JP3697282B2 - 静電荷像現像用一成分現像剤およびこの現像剤を用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための一成分現像剤およびこの現像剤を用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真においてはトナーのみからなる一成分現像剤で、光導電材料の表面に形成された静電潜像を可視化して画像を得る技術がアメリカ合衆国特許(USP)第3731146号およびUSP第2811465号に提案されている。この一成分現像方式においては、スリーブに規制ブレードを圧接し、その間隙をトナー粒子が通過することにより、スリーブ上に荷電トナーの薄層を形成する。
【0003】
このような静電潜像現像方法においては、用いられる現像剤の保存性(耐ブロッキング性)、搬送性、現像性、転写性、帯電性、定着性等の特性が重要である。今日まで数多くの改良手法が提案されている。その中の一つの手法としてトナーに流動化剤等を外添することが知られている。特開昭62−113158号公報には疎水性シリカ微粉末を、特開昭64−62667号公報には酸化チタン微粉末を、特開平3−45978号公報にはフッ素樹脂微粉末を現像剤に添加するという技術が提案されている。特開平6−208241号公報には通常の球状あるいは不定形と違い、針状形状の酸化チタンを使用する技術が提案されている。
【0004】
このような流動化剤を一成分現像方式に適用すると、疎水性シリカの添加系では、シリカ微粒子自体が強い負帯電性を示すために低温低湿下でのトナーの帯電上昇が問題となる。近年の高精彩、高画質化の要求が市場で高まるにつれてトナーの小径化への対応が不可欠である。粒径が細かくなると単位重量当たりの表面積の増加、さらに帯電量の上昇がおこり、そのため画像濃度低下や耐久劣化が懸念されることとなる。
【0005】
酸化チタン微粒子の場合、本来表面活性がシリカ等に比較して小さく疎水化は必ずしも十分ではなく環境変動によりトナーの流動性が大きく変化するため、安定した帯電性、搬送性、現像性を得られなくなり画像の劣化を招くという問題がある。疎水化処理剤を多量に使用したり、高粘性の処理剤等を使用して、疎水化率を無理に上げることも可能であるが、粒子同士の凝集等を生じ、かえって流動性付与能が低下する等の問題がある。
【0006】
また疎水化チタンだけでなく、疎水化シリカおよび樹脂微粒子を含め、それらの添加剤のトナーへの添加は、トナー粒子と添加剤の静電力あるいはファンデルワールス力によりトナー粒子表面に付着せしめるのが一般的であり、撹拌、混合機等が多く用いられている。
【0007】
しかしながら、このような従来知られている添加剤はトナー表面に均一に分散させることは容易ではないばかりか、トナー表面に未付着の添加剤同士が凝集する。その凝集物が遊離するのを防ぐことは困難であり、そのためトナーの摩擦帯電量が不安定となり、画像濃度が一定せず、カブリの多い画像となったり、連続コピー後の画質が不良になるなどの問題を有していた。針状形状の酸化チタンを使用することによりトナーへの付着性はある程度改善できるものの、トナーへの接触面の面積が小さく、やはり上述した問題を有する。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した事情に鑑みなされたものであり、温度あるいは環境の変化に影響されにくく、常に安定した帯電性、現像性等の特性を有する静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0008】
本発明はさらにキャリアスペントなどを防止し、カブリのない鮮明な画像特性を有し、かつ耐久安定性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は少なくとも着色剤と結着樹脂で構成されるトナーに、平均粒径5〜 40nm の薄片状の酸化チタン微粒子を外添したことを特徴とする静電荷像現像用一成分現像剤に関する。
【0010】
本発明のトナーに添加する酸化チタン(チタニア)は薄片状、別の表現をすれば偏平状であり、その特異的な形状により、トナーへの付着性、分散性が従来の微粒子と比較して極めて良好で、トナーに付着した微粒子が非常に離脱しにくい。そのためキャリアのスペントが防止され、安定した帯電を得られ、耐久性能が向上する。
【0011】
また良好な分散性のためトナーの表面改質効果が大きく、流動性向上および帯電の環境安定性にも良好な結果を与える。
【0012】
本発明に使用する酸化チタンは湿式法で製造可能であり、平均粒径5〜40nm、好ましくは5〜30nmを有し、好ましくは微粒子表面を水系中で疎水化処理したもの、またはさらにその後気相中で疎水化処理したものを用いることが望ましい。なお、チタンの平均粒径は電子顕微鏡写真による酸化チタン粒子の長径の平均値を示している。
【0013】
水系中での疎水化処理においては、チタン微粒子を一次粒子に分散させるために、機械的な力を加えているので、クロロシラン類や、ジシラザン類のようにガスを副生するような反応性に優れたカップリング剤を使用する必要もなく、気相中では酸化チタン粒子同志が合一して使用できない高粘性の処理剤も使用できる。したがって処理剤としては、カップリング剤、オイル、ワニス、有機化合物等あらゆるものが使用できる。
【0014】
好ましく使用されるカップリング剤としてはシランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられ、特に好ましく用いられるのは、シランカップリング剤であり、一般式:
R1m1SiY1n1[式中、R1はアルコキシ基、m1は1〜3の整数、Y1はアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基を含む炭化水素基、n1は1〜3の整数]で表されるものであり、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0015】
その使用量は、チタン微粒子100重量部に対して、1〜40重量部好ましくは3〜30重量部である。
【0016】
本発明に用いられる、シリコンオイルとしては、特に制約はないが一般式
【化1】
で表されるジメチルポリシロキサンタイプ、一般式
【化2】
で表されるメチルハイドロジエンポリシロキサンタイプ、一般式
【化3】
で表されるメチルフェニルポリシロキサンタイプ等が使用できる。さらに必要に応じて、アルキル変性、アミノ変性、エポキシ変性、エポキシ・ポリエーテル変性、カルボキシル変性、メルカプト変性、アルコール変性、フッ素変性等を行ってもよい。
【0017】
本発明において水系中で処理したチタンを気相中で処理するのに用いられるシランカップリング剤は一般式R4m3SiY2n5[式中、R4はアルコキシ基又は、塩素原子、m3は1〜3の整数、Y2はアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基を含む炭化水素基、n5は3〜1の整数]で表されるもので例えば代表的にはジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、アルリジメチルクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン等を挙げることができる。
【0018】
上記微粉体のシランカップリング剤処理は、微粉体を撹拌等によりクラウド状としたものに気化したシランカップリング剤を反応させる乾式処理を採用することができる。
【0019】
本発明の流動化剤が外添されて使用される一成分現像剤用トナーは少なくとも結着樹脂および着色剤からなる。
【0020】
結着樹脂としては一成分現像剤用の各種熱可塑性樹脂が使用可能である。例えば、ポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・アクリル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体のようなエチレン系共重合体、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸系樹脂等である。また、いずれの樹脂もその製造方法などは特に制約されるものではない。
【0021】
これらの結着樹脂の中でも、耐熱性、定着性、帯電性、強靭性の観点から、ガラス転移点(Tg)が60〜80℃、フローテスターによる軟化温度(Tm)が110℃〜170℃、不溶成分(ゲル成分)が10〜40重量%含有されているポリエステル樹脂を使用することが好ましい。
【0022】
ガラス転移点が60℃より低く、あるいは軟化点が110℃より低ければ、得られるトナーが耐熱性に劣り、トナー薄層規制部でのトナー固着が生じやすくなる。ガラス転移点が80℃より高く、軟化点が170℃より高いと、得られるトナーの定着性が悪くなる。
【0023】
不溶成分の量が40重量%より多いと、得られるトナーの定着性が劣り、10重量%より少ないと、トナーの強靭さが不足する結果となる。特に、不溶成分として得られる物質が、1000000以上の分子量を有するものが認められるようにすれば、本発明の効果がより顕著となる。
【0024】
本発明のトナーは従来から知られている方法、例えば上記結着樹脂、着色剤に加え、オフセット防止剤、荷電制御剤およびその他の所望の添加剤を所定量添加して混合、混練したあと、粉砕、分級することにより平均粒径6〜14μm、好ましくは6〜9μmの粒子として得られる。
【0025】
着色剤としてはカーボン・ブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト等黒色着色剤、またカラートナーに使用されるカラー着色剤等を使用することができる。これら着色剤は単独あるいは複数組み合わせて用いることができるが、トナー粒子中結着樹脂100重量部に対して、1〜10重量部、より好ましくは2〜5重量部含まれることが望ましい。10重量部より多いとトナーの定着性および透光性が低下し、一方、1重量部より少ないと所望の画像濃度が得られないおそれがある。
【0026】
オフセット防止剤としては低分子量ポリエチレンワックス、低分子量酸化型ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、低分子量酸化型ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、サゾールワックス、カルナバワックス等を二種類以上混合して使用することができる。
オフセット防止剤の使用量はトナー中の樹脂100重量部にたいして、1〜6重量部、好ましくは、2〜5重量部になるようにする。
【0027】
荷電制御剤としては摩擦帯電により正または負の荷電を与え得る物質として各種のものがあり、正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシンベースEX(オリエント化学工業社製)などのニグロシン系染料、第4級アンモニウム塩P−51(オリエント化学工業社製)などの第4級アンモニウム塩、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料、およびPLZ1001(四国化成工業社製)などのイミダゾール化合物等が挙げられる。
【0028】
また、負荷電制御剤としては、例えば、ボントロンS−22(オリエント化学工業社製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−81(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−84(オリエント化学工業社製)、スピロンブラックTRH(保土谷化学工業社製)などの金属錯体、チオインジゴ系顔料、コピーチャージNX VP−434(ヘキスト社製)などの第4級アンモニウム塩、ボントロンE−89(オリエント化学工業社製)などのカリックスアレーン化合物、フッ化マグネシウム、フッ化カーボンなどのフッ素化合物などが挙げられる。もちろんこれらに何ら限定されるものではない。なお、負荷電制御剤となる金属錯体としては、上記に出したもの以外にもオキシカルボン酸金属錯体、ジカルボン酸金属錯体、アミノ酸金属錯体、ジケトン金属錯体、ジアミン金属錯体、アゾ基含有ベンゼン−ベンゼン誘導体骨格金属錯体、アゾ基含有ベンゼン−ナフタレン誘導体骨格金属錯体などの各種の構造を有したものが含まれる。
【0029】
これらの荷電制御剤の量は、トナー中、樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部になるようにする。
【0030】
本発明のトナーには、その他必要に応じてクリーニング助剤としての樹脂ビーズ、転写性を向上させるための大径のシリカ等を添加してもよい。
本発明においては上記結着樹脂、着色剤を混練り、粉砕そして分級して得られたトナー粒子に薄片状チタニアを混合し(外添)、トナーを得る。混合を行いうる方法としては、機械式粉砕混合方法等従来の方法、条件でよく、例えばヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、パウダーミキサー、ホモジナイザー等の混合機を使用可能である。
【0031】
薄片状チタニアは、通常トナーに対して0.3〜1.7重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%添加混合される。添加量が少なすぎると、所望の流動性、環境性が得られず、画像の劣化を招く。多すぎると、帯電量の低下を招きカブリ等の原因となる。
【0032】
本発明の一成分現像剤は例えば図1に示される概略構成を有する非磁性1成分現像装置あるいは画像形成方法に適用される。
【0033】
図1において、静電潜像担持体1(以下感光体ドラムとする)は、導電性基体上に感光層が形成されており、図中矢印方向に回転される。
帯電部材である帯電ブラシ2は、感光体ドラム1の表面に接触して設けられている。そして電源3により帯電ブラシ2に所定の帯電電圧を印加することにより、感光体ドラム1表面を所定の極性および表面電位に帯電する。
【0034】
所定の電位に帯電された感光体ドラム1表面に、画像露光4により静電潜像を形成し、この静電潜像を1成分現像装置5により現像し、トナー像を形成する。
なお、1成分現像装置5の詳細については後述する。
【0035】
転写部材である転写ローラ6は、芯金の外周に導電性弾性層が形成されており、感光体ドラム1に所定の圧力で圧接されて、図中矢印方向に回転する。また、転写ローラ6にはトナーの荷電極性とは逆極性のバイアスが電源7により印加されている。転写材8は感光体1ドラム1と転写ローラ6との間に搬送され、上述したバイアスの印加の下に、感光体ドラム1上のトナー像が転写材8上に転写される。
【0036】
このように潜像担持体表面に形成したトナー像を、紙を主とするシート状の転写材に静電的に転写する工程を含む画像形成装置は、従来から広く実用されているコロナ放電を利用した転写手段に比して、転写ローラの、潜像担持体への圧接力を調整することによって転写材の潜像担持体への吸着領域を拡大することができる。さらに転写材を転写部位において積極的に押圧支持するので、転写材搬送手段による同期不良や転写材に存在するループ及びカールによる転写ずれを生ずるおそれが少なく、画像形成装置の小型化にともなう転写材搬送路の短縮化、潜像担持体の小径化の要請にも対応しやすい。
【0037】
反面、当接により転写を行う装置に於いては、当接部位より転写電流が供給される為、ある程度の圧力を転写装置に加圧する必要がある。当接圧が加えられた場合、潜像担持体上のトナー像にも圧力が加わり凝集が起る傾向がある。
【0038】
さらに潜像担持体表面が樹脂で構成されている場合には、トナー凝集物と潜像担持体との間でも密着が発生し、転写材への移行が阻害され、極端な場合、密着が強固な部分が全く転写せずトナー画像が欠損する現象が起りやすい。
【0039】
この現象は0.1〜2mmのライン部に於いて特に顕著になる。これはライン部ではエッジ現像となっており、トナーが多くのり、加圧による凝集が起りやすく、転写による欠損が起りやすいことによる。この時、形成されるトナー画像は輪郭部のみ画像が形成された複写物となり、「転写中抜け」とよばれる。
【0040】
図2に中抜けの例を示す。図2中、左側に斜線で描いた「V」という文字は、斜線部が黒べたの文字原稿である。この原稿を複写し、中抜けが生じた像が、図2中、右側に示した「V」という文字である。斜線部の黒べた部が完全に複生されず、白抜きの部分が形成されている。これが中抜け現象である。
【0041】
「転写中抜け」は100g/cm2以上の厚紙、平滑度の高いOHP用フイルム、両面コピー時の2面目の複写時等で特に顕著になる。厚紙及びOHP用フイルムでは転写材の厚みが厚い為に、転写電界に効果が少ないこと及び加圧が強くなり中抜けしやすくなる事が考えられる。
【0042】
両面コピー時の2面目の複写時では1面目の定着画像形成時に定着器を通過する際、転写材に定着装置よりオフセット防止の為に含有させてある離型剤が付着し、2面目の転写に際しトナーと転写材との密着を妨げる為、中抜けが起りやすくなると考えられている。
【0043】
しかしながら本発明に従うとこのような接触転写工程を含む静電潜像現像方法において、少なくとも着色剤と結着樹脂で構成されるトナーに、薄片状の酸化チタン微粒子を外添した一成分現像剤を使用することにより、中抜け現象が防止される。
【0044】
続いて図1にもどり、感光体ドラム1上にトナー像が転写材8上に転写されたあとの工程を説明する。
【0045】
トナー像が表面に転写された転写材8は、内部にヒーターを内蔵した加熱ローラおよび加熱ローラに圧接された加圧ローラからなる定着ローラ対11を備えた定着装置まで搬送され、定着ローラ対11の間を通過することにより表面に担持したトナー像が定着される。
【0046】
トナー像が転写材8に転写された後の感光体ドラム1表面は、クリーニングブレードを備えたクリーニング装置9により残留トナーや紙粉等の異物が除去され、その後除電装置10の光照射により除電されて次の作像プロセスに供される。
【0047】
上述した本発明の非磁性一成分トナーを適用する一成分現像装置5は、図示しない駆動手段により図中矢印方向に回転駆動される駆動ローラ21を備えており、この駆動ローラには該ローラの外径より若干大きい内径の可撓性の現像スリーブ22が外嵌されている。現像スリーブ22はその両端部が背後から押圧ガイド23により駆動ローラ21に圧接される一方、該圧接により反対側にできたたるみ部分30が静電潜像担持体1(感光体ドラム)に柔軟に接触している。また、現像スリーブ22に押圧ガイド23と同じ側からトナー規制ブレード24が当接している。
【0048】
現像スリーブ22の背後にはバッファ室25が、さらにその背後にトナー供給室26があり、バッファ室25にはトナー供給回転部材27が、トナー供給室26にはトナー撹拌・供給回転部材28がそれぞれ配置されている。
【0049】
さらに、現像スリーブ22の下面には、バッファ室25から外部へトナーが漏れることを防止するための下シール部材29が当接している。
【0050】
この現像装置によると、回転部材28の回転によりトナー供給室26からバッファ室25へ送り込まれた非磁性1成分トナーTは、トナー供給回転部材27の回転によって順次現像スリーブ22表面に供給される。
【0051】
一方、現像スリーブ22は、駆動ローラ21の駆動回転に摩擦力により従動回転しており、これに供給されたトナーTはトナー規制ブレード24と該スリーブ22との間を通過することでブレード24の圧力下に摩擦帯電し、且つ、所定厚さの薄層とされる。このトナー薄層は現像スリーブ22表面に保持され、感光体ドラム1に臨む現像領域に搬送され、静電潜像の現像に供される。
【0052】
現像後スリーブ22上に残った余剰トナーは、スリーブ22の回転に伴って、途中シール部材29と現像スリーブ22との間を通りバッファ室25へ戻される。
【0053】
以上に本発明の非磁性一成分トナーを使用する非磁性一成分現像装置の一例を記載したが、これに限定されるものではない。例えば、図1の現像装置においては現像スリーブ22として、駆動ローラの外径よりその内径が大きく弛み部分30が形成されるものを使用しているが、このような弛み部分が形成されない構成、即ち駆動ローラの外径と同等の内径を有する現像スリーブも使用可能である。
【0054】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳述する。なお以下の実施例中、「部」とあるのは特に断らない限り「重量部」を表すものとする。
【0055】
【実施例】
トナーの製造例1
・ポリエステル樹脂 100部
(ガラス転移点(Tg):63℃、軟化点(Tm):150℃、ゲル成分:33重量%)
・帯電制御剤(スピロンブラックTRH;保土谷化学工業社製) 3部
・カーボンブラック(MA−8;三菱化学社製) 10部
・オフセット防止剤(TS−200;三菱化成社製) 5部
【0056】
上記混合物をヘンシェルミキサーにより十分混合し、2軸押出機を用いて溶融混練した。混練物を冷却後、粗粉砕した。粗粉砕物をエアージェット方式による粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を気流式粉砕機により分級して、体積平均粒径8.5μmのトナー母粒子Aを得た。
【0057】
実施例1
トナーの製造例で得られたトナー母粒子100部に対し疎水性の薄片状チタニア微粒子(粒径:0.015〜0.02μm、STT−30A;チタン工業社製)1.0部を添加しヘンシェルミキサーにて混合し一成分現像剤とした。
【0058】
得られた現像剤を用いて市販のプリンター(SP1000;ミノルタ社製)にて画出しおよび下記各3K枚の耐久試験を行った。
【0059】
各環境下、耐久後の画像は、カブリ、鮮明さ、画像濃度も初期と同等の良好なものが得られた。また中抜けの発生も全くなかった。以上の結果を表1にまとめた。
【0060】
表1中の各評価は以下のようにして行った。
・画像濃度
初期および耐刷後(3000枚)終了時点において黒べた画像の濃度(I.D.)を測定し、その値が1.4以上のものを「〇」、1.3以上1.4未満のものを「△」、1.3未満のものを×としてランク付けした。
【0061】
・カブリ
初期および耐刷後(3000枚)終了時点において画像にカブリがほとんど発生しなかった場合を「○」、若干カブリが生じているものの実用上問題のない場合を「△」、カブリが多く実用上問題のある場合を「×」としてランク付けした。
【0062】
・中抜け
初期および耐刷後(3000枚)終了時点において中抜けが全く発生しなかった場合を「○」、中抜けが若干生じているが実用上問題のない場合を「△」、不良の場合を「×」としてランク付けした。
【0063】
実施例2
疎水性の薄片状チタニア微粒子(STT−30A;チタン工業社製)の添加量を0.5部とした以外実施例1におけると同様に現像剤を調製し試験した。結果を表1にまとめた。
【0064】
実施例3
疎水性の薄片状チタニア微粒子(STT−30A;チタン工業社製)の添加量を1.2部とした以外実施例1におけると同様に現像剤を調製し試験した。結果を表1にまとめた。
【0065】
比較例1
実施例1において薄片状チタニア微粒子にかえて疎水性の不定形粒状チタニア微粒子(T−805;デグサ社製)を1.0部添加した以外実施例1におけると同様に現像剤を調製し試験した。結果を表1にまとめた。
【0066】
比較例2
実施例1において薄片状チタニア微粒子にかえて疎水性の不定形粒状チタニア微粒子(TTO−51C;石原産業社製)を1.0部添加した以外実施例1におけると同様に現像剤を調製し試験した。結果を表1にまとめた。
【0067】
比較例3
実施例1において薄片状チタニア微粒子にかえて下記により得られた疎水性の球状チタニア微粒子を1.0部添加した以外実施例1におけると同様に現像剤を調製し試験した。結果を表1にまとめた。
【0068】
球状チタニア微粒子の調製:
イルメナイト鉱を硫酸により溶解し、冷却した後、遠心分離した。遠心分離した原液を加熱加水分解し、得られた水酸化チタンを回転炉で焼成(350〜400℃)し、球状の親水性酸化チタン(粒径:0.04〜0.05μm)を得た。
得られた酸化チタンを水系中で撹拌混合しながらカップリング剤(n-C5H13Si(OCH3)3)を酸化チタン微粒子に対し20%となるように添加混合した。
混合物を乾燥、解砕して疎水化度50%の酸化チタンを得た。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】
本発明に従い平均粒径5〜 40nm の薄片状の微粒子を添加したトナーは環境変動に対し極めて安定で、耐久性にも優れ、中抜け等の発生がなく、長期にわたり安定した高画質画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 非磁性一成分現像装置の概略構成図。
【図2】 中抜け現象を説明するための図。
【符号の説明】
1:感光体ドラム、2:帯電ブラシ、3:電源、4:画像露光、5:現像装置、6:転写ローラ、7:バイアス電源、8:転写材、9:クリーニング装置、21:駆動ローラ、22:現像スリーブ、23:押出ガイド、24:規制ブレード、25:バッファ室、26:トナー供給室、27:トナー供給回転部材、28:トナー撹拌、供給回転部材、29:下シール部材、20:弛み部分
Claims (3)
- 少なくとも着色剤と結着樹脂で構成されるトナーに、平均粒径5〜40nmの薄片状の酸化チタン微粒子を外添したことを特徴とする静電荷像現像用一成分現像剤。
- 接触転写工程を含む画像形成方法において、少なくとも着色剤と結着樹脂で構成されるトナーに、平均粒径5〜40nmの薄片状の酸化チタン微粒子を外添した一成分現像剤を使用することを特徴とする画像形成方法。
- 前記薄片状の酸化チタン微粒子の平均粒径が 5 〜 30nm であることを特徴とする請求項 1 記載の静電荷像現像用一成分現像剤。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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