JP3696537B2 - 自動修正時計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電波による時刻信号を受けて時刻修正を行う自動修正時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動修正時計のうち電波を用いる電波修正時計は、例えば日本標準時(JST)を高精度で伝える長波の標準電波(JJY)を受信し、この受信信号に基づいて、時刻を修正するいわゆる帰零等を行う機能を有している。そして、この帰零を行う際に、まず指針の位置を正確に正時等に合わせるなどのために、指針位置検出装置が備えられている。
【0003】
指針位置検出信号には一般的に光検出センサが用いられ、光検出センサには大別して光反射型センサと光透過型センサの2種類がある。
【0004】
光反射型センサを用いた指針位置検出装置を備えた従来の電波修正時計としては、例えば特開平6−222164号公報、実開平6−30793号公報に記載されたものなどが知られている。これらの公報に開示されている電波修正時計には、秒針歯車を回転させる第1駆動系と、分針歯車および時針歯車を回転させる第2駆動系と、秒針の位置を検出するための第1光反射型センサと、分針および時針の位置を検出するための第2光反射型センサ等が設けられている。
【0005】
この第1光反射型センサおよび第2光反射型センサは、それぞれ発光素子および受光素子により形成されており、第1駆動系を構成する中間車と、時針車とにそれぞれ形成された検出孔と、秒針車および別個に設けた回転板にそれぞれ形成された光反射部とがそれぞれ一致した時に、受光素子が発光素子から発せられた光を受光して指針位置を検出するようになっている。
【0006】
光透過型センサを用いた電波修正時計としては、例えば特開2000−162336号公報に開示されている電波修正型の自動修正時計がある。この電波修正時計においては、秒針を駆動する駆動系を構成する歯車と、分針および時針を駆動する駆動系を構成する歯車とに透孔を形成し、この透孔を介して発光素子と受光素子とを対向させ、各透孔が対向して発光素子から発せられた光が受光素子で受光されたときに、指針位置を検出するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような光検出センサ等を用いた指針位置検出装置においては、検出にかかる時間や位置検出の精度は、位置検出に用いる歯車のうちで最も高速に動く歯車(高速車)に依存している。この高速車の1ステップ、即ちクオーツ式時計において駆動力を生み出すロータを回転させる磁界の方向が変わり、ロータが半回転するプロセス当たりの移動量が少ないと、歯車等の部品の加工精度のバラツキや、バックラッシュ等による歯車のガタつきなどにより、1ステップ分前、もしくは後ろにずれて位置を誤検出する可能性が生じてくる。
【0008】
1ステップ当たりの移動量は、指針を滑らかに動かすために、高速車を含む駆動系の歯車列の減速比が大きくなるほど小さくなり、基準位置検出にかかる時間を短縮するために、高速車に設けられている位置検出用の透光部(透孔)を長孔状にすると、位置の誤検出の可能性は高まる。
【0009】
以上のような問題点を鑑み、本発明においては、1ステップ分の位置の誤検出も発生しえない、極めて高精度な指針位置検出装置を有する自動修正時計を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動修正時計は、上述の目的を達成するために、指針の駆動源として用いる、ステータと、駆動コイルと、ロータとを含む少なくとも1つのステッピングモータと、前記ステッピングモータの回転駆動力を減速して前記指針に伝達するための中間車と、検出指令信号を受けて、前記指針に直結される指針車が、時刻信号を受信して所定時刻に修正する際に基準位置に位置付けられたことを検出する検出手段と、前記ステッピングモータを駆動するためのパルス信号を出力し、かつ、前記検出手段の出力信号、および時刻信号に基づいて所定時刻に修正する動作を制御する制御部とを有し、前記検出手段は、検出光を発する発光素子および当該発光素子から発せられた検出光を受光して信号を出力する受光素子からなる透過型光検出センサを有し、前記駆動コイルの巻回方向および前記ロータの磁極の方向があらかじめ定められており、前記駆動コイルは、前記ステータに発生する磁界の方向を変え、前記ロータの磁極との反発により当該ロータを回転させるために前記制御部からの前記パルス信号がそれぞれ印加される巻始め端子および巻終わり端子を有し、
前記制御部は、前記巻始め端子および前記巻終わり端子のどちらか一方へパルス出力するタイミングと同期させて前記透過型光検出センサに信号を出力して前記指針車の位置検出を行うように前記検出指令信号を前記検出手段に出力することを特徴とする。
【0011】
好適には、前記ステッピングモータは秒針用ステッピングモータを含み、当該秒針用ステッピングモータの回転駆動力は第1検出用歯車として用いられる中間車により減速されて秒針に伝達され、前記第1検出用歯車には、前記検出手段による前記秒針の位置検出のために用いられる透光部と遮光部が、回転軸を中心とした同一円周上に、所定の検出パターンで設けられており、前記秒針に直結される秒針車である第2検出用歯車には、回転軸を中心とした同一円周上に、前記秒針の位置検出が可能となるように前記第1検出用歯車の検出パターンと所定の位置関係を持たせた透光部と遮光部のパターンが設けられている。
【0012】
さらに好適には、前記第1検出用歯車は、前記第2検出用歯車と重なり合う部分において、前記検出手段からの検出光を透過するための半径方向に所定の幅を持って円周方向に所定の長さを有する円弧状の透光部と、当該透光部以外の部分である円周方向に所定の長さを有する遮光部とを少なくとも1つずつ有し、前記第2検出用歯車は、前記第1検出用歯車と重なり合う部分において前記検出手段からの検出光を透過するための半径方向に所定の幅を有する円弧状の透光部と、当該透光部以外の部分である遮光部とをそれぞれ複数有し、前記第2検出用歯車の前記透光部と前記遮光部は交互に配列されているとともに当該複数の遮光部のうちの1つは他の遮光部よりも円周方向に所定の長さだけ長く形成されている。
【0013】
また、前記ステッピングモータには時分針用ステッピングモータが含まれていてもよく、この場合には、当該時分針用ステッピングモータの回転駆動力が第3検出用歯車として用いられる中間車により減速されて分針および時針に伝達され、前記第3検出用歯車には、前記検出手段による前記分針および時針の位置検出のために用いられる透光部と遮光部が、回転軸を中心とした同一円周上に、所定の検出パターンで設けられ、前記分針に直結される分針車である第4検出用歯車および前記時針に直結される時針車である第5検出用歯車には、回転軸を中心とした同一円周上に、前記分針および時針の位置検出が可能となるように前記第3検出用歯車の検出パターンと所定の位置関係を持たせた透光部と遮光部のパターンが設けられる。
【0014】
好適には、前記第3検出用歯車は、前記第4および第5検出用歯車と重なり合う部分において、前記検出手段からの検出光を透過するための半径方向に所定の幅を持って円周方向に所定の長さを有する円弧状の透光部と、当該透光部以外の部分である円周方向に所定の長さを有する遮光部とを少なくとも1つずつ有し、前記第4および第5検出用歯車は、前記第3検出用歯車と重なり合う部分において前記検出手段からの検出光を透過するための半径方向に所定の幅を有する円弧状の透光部と、当該透光部以外の部分である遮光部とをそれぞれ複数有し、前記第4および第5検出用歯車の前記透光部と前記遮光部は交互に配列されているとともに当該複数の遮光部のうちの1つは他の遮光部よりも円周方向に所定の長さだけ長く形成される。
【0015】
本発明においては、駆動コイルの巻回方向とロータの静止位置での磁極の方向があらかじめ決まっており、さらに、駆動コイルの巻始め端子と巻終わり端子を明確に区別し、各々の端子に制御部からのパルス信号が入力されたときステータに発生する磁界の方向をあらかじめ定めておくことで、上記2つの端子にそれぞれパルス信号が入力されたときに、ロータの磁極がどちらを向いているかを知ることができる。
【0016】
そして、上記端子のどちらか一方に入力されるパルス信号の出力タイミングと所定の関係を持たせて、光検出センサに検出光の発光および受光を行うように制御部から検出指令信号を出力すれば、ロータがある所定の磁極の向きになるごとに、即ちある所定のステップごとに光検出センサの検出信号を入手することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に記述する。
【0018】
まず、自動修正時計としての電波修正時計の、標準電波による一般的な時刻検出方法について述べる。
電波修正時計においては、一般的に、時刻情報(タイムコード情報)を含んだ標準電波(JJY)を受信し、そのタイムコード情報を基に時刻修正を行う。
【0019】
図1は本発明に係る自動修正時計としての電波修正時計の信号処理系回路の一構成例を示すブロック図である。
図において、信号処理系回路10は、標準電波受信系11、発振回路13、制御回路14、バッファ回路17、光透過型光検出センサ140を有する。
【0020】
標準電波受信系11は、例えば受信アンテナ11aと、送信所から送信されたタイムコードを含む標準電波を受信し、所定の処理を行いパルス信号S11として制御回路14に出力する長波受信回路11bとから構成される。
この長波受信回路11bは、例えばRFアンプ、検波回路、整流回路、および積分回路とから構成される。
【0021】
なお、標準電波受信系11で受信される、日本標準時を高精度で伝える長波の標準電波は、図2(a)に示すような形態で送られてくる。
【0022】
具体的には、タイムコードは「1」信号、「0」信号、「P」信号の3種類の信号パターンから構成され、それぞれの信号パターンは、1秒(s)中の100%振幅期間幅によって区別されている。つまり、「1」信号を表す場合には1秒(s)の間に500ms(0.5s)だけ所定の周波数の信号が送信され、「0」信号を表す場合には1秒(s)の間に800ms(0.8s)だけ所定の周波数の信号が送信され、「P」信号を表す場合には1秒(s)の間に200ms(0.2s)だけ所定の周波数の信号が送信されてくる。
そして、受信状態が良好な場合には、標準電波受信系11からは図2(b)に示すように、標準電波の信号に応じたパルス信号として信号S11が、制御回路14に出力される。
【0023】
なお、日本の標準電波は2001年9月1日現在、独立法人通信総合研究所(CRL)のもとで運用されており、標準電波の周波数としては、これまで40kHzのものが使用されてきたが、2001年10月1日からは60kHzの標準電波を送信する送信所も開局予定である。
また、変調波の振幅は最大100%、最小10%である。
【0024】
次に、長波標準電波の送信データについて説明する。
図3に、標準電波信号のタイムコードの一例が示されている。
図3に示す通り、タイムコードは1分1周期(1フレーム)としてこれを60分割し、1秒間ごとに1ビットの情報を割り当てて送信している。
【0025】
タイムコードが送信する情報は時、分、1月1日からの通算日、年(西暦下2桁)、曜日、うるう秒情報、時と分に対応するパリティ、予備ビット、停波予告情報であり、このうち時、分、1月1日からの通算日、年(西暦下2桁)、曜日に関しては2進数(BCD(Binary Coded Decimal Notation:2進化10進法)正論理)として表し送信する。従って、時には24時間制JSTの時を表すために6ビット、分には7ビット、通算日には10ビット、年には8ビット、曜日には3ビット必要となる。
なお、秒信号については、秒は電波のパルス信号の立ち上がりとし、パルスの立ち上がりの55%値(10%値と100%値の中央)が標準時の1秒信号に同期する。
【0026】
P信号は1フレームに7回送信され、正分(0秒)に対応するものがマーカーMと呼ばれ、9秒、19秒、29秒、39秒、49秒に対応するものがそれぞれポジションマーカーP1〜P5と呼ばれる。
なお、もう1つのポジションマーカーP0は、通常(非うるう秒時)は59秒の立ち上がりに対応する。このP信号が続けて現れるのは1フレーム中1回で59秒、0秒の時、つまりポジションマーカーP0、マーカーMと続くときだけで、この続けて現れる位置が正分位置となる。つまり分・時データ等の時刻データはこの正分位置を基準としてフレーム中の位置が決まっているためこの正分位置の検出を正確に行わないと時刻データを取り出すことはできない。
【0027】
ただし、標準電波のフレームのフォーマットは毎分同じわけではなく、図3に示すように、毎時15分および45分時のフォーマットと、それ以外の分の時刻のフォーマットは異なっている。後述するが、予備ビットとうるう秒情報は図3(a)に示す15分、45分以外のフォーマットのみに含まれ、図3(b)に示すように、呼び出し符号と停波情報が、年情報と曜日情報の代わりに15分、45分のフォーマットにのみ現れる。
以下、上記予備ビット、うるう秒情報、停波情報について述べる。
【0028】
予備ビットは表1に示されるように、SU1、SU2と名付けられたビットを使用する。これらは将来の情報拡張のために用意されたものである。サマータイム情報でこのビットが活用されるときは、SU1=SU2=0では「6日以内に夏時間への変更無し」、SU1=1・SU2=0では「6日以内に夏時間への変更有り」、SU1=0・SU2=1では「夏時間実施中」、SU1=SU2=1では「6日以内に夏時間終了」となるような情報形態となっている。夏時間への切り換わりについては日本ではまだサマータイムが導入されておらず、未だ不明の状態であるが欧州のサマータイムの切り替わりをみると、夜中のうちに行っている場合が多い。
【0029】
【表1】
Figure 0003696537
【0030】
次にうるう秒は表2に示されるように、LS1、LS2と名付けられた2ビットを使用し、LS1=LS2=0では、「1ヶ月以内にうるう秒の補正を行わない」、LS1=1・LS2=0では「1ヶ月以内に負のうるう秒(削除)有り」つまり1分間が59秒となり、LS1=LS2=1では「1ヶ月以内に正のうるう秒(挿入)有り」つまり1分間が61秒となるような情報形態となっている。うるう秒の補正のタイミングは既に決められており、協定世界時(UTC)時刻の1月1日もしくは7月1日の直前に行われることになっている。よって、日本時間JTCでは1月1日もしくは7月1日の午前9:00直前に行われることになる。
うるう秒情報は、実施される前月2日9時0分より、実施月の1日8時59分まで、継続して送信される。
【0031】
【表2】
Figure 0003696537
【0032】
停波情報は表3の(a)、(b)、(c)に示されるように、ST1、ST2、ST3、ST4、ST5、ST6と名付けられたビットを使用し、ST1・ST2・ST3で停波開始予告、ST4で停波時間帯予告、ST5・ST6で停波期間予告を提供する。まず停波開始予告について説明すると、ST1=ST2=ST3=0では「停波予定無し」、ST1=ST2=0・ST3=1では「7日以内に停波」、ST1=0・ST2=1・ST3=0では「3から6日以内に停波」、ST1=0・ST2=ST3=1では「2日以内に停波」、ST1=1・ST2=ST3=0では「24時間以内に停波」、ST1=1・ST2=0・ST3=1では「12時間以内に停波」、ST1=ST2=1・ST3=0では「2時間以内に停波」となっている。次に停波時間帯予告は、ST4=1では「昼間のみ」、ST4=0では「終日、または停波予定無し」である。次に停波期間予告は、ST5=ST6=0では「停波予定無し」、ST5=0・ST6=1では「7日以上停波、または期間不明」、ST5=1・ST6=0では「2から6日以内で停波」、ST5=ST6=1では「2日未満で停波」となっている。
【0033】
【表3】
Figure 0003696537
【0034】
以上が標準電波を利用した時刻取得の原理であるが、外部機器や手動で入力した時刻等を修正の際に目標とする時刻として採用してもよい。
【0035】
時刻を入手した後には、その時刻に合わせて時計の指針を動かし、時計の時刻を修正する。
以下、この時計の時刻の修正方法の一例について、秒針駆動用のモータと、分針および時針駆動用のモータを有する2モータ自動修正時計を例にとり簡単に述べる。
【0036】
時刻を修正する必要が生じた際には、まず指針を基準となる位置まで動かす。その後、その基準位置と入手した時刻との差を検出し、目標時刻まで指針を動かす。詳細には、指針を基準位置まで動かす際には、制御回路14から、秒針駆動系の動力源であるステッピングモータ121に制御信号CTL1を、時分針駆動系の動力源であるステッピングモータ131に制御信号CTL2を送信し、各指針を早送りする。この指針の早送りは、指針位置検出手段により指針が所定の基準位置に移動したことを確認した時点で終了させる。
【0037】
制御回路14には、発振回路13が水晶発振器CRYを利用して生成し制御回路14に供給している所定周波数の基本クロックを用いた分針カウンタ、秒針カウンタ、標準分・秒カウンタ等を含む内部時計が設けられており、指針の早送り中にも、入力された時刻を基にした時間をカウントし続けている。この内部時計の時刻を目標値として、制御回路14は各指針を動かすべき量を求め、バッファ17を介してステッピングモータ121,131に制御信号CTL1,CTL2を出力し、各指針を目標時刻まで動かし、時計の時刻を修正する。
【0038】
以下では、上述のような方法で時刻修正を行う本発明の1つの実施形態について、図面を参照しながらさらに詳述してゆく。
【0039】
図4は本発明の一例としてのスムースステップ運針の自動修正時計の指針位置検出装置の一実施形態の構成を示す断面展開図であり、図5はその指針位置検出装置の要部の平面図である。
【0040】
指針位置検出装置本体100は、互いに対向して接続されて輪郭を形成する下ケース111および上ケース112と、この下ケース111および上ケース112で形成される空間内において下ケース111と連結した状態で配置される中板113とを備えており、空間内の下ケース111、中板113、上ケース112の所定の位置に対して、第1指針である秒針を駆動するための第1の駆動系、即ち秒針駆動系120と、第2の指針である時分針を駆動するための第2の駆動系、即ち時分針駆動系130と、透過型光検出センサ140と、手動で時刻を修正するための手動修正系150などが固定あるいは軸支されている。
【0041】
秒針駆動系120は、図4および図5に示されている構成要素のうち、ノッチ型のステータ121a、このステータの鉄芯121dに巻回された駆動コイル121b、このステータ121aの鉄芯121dに対向する脚片の磁極間において回転自在に軸支されたロータ121cにより構成されている秒針用ステッピングモータ121と、ロータ121cのピニオン121c’に噛合する7番車127と、この7番車127に噛合した第1検出用歯車(第1伝達歯車)としての6番車126と、この6番車126に噛合する中間車としての第1の5番車122と、この第1の5番車122に噛合した第2検出用歯車としての秒針車123とにより構成されている。
ここで、秒針用ステッピングモータ121は、制御回路14が出力する制御信号CTL1に基づいて、その回転方向、回転角度、および回転速度が制御される。なお、前述したように、本実施形態においては、駆動系の動きを考える際の最小単位として、制御回路14がステッピングモータ121,131をパルス駆動するために1回パルス出力を発振し、駆動コイル121bの発生する磁界の向きが変わり、ステッピングモータ121,131のロータが半回転することを1ステップと呼ぶことにする。ステップ間の間隔の実際の長さは通常運針時と時刻修正時の早送りの際では異なり、また秒針駆動系と時分針駆動系においても異なる。
【0042】
本実施形態においては、約0.5秒かけて秒針を1秒分動かし、残りの約0.5秒分は止めておくというような、スムースステップ運針の2モータ自動修正時計を念頭においている。
スムースステップ運針においては、秒針、即ち秒針が取り付けられる秒針車123を滑らかに動かすために、ロータ121cから秒針車123までの減速比を大きくする必要がある。そのため、本実施形態においては、第1検出用歯車である6番車126と第2検出用歯車である秒針車123の間に、中間車として第1の5番車122を噛合させ、減速比を稼いでいる。ちなみに、本実施形態においては、6番車は40ステップ/回転、秒針車は960ステップ/回転であって、ロータ121cから秒針車123までの減速比は1/480である。
【0043】
本実施形態においては秒針の基準位置検出には6番車126と秒針車123に設けられた透光部および遮光部を利用するが、6番車126の透光部として従来のような円形または略円形の透孔を複数個円周上に等間隔に並べたものを用いたのでは、駆動系の減速比が大きいことから位置検出に時間がかかる。しかし、検出時間短縮のために6番車126の回転速度を上げることは、ロータ121cの回転速度を上げ、ステッピングモータ121の負担を増大させることにつながるので好ましくない。
逆に、検出時間短縮のために前記透孔の数を増やして透孔間の間隔を短くする、即ち遮光部を小さくすると、透孔を通って検出光が検出されている時間、即ち光検出センサがONになっている時間と、遮光部により検出光が遮られている時間、即ち光検出センサがOFFになっている時間とにあまり差がなくなり、検出精度が悪化する。この場合に検出精度を上げようとすると、当然のことながら6番車126の回転速度を下げねばならず、検出時間が長くなる。
【0044】
そこで、本実施形態においては、6番車126の透光部として、従来のような円形または略円形の透孔ではなく、図6に示すような、回転軸を中心とした同心円上に、半径方向に所定の幅をもって円周方向に伸びる円弧状の長孔126aを設けている。この長孔126aのなす中心角θ°は、本実施形態においては81°としている。このように、本実施形態においては、透光部として円周方向に比較的長い大きさをもった長孔126aを用いているため、検出光の検出機会が増し、位置検出のための時間が短縮される。
【0045】
秒針車123には、図7に示すように、半径方向に所定の幅を有し、円周方向にそれぞれ所定の長さだけ伸びている3個の円弧状の長孔123a,123b,123cと、それぞれの長孔同士の間の部分である遮光部123d,123e,123fが、秒針車123の回転軸を中心とした同心円上に交互に配置されている。なお、本実施形態においては、長孔123a,123b,123cのそれぞれの中心角λ1°,λ2°,λ3°と、長孔123aと長孔123bとの間の中心角ψ1°,長孔123bと長孔123cとの間の中心角ψ2°、長孔123cと長孔123aとの間の中心角ψ3°を、それぞれλ1=60°,λ2=81°,λ3=111°,ψ1=60°,ψ2=ψ3=24°としており、ψ1はψ2,ψ3と比べて大きくなっている。
【0046】
θ,λ1〜λ3,ψ1〜ψ3の大きさは必ずしも上述した値である必要はないが、第3〜第5検出用歯車をも含んで指針の基準位置を検出することも考慮して、ある所定の条件を満たすことが望ましい。
【0047】
後述するが、秒針即ち秒針車123の基準位置は、6番車126と秒針車123のみを使用して求める。その方法は、6番車126と秒針車123の長孔同士が重なり合う部分のある一点に着目しそこで位置検出用の検出光を検出すると考え、6番車126と秒針車123の長孔と遮光部によって生じる光検出センサのON,OFFのパターンを判別することにより基準位置を検出する。
図6および図7に示すように6番車126と秒針車123はどちらも上ケース112側から見て左回りに回転し、6番車126が1回転するのにかかるステップ数は秒針車123が1回転するのにかかるステップ数に比べて大幅に少なく、秒針車123の遮光部123dは他の遮光部123e,123fに比べて長くなっているので、遮光部123e,123fによるOFF期間よりも長いこの遮光部123dによるOFF期間を検出できればよい。そして、本実施形態においては、遮光部123dによる長いOFF期間の後で最初に光検出センサがONになるステップにおいて秒針車123に直結されている秒針が正時、即ち0秒を指すように定めており、6番車126の孔126cと秒針車123の溝123gはそのための両者の位置関係を定めるためのものである。即ち、所定の位置において孔126cと溝123gが重なる時を基準位置とし、この時遮光部123dによる長いOFF期間の後の最初の光検出センサのONが検出され、秒針は0秒を指す。
【0048】
ところで、図6における6番車126の長孔126aには円が10個描かれているが、これらは光検出センサ140の検出光を収束して通過させるための円形貫通部が、6番車126が回転したときに長孔126a上に描く1ステップごとの軌跡を示したものである。本実施形態においては円形貫通部の半径を0.5mmとしているが、このような円形貫通部や歯車の大きさ、歯車と光検出センサ140との配置の位置関係等の条件下では、図に示すように各ステップごとに円の一部が重なることになる。そうすると、歯車等の部品の加工精度のバラツキや、バックラッシュ等による歯車のガタつきなどにより、例えば、本来はまだOFFとなっているべきステップにおいてONと検出されたり、ONと検出されるべきステップにおいて歯車がズレることによってOFFとなったりして、歯車の位置が誤検出される可能性が生じてくる。
【0049】
本発明はこの位置の誤検出を防止するために考案されたものであり、例えば、図6において円形貫通部が円126dの位置に来たステップにおいて光検出センサのON,OFFの検出を行い、その前後のステップでは検出を行わないように、2ステップに1回ずつ検出を行うようにしたものである。そうすると、たとえガタ等で歯車がズレたとしても、円形貫通部が円126dの位置にあるべきステップのときには確実にONという検出がなされることになる。そして、例えば、このときのONが先述の遮光部123dによる長いOFF期間の後の最初のONとなるようにしておけば、指針(秒針)の基準位置検出において、歯車のズレ等による誤検出が起こる可能性はなくなる。
【0050】
なお、6番車126も秒針車123も偶数回のステップで1回転するので、ONとなるべき歯車の位置は、もう一度同じ場所に両歯車が戻ってきたときにもONとなり、検出にズレは生じない。
【0051】
上述の、2ステップに1回の検出を実現するためには、ステータ121aの磁極が2回変わるごとに検出を行うようにすればよい。なぜなら、ステータ121aの磁極の向きが変わるごとにロータは半回転し、歯車は1ステップ分進むからである。
【0052】
しかしながら、単にステータ121aの磁極が2回変わるごとに検出を行うだけでは、正確な基準位置検出を実現することはできない。なぜなら、駆動コイルの導線の巻回方向が変わっても磁界の向きは変わり、導線の始点と終点のどちらに入力するパルス信号を基に検出するかでもステップがずれるからである。
【0053】
この問題点を回避するために、本実施形態においては、ムーブメントの製造に際して、駆動コイル121bの導線の巻回方向をあらかじめ決めておき、導線の巻始めと巻終わりを区別できるような巻始め端子121b’および巻終わり端子121b’’を用意しておく。
駆動コイル121bの導線の巻回方向は、例えば巻始め端子121b’側に制御回路14からステッピングモータ121の駆動用のパルス信号が入力されたときに、ステータ121aのNとSの磁極の方向が図5に示す方向になるように定めておく。
そうすると、例えば巻始め端子121b’にパルス信号が入力されるごとに、制御回路14から光検出センサ140へ検出指令信号を出力してONかOFFかの検出結果を入手するようにしておけば、全ての製品において、検出時の磁極の向きを揃えた上での2ステップごとの検出が可能になる。
【0054】
ただし、ムーブメントの製造時には、ロータ121cの磁極の向きと、ステッピングモータ121を駆動する際に巻始め端子121b’と巻終わり端子121b’’のどちらの側から先にパルス信号を入力するかもあらかじめ定めて組み立てる必要がある。例えば、組み立て時の、電力が供給されていない静止状態において、ロータ121cのS極が図5に示すNの方向を向き、ロータ121cのN極がSの方向を向くようにロータ121cを組み込んでおく。
このロータ121cの磁極の向きがずれていると、最初に電源が投入されて図5に示すステータ121aのNとSの磁極の方向を生み出す磁界が発生したときに、ロータ121cのS極(N極)がステータ121aのN極(S極)に引きつけられるまでの回転角のぶんだけ、各歯車が進んでしまうことになる。
【0055】
以上のように、時計の組み立て製造時に、駆動コイル121bの巻回方向と、ロータ121cの磁極の向きと、基準位置検出用の歯車の位置関係と、巻始め端子121b’と巻終わり端子121b’’のどちらか一方へのパルス入力のタイミングとを、指針の正しい基準位置検出が行えるように定めておけば、歯車のズレ等による誤検出の起こらない、2ステップに1回の検出による正確な時刻修正が可能になる。
【0056】
以下、第2駆動系である時分針駆動系130について記述を進める。
時分針駆動系130は、図4および図5に示されている構成要素のうち、略コ字型のステータ131a、このステータ131aの一方側の脚片に巻回された駆動コイル131b、このステータ131aの他方の脚片の磁極間において回転自在に軸支されたロータ131cにより構成されている時分針用ステッピングモータ131と、ロータ131cのピニオン131c’に噛合する中間車としての第2の5番車132と、この第2の5番車132に噛合した第3検出用歯車(第2伝達歯車)としての3番車133と、この3番車133に噛合する第4検出用歯車(第2指針車)としての分針車134と、この分針車134に噛合した中間車としての日の裏車135と、この日の裏車135に噛合する第5検出用歯車(第3指針車)としての時針車136とにより構成されている。
ここで、時分針用ステッピングモータ131は、制御回路14が出力する制御信号CTL2に基づいて、その回転方向、回転角度、および回転速度が制御される。
【0057】
3番車133には、図8に示すように、半径方向に所定の幅を有し、円周方向にそれぞれ所定の長さだけ伸びている3個の円弧状の長孔133a,133b,133cと、それぞれの長孔同士の間の部分である遮光部133d,133e,133fが、3番車133の回転軸を中心とした同心円上に交互に配置されている。なお、本実施形態においては、長孔133a,133b,133cのそれぞれの中心角λ4°,λ5°,λ6°と、長孔133aと長孔133bとの間の中心角ψ4°,長孔133bと長孔133cとの間の中心角ψ5°、長孔133cと長孔133aとの間の中心角ψ6°を、それぞれλ4=96°,λ5=56°,λ6=72°,ψ4=88°,ψ5=ψ6=24°としており、ψ4はψ5,ψ6と比べて大きくなっている。
【0058】
分針車134には、図9に示すように、半径方向に所定の幅を有し、円周方向にそれぞれ所定の長さだけ伸びている3個の円弧状の長孔134a,134b,134cと、それぞれの長孔同士の間の部分である遮光部134d,134e,134fが、分針車134の回転軸を中心とした同心円上に交互に配置されている。なお、本実施形態においては、長孔134a,134b,134cのそれぞれの中心角λ7°,λ8°,λ9°と、長孔134aと長孔134bとの間の中心角ψ7°,長孔134bと長孔134cとの間の中心角ψ8°、長孔134cと長孔134aとの間の中心角ψ9°を、それぞれλ7=60°,λ8=120°,λ9=60°,ψ7=60°,ψ8=ψ9=30°としており、ψ7はψ8,ψ9と比べて大きくなっている。
【0059】
時針車136には、図10に示すように、半径方向に所定の幅を有し、円周方向にそれぞれ所定の長さだけ伸びている3個の円弧状の長孔136a,136b,136cと、それぞれの長孔同士の間の部分である遮光部136d,136e,136fが、時針車136の回転軸を中心とした同心円上に交互に配置されている。
なお、本実施形態の時針車136においては、長孔136a,136b,136cの中心角λ10°,λ11°,λ12°はそれぞれλ10=90°,λ11=77.5°,λ12=60°であり、長孔136a,136b,136cのそれぞれの両端が直線になっているために長孔136aと長孔136bとの間の中心角ψ10°,長孔136bと長孔136cとの間の中心角ψ11°、長孔136cと長孔136aとの間の中心角ψ12°がそれぞれそのまま遮光部136d,136e,136fのなす中心角となり、ψ10=27.5°,ψ11=45°,ψ12=60°となっている。
【0060】
本実施形態においては、3番車133に、基準位置検出用の透光部として従来のような円形または略円形の透孔ではなく、長孔133a,133b,133cを設けていることを特徴としている。従って、秒針車123の場合と同様に、基準位置決定のために3番車133と分針車134の長孔と遮光部によって生じる光検出センサのOFFのパターンを区別する必要がある。そして、基準位置としては、これも秒針車123の場合と同じく、遮光部133e,133fによる光検出センサのOFF期間よりも長い遮光部133dによるOFF期間を検出した後で最初に光検出センサがONになるステップにおいて分針車134に直結されている分針が正時、即ち0分を指すようになっている。
なお、3番車133の孔133gと分針車134の溝134g、および時針車136gはそのための初期位置関係を定めるためのものであり、所定の位置において孔133gと溝134g,136gが重なる時、時分針が12時0分を指すようになっている。
【0061】
図5に示される手動修正系150は、上述の分針車134および時針車136に噛合する日の裏車135と、この日の裏車135に噛合する手動修正軸151とにより構成されている。この手動修正軸151は上ケース112の外部に位置づけられて利用者が直接指を触れることのできる頭部151bを有している。
手動修正軸151は分針車134と同位相で回転するように構成されており、上述の時分針駆動系130により分針車134が駆動されているときには日の裏車135を介して分針車134と同位相で回転すると共に、時分針駆動系130の非作動時には、頭部151bを指で回転させることにより、指針位置を手動修正できるようになっている。
【0062】
透過型光検出センサ140は、図4に示すように、例えば、下ケース111に取り付けられた発光ダイオードからなる発光素子142と、この発光素子142に対向するように、上ケース112に取り付けられたフォトトランジスタからなる受光素子144とにより形成される。
また、図4および図5に示すように、6番車126、秒針車123、3番車133、分針車134、および時針車136の全てが同時に重なる位置に配置されている。そして、6番車126の長孔126a、秒針車123の長孔123a(または123bまたは123c)、3番車133の長孔133a(または133bまたは133c)、分針車134の長孔134a(または134bまたは134c)、および時針車136の長孔136a(または136bまたは136c)が重なり合った時に、発光素子142から発せられた検出光が受光素子144により受光されて、光検出センサ140がON状態になる。
【0063】
以下、この光検出センサ140のON,OFFを利用した、本実施形態の自動修正時計の時刻修正動作を、図11および図12に関連付けて記述する。
時刻修正を行う際には、まず発光素子142、即ち発光ダイオードから検出光が発せられる。
この発光ダイオードからの検出光が、受光素子144、即ちフォトトランジスタにより検出され、フォトトランジスタが出力を発する、即ちONになっているかどうかを調べる(STEP1)。
これは、上述したように、6番車126、秒針車123、3番車133、分針車134、時針車136に設けられている長孔が、発光ダイオード上で全て重なっているかどうかを調べることを意味する。
【0064】
フォトトランジスタが出力を発しない、つまりOFFの場合には、秒針駆動系120の秒針用ステッピングモータ121を3ステップずつ、時分針駆動系130の時分針用ステッピングモータ131を2ステップずつ早送り駆動する(STEP2,STEP3)。
なぜ秒針用ステッピングモータ121を3ステップずつ、時分針用ステッピングモータ131を2ステップずつ駆動するかというと、図12に示されるように、スムースステップ運針の場合には秒針駆動系120用のステッピングモータ121への駆動用のパルス出力SO1およびSO2と、時分針駆動系130用のステッピングモータ131へのパルス出力MHO1およびMHO2の位相が異なっているためである。
ここで、パルス出力SO1が駆動コイルの巻始め端子121b’に入力され、パルス出力SO2が巻終わり端子121b’’に入力されるとすれば、先の記述と対応がとれる。
【0065】
STEP2,STEP3における早送り動作はフォトトランジスタがON状態になるまで続けられ、ONになったところで一度ステッピングモータ121とステッピングモータ131の両方の動きを止める。
このことは、指針の位置はどこでもよいので、6番車126、秒針車123、3番車133、分針車134、時針車136に設けられている長孔が発光ダイオード上で全て重なっており、検出光が透過できる貫通孔が形成されていることを確認することに等しい。
【0066】
その次には、まず秒原点検索、つまり秒針を基準位置である0秒の位置に移動させることを目指す。そのために、図12に示すように、秒針駆動系120用のステッピングモータ121のみ動かして秒針車123を2ステップずつ早送り駆動し(STEP4)、フォトトランジスタがOFF状態になっているステップ数を数えてゆく(STEP5)。
つまり、貫通孔の検出までは秒針駆動系も3ステップに1回検出し、貫通孔が検出された後、秒原点の検索を行う際に、これまで述べてきた2ステップに1回の検出を行うべく検出タイミングを切り換えるように、制御回路14がプログラミングされている。
146〜191ステップの間に1度もONにならずOFF状態であったとき、次にONになった位置でステッピングモータ121を止め、秒針車123を停止させる(STEP6)。
このようにすると、前述したように、秒針の停止位置がちょうど0秒となる。
【0067】
最後に、時針と分針の位置を基準となる原点位置に移動させることを考える。そのために、秒針車123は停止させたままで、今度は時分針駆動系130用のステッピングモータ131のみ動かして分針車134を1ステップずつ早送り駆動する(STEP7)。
【0068】
そして、この分針車134の1ステップの駆動ごとに、フォトトランジスタがOFF状態になっているステップ数を数えてゆく(STEP8)。
OFFとなっている状態のパターンは、3番車133、分針車134、時針車136のそれぞれの長孔と遮光部の形状により、本実施形態の場合には表4に示すA,B,C,D,Eの5通りがある。
【0069】
【表4】
Figure 0003696537
【0070】
STEP7,STEP8においては3番車を介して分針車134を駆動しているが、それにつれて時針車136も当然駆動されており、OFF状態のステップ数がC:280〜449である時は時針、即ち短針は4時を指す位置にあり、D:450〜999の時は8時を指す位置にあり、E:65〜279の時は12時を指す位置にある。そしてOFF状態のステップ数がB:45〜64の時は、分針、即ち長身が0分を指している状態になっている。OFFの数がA:0〜44の時は、そのいずれでもない状態である。
【0071】
従って、OFFの数をCと認識後、Bの数だけOFFの数を認識したときにステッピングモータ131を停止させれば、指針は4:00を指す位置で止まり、OFFの数をDと認識後、Bの数だけOFFの数を認識したときにステッピングモータ131を停止させれば、指針は8:00を指す位置で止まり、OFFの数をEと認識後、Bの数だけOFFの数を認識したときにステッピングモータ131を停止させれば、指針は12:00を指す位置で止まることとなる(STEP9)。
実際には、4:00,8:00,12:00となる指針の位置のうち、現在時刻から最も近い次の時刻の指針の位置で全ての指針が止まることになる。
【0072】
このようにして指針の基準位置が定まった後には、前述したように、受信したJJYを基に動かされている制御回路14に設けられている内部時計の時刻を目標値として、現在止まっている基準位置からその目標時刻まで指針を動かすのに必要なステップ数が制御回路14により算出され、その位置まで各指針が早送り駆動されて時刻修正が完了する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態においては、駆動コイル121bの巻回方向と、ロータ121cの磁極の向きと、基準位置検出用の歯車の位置関係とを時計の組み立て時にあらかじめ定めておき、巻始め端子121b’と巻終わり端子121b’’のどちらか一方へのパルス入力のタイミングと同期させて光検出センサ140の検出信号を入手するという簡単な構成で、特別な装置等を必要とすることなく、製品とする自動修正時計の全てにおいて、秒針の基準位置検出の際に位置の誤検出の可能性がない2ステップに1回の検出が可能になる。
【0074】
本実施形態においては、秒針駆動系120においてのみ、本発明の機構を用いて2ステップごとの位置検出をおこなっているが、必要に応じて時分針駆動系130も同様の位置検出機構を備えることができる。
また、上記実施形態は本発明を説明するための一例であり、例えば検出手段や該検出手段からの検出信号を巻始め端子と巻終わり端子のどちらへのパルス信号と同期させるか等、特許請求の範囲で種々の変更が可能である。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば電波時計のような自動修正時計において、指針の位置検出に用いる高速車の1ステップ当たりの移動量が少ない場合にも、簡単な構造で確実に正確な基準位置を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電波修正時計の信号処理系回路の一構成例を示すブロック構成図である。
【図2】標準電波の信号パターンを示す図である。
【図3】標準電波のタイムコードの一例を示す図である。
【図4】本発明に係る電波修正時計の指針位置検出装置の1つの実施形態の全体構成を示す断面図である。
【図5】図4の要部の平面図である。
【図6】秒針を駆動する第1駆動系の一部をなす6番車を示す平面図である。
【図7】秒針を駆動する第1駆動系の一部をなす秒針車を示す平面図である。
【図8】分針および時針を駆動する第2駆動系の一部をなす3番車を示す平面図である。
【図9】分針および時針を駆動する第2駆動系の一部をなす分針車を示す平面図である。
【図10】分針および時針を駆動する第2駆動系の一部をなす時針車を示す平面図である。
【図11】本発明に係る電波修正時計の1つの実施形態における指針の基準位置検出動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】指針位置検出動作時のステッピングモータへのパルス出力と、光検出センサの検出タイミングを示す図である。
【符号の説明】
10…信号処理系回路
11…標準電波受信系
14…制御回路
17…バッファ回路
111…下ケース
112…上ケース
113…中板
120…第1駆動系(秒針駆動系)
121…秒針用ステッピングモータ
121a…ステータ
121b…駆動コイル
121b’…巻始め端子
121b’’…巻終わり端子
121c…ロータ
121d…鉄芯
122…第1の5番車
123…秒針車(第2検出用歯車、第1指針車)
123a,123b,123c…長孔
123d,123e,123f…遮光部
126…6番車(第1検出用歯車、第1伝達歯車)
126a…長孔
126b…遮光部
130…第2駆動系(時分針駆動系)
131…時分針用ステッピングモータ
131a…ステータ
131b…駆動コイル
131c…ロータ
132…第2の5番車
133…3番車(第3検出用歯車、第2伝達歯車)
133a,133b,133c…長孔
133d,133e,133f…遮光部
134…分針車(第4検出用歯車、第2指針車)
134a,134b,134c…長孔
134d,134e,134f…遮光部
135…日の裏車
136…時針車(第5検出用歯車、第3指針車)
136a,136b,136c…長孔
136d,136e,136f…遮光部
140…光検出センサ(検出手段)
142…発光素子
144…受光素子
150…手動修正系

Claims (1)

  1. 指針の駆動源として用いる、ステータと、駆動コイルと、ロータとを含む少なくとも1つのステッピングモータと、
    前記ステッピングモータの回転駆動力を減速して前記指針に伝達するための中間車と、
    検出指令信号を受けて、前記指針に直結される指針車が、時刻信号を受信して所定時刻に修正する際に基準位置に位置付けられたことを検出する検出手段と、
    前記ステッピングモータを駆動するためのパルス信号を出力し、かつ、前記検出手段の出力信号、および時刻信号に基づいて所定時刻に修正する動作を制御する制御部と
    を有し、
    前記検出手段は、検出光を発する発光素子および当該発光素子から発せられた検出光を受光して信号を出力する受光素子からなる透過型光検出センサを有し、
    前記駆動コイルの巻回方向および前記ロータの磁極の方向があらかじめ定められており、
    前記駆動コイルは、前記ステータに発生する磁界の方向を変え、前記ロータの磁極との反発により当該ロータを回転させるために前記制御部からの前記パルス信号がそれぞれ印加される巻始め端子および巻終わり端子を有し、
    前記制御部は、前記巻始め端子および前記巻終わり端子のどちらか一方へパルス出力するタイミングと同期させて前記透過型光検出センサに信号を出力して前記指針車の位置検出を行うように前記検出指令信号を前記検出手段に出力する
    自動修正時計。
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