JP3695313B2 - 画像形成装置および給紙装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ装置、コピー機に代表される画像形成装置およびこの画像形成装置に用紙を供給する給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パーソナルコンピュータなどと共に用いられる画像形成装置においては、画像形成の対象となる用紙をカセット(ここでは給紙カセットという)に収容し、ここから画像形成装置に用紙を供給している。図12は、レーザープリンタ73に給紙カセット71が装着された様子を示す。給紙カセットには、収容している用紙のサイズをレーザープリンタ73に伝えるための被検出部が形成されたものがある。被検出部は、給紙カセット71の側面板に設けられた複数列の凹凸であり、これが、収容した用紙のサイズに応じて移動するようにされている。一方、レーザープリンタ73には、この凹凸を検出するための板バネとこの板バネによって押圧されることによりONとなるセンサが設けられている。板バネは被検出部の列数と同数設けられている。また凹凸は、移動量に応じて板バネに検出される凹凸のパターンが異なるようにされている。この凹凸の凸の部分が、板バネに位置すると、板バネを押し、これによりセンサをONにする。つまり、給紙カセット71に収容された用紙のサイズに応じてON/OFFのパターンが異なり、これによりレーザープリンタ73は、給紙カセット71に収容されたサイズを検出することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術によれば、給紙カセット71のガイドを動かし辛いという難点がある。ガイドとは、給紙カセット71に移動可能に設けられる部材であり、用紙の端縁に当接させることにより用紙を給紙カセット71内で安定させると共に、その移動に応じて被検出部を移動させるための部材である。代表的な態様としては、互いに近接・離間する2つの部材からなり、これらにより長方形の用紙を短手方向に挟むものがある。この他にも、用紙の長手方向の端縁に当接されるものや、2つの内の一方は給紙カセット71に固定されているものなどが挙げられるが、いずれにせよガイドの動きに連動して、被検出部が動くことにより、レーザープリンタ73では用紙のサイズを検出する。しかしこれは、ガイドを動かすと、被検出部や、ガイドと被検出部の間に介在する連係機構を全て動かすことを意味している。しかも、給紙カセット使用中にガイドのセット位置や被検出部の位置がずれないように連係機構に駆動抵抗を持たせているので、ガイドは動かし辛いものとなる。
【0004】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、ガイドを動き易くすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
かかる課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明は、装置本体に着脱可能な給紙カセットを備え、該給紙カセットに収容された用紙のサイズを検出する画像形成装置において、
前記給紙カセットには、収容された用紙のサイズに応じて位置変更可能に設けられ、当該用紙の端縁を案内するガイドと、
該ガイドの位置に対応した位置へ移動可能に設けられたカム当接部と、
該カム当接部に当接離間可能に設けられ、且つ前記給紙カセットが前記装置本体から離脱された状態では前記カム当接部から離間した離間位置に配置されるカムと、
前記カムに連動される被検出部とを備え、
前記装置本体には、前記給紙カセットが該装置本体に装着されると前記カムを移動させてそのカム面を前記カム当接部に当接させるカム移動部と、
該カム移動部により移動されるカムに連動した前記被検出部を検出する検出部とを備え、前記カム面は、前記カム当接部が当接したときの前記カムの移動量が、前記ガイドの移動位置に応じて異なる形状にされていることを特徴とする。
【0006】
このような画像形成装置によれば、装着する前の状態においては、カムとカム当接部とが離間しているため、ガイドを動かしてもカムや被検出部が動くことがない。従って、ガイドを楽に動かすことができる。なお、カム移動部はカムを直接移動させるものでなくとも良い。例えば、被検出部を移動させるとカムがこれに連動するように構成しておき、被検出部をカム移動部が移動させることにより、間接的にカムを移動させるようにしてもよい。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記給紙カセットは、前記カムを前記離間位置に付勢するカム付勢手段を更に備え、
前記カム移動部は、前記カム付勢手段に抗して前記カムを前記カム当接部に当接させることを特徴とする。
【0008】
このような画像形成装置によれば、給紙カセットを本体装置に装着していない状態においては、カム付勢手段の付勢により確実にカムがカム当接部から離間した状態にすることができる。
請求項3に記載の本発明は、装置本体に着脱可能な給紙カセットを備え、該給紙カセットに収容された用紙のサイズを検出する画像形成装置において、
前記給紙カセットには、
収容された用紙のサイズに応じて位置変更可能に設けられ、当該用紙の端縁を案内するガイドと、
該ガイドと一体に位置変更に設けられたガイドカムと、
前記ガイドカムに当接離間可能に設けられ、且つ該給紙カセットが前記装置本体から離脱された状態では前記ガイドカムから離間した離間位置に配置されるカセット当接部と、
前記カセット当接部に連動される被検出部と、
前記装置本体には、前記給紙カセットが該装置本体に装着されると前記カセット当接部を移動させて前記ガイドカムのカム面に当接させる当接部移動部と、
該当接部移動部により移動されるカセット当接部に連動した、前記被検出部を検出する検出部とを備え、前記カム面は、前記ガイドカムに当接したときの前記カセット当接部の移動量が、前記ガイドの移動位置に応じて異なる形状にされていることを特徴とする。
【0009】
この画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、カムとカム当接部の対応関係を逆にしたものである。従って請求項1に記載の画像形成装置と同様、ガイドを動かし易いものとなる。
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記給紙カセットは、前記カセット当接部を前記離間位置に付勢する当接部付勢手段を更に備え、
前記当接部移動部は、前記当接部付勢手段に抗して前記カセット当接部を前記カムに当接させることを特徴とする。
【0010】
この画像形成装置は、請求項2に記載の画像形成装置において、カムとカム当接部の対応関係を逆にしたものである。従って請求項2に記載の画像形成装置と同様の効果を奏するものとなる。
請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記カム移動部は、前記装置本体に移動可能に設けられ、前記カムとカム当接部との間の相対的な移動量の大小を吸収する吸収手段を介して装置本体に支持されていることを特徴とする。
【0011】
このような画像形成装置によれば、カム移動部によりカムをカム当接部に確実に当接させることができると共に、当接した以降は吸収手段によってカム移動部の給紙カセットに対する相対移動が吸収されるので、カムやカム当接部に過剰な負荷が掛かることがない。
【0012】
請求項6に記載の本発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記被検出部が、前記給紙カセットの着脱方向に沿って直線的に移動されることを特徴とする。
このような画像形成装置によれば、カム移動部(請求項4または5では当接部移動部)を簡素に構成することができる。なお、これに反する態様として、被検出部を、ガイドの動きに応じて回転される円筒状の部材とし、その回転量に応じて用紙のサイズを検出するものが挙げられるが、こうすると、用紙のサイズが増えた際に、限られた円周上に多様なサイズを示す必要がある。この点、請求項6の画像形成装置によれば、被検出部の長さを長くすることにより多様なサイズに対応することが可能となる。
【0013】
請求項7に記載の本発明は、請求項1、2、5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記被検出部が、前記給紙カセットの装置本体への装着時に前記カム移動部に係合する係合部を備え、該係合部が前記給紙カセットの側面から露出されていることを特徴とする。
【0014】
このような画像形成装置によれば、カム移動部は係合部を介して被検出部を動かすことによりカムを動かすことができ、しかも係合部は給紙カセットの側面からその少なくとも一部が露出されているので、容易に動かすことができる。
請求項8に記載の本発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記被検出部が、前記移動方向に沿った面に複数の突起が形成され、且つ該移動方向の位置に応じて異なるパターンとなるようにされたものであり、
前記検出部が、前記突起の有無に応じてON/OFFされる複数のスイッチを備え、該複数のスイッチのON/OFFパターンにより被検出部の移動量を検出するものであることを特徴とする。
【0015】
このような画像形成装置によれば、機械的に被検出部の移動量を検出できるので、簡素な処理により用紙のサイズを検出可能となる。
なお、請求項9〜16に記載の本発明は、それぞれ請求項1〜8に記載した画像形成装置を給紙装置に関して記載したものである。給紙装置は、通常、複数の給紙カセットを装着可能にされており、これらの中から選択して用紙を画像形成装置に供給する装置である。給紙カセットを1つ備えた給紙装置も存在するが、この場合は必要数のみ重ねて使用する。こうした給紙装置に適用してもそれぞれ対応する前述の画像形成装置と同様の効果を奏するものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施の形態を図面と共に説明する。
まず図1(a)は、本発明を適用した給紙カセット1を上方から見た図である。本図の給紙カセット1は、レーザープリンタ(図示しない)に入れる前の状態を示しており、本図の左方に把持部が形成され、本図の右方向へとレーザープリンタに挿入されることにより装着される。更に本図では、一部を破断させることにより底面板3に配置された機構も示している。給紙カセット1は、無蓋箱状の樹脂製部材であって、底面板3にはその両側(本図では上下両側)に、側面板5a、5bが一体に立設されている。底面板3には、ガイド7a、7bが設けられており、これらが使用者によって対称的に溝9a、9bに沿って移動され当接部11a、11bが用紙の長辺側の縁に当接させることにより、用紙の幅間隔に配置される。また本図の右部、即ち、底面板3の給紙カセット装着方向先端側には、側面板が一体に形成されず、コ字状の形状とされている。この装着方向先端側にはリーガルサイズの用紙を収容する際に右方へ引き出される延長トレイ13が設けられている。符号15は用紙の短辺側の縁に当接される当接部である。底面板3には点Pを軸として揺動可能にカム17が設けられており、引張バネ(付勢手段)19によって本図において反時計回りに付勢されており、用紙サイズに応じたガイド7bの移動位置において軸Pに接近離間されるボス21と係合した時にカム17の揺動量が段階的になるように段状に形成されている。カム17のカム面17aは、ガイド7bに設けられたボス21が当接する箇所となっている。但し、本図にも示されているように、給紙カセット1がレーザープリンタに装着されていない状態においてはカム面17aとボス21とは離間している。
【0017】
側面板5bのカセット挿入方向先端側には、第1スライダ23が本図の左右方向に移動可能に設けられており、その第1スライダ23には前記軸Pと平行にボス25が突設され、そのボス25は、カム17の先端に形成された長孔に挿入されている。給紙カセット1がレーザープリンタに装着されていない状態においては、カム17が引張バネ19により付勢されることにより第1スライダ23はストッパ(図示せず)により規制されて最右位置に移動される。この時のカム17の揺動位置(図1)を離間位置とする。符号27は側面板5bの上方に突出形成されたリブである。なお第1スライダ23の側面には、凸部23a、凹部23b、凸部23cが形成されている。ここで、本図を下方から見た図(給紙カセット1の側面図)を図2(a)に示す。なお本図では、レーザープリンタ側に設けられたステンレス製の板バネ43a、43b、43cも示した。図2(a)に示すように凸部23a、凹部23b、凸部23cに代表される凹凸は、水平に3列、第1スライダ23に形成されており、板バネ43cもこの列数に対応して3体となっている。凹凸は各列で異なる位置に形成されており、第1スライダ23の移動量に応じて板バネ43cを押す/押さないのパターンが異なるように成っている。
【0018】
図3に、レーザープリンタに装着された状態の給紙カセット1を示す。側面板5bを後述のセンサ位置で破断して示している。レーザープリンタのカセット装着部のシャシ44には、係合部31が本図の左右方向に移動可能に設けられており、係合部31には給紙カセット側に突出形成された先端部31aが一体に設けられている。給紙カセット1を装着すると係合部31の先端部31aが第1スライダ23に一体形成された被係合部23dに係合して、第1スライダ23を本図の左方へと移動させる。これによりカム17が前記離間位置から引張バネ19の付勢力に抗して時計回りに回転され、カム面17aがボス21に当接する。カム面17aは、階段状にされているため、ボス21の位置、すなわちガイド7a、7bの移動量に応じて異なる揺動位置でカム17が停止する。
【0019】
これについて図1(b)に示す。図1(b)はカム17を拡大したものである。カム面17aは、面18a〜18eの5段からなっており、面18aがA6サイズの用紙、面18bがB6サイズの用紙、面18cがA5サイズの用紙、面18dがB5サイズおよびエグゼサイズの用紙、面18eがA4サイズ、レターサイズ、およびリーガルサイズの用紙を収容したときにボス21が当接する面となっている。なお、係合部31には引張バネ19よりも付勢力の大きな引張バネ33が取り付けられており、これにより給紙カセット1をレーザープリンタに装着した際には、引張バネ19の付勢力に抗してカム17を時計回りに揺動させる。そしてカム面17aがボス21に当接すると、引張バネ33が伸びることにより、給紙カセット1がレーザープリンタ内の正規の位置まで移動すること(つまりレーザープリンタへの装着)を可能にする。
【0020】
ここで図1(a)と図3を比較する。図3においては、給紙カセット1をレーザープリンタに装着すると、被係合部31によって第1スライダ23が左方へスライドされ、これによりカム17が揺動し、そのカム面17aがボス21に当接する、という連動が行なわれる。一方、給紙カセット1をレーザープリンタから取り出した状態、即ち図1(a)の状態においては、ボス21とカム17とが離間しているので、ガイド7a、7bを、収容した用紙の縁に当接させるために動かす際に、カム17が動かず、まして第1スライダ23が動くことはない。ガイド7a、7bのみを動かすことになるので、極めて楽にガイド7a、7bを動かすことができる。
【0021】
このように給紙カセット1がレーザープリンタに装着されると、3体の板バネ43c(本図では一体のみ図示)の内、第1スライダ23の凸部(例えば、凸部23a、23c)に位置したものは押圧を受け、板バネ43cに対応して設けられたセンサS4、5、6のいずれかをONにする。一方、凹部(例えば、凹部23b)に位置した板バネ43cは押圧されず、対応するセンサS4〜6はOFFとなる。前述のように凸部、凹部は第1スライダ23の移動量(すなわちガイド7a、7bに挟まれた用紙のサイズ)に応じて異なるようにされているので、このON/OFFのパターンの違いにより、レーザープリンタが用紙のサイズを検出することができる。なお図2(b)は、図3を下方から見た図(給紙カセット1の側面図)である。
【0022】
こうして板バネ43cが押圧を受けると、その反作用により、凸部23a、23cに代表される第1スライダ23の凸部も押圧を受ける。この結果、側面板5bが内側(図3では上方)へと倒れるようにたわむと、センサS4〜6のON/OFFが適切に行なわれない。この傾向は、板バネ43cの付勢力が強いほど板バネ43cの数が多いほど大きくなる。またセンサS4〜6の内、底面板3から離れるほどたわみ量は大きくなり、センサの誤検出が発生し易い。そこで、レーザープリンタには、側面板5bが倒れないように側面支持部51が設けられている。これを図4に示す。図4(a)は、図3と同方向からこの様子を見た図であり、図3よりも給紙カセット1の高い位置まで示したものである。図4(b)は図4(a)を右方から見た図である。
【0023】
本図に示すようにプリンタのカセット装着部のシャシ44には、プリンタのカセット装着開口よりも最奥部(カセットの挿入方向先端側に対応)にカセットホルダ41は左右一対設けられている(図4では一方のみ図示)。そのカセットホルダ41は給紙カセット1の底面板3に設けられた位置決め段差3aに係合して案内する案内部41aと側面板5b上方にはり出すはり出し部41bとを備え、そのはり出し部41bの先端に側面板5bのリブ27が挿入される溝部41cが形成されている。はり出し部41bの溝部41cよりも先端側に側面板5bの倒れ防止用の側面支持部51が一体に形成されている。給紙カセット1をレーザープリンタに装着すると、側面板5bの上端に形成されたリブ27が溝部41cに挿入される。これにより、板バネ43cにより第1スライダ23が押圧されても、側面板5bが倒れることはなく、センサS4〜6が用紙のサイズを誤検出することがない。なお、側面板5bには、図2に示した板バネ43b、43aにそれぞれ対応する第2スライダ53、第3スライダ57が設けられており、これらを図5(a)の側面図に示した。すなわち第2スライダ53は第1スライダ23の上方、第3スライダ57は更にその上方に設けられている。
【0024】
第2スライダ53は、実際にはスライドされず、給紙カセット1に対し着脱式になっている。第2スライダ53にも第1スライダ23と同様の凹凸が形成されており、この凹凸のパターンが異なる第2スライダ53が、複数用意されている。本図はその内の一つを給紙カセット1に取り付けた様子を示しており、給紙カセット1を他の給紙カセットと識別するために用いられる。識別方法は、図3において用紙のサイズを検出した原理と略同様であり、この様子を図6に示す。すなわち、第2スライダ53の凸部が板バネ43bを押すことによってセンサS2またはセンサS3をONにする。このON/OFFのパターンにより、他の給紙カセット1と識別する。なお図5(b)は、図6を下方から見た図(給紙カセット1の側面図)であり、本図に示すように板バネ43bはセンサS2、3に対応して2体設けられている。
【0025】
第3スライダ57は、延長トレイ13が延長・格納されるに応じて左右に移動されるもので、これにより給紙カセット1に収容された用紙がリーガルサイズのような長いものであるか否かを検出するのに用いられる。図7に、長くない用紙(例えば、A4サイズやレターサイズ。但し図示しない)を給紙カセット1に装着した時の様子を示す。この状態では第3スライダ57が最も左の位置にあり、第3スライダ57に形成された凸部が板バネ43aを押しておらず、センサS1はOFF状態にある。これによりレーザープリンタは、給紙カセット1に長くない用紙がセットされていることを検出できる。図8(a)は、図7を下方から見た図(給紙カセット1の側面図)である。本図に示すように第3スライダ57と側面板5bの間には圧縮バネ65が介在しており、これにより第3スライダ57は右方向に付勢を受けている。本図の状態では、第3スライダ57に設けられたボス61(図7または図9参照)が延長トレイ13に押されることによりこの付勢力に抗して第3スライダ57は左に位置している。
【0026】
図9に、リーガルサイズの用紙(図示しない)を給紙カセット1に装着した時の様子を示す。延長トレイ13が右方に引き出され、ボス61を解放するので第3スライダ57が右方向に圧縮バネ65の付勢力によりスライドされており、その凸部により板バネ43aが押圧され、センサS1がON状態となっている。これによりレーザープリンタは、給紙カセット1にリーガルサイズのように長い用紙がセットされていることを検出できる。従って、レターサイズとリーガルサイズのように幅が同じ用紙が給紙カセット1に収容されている場合でも、センサS1のON/OFFに基づいてどちらの用紙が収容されているかを検出することができる。なお図8(b)は、図7を下方から見た図(給紙カセット1の側面図)である。
【0027】
用紙のサイズについては、レターサイズとA4は数mm程度しか幅が違わず、ガイド7a、7bの移動量に基づく用紙サイズ検出では、誤検出が発生する恐れがある。同様の事態は、B5サイズとエグゼサイズの識別においても発生する(理由は同様)。そこでこのレーザープリンタでは、接続されたパーソナルコンピュータから送られて来るサイズデータに基づいてこれらの用紙の判別を行なう。図10に、レーザープリンタ2、パーソナルコンピュータ75、給紙カセット1の概略を表すブロック図を示す。
【0028】
レーザープリンタ2は、外部装置(ここではパーソナルコンピュータ75)とデータの入出力を行なう入出力インタフェース77と、画像形成をはじめとする様々な処理を行なうCPU79と、CPU79によって実行されるプログラムやその実行などに用いられるデータが格納されたROM81と、CPU79が処理するデータを一時記憶するRAM83と、画像形成に重要な処理を行なうエンジンコントローラ85と、これら各部を接続するバス87を主要部として構成されている。サイズデータは、パーソナルコンピュータ75から画像データ(文字データも含む)が送られて来る際に、そのデータのサイズを示すパラメータとして送信されて来るものである。センサS4〜6の検出結果に基づいて、用紙がA4またはレターサイズであるとCPU79が判定した時には、サイズデータに基づいて用紙サイズを判定する(B5またはエグゼサイズと判定された時にも略同様)。従って、幅がほぼ同じ用紙が給紙カセット1に収容された際にも用紙の判定を行なうことができる。
【0029】
このように給紙カセット1は、用紙サイズをレーザープリンタ2に検出させるための構成として第1スライダ23、第3スライダ57などが設けられ、給紙カセット1の識別情報をレーザープリンタ2に検出させるための構成として第2スライダ53が設けられている。これらを、例えば、第1スライダ23は前述した位置、第2スライダ53は側面板5bの左方といったように分散配置せず、1ヵ所に集中して設けているため、レーザープリンタに設ける板バネ43a〜43cやセンサS1〜6も、集中配置することができる。集中配置することで、板バネ43a〜43cにより側面板5bに垂直方向に大きな外力が掛かり側面板5bがカセット内方へたわもうとするが、側面支持部51により側面板5bの上方で支持しているので、側面支持部51にかかる荷重は板バネ43a〜43cによる押圧荷重も小さくなる。よって側面支持部51の強度を大きくする必要がない。従ってレーザープリンタの小型化が可能となる。
【0030】
以上、説明したように、本発明を適用したレーザープリンタ2および給紙カセット1によれば、給紙カセット1をレーザープリンタ2から取り出した図1の状態においては、ボス21とカム17とが離間しているので、ガイド7a、7bを、動かす際に、カム17や第1スライダ23が動くことはない。従って、極めて楽にガイド7a、7bを動かすことができる。
【0031】
ここで、本実施の形態と本発明の構成の対応について説明する。レーザープリンタ2が画像形成装置に相当し、ボス21がカム当接部に相当し、第1スライダ23が被検出部に相当し、被係合部31がカム移動部に相当し、板バネ43cおよびセンサS4〜6が検出部に相当し、引張バネ33が吸収手段に相当し、引張バネ19がカム付勢手段に相当する。
【0032】
以上、本発明を適用した実施の形態について説明してきたが、本発明はこの形態に何等限定されるものではなく様々な態様で実施しうる。
例えば、前述の実施の形態ではガイド7a、7bにボス21を設け、これをカム17に当接させるようにしていたが、図11に示すように、この関係を逆にしても良い。なお本図では前記実施の形態と同名の構成は「’」を付している。この形態ではガイド7b’にガイドカムCを一体に設け、給紙カセットの底面板3’に立設した支軸Qの回りにリンクLを揺動可能に設ける。リンクLには支軸Qと平行にボス状のカセット当接部Kを突設し、リンクLをばねM(当接部付勢手段)で反時計方向に付勢して給紙カセットを取り外した状態ではリンクLを離間位置に配置する。このようにしても、給紙カセットを外した時にガイドGのみを楽に移動させることができる。
【0033】
また、上述した給紙カセットは、印刷媒体に画像を形成する画像形成装置で使用する他に、画像形成装置とは別体に設けられ、画像形成装置に給紙する給紙装置でも使用することができる。
レーザープリンタ2以外の画像形成装置(インクジェット方式のプリンタ、ファクシミリ装置、コピー機など)に適用してもよい。また、上記形態では第1スライダ23に形成された凹凸のパターンを板バネ43cおよびセンサS4〜6によって検出する、という機械的な構成により、用紙のサイズをレーザープリンタ2に伝えていたが、これ以外の作用を利用して用紙のサイズをレーザープリンタ2が検出可能にしても良い。例えば、第1スライダ23から凹凸を排し、代わりにバーコードなどの光学的に読み取り可能な符号を配置し、レーザープリンタ2側に設けられたバーコードリーダなどの読み取り装置にて読み取るように構成してもよい。この際、バーコードは、第1スライダ23の移動方向に沿って複数配置し、第1スライダ23の移動量に応じて異なるバーコードが読まれるように配置するとよい。このように光学的に検出するものの他、第1スライダ23に磁石または磁気テープを適宜配置し、レーザープリンタ2側に配置された磁気ヘッドなどにより磁気的に検出するものや、第1スライダ23に導体を適宜配置し、レーザープリンタ2側に配置された電極を第1スライダ23に接触させ、導通されるか否かにより電気的に検出するもの等が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した給紙カセット1の、本体装置に入れる前の状態を示す正面図である。
【図2】 給紙カセット1の側面図である。
【図3】 給紙カセット1を本体装置に入れた時の状態を示す正面図である。
【図4】 給紙カセット1を本体装置に入れた際に側面板5bが倒れるのが防止されている様子を示す説明図である。
【図5】 給紙カセット1の側面図である。
【図6】 給紙カセット1を他の給紙カセットと識別するための構成を示す説明図である。
【図7】 レターサイズなどの短い用紙を収容したときの給紙カセット1を示す説明図である。
【図8】 給紙カセット1の側面図である。
【図9】 リーガルサイズの用紙を収容したときの給紙カセット1を示す説明図である。
【図10】 レーザープリンタ2、パーソナルコンピュータ75、および給紙カセット1の概略を表すブロック図である。
【図11】 本発明の他の実施の形態を示す説明図である。
【図12】 給紙カセット71がレーザープリンタ73に装着された様子を示す断面図である。
【符号の説明】
1…給紙カセット 3…底面板
5a、5b…側面板 7a、7b…ガイド
9a、9b…溝 11a、11b、15…当接部
13…延長トレイ 17…カム
17a…カム面 19、33…引張バネ
21、25、61…ボス
23…第1スライダ 23a、23c…凸部
23b…凹部 23d…被係合部
27…リブ 31…係合部
31a…先端部 43a〜43c…板バネ
44…シャシ 51…側面支持部
53…第2スライダ 57…第3スライダ
65…圧縮バネ S1〜6…センサ

Claims (16)

  1. 装置本体に着脱可能な給紙カセットを備え、該給紙カセットに収容された用紙のサイズを検出する画像形成装置において、
    前記給紙カセットには、
    収容された用紙のサイズに応じて位置変更可能に設けられ、当該用紙の端縁を案内するガイドと、
    該ガイドの位置に対応した位置へ移動可能に設けられたカム当接部と、
    該カム当接部に当接離間可能に設けられ、且つ前記給紙カセットが前記装置本体から離脱された状態では前記カム当接部から離間した離間位置に配置されるカムと、
    前記カムに連動される被検出部とを備え、
    前記装置本体には、
    前記給紙カセットが該装置本体に装着されると前記カムを移動させてそのカム面を前記カム当接部に当接させるカム移動部と、
    該カム移動部により移動されるカムに連動した前記被検出部を検出する検出部と
    を備え、前記カム面は、前記カム当接部が当接したときの前記カムの移動量が、前記ガイドの移動位置に応じて異なる形状にされている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記給紙カセットは、前記カムを前記離間位置に付勢するカム付勢手段を更に備え、
    前記カム移動部は、前記カム付勢手段に抗して前記カムを前記カム当接部に当接させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 装置本体に着脱可能な給紙カセットを備え、該給紙カセットに収容された用紙のサイズを検出する画像形成装置において、
    前記給紙カセットには、
    収容された用紙のサイズに応じて位置変更可能に設けられ、当該用紙の端縁を案内するガイドと、
    該ガイドと一体に位置変更に設けられたガイドカムと、
    前記ガイドカムに当接離間可能に設けられ、且つ該給紙カセットが前記装置本体から離脱された状態では前記ガイドカムから離間した離間位置に配置されるカセット当接部と、
    前記カセット当接部に連動される被検出部と、
    前記装置本体には、前記給紙カセットが該装置本体に装着されると前記カセット当接部を移動させて前記ガイドカムのカム面に当接させる当接部移動部と、
    該当接部移動部により移動されるカセット当接部に連動した、前記被検出部を検出する検出部と
    を備え、前記カム面は、前記ガイドカムに当接したときの前記カセット当接部の移動量が、前記ガイドの移動位置に応じて異なる形状にされている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記給紙カセットは、前記カセット当接部を前記離間位置に付勢する当接部付勢手段を更に備え、
    前記当接部移動部は、前記当接部付勢手段に抗して前記カセット当接部を前記カムに当接させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記カム移動部は、
    前記装置本体に移動可能に設けられ、前記カムとカム当接部との間の相対的な移動量の大小を吸収する吸収手段
    を介して装置本体に支持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記被検出部が、前記給紙カセットの着脱方向に沿って直線的に移動されることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1、2、5のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記被検出部が、前記給紙カセットの装置本体への装着時に前記カム移動部に係合する係合部を備え、該係合部が前記給紙カセットの側面から露出されている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記被検出部が、前記移動方向に沿った面に複数の突起が形成され、且つ該移動方向の位置に応じて異なるパターンとなるようにされたものであり、
    前記検出部が、前記突起の有無に応じてON/OFFされる複数のスイッチを備え、該複数のスイッチのON/OFFパターンにより被検出部の移動量を検出するもの、
    であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 画像形成装置に脱着され、該画像形成装置にて使用される用紙が収容される給紙カセットを備え、当該用紙を画像形成装置に供給する給紙装置において、
    前記給紙カセットには、
    収容された用紙のサイズに応じて位置変更可能に設けられ、当該用紙の端縁を案内するガイドと、
    該ガイドの位置に対応した位置へ移動可能に設けられたカム当接部と、
    該カム当接部に当接離間可能に設けられ、且つ前記給紙カセットが前記装置本体から離脱された状態では前記カム当接部から離間した離間位置に配置されるカムと、
    前記カムに連動される被検出部とを備え、
    前記装置本体には、
    前記給紙カセットが該装置本体に装着されると前記カムを移動させてそのカム面を前記カム当接部に当接させるカム移動部と、
    該カム移動部により移動されるカムに連動した前記被検出部を検出する検出部と
    を備え、前記カム面は、前記カム当接部が当接したときの前記カムの移動量が、前記ガイドの移動位置に応じて異なる形状にされている
    ことを特徴とする給紙装置。
  10. 前記給紙カセットは、前記カムを前記離間位置に付勢するカム付勢手段を更に備え、
    前記カム移動部は、前記カム付勢手段に抗して前記カムを前記カム当接部に当接させる
    ことを特徴とする請求項9に記載の給紙装置。
  11. 画像形成装置に脱着され、該画像形成装置にて使用される用紙が収容される給紙カセットを備え、当該用紙を画像形成装置に供給する給紙装置において、
    前記給紙カセットには、
    収容された用紙のサイズに応じて位置変更可能に設けられ、当該用紙の端縁を案内するガイドと、
    該ガイドと一体に位置変更に設けられたガイドカムと、
    前記ガイドカムに当接離間可能に設けられ、且つ該給紙カセットが前記装置本体から離脱された状態では前記ガイドカムから離間した離間位置に配置されるカセット当接部と、
    前記カセット当接部に連動される被検出部と、
    前記装置本体には、前記給紙カセットが該装置本体に装着されると前記カセット当接部を移動させて前記ガイドカムのカム面に当接させる当接部移動部と、
    該当接部移動部により移動されるカセット当接部に連動した、前記被検出部を検出する検出部と
    を備え、前記カム面は、前記ガイドカムに当接したときの前記カセット当接部の移動量が、前記ガイドの移動位置に応じて異なる形状にされている
    ことを特徴とする給紙装置。
  12. 前記給紙カセットは、前記カセット当接部を前記離間位置に付勢する当接部付勢手段を更に備え、
    前記当接部移動部は、前記当接部付勢手段に抗して前記カセット当接部を前記カムに当接させる
    ことを特徴とする請求項11に記載の給紙装置。
  13. 前記カム移動部は、
    前記装置本体に移動可能に設けられ、前記カムとカム当接部との間の相対的な移動量の大小を吸収する吸収手段
    を介して装置本体に支持されていることを特徴とする請求項9または10に記載の給紙装置。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載の給紙装置において、
    前記被検出部が、前記給紙カセットの着脱方向に沿って直線的に移動されることを特徴とする給紙装置。
  15. 請求項9、10、13のいずれかに記載の給紙装置において、
    前記被検出部が、前記給紙カセットの装置本体への装着時に前記カム移動部に係合する係合部を備え、該係合部が前記給紙カセットの側面から露出されている
    ことを特徴とする給紙装置。
  16. 請求項9〜15のいずれかに記載の給紙装置において、
    前記被検出部が、前記移動方向に沿った面に複数の突起が形成され、且つ該移動方向の位置に応じて異なるパターンとなるようにされたものであり、
    前記検出部が、前記突起の有無に応じてON/OFFされる複数のスイッチを備え、該複数のスイッチのON/OFFパターンにより被検出部の移動量を検出するもの、
    であることを特徴とする給紙装置。
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