JP3697189B2 - リン脂質の塩基交換方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶媒を使用しない水系において、水酸基を有する受容体の存在下、シリカゲル等の担体に吸着させた大豆レシチンや卵黄レシチン、合成リン脂質等の原料リン脂質にホスホリパーゼDを作用させることにより、リン脂質の塩基交換を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リン脂質は生体膜の主要な構成成分であり、重要な役割を担っている。
また、リン脂質は極性の部分と非極性の部分を併せ持つ両親媒性物質であり、天然の界面活性剤である。このような特性を持つことから食品、化粧品、医薬品の分野で乳化剤として、またリポソームの基材として広く利用されている。
【0003】
また、リン脂質自体の生理効果が報告され、医学的、薬学的分野で応用が期待されているものもある。このようなことから様々な用途に応じた種類のリン脂質を効率的に製造することは産業上、有意義なことであると考えられる。
例えば、ホスファチジルセリンもこのような特性を持つ天然のリン脂質の一種であり、近年は乳化等の特性以外にその生理機能が特に注目されているが、ホスファチジルセリンは牛脳や大豆等に含まれるものの、天然には少ないこともあって種々の合成方法が検討されてきた。ホスファチジルセリンは特に脳に多く存在しており、脳のエネルギー生産への関与、神経細胞膜での神経伝達への関与が報告されており、アルツハイマー患者の症状の改善、脳の老化抑制、機能向上等の生理効果があるとされ、脳機能性食品素材として期待されている。
また、ホスファチジルグリセロールは耐塩性、耐酸性の面で優れた乳化剤であり期待されているが、これについても天然に少なく、その製造法が検討されてきた。
【0004】
水を主体とする系でホスホリパーゼDを作用させ、塩基を交換する方法については既に報告されているとおりである(Yang S.F.et al.,J.Biol.Chem.,242,477-484(1967))。しかし、目的リン脂質を工業的に生産する場合には高い収率は望めない。
【0005】
またComfuriusらは、エチルエーテル/水の二相系で受容体をL−セリンとして収率45〜55%のホスファチジルセリンの合成を報告しているが、同時に加水分解反応によるホスファチジン酸の生成を認めている(Comfurius P.et al.,Biochim. Biophys.Acta,488,36-42(1977))。この報告では反応の後、クロロホルム/メタノールを溶離液として溶出してCMセルロースカラムクロマトグラフィーにより精製を行っている。このように多量の水が存在する系においては加水分解反応も同時に起こり、目的リン脂質の純度は低下してしまう。
【0006】
その後、有機溶媒と水の二相系での反応は種々の改良が試みられた。山根らは種々の有機溶媒(エチルエーテル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン)と水との二相系を検討し、ホスファチジン酸の生成を抑え、高いホスファチジルセリンの合成率(90%以上)を達成している(Yamane T. et al., Biochim Biophys.Acta, 1003,277-283(1989))。また特開平9−173092も、トルエンを使用した二相系で反応を行い、精製して97%のホスファチジルセリンを得る方法を開示している。
【0007】
さらに特公平3−67676は、水分が多量に存在する反応系では二相系であっても加水分解物が生成し、事実上目的生成物は得られないとして、有機溶媒中で水分を微量にした系(水分1%以下で好ましくは0.2%以下を要求)において受容体の存在下、ホスホリパーゼDを吸着させた担体と原料リン脂質または担体に吸着させた原料リン脂質を混合し、反応させてホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン等目的リン脂質を合成する方法を開示している。しかし、これら有機溶媒を使用する方法により効率よく目的のリン脂質を合成できても、食品用途として供給するには不適である。
また、特開2000−333689号公報には、有機溶媒を使用しない水系で塩化カルシウムあるいは更に界面活性剤を添加してホスファチジルセリンを合成する方法が開示されている。しかしこの方法では、これらの添加物質を配合する工程が更に必要となる上、水溶性である塩化カルシウムおよび界面活性剤を残存させることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、先行技術における上述の問題点の解決を図るものである。即ち、本発明は、有機溶媒を使用せず、かつ水溶性の塩や界面活性剤等の余分な添加物を配合しない水系を用いて原料リン脂質の塩基交換を行い、従ってその生成物を食品用途に使用することができ、しかも従来の水を主体とする系での製造法に比べ加水分解を抑制しかつ合成率(もしくは塩基交換率)を向上させ、さらには添加物を配合する余分な工程を含まない簡略化されたリン脂質の塩基交換方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明によるリン脂質の塩基交換方法は、水酸基を有する受容体の存在下、原料リン脂質にホスホリパーゼDを作用させて該リン脂質の塩基交換を行うことにより目的とするリン脂質を製造する方法において、反応を水溶性の塩や界面活性剤等の余分な添加物を用いない水系にて行い、原料リン脂質として担体に吸着させたリン脂質を用い、受容体およびホスホリパーゼDは遊離状態で用いることを特徴とするものである。
【0010】
前述のような従来の水を主体とする系における方法あるいは後記の比較例1に示されるような水単相系(基質、酵素共に遊離状態)における方法では、得られる目的リン脂質の合成率および純度は極めて低いものであるが、本発明においては基質として担体に吸着させたリン脂質を用いることにより、水溶性の塩や界面活性剤等の余分な添加物を使用することなく高い合成率もしくは効率を達成することができる。また、従来の多量の水を用いる系での方法では競合する加水分解反応が起こり、生成した目的リン脂質をも加水分解してしまうが、本発明により加水分解反応を抑制することができ、結果的にその純度を高めることができる。特に特公平3−67676では水分を1%以下とした有機溶媒中でなければ目的生成物は得られないとしているが、本発明によれば水系であっても加水分解が著しく抑制され、簡略化された工程において目的生成物であるリン脂質が効率よく得られる。
【0011】
本発明においては、有機溶媒を使用しない水系(担体吸着基質使用)で反応を行うため上述のように高い合成率もしくは効率を達成でき、かつ得られた目的生成物が食品用途に適していることに加えて、製造工程を簡略化できるという利点を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
原料リン脂質としては動物、植物、海産物等の天然物から抽出したもの、合成品等、ホスホリパーゼDの基質となり得るものはすべて本発明に使用できる。また、未精製(リン脂質以外の成分を含む)のもの、部分精製したもの、精製したもの何れも使用することができる。求める目的リン脂質の純度を考慮して、原料の精製度を適宜決定すればよい。他のリン脂質と比較してホスファチジルコリンとホスファチジルエタノールアミンが特に効果的な基質であり、例えば大豆レシチンや卵黄レシチンが実用的なものとしてあげられ市販もされている。
【0013】
本発明に使用する酵素としては、ホスファチジル基転移活性を有するものであれば何れのものも使用できる。微生物由来のホスホリパーゼDとしては公知のものすべてが使用できるが、ストレプトマイセス・プルニカラー(Streptomyces prunicolor)、ストレプトマイセス・アンチバイオティカス(Streptomyces antibioticus)等のストレプトマイセス(Streptomyces)属、ストレプトバーチシリウム・シナモメウム(Streptoverticillium cinnamomeum)、ストレプトバーチシリウム・グリゼオカルネウム(Streptoverticillium griseocarneum)等のストレプトバーチシリウム(Streptoverticillium)属、アクチノマデューラ種No.362株(Actinomadura sp. strain No.362)等のアクチノマデューラ(Actinomadura)属、キタサトスポリア・クロモゲナ(Kitasatosporia chromogema)等のキタサトスポリア(Kitasatosporia)属由来のものが代表的な例である。またニンジン、キャベツ、ほうれん草等植物由来のホスホリパーゼDも使用することができる。これらのホスホリパーゼDは活性の高いものほどよいが、市販品はもちろんのこと粗酵素、部分精製品、精製品の何れの状態のものでも使用することができる。
【0014】
受容体としてはコリン、セリン(L−セリン、D−セリン、ラセミ体の何れも使用可能)の他、エタノールアミン、エタノール、メタノール、グリセロール等のアルコール類、単糖類(例えばグルコース)、二糖類(例えばスクロース)等の糖類などの水酸基を有するもので、この種の反応の受容体として公知のものはすべて使用することができる。
【0015】
リン脂質を吸着させる担体としてはシリカゲル、珪藻土、活性炭、樹脂、水に不溶性のカルシウム塩、例えば炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸−水素カルシウム、シュウ酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、クエン酸カルシウム等、基質を吸着することのできる固体状のものはすべて用いることができるが、表面積の大きいものほど有効である。また、反応後の処理を考慮して粉末状、粒状、ブロック状、シート状等の形状を選択できる。
【0016】
リン脂質を担体へ吸着させる方法としては、エタノール等の極性溶媒を使用する場合は、リン脂質を溶解させた後、担体と接触させそのまま溶媒を溜去させることが好ましい。ヘキサン等の非極性溶媒を使用する場合には、リン脂質を溶解させ、それに担体を接触させれば容易に吸着させることができ、そのまま溶媒を溜去させてもよいし、濾過後溶媒を溜去させることもできる。尚、アルコール類を用いた場合は反応における受容体となり得るので、完全に除去しておく必要がある。また、水にリン脂質を分散させ、そこに担体を加えて攪拌等の操作を行い吸着させることもできる。
【0017】
本発明の方法は、受容体およびホスホリパーゼDを含有する水溶液にリン脂質を吸着した担体を懸濁させ、穏やかな攪拌下に維持することにより行うことができる。あるいは、リン脂質を吸着した担体をカラム等に充填し、受容体およびホスホリパーゼDを含有する水溶液を循環させる等の態様により行うこともできる。
【0018】
本発明の方法において、目的リン脂質合成のための塩基交換反応は一般に0.5〜48時間、好ましくは1〜24時間行う。
反応温度については酵素の至適温度であれば良いが、20〜50℃の範囲で行うことが好ましい。
また、反応中の系のpHは4〜9に維持することが好ましい。
【0019】
反応終了後、担体に吸着している目的リン脂質はエタノール等の溶媒で溶出させて担体より回収することができる。溶出の前に、必要に応じて酵素、受容体を水で洗い流すこともできる。また酵素、受容体が残存する反応系は再使用することも可能である。
【0020】
【実施例】
以下に実施例、比較例を記載して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例において%表示は、イヤトロスキャン分析の場合は重量比を意味し、薄層クロマトグラフィー分析の場合はモル比を意味する。
【0021】
実施例1
卵黄レシチン(旭化成工業(株)精製卵黄レシチン、ホスファチジルコリン87%、ホスファチジルエタノールアミン11%、その他2%)200mgをエタノール30mLに溶解してシリカゲル(和光純薬工業(株)、Wakogel C-300)1gを加えスターラーで混合した。エタノールをエバポレーターで除去した後、凍結乾燥機で乾燥させてシリカゲルに吸着したリン脂質を得た。
上記で調製したシリカゲル/リン脂質81mgに4.3MのL−セリンの水溶液1.8mL、1M酢酸緩衝液(pH5.6)0.1mL、ストレプトマイセス・アンチバイオティカス由来のホスホリパーゼDを水溶液として0.1mL(30.6U/mL)を加えて500rpm、37℃、24時間反応させた。反応終了後、反応液(シリカゲルごと)0.1mLをとり、1N塩酸0.05mLを添加しよく混合した。これにクロロホルム/メタノール(2/1)0.2mLを加えて混合した後、クロロホルム層を回収した。クロロホルム層のリン脂質を、展開溶媒をクロロホルム/メタノール/酢酸(40/15/6)としてイヤトロスキャンで組成を分析したところ、ホスファチジルセリン80%、ホスファチジルコリン9%、ホスファチジン酸9%、その他2%であった。
【0022】
実施例2
基質として大豆レシチン(ツルーレシチン工業(株)SLP-PC70、ホスファチジルコリン82%、ホスファチジルエタノールアミン7%、ホスファチジン酸6%、その他5%)200mgをエタノール30mLに溶解し、シリカゲル(和光純薬工業(株)、Wakogel C-300)1gを加えスターラーで混合した。エタノールをエバポレーターで除去した後、凍結乾燥機で乾燥させてシリカゲルに吸着したリン脂質を得た。
上記で調製したシリカゲル/リン脂質81mgを実施例1と同様にして反応させて分析した。その結果、ホスファチジルセリン66%、ホスファチジルコリン15%、ホスファチジン酸14%、その他5%であった。
【0023】
実施例3
基質として大豆レシチン(ツルーレシチン工業(株)SLP−PC70、ホスファチジルコリン82%、ホスファチジルエタノールアミン7%、ホスファチジン酸6%、その他5%)200mgをエタノール30mLに溶解し、シリカゲル(メルク、シリカゲル60)1gを加えスターラーで混合した。エタノールをエバボレ一ターで除去した後、凍結乾燥機で乾燥させてシリカゲルに吸着したリン脂質を得た。
上記で調製したシリカゲル/リン脂質81mgを実施例1と同様にして反応させて分析した。その結果、ホスファチジルセリン80%、ホスファチジルコリン5%、ホスファチジン酸10%、その他5%であった。
【0024】
実施例4
基質として大豆レシチン(ツルーレシチン工業(株)SLP−PC70、ホスファチジルコリン82%、ホスファチジルエタノールアミン7%、ホスファチジン酸6%、その他5%)200mgをエタノール30mLに溶解し、ピロリン酸カルシウム(和光純薬工業(株))1gを加えスターラーで混合した。エタノールをエバポレーターで除去した後、凍結乾燥機で乾燥させてピロリン酸カルシウムに吸着したリン脂質を得た。
上記で調製したピロリン酸カルシウム/リン脂質81mgを実施例1と同様にして反応させて分析した。その結果、ホスファチジルセリン51%、ホスファチジルコリン33%、ホスファチジン酸11%、その他5%であった。
【0025】
実施例5
基質として大豆レシチン(ツルーレシチン工業(株)SLP-PC70、ホスファチジルコリン82%、ホスファチジルエタノールアミン7%、ホスファチジン酸6%、その他5%)200mgをエタノール30mLに溶解し、硫酸カルシウム(睦化学工業(株)、二水石膏SF-CS)1gを加えスターラーで混合した。エタノールをエバポレーターで除去した後、凍結乾燥機で乾燥させて硫酸カルシウムに吸着したリン脂質を得た。
上記で調製した硫酸カルシウム/リン脂質81mgを実施例1と同様にして反応させて分析した。その結果、ホスファチジルセリン85%、ホスファチジン酸10%、その他5%であった。
【0026】
実施例6
卵黄レシチン(キューピー(株)卵黄レシチン、ホスファチジルコリン96%、その他4%)1gをエタノール30mLに溶解して硫酸カルシウム(睦化学工業(株)、二水石膏SF−CS)5gを加えスターラーで混合した。エタノールをエバポレーターで除去した後、真空乾燥機で乾燥させて硫酸カルシウムに吸着したリン脂質を得た。
水8.5mLに、上記で調整した硫酸カルシウム/リン脂質405mg、グリセリン3g、1M酢酸緩衝液(pH5.6)0.5mL、ホスホリパーゼD(生化学工業(株)、Actinomadura sp 由来)を水溶液として1mL(30U/mL)を加えて200rpm、30℃、24時間反応させた。反応終了後、反応液(硫酸カルシウムごと)0.1mLをとり、1N塩酸0.05mLを添加しよく混合した。これにクロロホルム/メタノール(2/1)0.2mLを加えて混合した後、クロロホルム層を回収した。クロロホルム層のリン脂質は、展開溶媒をクロロホルム/エタノール/メタノール/ぎ酸/水(13/3/2/2/0.5)として薄層クロマトグラフィーで分離した後、ディトマー試薬で発色し、クロマトスキャナーで測定した。その結果、ホスファチジルグリセロール83%、ホスファチジルコリン9%、ホスファチジン酸4%、その他4%であった。
【0027】
実施例7
卵黄レシチン(キューピー(株)卵黄レシチン、ホスファチジルコリン96%、その他4%)1gをエタノール30mLに溶解してシリカゲル(メルク、シリカゲル60)5gを加えスターラーで混合した。エタノールをエバポレーターで除去した後、真空乾燥機で乾燥させてシリカゲルに吸着したリン脂質を得た。
上記で調製したシリカゲル/リン脂質405mgを実施例6と同様にして反応させて分析した。その結果、ホスファチジルグリセロール87%、ホスファチジルコリン5%、ホスファチジン酸4%、その他4%であった。
【0028】
実施例8
卵黄レシチン(キューピー(株)卵黄レシチン、ホスファチジルコリン96%、その他4%)1gをエタノール30mLに溶解して珪藻土(昭和化学工業(株)、ラヂオライト#2000)5gを加えスターラーで混合した。エタノールをエバポレーターで除去した後、真空乾燥機で乾燥させて珪藻土に吸着したリン脂質を得た。
上記で調製した珪藻土/リン脂質405mgを実施例6と同様にして反応させて分析した。その結果、ホスファチジルグリセロール48%、ホスファチジルコリン41%、ホスファチジン酸7%、その他4%であった。
【0029】
比較例1
卵黄レシチン(旭化成工業(株)精製卵黄レシチン、ホスファチジルコリン87%、ホスファチジルエタノールアミン11%、その他2%)13.5mgを4.3MのL−セリン水溶液1.8mLに分散させ、これに1M酢酸緩衝液(pH5.6)0.1mL、ストレプトマイセス・アンチバイオティカス由来ホスホリパーゼDを水溶液として0.1mL(30.6U/mL)を加えて、500rpm、37℃、24時間反応させた。反応終了後、反応液0.1mLをとり、1N塩酸0.05mLを添加しよく混合した。これにクロロホルム/メタノール(2/1)0.2mLを加えて混合した後、クロロホルム層を回収した。クロロホルム層のリン脂質を実施例1と同様にイヤトロスキャンで分析したところ、ホスファチジルセリン6%、ホスファチジルコリン42%、ホスファチジン酸50%、その他2%であった。
【0030】
比較例2
実施例2で調製したシリカゲル/リン脂質81mg、L−セリン813mgをヘキサン2mLに懸濁させ、ストレプトマイセス・アンチバイオティカス由来ホスホリパーゼD粉末0.8mg(3.06U相当)を加え、500rpm、37℃、24時間反応させた。尚、反応系中の水分は0.12%であった。反応後はリン脂質を回収し、実施例1と同様にイヤトロスキャンで分析した。その結果、ホスファチジルセリンは全く生成してなかった。
【0031】
比較例3
実施例2で調製したシリカゲル/リン脂質81mg、L−セリン813mgを酢酸エチル2mLに懸濁させ、ストレプトマイセス・アンチバイオティカス由来ホスホリパーゼD粉末1.6mg(6.12U相当)を加え、500rpm、37℃、24時間反応させた。尚、反応系中の水分は0.15%であった。反応後はリン脂質を回収し、実施例1と同様にイヤトロスキャンで分析した。その結果、ホスファチジルセリンは全く生成してなかった。
【0032】
比較例4
水8.5mLに卵黄レシチン(キューピー(株)卵黄レシチン、ホスファチジルコリン96%、その他4%)68mgを分散させ、グリセリン3g、1M酢酸緩衝液(pH5.6)0.5mL、ホスホリパーゼD(生化学工業(株)、Actinomadura sp 由来)を水溶液として1mL(30U/mL)加えて200rpm、30℃、24時間反応させた。反応終了後、反応液0.1mLをとり、1N塩酸0.05mLを添加しよく混合した。これにクロロホルム/メタノール(2/1)0.2mLを加えて混合した後、クロロホルム層を回収した。クロロホルム層のリン脂質は実施例6と同様に分析した。その結果、ホスファチジルグリセロール16%、ホスファチジルコリン72%、ホスファチジン酸8%、その他4%であった。
【0033】
比較例5
酢酸エチル10mLに、実施例6で調整した硫酸カルシウム/リン脂質405mg、グリセリン3g、ホスホリパーゼD(生化学工業(株)、Actinomadura sp 由来)11mg(30U)を加えて200rpm、30℃、24時間反応させた。尚、反応系中の水分は0.19%であった。反応終了後、リン脂質を回収し実施例6と同様にして分析した。その結果、ホスファチジルグリセロールは全く生成していなかった。
【0034】
比較例6
酢酸エチル10mLに、実施例7で調製したシリカゲル/リン脂質405mg、グリセリン3g、ホスホリパーゼD(生化学工業(株)、Actinomadura sp由来)11mg(30U)を加えて200rpm、30℃、24時間反応させた。尚、反応系中の水分は0.17%であった。反応後はリン脂質を回収し、実施例6と同様にして分析した。その結果、ホスファチジルグリセロールは全く生成していなかった。

Claims (3)

  1. 水酸基を有する受容体の存在下、原料リン脂質にホスホリパーゼDを作用させて該リン脂質の塩基交換を行う方法において、反応を水系にて行い、原料リン脂質として担体に吸着させたリン脂質を用い、受容体およびホスホリパーゼDは遊離状態で用いることを特徴とする方法。
  2. 水酸基を有する受容体がコリン、セリン、アルコール類および糖類から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. リン脂質を吸着させる担体がシリカゲル、珪藻土、活性炭、樹脂、および水に不溶性のカルシウム塩から選択されたものである請求項1または2に記載の方法。
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