JP3695781B2 - 保護カバー付き内視鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内視鏡本体の挿入部,先端部が被覆されている保護カバー付き内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内視鏡では、その挿入部及び先端部を被覆する保護カバーを取り付けることにより、例えば、医療用のものであれば洗浄,消毒の手間を省いたり、工業用であれば放射線等に汚染された被観察物を観察する際でも内視鏡本体が汚染されるのを防止できるようになっている。
ところで、このように内視鏡に保護カバーを取り付ける場合、内視鏡本体の先端部には観察光学系と照明光学系とが隣接して配置されているため、照明光が保護カバーの透明部材の表面で反射してフレア,ゴーストを発生し易くなる。特に大きな問題となるゴーストは、図20及び図21に示すような二つの経路により発生している。
【0003】
まず、第一の経路は、図20に示すように、内視鏡本体50の照明光学系31より出射した照明光32が保護カバー33の透明部材34の外側面34aで反射し、その反射光が内視鏡本体50の観察光学系35に入射し、視野内にゴーストとして現れるものである。以下このような経路を反射経路αと呼ぶことにする。尚、内視鏡の視野範囲,照明範囲,観察光学系35と照明光学系31の距離,保護カバー33の透明部材34の厚み等により、反射経路αによる反射は、1回のみ生じる場合と、保護カバー33の透明部材34の外側面34aと内側面34bとの間で複数回繰り返される場合とがある。
【0004】
もう一方の経路は、図21に示すように、内視鏡本体50の照明光学系31より出射した照明光32が保護カバー33の透明部材34の内側面34bで反射し、内視鏡本体50の観察光学系35に入射するものである。以下このような経路を反射経路βと呼ぶことにする。この場合にも、保護カバー33の透明部材34の内側面34bで1回目の反射により生じたゴーストが内視鏡本体50の観察光学系35に直接入射する場合と、保護カバー33の透明部材34の内側面34aと内視鏡本体50の先端面50aとの間で複数回反射が繰り返され最終的に内視鏡本体30の観察光学系35に入射する場合とがある。
【0005】
従来は、保護カバーの透明部材表面での照明光の反射によるゴーストの発生を防止するために、以下のような方法がとられていた。
保護カバー付き内視鏡において、ゴーストの発生を防止するための第一の方法は、図22に示すように、保護カバーの観察用透明部材36と照明用透明部材37とを別個に構成することである。このように構成すれば、反射経路αを辿る照明光は内視鏡本体50の観察光学系35まで到達せず、ゴーストの問題が生じることはない。
又、第二の方法は、図23に示す特開平3−264036号公報に開示されているように、保護カバーの透明部材38の照明光学系31と観察光学系35との間に位置する表面に、光を散乱或いは吸収する減光部39を設けることである。このような構成により、反射経路α,β夫々を辿る反射光により発生するゴーストが減光部39で散乱或いは吸収され、ゴーストを低減させている。
【0006】
保護カバー付き内視鏡において、ゴーストの発生を防止する第三の方法は、図24に示す特開平2−132409号公報に開示されてい内視鏡のように、内視鏡本体の照明光学系31と観察光学系35との間の部分で、保護カバーの透明部材40の肉厚が漸次変化するように構成する方法である。このように、照明光学系31側から観察光学系35側にかけて保護カバーの透明部材40の肉厚が漸次厚くなるように構成されている場合には、保護カバーの透明部材40内での照明光の反射角が次第に大きくなり、その照明光が観察光学系35に達したときに視野角より大きくなるように構成すればゴーストが発生することはない。一方、反対に観察光学系35側から照明光学系31側にかけて保護カバーの透明部材40の肉厚が漸次厚くなるように構成されている場合には、保護カバーの透明部材40内での照明光反射回数が増加することによりその照明光は減衰し、視野内での反射経路αを辿る照明光により発生するゴーストは目立ちにくくなる。
これらの方法以外にも、保護カバーの透明部材内での照明光の反射回数を増加させその照明光の強度を減衰させる方法としては、保護カバーの透明部材の厚みを薄くする方法や、観察光学系と照明光学系との距離を大きくとる方法等がある。
【0007】
更に、保護カバー付き内視鏡において、特に反射経路βを辿る照明光によって発生するゴーストを除去するための第四の方法としては、図25に示す実公昭63−33209号公報に開示さている内視鏡のように、内視鏡本体の観察窓41と照明窓42との間に遮光突起43を形成する方法がある。この方法によれば、保護カバーと内視鏡本体の先端部との間に、照明光の保護カバー内側面による照明光の反射光を遮光する遮光部があるため、反射経路βを辿る照明光により発生するゴーストを除去することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のようなゴーストの発生を防止する方法には以下のような欠点がある。
まず、上記第一の方法、即ち保護カバーの観察用透明部材と照明用透明部材とを別体に構成する方法では、観察光学系の視野範囲及び照明光学系の照明範囲を確保するために、観察用透明部材及び照明用透明部材の外径を夫々内視鏡本体の観察光学系及び照明光学系の外径より大きくする必要がある。又、内視鏡保護カバーの観察用透明部材と照明用透明部材との間に、夫々の部材を保護カバーに固定し水密性を維持するための部材を挿入配置することが必要になる。このような要因により、観察光学系と照明光学系とをある程度離して配置せざるをえず、保護カバー付き内視鏡の先端部が大きくなってしまう。又、かかる内視鏡先端部の部品点数も増え、製造工程における作業時間が増加し、コストアップにつながることにもなる。
【0009】
上記第二の方法、即ち観察光学系と照明光学系との間の保護カバーの透明部材の表面に光を散乱或いは吸収する減光部を設ける方法では、その減光部を黒塗り或いはその表面を祖面に形成することで対処しているため、視野,照明範囲内にそれらの減光部が進入すると、視野ケラレ,照明ケラレを生じてしまう。特に、内視鏡本体の先端部から保護カバーの内側面までの距離が大きい場合や、内視鏡本体の光学系の光軸に対し保護カバーが垂直方向にずれてしまった場合には、前記ケラレの問題がより顕著になる。
【0010】
更に、上記第三の方法によれば、反射経路αを辿る反射光により発生するゴーストの観察光学系への入射を防止するか、或いは、かかる照明光の強度を減衰させ発生するゴーストの強度を抑制することはできるが、反射経路βを辿る照明光によるゴーストは発生してしまう。特に、内視鏡本体の先端部と保護カバー透明部材の内側面とが密着していれば反射経路βを辿る照明光の反射回数も多くなり、発生するゴーストも減衰する。しかし、一般に内視鏡を被観察部に挿入する際に首振りを行ったり、ねじったりする場合があり、このような動きに対応して内視鏡の本体と保護カバーとを内視鏡の先端部分で密着させ続けることは困難である。よって、内視鏡の使用時に反射経路βを辿る反射光により発生するゴーストが視野内に進入するのを防止しきれないことになる。
又、保護カバーの透明部材の肉厚を薄くすると、その部分の強度が落ちるため、内視鏡本体と衝突した場合等の破損する虞が生じるし、観察光学系と照明光学系との距離を大きくすると、結果的に保護カバー付き内視鏡の外径が大きくなってしまう。
【0011】
又、上記第四の方法によれば、反射経路βを辿る照明光により発生するゴーストを防止することは可能になるが、反射経路α辿る照明光により発生するゴーストは防止しきれない。この方法では、上記第一の方法と同様に、内視鏡本体の観察光学系と照明光学系との間に遮光部を形成しているため、内視鏡本体の先端部自体が大きくなってしまい、ひいては保護カバー付き内視鏡の外径も大きくなってしまう。更に、内視鏡本体表面と保護カバー内側面との間隔が広がってしまう場合には、反射経路βを辿る照明光によるゴーストも発生してしまうことになる。
【0012】
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点に鑑み、製造コストの低い単純な構成で、内視鏡の外径が大きくなることもなく、観察視野内にゴースト,フレアの発生しない保護カバー付き内視鏡を提供することを目的とする。又、本発明の保護カバー付き内視鏡では、視野ケラレ,照明ケラレを生じることはなく、内視鏡本体と保護カバーとにズレが生じた場合にも問題なく前記効果が得られるように配慮している。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記目的を達成するために、本発明による保護カバー付き内視鏡は、先端部に観察光学系と照明光学系とが隣接配置されている内視鏡本体と、この内視鏡本体の少なくとも一部を被覆し、前記内視鏡本体の観察光学系と照明光学系とに対面する部分が透明部材により構成された内視鏡保護カバーと組み合わせて構成された保護カバー付き内視鏡において、前記内視鏡保護カバーの透明部材の少なくとも一面に特定入射角に対する反射率が低くなる照明光の反射防止コートとしてのコーティングを施した。
【0019】
このとき、前記保護カバーの透明部材の外側面に施された反射防止コートの反射率は、以下の式により表される角度θn1又はωの何れか小さい方から角度θn2までの範囲内で特に低くなるように設定すると、反射経路αを辿る照明光により発生するゴーストを効果的に抑制することができる。
Figure 0003695781
但し、L:内視鏡本体の観察光学系の光軸と照明光学系の光軸との距離
r:照明光学系の半径
t:内視鏡本体の観察光学系の観察窓面から前記保護カバーの透明部材の内側面までの距離
d:前記保護カバーの透明部材の厚さ(空気換算長)
e:内視鏡本体の観察光学系の観察窓面から入射瞳位置までの距離
n:照明光の前記保護カバーの透明部材外側面上での反射回数
2ω:観察光学系の視野範囲
である。
【0020】
一方、前記保護カバーの透明部材の外側面に施された反射防止コートの反射率を、以下の式により表される角度θ’n1又はωの何れか小さい方から角度θ’n2までの範囲内で特に低くなるように設定しても、本発明の目的を達成することができる。
Figure 0003695781
但し、L:内視鏡本体の観察光学系の光軸と照明光学系の光軸との距離
r:照明光学系の半径
t:内視鏡本体の観察光学系の観察窓面から前記保護カバーの透明部材の内側面までの距離
e:内視鏡本体の観察光学系の観察窓面から入射瞳位置までの距離
n:照明光の前記保護カバーの透明部材外側面上での反射回数
2ω:観察光学系の視野範囲
である。
【0021】
以下、本発明の作用について説明する。
【0022】
図1は本発明の保護カバー付き内視鏡の先端部の構成を示す断面図である。図のように、本発明の保護カバー付き内視鏡では、観察光学系2と照明光学系3とが隣接配置された内視鏡本体1の先端部に保護カバー4が取り付けられている。又、保護カバー4の内視鏡本体1の先端面1aと対面する位置に透明部材5が設けられている。
【0023】
まず、反射経路αを辿る照明光により発生するゴーストについて説明する。
内視鏡本体1の照明光学系3から出射した照明光3aは保護カバー4の透明部材5の内側面6でその一部が反射し、残りは透過する。透明部材5の内側面6がコーティングがされていない状態でその反射率RがR<1であるとき、図2に示すように、内視鏡本体からの照明光の出射光量を1とすると、反射光の光量はR,透過光の光量は1−Rとなる。透明部材5の内側面6を透過した照明光の一部は、透明部材5の外側面7で反射し、残りは透過する。このとき、保護カバーの透明部材5の外側面7がコーティングがされていない状態であれば、透明部材5の内側面6を透過した照明光の1−Rの光量のうち、R(1−R)分が透明部材5の外側面7で反射し、(1−R)2 分が透過することになる。同様に、透明部材5の外側面7で反射したR(1−R)の光量のうち、R2 (1−R)分が透明部材5の内側面6で反射し、R(1−R)2 分が透過する(図中のP1 ,P2 ,・・・,Pn は外側面7上における照明光の反射点を示している)。この繰り返しにより、保護カバーの透明部材5の外側面7でn回(nは自然数)反射した光が最終的に図1に示した内視鏡本体1の観察光学系2に入射してゴーストとなるとすると、観察光学系2内で発生するゴーストの強度は、
2n-1(1−R)2 ・・・・(7)
となる。
【0024】
一方、図2において、保護カバーの透明部材5の外側面7に反射率kR(k<1)の反射防止のためのコーティングを施すと、発生するゴーストの強度は、
n 2n-1(1−R)2 ・・・・(8)
となり、この場合、k<1であるためゴーストは大幅に弱くなり、目立たなくなる。例えば、保護カバーの透明部材5がBSL7により形成されている場合には、コーティングがされていない状態ならば透明部材5の表面の反射率RはR=0.04であるが、その表面にマルチコートを施すと反射率はkR=0.003となる。透明部材5の外側面7での反射回数nがn=1である場合には、無コーティング状態ならば光の強度は照明射出光量の3.6%、透明部材5の外側面7にマルチコートを施した場合には、それが0.28%となる。このように、保護カバーの透明部材5の外側面7にマルチコートを施せば、発生するゴーストの強度は10分の1以下となるため、ゴーストは殆ど目立たない状態になる。更に、保護カバーの透明部材5の内側面6にもかかるコーティングを施せば、発生するゴーストの強度は、
2n-12n-1(1−R)2 ・・・・(9)
となり、一層目立たないものとなる。
【0025】
同様に、反射経路βを辿る照明光により生じるゴーストについて考える。
図3において、内視鏡本体1の照明光学系3から出射した照明光3aは反射経路αを辿る場合と同様に、保護カバー4の透明部材5の内側面6でその一部が反射し残りは透過する。そして、その反射光は、透明部材5の内側面6と内視鏡本体1の先端面1aとの間の反射を繰り返し、観察光学系2へ入射しゴーストとなる。このとき、図4に示すように、照明光学系3からの照明光の射出光量を1とし、保護カバーの透明部材5の内側面6の反射率をRとすれば、透明部材5の内側面6による反射光の光量はRとなる。次に、透明部材5の内側面6での反射光が反射率Sを有する内視鏡本体1の先端面1aで反射したとすると、この反射光の強度はRSとなる(図中のQ1 ,Q2 ,・・・,Qn は内側面6上における照明光の反射点を示している)。
【0026】
よって、保護カバーの透明部材5の内側面6上でn回(nは自然数)反射した光が観察光学系2に入射してゴーストを生じるとすると、このときのゴーストの強度は、
n n-1 (1−S) ・・・・(10)
となる。ここで、保護カバーの透明部材5の内側面6に照明光の反射を防止するためのコーティングを施し、かかる面における反射率がk’R(k’<1)になった場合、このときの反射経路βを辿る照明光により発生するゴーストの強度は、
k’n n n-1 (1−S) ・・・・(11)
となる。この場合、k’<1であるため、発生するゴーストの強度を大幅に弱くすることができる。
例えば、このとき、保護カバーの透明部材5をBSL7により形成し、反射防止コートをマルチコート、透明部材5の内側表面6での反射回数nをn=1とした場合、コーティングを施すことによって発生するゴーストの強度はコーティングがされていない状態の場合の僅か7.5%となり、明らかに発生するゴーストは目立ちにくくなっている。
【0027】
ところで、内視鏡本体から出射される照明光にはその波長による強度の差が生じるため、発生するゴーストもその波長により異なった強度を示す。図5は発生するゴーストの波長特性を示しているが、このゴーストの波長特性が図中の曲線Cのように可視波長域内で強度が変動しているとき、前記保護カバーの透明部材の表面上に施すコーティングの波長特性がAであるような場合、ゴーストの波長特性はA’(=A×C)となり、特定波長領域内で強い強度を保ったまま残存することから、色のついたゴーストが見えてしまう。そこで、反射率特性が図中の曲線Bで示されるように、ゴースト光の強度が強い波長において分光反射率が小さくなるような分光反射率を有するコーティングを施せば、ゴーストの波長特性はB’(=B×C)に示すようになり、ほぼ全ての波長領域に亘って前記照明光の強度が衰退して、ゴーストが見えるようなことはなくなる。
【0028】
又、照明光の波長による強度の差が殆ど生じない場合であっても、反射経路αを辿る照明光によりゴーストが発生する場合には、図3に示した保護カバー4の透明部材5の外側面7において相対的に高い反射率を生じる波長領域の反射率を、透明部材5の内側面6に施した反射防止コートにより相対的に低くなるように設定し、一方、透明部材5の内側面6において相対的に高い反射率を生じる波長領域の反射率を、透明部材5の外側面7に施した反射防止コートにより相対的に低くなるように設定することが好ましい。このように構成することによって、両面に施された反射防止コートの有する波長特性を合成することができ、両面間において反射される照明光の強度をほぼ全波長領域において弱くすることができる。例えば、図6に示す曲線D及びEの反射率を有する反射防止コートを夫々ゴーストの原因面に施せば、合成される反射率は図中の曲線Fのようになり広波長領域での反射率を低く設定することができる。
このように、ゴーストの原因となる二面以上の反射面に夫々波長特性の異なる反射防止コートを施し、一方の面の反射率が他方の面の反射率に比べて相対的に高くなるように設定すれば、夫々の面が有する波長特性が合成されることにより、発生するゴーストの強度を全波長領域に亘って低く抑制することができる。このようにすることを「波長特性が互いに相殺される」と表現することにする。
【0029】
又、反射経路βを辿る反射光によるゴーストが発生する場合にも、上記と同様に、内視鏡本体の先端面において高い反射率を生じる波長領域内での反射率を特に低くすることができる反射防止コートを図3に示した保護カバー4の透明部材5の内側面6に施せば、照明光の反射光の強度はほぼ全波長領域で低くなり、発生するゴーストは目立たなくなる。即ち、このとき、図7に示すように、内視鏡本体1の観察光学系2の観察窓面9にもコーティングを施し、前記と同様に保護カバー4の透明部材5の内側面6の反射率波長特性と観察光学系2の観察窓面9の反射率波長特性とが互いに相殺されるようにすれば、発生するゴーストを目立ちにくくすることができるのである。
【0030】
前述のように、保護カバー付き内視鏡において発生するゴーストは、図7に示すように、内視鏡本体1から出射する照明光の保護カバー4の透明部材5の内側面6及び外側面7による反射光が観察光学系2に入射し、図示しないCCD撮像面まで到達することが原因である。よって、最終的にCCD撮像面に照明光の透明部材5による反射光がある程度の強度以上で到達しなければゴーストは見えないことになる。
そこで、保護カバー4の透明部材5の内側面6或いは外側面7にコーティングを施すとき、内視鏡本体1から出射される照明光が有する波長特性、CCD感度の波長特性、観察光学系内に設けられている色補正フィルタ等の光学部材による波長特性の全てを合成し、CCDにに到達するゴーストの強度が強い波長領域の反射率を相対的に低くし得るコーティングを施せば、保護カバー付き内視鏡においてゴーストの生じない視野を確保することができ、観察に支障を来すようなことはなくなる。
【0031】
ところで、一般的な反射防止コートは、垂直方向に入射する光に対して最も反射率が低くなるように設計されている。この場合、図8に示すように、入射角度が大きくなるにつれて反射率も高くなる。一方、図9及び10に示すように、保護カバー付き内視鏡では、保護カバー4の透明部材5の内側面6及び外側面7での反射角がθである反射光によりゴーストが発生している。
そこで、保護カバー4の透明部材5の内側面6及び外側面7に夫々施す反射防止コートを入射角θに対する反射率が低くなるように設定することにより、より一層のゴースト防止効果を得ることができる。
【0032】
まず、このときの反射経路αを辿る照明光により発生するゴーストを防止するための条件を図9に基づき説明する。図9において、内視鏡本体1には観察光学系2と照明光学系3とが夫々光軸間の距離Lで隣接配置されている。ここで、観察光学系2の観察窓面9から入射瞳位置までの距離をe、照明光学系3の半径をrとする。又、観察光学系2の光軸10と照明光学系3の光軸11とを結んだ直線と照明光学系3の外径との交点のうち、観察光学系2から遠い側の点をM、近い側の点をNとする。一方、保護カバーには空気換算長での厚さがdである透明部材5が設けられており、透明部材5の内側面6と内視鏡本体1の観察光学系2の観察窓面9との距離をtとする。
【0033】
このとき、点Mから出射した照明光が透明部材5の外側面7で1回反射したときの反射光の観察光学系2への入射角度θ11は以下の式により表される。
Figure 0003695781
同様に、点Nから出射した照明光が透明部材5の外側面7で1回反射したときの反射光の観察光学系2への入射角度θ12は以下の式により表される。
Figure 0003695781
【0034】
以上により、観察光学系2の観察窓面上に達する照明光の反射光の観察光学系2内への入射角の大きさはθ11からθ12の範囲となる。
ところで、観察光学系2の視野角が2ωであるとすると、θ12≧ωであれば、前記照明光は観察光学系2の視野内へ入ることはない。又、θ11>ωであれば、観察光学系2に入射する照明光の入射角の大きさの範囲はθ12からωまでとなる。よって、透明部材5の外側面7に施す反射防止コートにおいては、入射角がθ11又はωの何れか小さい方からθ12までの範囲の観察光学系2へ入射する照明光の反射率を特に低く設定できるような構成であれば、ゴーストの発生を防止する上で非常に効果的である。
【0035】
次に、透明部材5の外側面7での反射回数がn回の場合について考える。点M,Nより出射する照明光の透明部材5の外側面7による反射光の入射角の大きさを夫々θn1,θn2とすると、θn1,θn2は以下の式によって示される。
Figure 0003695781
ここで、(n−1)回反射した照明光はωよりも大きな入射角を有するが、n回反射した照明光はωよりも入射角が小さくなる。従って、θ(n-1)2>ω≧θn2(n=1,2,・・・・)であれば、透明部材5の外側面7でn回目の反射をした照明光が始めて視野内に入ることになり、入射角がθn2である場合の反射光により発生するゴーストが最も強く見えることになる。
【0036】
従って、θ(n-1)2>ω≧θn2(n=1,2,・・・・)のときに、照明光の入射角の大きさの範囲はθn1又はω何れかの小さいほうからθn2であるため、この範囲内で反射率が特に低くなるような反射防止コートを透明部材5の外側面7に施せば、ゴーストの発生を非常に効果的に防止することができる。
尚、更に反射回数の多い照明光(例えば(n+1)回反射した照明光)は、より観察光学系2への入射角が小さくなり、当然観察光学系2の有効像面に到達することになる。しかし、反射光は反射回数が大きくなる程その強度が衰退するため、本発明のように、反射光のうち最強のゴースト原因となるものについて対処できるようにしておけば、ゴーストの発生が問題となるようなことはない。
【0037】
同様にして、図10を用いて反射経路βを辿る反射光により発生するゴーストについて説明する。保護カバー4の透明部材5の内側面6での照明光の反射回数がn回の場合の反射角度θ’n1とθ’n2とを考えると、θ’n1及びθ’n2は以下に示す式によって表される。
Figure 0003695781
ここでも、前記と同様に、θ(n-1)2>ω≧θn2(n=1,2,・・・・)のときに、入射角がθn1又はωの何れか小さいほうからθn2までの範囲内において反射率が特に低くなる反射防止コートを透明部材5の外側面7に施せば、ゴースト発生の防止に大きな効果が得られる。
尚、上記説明において、反射回数n=1の場合は条件式θ(n-1)2>ω≧θn2の上限がθ02となるが、反射回数ゼロの反射光というのは存在しないため、角度θ02も存在しない。従って、n=1の場合には、前記条件式はω≧θ12という関係式に置き換えられる。
【0038】
【実施例】
以下、図示した実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
第一実施例
図11及び図12に基づき、本実施例にかかる保護カバー付き内視鏡について説明する。
図11は内視鏡先端部の構成を示す断面図であり、観察光学系22の光軸24と照明光学系23の光軸25とを含む面の断面を示している。図中、二点鎖線は観察光学系22の視野範囲を示している。内視鏡本体21の先端部には視野角2ω=100°の観察光学系22と照明光学系23とが隣接して配置されている。尚、観察光学系22の光軸24と照明光学系23の光軸25との距離Lは4mmである。又、内視鏡本体21の先端部に取り付けられた保護カバー26の内視鏡の観察光学系22及び照明光学系23に対面する部分には、材質がBSL7(屈折率nd =1.5163、厚さd=0.6mm)の平行平板27が設けられており、内視鏡本体21の先端面28と平行平板27の内側面29との距離は0.3mmとなっている。
ここで、保護カバー26に設けられている平行平板27の内側面29及び外側面30には、反射率が0.3%のマルチコートが施されている。
尚、BSL7にコーティングが施されていない状態での反射率は4.21%である。
【0039】
まず、反射経路αでは、図11において点線で示された照明光の平行平板27の外側面30での反射回数nが2回の場合、反射角θ=57°>ωとなるので照明光が観察光学系22に入射してゴーストとなるようなことはない。そこで、平行平板27の外側面30での反射回数nが3回である場合について考える。
照明光学系23から出射される照明光の出射光量を1としたとき、上記条件式(9)に基づき観察光学系22に入射する照明光の強度を計算すると、以下のようになる。
▲1▼内側面29及び外側面30にマルチコートを施した場合:2.28×10-13
▲2▼内側面29及び外側面30にコーティングがされていない状態の場合:
1.213 ×10-7
このように、反射面にマルチコートを施した場合の反射光の強度は、無コーティング状態の場合のそれと比較して10-6倍となる。
【0040】
次に、反射経路βでは、図12に示すように、平行平板27の内側面29での反射回数nがn≦4の場合、反射角の大きさは観察光学系22の視野角より大きくなり、ゴーストが視野内に現れて観察に支障をきたすことはない。そこで、反射回数nが5以上の場合に、観察光学系22に入射する反射光の強度を上記条件式(11)に基づき計算すると、内側面29が無コーティング状態である場合と比較して、マルチコートが施されている場合には10-6倍となる。又、反射経路αでn>4の場合及び反射経路βでn>6の場合には、夫々上記説明の場合よりも、反射回数は多くなるため反射光は弱くなり、発生するゴーストが目立ちにくくなる。
【0041】
以上のように、平行平板27の内側面29及び外側面30にマルチコートを施すことにより、反射経路α,βを辿る反射光を原因とするゴーストは双方とも強度が衰退し、ゴーストが視野内に入り込むことはなくなる。
このとき、反射経路βにおいては、内視鏡本体21の先端面28のうち、観察光学系22の観察窓面でも照明光の反射が起きているため、観察光学系22の観察窓面にも反射防止コートを施すことよりゴーストの発生を抑制することができる。特に、かかる反射防止コートとして施されるマルチコートの反射率を、相対的に高い反射率を生じる波長領域で低くなるよう構成すれば、非常に効果的にゴーストの発生を防止することができる。
【0042】
第二実施例
次に、図11及び図13に基づいて本実施例にかかる保護カバー付き内視鏡を説明する。
本実施例の保護カバー付き内視鏡は、図11に示した第一実施例の内視鏡と同様の構成を有しているが、保護カバー26の平行平板27がPMMA(プラスチック)により構成されている点が異なっている。そして、平行平板27の外側面30には反射コートa(二層コート)が、内側面29には反射コートb(PMMA用多層コート)が施されている。図13には、このときの反射コートa及びbの反射率特性が示されている。尚、同図において、a×bの表記は反射コートaと反射コートbとの合成波長特性を示している。
【0043】
二層コートは多層コートと比較して安価であるが、特定波長(反射コートaでは440〜540nm)領域内での反射率は低いものの、この他の波長領域における反射率は相対的に若干高くなる。よって、二層コートを平行平板27の外側面30及び内側面29の双方に施すと、反射経路αを辿る照明光により発生するゴーストは、前記二面に施された反射防止コートの波長特性を合成することにより前記特定波長領域内での反射率は更に低くなるものの、それ以外の波長領域では反射率が相対的に高くなるため、発生するゴーストを完全に除去することは不可能になる。
一方、多層コートを用いると、広波長領域に亘って反射率を低く抑えることができ、ゴーストの発生を完全に抑えることが可能になるが、高価なものになってしまうという問題がある。
【0044】
そこで、本実施例では、二層コートを平行平板27の外側面30に施し、その内側面29にはマルチコートを施したことにより、照明光の反射率は図13に示したa×bのように広波長領域でほぼ平坦になる。更に、製造コストも、両面をマルチコートで覆った場合と比較して格段に安価になっている。
【0045】
第三実施例
図14において、曲線fは照明光の波長特性を、曲線gは観察光学系を構成する光学系部品の光の透過率とCCDの感度とを合成した内視鏡感度の波長特性を示している。又、曲線hは前記曲線fとgとを合成した値を示している。この前提の下で、本実施例にかかる保護カバー付き内視鏡では、保護カバーの透明部材の内側面及び外側面に、図15において曲線iとして示された波長特性を有する単層コートを施している。その他の構成は第一実施例に示したものと同様である。
【0046】
内視鏡本体から出射する照明光が保護カバーの透明部材の表面で反射し、内視鏡本体の観察光学系に入射してゴーストを発生するような場合、このゴーストの波長特性は図14に示す曲線hのようになり、波長領域480〜580nmでの強度が特に強いことが分かる。そこで、波長領域480〜580nmにおける照明光の反射率が特に低くなるような反射防止コート(曲線iに示す波長特性を有する)をかかる保護カバーの照明光の反射面に施せば、反射光の強度は図15に示す曲線jのようになり、前記波長領域内での反射光は特に弱くなる。
又、前記以外の波長領域においては、保護カバーの透明部材の表面における照明光の反射率は相対的に高くなるが、元来発生するゴーストのなかでもこれらの領域での波長の強度は強くなく、波長領域480〜580nmにおける反射光の強度に比べても、極端に強くなるようなことはない。よって、ほぼ全波長域において発生するゴーストは弱くなり、視野内にゴーストが入り込んで障害を発生するようなことはなくなる。
【0047】
第四実施例
図16及び17は本実施例にかかる保護カバー付き内視鏡の内視鏡先端部の構成を示す断面図であり、観察光学系22の光軸24と照明光学系23の光軸25とに沿う断面を示している。この図のように、内視鏡本体21の先端部には視野角2ω=100°を有する観察光学系22と照明光学系23とが隣接して配置されている。尚、観察光学系22の光軸24と照明光学系23の光軸25との距離Lは4mmである。観察光学系22の観察窓面22aから平行平板27の内側面29までの距離e=0.34mm,照明光学系23の半径r=1mmである。又、内視鏡本体21の先端部に取り付けられた保護カバーの観察光学系22及び照明光学系23に対面する部分には、材質がPMMA(屈折率nd =1.492、厚さd=0.5mm)である平行平板27が設けられており、内視鏡本体21の先端面28と平行平板27の内側面29との距離は0.3mmとなっている。
尚、図16では、前記保護カバーの平行平板27の厚さを空気換算長として示している。
【0048】
まず、図16に基づき、反射経路αを辿る照明光により発生するゴーストについて考える。上記式(1),(2),(3)によりn=1のとき、θ12=61.78°、n=2のとき、θ22=52.7°となるため、平行平板27の外側面30での反射回数nが2回のときに最も強いゴーストが見えることになる。このとき、θ21=65.49°であるので、ゴーストの発生原因となる照明光の観察光学系23への入射角の大きさは52.7〜60°の範囲となる。
同様にして、図17に基づき、反射経路βを辿る照明光により発生するゴーストについて考える。n=2のとき、θ’22=62.83°、n=3のとき、θ’32=54.5°となるので、平行平板27の内側面29での反射回数nが3回であるときに最も強いゴーストが見えることになる。このとき、θ’31=66.8°であるため、ゴーストの発生原因となる照明光の観察光学系23への入射角の大きさは54.5〜60°の範囲となる。
【0049】
ここで、平行平板27の内側面29及び外側面30には、図18に示す反射特性を有するPMMA用マルチコートを施す。同図において、曲線w,x,y,zは、夫々マルチコート面に入射する照明光の入射角の大きさが0°,30°,50°,60°である場合に対する反射率が示されている。又、図19はPMMA用二層コートが有する反射特性を示したものであり、図中の曲線w’,x’,y’,z’は夫々二層コート面に入射する照明光の入射角の大きさが0°,30°,50°,60°である場合に対する反射率が示されている。ここで、図18と図19とを比較すれば、マルチコートは二層コートに比べ、入射角50°及び60°に対する反射率が低いことが分かる。よって、図18に示された波長特性を有するマルチコートを平行平板27の外側面30及び内側面29に施すことにより、効果的にゴーストの発生を防止することができるようになる。
【0057】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれは、コスト的に優れた単純な構成で、内視鏡の外径が大きくなることもなく、視野ケラレ,照明ケラレを生ぜず内視鏡本体と保護カバーとのズレにも対応し得る、観察視野内にゴースト,フレアを生じない保護カバー付き内視鏡を提供することができる。
又、本発明の保護カバー付き内視鏡は、保護カバーの透明部材の表面に反射防止コートを施すことにより、照明光学系の出射光量の前記透明部材表面での反射による光量のロスを抑制し、同時に観察光学系に入射する際の光量ロスも減少させることができるため、内視鏡の観察視野が明るくなるという利点も有する。
更に、本発明の保護カバー付き内視鏡では、保護カバーの透明部材に施したコーティングにより、前記透明部材の耐久性も向上し、傷等を生じにくくなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による保護カバー付き内視鏡の先端部の構成を示す断面図である。
【図2】本発明による保護カバー付き内視鏡の先端部における照明光の反射経路を説明するための図である。
【図3】本発明による保護カバー付き内視鏡の先端部の構成を示す断面図である。
【図4】本発明による保護カバー付き内視鏡の先端部における照明光の反射経路を説明するための図である。
【図5】発生するゴーストの波長特性を示す図である。
【図6】照明光の反射面にコーティングを施した効果を説明するための図である。
【図7】本発明による保護カバー付き内視鏡の先端部の構成を示す断面図である。
【図8】照明光が観察光学系の観察窓に入射するときの入射角の大きさと反射率の大きさとの関係を示す図である。
【図9】反射経路αを辿る照明光により発生するゴーストの防止方法を説明するための図である。
【図10】反射経路βを辿る照明光により発生するゴーストの防止方法を説明するための図である。
【図11】本発明の第一実施例にかかるカバー付き内視鏡の構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図12】本発明の第一実施例にかかるカバー付き内視鏡の構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図13】本発明の第二実施例にかかるカバー付き内視鏡により得られる効果を説明するための図である。
【図14】本発明の第三実施例にかかるカバー付き内視鏡を説明するための図である。
【図15】本発明の第三実施例にかかるカバー付き内視鏡により得られる効果を説明するための図である。
【図16】本発明の第四実施例にかかるカバー付き内視鏡の構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図17】本発明の第四実施例にかかるカバー付き内視鏡の構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図18】本発明の第四実施例にかかるカバー付き内視鏡による得られる効果を説明するための図である。
【図19】本発明の第四実施例にかかるカバー付き内視鏡による得られる効果を説明するための図である。
【図20】従来の保護カバー付き内視鏡において発生するゴーストの原因を説明するための図である。
【図21】従来の保護カバー付き内視鏡において発生するゴーストの原因を説明するための図である。
【図22】従来の保護カバー付き内視鏡においてゴーストの発生を防止するための方法を説明するための図である。
【図23】従来の保護カバー付き内視鏡においてゴーストの発生を防止するための方法を説明するための図である。
【図24】従来の保護カバー付き内視鏡においてゴーストの発生を防止するための方法を説明するための図である。
【図25】従来の保護カバー付き内視鏡においてゴーストの発生を防止するための方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1,21 内視鏡本体
1a,28 内視鏡本体の先端面
2,22 観察光学系
3,23 照明光学系
3a 照明光
4,26 内視鏡保護カバー
5 透明部材
6,29 内側面
7,30 外側面
9 観察窓面
10,11,24,25 光軸
27 平行平板
L 光軸24と光軸25との距離
M,N 光軸10と光軸11とを結んだ直線と観察光学系3の外径との交点
d 透明部材5(平行平板27)の厚さ
e 観察光学系2の観察窓面8から入射瞳位置までの距離
r 照明光学系3の半径
t 内側面6と観察光学系2の観察窓面9までの距離

Claims (2)

  1. 先端部に観察光学系と照明光学系とが隣接配置されている内視鏡本体と、該内視鏡本体の少なくとも一部を被覆し、前記内視鏡本体の観察光学系と照明光学系とに対面する部分が透明部材により構成された内視鏡保護カバーと組み合わせて構成された保護カバー付き内視鏡において、
    前記保護カバーの透明部材の外側面に施された反射防止コートの反射率を、以下の式により表される角度θ n1 又はωの何れか小さい方から角度θ n2 までの範囲内で特に低くなるようにしたことを特徴とする保護カバー付き内視鏡。
    θ n1 =tan -1 [(L+r)/(2t+2nd+e)]
    θ n2 =tan -1 [(L−r)/(2t+2nd+e)]
    θ (n-1)2 >ω≧θ n2
    但し、L:内視鏡本体の観察光学系の光軸と照明光学系の光軸との距離
    r:照明光学系の半径
    t:内視鏡本体の観察光学系の観察窓面から前記保護カバーの透明部材の内側面までの距離
    d:前記保護カバーの透明部材の厚さ(空気換算長)
    e:内視鏡本体の観察光学系の観察窓面から入射瞳位置までの距離
    n:照明光の前記保護カバーの透明部材外側面上での反射回数
    2ω:観察光学系の視野範囲
    である。
  2. 前記保護カバーの透明部材の内側面に施された反射防止コートの反射率を、以下の式により表される角度θ′n1又はωの何れか小さい方から角度θ′n2までの範囲内で特に低くなるようにしたことを特徴とする請求項に記載の保護カバー付き内視鏡。
    θ′n1=tan-1[(L+r)/(2nt+e)]
    θ′n2=tan-1[(L−r)/(2nt+e)]
    θ′(n-1)2>ω≧θ′n2
    但し、L:内視鏡本体の観察光学系の光軸と照明光学系の光軸との距離
    r:照明光学系の半径
    t:内視鏡本体の観察光学系の観察窓面から前記保護カバーの透明部材の内側面までの距離
    e:内視鏡本体の観察光学系の観察窓面から入射瞳位置までの距離
    n:照明光の前記保護カバーの透明部材外側面上での反射回数
    2ω:観察光学系の視野範囲
    である。
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