり、これに基づいて5倍波に対する基本波の光パルスの重ね合わせが調整される。
このような調整方法によれば、基本波、2倍波、5倍波が重ね合わされた位置において1台の高速ディテクタで、各周波数成分の光パルスの重なり具合を計測し調整するため、簡明な測定系で、高速ディテクタの個体差によるばらつきを排除した高精度の調整を行うことができる。また、和周波発生を効率的に行わせるための各周波数成分光の光路計算を比較的簡単に行うことができる。
調整機構60を用いた第2の調整方法は、波長変換部30の各光路への入射位置に、ファイバー光増幅器21,22,23から出射されたパルス光La1,La2,La3の光パルスを検出する高速ディテクタをそれぞれ配置し、各検出信号をオシロスコープにより観察する。
また、第1のパルス光La1の検出位置から波長変換光学素子35までの光路長、および第2のパルス光La2の検出位置から波長変換光学素子35までの光路長に基づいて、波長変換光学素子35において5倍波と2倍波とを重ね合わせるための、第1のパルス光La1と第2のパルス光La2の検出位置におけるズレ時間(補正値)を算出する。そして、第1ファイバー光増幅器21から出射されたパルス光La1の検出タイミングを基準とし、第2ファイバー光増幅器22から出射されたパルス光La2が、上記算出されたズレ時間隔てて検出されるように、第2ファイバー光増幅器22の出口端部の光軸方向位置を調整機構60により調整する。
第3ファイバー光増幅器23の出口端部の光軸方向位置についても同様であり、第1のパルス光La1の検出位置から波長変換光学素子36までの光路長、および第3のパルス光La3の検出位置から波長変換光学素子36までの光路長に基づいて、波長変換光学素子35で発生された7倍波と基本波とを波長変換光学素子36において重ね合わせるための、第1のパルス光La1と第3のパルス光La3の検出位置におけるズレ時間(補正値)を算出する。そして、第1ファイバー光増幅器21から出射されたパルス光La1の検出タイミングを基準とし、第3ファイバー光増幅器23から出射されたパルス光La3が、上記算出されたズレ時間隔てて検出されるように、第3ファイバー光増幅器23の出口端部の光軸方向位置を調整機構60により調整する。
このような調整方法によれば、ダイクロイックミラーやレンズ、波長変換光学素子が密接して配設される波長変換光学部に、検出光を導出するミラーや高速ディテクタ等を配置することなく、比較的配置の自由度が高い光増幅部20と波長変換部30との間に測定系を形成して調整を行うことができる。
調整機構60を用いた第3の調整方法は、ファイバー光増幅器21,22,23に設けられたモニター信号を利用して、各ファイバー光増幅器から出射されるパルス光La1,La2,La3の出射タイミングを観察する。そして、上記第2の調整方法と同様の光路計算を行って、波長変換光学素子35において5倍波と2倍波とを重ね合わせ、波長変換光学素子36において7倍波と基本波を重ね合わせるための、波長変換部30に入射する各パルス光La2,La3のズレ時間(補正値)を算出する。
そして、第1ファイバー光増幅器21から出射されるパルス光La1の検出タイミングを基準とし、第2ファイバー光増幅器22から出射されたパルス光La2が、算出された所定のズレ時間隔てて波長変換部30に入射するように、第2ファイバー光増幅器22の出口端部の光軸方向位置を調整機構60により調整する。同様に、第1ファイバー光増幅器21から出射されるパルス光La1の検出タイミングを基準とし、第3ファイバー光増幅器23から出射されたパルス光La3が、算出された所定のズレ時間隔てて波長変換部30に入射するように、第3ファイバー光増幅器23の出口端部の光軸方向位置を調整機構60により調整する。
このような調整方法によれば、光増幅部20および波長変換部30に、パルス光の検出光学系を組むことなく、簡明な手段でタイミング調整を行うことができる。
以上説明したように、本発明の光源装置1及びその調整方法によれば、複数に並列分岐されたパルス光を増幅するファイバー光増幅器の出口端部に、出射するパルス光を平行光にするコリメート光学素子50が設けられるとともに、このコリメート光学素子50の光軸方向位置を調整設定可能な調整機構60が設けられている。このため、調整機構60によりファイバー光増幅器の出口端部の位置を調整するだけで、当該経路の光路長を調整することができ、これにより同軸に重ね合わされた2つのパルス光が、和周波発生を行う波長変換光学素子において時間的に重なるように、容易に調整することができる。従って、本発明によれば、簡明かつ低廉な構成で、和周波発生素子における光パルスの重なりを調整可能な光源装置、およびその調整方法を提供することができる。
なお、実施形態においては、レーザ光発生部により発生されたパルスシード光を3つに並列分岐してファイバー光増幅器21〜23により増幅し、増幅された3つのパルス光を重ね合わせて順次和周波発生により高調波を発生させる構成を例とし、3つのファイバー光増幅器21〜23のうち、2つのファイバー光増幅器の出口部に調整機構60を設けた構成について説明した。本発明は、係る形態に限定されるものではなく、2以上に並列分岐されたパルス光が波長変換部において同軸に重ね合わされ、和周波発生により高調波を発生させるような構成の光源装置であれば、同様に適用し、同様の効果を得ることができる。例えば、パルスシード光を2つに並列分岐して各々ファイバー光増幅器により増幅し、これらを重ね合わせて和周波発生させるような光源装置については、いずれか一方のファイバー光増幅器の出口に調整機構を設けて構成することができる。並列分岐数が4以上の場合についても同様である。
また、レーザ光発生部により発生されるシードパルス光は可視光であってもよく、光源装置から出射される光は波長193[nm]の紫外光に限るものではなく、例えば、KrFエキシマレーザと同じ波長248[nm]や、可視光を含む他の波長帯域であってもよい。
1 光源装置
10 レーザ光発生部
20 光増幅部
21 第1ファイバー光増幅器
22 第2ファイバー光増幅器
23 第3ファイバー光増幅器
25 光分割器
30 波長変換部
31〜36 波長変換光学素子
50 コリメート光学素子
60 調整機構

Claims (4)

  1. パルス光を発生するレーザ光発生部と、
    前記レーザ光発生部により発生されたパルス光を複数に並列分岐し、分岐されたパルス光を各々増幅して出射する第1光増幅器および第2光増幅器を備えた光増幅部と、
    前記第1光増幅器から出射されたパルス光、および前記第2光増幅器から出射されたパルス光を、同軸に重ね合わせて波長変換光学素子に入射させ、和周波発生により高調波を発生させる波長変換部とを備え、
    前記第1光増幅器および前記第2光増幅器の少なくとも一方の出口部分に、
    前記波長変換部に出射されるパルス光を平行光にコリメートする光学素子と、
    前記波長変換部に対する前記光学素子の光軸方向の位置を調整設定可能な調整機構と
    を設けたことを特徴とする光源装置。
  2. 前記第1光増幅器および前記第2光増幅器はファイバー光増幅器であり、
    前記光学素子は、前記第1光増幅器および前記第2光増幅器の少なくとも一方のファイバー端部に、一体的に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記光学素子は、該光学素子に入射したパルス光をビーム径が100倍以上の平行光にコリメートして出射するように構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の光源装置。
  4. 請求項1〜3に記載の光源装置の調整方法であって、
    前記第1光増幅器から出射されて前記波長変換光学素子に入射するパルス光と、前記第2光増幅器から出射されて前記波長変換光学素子に入射するパルス光とが、前記波長変換光学素子において時間的に重なるように、前記調整機構により前記光学素子の光軸方向の位置を調整することを特徴とする光源装置の調整方法。
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