JP3697532B2 - 原稿搬送装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ等、あるいは、その両機能を有する画像形成装置に付設される自動原稿搬送装置（ＡＤＦ）の構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、複写機やファクシミリ等、あるいは、その両機能を有する画像形成装置の上部には、自動原稿搬送装置（ＡＤＦ）が付設されている。
このＡＤＦの取込口にセットされた原稿は、始動操作により自動的にＡＤＦ内へ取り込まれ、搬送経路に沿ってＵターンし、読取位置であるプラテンガラス上を通過して、その画情報が読み取られ、該取込口の下方の排紙口より排出されていた。
この種のＡＤＦは原稿搬送経路に沿った幾つかのカバーに分割して構成され、原稿ジャム等が発生した場合、該カバーを開放して、メンテナンスを行う。
これらのカバーは原稿の搬送経路のガイド面を兼ねており、プラテンガラス上に設けられたガイドカバーと、プラテンガラスから排紙口まで原稿を案内する案内カバーと、給紙口からプラテンガラス付近まで原稿を案内する上部カバー等から成り、それぞれ別の軸に回動自在に取り付けられている。
また、これらのカバーには原稿を繰り送る搬送ローラが取り付けられ、該搬送ローラは、各カバーを閉じた状態で、原稿搬送経路に沿って適宜位置に配列される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記構成では、前記上部カバー、及び前記案内カバーを開放し、その下のガイドカバーを回動してプラテンガラス上方付近を開放するときに、該ガイドカバーを勢い余って必要以上に開放し、その上部を案内カバーに当てて、破損させてしまうこともあった。
また、この状態で案内カバーを閉じると、ガイドカバーの位置決めが不確実となり、ガイドカバーとプラテンガラスとの間で、間隔が一定にならないという問題もある。
【０００４】
また、ガイドカバーをトーションスプリング等で閉まる方向に付勢して、該ガイドカバーとプラテンガラスとの間隔を一定に保つ構成のＡＤＦでは、該トーションスプリングにより該ガイドカバーを開放し過ぎることはないものの、ガイドカバーを開放してプラテンガラス上方付近をメンテナンスする場合、トーションスプリングの復元力に抗して該ガイドカバーを一方の手で支えておく必要があり、片手での作業となって、なかなかし難いものであった。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用いるものである。
すなわち、請求項１記載の如く、プラテンガラス上に設けられた原稿のガイド部材と、プラテンガラスから排出トレイまで原稿を案内する案内部材とをそれぞれ別の軸に回動自在に取り付け、該ガイド部材と該案内部材とを連結具を介して連結し、該案内部材の回動に連動して該ガイド部材を回動させ、該ガイド部材をプラテンガラスと接離させるようにするとともに、該ガイド部材には弾性部材を取り付け、該案内部材には押圧部を設け、原稿搬送装置本体にはストッパを設けた構成とし、該案内部材を閉じたときには、該押圧部が該弾性部材を押圧して、該ガイド部材をプラテンガラス側へ押圧し、プラテンガラスとガイド部材との間隔を一定に保つ一方、該案内部材を開放したときには、該弾性部材が該ストッパに当接して、該ガイド部材の上方への回動を規制する。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、ファクシミリ装置１を参照しながら説明する。
図１はファクシミリ装置１の斜視図、図２はＡＤＦ２の斜視図、図３は同じく正面図、図４はＡＤＦカバー２１が閉じられた状態でのＡＤＦ２の側面図、図５はＡＤＦカバー２１を開放した状態でのＡＤＦ２の側面図、図６はＡＤＦカバー２１、及びインナーガイド２２・２３を開放した状態でのＡＤＦ２の側面図である。
【０００９】
尚、以下の説明では、図１における矢視Ｆ方向を前方として、各構造体の前後左右位置を説明する。また、その他の図面における各構造体の前後左右位置も図１に準ずるものとする。
【００１０】
図１及び図４に示すように、ファクシミリ装置１の上部一端には、原稿を自動的に読取装置へ給送する自動原稿搬送装置（以下「ＡＤＦ」）２が付設されている。
【００１１】
給紙トレイ３に載置された原稿は、一枚ずつ分離されてＡＤＦ２内の原稿搬送路９へと取り込まれ、プラテンガラス８位置で装置本体側の読取装置により原稿の画情報が読み取られた後に、排紙口２ｂから排出されて、排紙トレイ４上に積載される。そして、この読み取られた画情報は電気信号に変換され、電話線を介して相手先に送信される。
【００１２】
図２乃至図６に示すように、前記ＡＤＦ２は開放可能に構成され、原稿搬送路９で紙詰まりが発生した場合等、装置上方からのメンテナンスが可能に構成されている。
【００１３】
前記ＡＤＦ２は、原稿搬送路９のガイド面を形成するＡＤＦ本体２０、ＡＤＦカバー２１、インナーガイド２２・２３等の枠体と、該原稿搬送路９に沿って配置されるローラ３０・３１・３２・３３・３４・３５・３６・３７・３８・・・等から成り、該ＡＤＦカバー２１、及び該インナーガイド２２・２３は、ＡＤＦ本体２０に対して上下回動可能に取り付けられている。
【００１４】
ＡＤＦカバー２１はＡＤＦ本体２０後端部の回動支点軸２９で軸支され、一方のインナーガイド２２・２３はそれぞれその一端部を、ＡＤＦ本体２０両側方のフレーム２８・２８に軸支された前記ローラ３５・・の回転軸３５ａ・３９ａに係合させて、着脱自在な構成で取り付けられている。
【００１５】
また、他のローラ３０・３１・３２・３３・３４・３６・３７・３８・・・の転軸もＡＤＦ本体２０両側方のフレーム２８・２８に取り付けられており、こにより各ローラ３０・３１・３２・３３・３４・３５・３６・３７・３８・・・が一定位置に配置されて、原稿の送りムラを発生させず、精確に繰り送ることができる。
【００１６】
また、インナーガイド２２・２３とは、その両端で連結具２５・２５により連結され、インナーガイド２２を回動させると、連動してインナーガイド２３も回動する構成である。
【００１７】
前記連結具２５は、略釣り針状のプレートで、フック部２５ａと胴部２５ｂとから成り、該胴部２５ｂの内側面には孔部２５ｃが形成されている。
【００１８】
また一方、インナーガイド２２の両側面の後端部には凸起部２２ａが凸設され、また、インナーガイド２３の両側面の前端部には凸起部２３ａが形成されている。
【００１９】
そして、連結具２５の胴部２５ｂの孔部２５ｃをインナーガイド２３の凸起部２３ａに嵌め込み、そのフック部２５ａをインナーガイド２２の凸起部２２ａに引っ掛け、連結具２５・２５を介してインナーガイド２２・２３を連結する。
【００２０】
このような構成で、ＡＤＦ２内のメンテナンスをするときには、まず、図４に示すように、ＡＤＦカバー２１を開放し、そして、図５に示すように、インナーガイド２２を上方へ回動する。このとき、インナーガイド２２の凸起部２２ａと係合する連結具２５が引き上げられ、これにより該連結具２５と嵌合するインナーガイド２３も持ち上げられる。
【００２１】
こうして、容易にプラテンガラス８の上方付近が開放されて、装置上方からインナーガイド２２・２３の背面（下面）、並びにプラテンガラス８の上面を覗き込むことができ、ジャム処理や清掃等が容易に行うことができる。
【００２２】
ところが、この開放されたインナーガイド２２を閉めようとすると、時には連動して回動したインナーガイド２３が下がらないこともあり、インナーガイド２２を閉めたときにインナーガイド２３が確実に位置決めできるとは限らない。
【００２３】
そこで、本発明では、以下のような構成で、インナーガイド２３に弾性部材２６を取り付けている。
【００２４】
図３、及び図４に示すように、インナーガイド２２の後部を下方へ膨出させ、この膨出部２２ｃに対向する位置の、インナーガイド２３の両側部に弾性部材を取り付ける。該弾性部材には、例えば、板バネ２６・２６等を使用して、上下方向のの弾性変形が可能となるよう取り付けている。この構成においてインナーガイド２２を閉じた状態では、該インナーガイド２２の膨出部２２ｃの下面２２ｄによって、該板バネ２６・２６は下方へ押圧され、インナーガイド２３が位置決めされる。
【００２５】
こうして位置決めされたインナーガイド２３と、プラテンガラス８との間に形成される原稿搬送路９は狭くなり、該原稿搬送路９を通過する原稿の上下方向のブレが減少して、原稿の読取精度が向上する。
【００２６】
また、インナーガイド２２を開放する際には、その膨出部２２ｃによる板バネ２６・２６の押圧が解除され、圧縮されていた板バネ２６・２６の弾発力により該インナーガイド２２は跳ね上がり、その回動を手伝って、インナーガイド２２の開放操作が容易になる。
【００２７】
一方、図４に示すように、前記ローラ３５の回転軸３５ａの斜下方の、ＡＤＦ本体２０両側部にはストッパ２７・２７を配設する。
【００２８】
そうしてインナーガイド２２をさらに開放してインナーガイド２３を連動回動させる際、該ストッパ２７・２７に該インナーガイド２３の板バネ２６・２６が当接して、インナーガイド２３の上方への回動が規制される。
このとき、板バネ２６・２６によりインナーガイド２３はＡＤＦ本体２０には直接、当たらず、その衝撃が緩和されて、両部材２０・２３の破損が防止される。
【００２９】
また、インナーガイド２２を閉める際にも、該板バネ２６・２６によって該インナーガイド２２とインナーガイド２３との直接の衝突が回避され、両部材２２・２３の破損、及びプラテンガラス８の破損が防止される。
【００３０】
勿論、この板バネ２６・２６は、連結具２５・２５によりインナーガイド２２・２３を連結しない構成のＡＤＦ２にも効果があり、この場合は、インナーガイド２２を開放する際、圧縮されている板バネ２６・２６の反動により該インナーガイド２２が跳ね上がって、その開放操作が容易になり、また、該インナーガイド２２を閉める際には、該板バネ２６・２６によって該インナーガイド２２はインナーガイド２３に直接当たらず、両部材２２・２３の破損が防止される。
【００３１】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、以下のような効果を奏ずるものである。
すなわち、請求項１に記載の発明では、該ガイド部材がプラテンガラス上でしっかりと位置決めされるとともに、該ガイド部材と該プラテンガラスとの間に形成される原稿搬送路を一定の間隔に構成でき、この位置を通過する原稿の上下方向のブレが減少して、原稿の読取精度が向上する。
また、案内部材を開放する際には、その押圧部による弾性部材の押圧が解除されるや否や、該弾性部材の弾発力により該ガイド部材は跳ね上がり、その回動を手伝って、該案内部材の開放操作が容易になり、操作性が向上する。
そして、さらに案内部材を開放したときには、ストッパによって連動して回動するガイド部材と該ガイド部材の上方の部材との直接の衝突を回避することができ、両部材の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】ファクシミリ装置１の斜視図。
【図２】ＡＤＦ２の斜視図。
【図３】同じく正面図。
【図４】ＡＤＦカバー２１が閉じられた状態でのＡＤＦ２の側面図。
【図５】ＡＤＦカバー２１を開放した状態でのＡＤＦ２の側面図。
【図６】ＡＤＦカバー２１、及びインナーガイド２２・２３を開放した状態でのＡＤＦ２の側面図。
【符号の説明】
１ ファクシミリ装置
２ ＡＤＦ
８ プラテンガラス
２１ ＡＤＦカバー
２２ インナーガイド
２２ｃ 膨出部
２２ｄ 下面
２３ インナーガイド
２５ 連結具
２６ 板バネ
２７ ストッパ
３５ａ 回転軸
３９ａ 回転軸

Claims (1)

1. プラテンガラス上に設けられた原稿のガイド部材と、プラテンガラスから排出トレイまで原稿を案内する案内部材とをそれぞれ別の軸に回動自在に取り付け、該ガイド部材と該案内部材とを連結具を介して連結し、該案内部材の回動に連動して該ガイド部材を回動させ、該ガイド部材をプラテンガラスと接離させるようにするとともに、該ガイド部材には弾性部材を取り付け、該案内部材には押圧部を設け、原稿搬送装置本体にはストッパを設けた構成とし、該案内部材を閉じたときには、該押圧部が該弾性部材を押圧して、該ガイド部材をプラテンガラス側へ押圧する一方、該案内部材を開放したときには、該弾性部材が該ストッパに当接して、該ガイド部材の上方への回動を規制することを特徴とする原稿搬送装置。

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