JP3697925B2 - 電気光学装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶などの電気光学物質を一対の透明基板間に挟持したパネルを用いた電気光学装置に関するものである。さらに詳しくは、バックライト方式のパネルにおける半導体装置およびバックライト用発光素子の実装技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気光学物質を一対の透明基板間に挟持したパネルを用いた電気光学装置としては、たとえば透明基板間に電気光学物質として液晶を挟持した液晶パネルを用いた液晶表示装置がある。このような液晶表示装置のうち、パッシブマトリクスタイプの液晶表示装置の基本的な構成を、図14を参照して説明する。
【0003】
図14において、液晶表示装置100は、たとえば透明なガラスによって形成された第1の透明基板1と、同じく透明なガラスによって形成された第2の透明基板2とが貼り合わされたパネル10を有している。このパネル10を構成する一対の透明基板の一方には、ギャップ材や異方性導電粒子を含有するシール剤3が印刷等によって形成され、このシール剤3を挟んで第1の透明基板1と第2の透明基板2とが接着固定されている。第1の透明基板1と第2の透明基板2の間には、いずれかの透明基板の方に散布されたスペーサ41が介在している。第1の透明基板1と第2の透明基板2との間隙(セルギャップ)のうち、シール剤3で区画形成された液晶封入領域内には液晶4が封入されている。第1の透明基板1の外側表面には偏光板5が粘着剤などによって貼られ、第2の透明基板2の外側表面にも偏光板6が粘着剤などで貼られている。
【0004】
ここで、第2の透明基板2は第1の透明基板1よりも大きいので、第2の透明基板2に第1の透明基板1を重ねた状態で、第2の透明基板2はその一部が第1の透明基板1の端縁から張り出す。この張り出し部分20にはIC実装領域21が形成されており、ここに半導体装置である駆動用IC(Integrated Circuit)7がフェイスダウンボンディングによりCOG(Chip On Glass)実装される。この部分での実装による電気的接続は、たとえば異方性導電膜30を第2の透明基板2上の配線パターン23と駆動用IC7との間に挟んだ状態でそれらを加熱圧着することによって行われる。この異方性導電膜30は、プラスチックボールなどの表面に金属がめっきされた導電粒子31が樹脂32中に分散されているもので、配線パターン23と駆動用IC7との間に挟んだ状態でそれらを加熱圧着すると、それらの間で樹脂32が溶融するとともに導電粒子31が押し潰されて電気的な接続を行う。また、第2の透明基板2において、IC実装領域21よりさらに端縁側には第1の端子群22が形成されており、これらの第1の端子群22にはフレキシブル配線基板8の第2の端子群82が異方性導電膜あるいはヒートシールなどの方法で接続される。フレキシブル配線基板8では、薄いポリイミドフィルムなどからなるベースフィルム81に対して、銅表面にニッケル−金めっきなどが施された配線パターン80が形成され、この配線パターン80に第2の端子群82が電気的に接続している。
【0005】
図14では詳細な図示を省略してあるが、第1の透明基板1には、液晶封入領域の内側で横方向に延びる複数のストライプ状電極15、および液晶封入領域の外側でストライプ状電極を各端子に配線接続するための配線パターンなどの電極パターン(薄膜パターン)が形成されている。この電極パターンは、透明なITO膜(Indium Tin Oxide)などで形成されている。また、第2の透明基板2の内側表面には、液晶封入領域の内側で縦方向に延びる複数のストライプ状電極25、および液晶封入領域の外側(張り出し部分20)に複数のストライプ状電極25をそのまま引き出した透明なITO膜などからなる配線パターン23が存在している。
【0006】
これらの複数の配線パターン23はIC実装領域21で駆動用IC7と電気的接続するための電極、およびフレキシブル配線基板8などと電気的接続するための端子(第1の端子群22)とされている。
【0007】
ここで、第1の基板1と第2の基板2との間では、導電粒子を含んだシール剤3、またはシール剤3の周辺に設けられた導通剤(図示せず。)によって上下導通がなされている。従って、第1の基板1のストライプ状電極15も、第2の基板2の張り出し部分20に形成された特定の配線パターン23に電気的に接続されている。
【0008】
なお、第1の透明基板1および第2の透明基板2において、ストライプ状電極15およびストライプ状電極25の表面には、ポリイミド層などにラビング処理を施した配向膜16、26がそれぞれ形成され、液晶4をSTN(Super Twisted Nematic)方式で用いるようになっている。
【0009】
このように構成した第1の透明基板1と第2の透明基板2とを所定箇所で電気的な接続を図りながら貼り合わせてパネル10を形成すると、第1の透明基板1のストライプ状電極15と第2の透明基板2のストライプ状電極25とは互いに交差し、各交差部分に画素が構成される。また、第1の透明基板1と第2の透明基板2との間隙において、液晶封入領域には液晶4が封入される。
【0010】
さらに、パネル10の第1の透明基板1の側には、図15および図14に示すように、アクリル樹脂製あるいはポリカーボネート製の透明な導光板9がパネル10と重ねて配置され、この導光板9の側方には、導光板9の端部(光入射部)に向かって光を出射するバックライト用発光素子50が配置される。このようなバックライト用発光素子50としては、搭載されるプリント配線基板90において実装用の電極(ランド)が形成されている面に対して光出射方向が直角となるLEDなどが用いられる。ここで、バックライト用発光素子50が実装されているプリント配線基板90は、導光板9の端部に対峙するように配置されている。
【0011】
このように配置したパネル10、導光板9、バックライト用発光素子50、プリント配線基板90は、所定のフレーム(図示せず。)によって固定されて、液晶表示装置100を構成する。
【0012】
この液晶表示装置100が行う表示動作を、図14、図15および図16を参照して説明する。液晶表示装置100において、フレキシブル配線基板8から駆動用IC7に駆動用電源、データ信号、制御用の駆動信号を送ると、駆動用IC7は、データ信号や駆動信号に基づいて希望する適宜のストライプ状電極に電圧を印加して各画素における液晶4の配向状態を制御する。従って、導光板9および入射側の偏光板5を介して液晶パネル10に入射したバックライト用発光素子50からの光は、パネル10の画素毎での液晶の配向状態によって透過偏光軸が制御される。その結果、出射側の偏光板6を透過してくる光は、画素毎での液晶の配向状態に対応するので、この光によって所定の像を表示することができる。
【0013】
なお、図14、図15および図16に示す液晶表示装置100では、駆動用ICが第2の透明基板2にCOG実装されているが、フレキシブル配線基板8の方にCOF(Chip On FPC/Flexible Printed Circuit)実装される場合やTCP(Tape Carrier Package)基板の場合もある。また。導光板9が第2の透明基板2の側に重ねられる場合もあり、この場合には、バックライト用発光素子50が出射した光は、第2の透明基板2の側から入射して第1の透明基板1の側から出射する。このように構成した場合でも、液晶表示装置100としての基本的な動作は、図14、図15および図16を参照して説明したとおりである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
液晶表示装置100が搭載される携帯電話などにおいては、多数の部品を狭い空間内に配置することになるため、液晶表示装置100に対しては、表示領域を狭くすることなく装置全体を小型化することが望まれている。また、液晶表示装置100に対しても低コスト化の要求が強い。しかしながら、従来の液晶表示装置100では、導光板9の側方に配置されるため平面的にパネル10の外周側にバックライト用発光素子50が位置することとなり、この部分が無駄なスペースを占めているという問題点がある。また、バックライト用発光素子50を駆動するために専用のプリント配線基板90を用いているので、コスト高になっているという問題点がある。
【0015】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、バックライト用発光素子の実装構造を改良することにより、バックライト用発光素子を駆動するための専用のプリント配線基板を不要にして、装置全体の小型化およびコストダウンを図ることのできる電気光学装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、第1の基板の端縁から第2の基板の一部が張り出すように当該基板同士が貼り合わされているとともに当該基板間に電気光学物質が挟持されたパネルと、該パネルに重ねられた導光板と、該導光板を介して前記パネルに光を供給するバックライト用発光素子と、前記パネルを駆動する半導体装置と、前記第2の基板における前記第1の基板からの張り出し部分に形成された第1の端子群に電気的接続する第2の端子群が形成されたフレキシブル配線基板とを有する電気光学装置において、前記導光板は前記パネルに対して前記第1の基板の側に重ねられているとともに、前記半導体装置および前記バックライト用発光素子はいずれも、前記第2の基板の前記張り出し部分に実装されていることを特徴とする。
【0017】
本発明では、前記第2の基板における前記第1の基板からの張り出し部分に第1の端子群が形成されているので、この張り出し部分に対して、半導体装置および前記バックライト用発光素子の実装用端子や配線パターンを形成してここに半導体装置および前記バックライト用発光素子を実装する。従って、バックライト用発光素子を駆動するための専用のプリント配線基板が不要であるので、電気光学装置のコストダウンを図ることができる。また、このように構成しても、第2の基板の張り出し部分に実装したバックライト用発光素子は、第2の基板の両面のうち、第1の基板や導光板が重ねられた側に位置するので、導光板の光入射部に向けてバックライト用発光素子が光を出射させることができる。しかも、バックライト用発光素子を実装した部分は、従来であればパネルの内側領域で凹んでいた部分であるので、バックライト用発光素子を配置するのに支障がない。それ故、バックライト用発光素子が従来、パネルの外周側で占めていた部分を削除できるので、電気光学装置の小型化を図ることができる。
【0018】
本発明において、前記バックライト用発光素子としては、前記第2の基板に実装される面に対して光出射方向が略平行な素子を用いることが好ましい。すなわち、前記バックライト用発光素子としては、前記第2の基板に実装したときにこの基板面に沿って光を出射するものを用いた場合には、導光板の長さ方向に向けて光を出射することになるので、導光板として構造が簡単で製造しやすいものを用いることができる。
【0019】
本発明の別の形態では、第1の基板の端縁から第2の基板の一部が張り出すように当該基板同士が貼り合わされているとともに当該基板間に電気光学物質が挟持されたパネルと、該パネルに重ねられた導光板と、該導光板を介して前記パネルに光を供給するバックライト用発光素子と、前記パネルを駆動する半導体装置と、前記第2の基板において前記第1の基板からの張り出し部分に形成された第1の端子群に電気的接続する第2の端子群が形成されたフレキシブル配線基板とを有する電気光学装置において、前記バックライト用発光素子は、前記導光板に対して前記パネルが位置する側とは反対側で当該導光板に重ねられた前記フレキシブル配線基板の両面のうち前記第2の端子群が形成されている側の面上に実装されているとともに、前記フレキシブル配線基板において前記第2の端子群が形成されている端部および前記バックライト用発光素子が実装されている端部はそれぞれ、前記第2の端子群が前記第1の端子群に届き、かつ、前記バックライト用発光素子が前記張り出し部分で光出射方向を前記導光板の光入射部に向けるように当該導光板の端部に沿って折り曲げられていることを特徴とする。
【0020】
本発明は、半導体装置が第2の透明基板にCOG実装されている場合、および半導体装置がフレキシブル配線基板にCOF実装されている場合のいずれにも適用できるが、半導体装置がフレキシブル配線基板にCOF実装されている場合には、前記バックライト用発光素子と同様に、前記フレキシブル配線基板の両面のうち前記第2の端子群が形成されている側の面上に前記半導体装置を実装する。
【0021】
本発明では、バックライト用発光素子がフレキシブル配線基板に実装されているので、バックライト用発光素子を駆動するための専用のプリント配線基板が不要である。それ故、電気光学装置のコストダウンを図ることができる。また、バックライト用発光素子が従来、パネルの外周側で占めていた部分を削除できるので、電気光学装置の小型化を図ることができる。さらに、フレキシブル配線基板にバックライト用発光素子を実装するといっても、フレキシブル配線基板の両面のうち、あくまで、前記第2の端子群が形成されている方の面上にバックライト用発光素子を実装するので、フレキシブル配線基板の片面にのみ配線パターンを形成すればよい。このため、フレキシブル配線基板として安価なものを用いることができる。ここで、フレキシブル配線基板は、前記導光板に対して前記パネルが位置する側とは反対側に重ねられているが、第2の端子群が形成されている端部を折り曲げることによって、フレキシブル配線基板に形成されている第2の端子群を第2の基板の張り出し部分に形成されている第1の端子群に電気的に接続することができる。また、バックライト用発光素子が実装されている端部も、導光板の端部に沿って折り曲げることにより、バックライト用発光素子の光出射方向を前記導光板の光入射部に向かせることができる。それ故、バックライト用発光素子をフレキシブル配線基板上に実装した場合でも、バックライト用発光素子が出射した光を導光板を介してパネルに供給するのに支障がない。しかも、フレキシブル配線基板の端部を折り曲げることによりバックライト用発光素子をもってきた部分は、従来であればパネルの内側領域で凹んでいた張り出し部分部分であるので、バックライト用発光素子をもってくるのに支障がない。
【0022】
本発明において、前記導光板および前記フレキシブル配線基板は、この順に前記パネルにおける前記第1の基板の側に重ねられる場合がある。この場合には、たとえば、前記フレキシブ配線基板において、前記第2の端子群が形成されている端部を前記導光板の端部に沿って前記第2の基板の前記張り出し部にまで略180°折り曲げることにより前記第2の端子群を前記第1の端子群に電気的に接続させる。また、前記バックライト用発光素子が実装されている端部も前記導光板の端部に沿って前記張り出し部にまで折り曲げることにより当該バックライト用発光素子の光出射方向を前記導光板の光入射部に向かせた構成とする。
【0023】
ここで、前記バックライト用発光素子として、前記第2の基板に実装される面に対して光出射方向が略平行な素子を用いた場合には、たとえば、前記フレキシブル配線基板において、前記バックライト用発光素子が実装されている端部を前記導光板の端部に沿って略180°折り曲げるとともに、裏側に折り返すことにより、当該バックライト用発光素子の光出射方向を前記導光板の光入射部に向かせた構成とする。
【0024】
本発明において、前記導光板および前記フレキシブル配線基板は、この順に前記パネルにおける前記第2の基板の側に重ねられる場合がある。この場合には、たとえば、前記フレキシブ配線基板において、前記第2の端子群が形成されている端部を前記導光板の端部および前記第2の基板の端部に沿って前記第2の基板の前記張り出し部にまで略180°折り曲げることにより前記第2の端子群と前記第1の端子群とを電気的に接続する。また、前記バックライト用発光素子が実装されている端部を前記導光板の端部に沿って折り曲げることにより当該バックライト用発光素子の光出射方向を前記導光板の光入射部に向かせる。
【0025】
ここで、前記バックライト用発光素子として、前記第2の基板に実装される面に対して光出射方向が略平行な素子を用いた場合には、前記フレキシブル配線基板において、前記バックライト用発光素子が実装されている端部を前記導光板の端部に沿って略180°折り曲げることにより当該バックライト用発光素子の光出射方向を前記導光板の光入射部に向かせた構成とする。
【0026】
本発明において、前記バックライト用発光素子として、前記第2の基板に実装される面に対して光出射方向が略直角な素子を用いる場合には、前記フレキシブル配線基板において、前記バックライト用発光素子が実装されている端部を前記導光板の端部に沿って略90°折り曲げることにより当該バックライト用発光素子の光出射方向を前記導光板の光入射部に向かせた構成とする。
【0027】
このような電気光学装置としては、前記電気光学物質として液晶を用いることにより液晶表示装置として構成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に説明するいずれの形態も、パネルなどといった基本的な構成が図14、図15および図16と同様であり、バックライト用光源を配置する位置、およびこの位置に配置するための構成のみが相違する。従って、以下の説明では、重複を避けるために共通する部分については同一の符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
【0029】
[実施の形態1]
図1は、本形態の液晶表示装置を構成するのに用いた液晶パネルおよび導光板の斜視図である。図2は、図1に示す液晶表示装置においてバックライト用発光素子として用いた面実装タイプのLED素子の説明図である。図3は、図1に示す液晶パネルと導光板とを重ね合わせて構成した液晶表示装置を図1のA−A′線に相当する位置で切断したときの断面図である。
【0030】
図1において、本形態の液晶表示装置100に用いたパネル10でも、図14を参照して説明したように、第1の透明基板1の端縁から第2の透明基板2の一部が張り出すように当該基板同士が貼り合わされているとともに当該基板間に液晶が挟持されている。パネル10には、第2の透明基板2の第1の透明基板1からの張り出し部分20に対して、半導体装置である駆動用IC7がCOG実装されている。さらに、第2の透明基板2の張り出し部分20には、駆動用IC7が実装されている位置よりも端縁側に第1の端子群22が形成されており、この第1の端子群22には、フレキシブル配線基板の第2の端子群が接続される(図14を参照)。
【0031】
さらにまた、パネル10の両面のうち、第1の透明基板1の側には、パネル10と略同じサイズの矩形の透明な導光板9が重ねられる。ここで、導光板9は、パネル10と重なる側の面には、第1の透明基板1によって形成された段差に対応する段差が形成されているなど、パネル10に重ね合わせ可能な構造を有している。従って、パネル10に対して導光板9を重ね、この状態をフレーム(図示せず)で固定すれば、液晶表示装置100を構成できる。
【0032】
ここで、本形態のパネル10では、第2の透明基板2の張り出し部分20の両側に、バックライト用発光素子51を実装するための端子や配線パターン(図示せず。)が形成され、ここにバックライト用発光素子51が実装されている。従って、導光板9をパネル10に重ねたときに、バックライト用発光素子51と重なる部分には、バックライト用発光素子51が入り込む凹部(切り欠き部)92が形成されている。
【0033】
なお、バックライト用発光素子51を実装するための端子や配線パターンは、この第2の透明基板2に電極パターン、IC実装端子、第1の端子群22などを形成する際に同時に形成される。
【0034】
本形態において、バックライト用発光素子51は、図2に示すように、面実装タイプのLEDである。この面実装タイプのバックライト用発光素子51では、矩形のベース基板510の下面に基板との実装に用いる電極511が形成され、これらの電極511が形成されている面512と平行な方向に光出射部513が向いている。このため、バックライト用発光素子51を、図1に示すように、第2の透明基板2上に実装したときに、バックライト用発光素子51は、基板面に平行に光を出射し、かつ、その光出射方向(矢印Lで示す)は、第1の透明基板1および導光板9が位置する方向である。
【0035】
従って、図1に示すパネル10と導光板9とを重ね合わせて、図3に示す液晶表示装置100を組み立てたとき、バックライト用発光素子51の光出射方向(矢印Lで示す方向)は、導光板9に斜めに形成されている光入射部96に向かうことになる。このため、バックライト用発光素子51が出射した光は、導光板9に入射した後、パネル10の第1の透明基板1に貼られた偏光板5を介して第1の透明基板1の方から入射し、パネル10の第1の透明基板1と第2の透明基板2との間に封入されている液晶によって画素毎に光変調を受けた後、第2の透明基板2から出射し、透過偏光軸が所定の方向を向いた光のみが第2の透明基板2に貼られた偏光板6を透過して所定の像を表示する。
【0036】
このように、本形態の液晶表示装置100では、第2の透明基板2における第1の透明基板1からの張り出し部分21に第1の端子群22が形成されているので、この張り出し部分21に対して、駆動用IC7およびバックライト用発光素子51の実装用端子や配線パターンをも形成してここに駆動用IC7およびバックライト用発光素子51を実装する。従って、バックライト用発光素子51を駆動するための専用のプリント配線基板が不要であるので、液晶表示装置100のコストダウンを図ることができる。また、このように構成しても、第2の透明基板2の張り出し部分20に実装したバックライト用発光素子51は、第2の透明基板2の両面のうち、第1の透明基板1および導光板9が重ねられた側に位置するので、導光板9の光入射部96に向けてバックライト用発光素子51から光を出射させることができる。しかも、バックライト用発光素子51を実装した部分は、従来であればパネル10の内側領域で凹んでいた部分であるので、バックライト用発光素子51を配置するのに支障がない。それ故、バックライト用発光素子51が従来、平面的にパネル10の外周側で占めていた部分を削除できるので、液晶表示装置100の小型化を図ることができる。
【0037】
また、本形態では、バックライト用発光素子51としては、第2の透明基板2に実装される面に対して光出射方向が平行な素子を用いたので、導光板9の長さ方向に向けて光を出射することになる。それ故、導光板9として構造が簡単で製造しやすいものを用いることができる。
【0038】
[実施の形態2]
図4は、本形態の液晶表示装置を構成するのに用いた液晶パネル、導光板およびフレキシブル配線基板の斜視図である。図5(A)、(B)は、図4に示すフレキシブル配線基板の断面図、およびこのフレキシブル配線基板を折り返す様子を示す説明図である。図6は、図4に示す液晶パネル、導光板およびフレキシブル配線基板とを組み合わせて構成した液晶表示装置を図4のB−B′線に相当する位置で切断したときの断面図である。
【0039】
図4において、本形態の液晶表示装置100に用いたパネル10でも、図14を参照して説明したように、第1の透明基板1の端縁から第2の透明基板2の一部が張り出すように当該基板同士が貼り合わされているとともに当該基板間に液晶が挟持されている。ここで、第2の透明基板2の第1の透明基板1からの張り出し部分20の端縁には第1の端子群22が形成されている。また、第2の透明基板2の導光板9の配置される側とは反対側の面が表示面となる。
【0040】
また、本形態でも、パネル10の両面のうち、第1の透明基板1の側には、パネル10と略同じサイズの矩形の透明な導光板9が重ねられる。ここで、導光板9は、パネル10と対向する側の面には、第1の透明基板1によって形成された段差に対応する段差が形成されているなど、パネル10との一体的な嵌め込みが可能な構造を有している。また、導光板9には、バックライト用発光素子51が入り込む凹部92が形成されている。
【0041】
また、フレキシブル配線基板8の端部84には第2の端子群82が形成されている。ここで、フレキシブル配線基板8は、図5(A)に示すように、基材とされるベースフィルム80の片側の面87にのみ配線層88が形成され、この片側の面87のみに第2の端子群82、実装用の端子(ランド)89、及び各部を結ぶ配線パターンが形成されている。従って、フレキシブル配線基板8の片側の面87が部品実装面となっている。
【0042】
但し、本形態では、図14を参照して説明したものと違って、図4から明らかなように、第2の透明基板2の張り出し部分20には駆動用IC7が実装されておらず、フレキシブル配線基板8の方に実装されている。また、フレキシブル配線基板8には、表面実装タイプのセラミックコンデンサ71なども実装されている。ここで、フレキシブル配線基板8は、導光板9に対してパネル10とは反対側に重ね合わされ、この状態で、フレキシブル配線基板8上の駆動用IC7、セラミックコンデンサ71および第2の端子群82は、導光板9やパネル10が重ねられている側とは反対側を向いている。すなわち、パネル10の第1の端子群22にフレキシブル配線基板8の第2の端子群82が接続された後、導光板9を挟んでフレキシブル配線基板8がパネル10の表示面側とは反対の裏面側に折り曲げられる。これにより、フレキシブル配線基板8の部品実装面(配線層が形成された面)は液晶表示装置100において表示面側とは反対側の面(導光板9が配置される側と反対側の面)とされる。
【0043】
ここで、フレキシブル配線基板8の端部には、両側に矩形に張り出した一対の発光素子実装用端部85が形成されている。この発光素子実装用端部85(フレキシブル配線基板8)の両面のうち、第2の端子群82などが形成されている配線層側と同一の面87(部品実装面)側には、バックライト用発光素子51を実装するための端子や配線パターン(図示せず。)が形成され、ここにバックライト用発光素子51が実装されている。従って、フレキシブル配線基板8を導光板9に対してパネル10とは反対側で導光板9に重ね合わせた状態で、フレキシブル配線基板8上のバックライト用発光素子51は、駆動用IC7、セラミックコンデンサ71および第2の端子群82と同様、導光板9やパネル10が重ねられている側とは反対側を向いている。
【0044】
なお、バックライト用発光素子51を実装するための端子や配線パターンは、このフレキシブル配線基板8に配線パターン、IC実装端子、第2の端子群82などを形成する際に同時に形成される。
【0045】
本形態でも、バックライト用発光素子51は、図2に示す面実装タイプのLEDである。このため、このバックライト用発光素子51をフレキシブル配線基板8上に実装したときに、バックライト用発光素子51は、フレキシブル配線基板8の基板面に平行に光を出射する。従って、図4に示すように、フレキシブル配線基板8を導光板9に対してパネル10とは反対側で導光板9に重ね合わせた状態で、バックライト用発光素子51の光出射方向(矢印Lで示す方向)は、フレキシブル配線基板8の端縁の方(導光板9が位置する方とは反対の方向)を向いている。
【0046】
このように構成したパネル10、導光板9およびフレキシブル配線基板8を用いて液晶表示装置100を組み立てるにあたっては、パネル10に対して導光板9およびフレキシブル配線基板8をこの順に重ねるとともに、第2の透明基板2の張り出し部分20に形成されている第1の端子群22にフレキシブル配線基板8の第2の端子群82を接続し、かつ、フレキシブル配線基板8に実装されているバックライト用発光素子51の光出射方向、およびバックライト用発光素子51が実装されている発光素子実装用端部85の面を導光板9の方に向かせ、この状態をフレーム(図示せず)で固定する必要がある。
【0047】
そこで、本形態では、図5(B)に示すように、フレキシブル配線基板8において、まず、第2の端子群82が形成されている端部84およびバックライト用発光素子51が実装されている発光素子実装用端部85をそれぞれ、第2の端子群82が第1の端子群22に届くように、導光板9の端部98に沿って第2の透明基板2の張り出し部20にまで180°折り曲げて、第2の端子群82を第1の端子群22に電気的に接続させる。一方、バックライト用発光素子51が実装されている発光素子実装用端部85については、さらに内側に折って裏側に折り返ることにより、バックライト用発光素子51の光出射方向が導光板9の光入射部96に向く状態でバックライト用発光素子51を凹部92に入れる。この後、発光素子実装用端部85については、接着剤あるいはフレーム(図示せず)で固定する。
【0048】
その結果、図6に示す液晶表示装置100を組み立てることができ、この液晶表示装置100では、第2の透明基板2の張り出し部分20に形成されている第1の端子群22にフレキシブル配線基板8の第2の端子群82が接続し、かつ、フレキシブル配線基板8に実装されていたバックライト用発光素子51の光出射方向(矢印Lで示す方向)は、導光板9に斜めに形成されている光入射部96に向かうことになる。このため、バックライト用発光素子51が出射した光は、導光板9に入射した後、パネル10の第1の透明基板1に貼られた偏光板5を介して第1の透明基板1の方から入射し、パネル10の第1の透明基板1と第2の透明基板2との間に封入されている液晶によって画素毎に光変調を受けた後、第2の透明基板2から出射し、透過偏光軸が所定の方向を向いた光のみが第2の透明基板2に貼られた偏光板6を透過して所定の像を表示する。
【0049】
このように、本形態では、バックライト用発光素子51がフレキシブル配線基板8に実装されているので、バックライト用発光素子51を駆動するための専用のプリント配線基板が不要である。それ故、液晶表示装置100のコストダウンを図ることができる。また、バックライト用発光素子51が従来、パネルの外周側で占めていた部分を削除できるので、電気光学装置の小型化を図ることができる。
【0050】
さらに、フレキシブル配線基板8にバックライト用発光素子51を実装するといっても、フレキシブル配線基板8の両面のうち、あくまで、第2の端子群82などが形成されている方の面上にバックライト用発光素子51を実装するので、フレキシブル配線基板8の片面にのみ配線パターンを形成すればよい。このため、フレキシブル配線基板8として安価なものを用いることができる。
【0051】
ここで、フレキシブル配線基板8は、導光板9に対してパネル10が位置する側とは反対側に重ねられているが、第2の端子群82が形成されている端部84を折り曲げることによって、フレキシブル配線基板8に形成されている第2の端子群82を第2の透明基板2の張り出し部分20に形成されている第1の端子群22に電気的に接続する。また、バックライト用発光素子51が実装されている発光素子実装用端部85も、導光板9の端部98に沿って折り曲げ、さらに裏側に折り返すことにより、バックライト用発光素子51の光出射方向を導光板9の光入射部96に向かせる。それ故、バックライト用発光素子51をフレキシブル配線基板8上に実装した場合でも、バックライト用発光素子51が出射した光を導光板9を介してパネル10に供給するのに支障がない。しかも、フレキシブル配線基板8の端部を折り曲げることによりバックライト用発光素子51をもってきた部分は、従来であればパネルの内側領域で凹んでいた張り出し部分20であるので、バックライト用発光素子51をもってくるのに支障がない。
【0052】
[実施の形態3]
図7は、本形態の液晶表示装置を構成するのに用いた液晶パネル、導光板およびフレキシブル配線基板の斜視図である。図8は、図7に示すフレキシブル配線基板を折り返す様子を示す説明図である。図9は、図7に示す液晶パネル、導光板およびフレキシブル配線基板とを組み合わせて構成した液晶表示装置を図7のC−C′線に相当する位置で切断したときの断面図である。
【0053】
図7において、本形態の液晶表示装置100に用いたパネル10でも、図14を参照して説明したように、第1の透明基板1の端縁から第2の透明基板2の一部が張り出すように当該基板同士が貼り合わされているとともに当該基板間に液晶が挟持されている。ここで、第2の透明基板2の第1の透明基板1からの張り出し部分20の端縁には第1の端子群22が形成されている。
【0054】
また、本形態では、実施の形態2とは反対に、パネル10の両面のうち、第2の透明基板2の側に、パネル10と略同じサイズの矩形の透明な導光板9が重ねられる。ここで、導光板9は、パネル10と重なる側の面には、バックライト用発光素子51が入り込む凹部92が形成されているなど、パネル10に重ね合わせ可能な構造を有している。
【0055】
また、フレキシブル配線基板8の端部84には第2の端子群82が形成されている。実施の形態2と同様、本形態でも、第2の透明基板2の張り出し部分20には駆動用IC7が実装されておらず、フレキシブル配線基板8の方に実装されている。また、フレキシブル配線基板8には、表面実装タイプのセラミックコンデンサ71なども実装されている。ここで、フレキシブル配線基板8は、導光板9に対してパネル10とは反対側に重ね合わされ、この状態で、フレキシブル配線基板8上の駆動用IC7、セラミックコンデンサ71および第2の端子群82は、導光板9やパネル10が重なる側を向いている。
【0056】
また、フレキシブル配線基板8の端部には、第2の端子群82が形成されている端部84の両側に矩形の発光素子実装用端部85が一対、形成されている。この発光素子実装用端部85(フレキシブル配線基板8)の両面のうち、第2の端子群82などが形成されている側と同一の面側には、バックライト用発光素子51を実装するための端子や配線パターン(図示せず。)が形成され、ここにバックライト用発光素子51が実装されている。従って、フレキシブル配線基板8を導光板9に対してパネル10とは反対側で導光板9に重ね合わせた状態で、フレキシブル配線基板8上のバックライト用発光素子51は、駆動用IC7、セラミックコンデンサ71および第2の端子群82と同様、導光板9やパネル10が重ねられている側を向いている。
【0057】
なお、バックライト用発光素子51を実装するための端子や配線パターンは、このフレキシブル配線基板8に配線パターン、IC実装端子、第2の端子群82などを形成する際に同時に形成される。
【0058】
本形態でも、バックライト用発光素子51は、図2に示す面実装タイプのLEDである。このため、このバックライト用発光素子51をフレキシブル配線基板8上に実装したときに、バックライト用発光素子51は、基板面に平行に光を出射する。従って、図7に示すように、フレキシブル配線基板8を導光板9に対してパネル10とは反対側で導光板9に重ね合わせた状態で、バックライト用発光素子51の光出射方向(矢印Lで示す方向)は、フレキシブル配線基板8の端縁の方(導光板9が位置する方とは反対の方向)を向いている。
【0059】
このように構成したパネル10、導光板9およびフレキシブル配線基板8を用いて液晶表示装置100を組み立てるにあたっては、パネル10に対して導光板9およびフレキシブル配線基板8をこの順に重ねるとともに、第2の透明基板2の張り出し部分20に形成されている第1の端子群22にフレキシブル配線基板8の第2の端子群82を接続し、かつ、フレキシブル配線基板8に実装されているバックライト用発光素子51の光出射方向を導光板9の方に向かせ、この状態をフレーム(図示せず)で固定する必要がある。
【0060】
そこで、本形態では、図8に示すように、フレキシブル配線基板8において、まず、第2の端子群82が形成されている端部84を、第2の端子群82が第1の端子群22に届くように、導光板9の端部98および第2の基板2の端部28に沿って第2の透明基板2の張り出し部20にまで180°折り曲げて、第2の端子群82を第1の端子群22に電気的に接続させる。一方、バックライト用発光素子51が実装されている発光素子実装用端部85については、導光板9の端部98に沿って180°折り曲げて、バックライト用発光素子51の光出射方向が導光板9の光入射部96に向く状態でバックライト用発光素子51を凹部92に入れる。この後、発光素子実装用端部85については、接着剤あるいはフレーム(図示せず)で固定する。
【0061】
その結果、図8に示す液晶表示装置100を組み立てることができ、この液晶表示装置100では、第2の透明基板2の張り出し部分20に形成されている第1の端子群22にフレキシブル配線基板8の第2の端子群82が接続し、かつ、フレキシブル配線基板8に実装されていたバックライト用発光素子51の光出射方向(矢印Lで示す方向)は、導光板9に斜めに形成されている光入射部96に向かうことになる。このため、バックライト用発光素子51が出射した光は、導光板9に入射した後、パネル10の第1の透明基板1に貼られた偏光板5を介して第1の透明基板1の方から入射し、パネル10の第1の透明基板1と第2の透明基板2との間に封入されている液晶によって画素毎に光変調を受けた後、第2の透明基板2から出射し、透過偏光軸が所定の方向を向いた光のみが第2の透明基板2に貼られた偏光板6を透過して所定の像を表示する。
【0062】
このように、本形態では、バックライト用発光素子51がフレキシブル配線基板8に実装されているので、バックライト用発光素子51を駆動するための専用のプリント配線基板が不要である。それ故、液晶表示装置100のコストダウンを図ることができる。また、バックライト用発光素子51が従来、パネルの外周側で占めていた部分を削除できるので、電気光学装置の小型化を図ることができる。
【0063】
さらに、フレキシブル配線基板8にバックライト用発光素子51を実装するといっても、フレキシブル配線基板8の両面のうち、あくまで、第2の端子群82などが形成されている方の面上にバックライト用発光素子51を実装するので、フレキシブル配線基板8の片面にのみ配線パターンを形成すればよい。このため、フレキシブル配線基板8として安価なものを用いることができる。
【0064】
ここで、フレキシブル配線基板8は、導光板9に対してパネル10が位置する側とは反対側に重ねられているが、第2の端子群82が形成されている端部84を折り曲げることによって、フレキシブル配線基板8に形成されている第2の端子群82を第2の透明基板2の張り出し部分20に形成されている第1の端子群22に電気的に接続する。また、バックライト用発光素子51が実装されている発光素子実装用端部85も、導光板9の端部98に沿って折り曲げることにより、バックライト用発光素子51の光出射方向を導光板9の光入射部96に向かせる。それ故、バックライト用発光素子51をフレキシブル配線基板8上に実装した場合でも、バックライト用発光素子51が出射した光を導光板9を介してパネル10に供給するのに支障がない。しかも、フレキシブル配線基板8の端部を折り曲げることによりバックライト用発光素子51をもってきた部分は、従来であればパネルの内側領域で凹んでいた張り出し部分20であるので、バックライト用発光素子51をもってくるのに支障がない。
【0065】
[実施の形態4]
図10は、本形態の液晶表示装置を構成するのに用いた液晶パネル、導光板およびフレキシブル配線基板の斜視図である。図11は、図10に示す液晶表示装置においてバックライト用発光素子として用いた面実装タイプのLED素子の説明図である。図12は、図10に示すフレキシブル配線基板を折り返す様子を示す説明図である。図13は、図10に示す液晶パネル、導光板およびフレキシブル配線基板とを組み合わせて構成した液晶表示装置を図10のD−D′線に相当する位置で切断したときの断面図である。
【0066】
図10において、本形態の液晶表示装置100に用いたパネル10でも、図14を参照して説明したように、第1の透明基板1の端縁から第2の透明基板2の一部が張り出すように当該基板同士が貼り合わされているとともに当該基板間に液晶が挟持されている。ここで、第2の透明基板2の第1の透明基板1からの張り出し部分20の端縁には第1の端子群22が形成されている。
【0067】
また、本形態では、実施の形態3とは同様に、パネル10の両面のうち、第2の透明基板2の側に、パネル10と略同じサイズの矩形の透明な導光板9が重ねられる。ここで、導光板9は、パネル10と重なる側の面には、バックライト用発光素子50が入り込む凹部92が形成されているなど、パネル10に重ね合わせ可能な構造を有している。
【0068】
また、フレキシブル配線基板8の端部84には第2の端子群82が形成されている。実施の形態2、3と同様、本形態でも、第2の透明基板2の張り出し部分20には駆動用IC7が実装されておらず、フレキシブル配線基板8の方に実装されている。また、フレキシブル配線基板8には、表面実装タイプのセラミックコンデンサ71なども実装されている。ここで、フレキシブル配線基板8は、導光板9に対してパネル10とは反対側に重ね合わされ、この状態で、フレキシブル配線基板8上の駆動用IC7、セラミックコンデンサ71および第2の端子群82は、導光板9やパネル10が重なる側を向いている。
【0069】
また、フレキシブル配線基板8の端部には、第2の端子群82が形成されている端部84の両側に矩形の発光素子実装用端部85が一対、形成されている。この発光素子実装用端部85(フレキシブル配線基板8)の両面のうち、第2の端子群82などが形成されている側と同一の面側には、バックライト用発光素子50を実装するための端子や配線パターン(図示せず。)が形成され、ここにバックライト用発光素子50が実装されている。従って、フレキシブル配線基板8を導光板9に対してパネル10とは反対側で導光板9に重ね合わせた状態で、フレキシブル配線基板8上のバックライト用発光素子50は、駆動用IC7、セラミックコンデンサ71および第2の端子群82と同様、導光板9やパネル10が重ねられている側を向いている。
【0070】
なお、バックライト用発光素子50を実装するための端子や配線パターンは、このフレキシブル配線基板8に配線パターン、IC実装端子、第2の端子群82などを形成する際に同時に形成される。
【0071】
本形態では、バックライト用発光素子50は、図11に示すように、面実装タイプのLEDである。この面実装タイプのバックライト用発光素子50では、矩形のベース基板500の下面に基板との実装に用いる電極501が形成され、これらの電極501が形成されている面502と直角の方向に光出射部503が向いている。このため、このバックライト用発光素子50を基板上に実装したときには、バックライト用発光素子50を実装した基板面に平行に光を出射する。従って、図10に示すように、フレキシブル配線基板8を導光板9に対してパネル10とは反対側で導光板9に重ね合わせた状態で、バックライト用発光素子50の光出射方向(矢印Lで示す方向)は、導光板9やパネル10が重なっている側を向いている。
【0072】
このように構成したパネル10、導光板9およびフレキシブル配線基板8を用いて液晶表示装置100を組み立てるにあたっては、パネル10に対して導光板9およびフレキシブル配線基板8をこの順に重ねるとともに、第2の透明基板2の張り出し部分20に形成されている第1の端子群22にフレキシブル配線基板8の第2の端子群82を接続し、かつ、フレキシブル配線基板8に実装されているバックライト用発光素子50の光出射方向を導光板9の方に向かせ、この状態をフレーム(図示せず)で固定する必要がある。
【0073】
そこで、本形態では、図12に示すように、フレキシブル配線基板8において、まず、第2の端子群82が形成されている端部84を、第2の端子群82が第1の端子群22に届くように、導光板9の端部98および第2の基板2の端部28に沿って第2の透明基板2の張り出し部20にまで180°折り曲げて、第2の端子群82を第1の端子群22に電気的に接続させる。一方、バックライト用発光素子50が実装されている発光素子実装用端部85については、導光板9の端部98に沿って90°折り曲げて、バックライト用発光素子50の光出射方向が導光板9の光入射部96に向く状態でバックライト用発光素子50を導光板9の凹部92に入れる。この後、発光素子実装用端部85については、接着剤あるいはフレーム(図示せず)で固定する。
【0074】
その結果、図12に示す液晶表示装置100を組み立てることができ、この液晶表示装置100では、第2の透明基板2の張り出し部分20に形成されている第1の端子群22にフレキシブル配線基板8の第2の端子群82が接続し、かつ、フレキシブル配線基板8に実装されていたバックライト用発光素子50の光出射方向(矢印Lで示す方向)は、導光板9に斜めに形成されている光入射部96に向かうことになる。このため、バックライト用発光素子50が出射した光は、導光板9に入射した後、パネル10の第1の透明基板1に貼られた偏光板5を介して第1の透明基板1の方から入射し、パネル10の第1の透明基板1と第2の透明基板2との間に封入されている液晶によって画素毎に光変調を受けた後、第2の透明基板2から出射し、透過偏光軸が所定の方向を向いた光のみが第2の透明基板2に貼られた偏光板6を透過して所定の像を表示する。
【0075】
このように、本形態では、バックライト用発光素子50がフレキシブル配線基板8に実装されているので、バックライト用発光素子50を駆動するための専用のプリント配線基板が不要である。それ故、液晶表示装置100のコストダウンを図ることができる。また、バックライト用発光素子50が従来、パネルの外周側で占めていた部分を削除できるので、電気光学装置の小型化を図ることができる。
【0076】
さらに、フレキシブル配線基板8にバックライト用発光素子50を実装するといっても、フレキシブル配線基板8の両面のうち、あくまで、第2の端子群82などが形成されている方の面上にバックライト用発光素子50を実装するので、フレキシブル配線基板8の片面にのみ配線パターンを形成すればよい。このため、フレキシブル配線基板8として安価なものを用いることができる。
【0077】
ここで、フレキシブル配線基板8は、導光板9に対してパネル10が位置する側とは反対側に重ねられているが、第2の端子群82が形成されている端部84を折り曲げることによって、フレキシブル配線基板8に形成されている第2の端子群82を第2の透明基板2の張り出し部分20に形成されている第1の端子群22に電気的に接続する。また、バックライト用発光素子50が実装されている発光素子実装用端部85も、導光板9の端部98に沿って折り曲げることにより、バックライト用発光素子50の光出射方向を導光板9の光入射部96に向かせる。それ故、バックライト用発光素子50をフレキシブル配線基板8上に実装した場合でも、バックライト用発光素子50が出射した光を導光板9を介してパネル10に供給するのに支障がない。しかも、フレキシブル配線基板8の端部を折り曲げることによりバックライト用発光素子50をもってきた部分は、従来であればパネルの内側領域で凹んでいた張り出し部分20であるので、バックライト用発光素子50をもってくるのに支障がない。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、第2の透明基板における第1の透明基板からの張り出し部分にバックライト用発光素子を実装したので、バックライト用発光素子を駆動するための専用のプリント配線基板が不要である。このため、電気光学装置のコストダウンを図ることができる。また、バックライト用発光素子は、第2の透明基板の両面のうち、第1の透明基板や導光板が重ねられた側に位置するので、導光板の光入射部に向けてバックライト用発光素子が光を出射させることができる。しかも、バックライト用発光素子を実装した部分は、従来であればパネルの内側領域で凹んでいた部分であるので、バックライト用発光素子を配置するのに支障がない。それ故、バックライト用発光素子が従来、パネルの外周側で占めていた部分を削除できるので、電気光学装置の小型化を図ることができる。
【0079】
本発明の別の形態では、バックライト用発光素子がフレキシブル配線基板に実装されているので、バックライト用発光素子を駆動するための専用のプリント配線基板が不要である。それ故、電気光学装置のコストダウンを図ることができる。また、バックライト用発光素子が従来、パネルの外周側で占めていた部分を削除できるので、電気光学装置の小型化を図ることができる。さらに、フレキシブル配線基板にバックライト用発光素子を実装するといっても、フレキシブル配線基板の両面のうち、あくまで、第2の端子群が形成されている方の面上にバックライト用発光素子を実装するので、フレキシブル配線基板の片面にのみ配線パターンを形成すればよい。このため、フレキシブル配線基板として安価なものを用いることができる。ここで、フレキシブル配線基板は、導光板に対してパネルが位置する側とは反対側に重ねられているが、第2の端子群が形成されている端部を折り曲げることによって、フレキシブル配線基板に形成されている第2の端子群を第2の透明基板の張り出し部分に形成されている第1の端子群に電気的に接続することができる。また、バックライト用発光素子が実装されている端部も、導光板の端部に沿って折り曲げることにより、バックライト用発光素子の光出射方向を導光板の光入射部に向かせることができる。それ故、バックライト用発光素子をフレキシブル配線基板上に実装した場合でも、バックライト用発光素子が出射した光を導光板を介してパネルに供給するのに支障がない。しかも、フレキシブル配線基板の端部を折り曲げることによりバックライト用発光素子をもってきた部分は、従来であればパネルの内側領域で凹んでいた張り出し部分部分であるので、バックライト用発光素子をもってくるのに支障がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置を構成するのに用いた液晶パネルおよび導光板の斜視図である。
【図2】図1に示す液晶表示装置においてバックライト用発光素子として用いた面実装タイプのLED素子の説明図である。
【図3】図1に示す液晶パネルと導光板とを重ね合わせて構成した液晶表示装置を図1のA−A′線に相当する位置で切断したときの断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置を構成するのに用いた液晶パネル、導光板およびフレキシブル配線基板の斜視図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ、図4に示すフレキシブル配線基板の断面図、およびこのフレキシブル配線基板を折り返す様子を示す説明図である。
【図6】図4に示す液晶パネル、導光板およびフレキシブル配線基板とを組み合わせて構成した液晶表示装置を図4のB−B′線に相当する位置で切断したときの断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る液晶表示装置を構成するのに用いた液晶パネル、導光板およびフレキシブル配線基板の斜視図である。
【図8】図7に示すフレキシブル配線基板を折り返す様子を示す説明図である。
【図9】図7に示す液晶パネル、導光板およびフレキシブル配線基板とを組み合わせて構成した液晶表示装置を図7のC−C′線に相当する位置で切断したときの断面図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る液晶表示装置を構成するのに用いた液晶パネル、導光板およびフレキシブル配線基板の斜視図である。
【図11】図10に示す液晶表示装置においてバックライト用発光素子として用いた面実装タイプのLED素子の説明図である。
【図12】図10に示すフレキシブル配線基板を折り返す様子を示す説明図である。
【図13】図10に示す液晶パネル、導光板およびフレキシブル配線基板とを組み合わせて構成した液晶表示装置を図10のD−D′線に相当する位置で切断したときの断面図である。
【図14】液晶パネルの基本的な構成を示す断面図である。
【図15】従来の液晶表示装置を構成するのに用いた液晶パネルおよび導光板の斜視図である。
【図16】図15に示す液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1 第1の透明基板
2 第2の透明基板
4 液晶(電気光学物質)
5、6 偏光板
7 駆動用IC
8 フレキシブル配線基板
9 導光板
10 パネル(液晶パネル)
20 張り出し部分
22 第1の端子群
50、51 バックライト用発光素子
82 第2の端子群
84、85 フレキシブル配線基板の端部
96 導光板の光入射部
100 液晶表示装置(電気光学装置)

Claims (10)

  1. 第1の基板の端縁から第2の基板の一部が張り出すように当該基板同士が貼り合わされているとともに当該基板間に電気光学物質が挟持されたパネルと、該パネルに重ねられた導光板と、該導光板を介して前記パネルに光を供給するバックライト用発光素子と、前記パネルを駆動する半導体装置と、前記第2の基板における前記第1の基板からの張り出し部分に形成された第1の端子群に電気的接続する第2の端子群が形成されたフレキシブル配線基板とを有する電気光学装置において、
    前記導光板は、前記パネルに対して前記第1の基板の側に重ねられているとともに、
    前記半導体装置および前記バックライト用発光素子はいずれも、前記第2の基板の前記張り出し部分に実装されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1において、前記バックライト用発光素子は、前記第2の基板に実装される面に対して光出射方向が略平行であることを特徴とする電気光学装置。
  3. 第1の基板の端縁から第2の基板の一部が張り出すように当該基板同士が貼り合わされているとともに当該基板間に電気光学物質が挟持されたパネルと、該パネルに重ねられた導光板と、該導光板を介して前記パネルに光を供給するバックライト用発光素子と、前記パネルを駆動する半導体装置と、前記第2の基板において前記第1の基板からの張り出し部分に形成された第1の端子群に電気的接続する第2の端子群が形成されたフレキシブル配線基板とを有する電気光学装置において、
    前記バックライト用発光素子は、前記導光板に対して前記パネルが位置する側とは反対側で当該導光板に重ねられた前記フレキシブル配線基板の両面のうち前記第2の端子群が形成されている側の面上に実装されているとともに、
    前記フレキシブル配線基板において前記第2の端子群が形成されている端部および前記バックライト用発光素子が実装されている端部はそれぞれ、前記第2の端子群が前記第1の端子群に届き、かつ、前記バックライト用発光素子が前記張り出し部分で光出射方向を前記導光板の光入射部に向けるように、当該導光板の端部に沿って折り曲げられていることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項3において、前記半導体装置は、前記フレキシブル配線基板の両面のうち前記第2の端子群が形成されている側の面上に実装されていることを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項3または4において、前記導光板および前記フレキシブル配線基板は、この順に前記パネルにおける前記第1の基板の側に重ねられ、
    かつ、前記フレキシブ配線基板において、前記第2の端子群が形成されている端部が前記導光板の端部に沿って前記第2の基板の前記張り出し部にまで略180°折り曲げられていることにより前記第2の端子群が前記第1の端子群に電気的に接続されているとともに、前記バックライト用発光素子が実装されている端部も前記導光板の端部に沿って前記張り出し部にまで折り曲げられていることにより当該バックライト用発光素子の光出射方向が前記導光板の光入射部に向いていることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項5において、前記バックライト用発光素子は、前記第2の基板に実装される面に対して光出射方向が略平行であり、
    前記フレキシブル配線基板において、前記バックライト用発光素子が実装されている端部が前記導光板の端部に沿って略180°折り曲げられているとともに、裏側に折り返されていることにより、当該バックライト用発光素子の光出射方向が前記導光板の光入射部に向いていることを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項3または4において、前記導光板および前記フレキシブル配線基板は、この順に前記パネルにおける前記第2の基板の側に重ねられ、
    かつ、前記フレキシブ配線基板において、前記第2の端子群が形成されている端部が前記導光板の端部および前記第2の基板の端部に沿って前記第2の基板の前記張り出し部にまで略180°折り曲げられていることにより前記第2の端子群と前記第1の端子群とが電気的に接続されているとともに、前記バックライト用発光素子が実装されている端部が前記導光板の端部に沿って折り曲げられていることにより当該バックライト用発光素子の光出射方向が前記導光板の光入射部に向いていることを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項7において、前記バックライト用発光素子は、前記第2の基板に実装される面に対して光出射方向が略平行であり、
    前記フレキシブル配線基板において、前記バックライト用発光素子が実装されている端部が前記導光板の端部に沿って略180°折り曲げられていることにより当該バックライト用発光素子の光出射方向が前記導光板の光入射部に向いていることを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項3、4または5において、前記バックライト用発光素子は、前記第2の基板に実装される面に対して光出射方向が略直角であり、
    前記フレキシブル配線基板において、前記バックライト用発光素子が実装されている端部は前記導光板の端部に沿って略90°折り曲げられていることにより当該バックライト用発光素子の光出射方向が前記導光板の光入射部に向いていることを特徴とする電気光学装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかにおいて、前記電気光学物質は液晶であることを特徴とする電気光学装置。
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