JP3696594B2 - 茶抽出液の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は容器詰茶飲料に使用しても、長期保存時におりや沈殿を生じず、滋味が良好な、非重合体カテキン類を高濃度含有する茶抽出液を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カテキン類の効果としてはコレステロール上昇抑制作用やαアミラーゼ活性阻害作用などが報告されている。このような生理効果を発現させるためには、成人一日あたり4〜5杯のお茶を飲むことが必要であることから、より簡便に大量のカテキン類を摂取するために、飲料にカテキン類を高濃度配合する技術が望まれていた。この方法の一つとして、緑茶抽出物の濃縮物や精製物などを利用して、カテキン類を飲料に溶解状態で添加する方法がある。
【0003】
しかしながら、非重合体カテキン類を高濃度に配合した容器詰茶飲料は、製造後長期保存したときにおりや沈殿を生じ、外観を大きく損ねてしまう。従来の茶飲料、特に緑茶飲料でも保存中におりや沈殿が生成することがあるが、非重合体カテキン類を高濃度に配合した容器詰茶飲料では外観の悪化が著しい。緑茶飲料のおりや沈殿の原因は茶葉由来の多糖類、タンパク質、ポリフェノール類や金属イオン等の成分が水不溶性固形分を形成するためであるといわれている。おりや沈殿の生成メカニズムは複雑であり、これまでに様々な対策が検討されてきた。例えば緑茶中の高分子成分に着目した対策として、酵素処理によって水不溶性固形分形成成分を分解・低分子化しておりの発生を抑制する方法(特許文献1及び2参照)や、緑茶成分を限外濾過膜によって分画し、分子量1万以上の高分子成分をほぼ除去することによっておりの発生を抑制する方法(特許文献3参照)が報告されている。一方、金属イオンに着目した方法としては陽イオン交換樹脂処理とそれに続く微小濾過によって水色と濁りを抑制する方法(特許文献4参照)が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−328901号公報
【特許文献2】
特開平11−308965号公報
【特許文献3】
特開平4−45744号公報
【特許文献4】
特許第3174065号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、限外濾過や微小濾過によって高分子成分をほとんど除去する方法では、茶の滋味成分が大幅に除かれてしまい、おりや沈殿は抑制されるものの茶特有の風味が乏しくなるという欠点がある。酵素処理を行うと、酵素自身の味によって茶本来の風味が変化してしまうことがある。
【0006】
本発明の目的は容器詰茶飲料に使用しても、長期保存時におりや沈殿を生じず、滋味が良好な、非重合体カテキン類を高濃度に含有する茶抽出液を効率よく製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、かかる容器詰茶飲料の長期保存時のおり、沈殿を抑制すべく、種々検討した結果、非重合体カテキン類を高濃度に含有する茶抽出液の製造過程においてゲル型陽イオン交換樹脂によりマグネシウム濃度を低減し、かつ0.2〜0.8μmの水不溶性固形分量をコントロールすることにより、容器詰茶飲料に用いた場合に、おりや沈殿が生じることがなく、茶本来の風味を損なわない茶抽出液が効率よく得られることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、緑茶、半発酵茶及び発酵茶から選ばれる原料茶の抽出液と緑茶抽出物の濃縮物又は精製物を混合する茶抽出液の製造法であって、当該原料茶の抽出液及び当該濃縮物もしくは精製物のいずれか一方又はそれらの混合液を、ゲル型陽イオン交換樹脂に接触させることを特徴とする、非重合体カテキン類含有量が0.05〜1.5重量%であり、マグネシウム濃度(A)[mg/L]が0.2〜0.8μmの原料茶葉由来の水不溶性固形分量(B)[mg/L]と次式(1)の関係にある茶抽出液の製造法を提供するものである。
【0009】
20<(B)<−7.8×(A)+195………(1)
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、緑茶、半発酵茶及び発酵茶から選ばれる茶の抽出液(以下、原料茶の抽出液という)と緑茶抽出物の濃縮物又は精製物を混合して、非重合体カテキン類を高濃度含有する茶抽出液の製造法において、当該原料茶の抽出液及び当該濃縮物又は精製物のいずれか一方又はそれらの混合液を、ゲル型陽イオン交換樹脂に接触させることを特徴とする方法である。
【0011】
本発明に用いる原料茶の抽出液は、緑茶、半発酵茶及び発酵茶から選ばれた茶の抽出液であり、このうち、緑茶の抽出液が好ましい。半発酵茶としては烏龍茶が挙げられ、発酵茶としては紅茶が挙げられる。
【0012】
本発明に使用する緑茶としては、Camellia属、例えばC. sinensis、C. assamica及びやぶきた種、又はそれらの雑種から得られる茶葉から製茶された茶葉が挙げられる。当該製茶された茶葉には、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜炒り茶等の緑茶類がある。
【0013】
もう一方の原料である緑茶抽出物の濃縮物又は精製物としては市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などが挙げられる。これらを再精製したものを用いてもよい。再精製の方法としては、例えば緑茶抽出物の濃縮物を水又は水と有機溶媒の混合物に懸濁し、これに有機溶媒を添加することにより生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去する方法がある。あるいは茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出した抽出物を濃縮したものをさらに精製したもの、あるいは抽出された抽出物を直接精製したものを用いてもよい。ここでいう緑茶抽出物の濃縮物又は精製物の形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々のものが挙げられる。
【0014】
本発明で非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどのエピ体カテキン類をあわせての総称である。ここでいう非重合体カテキン類の濃度は、上記の合計8種の合計量に基づいて定義される。
【0015】
イオン交換樹脂には、ゲル構造を有するゲル型樹脂と、母体に多数の細孔をもつ多孔性(ポーラス型、ハイポーラス型)樹脂が存在する。本発明においては、原料茶の抽出液及び緑茶抽出物の濃縮物・精製物のいずれか一方又はこれらの混合液をゲル型陽イオン交換樹脂に接触させる。このゲル型陽イオン交換樹脂としてはスルホン酸基を有する陽イオン交換樹脂が好ましい。具体的には、ダイヤイオンSK1BをはじめとするSKシリーズ等が挙げられるが、これらに限定されない。陽イオン交換樹脂としてポーラス型、ハイポーラス型のものを用いると、非重合体カテキン類が樹脂に吸着されてしまい、その後水洗を行っても収率が低く生産性が著しく低下する。一方、ゲル型の樹脂を用いた場合は非重合体カテキン類のロスはほとんどない。ここで、イオン交換工程における非重合体カテキン類の収率とは、樹脂処理後の液中に含まれるカテキン量(a)[mg/L]およびイオン交換水で樹脂を洗った水洗液中のカテキン量(b)[mg/L]と、樹脂処理前の液中のカテキン量(c)[mg/L]の比で、次式(2)で表わされる。
収率[%] = (a+b)/c ×100・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
また、ゲル型陽イオン交換樹脂としては、対イオンがNa型のものとH型のもののいずれも使用できるが、H型のゲル型陽イオン交換樹脂を使用するとpHを調整しても抽出液の苦みが増強される為、抽出液の風味の面からNa型のゲル型陽イオン交換樹脂を用いる方が望ましい。
【0016】
ゲル型陽イオン交換樹脂とこれらの原料との接触方法はバッチ式、半バッチ式、半連続式又は連続式で行なうことができるが、カラムに樹脂を充填して連続的に通過させるのが良い。樹脂量は原料茶の抽出液、前記濃縮物・精製物又はこれらの混合液に対し、0.05〜3重量%使用するのが好ましく、0.5〜2重量%とするのがさらに好ましい。
【0017】
当該ゲル型陽イオン交換樹脂処理によって、マグネシウム量が顕著(1.0mg/L以下)に低下すると同時に、Naイオンの増加とKイオンの減少により滋味が向上し、非重合体カテキン類濃度はほとんど低下しない。本発明の目的茶抽出液中には、非重合体であって水に溶解状態にある非重合体カテキン類を、0.05〜1.5重量%含有するが、好ましくは0.092〜1.2重量%、さらに好ましくは0.11〜0.9重量%、特に好ましくは0.12〜0.9重量%含有する。茶抽出液中の非重合体カテキン類含量がこの範囲にあると、多量の非重合体カテキン類を容易に摂取し易く、体内吸収性が良好で、強烈な苦味、渋味、強い収斂性が生じない。当該非重合体カテキン類の濃度は、緑茶抽出物の濃縮物又は精製物の配合量によって調整することができる。
【0018】
本発明の目的茶抽出液中の非重合体カテキン類はエピガロカテキンガレートとガロカテキンガレートとエピガロカテキンとガロカテキンからなる総称ガロ体と、エピカテキンガレートとカテキンガレートとエピカテキンとカテキンからなる総称非ガロ体の比率が、天然の緑茶葉の組成を維持しているのが好ましい。従って上記4種のガロ体総量は常に上記4種の非ガロ体総量を上回っているのが緑茶抽出物の濃縮物又は精製物においても天然の緑茶葉の組成を維持しているという点において好ましい。
【0019】
また、本発明の目的茶抽出液中のカテキンガレートとエピカテキンガレートとガロカテキンガレートとエピガロカテキンガレートからなる総称ガレート体の全非重合体カテキン類中での割合が45重量%以上であるのが、非重合体カテキン類の生理効果の有効性上好ましい。
【0020】
また本発明の目的茶抽出液は、マグネシウム濃度(A)[mg/L]と0.2〜0.8μmの茶葉由来の水不溶性固形分量(B)[mg/L]との関係が次式(1

【0021】
20<(B)<−7.8×(A)+195………(1)
【0022】
であるのが、これを配合した容器詰茶飲料が、長期保存時におりや沈殿を生じず、滋味が良好である点で必要である。
【0023】
本発明でいう0.2〜0.8μmの茶葉由来の水不溶性固形分(B)とは、孔径0.8μmのメンブレンフィルターを通過させた後、孔径0.2μmのメンブレンフィルター(ミリポア社製オムニポア)で飲料を吸引濾過した後、膜上に残った固形分のことをさし、絶乾重量を測定して飲料中の含有量を計算する。この水不溶性固形分は多糖類、タンパク質、ポリフェノール類や金属イオン等から形成されている。茶葉由来の水不溶性固形分量を低減する方法としては、市販の緑茶抽出物の濃縮物や精製物のうち適当な物を選択するか、これらをさらに再精製して用いる方法が挙げられる。又は飲料製造工程中で一般的なカートリッジフィルターにより濾過を行うのも良い。フィルターとしてはゼータプラスシリーズ(キュノ社製)やプロファイルIIシリーズ(日本ポール社製)等、工業規模で使用されている物を用いればよく、限外ろ過膜(UF)や精密ろ過膜(MF)等の特殊な膜で水不溶性固形分を大幅に取り除く必要はない。0.2〜0.8μmの水不溶性固形分含有量を20mg/L以下に下げようとするとこのような特殊な膜が必要になり、飲料の生産性が著しく低下する。また、水不溶性固形分形成成分は茶中の呈味成分であるため、20mg/Lより低くしてしまうと飲んだときに苦味・渋味が強く感じられて常飲にたえない飲料となる。
【0024】
本発明の目的茶抽出液のpHは、25℃で2〜7、好ましくは3〜7、より好ましくは5〜7とするのが非重合体カテキン類の化学的安定性の点で好ましい。
【0025】
本発明の目的茶抽出液を配合すれば、非重合体カテキン類濃度が高く、かつ長期間保存してもおりや沈殿を生じず、滋味が良好な容器詰茶飲料が効率よく得られる。
【0026】
本発明の目的茶抽出液を配合した容器詰茶飲料には、茶由来の成分にあわせて、処方上添加して良い成分として、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。
【0027】
例えば甘味料としては、砂糖、ぶどう糖、果糖、異性化液糖、グリチルリチン、ステビア、アスパルテーム、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等が挙げられる。酸味料としては、天然成分から抽出した果汁類のほか、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、リン酸が挙げられる。飲料中に0.01〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.3重量%含有するのがよい。
無機酸類、無機酸塩類としてはリン酸、リン酸二ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。飲料中に0.01〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.3重量%含有するのがよい。
【0028】
本発明の目的茶抽出液を配合した容器詰茶飲料に使用される容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などの通常の形態で提供することができる。ここでいう容器詰茶飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
【0029】
また本発明の目的抽出液を配合した容器詰茶飲料は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造される。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。さらに、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻すなどの操作も可能である。
【0030】
【実施例】
カテキン類の測定
フィルター(0.8μm)で濾過し、次いで蒸留水で希釈した容器詰めされた飲料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
【0031】
マグネシウムの濃度の測定
ICP発光分析法による。SEIKO社製SP1200Aを用いた。
【0032】
0.2〜0.8μ m の茶葉由来の水不溶性固形分量の測定
飲料100gを孔径0.8μmのメンブレンフィルターで吸引濾過して通過した液を、孔径0.2μmのミリポア社製オムニポアメンブレンフィルターで吸引濾過し、フィルターの初期絶乾重量と濾過後の絶乾重量の差から計算した。フィルターは105℃で3時間乾燥させた後、室温のデシケーター内で1時間放冷して恒量値を求めた。
【0033】
保存時のおり・沈殿の評価
加速保存試験により行った。容器詰茶飲料を55℃のインキュベーター内に保存し、5日後に外観を目視で評価した。
【0034】
実施例1
宮崎産の緑茶葉135gを65℃に加熱したイオン交換水4kgに加えて5分間抽出し、次いで抽出液から茶葉を取り除き、熱交換器で25℃以下に冷却した。次にネル濾過により抽出液中の沈殿物や浮遊物を取り除き、ゲル型陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK1B)を37.5g充填したカラムに常温で通液した。その後、この抽出液を円盤型デプスフィルター(ゼータプラス10C)で濾過した。一方、市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)100gを99.5重量%エタノール630gに分散させ、水270gを10分で滴下後、30分熟成し、2号濾紙及び孔径0.2μmの濾紙で濾過し、水200mLを加えて減圧濃縮後凍結乾燥することによって再精製物を得た。この再精製物を先の抽出液に加えた。このようにして得た茶抽出液の分析結果及び当該抽出液を30重量%配合した緑茶飲料のおり・沈殿評価結果を表1に示す。
【0035】
実施例2
実施例1と同条件で緑茶抽出液のネル濾過液を得た。これに実施例1と同条件で市販の緑茶抽出物の濃縮物を再精製したものを加え、ゲル型陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK1B)を75g充填したカラムに常温で通液した。樹脂の量は最終的な飲料製品に対して0.5重量%とした。得られた液は円盤型デプスフィルター(ゼータプラス10C)で濾過した。このようにして得た茶抽出液の分析結果及び当該抽出液を30重量%配合した緑茶飲料のおり・沈殿評価結果を表1に示す。
【0036】
実施例3
静岡産の緑茶葉135gを75℃に加熱したイオン交換水3.4kgに加えて5分間抽出し、次いで抽出液から茶葉を取り除き、熱交換器で25℃以下に冷却した。次にネル濾過により抽出液中の沈殿物や浮遊物を取り除き、実施例2と同様に緑茶抽出物の濃縮物の再精製物を混合した。この液をゲル型陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK1B)を75g充填したカラムに常温で通液し、その後円盤型デプスフィルター(ゼータプラス10C)で濾過した。このようにして得た茶抽出液の分析結果及び当該抽出液を30重量%配合した緑茶飲料のおり・沈殿評価結果を表1に示す。
【0037】
比較例1
実施例1と同条件で緑茶抽出液のネル濾過液を得た。この液を円盤型デプスフィルター(ゼータプラス10C)で濾過し、実施例1と同条件で市販の緑茶抽出物の濃縮物を再精製したものを加えた。このようにして得た茶抽出液の分析結果及び当該抽出液を30重量%配合した緑茶飲料のおり・沈殿評価結果を表1に示す。
【0038】
比較例2
実施例1と同条件で緑茶抽出液のネル濾過液を得た。これに市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)を加え、ゲル型陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK1B)37.5gを充填したカラムに常温で通液した。このようにして得た茶抽出液の分析結果及び当該抽出液を30重量%配合した緑茶飲料のおり・沈殿評価結果を表1に示す。
【0039】
比較例3
実施例1と同条件で緑茶抽出液のネル濾過液を得た。次にポーラス型陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンPK208)を37.5g充填したカラムに常温で通液した。その後、この抽出液を円盤型デプスフィルター(ゼータプラス10C)で濾過し、実施例1と同条件で市販の緑茶抽出物の濃縮物を再精製したものを加えた。このようにして得た茶抽出液の分析結果及び当該抽出液を30重量%配合した緑茶飲料のおり・沈殿評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003696594
【0041】
おり・沈殿の評価:
−:おり・沈殿発生せず
±:小さなおりが僅かに発生するが容器内の飲料が動くとすぐ消失
+:小さなおり・沈殿が少量発生
++:大きなおり・沈殿が多量に発生
【0042】
実施例1〜3では加速保存後もおり・沈殿は観察されず、滋味も良好であった。これに対して比較例1〜2では大きなおり・沈殿が多量に発生した。また、比較例3ではおり・沈殿は発生しなかったものの、陽イオン交換樹脂処理工程における非重合体カテキンの収率が大幅に低下した。
【0043】
【発明の効果】
本発明により得られる非重合体カテキン類を高濃度に含有する茶抽出液は容器詰茶飲料に使用しても、長期保存時におりや沈殿を生じず、滋味が良好で清涼感がある。

Claims (3)

  1. 緑茶、半発酵茶及び発酵茶から選ばれる原料茶の抽出液と緑茶抽出物の濃縮物又は精製物を混合する茶抽出液の製造法であって、当該原料茶の抽出液及び当該濃縮物もしくは精製物のいずれか一方又はそれらの混合液を、ゲル型陽イオン交換樹脂に接触させることを特徴とする、非重合体カテキン類含有量が0.05〜1.5重量%であり、マグネシウム濃度(A)[mg/L]が0.2〜0.8μmの原料茶葉由来の水不溶性固形分量(B)[mg/L]と次式(1)の関係にある茶抽出液の製造法。
    20<(B)<−7.8×(A)+195………(1)
  2. 当該原料茶の抽出液、当該濃縮物もしくは精製物又はそれらの混合液に対してゲル型陽イオン交換樹脂を0.05〜3重量%使用する請求項1記載の茶抽出液の製造法。
  3. 請求項1又は2記載の製造法により得られた茶抽出液を配合する容器詰茶飲料の製造法。
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