JPH084617Y2 - サンプリング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、血球計数装置等に装備されるサンプリン
グ装置に係り、特に、真空採血管を一本づつセットして
該真空採血管内から血液を吸引するサンプリング装置に
関する。

〔従来技術とその課題〕

血液を簡便に採取するものとして真空採血管が従来か
ら多く用いられているが、この真空採血管を用いて血液
採取を行なった場合には、採血後であっても、採血管内
が負圧である場合がままあるのが現状である。

このような負圧状態の真空採血管を、そのまま、例え
ば、血球計数装置等にセットして血液を吸引する場合に
は、次のような問題がある。

即ち、血球計数装置等に装備されている吸引ニードル
は、一般に、その内部が洗浄水で充填されている。

このため、真空採血管から血液を吸引ニードルで所要
量吸引する場合、真空採血管が負圧状態のため、上記洗
浄水が真空採血管内に吸引されて血液が洗浄水で希釈さ
れてしまうという問題を有し、また、真空採血管内の負
圧力によっては、吸引ポンプの吸引力が大幅に減衰され
て血液の吸引が不十分となる、等の問題を有していた。

この考案は、かかる現状に鑑み創案されたものであっ
て、その目的とするところは、真空採血管内から血液を
吸引するときに、該真空採血管内のエアー抜きを同時に
行なうことができ、しかも、該真空採血管に対する血液
の吸引・エアー抜きを、採血管ホルダにセットされた一
本の真空採血管毎に行うことで、血液吸引作業ミスを確
実に防止することができる安全かつ構成簡易なサンプリ
ング装置を提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、この考案に係るサンプリン
グ装置にあっては、採血された真空血管がセットされる
採血管ホルダと、この採血管ホルダを採血管挿入位置か
ら血液吸引位置まで回動させる軸と、血液吸引位置にお
いて真空採血管内から血液を吸引する吸引ニードルと、
この吸引ニードルに近接して配設され真空採血管内と外
気とを連通させる真空ブレーク針と、上記吸引ニードル
及び真空ブレーク針を昇降動する昇降装置と、上記真空
ブレーク針内に挿通された目詰まり防止針と、上記血液
の吸引作業が終了した後に吸引ニードルの洗浄を行なう
洗浄装置と、を有して構成したことを特徴とするもので
ある。

〔作用〕

それ故、この考案に係るサンプリング装置にあって
は、先ず、一本の真空採血管を採血管ホルダにセットし
た後、該採血管ホルダを軸を支点として回動して真空採
血管が血液吸引位置の真下にくるようにセットする。

このようにして真空採血管が血液吸引位置の真下にセ
ットされると、吸引ニードルと真空ブレーク針が下降し
て真空採血管に嵌着されたゴム栓を夫々突き刺し、真空
ブレーク針は真空採血管内を外気と等圧とする一方、吸
引ニードルは、真空採血管内の血液内に浸漬され、血液
を所要量吸引するように構成されている。

また、上記血液の吸引作業が終了した後、昇降装置が
逆作動して上記吸引ニードルと真空ブレーク針とを上昇
させる。このとき、吸引ニードルは洗浄装置によって洗
浄されるように構成されていると共に、真空ブレーク針
は、目詰まり防止針によってその目詰まりが防止され
る。

〔実施例〕

以下、添付図面に示す一実施例に基きこの考案を詳細
に説明する。

第１図乃至第３図に示すように、この実施例に係るサ
ンプリング装置Ａは、採血された真空採血管３がセット
される採血管ホルダ30と、この採血管ホルダ30を採血管
挿入位置ａから血液吸引位置ｂ（第３図参照）まで回動
させる軸31と、血液吸引位置ｂにおいて真空採血管内３
から血液を吸引する吸引ニードルＰと、この吸引ニード
ルＰに近接して配設され真空採血管３内と外気とを連通
させる真空ブレーク針10と、上記吸引ニードルＰ及び真
空ブレーク針10を昇降動する昇降装置40と、上記真空ブ
レーク針10内に挿通された目詰まり防止針20と、上記血
液の吸引作業が終了した後の吸引ニードルＰの洗浄を行
なう洗浄装置50と、を有して構成されている。

真空採血管３は、従来のものと同様に構成されてお
り、その上部開口には、栓４が嵌装され真空採血管３内
を密封している。

真空採血管３が立設される採血管ホルダ30は、第３図
に示すように、前記採血管ホルダ30を回動自在に支持す
る軸31と、１本の真空採血管３が収納される保持孔32
と、採血管ホルダ30が所定の血液吸引位置ｂにセットさ
れているか否かを検知するセンサー33と、から構成され
ている。内、図中符号35は、把手である。

このセンサー33は、採血管ホルダ30が所定の血液吸引
位置ｂに正しくセットされているか否かを検知するもの
で、採血管ホルダ30が所定の血液吸引位置ｂに正しくセ
ットされていない場合には、吸引ニードルＰの昇降動は
停止され、かつ、吸引ニードルＰが作動している場合に
は、直ちにその作動が停止されるように構成されてい
る。この場合の吸引ニードルＰのリセットは、第１図に
示すINTスイッチ34のオンにより行なわれる。尚、上記I
NTスイッチ34は、上記作用の他に、本実施例に係るサン
プリング装置Ａの『初期化』をも行なうことができるよ
うに構成されている。

吸引ニードルＰは、昇降装置40を介して昇降案内させ
るもので、この吸引ニードルＰの最下降位置は、真空採
血管３の内底面より若干上方に位置するようにセンサー
41により下降制御されている。

また、上記吸引ニードルＰは、その上端が、図示はし
ないが、洗浄装置50の水槽に連通接続されており、切換
バルブを介して内部に洗浄水が供給され内部洗浄を行な
うことができるように構成されている。この場合、洗浄
後の洗浄水は、例えば、採血管ホルダ30を採血管挿入位
置ａへと回動したときに現われる洗浄トラフ51（第３図
参照）へと排水される。

昇降装置40は、第１図に示すように、前記センサー41
と、吸引ニードルＰの最上昇位置に配設されたセンサー
42と、吸引ニードルＰ及び前記真空ブレーク針10が保持
されたアーム43と、このアーム43を昇降自在に案内する
レール部材44と、上記アーム43をレール部材44に沿って
昇降させる駆動装置（図示せず）と、から構成されてい
る。

真空ブレーク針10は、金属または硬質分成樹脂などで
パイプ状に形成されており、第２図に示すように、その
上端部が前記アーム43の下面に固着されていると共に、
その先端部長手方向には、第４図に示すように、外気と
連通する小孔10a,10bが離間して開設されており、該真
空ブレーク針10が真空採血管３の栓４に突き刺されたと
きに、上記小孔10aが真空採血管３内と連通し、かつ、
小孔10bが外気と連通して、真空採血管３内のエアー抜
きを行なうように構成されている。このとき、昇降装置
40は、真空ブレーク針10の先端が血液に接触しないよう
に駆動制御される。

真空ブレーク針10の通気路に挿通される目詰まり防止
針20は、その外径が真空ブレーク針10の通気路の内径よ
り若干小さな線材で形成されており、その上端部は前記
アーム43の貫通孔45に挿通されていると共に、その上端
が、サンプリング装置Ａの基体の固着された支持体21に
固定されていると共に、その下端部20aは丸く形成され
ている。

また、上記目詰まり防止針20の長さは、前記真空ブレ
ーク針10の長さより若干長く形成されており、真空ブレ
ーク針10が最上昇位置ULまで上昇したときには、第５図
に示すように、該目詰まり防止針20の下端部20aが真空
ブレーク針10の下端部10aから下方へ突出するように構
成されている。

このように構成された目詰まり防止針20は、真空ブレ
ーク針10が最下降位置まで下降したときには、第６図に
示すように、その下端部20aが真空ブレーク針10の上端
部に若干挿通されている状態を保持する長さを有して構
成されており、これにより、目詰まり防止針20が真空ブ
レーク針10から濫りに抜け出すことがないように構成さ
れている。

洗浄装置50は、前記吸引ニードルＰの内面を洗浄する
洗浄系と、吸引ニードルＰの外面を洗浄する洗浄系と、
から構成されている。

この吸引ニードルＰの外面を洗浄する洗浄系は、第１
図と第７図に示すように、吸引ニードルＰが昇降する際
に挿通されるニードル挿通路52と、この垂直に貫通形成
されたニードル挿通路孔52と連通接続された洗浄水供給
路53と、この洗浄水供給路53の下方に開設され前記ニー
ドル挿通路孔52と連通接続された洗浄水排水路54と、か
ら構成されており、これら各ニードル挿通路孔52,洗浄
水供給路53及び洗浄水排水路54は、洗浄ブロック本体55
に夫々開設されている。

また、上記ニードル挿通路52の上下端部には、第７図
に示すように、Ｏリング56が夫々配設されており、この
Ｏリング56は、吸引ニードルＰの進退は許容するが、ニ
ードル挿通路52内の洗浄水が洗浄ブロック本体55の外部
へと漏出するのを防止するように構成されている。

それ故、洗浄水は、本サンプリング装置Ａの外部に設
置された水槽から洗浄水供給路５棧からニードル挿通路
52へと導入され、血液吸引作業が終了した吸引ニードル
Ｐが、このニードル挿通路52を通って上昇する間に、該
吸引ニードルＰの外面を洗浄し、この洗浄により汚染さ
れた洗浄水は、洗浄水排水路54から本サンプリング装置
Ａの外部へと圧送される。勿論、この考案では、上記吸
引ニードルＰをニードル挿通路52内で一時停止させ、こ
の停止の間に洗浄作業を行なうように構成することもで
きる。

尚、第１図中符号５は信号ケーブルを、６は電源ケー
ブルを、７はスタートスイッチを、８はストップスイッ
チを、第２図中符号９を電源スイッチを夫々示してい
る。

次に、以上のように構成されたサンプリング装置Ａに
よって、真空採血管３内血液を吸引する場合について説
明する。

先ず、採血管ホルダ30を軸31を支点として手前側へと
引き出し、採血管挿入位置ａにセットする。

次に、採血管ホルダ30の保持孔32に真空採血管３を１
本セットした後、採血管ホルダ30を血液吸引位置ｂへと
押し込みセットする。このとき、センサー33は、採血管
ホルダ30が所定の位置にセットされているか否かを検知
し、所定の位置にセットされている場合には、昇降装置
40に信号が送られるため、吸引ニードルＰ及び真空ブレ
ーク針10が最下降位置まで下降し、真空採血管３の栓４
に突き刺さる。このとき、吸引ニードルＰは、真空採血
管３内の血液中に浸漬され、かつ、真空ブレーク針10
は、その小孔10aが真空採血管３内と連通し、かつ、小
孔10bが外気と連通して、真空採血管３内のエアー抜き
を行なう。

このようにしてエアー抜き作業を終了した真空ブレー
ク針10及び血液の吸引作業を終了した吸引ニードルＰ
は、アーム43の上昇によって最上昇位置ULまで上昇す
る。この上昇の途中において、吸引ニードルＰの内外面
に付着した血液は、洗浄装置50によって前記手順によっ
て洗浄され、また、真空ブレーク針10の空気路内に付着
した血液は、目詰まり防止針20によって下方へ押し出さ
れ、その目詰まりが防止される。

尚、この考案にあっては、前記スイッチの他に、マニ
ュアル切換スイッチ及び吸引ニードルＰのマニュアル上
下スイッチを別途配設して、手作業によっても吸引・真
空ブレーク・目詰まり防止の各作業を行なうことができ
るように構成することもできること勿論である。

〔考案の効果〕

この考案に係るサンプリング装置は、以上説明したよ
うに、１本の真空採血管に対する吸引ニードルによる血
液採取と、真空ブレーク針によるエアー抜きとを同時に
行なうことができると共に、真空ブレーク針内に詰まっ
た血液を目詰まり防止針によって押し出すように構成し
たので、血液吸引作業を簡易かつ確実に行なうことがで
き、安全である他、構成が簡易なため兼価に提供するこ
とができる等、幾多の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係るサンプリング装置の
概略的構成を示す正面図、第２図は同サンプリング装置
の側面図、第３図は同サンプリング装置の採血管ホルダ
の部分を示す平面図、第４図は真空ブレーク針の下端部
の構成を示す正面図、第５図は真空ブレーク針が最上昇
位置にセットされた状態を示す断面図、第６図は真空ブ
レーク針が真空採血管に突き刺された状態を一部切断し
て示す断面図、第７図は洗浄ブロック本体の断面図であ
る。 〔符号の説明〕 Ａ…サンプリンブ装置 ａ…採血管挿入位置、ｂ…血液吸引位置 ３…真空採血管、Ｐ…吸引ニードル 10…真空ブレーク針、20…目詰まり防止針 30…採血管ホルダ、40…昇降装置 50…洗浄装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】採血された真空採血管がセットされる採血
   管ホルダと、この採血管ホルダを採血管挿入位置から血
   液吸引位置まで回動させる軸と、血液吸引位置において
   真空採血管内から血液を吸引する吸引ニードルと、この
   吸引ニードルに近接して配設され真空採血管内と外気と
   を連通させる真空ブレーク針と、上記吸引ニードル及び
   真空ブレーク針を昇降動する昇降装置と、上記真空ブレ
   ーク針内に挿通された目詰まり防止針と、上記血液の吸
   引作業が終了した後の吸引ニードルの洗浄を行なう洗浄
   装置と、を有して構成されてなるサンプリング装置。