JP3694358B2 - 熱転写シートを用いた画像形成方法 - Google Patents

熱転写シートを用いた画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱により布類等の被転写布に転写可能な熱転写シートを用いた画像形成方法に関し、さらに詳しくは、印字性、耐洗濯性、柔軟性、風合いなどに優れた熱転写シートを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱転写シートは、基材シート上に、熱可塑性樹脂を含む転写層が設けられた積層構成を有し、圧着加熱することにより、布上に画像(図柄、紋様、文字等)を転写することができる。熱転写シートを用いて転写するには、熱転写シートの転写層面に画像を形成し、この画像を形成した転写層を衣類等の被転写布に当接して、アイロンやホットプレス等を用いて基材面から加熱・加圧した後、基材を剥離すればよい。基材を剥離した後、転写層を溶解除去して、染顔料からなる画像のみを被転写布上に残す方法もある。
【0003】
従来、熱転写シートとして、例えば、(1)特公昭51−42238号公報には、基材シート上に、熱可塑性かつ水溶性もしくはアルカリ可溶性の繊維素誘導体、あるいは該繊維素誘導体と熱可塑性かつ水溶性もしくはアルカリ可溶性のビニル重合体との混合物を主成分とする転写層を設け、その上に染顔料を含むインクで転写すべき図柄を印刷して得られる転写シートが提案されている。図柄を転写するには、この転写シートを被転写体に重ね合わせ、加熱圧着して転写層とともにインク層を被転写体に転写せしめ、基体シートを転写層との界面から剥離除去し、次いで、インク中の染顔料を固着処理した後、転写層を洗浄除去する。固着処理の後、未固着の染顔料、転写層、及びインクバインダー等を溶解除去し、水洗乾燥すれば、被転写体上に染顔料のみの図柄が残る。
(2)登録実用新案公報第30018811号には、基材の片面に親水性の捺染糊を塗布した布用転写シートが提案されている。親水性の捺染糊として、アクリル樹脂エマルジョンを主成分とする熱可塑性の捺染糊が示されている。この転写シートを用いて転写するには、捺染糊の塗布面に水性インクによって図柄を印刷した後、塗布面を布地に圧着加熱し、次いで、基材を剥離する。
【0004】
(3)特開平2−305689号公報、特開平4−187495号公報、特開平5−162469号公報などには、基体上に熱可塑性樹脂を主成分とする転写層を形成した転写シートが提案されている。これらの転写シートを用いて転写するには、先ず、転写層表面に、溶融型熱転写インクリボンを圧着・加熱して、インク画像を転写層の表面に反転画像にして溶融転写し、次いで、形成された画像を布に転写する。すなわち、転写シートの画像形成面と被転写布類とが接するように重ね、基体の上からアイロンやホットプレス等で加熱して、転写層を被転写布類に転写し、最後に、基体のみを剥離する。転写層を形成するベースポリマーとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂や低密度ポリエチレン等の非水溶性の熱可塑性樹脂が用いられている。
【0005】
しかしながら、上記(1)の水溶性またはアルカリ可溶性の繊維素誘導体やビニル重合体を転写層に用いた熱転写シートは、被転写布上に違和感のない図柄を転写することができるものの、転写後にインキの固着処理を行う必要があり、また、未固着の染料と転写層とを溶解除去するため、製造工程の増加あるいは溶解除去した染料の回収が必要である。上記(2)の布用転写シートは、親水性の捺染糊からなる転写層の水性インキ受理性は良好であるものの、熱転写時に捺染糊が可塑化して布地に付着するため、貼付跡が目立って違和感があり、しかも耐洗濯性が十分ではない。
【0006】
上記(3)の転写シートは、衣類等の被転写布に画像を転写した場合、被転写布表面に転写層を形成する熱可塑性樹脂がそのまま残存するため、▲1▼貼付跡が目立つ、▲2▼布地の柔軟性が損なわれ違和感が生じる、▲3▼乾燥機を用いて乾燥させると、上記熱可塑性樹脂が脱離して転写部分以外の場所や他の衣類に付着する、▲4▼また、このとき、画像部分も脱離し画像濃度が薄くなる、▲5▼アイロンをかける場合には、上記熱可塑性樹脂が溶融してアイロンに付着しないように、剥離紙を挟んで行わなければならない、等の欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、インク受理性と被転写布へのインクの固着性が改善され、しかも転写層面の画像を被転写布に転写した後も、貼付跡が目立たない熱転写シートを用いた画像形成方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、印字性、耐洗濯性、柔軟性、風合い等に優れるとともに、乾燥機による乾燥でも熱可塑性樹脂の脱離がなく、さらには、転写後の被転写布に直接アイロンをかけることが可能な熱転写シートを用いた画像形成方法を提供することにある。
【0008】
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、水溶性熱可塑性樹脂中に非水溶性熱可塑性樹脂を分散させた樹脂組成物により転写層を形成したところ、被転写布に転写後、水洗を行うことにより、被転写布上の余分な樹脂部分が洗い流されて、貼付跡が目立たず、布地の柔軟性も保持され、風合いの良好な被転写布が得られることを見いだした。また、水溶性熱可塑性樹脂中に非水溶性熱可塑性樹脂を分散させることにより、熱転写性インクと被転写布との接着性が向上し、洗濯あるいは乾燥機による乾燥を繰り返し行っても画像部分の脱離がなく、被転写布に対し直接アイロンをかけることが可能となる。本発明の樹脂組成物から形成された転写層は、インク受理性が良好である。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、材シート上に、水溶性熱可塑性樹脂55.0〜99.5重量%中に非水溶性熱可塑性樹脂0.5〜45.0重量%を分散させた樹脂組成物から形成された転写層を有する熱転写シートを用いて、該転写層の表面に熱転写性インクからなる画像を形成し、次いで、該転写層の表面に形成した画像を被転写布に熱転写した後、該被転写布を水洗して、非水溶性熱可塑性樹脂によって該被転写布に固着された転写画像を残存させることを特徴とする熱転写シートを用いた画像形成方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、図面を参照しながら詳述する。ただし、これらの図面は一例であり、これに限定されるものではない。
図1に示すように、本発明の熱転写シート1は、基材シート2上に転写層3が設けられた層構成を有している。図2に示すように、本発明の転写層3は、水溶性熱可塑性樹脂4のマトリックス中に非水溶性熱可塑性樹脂5が分散した構造を有している。この熱転写シート1を用いて、布類等の被転写布に画像を転写させるには、溶融型熱転写方式のプリンターを有するワードプロセッサ等を用いて、図3に示すように、熱転写シート1の転写層3の表面に熱転写性インクからなる所望の画像6を鏡像パターンにて形成させ、次に、図4に示すように、熱転写シート1の転写層3の表面と被転写布7とを重ね合わせて、基材シート2の上からアイロンやホットプレス等の熱源8を用いて加熱・加圧し、被転写布7上に転写層3とインク画像6とを接着させる。
【0011】
次いで、熱転写シート1の基材シート2を剥離すると、転写画像9と転写層3とが基材シート7上に接着する。これを水洗すると、図6に示すように、転写層3が除去され、被転写布7上に転写画像9と非水溶性熱可塑性樹脂5が残される。すなわち、水洗により転写層の水溶性熱可塑性樹脂成分が除去されるが、それに伴って、水溶性熱可塑性樹脂中に分散された非水溶性熱可塑性樹脂の一部が除去される。転写画像9は、残存する非水溶性熱可塑性樹脂により被転写布7上に強固に固着されている。なお、必要に応じて、水洗工程を省略し、図5に示す状態で被転写布を使用することもできる。この場合、洗濯により、転写層3が除去されることになる。
【0012】
水溶性熱可塑性樹脂
本発明において使用する水溶性熱可塑性樹脂としては、天然高分子としてプルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の繊維素誘導体等;合成高分子としてポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエステル、ポリジオキソラン等が挙げられるが、特に好ましいのは、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエステルである。
【0013】
水溶性熱可塑性樹脂には、溶融粘度低下剤として、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、マンニトール等の多価アルコール類、及びその変性物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、及びその変性物;ソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤;マレイン酸、及びその変性物等を添加することができる。
本発明に用いられる水溶性熱可塑性樹脂成分としては、上記樹脂に限定されるものではなく、融点または軟化点が200℃以下、好ましくは30〜150℃の水溶性樹脂であれば好適に使用することができ、要求される特性により、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0014】
非水溶性熱可塑性樹脂
本発明で使用する非水溶性熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン;ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂;熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0015】
本発明で使用する非水溶性熱可塑性樹脂は、上記樹脂に限定されるものではなく、融点または軟化点が200℃以下、好ましくは30〜150℃の非水溶性熱可塑性樹脂であれば好適に使用することができ、要求される特性により、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、非水溶性熱可塑性樹脂は、ペレット、粉末、溶液等の任意の形状のものを使用することができるが、分散性を高めるために、微粒子またはエマルジョンなどとして用いることもできる。
【0016】
転写層用樹脂組成物
転写層を形成する樹脂組成物中の各樹脂成分の配合割合は、水溶性熱可塑性樹脂が、55.0〜99.5重量%、好ましくは60.0〜97.0重量%、より好ましくは70.0〜95.0重量%であり、非水溶性熱可塑性樹脂が、0.5〜45.0重量%、好ましくは3.0〜40.0重量%、より好ましくは5.0〜30.0重量%である。
【0017】
非水溶性熱可塑性樹脂の配合割合が低すぎると、堅牢性や耐洗濯性などが低下し、逆に、高すぎると、非水溶性熱可塑性樹脂が水溶性熱可塑性樹脂のマトリックス中に微細に分散することが難しくなり、転写層の水洗による除去操作が困難となったり、あるいは非水溶性熱可塑性樹脂の残存率が高くなりすぎて、被転写布の柔軟性や風合いが損なわれる等の不都合を生じるおそれがある。
【0018】
水溶性熱可塑性樹脂中に非水溶性熱可塑性樹脂を分散させた樹脂組成物を作成するには、これらの各樹脂成分を水または有機溶剤に溶解または分散させて混合する方法や、溶融ブレンドする方法などがある。水または有機溶剤を用いた場合には、基材シート上に塗工した後、乾燥させる。これらの方法により、水溶性熱可塑性樹脂マトリックス中に非水溶性熱可塑性樹脂が分散した樹脂組成物が得られる。
【0019】
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、各種の改質剤や添加剤を配合することができる。これらの配合剤の具体例としては、例えば、顔料、染料等の着色剤、ロジン系やテルペン系等の粘着付与剤、炭酸カルシウム、シリカ、タルク等の無機充填剤、有機充填剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を挙げることができる。これらの配合剤は、適宜必要量を添加することができる。
【0020】
本発明の樹脂組成物を含む転写層の厚さについては、特に限定されるものではないが、通常、15〜100μm、好ましくは20〜80μm程度である。転写層の厚さが薄すぎると、加熱転写時に被転写布の繊維に対する接着性が低下し、堅牢性や耐洗濯性が損なわれやすく、逆に、厚すぎると、製造方法が限定されたり、製造コストが嵩む等の不都合が生じるおそれがある。
熱転写シート間のブロッキングを防止し、画像形成用プリンター内での搬送性を向上させるため、あるいは、インク受理性を損なわず、かつ、インクリボンの走行性を保持させるため、転写層の画像形成面にマット処理等の凹凸処理を施すことができる。
【0021】
熱転写シート
転写層を設けるための基材シートとしては、ポリエステル、ポリカーボネート等のプラスチックスフィルム;上質紙、アート紙、コート紙、グラシン紙、模造紙、水溶性紙等のセルロース繊維紙が挙げられるが、樹脂組成物からなる転写層を保持する機能を有し、かつ、アイロンやホットプレス等による加熱に対して耐熱性のあるシート状のものであれば、上記基材シートに限定されない。基材シートには、必要に応じて剥離処理、マット処理等の表面処理を行ってもよい。基材シートの厚さについては、特に限定されないが、基材強度やプリンター内での搬送性等の観点から、通常、50〜200μm程度である。
【0022】
本発明の熱転写シートを製造するには、各樹脂成分と所望により各種配合剤とを、水あるいは芳香族炭化水素等の有機溶剤に溶解または分散させて、基材シートの片面に塗工する方法、Tダイからシート状に溶融押出して基材シートの片面に積層する方法などが挙げられるが、当該樹脂組成物の性能を損なわない方法であれば特定の方法に限定されるものではない。
【0023】
本発明の熱転写シートは、印字性が良好であり、一般に使用されている熱転写方式のプリンターを備えるワードプロセッサなどを用いて容易かつ鮮明に印刷することができる。また、本発明の熱転写シートは、被転写布へ転写し、基材シートを剥離した後、水洗すると、樹脂組成物の水溶性熱可塑性樹脂成分が除去されるため、貼付跡が目立たず、生地の柔軟性を損なわない画像が得られる。なお、水洗により、水溶性熱可塑性樹脂中に分散している非水溶性熱可塑性樹脂成分の一部も除去される。水洗後には、被転写布上には実質的に非水溶性熱可塑性樹脂成分の一部のみが残されるが、この残存する非水溶性熱可塑性樹脂成分によって画像を形成するインクの被転写布への固着性が高められ、堅牢性が高く、耐洗濯性が良好な画像が得られる。
【0024】
被転写布としては、シャツ、下着、布地など所望のものを使用することができる。本発明の熱転写シートは、一般のワープロに付属するプリンターにより印字(文字、絵など)することができ、しかも家庭用アイロンなどで簡単に被転写布に転写させることができる。転写後には、水洗または洗濯することにより、水溶性熱可塑性樹脂が溶解除去される一方、印字部分が脱落することなく強固に固着し、非常に柔軟で、風合いが良好な布類を得ることができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。
なお、表中の数値は、全て固形分の重量%を示す。
【0026】
[実施例1〜9]
表1に示す組成と配合割合の水溶性熱可塑性樹脂と非水溶性熱可塑性樹脂を、溶媒として水(実施例1〜6)またはトルエン(実施例7〜9)を用いて溶解または分散させた後、塗工可能な粘度に固形分濃度を調整し、剥離紙上に、コンマヘッドを備えた塗工機で乾燥厚さ50μmで塗工し、乾燥し、次いで、A4サイズに裁断した。
このようにして得られた熱転写シートの転写面に、市販の熱転写方式のプリンターを備えたワードプロセッサを用いて、鏡像文字にて任意の文字を印字後、温度を中温に設定した市販のアイロンを使用して、木綿生地上に約20秒間加熱・加圧して印字模様を転写させた。転写後、水洗して転写層を溶解除去した。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0003694358
【0028】
(脚注)
(*1)ポリエスターWR−930、日本合成化学工業(株)製
(*2)ポリエスターWR−901、日本合成化学工業(株)製
(*3)PEO−1、住友精化(株)製
(*4)パオゲンPP−15、第一工業製薬(株)製
(*5)PEG4000N、三洋化成工業(株)製
(*6)フロービーズLE−1080、住友精化(株)製
(*7)ポリエスターMOP−835、日本合成化学工業(株)製
(*8)スミカフレックス、住友化学(株)製
(*9)三井石油化学工業(株)製
(*10)特 性
【0029】
印字性
熱転写シートに熱転写方式のプリンターで印刷した時における印字の濃淡を次の3段階で評価した。
〇:濃い
△:やや薄い
×:薄い
【0030】
耐洗濯性
通常の洗濯(乾燥機を使用した乾燥を含む)を連続20回行った後の印字の濃淡を次の3段階で評価した。
〇:濃い
△:やや薄い
×:薄い
【0031】
違和感
被転写布の柔軟性、風合い等から違和感の有無を次の3段階で評価した。
〇:違和感なし
△:やや違和感がある
×:違和感が強い
【0032】
[比較例1〜7]
表2に示す組成と配合割合の水溶性熱可塑性樹脂と非水溶性熱可塑性樹脂を、溶媒として水(比較例2〜7)を用いて溶解または分散させた後、塗工可能な粘度に固形分濃度を調整し、剥離紙上に、コンマヘッドを備えた塗工機で乾燥厚さ50μmで塗工し、乾燥し、次いで、A4サイズに裁断した。
このようにして得られた熱転写シートの転写面に、市販の熱転写方式のプリンターを備えたワードプロセッサを用いて、鏡像文字にて任意の文字を印字後、温度を中温に設定した市販のアイロンを使用して、木綿生地上に約20秒間加熱・加圧して印字模様を転写させた。転写後、水洗して転写層を溶解除去した。結果を表2に示す。なお、比較例1は、市販のアイロン転写シートについて評価したものである。
【0033】
【表2】
Figure 0003694358
(脚注)
(*1)〜(*10)は、表1の脚注と同じ。
(*11)市販のアイロン転写シート
【0034】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物を使用した熱転写シートは、以下に示すような顕著な効果を奏することができる。
(1)印字性が良好である。
(2)被転写布に転写後、貼付跡が目立たない。
(3)生地の柔軟性を損なわない。
(4)堅牢性が高く、耐洗濯性も良好な画像が得られる。
(5)被転写布に対して直接アイロンをかけることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、熱転写シートの斜視図である。
【図2】図2は、本発明の熱転写シートの断面図である。
【図3】図3は、本発明の熱転写シートの転写層に熱転写方式により画像を印刷した時の断面図である。
【図4】図4は、本発明の熱転写シートの転写層を被転写布上へ転写する方法を示す説明図である。
【図5】図5は、本発明の熱転写シートを非転写布に転写後、基材シートを剥離した時の断面図である。
【図6】図6は、本発明の熱転写シートを非転写布に転写後、基材シートを剥離し、次いで、水洗して転写層を溶解除去した時の断面図である。
【符号の説明】
1:熱転写シート
2:基材シート
3:転写層
4:水溶性熱可塑性樹脂(マトリックス)
5:非水溶性熱可塑性樹脂(分散相)
6:熱転写インクの画像
7:被転写布
8:熱源
9:転写画像

Claims (1)

  1. 材シート上に、水溶性熱可塑性樹脂55.0〜99.5重量%中に非水溶性熱可塑性樹脂0.5〜45.0重量%を分散させた樹脂組成物から形成された転写層を有する熱転写シートを用いて、該転写層の表面に熱転写性インクからなる画像を形成し、次いで、該転写層の表面に形成した画像を被転写布に熱転写した後、該被転写布を水洗して、非水溶性熱可塑性樹脂によって該被転写布に固着された転写画像を残存させることを特徴とする熱転写シートを用いた画像形成方法。
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