JP3697631B2 - 試料吸引・吐出方法及び装置 - Google Patents

試料吸引・吐出方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料液を採取してキャップで密閉された試料容器から吸引針によりキャップを通して試料液を吸引し、試料容器外へ吐出する試料吸引・吐出方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平5−79953号公報によれば、真空採血した採血管にゴムキャップで密閉した状態で吸引針を刺して内部を大気に通気させた後に、採血管を傾斜させた状態で血液試料を吸引針で吸引するこの種の装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この装置によれば、密栓状態で空間部が大気と等圧となることにより、負圧が残る場合の試料液の吸引時の誤差が解消され、空間部が陽圧に転じた場合のコンタミも解消される。しかしながら、吸引針を試料容器から抜く際に試料液で汚れた吸引針の外周面の洗浄を別の場所に用意した洗浄具で行う必要がある。また、ゴムキャップを通気時及び試料吸引時に2回吸引針で刺すために、その都度吸引針の汚染の可能性を考慮する必要がある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて、試料液を真空状態で採取して密閉したキャップを通して空間部の外気への通気及び試料液の吸引を行う際に、吸引針の試料汚れを防止する試料吸引方法及び吸引針を試料容器から抜く過程で吸引針の外周面が洗浄される試料吸引・吐出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、試料液を採取してキャップで密閉された試料容器から吸引針によるキャップを通しての試料液の吸引及び試料容器外への吐出を行う機構を用いた試料吸引・吐出方法において、試料容器を立たせる状態にするステップと、吸引針を試料容器の空間部まで刺通させて吸引針を介し通気することにより外気と等圧にするステップと、吸引針を試料容器から抜くステップと、吸引針を洗浄するステップと、吸引針を試料液に位置付けして所定量の試料液を吸引するステップと、吸引針を試料容器から抜くステップと、試料液を吸引針から吐出するステップとを有する。吸引針の通気時の汚れが洗浄される。
【0006】
または、請求項2により、試料容器を立たせる状態にするステップと吸引針を試料容器の空間部まで刺通させて吸引針を介し通気することにより外気と等圧にするステップと、吸引針を試料液に位置付けして所定量の試料液を吸引するステップと、吸引針を試料容器から抜くステップと、吸引針の外周面を洗浄するステップと、試料を吸引針から吐出するステップとを有する。吸引針の試料吸引時の外周面の汚れが洗浄される。
【0007】
または、請求項3により、試料容器を立たせる状態にするステップと、吸引針を試料容器の空間部まで刺通させて吸引針を介し通気することにより外気と等圧にするステップと、吸引針を試料容器から抜くステップと、吸引針を洗浄するステップと、吸引針を試料液に位置付けして所定量の試料液を吸引するステップと、吸引針を試料容器から抜くステップと、吸引針外周を洗浄するステップと、試料を吸引針から吐出するステップとを有する。吸引針の通気時及び試料吸引時の吸引針の内部及び外周面の汚れが洗浄される。
【0008】
または、請求項4により、試料容器を立たせる状態にするステップと、吸引針を試料容器の空間部まで刺通させて吸引針を介して通気することにより外気と等圧にするステップと、吸引針を試料容器から抜くステップと、吸引針を洗浄するステップと、吸引針を試料液に位置付けして所定量の試料液を吸引するステップと、吸引針を試料容器から抜くステップと、吸引針外周面を洗浄するステップと、試料液を吸引針から吐出するステップと、所定量の希釈液を吐出するステップとを有する。この際、吸引針外周面の洗浄と共に、試料液の吐出に次いで希釈液を吐出することにより、所定倍率で希釈された試料が得られる。これらの方法において、短い吸引針を使用可能にするには、請求項5により、試料容器を立たせる状態にするステップにおいて、試料容器を倒立状態にする。
【0009】
試料吸引・吐出装置の吸引針の搬送機構を省スペース、かつ簡単な構成で実現するには、請求項6により、試料液をキャップで密閉された管状の試料容器を容器ホルダで保持し、吸引針がキャップを通して試料容器の試料吸引位置及び空間部の外気への通気位置並びに容器ホルダ外の試料吐出位置に搬送機構により移動させられるようになった試料吸引・吐出装置において、搬送機構は、モータで回転駆動される垂直方向のねじ軸と、ねじ軸に螺合したナットに設けられ、かつねじ軸と平行なガイドレールに昇降可能にガイドされる昇降基台と、この昇降基台に昇降可能にガイドされ、かつ昇降基台よりも裏側の離反位置を占めるようにばねで裏側へ付勢されたラックと、このラックに噛合し、かつ吸引針の基端部を回転駆動する歯車とを備え、昇降基台の昇降により、吸引針が試料吸引位置、通気位置及び容器ホルダに設けた洗浄室内の洗浄位置へ移動し、さらに吸引針が容器ホルダを脱出した時点でラックのばね付勢方向の移動をストッパにより拘束した状態で昇降基台をさらに昇降させることによりラックで回転駆動される歯車により、吸引針を昇降位置および側方の試料吐出位置間で往復回転させる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4を基に本発明の実施の形態の一例による試料吸引・吐出装置を説明する。この試料吸引・吐出装置は、図1及び図3に示すように、フレーム39に構成され、試料容器8を倒立状態で保持する容器ホルダ20及び吸引針1の搬送機構30を備えている。容器ホルダ20は、管状の試料容器8を挿入させる内部空間を備え、下端部に試料容器8のキャップ9を着座させる洗浄具10を着脱自在に嵌入させる嵌合溝22が形成され、上端部に試料容器8を上方から押圧するように開閉されるスライド式の蓋21を備えている。
【0011】
洗浄具10は、洗浄具本体10aの先端部の嵌合穴11にリング状パッキン12を介して蓋10bの裏面の突出部19が嵌合して組み立てられる。この組み立て状態で、洗浄具本体10a及び蓋10bの両側には、嵌合溝22に嵌入するフランジ部10cが形成される。洗浄具本体10aには、吸引針1の試料容器8内への垂直方向からの侵入をガイドする断面円形のガイド孔13が形成され、一方蓋10bには試料容器8のキャップ9を着座させるように隆起した着座部14及びガイド孔13と同軸状のガイド孔13aが形成されている。ガイド孔13の先方には、同軸状の嵌合穴11に向けて内径が徐々に大きくなる逆円錐部17aを有する洗浄室17が形成されている。その先端部分には、吸引針1の外周面を洗浄するために中心から水平側方へずれた方向を向いた洗浄液の吐出口15を周面に備え、かつ細管15bが後続した流路15aが形成されている。
【0012】
ガイド孔13の洗浄室17を部分的に構成する上部には、洗浄液を排液する吸引口16を備えた流路16aが形成され、細管16bが後続している。ガイド孔13の内径は、吸引針1との周囲に吸引により洗浄液を通すことができるが、表面張力により下方へ漏れることがない程度の隙間を生じるように設定されている。細管16bには、負圧により洗浄液を吸引する容量タンクを備えたローラポンプ等の吸引ポンプが接続し、一方細管15bには、圧送量が吸引量より多くなるように洗浄液を圧送するシリンジポンプが接続する。尚、洗浄液が吸引及び圧送には定常流が望ましい。
【0013】
洗浄具10のガイド孔13より基端側には、側方の試料吐出位置を向いて開口し、かつガイド孔13に対する吸引針1の侵入及び回動をガイドするガイド部18が形成されている。このガイド部は、ガイド孔13の周面の延長面上に在る昇降ガイド面18aと、試料吐出位置からの回動をガイドするように、昇降ガイド面18aから側方へ向けてV字形に徐々に幅広になる回動ガイド面18b(図2参照)と、ガイド孔13及び昇降ガイド面18a間に介在して昇降ガイド面18aよりも試料吐出位置と反対側側方へ階段状に後退した後退面18cとを備えている。
【0014】
搬送機構30は、ステップモータ31の取付け台及びフレーム基部39a間に回転自在に垂直方向へ支持され、かつステップモータ31で回転駆動される垂直方向のねじ軸32と、このねじ軸に螺合したボールナット33に取付けられ、かつねじ軸32と平行なガイドレール34に昇降可能にガイドされる昇降基台35とを備えている。
【0015】
この昇降基台の表側にはラック36が載置され、そのT字形に形成された両側のスライド部36aが、両側のガイド板37にラック36が昇降基台35を横断して昇降可能にガイドされている。ラック36には、吸引針1を回転駆動するようにガイド板37に軸支されたシャフト44に取付けられた歯車40が噛合している。ラック36及び昇降基台35間には、ラック36を昇降基台35よりも裏側の離反位置へ引張り付勢するばね38が装着されている。フレーム基部39aはラック36のストッパとして機能し、ラック36に対するばね付勢方向の移動の拘束状態で昇降基台35がさらに下降し、次いで上昇することにより停止状態のラック36に噛合した歯車40が回転し、吸引針1は垂直方向の昇降ガイド面18a及び試料吐出位置間で往復回動する。
【0016】
吸引針1の基端部には、試料液の吸引・吐出用に生食水が充填され、さらにこの生食水を吸引針1を通じて吸引又は吐出する細管が着脱自在に装着されるジョイントを備え、かつねじ挿通孔2aを備えたヘッド2が設けられている。シャフト44の先端部には、ヘッド2の係合部分2bを着脱自在に嵌入させる嵌合穴43を備えた係合基部42が取付けられている(図4参照)。これにより、ヘッド2は、嵌合穴43に係合部分2bを着脱自在に嵌入され、ねじ挿通孔2aを通してねじ止されて係合基部42に着座する。
【0017】
ステップモータ31には、吸引針1を試料容器8の空間部の通気位置、僅かに下方の血液試料の吸引位置、さらに僅かに下方の洗浄位置及びガイド孔13から脱出した垂直方向の昇降位置でシャフト44(図3参照)を支点として側方の試料吐出位置にそれぞれ所定の停止時間を伴って順に移動するように、回転位置を制御するタイマ及びCPU利用の制御回路が付属している。但し、ステップモータに限らず、ロータリエンコーダ又は昇降位置を検知する位置センサを用いて通常のモータで制御することも可能である。この制御回路は、吸引針1の内部及び外周面の洗浄装置も吸引針1の昇降に同期したタイミングで作動させる。
【0018】
このように構成された試料吸引・吐出装置の動作を図4を参照して説明する。高さ約8cm、外径15mmの管状の試料容器8に血液試料を例えば高さ3cm程度に真空採取し、倒立状態で容器ホルダ20にセットしてキャップ9を着座部14に当接させて上方から蓋21で押圧しておく。以下、ステップモータ31がプログラムされた回転方向、停止時間及び停止位置に従って回転し、先ず吸引針1がガイド孔13、13aを通つてキャップ9を刺通して血液試料の上方の空間部の所定の通気位置に上昇し、ヘッド2を通して通気して外気と等圧にする(同図A)。
【0019】
昇降台35は、吸引針1を試料容器1及び洗浄具10から抜くように下降し、ラック36の下端面をフレーム基台39aへ拘束させた状態で所定量さらに下降することにより、吸引針1を斜め下方へ回動させた回動位置で容器7から吸引針1へ生食水を吸引させて吸引針1内を洗浄する(同図B)。
【0020】
昇降台35が上昇し、その過程でばね38によりラック36を徐々に昇降台35に対して相対的に下降させて吸引針1を昇降ガイド面18aに復帰させると共に、さらに上昇してキャップ9を刺通して吸引位置ヘ停止し、所定量の血液試料を吸引する(同図C)。試料容器8の倒立により、血液試料が少量であっても又吸引により減少しても上方の空間部を通気させ得る程度の短い吸引針1で吸引できる。
【0021】
昇降台35が僅かに下降し、吸引針1の先端部を僅かに下方の洗浄室17内へ洗浄位置に停止させ、吐出口15から洗浄液を吐出させ、その旋回流で吸引針1の外周面を洗浄して吸引口16から吸引させる。ガイド孔13及び吸引針1間の隙間は僅かであり、洗浄液は表面張力によりガイド孔13に保持され、しかも階段状に後退した後退面18cが隣接することにより、昇降ガイド面18aに伝わることなく確実に表面張力が生じ、洗浄液は下方へ漏れることはない(同図D)。洗浄具10は容器ホルダ20に対して着脱自在であることにより、必要により取り外して洗浄することができる。
【0022】
さらに下降して、同図Bと同一の回動位置である試料吐出位置への回動で、容器7aに血液試料の吐出を行う(同図E)。図4Eの過程において、試料液の吐出後に希釈液を吐出して所望の希釈率の試料液を調製しても良い。
【0023】
尚、前述の実施の形態に代えて、試料容器8を正立状態で保持し、洗浄具も反転させて、昇降基台を下降させることにより吸引針を上方から試料容器に刺し込むこともできる。この場合、吸引針は吸引過程での液面低下も配慮して長くする必要がある。また、洗浄室は試料容器8への液漏れを確実に防止するために、逆円錐状に形成することなく、ガイド孔と同一内径もしくは僅かに大きめの円筒状にする。試料吐出もしくは吸引針内の洗浄位置での回動は、昇降台の上昇に伴って吸引針を下方へ回動させる必要があるために、ラックに噛合する歯車に反転用の歯車を追加して噛合させる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項4の発明によれば、吸引針の内部或は外周面の洗浄により、試料汚れ、或は測定誤差を少なくできる。請求項5の発明によれば、吸引針を短縮でき、吸引針のガイドも容易となる。
【0025】
請求項6の発明によれば、吸引針の昇降及び回動がモータを用いて簡単、かつコンパクトな構成で行われる。請求項7の発明によれば、試料容器を倒立状態で保持する試料吸引・吐出装置により、吸引針を短縮して吸引針の移動ストロークが短縮され、吸引針のガイドも容易となる。洗浄室を逆円錐状に形成して洗浄液の旋回流を発生させることにより、吸引針の外周面の洗浄を所定流量の洗浄液で効率良く行うことができる。ガイド孔に後退面が続くことにより、ガイド孔から昇降ガイド面を伝わって洗浄液が垂れることなく表面張力でガイド孔に確実に保持される。モータでねじ軸を回転駆動して試料吸引位置、通気位置及び洗浄位置への昇降及び側方の試料吐出位置への回動を行わせる省スペースの搬送機構が簡単に構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による試料吸引・吐出装置の洗浄具を示すもので、同図Aはその断面図、同図Bはその本体部分の平面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 同試料吸引・吐出装置の搬送機構の斜視図である。
【図4】 同試料吸引・吐出装置の動作を原理的に説明する図である。
【符号の説明】
1 吸引針
2 ヘッド
8 試料容器
9 キャップ
10 洗浄具
13、13a ガイド孔
17 洗浄室
18 ガイド部
18a 昇降ガイド面
18b 回動ガイド面
18c 後退面
20 容器ホルダ
30 搬送機構
31 ステップモータ
32 ねじ軸
33 ボールナット
35 昇降基台
36 ラック
38 ばね
40 歯車

Claims (7)

  1. 試料液を採取してキャップで密閉された試料容器から吸引針によるキャップを通しての試料液の吸引及び試料容器外への吐出を行う機構を用いた試料吸引・吐出方法において、
    試料容器を立たせる状態にするステップと、吸引針を前記試料容器の空間部まで刺通させて前記吸引針を介し通気することにより外気と等圧にするステップと、前記吸引針を前記試料容器から抜くステップと、前記吸引針を洗浄するステップと、前記吸引針を試料液に位置付けして所定量の前記試料液を吸引するステップと、前記吸引針を前記試料容器から抜くステップと、前記試料液を前記吸引針から吐出するステップと、を有することを特徴とする試料吸引・吐出方法。
  2. 試料液を採取してキャップで密閉された試料容器から吸引針によるキャップを通しての試料液の吸引及び試料容器外への吐出を行う機構を用いた試料吸引・吐出方法において、
    試料容器を立たせる状態にするステップと、吸引針を前記試料容器の空間部まで刺通させて前記吸引針を介し通気することにより外気と等圧にするステップと、前記吸引針を試料液に位置付けして所定量の前記試料液を吸引するステップと、前記吸引針を前記試料容器から抜くステップと、前記吸引針の外周面を洗浄するステップと、前記試料を前記吸引針から吐出するステップと、を有することを特徴とする試料吸引・吐出方法。
  3. 試料液を採取してキャップで密閉された試料容器から吸引針によるキャップを通しての試料液の吸引及び試料容器外への吐出を行う機構を用いた試料吸引・吐出方法において、
    試料容器を立たせる状態にするステップと、吸引針を前記試料容器の空間部まで刺通させて前記吸引針を介し通気することにより外気と等圧にするステップと、前記吸引針を前記試料容器から抜くステップと、前記吸引針を洗浄するステップと、前記吸引針を試料液に位置付けして所定量の前記試料液を吸引するステップと、前記吸引針を前記試料容器から抜くステップと、前記吸引針外周を洗浄するステップと、前記試料液を前記吸引針から吐出するステップと、を有することを特徴とする試料吸引・吐出方法。
  4. 試料液を採取してキャップで密閉された試料容器から吸引針によるキャップを通しての試料液の吸引及び試料容器外への吐出を行う機構を用いた試料吸引・吐出方法において、
    試料容器を立たせる状態にするステップと、吸引針を前記試料容器の空間部まで刺通させて前記吸引針を介して通気することにより外気と等圧にするステップと、前記吸引針を前記試料容器から抜くステップと、前記吸引針を洗浄するステップと、前記吸引針を試料液に位置付けして所定量の前記試料液を吸引するステップと、前記吸引針を前記試料容器から抜くステップと、前記吸引針外周面を洗浄するステップと、前記試料液を前記吸引針から吐出するステップと、所定量の希釈液を吐出するステップと、を有することを特徴とする試料吸引・吐出方法。
  5. 試料容器を立たせる状態にするステップにおいて、前記試料容器を倒立状態にすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の試料液吸引・吐出方法。
  6. 試料液を採取してキャップで密閉された管状の試料容器を容器ホルダで保持し、吸引針がキャップを通して試料容器の試料吸引位置及び空間部の外気への通気位置並びに容器ホルダ外の試料吐出位置に搬送機構により移動させられるようになった試料吸引・吐出装置において、
    搬送機構は、モータで回転駆動される垂直方向のねじ軸と、前記ねじ軸に螺合したナットに設けられ、かつ前記ねじ軸と平行なガイドレールに昇降可能にガイドされる昇降基台と、この昇降基台に昇降可能にガイドされ、かつ前記昇降基台よりも裏側の離反位置を占めるようにばねで裏側へ付勢されたラックと、このラックに噛合し、かつ吸引針の基端部を回転駆動する歯車とを備え、
    前記昇降基台の昇降により、前記吸引針が前記試料吸引位置、通気位置及び容器ホルダに設けた洗浄室内の洗浄位置へ移動し、さらに前記吸引針が前記容器ホルダを脱出した時点でラックのばね付勢方向の移動をストッパにより拘束した状態で前記昇降基台をさらに昇降させることにより前記ラックで回転駆動される前記歯車により、前記吸引針を昇降位置および側方の試料吐出位置間で往復回転させることを特徴とする試料吸引・吐出装置。
  7. 試料液を採取してキャップで密閉された管状の試料容器を容器ホルダで保持し、吸引針がキャップを通して試料容器の試料吸引位置及び空間部の外気への通気位置並びに容器ホルダ外の試料吐出位置に搬送機構により移動させられるようになった試料吸引・吐出装置において、
    容器ホルダが試料容器を倒立状態で保持すると共に、吸引針の前記試料容器内への侵入をガイドする断面円形のガイド孔及びその先方に連続して前記吸引針の外周面を洗浄する逆円錐部を有する洗浄室が形成された洗浄具を備えると共に、前記逆円錐部の先端部に、その中心から側方へずれた方向を向いた洗浄液の吐出口を設け、前記洗浄室の基端部に吸引口を設け、
    また前記洗浄具の前記ガイド孔より基端側に、前記吸引針の移動をガイドするガイド部を形成すると共に、このガイド部が、試料吐出位置側を向いて開口し、かつ前記ガイド孔の周面の延長面上に位置して前記ガイド孔への前記吸引針の侵入をガイドする昇降ガイド面と、前記試料吐出位置から前記昇降ガイド面への回動をガイドするように、前記昇降ガイド面から側方へ向けて徐々に幅広になる回動ガイド面と、前記ガイド孔及び前記昇降ガイド面間に介在して前記試料吐出位置側を向いて開口し、かつ前記昇降ガイド面よりも前記試料吐出位置側と逆の側方へ後退した後退面とを備え、
    搬送機構が、モータで回転駆動される垂直方向のねじ軸と、このねじ軸に螺合したナットに設けられ、かつ前記ねじ軸と平行なガイドレールに昇降可能にガイドされる昇降基台と、この昇降基台に昇降可能にガイドされ、かつ前記昇降基台よりも裏側の離反位置を占めるようにばねで裏側へ付勢されたラックと、このラックに噛合し、かつ前記吸引針の基端部を回転駆動する歯車とを備え、
    前記昇降基台の昇降により、前記吸引針が前記試料吸引位置、通気位置及び前記洗浄室内の洗浄位置へ移動し、さらに前記吸引針が前記容器ホルダを脱出した時点で前記ラックの前記ばね付勢方向の移動をストッパにより拘束した状態で前記昇降基台をさらに昇降させることにより前記ラックで回転駆動される前記歯車により、前記吸引針を前記昇降位置及び側方の前記試料吐出位置間で往復回動させることを特徴とする試料吸引・吐出装置。
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