JP3696695B2 - 修正情報の重畳表示方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、端末間で原稿修正の依頼と修正済み原稿の受け取り表示を電子的に行って原稿と修正内容を重畳表示させる修正情報の重畳表示方法に関する。
近年、文書の修正を依頼する作業を電子化してペーパーレス化を進めたいとの要求がある。通常、文書の修正を電子的に他人に依頼する方法としては、ワープロなどの原稿データをオンライン又はフロッピティスクで渡し、修正を全て行ってもらう方法もある。しかし、この修正方法では、修正済みデータを受け取った側では、一見してどこが修正されたのか判らないという問題がある。
【0002】
一方、文書の修正内容が明確に判るように、文書への書き込みをそのまま表示する方法としては、例えば通信会議装置が提案されている。しかし、通信会議装置における書込内容の表示は、リアルタイム通信で行う対話的な文書の表示方法に限られており、原稿のような作成済み文書を対象として電子的に修正を依頼でき、修正結果から修正内容が直ちに判るような方法がなく、その開発が望まれている。
【0003】
【従来技術】
従来、文書の修正内容を電子的に伝達する方法としては、例えば、特開昭60−128769の通信会議装置が知られている。この通信会議装置は図11(A)のように、通信会議装置A,Bを通信回線Cを介して接続する。その処理動作は、図1(B)のように、まず、ステップS1で、会議で用いる会議資料をお互いに共有するために、会議資料を持つ例えば通信会議装置Aから資料を持たない通信会議装置Bへ送る。
【0004】
続いて、通信会議を進め、通信会議装置A,Bのいずれかでペン入力により会議資料に書き込みをしたり、会議資料の特定の位置を指し示したりする。例えばステップS2のように、通信会議装置Aで手書き情報をペン入力すると、通信会議装置Aのディスプレイ上に手書き情報が重畳表示される。続いて、ステップS4で手書き情報が通信会議装置Aから通信会議装置Bに送信され、通信会議装置Bにおいても、ディスプレイ上に同じ手書き情報が重畳表示される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような通信会議装置の相互間における文書の書き込みに対する重畳表示にあっては、文書のやり取りを行っている各通信会議装置は、取り扱っている文書のファイル形式、分解能、文字サイズ、文字種等は、規格に従って統一されたものを共通に使用しており、文書の互換等は問題にならない。
【0006】
しかしながら、ワープロ等で作成した原稿を他の端末に送って電子的に修正するシステムにあっては、原稿作成及び修正に使用する端末としては様々なものがあり、バイナリー形式では互換がとれないことから、通常、ワープロ文書はテキスト形式のファイルデータを使用する。
テキスト形式の原稿データは、修正時にドットデータに展開されてディスプレイ上に表示され、ディスプレイ上に対するイメージ入力によって、訂正、加入、削除、追加等の修正作業を行うことになる。このため、修正内容をそのまま残した修正原稿を依頼元に戻すためには、ディスプレイに表示している原稿及び修正内容のドットイメージをそのまま返送する必要がある。
【0007】
しかし、ドットイメージは、文字コードを使用したテキスト形式のデータに比べデータ量が大幅に増加し、修正原稿のファイル容量が増加し、また通信時間もファクシミリ並みに長くなる問題がある。
そこで、イメージ入力された修正情報を原稿イメージから分離し、修正イメージのみを依頼元に返送する必要がある。しかし、依頼元にあっては、依頼先の端末でテキスト形式の原稿データがどのような条件でドットデータに展開されてイメージ入力による修正が行われたかが不明であり、オリジナルの原稿をドットイメージに展開し、これに返送された修正イメージを重畳表示させても、修正イメージと原稿との対応が全くとれず、修正内容を把握することができない恐れがある。
【0008】
また従来の通信会議装置では、修正内容を確認するためには、装置A側で修正内容を入力している間、装置B側で表示内容を観察していなくてはならない。これは、修正内容の表示は、装置A側での修正内容の入力と同期しており、装置B側で自由な時間に表示できないためである。即ち、通信会議装置は、会議をしながら、その場だけのディスカッションのための修正指示や、文書添削のための指示を行うことを意図しているからである。
【0009】
このため従来の通信会議装置では、回線をつながない状態で、修正内容を入力したり、修正結果を重畳表示したりすることができず、端末間で時間的に拘束されることなく、それぞれ独立した時間帯に原稿修正の依頼と修正済み原稿の受け取り表示を電子的に行って原稿と修正内容を重畳表示させるような処理は困難であった。
【0010】
本発明は、端末間で電子的に原稿等の文書データの修正を依頼し、イメージ入力により修正した結果を受けて原稿上の修正位置に正しく修正イメージを重畳表示できるようにした修正情報の重畳表示方法を提供することを目的とする。
【0011】
【問題点を解決するための手段】
図1は本発明の原理説明図であり、本発明の修正情報表示方法は、次の処理過程を備える。
▲1▼原稿提供過程:
第1端末10から第2端末12にテキストファイル形式の原稿を提供する。
【0012】
▲2▼原稿表示過程:
第2端末12で、第1端末10から提供されたテキストファイル形式の原稿を、設定した文書制御情報に基づいてドットイメージに展開してディスプレイに表示する。
▲3▼修正過程:
第2端末12のディスプレイ上に表示した原稿に対し、加入、訂正、削除、追加等の修正情報をイメージ入力により重畳表示させながら修正処理を行う。
【0013】
▲4▼修正情報格納過程:
修正過程でディスプレイ上に重畳表示したドットイメージの修正情報をファイルに格納する。
▲5▼返送過程:
修正終了後に、少なくともファイルに格納した修正情報と、原稿のテキストファイルをドットイメージに展開する際に設定した文書制御情報を原稿提供元の第1端末10に返送する。
【0014】
▲6▼修正原稿表示過程:
第1端末10で、第2端末12から転送された文書制御情報に基づいて原稿をテキストファイルからドットイメージに展開し、第2端末12から転送されたドットイメージの修正情報を重畳表示させる。
このような本発明の修正情報の重畳表示方法によれば、修正側でのイメージ入力により作成された修正情報と同時に、修正側の端末で依頼されたテキストファイル形式の原稿をドットイメージに展開して表示する際に使用した文書制御情報の設定情報、即ち解像度、文字サイズや文字種等の文書管理情報等の文書制御情報が返送される。
【0015】
このため依頼側の端末で、テキスト形式の原稿をディスプレイ表示のためにドットイメージに転送する際に、修正情報と共に送られてきた文書制御情報に従ったドットイメージへの展開が行われ、修正時の全く同じドットイメージの原稿表示となる。このため修正情報のドットイメージをそのまま重畳表示するだけで、修正側と全く同じイメージ入力による修正が行われた原稿を再現することができる。
【0016】
ここで返送過程で送る文書制御情報としては、少なくともテキストファイル形式の原稿を、修正情報のドットイメージと同じ分解能のドットイメージに展開できる情報を転送する。より具体的には、文書制御情報として、解像度(dpi)、文書管理情報(文字サイズ、文字種、業間隔、文字間隔、業文字数、頁文字数、余白、頁ドット数等)、修正色を送る。
【0017】
修正情報格納過程でファイルに格納する修正情報は、修正位置を示す位置情報と、修正内容を示すドットデータで構成される。この内、位置情報は、頁、位置座標、縦横サイズを含む。
更に、修正過程では、ディスプレイ上に表示した原稿に対し修正情報を加入する際に、修正情報が表示しきれない場合は、追加情報の存在を重畳表示し、この追加情報は原稿とは別に入力表示してファイルに格納する。この追加情報は原稿と同じテキストファイル形式の情報とし、データ量を低減する。
【0018】
修正過程および重畳表示過程においては、原稿と修正情報を異なる表示色で重畳表示させることができる。これによって、原稿と修正部分とを明確に区別できる。更に、第1端末10での修正原稿表示過程にあっては、同一画面上に原稿と修正情報を重畳させた修正原稿とを表示し、修正原稿の修正情報に基づいて原稿の修正作業を行うことが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
図2は本発明の修正情報の重畳表示方法が適用される電子文書修正システムのブロック図である。
図2において、電子文書修正システムは、端末装置10と端末装置12を例えばローカルエリアネットワーク(以下「LAN」という)を介して接続することで構成される。この実施形態では、端末装置10側で原稿を作成し、作成した原稿を端末装置12側に提供して修正する場合を例にとっている。端末装置10,12間の文章情報の転送は、例えば電子メール等によるやり取りが望ましい。
【0020】
この場合、端末装置10から端末装置12にリアルタイムで電子メールのデータ転送を行うことができるが、通常、電子メール用のLAN52に対してはメールサーバを接続していることから、例えば端末装置10から原稿を提供する際に、端末装置12の電源が入っていなくても、LAN52を介して接続したメールサーバに一時的に原稿を保管し、これを端末装置12側で取り出して修正を行うこともできる。もちろん電子メールに限定されず、インターネット等の適宜のネットワークが利用できる。
【0021】
原稿を提供する端末装置10は、コントローラとしてのMPU14を備え、MPU14に対しハードディスク16、キーボード18、ディスプレイ20、メモリ22及び、LAN52に対する通信インタフェース(以下「通信IF」という)24を接続している。ハードディスク16には本発明による修正情報の重畳表示を実現するため、原稿格納部26、修正情報格納部28及び制御情報格納部30が設けられている。
【0022】
原稿格納部26には、端末装置12側に対し修正を依頼する原稿データが格納されている。原稿格納部26に格納する原稿情報としては、端末装置の機種が変わっても対応可能とするためにテキストデータを使用する。例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションで作成する原稿情報の標準的な記述法の1つであるでポストスクリプト形式のテキストファイルを使用することが望ましい。ポストスクリプト形式のテキストファイルは、例えばA4サイズを例にとると、その解像度を例えば50dpi〜500dpiというように自由に決めることができる。
【0023】
端末装置10における原稿の作成は、アプリケーションとしての文書作成ユーティリティを使用してキーボード18からの入力で作成してもよいし、印刷された原稿をOCR等で読み取ってもよい。修正情報格納部28及び制御情報格納部30には、修正を依頼した端末装置12からの返送情報が格納されることになる。
【0024】
ハードディスク16の原稿格納部26に格納されたポストスクリプト形式のテキストファイルによる原稿情報をディスプレイ20に表示する際には、解像度に加え、文字サイズ、文字種、余白、行間隔、文字間隔、行文字数、頁行数、行ドット数、頁ドット数等の予め決められた文書管理情報を設定し、これに基づいてフレームメモリとして機能するメモリ22上に文字コードによるフォントの指定でドットデータへの展開が行われ、このドットデータがディスプレイ20上にイメージ表示される。
【0025】
一方、修正側となる端末装置12にはコントローラとしてのMPU34が設けられ、コントローラ34に対しハードディスク36、キーボード38、液晶表示タブレット40、メモリ42及び通信IF44を設けている。ハードディスク36には原稿格納部46、修正情報格納部48及び制御情報格納部50が設けられている。
【0026】
端末装置10からLAN52を介して提供された原稿情報は、ハードディスク36の原稿格納部46に格納される。もちろん、原稿格納部46に格納される原稿情報はポストスクリプト形式のテキストファイルである。原稿修正時には、MPU34はハードディスク36の原稿格納部46に格納された原稿情報を読み出し、メモリ42上で文字コードに対応したフォントの展開によりドットデータを作成し、これを液晶表示タブレット40の液晶パネルに表示する。液晶表示タブレット40は、液晶パネルに対する表示機能に加えて、タブレットボードに対し入力ペンを使用することで、イメージ入力装置としての機能をもつ。
【0027】
液晶表示タブレット40に対する入力ペンの使用で行われた入力イメージは、メモリ42のフレーム領域にドットイメージとして格納され、その格納結果が液晶パネル上にドットイメージとして表示されることになる。
即ち、液晶タブレット40における液晶パネル上に原稿情報を表示した状態で、必要に応じて加入、訂正、削除、追加等の修正のためのイメージ入力を行って、修正イメージを重畳表示させることができる。
【0028】
図3は図2の電子文書修正システムにおけるデータフォーマットの説明図である。図3(A)は端末装置10,12間で電子メールによって行われる電文フォーマット54であり、電文フォーマット54は電子メールのための通信情報を格納したヘッダ56と、端末装置10,12間で転送するデータ部58で構成される。
【0029】
データ部58は文書名60、制御情報62、文書データ64及び修正データ66を含む。この内、端末装置10から端末装置12に原稿情報を依頼する際には、少なくとも文書名60と文書データ64を送るだけでよい。これに対し端末装置12から修正済みの原稿情報を端末装置10に返送する場合には、文書名60、制御情報62及び修正データ66を送る。
【0030】
返送情報の中には修正依頼された原稿である文書データ64を送り返す必要がない。また端末装置10から端末装置12に原稿修正を依頼する際に、文書名60及び原稿の文書データ64に加え、制御情報62を送るようにしてもよい。
端末装置12の修正原稿を端末装置10に転送する際に必ず送られる制御情報62は、解像度68、文書管理情報70及び修正色72で構成される。解像度68はポストスクリプト形式のテキストファイルのディスプレイ上に表示する際の解像度を示す情報であり、この解像度68が分かることで、端末装置10側において、修正を行った端末装置12におけると全く同じドットデータをディスプレイ上に表示することが可能となる。
【0031】
文書管理情報70としては、例えば文字サイズ、文字種、余白、行間隔、文字間隔、行文字数、頁文字数、頁ドット数等がある。この文書管理情報70に基づいて端末装置10側で修正原稿の表示を行うことで、修正を行った端末装置12における修正時と全く同じ原稿法及びイメージ入力による修正データの重畳表示が実現できる。
【0032】
更に修正色72は、ディスプレイ上における原稿文字に対し重畳表示する修正イメージの指定色であり、例えば修正色として「赤」が指定される。
端末装置12から端末装置10に返送する際に含められる修正データ66は、位置情報74とドットイメージデータ76で構成される。位置情報74は頁番号78、位置座標80、縦サイズ82、横サイズ84、更に追加フラグ86で構成される。このような位置情報74を具体的に説明すると次のようになる。
【0033】
図4は図1の端末装置10から提供される原稿情報100の一例である。この原稿情報100は端末装置12に提供され、液晶表示タブレット40上に表示された状態で、入力ペンを用いた修正イメージの入力によって修正画面102の表示内容となる。入力ペンを用いたイメージ入力による修正は、ワープロで作成された原稿文書に対し、オペレータが手書き入力で行った修正内容となる。尚、破線は修正イメージの表示領域を表わしており、実際には表示されない。
【0034】
図6は図5の修正画面102における修正情報104を取り出している。図5の修正画面102にあっては、修正イメージ90−1〜90−8が存在している。各修正イメージ90−1〜90−8は、図3(A)の修正データ66の中に位置情報74及びドットイメージデータ76の組合せ情報として格納されている。位置情報74における頁番号78は、図6の修正情報104に対応する図4の原稿情報100の頁番号である。
【0035】
次の位置座標80は、図6の修正イメージ90−1を例にとると、修正頁の左上隅の原点Qに対するP地点の座標(x1,y1)を表わす。縦サイズ82は修正イメージ90−1の縦方向、即ち副走査方向の高さHであり、高さHとしては例えばライン数が指定される。次の横サイズ84は修正イメージ90−1における横幅W1であり、ドット数が指定される。他の修正イメージ90−2〜90−7についても、その位置P2〜P7を起点とした位置情報の設定が行われる。
【0036】
一方、図6の修正情報104の内、最後の修正イメージ90−8については、「追加ADD1」という表示となっており、これは修正イメージそのものではなく、この部分にインデックス「ADD1」で指定される追加データが存在することを意味している。この修正イメージ90−8における追加修正データの存在は、図3(A)の位置情報74の中の追加フラグ86を1にセットすることで示される。
【0037】
追加フラグ86が1にセットされている場合には、その修正イメージ例えば図6の修正色90−8に表示しているインデックス「ADD1」で指定される追加データが、ドットイメージデータ76の代わりに存在する。図3(B)は追加フラグ86が1にセットされた場合の位置情報74と追加データ88である。
追加データ88はイメージ入力では書ききれない訂正情報であることから、インデックス「ADD1」をマウスクリックすることによりディスプレイ上等に追加情報の入力ウィンドウを展開し、この入力ウィンドウを使用して追加データをワープロ文書として入力する。
【0038】
したがって、追加データ88としてはテキストデータ即ちポストスクリプト形式のテキストファイルとして格納している。これによって、追加データ88が多くなっても、メモリ容量及びデータ転送量をドットイメージデータのまま格納する場合に比べ大幅に低減できる。
再び図3(A)を参照するに、修正データ66を構成する位置情報74の他の形態として、頁番号78に続いて複数の位置座標80−1〜80−nを設ける場合がある。このように1つの修正イメージに対し複数の位置座標80−1〜80−nを設けるのは、例えば図7のように修正画面102の太線で示す原稿文書中の例えば3箇所に同じ修正イメージ106−1〜106−3が存在する場合である。
【0039】
この場合には修正イメージそのものは同じであることから、それぞれの座標位置P1,P2,P3を異ならせるようにしている。この場合、使用するドットイメージデータ76としては、例えば最初の修正イメージ106−1のものを使用すればよい。
図8は図2の原稿提供側の端末装置10における処理動作のフローチャートである。まずステップS1で、原稿提供モードか修正原稿の表示モードかのモード設定が行われ、ステップS2で提供モードまたは表示モードが判別される。原稿提供モードであればステップS3に進み、オペレータに対し提供原稿の指定を依頼し、これを受けてオペレータが提供原稿を設定すると、ステップS4で、指示された原稿を電子メールによって端末装置12に送信する。
【0040】
一方、端末装置12に修正を依頼した修正原稿の受信後にあっては、表示モードを設定することでステップS5に進み、オペレータに対し修正情報と原稿の指定を依頼する。これを受けてオペレータは、原稿と返送された修正情報を指定すると、ステップS6で、指定された修正情報と原稿がディスプレイ20に対し重畳表示される。このステップS5,S6の修正情報と原稿の重畳表示については、後の説明で更に明らかにする。
【0041】
図9は図2の原稿修正側の端末装置12の処理動作のフローチャートである。まずステップS1で、修正済みの原稿を返送する提供モードか原稿修正のための入力モードを設定する。原稿修正の入力モードであればステップS2でこれが判別されて、ステップS3に進む。原稿修正の入力モードにあっては、まずオペレータに対し処理原稿の指定を依頼する。
【0042】
この指定を受けてオペレータが処理すべき原稿を指定すると、これに対応する原稿情報がハードディスク36の原稿格納部46から読み出され、読み出されたポストスクリプト形式のテキストデータは、そのとき設定されている解像度、文字制御情報に従ってメモリ42のフレーム領域に文字コードの指定によるフォントに従ってドットデータに展開され、液晶表示タブレット40の液晶パネルにステップS4で原稿が表示される。
【0043】
更に、この際に修正情報の表示色を例えば「赤」に指定しておく。続いてステップS5に進み、新規修正か一度修正した後の再修正かをチェックする。新規な修正処理であれば、ステップS6の修正処理に進む。既に修正した修正情報の更新であればステップS9に進み、オペレータに対し修正情報の指定を依頼する。この指定を受けてオペレータが例えば修正番号等を指定すると、対応する修正情報が修正情報格納部48から読み出され、ステップS10で、指定された修正情報を液晶表示タブレット40の液晶パネル上に重畳表示させる。この場合の修正情報の表示は、指定された修正色「赤」の色分け表示となる。
【0044】
ステップS6にあっては、新規原稿あるいは既に修正された修正原稿に対する修正処理を行う。修正処理が済むと、ステップS7で、修正情報を修正情報格納部48に格納する。更にステップS8で、原稿格納部から読み出したポストスクリプト形式のテキストファイルのドットデータの展開に使用した解像度、文書管理情報、更には修正色等の制御情報を制御情報格納部50に格納する。
【0045】
原稿修正が終了した後に修正情報を端末装置10に返送する場合には、モード設定1において提供モードが設定され、ステップS2で提供モードが判別されてステップS11に進む。ステップS11にあっては、オペレータに対し提供する修正情報の指定を依頼する。
この指定を受けてステップS12で、指示された修正情報を修正情報格納部48から読み出して電子メールにより端末装置10に送信する。更にステップS10で、指定された修正情報に対応する制御情報を制御情報格納部50から読み出して、同じく電子メールにより端末装置10に送信する。この場合の電文のフォーマットは、図3の内容をもつ。
【0046】
再び図8を参照するに、端末装置12からの原稿修正結果に基づく修正情報及びその制御情報を原稿提供元の端末装置10で受信したならば、ステップS1で表示モードをセットすることで、ステップS2からステップS5に進み、オペレータに対し修正情報と原稿の指定を依頼する。この依頼を受けてオペレータが原稿及び修正情報を指定すると、MPU14は原稿格納部26から指定された原稿のポストスクリプト形式のテキストファイルを読み出し、メモリ22のフレーム領域に、文字コードに従ったフォントデータを使用してドットデータに展開する。
【0047】
このとき制御情報格納部30に格納されている修正側の端末装置12から修正情報と共に送られた制御情報、即ち図3の解像度68、文書管理情報70及び修正色72を読み出し、制御情報に従った解像度、例えば端末装置12側における修正時の解像度が300dpiであったならば、同じ解像度300dpiでメモリ22のフレーム領域にポストスクリプト形式のテキストデータである原稿情報をドットイメージデータとして展開する。
【0048】
更に、指定された修正情報を修正情報格納部28から読み出して、メモリ22のフレーム領域に展開する。具体的には、図3(A)のように、修正データ66は位置情報74とドットイメージデータ76をもっており、位置情報74に従った頁番号の座標位置に、指定されたサイズでドットイメージデータ76を展開する。
【0049】
このときメモリ22のフレーム領域に既に展開されている原稿のイメージデータは、修正時に作成された修正ドットイメージデータと全く同じ解像度、文字配置をもっており、その結果、メモリ22のフレーム領域に展開した原稿及び修正情報のドットイメージデータをディスプレイ20に描画することで、端末装置12の修正時と全く同じ修正画面を再現することができる。
【0050】
具体的には、図4のような原稿情報100と図6のような修正情報104の各ドットイメージが同じフレーム領域に展開されて、図5の修正画面102のようなドットイメージとして表示することができる。この修正画面102にあっては、イメージ入力で行った削除、訂正、加入、追加等の修正内容が原稿文書のどの部分について行われたか、直ちに把握できる。
【0051】
特にワープロ文書として作成された原稿文字に対し、入力ペンを用いた手書きのイメージ入力による修正情報は、原稿文字「黒」に対し例えば訂正イメージ 「赤」で表示されており、修正内容が極めて明確で且つ直観的に把握できる。
更に、修正画面102には書ききれない修正情報については、追加情報がある旨の重畳表示となり、重畳表示に加え追加データのインデックス「ADD1」が示されていることから、インデックス「ADD1」をマウスクリックすることで、例えばディスプレイ上で追加データのファイルウィンドウを開き、例えば図3(B)のようなフォーマット形式をもつ追加データを、修正画面102とは異なる例えばウィンドウ画面として表示する。
【0052】
更に端末装置10にあっては、図5のような修正画面102を見ながらオリジナルの原稿情報を修正する必要があるが、この場合、ディスプレイ20上に図4の原稿情報100と図5の修正画面102を並べて表示し、修正画面102の手書きイメージ入力による修正内容を見ながら、原稿情報100をワープロ入力により修正することが望ましい。
【0053】
このような原稿情報と修正情報の2つを同一画面に表示した修正作業にあっては、修正が極めて行い易く、また修正後の確認も確実にできる。
尚、上記の実施形態は2つの端末装置による電子文書修正システムを例にとっているが、3端末以上で構成してもよいことは勿論である。また情報の転送は、電子メール以外に、ネットワークファイリングシステムとしてもよい。
【0054】
また上記の実施形態にあっては、ペン入力により手書きの修正イメージ入力を例にとっているが、これ以外にマウス等のポインタ手段で修正位置を指定し、キーボードによる文字コードの入力で修正を行うようにしてもよい。更に修正情報としては、イメージデータに限定されず、キーボード等から文字コードを入力した場合には、文字コードによる修正データを作成してもよい。
【0055】
この場合、文字コードの修正データと共に送る制御情報に、解像度に加えて文字フォントサイズが指定してあれば、原稿提供側において修正時と全く同じ文字コードからフォント展開によるドットイメージによる修正文字の表示ができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、複数の端末間で原稿等の文書データを提供して修正する際に、修正後に原稿提供元に、修正情報に加えてテキストファイル形式の文書情報をドットイメージに展開する際に使用した設定情報、例えば解像度等を併せて送ることで、原稿提供元で修正原稿を表示する際に、返送された修正情報と原稿のサイズ位置を自動的に合わせることができ、別の端末に依頼して行った修正情報の原稿情報に対する重畳表示を正確に行って、電子的な文書修正作業を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明が適用される電子文書修正システムのブロック図
【図3】図2のシステム間で転送されるデータフォーマットの説明図
【図4】修正を依頼された原稿の説明図
【図5】イメージ入力による原稿修正の説明図
【図6】図5のドットイメージによる修正情報の説明図
【図7】複数箇所に同じ修正を行った場合の説明図
【図8】図2の原稿提供側の端末装置の処理動作のフローチャート
【図9】図2の原稿修正側の端末装置の処理動作のフローチャート
【図10】図9の修正処理の詳細のフローチャート
【図11】従来装置の説明図
【符号の説明】
10:端末装置(第1端末:原稿提供側)
12:端末装置(第2端末:原稿修正側)
14,34:MPU
16,36:ハードディスク
18,38:キーボード
20:ディスプレイ
22,42:メモリ
24,44:通信IF
26,46:原稿格納部
28,48:修正情報格納部
30,50:制御情報格納部
40:液晶表示タブレット(表示兼イメージ入力装置)
52:LAN(ローカルエリアネットワーク)
54:電文フォーマット
56:ヘッダ
58:データ部
60:文書名
62:制御情報
64:文書データ
66:修正データ
68:解像度
70:文書管理情報
72:修正色
74:位置情報
76:ドットイメージデータ
86:追加フラグ
88:追加修正データ
90−1〜90−8:修正イメージ
100:原稿情報
102:修正画面
104:修正情報
106−1〜106−3:同一修正イメージ

Claims (9)

  1. 第1端末から第2端末にテキストファイル形式の原稿を提供する原稿提供過程と、
    第2端末で、第1端末から提供されたテキストファイル形式の原稿を、設定した文書制御情報に基づいてドットイメージに展開してディスプレイに表示する原稿表示過程と、
    該ディスプレイ上に表示した原稿に対し、加入、訂正、削除、追加等の修正情報をイメージ入力により重畳表示させながら修正処理を行う修正過程と、
    前記修正過程でディスプレイ上に重畳表示したドットイメージの修正情報をファイルに格納する修正情報格納過程と、
    修正終了後に、少なくとも前記ファイルに格納した修正情報と、前記原稿のテキストファイルをドットイメージに展開する際に設定した文書制御情報を原稿提供元の第1端末に返送する返送過程と、
    第1端末で、前記第2端末から転送された前記文書制御情報に基づいて原稿をテキストファイルからドットイメージに展開し、前記第2端末から転送されたドットイメージの修正情報を重畳表示させる修正原稿表示過程と、
    を備えたことを特徴とする修正情報の重畳表示方法。
  2. 請求項1記載の修正情報の重畳表示方法に於いて、前記返送過程は、文書制御情報として少なくともテキストファイル形式の原稿を、前記修正情報のドットイメージと同じ分解能のドットイメージに展開できる情報を転送することを特徴とする修正情報の重畳表示方法。
  3. 請求項1記載の修正情報の重畳表示方法に於いて、前記返送過程は、文書制御情報として、解像度、文書管理情報、及び修正色を転送することを特徴とする修正情報の重畳表示方法。
  4. 請求項1記載の修正情報の重畳表示方法に於いて、前記修正情報格納過程でファイルに格納する修正情報は、修正位置を示す位置情報と、修正内容を示すドットデータで構成されたことを特徴とする修正情報の重畳表示方法。
  5. 請求項4記載の修正情報の重畳表示方法に於いて、前記修正情報の位置情報は、頁、位置座標、縦横サイズを含むことを特徴とする修正情報の重畳表示方法。
  6. 請求項4記載の修正情報の重畳表示方法に於いて、前記修正過程は、該ディスプレイ上に表示した原稿に対し書ききれない修正情報を加入する際に追加情報の存在を重畳表示し、該追加情報は原稿とは別に入力表示してファイルに格納することを特徴とする修正情報の重畳表示方法。
  7. 請求項6記載の修正情報の重畳表示方法に於いて、前記追加情報は前記原稿と同じテキストファイル形式の情報であることを特徴とする修正情報の重畳表示方法。
  8. 請求項1記載の修正情報の重畳表示方法に於いて、前記修正過程および重畳表示過程において、原稿と修正情報を異なる表示色で重畳表示させることを特徴とする修正情報の重畳表示方法。
  9. 請求項1記載の修正情報の重畳表示方法に於いて、前記修正原稿表示過程は、同一画面上に原稿と修正情報を重畳させた修正原稿とを表示し、該修正原稿の修正情報に基づいて原稿の修正作業を行うことを特徴とする修正情報の重畳表示方法。
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