JP3697013B2 - 照明装置及びそれを用いた投影装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は照明装置及びそれを用いた投影装置に関し、特に液晶を利用した画像表示素子(液晶パネル)に表示する画像を投影レンズ(投影光学系)でスクリーン上に拡大投影する液晶プロジェクターに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より液晶パネルを用いて画像を表示し、液晶パネルを光源からの光束により照明し、液晶パネルからの透過光又は反射光に基づく画像を投影レンズによりスクリーン上に拡大投影する液晶プロジェクターが種々と提案されている。
【0003】
高コントラストの画像が比較的容易に得られるTN型の液晶パネルは液晶の持つ偏光特性を利用している。このために、通常、液晶パネルの前後に偏光子や、検光子等の偏光フィルターが設けられている。偏光フィルターは入射する光の特定の偏光方向を透過し、それと直交する偏光方向を遮断する特性を有している。この為、液晶プロジェクターに利用される光はこの偏光フィルターのところで少なくとも半分は遮断されることになり、投影した画像の明るさが低下してくる傾向があった。
【0004】
図14はこの問題を解決した特開昭61−90584号に提案されているプロジェクターの要部概略図である。
【0005】
同図の液晶プロジェクターでは光源101からの光束及びリフレクター106で反射した光束を赤外カットフィルター108、レンズ107、絞り109を介して偏光分離素子102に入射させている。このときの光の偏光成分を直交する2つの成分(P偏光,S偏光)に分離する為の偏光分離素子102を通過した光束のうち反射分離後の一方の光路に1/2波長板103を設けている。
【0006】
1/2波長板103を透過する光の偏光方向を透過分離光と揃えて射出している。そして偏光分離素子102からの2つの光路をプリズム104等を使って液晶パネル105上で重ね、全ての光が利用できるようにしている。そして液晶パネル105で表示した画像を投影レンズ(不図示)で所定面上に投影している。
【0007】
図15は特開平8−304739号公報で提案されているプロジェクターの要部概略図である。同図において光源ランプ201から放射した光はリフレクター203により、特定の方向(画像表示素子20がある方向)に反射され、複数のレンズを格子状に配列した第1レンズアレイ201に入射する。第1レンズアレイ201の各レンズにより第1レンズアレイ201と同様の構成の第2レンズアレイ202の近傍に集光し、第1レンズアレイ201と第2レンズアレイ202の間隔と同程度の焦点距離を有するレンズから成る第2レンズアレイ202を透過した後、偏光変換素子204に入射する。
【0008】
偏光変換素子204に入射した光束は偏光分離面204aにより異なる偏光状態(S成分とP成分)の光に分離され、偏光分離面204aで反射した光は、反射ミラー204bで反射し、2分の1位相板205を透過する。そして偏光分離面204aを透過した光と同じ偏光状態に変換され、同じ偏光状態で偏光変換素子204を射出する。
【0009】
偏光変換素子204を射出した同じ偏光状態の光束で集光レンズ206を介して集光レンズ206の焦点位置(被照射面)近傍に設けた画像表示素子20を照明している。そして画像表示素子20で表示した画像を投影レンズで所定面上に投影している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図14に示すプロジェクターは光源からの光束を偏光変換手段102で2つの光束に分割し、該分割した2つの光束を重ね合わせて被照射面105を照明しており、オプティカルインテグレータを用いていない為に照度分布にムラが生じてくるという問題があった。
【0011】
又図15に示すプロジェクターは複数の2次光源像を形成し、該複数の2次光源像からの光束を各々被照射面上で重ね合わせている為に被照射面20を均一に照明することができる。
【0012】
しかしながら反射ミラー203の開口と同程度の大きさの第1,第2レンズアレイ、そして偏光変換素子204が必要となる為、装置全体が大型化してくる傾向があった。
【0013】
本発明は、光源からの光束で被照射面に設けた液晶パネル等から成る画像表示素子を照明する際に、光源から被照射面に至る光路中に設ける各要素を適切に設定することによって被照射面を光束の有効利用を図りつつ、効率的に照明することができ、しかも装置全体の小型化を図った液晶プロジェクター等に好適な照明装置及びそれを用いた投影装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の照明装置は、
(1−1)光源手段からの光束を集光して1次光源像を形成する集光手段と、該1次光源像からの光束を内面反射を利用し、複数の光束に分割して射出させて2次光源像を形成する棒状の光束分割手段と、該光束分割手段からの複数の光束を集光して、複数の3次光源像を形成する結像レンズと、前記3次光源像が生成される位置近傍に設けられ、該結像レンズからの複数の光束を所定の方向に偏光面を揃えて射出させる偏光変換素子と、該3次光源像からの光束であって該偏光変換素子を通過した該複数の光束を集光して被照射面上で重ね合わせる集積レンズとを有しており、前記結像レンズを出射する複数の光束が、互いにほぼ平行な状態で集光することにより前記複数の3次光源像を形成していることを特徴としている。
【0015】
特に、
(1−1−1)前記偏光変換素子は偏光分離面で入射光束を複数の光路に分離し、該偏光分離面により分離した複数の光路を反射を用いて同一方向に導光し、該複数の光路の少なくとも1つに1/2波長板を設けていることを特徴としていること。
【0016】
(1−1−2)前記集光手段が楕円ミラーを有しており、前記3次光源像群の広がりが、前記楕円ミラーの大きさよりも小さいことを特徴としていること。
【0017】
(1-1-3) 前記光束分割手段の射出面と前記被照射面とを光学的に共役関係となるようにしていること。
【0018】
(1-1-4) 前記被照射面には液晶を利用した画像表示素子が設けられており、該画像変調素子を照明していること。
等を特徴としている。
【0019】
本発明の投影装置は、
(2-1) 構成(1-1) の照明装置を用いて前記被照射面上に設けた画像表示素子に表示された画像を投影光学系で所定面上に投影していることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の照明装置の実施形態1の要部概略図である。図2〜図6は図1の一部分の説明図である。図中1は白色光源であり、楕円ミラー(集光手段)2の一方の焦点2a近傍に配置している。3はガラスロッド(光束分割手段)であり、断面が多角形(4角形,6角形等)の棒状体より成り、その光入射面3aは楕円ミラー2の他方の焦点2b近傍に位置している。
【0021】
4は結像レンズであり、ガラスロッド3の射出面3bからの光束を集光して偏光変換素子7の入射面7aに入射させている。偏光変換素子7は多数の方向に偏光軸を有し、入射光の偏光状態を揃えて、例えば所定一方向に偏光軸を有する直線偏光として射出面7bから射出させて集積レンズ5に導光している。集積レンズ5は偏光変換素子7からの偏光状態が揃った光束で被照射面6に配置した液晶パネル(画像表示素子)8を照明している。
【0022】
次に本実施形態の光学的作用について説明する。楕円ミラー2の一方の焦点2a近傍に配置した白色光源1から放射する光を楕円ミラー2で集光し、他方の焦点2b近傍に1次光源像P2 を生成している。焦点2bにはガラスロッド3の入射面3aが位置しており、1次光源像P2 に基づく光束はガラスロッド3の入射面3aから入射し、ガラスロッド3の内面反射面で反射して複数の2次光源像(P2',P2",‥‥)を形成している。
【0023】
そして該2次光源像に基づく複数の光束はガラスロッド3の射出面3bから射出する。ガラスロッド3の射出面3bから射出した複数の光束を結像レンズ4により、それぞれほぼ平行(テレセントリック)な状態で集光し、複数の3次光源像(P3 ,P3',P3",‥‥)を生成し、偏光変換素子7に入射している。
【0024】
偏光変換素子7において入射する無偏光の光束を所定の方向に偏光面が揃った光束に変換し、集積レンズ5により複数の3次光源像から放射される光束を所定の位置に配置した液晶パネル8面上で重ね合わせている。
【0025】
本実施形態ではこのような構成をとることにより、光源1から発した光を一旦集光し、細い棒状の光束分離手段3の中で光束を複数に分割し、照明光の均一化を実現している。さらに棒状の光束分離手段3を射出した光束を強い屈折力の結像レンズ4で集光することにより、光束の広がりを抑えて狭い領域に複数の3次光源像を生成している。
【0026】
これにより3次光源像が生成される位置近傍に偏光分離面を有する偏光変換素子7を設けることにより、偏光変換素子を小型化している。このとき結像レンズ4で集光される光束をテレセントリックな系に設定することにより、偏光分離面に入射するそれぞれの光束の角度を抑えて、偏光分離膜の入射角の特性ムラによる照明ムラを低減している。
【0027】
さらに分離された光路を単一の集積レンズ5で被照射面6上で重ね合わせて均一照明を行っている。
【0028】
次に本実施形態の各要素の構成について説明する。図2(A),(B)は実施形態1で用いているガラスロッド(光束分割手段)3の光束分割作用の説明図である。
【0029】
ガラスロッド3の断面形状は、射出側の開口(射出開口3b)の形状がx方向ax,y方向ayの大きさの4角形で、入射側の開口(入射開口3a)の形状も開口の各辺が射出開口3bの各辺と平行な形の4角形である。入射開口3aと射出開口3bを結ぶ側面(c1 ,c2 ,c3 ,c4 )を有し、それぞれの面が研磨面(反射面)となっている。射出開口3bの大きさOを入射開口に生成された2次光源像P2 からの光束の広がりKよりも小さく設定することにより、光束の一部がガラスロッド3の側面(c1 ,c2 ,c3 ,c4 )により反射され、この反射によって2次光源像P2 の虚像(P2',P2",‥‥)が複数生成されるようにしている。
【0030】
射出開口3bから射出する光束は、これらの2次光源像P2 の虚像(P2',P2",‥‥)から射出開口3bに向けて放射する光束と考えることができ、側面(c1 ,c2 ,c3 ,c4 )のでの反射回数に応じた方向に不連続的に射出開口3bから射出される。
【0031】
図2において虚像P2' は側面c1 の反射によるものであり、虚像P2" は側面c1 ,c3 によるものであり、虚像P2''' は側面c1 ,c3 ,c1 の反射によるものである。
【0032】
図2では側面は入射(射出)開口に垂直な面でかかれているが、これが傾いていても射出される光束の角度が変化するだけで、上に説明した光束を分割する効果は同じである。
【0033】
例えば図2(C),(D)に示すように入射開口3aに比べて射出開口3bが大きい形状、又はその逆の形状のガラスロッドを用いても良い。
【0034】
又、2次光源像からの光束の中心光線がガラスロッド3の射出面3bの中心を通るようにガラスロッド3の長さが決められている。
【0035】
本実施形態では光束分割手段として図2のようなガラスロッドを示したが、ガラスロッド3の側面c1 ,c2 ,c3 ,c4 に対応する反射面を有する中空のミラーロッドで形成しても良い。
【0036】
また、棒状の光束分割手段は、射出側の開口形状が照明光束の形になるので、4角形の画像素子を用いる場合は、射出開口の形状も4角形とするのが望ましく、このとき製造上の容易性から入射開口の形状も開口の各辺が射出開口の各辺と平行な形にするのが良い。
【0037】
図3は実施形態1で用いている結像レンズ4の光学的作用の説明図である。図3では結像レンズ4を薄肉レンズで表している。先に説明したようにガラスロッド3の射出開口3bから射出する光束は、2次光源像P2 及び2次光源像P2 の虚像群(P2',P2" ,‥‥)から射出開口3bを通り放射する光束である。
【0038】
これらの光束を結像レンズ4により、テレセントリックな状態で結像させている。具体的には焦点距離f1 の結像レンズ4を射出開口3bから距離f1 の位置に設けることにより射出開口3bの中心を通る光線が平行光となるので、これによって射出開口3bから射出する光束をテレセントリックな状態に変換して結像レンズ4から距離s’の位置4aに3次光源像(P3 ,P3',P3",‥‥)を縮小結像している。ただし距離s’は結像レンズ4から2次光源像P2 までの距離をs(<0)としたときに
s’=s・f1 /(s+f1
である。
【0039】
実際の結像レンズ4においては収差があるので3次光源像の位置は位置4a近傍となる。3次光源像群の広がりUは、一番外側の2次光源像の虚像(図ではP"")から射出開口3bの中心を通る光線の光軸に対する角度θと結像レンズ4の焦点距離f1 により
u=2・f1 tan(θ)
となる。焦点距離f1 や角度θの設定により広がりUを楕円ミラー2の大きさよりも小さく設定することができるようになる。このように小さい領域に光源像を生成し、その領域に偏光変換素子7を設けることにより、偏光変換素子7を小型化している。
【0040】
図4(A)は実施形態1で用いている偏光変換素子7の説明図である。本実施形態における変換変換素子7は入射する光束をP成分とS成分の別々の光路に分離する少なくとも1つの偏光分離面701と、分離された何れか一方の光路と他の光路とを同じ方向に変換する少なくとも1つの反射面702と分離された光路中に設けられたそれぞれの光路の光束の偏光方向を揃える為の波長板703からなっている。
【0041】
図1に示すような光源像が小さくなる位置に偏光変換素子7を配置することによって個々の部品の小型化を図っている。
【0042】
尚、本実施形態においては図4(B)に示すように波長板703を他方の射出面に配置しても良い。又図4(C)に示すように、双方の射出面に波長板703,703' を偏光軸を傾けて配置し、双方の射出面からの直線偏光の偏光軸がそろうようにしても良い。
【0043】
図5は実施形態1で用いている集積レンズ5の光学的作用の説明図である。図5においてはおもに偏光変換素子7を透過した光束の中心光線のみを作図し、1つの光束についてのみ光束の広がりを表している。結像レンズ4から集積レンズ5まではテレセントリックな状態になっているので、偏光変換素子7で分離された光路も含めて光束の中心光線は互いに平行となっている。
【0044】
これらの光束の光路中に正の屈折力の集積レンズ5を設けることにより、中心光線を被照射面6上の1点Qに合わせている。これにより、集積レンズ5の焦点距離をf2とすると偏光変換素子7により、倍増した各3次光源像から発散する光束は、集積レンズ5から距離f2 の位置5aで重ね合わされ、均一照明される領域Mを生成する。
【0045】
実際の集積レンズ5においては収差により各中心光線は厳密に1点に合成しないが、照明光学系としては特に問題にはならない。また、結像レンズ4と集積レンズ5の間隔は照明される領域Mに影響を与えることはなく、光束は常に集積レンズ5から処理f2 の位置で重ね合わされる。
【0046】
本実施形態では以上の説明から判るように、ガラスロッド3の射出開口3bと被照射面6とは共役関係にあり、照明される領域Mの大きさ(面積)は、ガラスロッド3の射出開口3bの大きさ(面積)の(f2 /f1 )倍となる。
【0047】
β=(f2 /f1 )とするとき、被照射面6上におけるx方向とy方向の照明長さをMx ,My とすると、Mx =β・ax ,My =β・ay となる。
【0048】
図6に示すように液晶パネル6の有効範囲LをLx ×Ly とすると
1<Mx /Lx <1.5
1<My /Ly <1.5
なる条件を満足するようにしている。
【0049】
この条件式の下限値を越えて小さくなると照明される領域Mが液晶パネル6の有効範囲Lより小さくなり、影が発生してしまい、上限値より大きくなると利用されない照明光が増大し、投影画像の光量が著しく低下してしまうので良くない。
【0050】
図7は図1の照明装置を投影装置として液晶プロジェクタに適用したときの実施形態2の要部概略図である。図7において図1と同一要素には同符号を付している。図1において説明したように、白色光源1からの光束は各要素2,3,4,7,5を介して所定の方向に偏光面が揃った光束として集積レンズ5より射出している。集積レンズ5から射出した光束はミラー26で反射してダイクロイックミラー11に入射している。
【0051】
ダイクロイックミラー11は青色光束(B光)を透過し、緑色光束(G光)と赤色光束(R光)を反射している。ダイクロミラー11を反射した光束は緑色光束を反射し、赤色光束を透過するダイクロミラー12に入射する。ダイクロミラ12で反射した緑色光束は、フィールドレンズ19を介して緑色用の液晶パネル22を照明する。
【0052】
又ミラー12を透過した赤色光束は、レンズ17,ミラー14,レンズ18,ミラー15、そしてフィールドレンズ20を経て赤色用の液晶パネル23を照明する。又、ダイクロミラー11を透過した青色光束は、ミラー13,フィールドレンズ18を経て、青色用の液晶パネル21を照明する。
【0053】
各々の液晶パネル21,22,23を透過した光束は、各色毎の画像情報により変調され、クロスダイクロプリズム24に入射し、フルカラー画像として合成される。クロスダイクロプリズム24は、緑色光束を透過し、青色光束を反射するダイクロミラー242と緑色光束を透過し、赤色光束を反射するダイクロミラー241の十字状の組み合わせにより構成される。クロスダイクロプリズム24で合成されたフルカラー画像は、投影レンズ25を経てスクリーン上に投影されている。
【0054】
このように本実施形態では被照明面にTN液晶等の画像表示素子を設け、該画像表示素子を透過した光を投射レンズで拡大投影することにより、投影装置の小型化を実現している。
【0055】
図8は図1の照明装置を投影装置として液晶プロジェクタに適用したときの実施形態3の要部概略図である。図8において図1と同一要素には同符号を付している。56はミラーであり、偏光変換素子7と集積レンズ5との間に配置し、光束を反射偏向している。図1において説明したように、白色光源1からの光束は各要素2,3,4,7,5を介して所定の方向に偏光面が揃った光束として集積レンズ5より射出している。集積レンズ5から射出した光束は3つのダイクロイックミラー51,52,53を各々所定の角度で傾けて配置した色分解系50に入射している。ダイクロイックミラー51は赤色の波長帯域の光束を反射し、緑や青の光束を透過する分光特性を有する。
【0056】
ダイクロイックミラー52は、緑色の波長帯域の光束を反射し、青の光束を透過する分光特性を有する。ダイクロイックミラー53は青色の波長帯域の光束を反射する分光特性を有する。各々のミラーは互いに傾けられて配置されるので、反射光はR光,G光,B光の波長の光束に分離される。またダイクロイックミラー53はダイクロミラーではなく、単なる高反射ミラーでも代用できる。
【0057】
色分解系50からの各色光で液晶パネル54を所定の角度で照明している。そして投射レンズ55によって液晶パネル54に表示した画像情報(カラー画像)をスクリーン面上に投影している。
【0058】
図9は図8の液晶パネル54の要部断面図である。本実施形態における液晶パネル54は液晶パネルの3画素(Gr ,Gg ,Gb )に対して1つのマイクロレンズ542が設けてある。
【0059】
本実施形態では、集積レンズ5と照明される液晶パネル54との間に設けたダイクロミラー(51,52,53)により入射光を赤,緑及び青各色の光束を異なった角度で反射させている。そして液晶パネル54に入射させ、液晶パネル54上のマイクロレンズ542により各色それぞれ異なった結像位置に配置した各色専用画素(Gr ,Gg ,Gb )に入射させ、液晶パネル54を透過したのち投射レンズ55で投射している。これにより、カラー画像を表示する液晶プロジェクターを構成している。
【0060】
図10〜図13は本発明に係る偏光変換素子の他の実施形態の要部概略図である。図10〜図13において図1〜図5で示した要素と同一要素には同符号を付している。
【0061】
図10に示す偏光変換素子71は偏光分離面701を山型に形成したもので、図1に示した偏光変換素子に対して光軸方向の厚みを半分にすることができる。図11に示した偏光変換素子72は、偏光分離面701で反射された光路に1/4波長板703、さらに反射ミラー704を設け、偏光分離面701で反射された光が1/4波長板703を透過し、反射ミラー704で反射されて戻ってくることで偏光方向を変換している。このような構成は光路を90°曲げる必要があるときに有効である。
【0062】
図12に示す偏光変換素子73は、図1で説明したガラスロッドで分割された光束に対して図1で示す偏光変換素子と同様の構成の複数の小さな偏光変換素子を並べたもので、偏光変換素子の大きさをさらに小さくすることができる。
【0063】
図13に示す偏光変換素子74は、光路を90°曲げる反射手段において表面反射面に偏光分離面701を設け、裏面反射面に反射ミラー702を設け、反射手段の厚みにより表面反射と裏面反射の光路を平行にずらし、表面反射の光路(又は裏面反射の光路)に波長板を配置して偏光方向を揃えている。
【0064】
尚、同図において集積レンズ5の一面の一部にλ/2板を設けて射出光束の偏光方向をそろえている。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば以上のように、光源からの光束で被照射面に設けた液晶パネル等から成る画像表示素子を照明する際に、光源から被照射面に至る光路中に設ける各要素を適切に設定することによって被照射面を光束の有効利用を図りつつ、効率的に照明することができ、しかも装置全体の小型化を図った液晶プロジェクター等に好適な照明装置及びそれを用いた投影装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の要部概略図
【図2】図1の一部分の説明図
【図3】図1の一部分の説明図
【図4】図1の一部分の説明図
【図5】図1の一部分の説明図
【図6】図1の一部分の説明図
【図7】図1の照明装置を3板式のカラー液晶プロジェクタに適用したときの実施形態2の概略図
【図8】本発明の実施形態3の要部概略図
【図9】図8の一部分の説明図
【図10】本発明の照明装置の一部分の他の実施形態の説明図
【図11】本発明の照明装置の一部分の他の実施形態の説明図
【図12】本発明の照明装置の一部分の他の実施形態の説明図
【図13】本発明の照明装置の一部分の他の実施形態の説明図
【図14】従来の照明装置の要部概略図
【図15】従来の照明装置の要部概略図
【符号の説明】
1 光源ランプ(白色光源)
2 リフレクター(楕円ミラー)
3 光束分割手段
4 結像レンズ
5 集積レンズ
6 液晶パネル(被照射面)
7 偏光変換素子
11,12,51,52,53 ダイクロイックミラー
13,14,15,26 ミラー
21,22,23,54 液晶パネル
24 クロスダイクロプリズム
25 投影レンズ
50 色分解系
701 偏光反射面
702 反射面
703 λ/2板

Claims (6)

  1. 光源手段からの光束を集光して1次光源像を形成する集光手段、該1次光源像からの光束を内面反射を利用し、複数の光束に分割して射出させて2次光源像を形成する棒状の光束分割手段
    該光束分割手段からの複数の光束を集光して、複数の3次光源像を形成する結像レンズ
    前記3次光源像が生成される位置近傍に設けられ、該結像レンズからの複数の光束を所定の方向に偏光面を揃えて射出させる偏光変換素子
    該3次光源像からの光束であって該偏光変換素子を通過した該複数の光束を集光して被照射面上で重ね合わせる集積レンズとを有しており、
    前記結像レンズを出射する複数の光束が、互いにほぼ平行な状態で集光することにより前記複数の3次光源像を形成していることを特徴とする照明装置。
  2. 前記偏光変換素子は偏光分離面で入射光束を複数の光路に分離し、該偏光分離面により分離した複数の光路を反射を用いて同一方向に導光し、該複数の光路の少なくとも1つに1/2波長板を設けていることを特徴とする請求項1の照明装置。
  3. 前記集光手段が楕円ミラーを有しており、
    前記3次光源像群の広がりが、前記楕円ミラーの大きさよりも小さいことを特徴とする請求項1又は2記載の照明装置。
  4. 前記光束分割手段の射出面と前記被照射面とを光学的に共役関係となるようにしていることを特徴とする請求項1,2又は3の照明装置。
  5. 前記被照射面には液晶を利用した画像表示素子が設けられており、該画像変調素子を照明していることを特徴とする請求項1,2,3又は4の照明装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項記載の照明装置を用いて前記被照射面上に設けた画像表示素子に表示された画像を投影光学系で所定面上に投影していることを特徴とする投影装置。
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