JP2013156448A - レーザ装置、露光装置及び検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】波長変換光学素子により波長変換されて出力される変換パルス光のパワーの立ち上がり特性を改善可能なレーザ装置を提供する。
【解決手段】レーザ装置は、第1パルス光Lp1を出力する第1光源部I、第2パルス光Lp2を出力する第2光源部II、第3パルス光Lp3を出力する第3光源部III、第1,第2,第3パルス光が重複して入射する波長変換光学素子36、及び制御部8を備える。波長変換光学素子36は、第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とが重複して入射されたときに第1変換パルス光Lv1を発生し、第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とが重複して入射されたときに第2変換パルス光Lv2を発生する。制御部8は、波長変換光学素子36において、第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とを重複させる第1状態と、第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とを重複させる第2状態とのいずれかに切り換える。
【選択図】図1
【解決手段】レーザ装置は、第1パルス光Lp1を出力する第1光源部I、第2パルス光Lp2を出力する第2光源部II、第3パルス光Lp3を出力する第3光源部III、第1,第2,第3パルス光が重複して入射する波長変換光学素子36、及び制御部8を備える。波長変換光学素子36は、第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とが重複して入射されたときに第1変換パルス光Lv1を発生し、第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とが重複して入射されたときに第2変換パルス光Lv2を発生する。制御部8は、波長変換光学素子36において、第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とを重複させる第1状態と、第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とを重複させる第2状態とのいずれかに切り換える。
【選択図】図1
Description
本発明は、波長変換光学素子に入射する第1波長のパルス光及び第2波長のパルス光の重ね合わせを制御することにより、波長変換光学素子において発生させる変換パルス光のオン/オフを制御するレーザ装置に関する。
波長変換光学素子に入射する第1波長のパルス光(第1パルス光という)及び第2波長のパルス光(第2パルス光という)の時間的な重ね合わせを制御することにより、波長変換光学素子において発生させる変換波長のパルス光(変換パルス光という)のオン/オフを制御する手法がある。この手法はバースト発光と称されている。バースト発光の制御手法を適用したレーザ装置として、例えば、露光装置や検査装置、治療装置等に好適に用いられるレーザ装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。バースト発光により変換パルス光のオン/オフを制御する概念図を図15に示す。図15(a)は、変換パルス光P95を出力するオン状態、図15(b)は、変換パルス光P95を出力しないオフ状態を示す。
レーザ装置90は、第1パルス光P91を出力する第1光源部91、第2パルス光P92を出力する第2光源部92、第1光源部91から出力された第1パルス光P91及び第2光源部92から出力された第2パルス光P92が同一軸上に重ね合わされて入射し、和周波発生により変換パルス光P95を発生する波長変換光学素子95、第1光源部91及び第2光源部92の作動を制御する制御部(不図示)を備えて構成される。図15には、第1光源部91及び第2光源部92を、各々シード光を発生する光源911,921と、発生されたシード光を増幅するファイバ光増幅器912,922とにより構成した例を示す。
制御部は、第1光源部91から出力される第1パルス光P91、及び第2光源部92から出力される第2パルス光P92の、波長変換光学素子95への入射タイミングを制御して、変換パルス光P95をオン/オフ制御する。図15(a)では、第1パルス光P91と第2パルス光P92とが波長変換光学素子95において重複するように、制御装置が第1光源部91及び第2光源部92の作動を制御した状態を示す。この状態では、波長変換光学素子95において変換パルス光P95が発生し、発生した変換パルス光P95がレーザ装置から出力される(オン状態)。図15(b)では、第1波長のパルス光P91と第2波長のパルス光P92とが波長変換光学素子95において重複しないように、制御装置が第1光源部91及び第2光源部92の作動を制御する。この状態では、波長変換光学素子95において変換波長のパルス光P95が発生せず、レーザ装置からパルス光P95は出力されない(オフ状態)。このような制御手法によれば、第1光源部91及び第2光源部92の相対的な動作タイミングを制御する簡明な構成で、波長193nmの変換パルス光P95を、光パルス1パルス程度(例えばMHzオーダ)で高速にオン/オフ制御することができる。
上記のようなバースト発光の制御手法を適用することにより、レーザ装置から出力される変換パルス光を高速にオン/オフ制御することができる。しかしながら、レーザ装置から出力された変換パルス光の波形を観察すると、マクロ的に見たときに、変換パルス光のオン状態初期(概ね数十〜100msec程度)のパワーの立ち上がりが僅かに鈍る傾向が見られた。この現象は、変換パルス光の波長が紫外領域であり、パワーが200mW程度から出現しはじめ、特に500mW以上の高出力領域で顕著であった。
第1パルス光P91の波長を221nm、第2パルス光P92の波長を1547nmとし、和周波発生により波長変換光学素子95で波長193nmの変換パルス光P95を発生させる場合について、変換パルス光P95をオンにしたときの変換パルス光の立ち上がり波形を図16に示す。図16は、出力パワーが高出力領域での変換パルス光の立ち上がり波形を例示しており、図16における横軸は時間(sec)、縦軸は定常出力時の平均パワーを1として規格化した場合の出力パワーである。図中に二点鎖線で枠囲みした領域Aで示すように、変換パルス光P95をオン状態にした直後の数十msec程度において、パワーの立ち上がり波形に僅かな鈍化が見られる。
図16から明らかなように鈍化の程度は微少である。しかしながら、微細且つ高精度の露光を行う半導体露光装置や液晶露光装置等の用途においては誤差要因となる可能性があり、改善する余地があるという課題があった。本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、変換パルス光のオン状態初期のパワーの立ち上がり特性を改善可能なレーザ装置を提供することを目的とする。併せて、オン状態初期のパワーの立ち上がり特性を改善することにより、従来よりも高精度の微細加工が可能な露光装置等を提供することを目的とする。
変換パルス光のオン状態初期のパワーの立ち上がりの問題は、変換パルス光の波長が波長変換光学素子の吸収端に近く、変換パルス光のパワーが200mW以上(特に500mW以上)の高出力領域で明確に観察された。変換パルス光の波長が波長変換光学素子の吸収端に近い場合には変換パルス光の吸収による発熱が生じやすい。発熱による温度上昇は、ビーム透過領域の屈折率変化を招来して位相整合角を変化させる。位相整合角が変化すると波長変換効率が変化し、最終的に変換パルス光のパワーが変動する。一般的には、変換パルス光をオン状態として数秒程度経過した後、すなわち波長変換光学素子が熱的に安定した状態で、変換パルス光のパワーが最大になるように波長変換光学素子の設置角度を微調整して、位相整合状態を最適化している。そのため、変換パルス光をオフ状態からオン状態に切り換えた直後、すなわちビーム透過領域の温度が安定する以前には、僅かな位相不整合があり、時間の経過に伴う温度上昇により位相不整合が解消されて変換パルス光のパワーが上昇し、安定するものと考えられる。以上の考察に基づき、発明者は以下に示す解決手段を提案する。
前記課題を解決するため、本発明を例示する第1の態様はレーザ装置である。レーザ装置は、第1波長のパルス光を出力する第1光源部、第2波長のパルス光を出力する第2光源部、及び第3波長のパルス光を出力する第3光源部と、波長変換光学素子と、制御部とを備えて構成される。波長変換光学素子は、第1光源部から出力された第1波長のパルス光、第2光源部から出力された第2波長のパルス光、及び第3光源部から出力された第3波長のパルス光が重複して入射し得るように配置され、第1波長のパルス光と第2波長のパルス光とが重複して入射されたときに第1変換波長のパルス光を発生し、第1波長のパルス光と第3波長のパルス光とが重複して入射されたときに第1変換波長と異なる第2変換波長のパルス光を発生する。制御部は、第1波長のパルス光、第2波長のパルス光、及び第3波長のパルス光の、波長変換光学素子における重ね合わせを制御する。そして、制御部は、第1波長のパルス光と第2波長のパルス光とを波長変換光学素子において重複させて波長変換光学素子から第1変換波長のパルス光を出射させる第1状態と、第1波長のパルス光と第3波長のパルス光とを波長変換光学素子において重複させて第2変換波長のパルス光を出射させる第2状態とのいずれかに切り換えるように構成される。なお、第1変換波長のパルス光及び第2変換波長のパルス光は紫外領域のパルス光とすることができる。
また、前記波長変換光学素子は、第1波長のパルス光と第2波長のパルス光とからタイプI位相整合及びタイプII位相整合のいずれか一方(例えば、タイプI位相整合)により第1変換波長のパルス光を発生させる結晶方位で切り出され、前記第3波長は、第1波長のパルス光と第3波長のパルス光とからタイプI位相整合及びタイプII位相整合の他方(例えば、タイプII位相整合)により第2変換波長のパルス光を発生させる波長であるように構成することができる。
前記制御部は、第1光源部から出力させる第1波長のパルス光、第2光源部から出力させる第2波長のパルス光、及び第3光源部から出力させる第3波長のパルス光のパワーを制御することにより、第1状態と前記第2状態とを切り替えるように構成することができる。また、前記制御部は、波長変換光学素子に入射する第1波長のパルス光、第2波長のパルス光、及び第3波長のパルス光の、波長変換光学素子への入射タイミングを制御することにより、第1状態と前記第2状態とを切り替えるように構成しても良い。
さらに、前記波長変換光学素子から出射された第1変換波長のパルス光と第2変換波長のパルス光とを分離する分光素子と、分光素子により分離された第2変換波長のパルス光の光路上に設けられて第2変換波長のパルス光を吸収するダンパーとを備え、制御部が第1状態と第2状態とを切り替えることにより、レーザ装置から出力される第1変換波長のパルス光のオン/オフ状態が切り替えられるように構成することができる。
本発明を例示する第2の態様は露光装置である。この露光装置は、第1の態様のレーザ装置と、所定の露光パターンが形成されたフォトマスクを保持するマスク支持部と、露光対象物を保持する露光対象物支持部と、レーザ装置から出力されたレーザ光(例えば、実施形態における第1変換パルス光Lv1)をマスク支持部に保持されたフォトマスクに照射する照明光学系と、フォトマスクを透過した光を露光対象物支持部に保持された露光対象物に投影する投影光学系とを備えて構成される。
本発明を例示する第3の態様は検査装置である。この検査装置は、第1の態様のレーザ装置と、被検物を保持する被検物支持部と、レーザ装置から出力されたレーザ光(例えば、実施形態における第1変換パルス光Lv1)を被検物支持部に保持された被検物に照射する照明光学系と、被検物からの光を検出器(例えば、実施形態におけるTDIセンサ215)に投影する投影光学系とを備えて構成される。
第1の態様のレーザ装置は、第1波長のパルス光、第2波長のパルス光、及び第3波長のパルス光が波長変換光学素子の重複して入射し得るように配置され、制御装置が、第1波長のパルス光と第2波長のパルス光とを波長変換光学素子において重複させて第1変換波長のパルス光(第1変換パルス光という)を出射させる第1状態と、第1波長のパルス光と第3波長のパルス光とを波長変換光学素子において重複させて第2変換波長のパルス光(第2変換パルス光という)を出射させる第2状態とのいずれかに切り換えるように構成される。このような態様のレーザ装置においては、波長変換光学素子において第1変換パルス光及び第2変換パルス光のいずれかが発生された状態に設定される。このため、波長変換光学素子のビーム透過領域は、第1変換パルス光または第2変換パルス光の吸収により温度が上昇した状態に保持される。その結果、第1変換パルス光をオフ状態からオン状態に切り換えたとき、あるいは第2変換パルス光をオフ状態からオン状態に切り換えたときのいずれにおいても、温度偏差に基づく位相不整合を減少させることができ、これにより、出力される変換パルス光の立ち上がり特性を改善したレーザ装置を提供することができる。
なお、波長変換光学素子は、第1パルス光と第2パルス光とからタイプI位相整合及びタイプII位相整合のいずれか一方により第1変換パルス光を発生させる結晶方位で切り出され、第3波長は、第1パルス光と第3パルス光とからタイプI位相整合及びタイプII位相整合の他方により第2変換パルス光を発生させる波長であるような構成によれば、第1変換パルス光と第2変換パルス光とを切り換える際に、切り換え後の波長の位相整合条件を満たすために波長変換光学素子の角度調整を行う必要がない。このため、レーザ装置から出力される変換パルス光を高速に切り換えることができる。
第2の態様の露光装置は、変換パルス光の立ち上がり特性を改善したレーザ装置を備えている。そのため、出力される変換パルス光の立ち上がり時の微少なパワー変動による誤差要因をも排除して、微細且つ高精度のフォトグラフィを実行可能な露光装置を提供することができる。
第3の態様の検査装置は、変換パルス光の立ち上がり特性を改善したレーザ装置を備えている。そのため、出力される変換パルス光の立ち上がり時の微少なパワー変動による誤差要因をも排除して、高精度の測定が可能な検査装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。本発明を適用したレーザ装置LSの例として、第1構成形態のレーザ装置LS1の概要構成を図1に示す。
レーザ装置LS1は、第1波長のパルス光である第1パルス光Lp1を出力する第1光源部I、第2波長のパルス光である第2パルス光Lp2を出力する第2光源部II、及び第3波長のパルス光である第3パルス光Lp3を出力する第3光源部IIIと、波長変換光学素子36と、制御部8とを備えて構成される。
第1光源部Iは、シード光発生部11、ファイバ光増幅器21a,21b、波長変換光学素子31,32,33,34,35、及びダイクロイックミラー41,42などから構成される。
シード光発生部11は、可視〜赤外領域の所定波長のレーザ光を出射するレーザ光源11aと、レーザ光源11aから出射されたレーザ光の一部を切り出してパルス状のシード光を出力する電気光学変調器(Electro Optic Modulator:EOM)11bとを備えて構成される。レーザ装置LS1では、レーザ光源11aとしてDFB半導体レーザを用いて波長1547nmのレーザ光を発生させ、電気光学変調器11bによりその一部を切り出して、所定波形のパルス状のシード光を出力する。本構成形態においては、繰り返し周波数1〜2MHz、オン時間0.5〜2nsecのパルス状のシード光を出力する場合を例示する。レーザ光源11a及び電気光学変調器11bの作動は制御部8により制御される。すなわち、制御部8は、レーザ光源11aの発光タイミング、及び電気光学変調器11bによるシード光の切り出しタイミングを制御する。
シード光発生部11から出射されたシード光は、スプリッタにより2分割され、一方がファイバ光増幅器21aに入射し、他方がファイバ光増幅器21bに入射する。ファイバ光増幅器21a及び21bは、シード光の波長帯の光を増幅する光増幅器であり、例えば増幅用ファイバのコアにエルビウム(Er)がドープされたエルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器(EDFA)が好適に用いられる。ファイバ光増幅器21a及び21bは、それぞれ増幅用ファイバと、増幅用ファイバを励起する励起光源とを備えて構成される。
ファイバ光増幅器21aの作動は制御部8により制御される。すなわち、制御部8は、励起光源から増幅用ファイバに出射される励起光のオン/オフ及び励起光強度を制御することにより増幅用ファイバのゲインを制御し、ファイバ光増幅器21aから出力される増幅されたシード光(第1基本波レーザ光という)La1のパワーを制御する。ファイバ光増幅器21aから出射した第1基本波レーザ光La1は、波長変換光学素子31に入射する。ファイバ光増幅器21bの作動も、ファイバ光増幅器21aと同様に制御部8により制御される。ファイバ光増幅器21bにより増幅されたシード光(第2基本波レーザ光という)La2は、ファイバ光増幅器21bから出射して波長変換光学素子34に入射する。
波波長変換光学素子31〜36を主体として記載した光学系30の構成図を図2に示す。図中には、偏光面が紙面に平行な光をp偏光として上下方向の矢印で示し、偏光面が紙面に垂直な光をs偏光としてドット付きの○印で示す。また、波長1547nmの基本波をω、そのn次高調波をnωで示す。なお、光路上に楕円形で示すものはレンズであり、個々の説明を省略する。
波長変換光学素子31には、ファイバ光増幅器21aから出射した波長1547nmの基本波である第1基本波レーザ光La1がp偏光で入射する。波長変換光学素子31では、基本波ωの第2高調波発生(Second Harmonic Generation:SHG)により、周波数が基本波ωの2倍、波長が1/2の第2高調波2ωが発生する。第2高調波発生用の波長変換光学素子31としては、疑似位相整合(Quasi Phase Matching:QPM)結晶であるPPLN(Periodically Poled LiNbO3)結晶が好適に用いられる。なお、PPLT(Periodically Poled LiTaO3)結晶やPPKTP(Periodically Poled LiTaO3)結晶を用いることも可能である。波長変換光学素子31で発生したp偏光の第2高調波2ωと波長変換光学素子31を透過したp偏光の基本波ωは、波長変換光学素子32に入射する。
波長変換光学素子32では、p偏光の基本波ωとp偏光の第2高調波2ωの和周波発生(Sum Frequency Generation:SFG)により、周波数が基本波ωの3倍、波長が1/3の第3高調波3ωが発生する。第3高調波発生用の波長変換光学素子32としては、LBO(LiB3O5)結晶が好適に用いられる。波長変換光学素子32で発生したs偏光の第3高調波3ωと波長変換光学素子32を透過したp偏光の第2高調波2ωは、2波長波長板37に入射する。2波長波長板37は、第3高調波3ωの偏光面を回転させることなく、第2高調波2ωの偏光面のみを90度回転させる。2波長波長板37を透過して共にs偏光になった第2高調波2ω及び第3高調波3ωは、波長変換光学素子33に入射する。
波長変換光学素子33では、s偏光の第2高調波2ωとs偏光の第3高調波3ωの和周波発生により、周波数が基本波ωの5倍、波長が1/5の第5高調波5ωが発生する。第5高調波発生用の波長変換光学素子33としては、BBO(β-BaB2O4)結晶が好適に用いられる。なお、LBO結晶やCLBO(CsLiB6O10)結晶を用いることもできる。波長変換光学素子33で発生したp偏光の第5高調波5ωは、ウォークオフ(Walk-off)によりビーム断面が楕円化しているため、シリンドリカルレンズ38v及び38hにより円形に整形してダイクロイックミラー41に入射させる。ダイクロイックミラー41は、第2高調波2ωを含みこれよりも長波長側の波長帯域の光を透過し、第5高調波5ωの波長帯の光を反射するように構成される。そのため、シリンドリカルレンズ38v及び38hによりビーム断面が円形に整形された第5高調波5ωはダイクロイックミラー41により反射されて波長変換光学素子35に入射する。
一方、ファイバ光増幅器21bにより増幅されて出射した波長1547nmの基本波である第2基本波レーザ光La2は、p偏光で波長変換光学素子34に入射する。波長変換光学素子34では、基本波の第2高調波発生により、周波数が基本波ωの2倍、波長が1/2の第2高調波2ωが発生する。第2高調波発生用の波長変換光学素子34としては、PPLN結晶が好適に用いられる。なお、PPLT結晶やPPKTP結晶等を用いてもよい。また、波長変換光学素子34としてLBO結晶を用い、ファイバ光増幅器21bから出射した第2基本波レーザ光La2をs偏光で波長変換光学素子34に入射するように構成しても良い。
波長変換光学素子34で発生したp偏光の第2高調波2ωは、ダイクロイックミラー42に入射する。ダイクロイックミラー42は、基本波ωよりも長波長側の波長帯域の光を透過し、第2高調波2ωの波長帯の光を反射するように構成される。そのため、波長変換光学素子34で発生したp偏光の第2高調波2ωは、ダイクロイックミラー42により反射され、ダイクロイックミラー41を透過して、波長変換光学素子33で発生したp偏光の第5高調波5ωと同軸に重ね合わされて波長変換光学素子35に入射する。
波長変換光学素子35では、同軸に重ね合わされて入射したp偏光の第5高調波5ωとp偏光の第2高調波2ωの和周波発生により、周波数が基本波ωの7倍、波長が1/7の第7高調波7ωが発生する。第7高調波発生用の波長変換光学素子35としては、CLBO結晶が好適に用いられる。波長変換光学素子35で発生したs偏光の第7高調波7ωは第1光源部Iから出力され、波長変換光学素子36に入射する。すなわち、レーザ装置LS1においては、波長変換光学素子35で発生する波長221nmの第7高調波7ωが、第1光源部Iから出力される第1パルス光Lp1に該当する。
ここで、シード光発生部11により発生され、スプリッタにより2分割された一方のシード光が、ファイバ光増幅器21aにより増幅され波長変換光学素子31〜33により第5高調波5ωに波長変換されて波長変換光学素子35に到達するまでの実質的な光路長と、他方のシード光がファイバ光増幅器21bにより増幅され波長変換光学素子34により第2高調波2ωに波長変換されて波長変換光学素子35に到達するまでの実質的な光路長とは一般的に同一ではない。従って、波長変換光学素子35に入射する5高調波5ωのパルス光のタイミングと、第2高調波2ωのパルス光のタイミングとは一般的に一致しない。そのため、シード光がオン時間の短いパルス光の場合、波長変換光学素子35において第1パルス光Lp1を高効率で発生させるには、5高調波5ωのパルス光と第2高調波2ωのパルス光のタイミングを調整する必要がある。
遅延器45は、入射したシード光に遅延を与える。すなわち、第5高調波5ωのパルス光が波長変換光学素子35に入射するタイミングと一致するように、第2高調波2ωのパルス光が波長変換光学素子35に入射するタイミングを遅らせて、波長変換光学素子35における第5高調波5ωのパルス光と第2高調波2ωのパルス光の時間的な重ね合わせを行う。遅延器45は、例えば、波長変換光学素子35への入射タイミングのずれに対応した長さのファイバ(遅延ファイバ)により構成することができる。
なお、レーザ装置LS1の稼働時には、第1光源部Iから出力される第7高調波7ωすなわち第1パルス光Lp1は、後述する第1変換パルス光Lv1を発生させるのに必要な所定パワーに設定される。このため、波長変換光学素子36は、常時所定パワーの第1パルス光Lp1が入射した状態に保持される。
第2光源部IIは、シード光発生部12、ファイバ光増幅器22、及びダイクロイックミラー43などから構成される。
シード光発生部12は、可視〜赤外領域の所定波長のレーザ光を出射するレーザ光源12aと、レーザ光源12aから出射されたレーザ光の一部を切り出してパルス状のシード光を出力する電気光学変調器12bとを備えて構成される。レーザ装置LS1においては、シード光発生部12は、上述した第1光源部Iのシード光発生部11と同様に構成される。すなわち、レーザ光源12aは波長1547nmのレーザ光を発生するDFB半導体レーザが用いられ、発生したレーザ光の一部を電気光学変調器12bにより切り出して、シード光発生部11と同じ波形(繰り返し周波数1〜2MHz、オン時間0.5〜2nsec)のパルス状のシード光を出力するように構成される。レーザ光源12a及び電気光学変調器12bの作動もシード光発生部11と同様に制御部8により制御される。
シード光発生部12から出射されたシード光はファイバ光増幅器22に入射して増幅される。ファイバ光増幅器22は、シード光の波長帯の光を増幅する光増幅器であり、前述同様のエルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器(EDFA)が好適に用いられる。ファイバ光増幅器22の作動は制御部8により制御される。制御部8は、励起光源から増幅用ファイバに出射される励起光のオン/オフ及び励起光強度を制御することにより増幅用ファイバのゲインを制御し、ファイバ光増幅器22から出力される増幅されたシード光(第3基本波レーザ光という)La3のパワーを制御する。ファイバ光増幅器22から出射した波長1547nmの基本波である第3基本波レーザ光La3は、図2に示す光学系30にs偏光で入射しダイクロイックミラー43に入射する。
ダイクロイックミラー43は、波長が1547nmである基本波の波長帯の光を反射し、波長が1675nmの波長帯の光を透過するように構成される。そのため、光学系30に入射したs偏光の第3基本波レーザ光La3はダイクロイックミラー43により反射され、ダイクロイックミラー41及び42を透過して、波長変換光学素子33で発生した第5高調波5ω、及び波長変換光学素子34で発生した第2高調波2ωと同軸に重ね合わされて波長変換光学素子35に入射する。
但し、波長変換光学素子35は、波長変換光学素子33で発生したp偏光の第5高調波5ωと波長変換光学素子34で発生したp偏光の第2高調波2ωとの和周波発生により、s偏光の第7高調波7ωを発生する際の位相整合条件を満たすように設定されている。そのため、波長変換光学素子35においては、ファイバ光増幅器22から出射したs偏光の基本波ωと、p偏光の第2高調波2ω及び第5高調波5ωとは位相整合条件を満たさない。その結果、s偏光の第3基本波レーザ光La3は、波長変換光学素子35を透過して波長変換光学素子36に入射する。
すなわち、レーザ装置LS1においては、波長変換光学素子35で発生した第7高調波7ωが第1光源部Iから出力される第1パルス光Lp1であり、波長変換光学素子35を透過した第3基本波レーザ光La3が、第2光源部IIから出力される第2パルス光Lp2に該当する。第1光源部Iから出力されて波長変換光学素子36に入射する第1パルス光Lp1と、第2光源部IIから出力されて波長変換光学素子36に入射する第2パルス光Lp2の重ね合わせの制御については後に詳述する。
第3光源部IIIは、シード光発生部13及びファイバ光増幅器23を主体として構成される。
シード光発生部13は、可視〜赤外領域の所定波長のレーザ光を出射するレーザ光源13aと、レーザ光源13aから出射されたレーザ光の一部を切り出してパルス状のシード光を出力する電気光学変調器13bとを備えて構成される。レーザ装置LS1においては、レーザ光源13aは波長1675nmのレーザ光を発生するDFB半導体レーザが用いられ、発生したレーザ光の一部を電気光学変調器13bにより切り出して、シード光発生部11,12と同じ波形(繰り返し周波数1〜2MHz、オン時間0.5〜2nsec)のパルス状のシード光を出力するように構成される。レーザ光源13a及び電気光学変調器13bの作動もシード光発生部11,12と同様に制御部8により制御される。
シード光発生部13から出射されたシード光はファイバ光増幅器23に入射して増幅される。ファイバ光増幅器23は、シード光発生部13から出射されたシード光の波長帯の光を増幅する光増幅器であり、増幅用ファイバのコアにツリウム(Tm)がドープされたツリウム・ドープ・ファイバ光増幅器(TDFA)が好適に用いられる。ファイバ光増幅器23は、増幅用ファイバと増幅用ファイバを励起する励起光源とを備えて構成される。ファイバ光増幅器23の作動は制御部8により制御される。制御部8は、励起光源から増幅用ファイバに出射される励起光のオン/オフ及び励起光強度を制御することにより増幅用ファイバのゲインを制御し、ファイバ光増幅器23から出力される増幅されたシード光(補助レーザ光という)La4のパワーを制御する。ファイバ光増幅器23により増幅されてファイバ光増幅器23から出射した波長1675nmの補助レーザ光La4は、p偏光で光学系30に入射しダイクロイックミラー43に入射する。
前述したように、ダイクロイックミラー43は、波長が1547nmの波長帯の光を反射し、波長が1675nmの波長帯の光を透過するように構成される。そのため、光学系30に入射した補助レーザ光La4はダイクロイックミラー43により反射され、ダイクロイックミラー41及び42を透過して、波長変換光学素子33で発生した第5高調波5ω、及び波長変換光学素子34で発生した第2高調波2ωと同軸に重ね合わされて波長変換光学素子35に入射する。
但し、前述したように、波長変換光学素子35は、p偏光の第5高調波5ωとp偏光の第2高調波2ωとの和周波発生により、s偏光の第7高調波7ωを発生する際の位相整合条件を満たすように設定されている。そのため、波長変換光学素子35においては、ファイバ光増幅器23から出射した波長1675nmの補助レーザ光と、波長309nmの第5高調波5ω及び波長774nmの第2高調波2ωとは位相整合条件を満たさない。
その結果、ファイバ光増幅器23から出射した波長1675nmの補助レーザ光La4は、波長変換光学素子35で波長変換されることなく波長変換光学素子35を透過して波長変換光学素子36に入射する。レーザ装置LS1においては、ファイバ光増幅器23から出射した波長1675nmの補助レーザ光La4が、第3光源部IIIから出力されて波長変換光学素子36に入射する第3パルス光Lp3に該当する。
このようにして、第1光源部Iから出力された第1パルス光Lp1、第2光源部IIから出力された第2パルス光Lp2、及び第3光源部IIIから出力された第3パルス光Lp3が、波長変換光学素子36に入射する。この様子を図3に示す。制御装置8は、これら3つのパルス光Lp1,Lp2,Lp3の波長変換光学素子36における重ね合わせを制御し、第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とを重ね合わせた状態と、第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とを重ね合わせた状態とに切り換える。
ここで、第1パルス光Lp1、第2パルス光Lp2及び第3パルス光Lp3は、同一軸上に重ねられて波長変換光学素子36に入射する。すなわち、これら3つのパルス光Lp1,Lp2,Lp3は、波長変換光学素子36内の同じ領域を透過する。制御装置8は、同一領域を透過するこれら3つのパルス光Lp1,Lp2,Lp3の時間的な重ね合わせ(光パルスの重複状態)を制御する。
波長変換光学素子36は、第1光源部Iから出力された第1パルス光Lp1、すなわち波長が221nmのs偏光の第7高調波7ωと、第2光源部IIから出力された第2パルス光Lp2、すなわち波長が1547nmのs偏光の基本波ωとが時間的に重なり合った状態(光パルスが重複した状態)で入射したときに、和周波発生により周波数が基本波ωの8倍、波長が1/8(193nm)の第1変換パルス光Lv1を発生するように設定される。
具体的には、波長変換光学素子36では、波長221nmのs偏光の光(常光線)と、波長1547nmのs偏光の光(常光線)とから、和周波発生により波長193nmのp偏光の光(異常光線)を発生させる。このとき、波長変換光学素子36における位相整合は入射する2つのビームの偏光方向がお互い平行であるためタイプIの位相整合である。この波長変換に好適な非線形光学結晶としてCLBO結晶が例示される。波長変換光学素子36は、上記和周波発生において位相整合条件を満たす結晶方位で、CLBOのバルク結晶から切り出される。このとき、バルク結晶からの最適なカット角は、結晶光軸に対して61.6度である。
このような条件で切り出された波長変換光学結晶36においては、第2パルス光Lp2と異なる波長または偏光成分の光を波長変換光学素子36に同軸入射しても、一般的には位相整合条件を満たさず、波長変換光学素子36で波長変換を行わせることができない。発明者は、上記の所定結晶方位で切り出された波長変換光学素子36に対し、第3パルス光Lp3を異常光線で入射させ、タイプIIの位相整合で波長変換させる手法を考案した。
この手法は、上記所定結晶方位で切り出された波長変換光学素子36に対し、第3パルス光Lp3を異常光線で入射させたときにタイプIIの位相整合条件を満たし、かつ、波長変換により発生される第2変換パルス光Lv2が第1変換パルス光Lv1に近い深紫外光となるような波長を、第3パルス光Lp3の波長として設定するものである。具体的には、上記のように結晶光軸に対して61.6度のカット角で切り出されたCLBO結晶に、波長221nmのs偏光の光(常光線)と重ね合わせて入射したときに、和周波発生におけるタイプIIの位相整合条件を満たすように、p偏光で入射させる第3パルス光Lp3の波長を設定する。このようにして設定されたのが波長1675nmであり、第3光源部IIIはこのような思想に基づいて構成されている。
このような構成により、波長変換光学素子36において、第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とを時間的に重ね合わせて波長193nmの第1変換パルス光Lv1を出力させる第1状態と、第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とを時間的に重ね合わせて波長195nmの第2変換パルス光Lv2を出力させる第2状態とを切り換える際に、切り換えの前後で位相整合条件を満たすように結晶の角度調整を行う必要がない。これにより、波長変換光学素子36から出力する変換パルス光を迅速に切り換えることができ、かつ、第1変換パルス光Lv1及び第2変換パルス光Lv2について良好な立ち上がり特性を実現することができる。
波長変換光学素子36の出射側には、波長変換光学素子36から出力された第1変換パルス光Lv1と第2変換パルス光Lv2とを分離する分光素子48が設けられている。波長193nmの第1変換パルス光Lv1と波長195nmの第2変換パルス光Lv2とを分離する分光素子48として、例えば反射型の回折格子が例示される。なお、この波長帯域の光に対して透過性を有する石英ガラス製のプリズム等を用いても良い。
制御装置8は、第1パルス光Lp1、第2パルス光Lp2及び第3パルス光Lp3の、波長変換光学素子36における重ね合わせを制御することにより、波長変換光学素子36から出力される光を第1変換パルス光Lv1と第2変換パルス光Lv2とに切り換える制御を行う。すなわち、制御装置8は、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とを重複させて第1変換パルス光Lv1を出力させる第1状態と、第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とを重複させて第2変換パルス光Lv2を出力させる第2状態とに選択的に切り換える。
このように、第1変換パルス光Lv1を出力させる第1状態と第2変換パルス光Lv2を出力させる第2状態とを選択的に切り換える手段として、レーザ装置LS1においては、波長変換光学素子36に常時入射される第1パルス光Lp1に対し、第1変換パルス光Lv1を発生させるための所定パワーの第2パルス光Lp2を入射させる状態と、第2変換パルス光Lv2を発生させるための所定パワーの第3パルス光Lp3を入射させる状態とに切り換える。このような制御を行う具体的な手段として、第2光源部IIのファイバ光増幅器22と第3光源部IIIのファイバ光増幅器23の作動を制御する構成を例示する。
第1光源部Iから出力される第1パルス光Lp1のパワーは、ファイバ光増幅器21a及び21bの励起光強度を制御することにより制御される。これらのファイバ光増幅器21a,21bの励起光強度は、レーザ装置LS1の稼働時には、第1変換パルス光Lv1を発生させる所定強度に設定される。このため、波長変換光学素子36には、常時第1パルス光Lp1が入射した状態に保持される。
第2光源部IIから出力される第2パルス光Lp2のパワーも、ファイバ光増幅器22の励起光強度を制御することにより制御される。ファイバ光増幅器22において励起光強度をゼロまたは所定以下にして増幅用ファイバを非励起状態にすると、増幅用ファイバでシード光が吸収され、波長変換光学素子36に入射する第2パルス光Lp2のパワーが実質的にゼロになる。第3光源部IIIから出力される第3パルス光Lp3についても同様であり、ファイバ光増幅器23の増幅用ファイバを非励起状態にすると増幅用ファイバでシード光が吸収され、波長変換光学素子36に入射する第3パルス光Lp3のパワーが実質的にゼロになる。
ここで、第1光源部Iから出力された第1パルス光Lp1と、第2光源部IIから出力された第2パルス光Lp2とを波長変換光学素子36において重ね合わせるためには、第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2のタイミングを調整する必要がある。そのため、第2光源部IIには、入射したシード光に遅延を与える遅延器46が設けられている。遅延器46は、第1パルス光Lp1が波長変換光学素子36に入射するタイミングと一致するように、第2パルス光Lp2が波長変換光学素子36に入射するタイミングを遅らせて、波長変換光学素子36における第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2との時間的な重ねあわせを行う。
第1光源部Iから出力された第1パルス光Lp1と、第3光源部IIIから出力された第3パルス光Lp3との波長変換光学素子36における重ね合わせについても同様であり、第3光源部IIIには、入射したシード光に遅延を与える遅延器47が設けられている。遅延器47は、第1パルス光Lp1が波長変換光学素子36に入射するタイミングと一致するように、第3パルス光Lp3が波長変換光学素子36に入射するタイミングを遅らせて、波長変換光学素子36における第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3との時間的な重ねあわせを行う。遅延器46,47は、例えば、入射タイミングのずれに対応した長さのファイバ(遅延ファイバ)により構成することができる。
そのため、第2光源部IIのファイバ光増幅器22を所定励起光強度の励起状態とし、第3光源部IIIのファイバ光増幅器23を非励起状態にしたときに、図4に示すように、波長変換光学素子36に第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とが入射して重ね合わされ、波長変換光学素子36から第1変換パルス光Lv1が出力される。また、第2光源部IIのファイバ光増幅器22を非励起状態とし、第3光源部IIIのファイバ光増幅器23を所定励起光強度の励起状態にしたときに、図5に示すように、波長変換光学素子36に第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とが入射して重ね合わされ、第2変換パルス光Lv2が出力される。
従って、制御装置8が上記のようにファイバ光増幅器21、ファイバ光増幅器22、及びファイバ光増幅器23の作動を制御することにより、波長変換光学素子36から出力される光を第1変換パルス光Lv1と第2変換パルス光Lv2とに切り換えることができる。本構成例では、ファイバ光増幅器22,23は常時シード光が入射された状態に維持され、第2ファイバ光増幅器22及び第3ファイバ光増幅器23の何れを励起状態とし他方を非励起状態に設定するかによって上記切り換えが行われる。そのため、シード光が入射しない状態でファイバ光増幅器が励起状態になることがない。従って、所謂ファイバ光増幅器の空焚きを防止することができ、ASE光の増幅に起因した装置の損傷等を未然に防止することができる。
レーザ装置LS1においては、波長193nmの第1変換パルス光Lv1をレーザ装置LS1から出力する出力光としている。そのため、レーザ装置LS1には、分光素子48により分離された第2変換パルス光Lv2を吸収するダンパー49が設けられており、波長変換光学素子36から出力される光が第2変換パルス光Lv2となる第2状態のときには、出力された第2変換パルス光Lv2がダンパー49に吸収されるようになっている(図5を参照)。この構成により、制御装置8がファイバ光増幅器22,23の作動を制御することにより、レーザ装置LS1の出力光である波長193nmの第1変換パルス光Lv1を高速でオン/オフすることができる。
また、レーザ装置LS1においては、波長変換光学素子36に波長221nmの第1パルス光Lp1が常時入射し、波長変換光学素子36では、波長193nmの第1変換パルス光Lv1及び波長195nmの第2変換パルス光Lv2のいずれかが発生した状態になる。そのため、波長変換光学素子36のビーム透過領域は、第1変換パルス光Lv1または第2変換パルス光Lv2の吸収によってある一定温度に上昇した状態(温度偏差が小さい状態)に保持される。従って、従来では第1変換パルス光Lv1をオン/オフする際に生じていた位相不整合を大幅に減少させることができ、これにより、第1変換パルス光Lv1の立ち上がり特性を改善することができる。
以上では、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とを重複させて第1変換パルス光Lv1を出力させる第1状態と、第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とを重複させて第2変換パルス光Lv2を出力させる第2状態とに選択的に切り換える手段として、制御装置8が、波長変換光学素子36に常時入射される第1パルス光Lp1に対し、第2パルス光Lp2を入射させる状態と、第3パルス光Lp3を入射させる状態とに切り換える構成を例示した。但し、第1状態と第2状態とに選択的に切り換える構成は、他の手段によっても実現することができる。他の手段として、第2パルス光Lp2及び第3パルス光Lp3のタイミングを制御する形態が例示される。
この制御形態は、波長変換光学素子36に入射する第1パルス光Lp1に対して、波長変換光学素子36に入射する第2パルス光Lp2及び第3パルス光Lp3のタイミングを変化させて、第1状態と第2状態とに選択的に切り換える手法である。図6に、この制御形態を説明するための説明図を示す。図6中の各図は、波長変換光学素子36の結晶内における第1パルス光Lp1,第2パルス光Lp2,及び第3パルス光Lp3の波形を示しており、いずれも横軸は時間、縦軸はパルス光の強度である。
図6(a)は、第1変換パルス光Lv1を出力させる第1状態を示す。第1状態では、波長変換光学素子36に入射する第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2の入射タイミングが合致し、第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とが波長変換光学素子36において時間的に重なり合うように制御される。また、第3パルス光Lp3は、波長変換光学素子36への入射タイミングが第1パルス光Lp1(及び第2パルス光Lp2)と合致せず、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とが重複しないように制御される。そのため、波長変換光学素子36では、第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2との和周波発生によって波長193nmの第1変換パルス光Lv1が発生し、波長変換光学素子36から出力される。
図6(b)は、第2変換パルス光Lv2を出力させる第2状態を示す。第2状態では、波長変換光学素子36に入射する第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3の入射タイミングが合致し、第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とが波長変換光学素子36において時間的に重なり合うように制御される。また、第2パルス光Lp2は、波長変換光学素子36への入射タイミングが第1パルス光Lp1(及び第3パルス光Lp3)と合致せず、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とが重複しないように制御される。そのため、波長変換光学素子36では、第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3との和周波発生によって波長195nmの第2変換パルス光Lv2が発生し、波長変換光学素子36から出力される。
このような制御を実現する具体的な手法として、シード光発生部12,13から出力されるシード光の出力タイミングを制御する構成と、シード光発生部12,13から出力されたシード光が波長変換光学素子36に入射する迄の途中経路でパルス光のタイミングを調整する構成が例示される。
シード光発生部12,13から出力されるシード光の出力タイミングを制御する構成では、波長変換光学素子36に入射する第1パルス光Lp1を基準とする。制御装置8は、第1状態においては、波長変換光学素子36において第2パルス光Lp2が第1パルス光Lp1と重なり合い、第3パルス光Lp3が第1パルス光Lp1と重複しないように、シード光発生部12から出力されるシード光、及びシード光発生部13から出力されるシード光のタイミングを制御する。同様に、第2状態においては、波長変換光学素子36において第3パルス光Lp3が第1パルス光Lp1と重なり合い、第2パルス光Lp2が第1パルス光Lp1と重複しないように、シード光発生部12から出力されるシード光、及びシード光発生部13から出力されるシード光のタイミングを制御する。
具体的には、レーザ光源12a,13aにおいて発生するレーザ光の発生タイミング、及び/または、レーザ光源12a,13aにより発生されたレーザ光の一部を切り出す電気光学変調器11b,12b,13bの切り出しタイミングを制御する構成が例示される。なお、このような制御形態の場合には、波長変換光学素子36に入射する第2パルス光Lp2及び第3パルス光Lp3のタイミングが制御装置8により直接的に制御されるため、前述した遅延器46,47は設けなくてもよい。
このような構成によれば、制御装置8が、シード光発生部12,13から出力されるシード光の出力タイミングを制御することにより、図6(a)に示したように、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とが重複し、第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とが重複しない第1状態に設定することができる。同様に、制御装置8が、シード光発生部12,13から出力されるシード光の出力タイミングを制御することにより、図6(b)に示したように、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とが重複し、第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とが重複しない第2状態に設定することができる。
次に、シード光発生部12,13から出力されたシード光が波長変換光学素子36に入射する迄の途中経路でパルス光のタイミングを調整する場合のレーザ装置の構成例を図7に示す。このレーザ装置LS1′では、第2光源部IIにおけるシード光発生部12とファイバ光増幅器22との間にタイミング調整器50、第3光源部IIIにおけるシード光発生部13とファイバ光増幅器23との間にタイミング調整器60が設けられる。タイミング調整器50の構成を図8に、タイミング調整器60の構成を図9に示す。
タイミング調整器50は、シード光発生部12から出力されたシード光を第1光路51または第2光路52に切り換える光スイッチ53、第1光路51に設けられた遅延器46、第2光路52に設けられた第2遅延器56、及び第1光路51と第2光路52とを一体に結合するカプラ59などから構成される。
遅延器46は、既述した遅延器46と同様のものである。すなわち、遅延器46は、第1パルス光Lp1が波長変換光学素子36に入射するタイミングと一致するように、第2パルス光Lp2が波長変換光学素子36に入射するタイミングを遅らせて、波長変換光学素子36における第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2との時間的な重ねあわせを行う。一方、第2遅延器56は、第1パルス光Lp1が波長変換光学素子36に入射するタイミングと、第2パルス光Lp2が波長変換光学素子36に入射するタイミングとが一致せず、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とが重複しないように、第2パルス光Lp2の波長変換光学素子36への入射タイミングを遅らせる。
このため、光スイッチ53により出力光路を第1光路51としたときには、シード光発生部12から出力されたシード光は遅延器46を通ってファイバ光増幅器22に入射し、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とが時間的に重なり合った状態になる。一方、光スイッチ53により出力光路を第2光路52としたときには、シード光発生部12から出力されたシード光は第2遅延器56を通ってファイバ光増幅器22に入射し、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とが重複しない状態になる。
タイミング調整器60は、タイミング調整器50と同様に構成される。すなわち、タイミング調整器60は、シード光発生部13から出力されたシード光を第1光路61または第2光路62に切り換える光スイッチ63、第1光路61に設けられた遅延器47、第2光路62に設けられた第2遅延器67、及び第1光路61と第2光路62とを一体に結合するカプラ69などから構成される。
遅延器47は、既述した遅延器47と同様のものである。すなわち、遅延器47は、第1パルス光Lp1が波長変換光学素子36に入射するタイミングと一致するように、第3パルス光Lp3が波長変換光学素子36に入射するタイミングを遅らせて、波長変換光学素子36における第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3との時間的な重ねあわせを行う。一方、第2遅延器67は、第1パルス光Lp1が波長変換光学素子36に入射するタイミングと、第3パルス光Lp3が波長変換光学素子36に入射するタイミングとが一致せず、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とが重複しないように、第3パルス光Lp3の波長変換光学素子36への入射タイミングを遅らせる。
このため、光スイッチ63により出力光路を第1光路61としたときには、シード光発生部13から出力されたシード光は遅延器47を通ってファイバ光増幅器23に入射し、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とが時間的に重なり合った状態になる。一方、光スイッチ63により出力光路を第2光路62としたときには、シード光発生部13から出力されたシード光は第2遅延器67を通ってファイバ光増幅器23に入射し、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とが重複しない状態になる。
そして、制御装置8が、タイミング調整器50における光スイッチ53の出力光路を第1光路51とし、タイミング調整器60における光スイッチ63の出力光路を第2光路62としたときに、図6(a)に示したように、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とが時間的に重なり合い、第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とが重複しない第1状態になる。同様に、制御装置8が、光スイッチ53の出力光路を第2光路52とし、光スイッチ63の出力光路を第1光路61としたときに、図6(b)に示したように、波長変換光学素子36において第1パルス光Lp1と第3パルス光Lp3とが時間的に重なり合い、第1パルス光Lp1と第2パルス光Lp2とが重複しない第2状態になる。そして、第1状態で発生した波長193nmの第1変換パルス光Lv1をレーザ装置LS1′の出力光とし、第2状態で発生した波長195mmを第2変換パルス光Lv2をダンパー49により吸収させることにより、出力光である第1変換パルス光Lv1をオン/オフすることができる。
従って、制御装置8が波長変換光学素子36に入射する第2パルス光Lp2及び第3パルス光Lp3のタイミングを制御することにより、レーザ装置LS1′の出力光である第1変換パルス光Lv1を高速でオン/オフすることができる。また、本形態のレーザ装置LS1′においても、波長変換光学素子36に波長221nmの第1パルス光Lp1が常時入射し、波長変換光学素子36は、波長193nmの第1変換パルス光Lv1及び波長195nmの第2変換パルス光Lv2のいずれかが発生された状態になる。そのため、波長変換光学素子36のビーム透過領域は、透過する第1変換パルス光Lv1または第2変換パルス光Lv2の吸収によってある一定温度に上昇した状態に保持される。従って、従来では第1変換パルス光Lv1ををオン/オフする際に生じていた位相不整合を大幅に減少させることができ、これにより、第1変換パルス光Lv1の立ち上がり特性を改善することができる。
既述したレーザ装置LS1について、波長変換光学素子36を中心として構成を簡明化した構成図を図10(a)に示す。また、λ1〜λ5、すなわち下記パルス光の波長及び波長変換光学素子36への入射状態を、出力光(バースト発光)のオン/オフについてまとめた表を図10(b)に示す。図10(b)には、各パルス光が波長変換光学素子36において常光線(o:ordinary ray)であるか、異常光線(e:extra-ordinary ray)であるかを付記している。なお、各パルス光の波長については、少数点以下の第1位を四捨五入して説明する。
λ1(第1光源部Iから出力される第1パルス光Lp1の波長):221nm
λ2(第2光源部IIから出力される第2パルス光Lp2の波長):1547nm
λ3(第3光源部IIIから出力される第3パルス光Lp3の波長):1675nm
λ4(波長変換光学素子36で発生する第1変換パルス光Lv1の波長):193nm
λ5(波長変換光学素子36で発生する第2変換パルス光Lv2の波長):195nm
λ1(第1光源部Iから出力される第1パルス光Lp1の波長):221nm
λ2(第2光源部IIから出力される第2パルス光Lp2の波長):1547nm
λ3(第3光源部IIIから出力される第3パルス光Lp3の波長):1675nm
λ4(波長変換光学素子36で発生する第1変換パルス光Lv1の波長):193nm
λ5(波長変換光学素子36で発生する第2変換パルス光Lv2の波長):195nm
図10(b)においてバースト発光がオン(On)の状態は、既述した第1状態に該当する。この状態では、波長変換光学素子36に、第1光源部Iから出力されたλ1=221nmの第1パルス光Lp1が常光線、第2光源部IIから出力されたλ2=1547nmの第2パルス光Lp2が常光線で入射する。波長変換光学素子36はCLBO結晶であり、上記パルス光Lp1,Lp2の和周波発生においてタイプIの位相整合条件を満たすように、結晶光軸に対してカット角61.6度で切り出されている。そのため、波長変換光学素子36においてλ1+λ2=λ4の和周波発生によりλ4=193nmの第1変換パルス光Lv1が発生し、レーザ装置LS1から出力される。
図10(b)においてバースト発光がオフ(Off)の状態は、既述した第2状態に該当する。この状態では、波長変換光学素子36に、第1光源部Iから出力されたλ1=221nmの第1パルス光Lp1が常光線、第3光源部IIIから出力されたλ3=1675nmの第3パルス光Lp3が異常光線で入射する。第3パルス光Lp3の波長λ3=1675nmは、カット角61.6度で切り出されたCLBO結晶において、第1パルス光Lp1との和周波発生を行う際にタイプIIの位相整合条件を満たす波長である。そのため、波長変換光学素子36においてλ1+λ3=λ5の和周波発生によりλ5=195nmの第2変換パルス光Lv2が発生する。但し、発生した第2変換パルス光Lv2は分光素子48を介してダンパー49に吸収され、レーザ装置LS1から出力されない。
このようにして、レーザ装置LS1の出力光であるλ4=193nmの第1変換パルス光Lv1がオン/オフされる。波長変換光学素子36では、第1変換パルス光Lv1がオン/オフいずれの状態においても、波長193nmの第1変換パルス光Lv1または波長195nmの第2変換パルス光Lv2が発生し透過する状態になる。そのため、波長変換光学素子36のビーム透過領域では、透過する第1変換パルス光Lv1または第2変換パルス光Lv2の吸収によってある一定温度に上昇した状態に保持される。
以上では、波長変換光学素子36としてCLBO結晶を用いた場合を説明したが、本発明を適用することにより、波長変換光学素子36として他の非線形光学結晶を用いても、ビーム透過領域の温度を一定温度に上昇した状態に保持して、波長193nmの第1変換パルス光Lv1をオン/オフすることができる。他の非線形光学結晶を用いた第2構成形態のレーザ装置LS2を、図10と同様にまとめた図及び表を図11に示す。
図11(a)は、図10(a)と同様に、波長変換光学素子36を中心として構成を簡明化した構成図である。図11(b)についても図10(b)と同様であり、上記した各パルス光の波長及び波長変換光学素子36への入射状態を、バースト発光のオン/オフについてまとめた表である。本構成形態のレーザ装置LS2は、波長変換光学素子36としてBBO結晶を用い、第3光源部IIIから波長1665nmの第3パルス光Lp3を出力させる場合を示す。各パルス光の波長λ1〜λ5を以下に示す。
λ1(第1光源部Iから出力される第1パルス光Lp1の波長):221nm
λ2(第2光源部IIから出力される第2パルス光Lp2の波長):1547nm
λ3(第3光源部IIIから出力される第3パルス光Lp3の波長):1665nm
λ4(波長変換光学素子36で発生する第1変換パルス光Lv1の波長):193nm
λ5(波長変換光学素子36で発生する第2変換パルス光Lv2の波長):195nm
λ1(第1光源部Iから出力される第1パルス光Lp1の波長):221nm
λ2(第2光源部IIから出力される第2パルス光Lp2の波長):1547nm
λ3(第3光源部IIIから出力される第3パルス光Lp3の波長):1665nm
λ4(波長変換光学素子36で発生する第1変換パルス光Lv1の波長):193nm
λ5(波長変換光学素子36で発生する第2変換パルス光Lv2の波長):195nm
バースト発光がオン(On)の状態では、波長変換光学素子36には、第1光源部Iから出力されたλ1=221nmの第1パルス光Lp1が常光線、第2光源部IIから出力されたλ2=1547nmの第2パルス光Lp2が常光線で入射する。波長変換光学素子36はBBO結晶であり、上記パルス光Lp1,Lp2の和周波発生においてタイプIの位相整合条件を満たすように、結晶光軸に対してカット角47.7度で切り出されている。そのため、波長変換光学素子36においてλ1+λ2=λ4の和周波発生によりλ4=193nmの第1変換パルス光Lv1が発生し、レーザ装置LS2から出力される。
バースト発光がオフ(Off)の状態では、波長変換光学素子36には、第1光源部Iから出力されたλ1=221nmの第1パルス光Lp1が常光線、第3光源部IIIから出力されたλ3=1665nmの第3パルス光Lp3が異常光線で入射する。第3パルス光Lp3の波長λ3=1665nmは、カット角47.7度で切り出されたBBO結晶において、第1パルス光Lp1との和周波発生を行う際にタイプIIの位相整合条件を満たす波長である。そのため、波長変換光学素子36においてはλ1+λ3=λ5の和周波発生によりλ5=195nmの第2変換パルス光Lv2が発生する。但し、波長変換光学素子36で発生した第2変換パルス光Lv2は分光素子48を介してダンパー49に吸収され、レーザ装置LS2から出力されない。
このようにして、レーザ装置LS2の出力光であるλ4=193nmの第1変換パルス光Lv1がオン/オフされる。波長変換光学素子36では、第1変換パルス光Lv1がオン/オフいずれの状態においても、波長193nmの第1変換パルス光Lv1または波長195nmの第2変換パルス光Lv2が発生し透過する状態になる。そのため、波長変換光学素子36では、透過する第1変換パルス光Lv1または第2変換パルス光Lv2の吸収によってビーム透過領域の温度がある一定温度に上昇した状態に保持される。従って、本構成形態のレーザ装置LS2においても既述した各レーザ装置LS1と同様に、第1変換パルス光Lv1をオン/オフする際に生じていた位相不整合を大幅に減少させることができ、これにより、第1変換パルス光Lv1の立ち上がり特性を改善することができる。
以上、オン/オフ制御される第1変換パルス光Lv1の波長をλ4=193nmとした場合について説明してきたが、本発明は、第1変換パルス光Lv1の波長が193nmの場合に限られるものではない。以下では、第1変換パルス光Lv1の波長λ4が193nm以外の構成例について図12を参照しながら簡潔に説明する。ここで、図12(a)は、図10(a)及び図11(a)と同様に、波長変換光学素子36を中心とする簡明化した構成図である。図12(b)についても図10(b)及び図11(b)と同様に、各パルス光の波長及び波長変換光学素子36への入射状態を、バースト発光のオン/オフについてまとめた表である。図12(b)においては、第3構成形態のレーザ装置LS3として、3種類のレーザ装置LS3a,LS3b,LS3cの構成例をまとめて記載している。なお、既述した構成形態と同様、各パルス光の波長については少数点以下の第1位を四捨五入して説明する。
図12(b)に示す第1構成例のレーザ装置LS3aにおいては、波長変換光学素子36としてBBO結晶を用いる。各パルス光の波長λ1〜λ5を以下に示す。
λ1(第1光源部Iから出力される第1パルス光Lp1の波長):516nm
λ2(第2光源部IIから出力される第2パルス光Lp2の波長):774nm
λ3(第3光源部IIIから出力される第3パルス光Lp3の波長):1100nm
λ4(波長変換光学素子36で発生する第1変換パルス光Lv1の波長):309nm
λ5(波長変換光学素子36で発生する第2変換パルス光Lv2の波長):351nm
λ1(第1光源部Iから出力される第1パルス光Lp1の波長):516nm
λ2(第2光源部IIから出力される第2パルス光Lp2の波長):774nm
λ3(第3光源部IIIから出力される第3パルス光Lp3の波長):1100nm
λ4(波長変換光学素子36で発生する第1変換パルス光Lv1の波長):309nm
λ5(波長変換光学素子36で発生する第2変換パルス光Lv2の波長):351nm
バースト発光がオン(On)の状態では、波長変換光学素子36には、第1光源部Iから出力されたλ1=516nmの第1パルス光Lp1が常光線、第2光源部IIから出力されたλ2=774nmの第2パルス光Lp2が常光線で入射する。波長変換光学素子36はBBO結晶であり、上記パルス光Lp1,Lp2の和周波発生においてタイプIの位相整合条件を満たすように、結晶光軸に対してカット角38.3度で切り出されている。そのため、波長変換光学素子36においてλ1+λ2=λ4の和周波発生によりλ4=309nmの第1変換パルス光Lv1が発生し、レーザ装置LS3aから出力される。
バースト発光がオフ(Off)の状態では、波長変換光学素子36には、第1光源部Iから出力されたλ1=516nmの第1パルス光Lp1が常光線、第3光源部IIIから出力されたλ3=1100nmの第3パルス光Lp3が異常光線で入射する。第3パルス光Lp3の波長λ3=1100nmは、カット角38.3度で切り出されたBBO結晶において、第1パルス光Lp1との和周波発生を行う際にタイプIIの位相整合条件を満たす波長である。そのため、波長変換光学素子36においてはλ1+λ3=λ5の和周波発生によりλ5=351nmの第2変換パルス光Lv2が発生する。但し、波長変換光学素子36で発生した第2変換パルス光Lv2は分光素子48を介してダンパー49に吸収され、レーザ装置LS3aから出力されない。
このようにして、レーザ装置LS3aの出力光であるλ4=309nmの第1変換パルス光Lv1がオン/オフされる。波長変換光学素子36では、第1変換パルス光Lv1がオン/オフいずれの状態においても、波長309nmの第1変換パルス光Lv1または波長351nmの第2変換パルス光Lv2が発生し透過する状態になる。そのため、波長変換光学素子36では、透過する第1変換パルス光Lv1または第2変換パルス光Lv2の吸収によってビーム透過領域の温度がある一定温度に上昇した状態に保持される。
図12(b)に示す第2構成例のレーザ装置LS3bにおいては、波長変換光学素子36としてCLBO結晶を用いる。各パルス光の波長λ1〜λ5を以下に示す。
λ1(第1光源部Iから出力される第1パルス光Lp1の波長):774nm
λ2(第2光源部IIから出力される第2パルス光Lp2の波長):516nm
λ3(第3光源部IIIから出力される第3パルス光Lp3の波長):948nm
λ4(波長変換光学素子36で発生する第1変換パルス光Lv1の波長):309nm
λ5(波長変換光学素子36で発生する第2変換パルス光Lv2の波長):426nm
λ1(第1光源部Iから出力される第1パルス光Lp1の波長):774nm
λ2(第2光源部IIから出力される第2パルス光Lp2の波長):516nm
λ3(第3光源部IIIから出力される第3パルス光Lp3の波長):948nm
λ4(波長変換光学素子36で発生する第1変換パルス光Lv1の波長):309nm
λ5(波長変換光学素子36で発生する第2変換パルス光Lv2の波長):426nm
バースト発光がオン(On)の状態では、波長変換光学素子36には、第1光源部Iから出力されたλ1=774nmの第1パルス光Lp1が常光線、第2光源部IIから出力されたλ2=516nmの第2パルス光Lp2が常光線で入射する。波長変換光学素子36はCLBO結晶であり、上記パルス光Lp1,Lp2の和周波発生においてタイプIの位相整合条件を満たすように、結晶光軸に対してカット角47.7度で切り出されている。そのため、波長変換光学素子36においてλ1+λ2=λ4の和周波発生によりλ4=309nmの第1変換パルス光Lv1が発生し、レーザ装置LS3bから出力される。
バースト発光がオフ(Off)の状態では、波長変換光学素子36には、第1光源部Iから出力されたλ1=774nmの第1パルス光Lp1が常光線、第3光源部IIIから出力されたλ3=948nmの第3パルス光Lp3が異常光線で入射する。第3パルス光Lp3の波長λ3=948nmは、カット角47.7度で切り出されたCLBO結晶において、第1パルス光Lp1との和周波発生を行う際にタイプIIの位相整合条件を満たす波長である。そのため、波長変換光学素子36においてはλ1+λ3=λ5の和周波発生によりλ5=426nmの第2変換パルス光Lv2が発生する。但し、波長変換光学素子36で発生した第2変換パルス光Lv2は分光素子48を介してダンパー49に吸収され、レーザ装置LS3bから出力されない。
このようにして、レーザ装置LS3bの出力光であるλ4=309nmの第1変換パルス光Lv1がオン/オフされる。波長変換光学素子36では、第1変換パルス光Lv1がオン/オフいずれの状態においても、波長309nmの第1変換パルス光Lv1または波長426nmの第2変換パルス光Lv2が発生し透過する状態になる。そのため、波長変換光学素子36のビーム透過領域は、透過する第1変換パルス光Lv1または第2変換パルス光Lv2の吸収によってビーム透過領域の温度がある一定温度に上昇した状態に保持される。
図12(c)に示す第3構成例のレーザ装置LS3cにおいては、波長変換光学素子36としてClBO結晶を用いる。各パルス光の波長λ1〜λ5を以下に示す。
λ1(第1光源部Iから出力される第1パルス光Lp1の波長):309nm
λ2(第2光源部IIから出力される第2パルス光Lp2の波長):774nm
λ3(第3光源部IIIから出力される第3パルス光Lp3の波長):958nm
λ4(波長変換光学素子36で発生する第1変換パルス光Lv1の波長):221nm
λ5(波長変換光学素子36で発生する第2変換パルス光Lv2の波長):234nm
λ1(第1光源部Iから出力される第1パルス光Lp1の波長):309nm
λ2(第2光源部IIから出力される第2パルス光Lp2の波長):774nm
λ3(第3光源部IIIから出力される第3パルス光Lp3の波長):958nm
λ4(波長変換光学素子36で発生する第1変換パルス光Lv1の波長):221nm
λ5(波長変換光学素子36で発生する第2変換パルス光Lv2の波長):234nm
バースト発光がオン(On)の状態では、波長変換光学素子36には、第1光源部Iから出力されたλ1=309nmの第1パルス光Lp1が常光線、第2光源部IIから出力されたλ2=774nmの第2パルス光Lp2が常光線で入射する。波長変換光学素子36はCLBO結晶であり、上記パルス光Lp1,Lp2の和周波発生においてタイプIの位相整合条件を満たすように、結晶光軸に対してカット角82.8度で切り出されている。そのため、波長変換光学素子36においてλ1+λ2=λ4の和周波発生によりλ4=221nmの第1変換パルス光Lv1が発生し、レーザ装置LS3cから出力される。
バースト発光がオフ(Off)の状態では、波長変換光学素子36には、第1光源部Iから出力されたλ1=309nmの第1パルス光Lp1が常光線、第3光源部IIIから出力されたλ3=958nmの第3パルス光Lp3が異常光線で入射する。第3パルス光Lp3の波長λ3=958nmは、カット角82.8度で切り出されたCLBO結晶において、第1パルス光Lp1との和周波発生を行う際にタイプIIの位相整合条件を満たす波長である。そのため、波長変換光学素子36においてはλ1+λ3=λ5の和周波発生によりλ5=234nmの第2変換パルス光Lv2が発生する。但し、波長変換光学素子36で発生した第2変換パルス光Lv2は分光素子48を介してダンパー49に吸収され、レーザ装置LS3bから出力されない。
このようにして、レーザ装置LS3cの出力光であるλ4=221nmの第1変換パルス光Lv1がオン/オフされる。波長変換光学素子36では、第1変換パルス光Lv1がオン/オフいずれの状態においても、波長221nmの第1変換パルス光Lv1または波長234nmの第2変換パルス光Lv2が発生し透過する状態になる。そのため、波長変換光学素子36のビーム透過領域は、透過する第1変換パルス光Lv1または第2変換パルス光Lv2の吸収によってビーム透過領域の温度がある一定温度に上昇した状態に保持される。
このように、レーザ装置LS3(LS3a〜LS3c)にあっても、出力光である第1変換パルス光Lv1がオン/オフいずれの状態であるかにかかわらず、波長変換光学素子36では、第1変換パルス光Lv1または第2変換パルス光Lv2が発生し透過する状態になる。そのため、波長変換光学素子36のビーム透過領域は、第1変換パルス光Lv1または第2変換パルス光Lv2の吸収によって温度がある一定温度に上昇した状態(温度偏差が小さい状態)に保持される。
以上説明した各構成例から明らかなように、本発明の態様のレーザ装置LS(LS1〜LS3)は、出力される第1変換パルス光Lv1の波長にかかわらず、第1変換パルス光Lv1をオン/オフする際に生じていた位相不整合を減少させることができ、これにより、第1変換パルス光Lv1の立ち上がり特性を改善することができる。
なお、以上では、第1変換パルス光Lv1及び第2変換パルス光Lv2のいずれか一方(本構成形態においては第1変換パルス光Lv1)をレーザ装置LSから出射する構成を説明した。しかし、本技術は第1変換パルス光Lv1及び第2変換パルス光Lv2の両者をレーザ装置LSから出射する構成(例えば、出力光の波長を高速で切り換える構成)にも適用することができる。この場合、分光素子48により分光された第1変換パルス光Lv1と第2変換パルス光Lv2とを、各々異なる光路で導光して同一または異なるシステムで利用することができるほか、分光素子48を設けずに同一光路で導光し、照射光の波長を高速で切り換えるシステム等に利用することができる。このような構成によれば、異なる波長の光を高速で切り換え、且つ各変換パルス光について立ち上がり特性が良好なレーザ装置を提供することができる。
以上説明したレーザ装置LS(LS1〜LS3)は、小型軽量であるとともに取り扱いが容易であり、顕微鏡や望遠鏡等の観察装置、測長器や形状測定器等の測定装置、光造形装置や露光装置等の光加工装置検査装置、治療装置等のシステムに好適に適用できる。
レーザ装置LSを備えたシステムの第1の適用例として、半導体製造や液晶パネル製造のフォトリソグラフィエ程で用いられる露光装置について、その概要構成を示す図13を参照して説明する。露光装置100は、原理的には写真製版と同様であり、石英ガラス製のフォトマスク113に精密に描かれたデバイスパターンを、フォトレジストを塗布した半導体ウェハやガラス基板などの露光対象物115に光学的に投影して転写する。
露光装置100は、既述したレーザ装置LSと、照明光学系102と、フォトマスク113を保持するマスク支持台103と、投影光学系104と、露光対象物115を保持する露光対象物支持テーブル105と、露光対象物支持テーブル105を水平面内で移動させる駆動機構106とを備えて構成される。照明光学系102は複数のレンズ群からなり、レーザ装置LSから出力された第1変換パルス光Lv1を、マスク支持部103に保持されたフォトマスク113に照射する。投影光学系104も複数のレンズ群により構成され、フォトマスク113を透過した光を露光対象物支持テーブル上の露光対象物115に投影する。
このような構成の露光装置100においては、レーザ装置LSから出力された第1変換パルス光Lv1が照明光学系102に入力され、所定光束に調整されたレーザ光がマスク支持台103に保持されたフォトマスク113に照射される。フォトマスク113を通過した光はフォトマスク113に描かれたデバイスパターンの像を有しており、この光が投影光学系104を介して露光対象物支持テーブル105に保持された露光対象物115の所定位置に照射される。これにより、フォトマスク113のデバイスパターンの像が、半導体ウェハや液晶パネル等の露光対象物115の上に所定倍率で結像露光される。
このような露光装置100は、露光に用いられる第1変換パルス光Lv1の立ち上がり特性が改善されたレーザ装置LSを備えている。そのため、第1変換パルス光Lv1の立ち上がり時の微少なパワー変動による誤差要因をも排除して、微細且つ高精度のフォトグラフィを実行可能な露光装置を提供することができる。
次に、レーザ装置LSを備えたシステムの第2の適用例として、フォトマスクや液晶パネル、ウェハ等(被検物)の検査工程で使用される検査装置について、その概要構成を示す図14を参照して説明する。図示する検査装置200は、フォトマスク等の光透過性を有する被検物213に描かれた微細なデバイスパターンの検査に好適に使用される。
検査装置200は、既述したレーザ装置LSと、照明光学系202と、被検物213を保持する被検物支持台203と、投影光学系204と、被検物213からの光を検出するTDI(Time Delay Integration)センサ215と、被検物支持台203を水平面内で移動させる駆動機構206とを備えて構成される。照明光学系202は複数のレンズ群からなり、レーザ装置LSから出力された第1変換パルス光Lv1を、所定光束に調整して被検物支持部203に保持された被検物213に照射する。投影光学系204も複数のレンズ群により構成され、被検物213を透過した光をTDIセンサ215に投影する。
このような構成の検査装置200においては、レーザ装置LSから出力された第1変換パルス光Lv1が照明光学系202に入力され、所定光束に調整されたレーザ光が被検物支持台203に保持されたフォトマスク等の被検物213に照射される。被検物213からの光(本構成例においては透過光)は、被検物213に描かれたデバイスパターンの像を有しており、この光が投影光学系204を介してTDIセンサ215に投影され結像する。このとき、駆動機構206による被検物支持台203の水平移動速度と、TDIセンサ215の転送クロックとは同期して制御される。
そのため、被検物213のデバイスパターンの像がTDIセンサ215により検出され、このようにして検出された被検物213の検出画像と、予め設定された所定の参照画像とを比較することにより、被検物に描かれた微細パターンの欠陥が抽出される。なお、被検物213がウェハ等のように光透過性を有さない場合には、被検物からの反射光を投影光学系204に入射してTDIセンサ215に導くことにより、同様に構成することができる。
このような検査装置200は、検査に用いられる第1変換パルス光Lv1の立ち上がり特性が改善されたレーザ装置LSを備えている。そのため、第1変換パルス光Lv1の立ち上がり時の微少なパワー変動による誤差要因をも排除して、高精度の測定が可能な検査装置を提供することができる。
LS レーザ装置
LS1, 第1構成形態のレーザ装置
LS1′ 第1構成形態の変更例のレーザ装置
LS2 第2構成形態のレーザ装置
LS3(LS3a,LS3b、LS3c) 第3構成形態のレーザ装置
Lp1 第1パルス光(第1波長のパルス光)
Lp2 第2パルス光(第2波長のパルス光)
Lp3 第3パルス光(第3波長のパルス光)
Lv1 第1変換パルス光
Lv2 第2変換パルス光
I 第1光源部
II 第2光源部
III 第3光源部
8 制御部
11 シード光発生部(11a レーザ光源、11b 電気光学変調器)
12 シード光発生部(12a レーザ光源、12b 電気光学変調器)
13 シード光発生部(13a レーザ光源、13b 電気光学変調器)
21a,21b ファイバ光増幅器
22 ファイバ光増幅器
23 ファイバ光増幅器
31〜36 波長変換光学素子
48 分光素子
49 ダンパー
100 露光装置
102 照明光学系
103 マスク支持台
104 投影光学系
105 露光対象物支持テーブル
113 フォトマスク
115 露光対象物
200 検査装置
202 照明光学系
203 被検物支持台
204 投影光学系
213 被検物
215 TDIセンサ(検出器)
LS1, 第1構成形態のレーザ装置
LS1′ 第1構成形態の変更例のレーザ装置
LS2 第2構成形態のレーザ装置
LS3(LS3a,LS3b、LS3c) 第3構成形態のレーザ装置
Lp1 第1パルス光(第1波長のパルス光)
Lp2 第2パルス光(第2波長のパルス光)
Lp3 第3パルス光(第3波長のパルス光)
Lv1 第1変換パルス光
Lv2 第2変換パルス光
I 第1光源部
II 第2光源部
III 第3光源部
8 制御部
11 シード光発生部(11a レーザ光源、11b 電気光学変調器)
12 シード光発生部(12a レーザ光源、12b 電気光学変調器)
13 シード光発生部(13a レーザ光源、13b 電気光学変調器)
21a,21b ファイバ光増幅器
22 ファイバ光増幅器
23 ファイバ光増幅器
31〜36 波長変換光学素子
48 分光素子
49 ダンパー
100 露光装置
102 照明光学系
103 マスク支持台
104 投影光学系
105 露光対象物支持テーブル
113 フォトマスク
115 露光対象物
200 検査装置
202 照明光学系
203 被検物支持台
204 投影光学系
213 被検物
215 TDIセンサ(検出器)
Claims (8)
- 第1波長のパルス光を出力する第1光源部、第2波長のパルス光を出力する第2光源部、及び第3波長のパルス光を出力する第3光源部と、
前記第1光源部から出力された前記第1波長のパルス光、前記第2光源部から出力された前記第2波長のパルス光、及び前記第3光源部から出力された前記第3波長のパルス光が重複して入射し得るように配置され、前記第1波長のパルス光と前記第2波長のパルス光とが重複して入射されたときに第1変換波長のパルス光を発生し、前記第1波長のパルス光と前記第3波長のパルス光とが重複して入射されたときに前記第1変換波長と異なる第2変換波長のパルス光を発生する波長変換光学素子と、
前記第1波長のパルス光、前記第2波長のパルス光、及び前記第3波長のパルス光の、前記波長変換光学素子における重ね合わせを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1波長のパルス光と前記第2波長のパルス光とを前記波長変換光学素子において重複させて前記波長変換光学素子から前記第1変換波長のパルス光を出射させる第1状態と、前記第1波長のパルス光と前記第3波長のパルス光とを前記波長変換光学素子において重複させて前記波長変換光学素子から前記第2変換波長のパルス光を出射させる第2状態とのいずれかに切り換えることを特徴とするレーザ装置。 - 前記第1変換波長のパルス光及び前記第2変換波長のパルス光は紫外領域のパルス光であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
- 前記波長変換光学素子は、前記第1波長のパルス光と前記第2波長のパルス光とからタイプI位相整合及びタイプII位相整合のいずれか一方により前記第1変換波長のパルス光を発生させる結晶方位で切り出されており、
前記第3波長は、前記第1波長のパルス光と前記第3波長のパルス光とからタイプI位相整合及びタイプII位相整合の他方により前記第2変換波長のパルス光を発生させる波長であることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ装置。 - 前記制御部は、前記第1光源部から出力させる前記第1波長のパルス光、前記第2光源部から出力させる前記第2波長のパルス光、及び前記第3光源部から出力させる前記第3波長のパルス光のパワーを制御することにより、前記第1状態と前記第2状態とを切り替えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレーザ装置。
- 前記制御部は、前記波長変換光学素子に入射する前記第1波長のパルス光、前記第2波長のパルス光、及び前記第3波長のパルス光の、前記波長変換光学素子への入射タイミングを制御することにより、前記第1状態と前記第2状態とを切り替えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレーザ装置。
- 前記波長変換光学素子から出射された前記第1変換波長のパルス光と前記第2変換波長のパルス光とを分離する分光素子と、
前記分光素子により分離された前記第2変換波長のパルス光の光路上に設けられ、前記第2変換波長のパルス光を吸収するダンパーとを備え、
前記制御部が前記第1状態と前記第2状態とを切り替えることにより、前記レーザ装置から出力される前記第1変換波長のパルス光のオン/オフ状態が切り替えられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のレーザ装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のレーザ装置と、
所定の露光パターンが形成されたフォトマスクを保持するマスク支持部と、
露光対象物を保持する露光対象物支持部と、
前記レーザ装置から出力されたレーザ光を前記マスク支持部に保持されたフォトマスクに照射する照明光学系と、
前記フォトマスクを透過した光を露光対象物支持部に保持された露光対象物に投影する投影光学系とを備えたことを特徴とする露光装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のレーザ装置と、
被検物を保持する被検物支持部と、
前記レーザ装置から出力されたレーザ光を前記被検物支持部に保持された被検物に照射する照明光学系と、
前記被検物からの光を検出器に投影する投影光学系とを備えたことを特徴とする検査装置。
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---|---|---|---|
JP2012017078A JP2013156448A (ja) | 2012-01-30 | 2012-01-30 | レーザ装置、露光装置及び検査装置 |
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JP2013156448A true JP2013156448A (ja) | 2013-08-15 |
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-
2012
- 2012-01-30 JP JP2012017078A patent/JP2013156448A/ja active Pending
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