JP3694227B2 - 冷菓注出装置の注出コック - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷菓注出装置の注出コックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6に従来の冷菓注出装置の注出コック近傍の側面を示す。ジョイントパイプ1の上流端3は、内部にアイスクリームバックなどの冷菓を収容した図示しないシリンダに接続されている。ジョイントパイプ1の下流端5は、注出コック7に嵌合している。注出コック7には、ほぼ鉛直方向に延び且つジョイントパイプ1に連通する冷菓流路9が形成されている。冷菓流路9の下端には星型キャップ11が取り付けられており、星型キャップ11により注出口13が構成されている。冷菓流路9は、開閉ピストン15により開閉される。開閉ピストン15には、注出コック7に揺動可能に支持されたレバー17のピストン作動用腕19が係合している。開閉ピストン15の上端には、注出スイッチ作動片21が取り付けられている。開閉ピストン15と共に注出スイッチ作動片21が上昇すると、図示しない注出スイッチがオンになり冷菓の注出が行われるようになっている。このような構成の注出コックにおいて、従来は、長時間冷菓の注出を行わない場合、冷菓の垂れ防止及び空気中の細菌の付着防止の観点より、図7に示されるように星型キャップ11の周囲に嵌合される注出口先端カバー23により注出口13を覆うようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、製作・加工誤差によって、ある星型キャップ11と注出口先端カバー23との組み合わせによっては、星型キャップ11と注出口先端カバー23との間の密閉性が非常に高くなり、以下のような問題を引き起こす恐れがある。すなわち、冷菓の注出が終了した時点で星型キャップ11に注出口先端カバー23を装着するが、注出口先端カバー23の内側には一定量の比較的に冷えた空気が密封される。そして、その状態で放置されると相対的に高温な外気により注出口先端カバー23内側の空気が暖められ、カバー内で膨張する。しかし、星型キャップ11と注出口先端カバー23との間の密閉性が高い場合、カバー内圧の上昇により注出口先端カバー23が吹き飛ばされたり、あるいは、内圧により開閉ピストンが上方に押し上げられる恐れがある。そして、注出口先端カバー23が飛ばされた場合には、冷菓の垂れや注出口13への細菌付着の問題が生じ、また、図6に示されるように開閉ピストンが押し上げられた場合には、図示しない注出スイッチがオンになり冷菓が注出口13より注出されてしまう問題が生じる。
【0004】
従って、本発明は、自然に注出口先端カバーが脱落したり冷菓が注出されてしまうことを防止することができる、冷菓注出装置の注出コックを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の冷菓注出装置の注出コックは、冷菓流路を有する注出コック本体と、前記冷菓流路の下流端に注出口を構成する注出口構成部材と、前記冷菓流路を開閉する冷菓流路開閉部材と、前記注出口構成部材に着脱自在に設けられ前記注出口を覆う注出口先端カバーと、前記注出口先端カバー、前記注出口構成部材及び前記冷菓流路開閉部材により囲まれる空間内の空気を排出する排出手段とを備えたことを特徴とする。
前記排出手段は、前記注出口先端カバーの上部に設けられた呼吸穴、あるいは、前記注出口先端カバー及び前記注出口構成部材の一方の部分であって他方との接触部分に設けられた呼吸溝、あるいは、前記注出口先端カバーに設けられた弁であってもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に本発明の実施の形態1に係る注出コックを備えた冷菓注出装置の側面を示す。冷菓注出装置31は、その上部に冷却室33、下部に機械室35を備えている。冷却室33内には、シリンダ37及びブラインタンク39が設けられている。シリンダ37内には、ピストン41が昇降可能に設けられている。また、ブラインタンク39内には、液圧によりピストン41をストロークさせるためのブライン43が貯留されている。一方、機械室35内には、ポンプ45が設けられている。ポンプ45は、配管47,49によってシリンダ37及びブラインタンク39に接続されている。また、冷菓注出装置31の前壁部には、注出コック51が設けられている。注出コック51は、ジョイントパイプ53を介してシリンダ37に接続されている。
【0007】
図2に注出コックの詳細を示す。注出コック51のコック本体55内には、ほぼ鉛直方向に延びる縦穴56が形成されている。縦穴56の下部は、ジョイントパイプ53の冷菓の通路と連通する冷菓流路57となっている。縦穴56には、冷菓流路57を開閉する冷菓流路開閉部材として、縦穴56の延長方向に沿ってストロークする開閉ピストン59が収容されている。また、コック本体55には、レバー61が揺動自在に取り付けられている。レバー61には、ピストン作動用腕63が一体的に設けられている。ピストン作動用腕63は、開閉ピストン59に設けられた係止穴65内に収容されており、レバー61が揺動されると、ピストン作動用腕63も一緒に揺動しそれに応じて開閉ピストン59が冷菓流路57内を上下にストロークする。開閉ピストン59の上端部には、注出スイッチ作動片67が取り付けられている。これにより、開閉ピストン59が冷菓流路57内を上昇すると注出スイッチ作動片67も上昇し、注出コック51の上方に設けられた注出スイッチ69(図1参照)をオンするようになっている。冷菓流路57の下端には、注出口71を構成する注出口構成部材として星型キャップ73が設けられている。更に、星型キャップ73の外周には注出口先端カバー75が着脱自在に取り付けられている。尚、注出口先端カバー75は、長時間冷菓の注出を行わない場合などに、冷菓の垂れ防止及び空気中の細菌の付着防止の観点より取り付けられるものであり、冷菓の注出を行う場合には、図1に示されるように星型キャップ73から取り外されている。
【0008】
図2及び図3に示されるように、注出口先端カバー75は、上部が開口し底部が閉塞したほぼ円筒状の部材である。また、注出口先端カバー75の上端は折り返されていて、星型キャップ73への十分な締付力が得られるようになっており、注出口先端カバー75が星型キャップ73から不本意に外れてしまうことが防止されている。また、注出口先端カバー75の側面上部には、呼吸穴77が穿設されている。呼吸穴77は、開閉ピストン59の下部59a、星型キャップ73及び注出口先端カバー75の内面によって囲まれた空間79内の空気を注出口先端カバー75の外へ排出する排出手段として機能する。また、呼吸穴77は、注出口先端カバー75が星型キャップ73に嵌合されている際に、星型キャップ73と干渉しない限りにおいて注出口先端カバー75の側面のできるだけ上方に設けられている。
【0009】
次に、上述した注出コック及びそれを備えた冷菓注出装置の作用について説明する。シリンダ37内のピストン41上方には、冷菓としてアイスクリームを詰めたアイスクリームバック81が収容されている。利用者が注出コック51のレバー61を下方に揺動させると、開閉ピストン59が上方に移動し、冷菓流路57が開放されると共に注出スイッチ作動片67を介して注出スイッチ69がオン状態にされる。注出スイッチ69の作動によりポンプ45が起動してブラインタンク39内のブライン43がシリンダ37内のピストン41の下方に圧送され、ブラインの液圧によりピストン41がシリンダ37内を上昇する。これによりアイスクリームバック81に圧力が付与され、アイスクリームは開放された冷菓流路57を介して注出口71より注出される。また、レバー61が上方に揺動されると、開閉ピストン59が下方に移動し、冷菓流路57が閉塞されると共に、注出スイッチ69がオフ状態となってピストン41下方へのブライン43の供給が停止され、アイスクリームの注出が停止される。
【0010】
一方、長時間冷菓の注出を行わない場合、冷菓の垂れ防止及び空気中の細菌の付着防止の目的より、星型キャップ73の外周に注出口先端カバー75を取り付ける。これにより当初は、開閉ピストン59の下部59aの下面、星型キャップ73の内面及び注出口先端カバー75の内面によって囲まれた空間79内には比較的に冷えた空気が存在することとなるが、その状態が継続すると、注出口先端カバー75の外に存在する相対的に高温な外気により空間79内の空気が暖められ、かかる空気は空間79内で膨張しようとする。しかし、本実施の形態においては、注出口先端カバー75に呼吸穴77が穿設されているので、空間79内で膨張し始めた空気は、呼吸穴77を通って注出口先端カバー75の外へ排出され、空間79の圧力が上昇するのが抑制されている。よって、星型キャップ73と注出口先端カバー75との間の密閉性が高い場合でも、従来のように、自然に注出口先端カバー75が脱落したり、開閉ピストン59が上昇して冷菓が注出されてしまうことが防止されている。また、万が一、冷菓が注出口71から垂れてきた場合、呼吸穴77が注出口先端カバー75の下部に設けられていると、垂れた冷菓が呼吸穴77から外に漏れる恐れも有るが、本実施の形態では、呼吸穴77は、星型キャップ73と干渉しない限りにおいて注出口先端カバー75の側面のできるだけ上方に設けられているので、垂れた冷菓は、呼吸穴77から外に漏れることなく、注出口先端カバー75の底に滞留される。
【0011】
また、注出口先端カバー75を使用する一つの目的は空気中の細菌の付着防止であるが、呼吸穴77から細菌が侵入する可能性については以下の通り殆どない。すなわち、上述したように注出口先端カバー75の内側の圧力は、平衡状態となる前には常にカバー外側の圧力よりも高くなるため、呼吸穴77を通る空気の流れは注出口先端カバー75の内側から外側への一方向だけであり、注出口先端カバー75の外側から内側への流れは生じない。また、注出口先端カバー75内外の圧力が平衡状態になった後も、注出口先端カバー75には呼吸穴77以外に出入口がなく且つ呼吸穴77自体は微少であるため、呼吸穴77から空気は流入することができず、呼吸穴77を介する空気の出入りはない。よって、呼吸穴77から細菌が侵入することは起こり得ない。
【0012】
実施の形態2.
図4に本発明の実施の形態2に係る注出コックの注出口先端カバーを示す。注出口先端カバー175には、実施の形態1の呼吸穴77に代えて呼吸溝177が設けられており、本実施の形態のそれ以外の部分は、実施の形態1と同様である。呼吸溝177は、注出口先端カバー175における星型キャップ73との接触部分の内面及び上面に開口する溝であり、注出口先端カバー175が星型キャップ73に嵌められた際に、空間79と注出口先端カバー175の外部とを連通することができる。かかる構成によっても、空間79内で膨張し始めた空気は呼吸溝177を通って注出口先端カバー175の外へ排出され、空間79の圧力が上昇するのが抑制されるので、自然に注出口先端カバー175が脱落したり、開閉ピストン59が上昇して冷菓が注出されてしまうことを防止することができる。
【0013】
実施の形態3.
図5に本発明の実施の形態3に係る注出コックの注出口先端カバーを示す。本実施の形態では、空間79内の空気の排出手段が注出口先端カバーではなく星型キャップの方に設けられている点を除いては、上述した実施の形態2と同様である。注出口先端カバー275は、呼吸穴177が設けられていない点を除き、実施の形態2の注出口先端カバー175と同様である。星型キャップ273には呼吸溝277が設けられている。呼吸溝277は、星型キャップ273おける注出口先端カバー275との接触部分である円周部273aの下面、外側面及び上面に開口しており、注出口先端カバー275が星型キャップ273に嵌められた際に、空間79と注出口先端カバー275の外部とを連通することができる。かかる構成によっても、空間79内で膨張し始めた空気は呼吸溝277を通って注出口先端カバー275の外へ排出され、空間79の圧力が上昇するのが抑制される。
【0014】
その他の実施の形態.
更に、本発明における空間79内の空気の排出手段としては、弁を用いても良い。すなわち、注出口先端カバーの側面に設けられた穴と、更に、同カバーの外面に設けられてかかる穴を外側から覆う蓋状の弁体とからなる弁を用いても良い。あるいは、実施の形態1において呼吸穴77を設けることに代え、逆止弁を直接設けてもよい。このような構成によれば、空間79内で膨張し始めた空気は開弁する排出手段を通って注出口先端カバーの外へ排出され、空間79の圧力が上昇するのを抑制できるだけでなく、空気が注出口先端カバーの内側から外側に流れる場合にのみ開弁し、同カバーの外側から内側に流れる方向には閉弁するように弁を構成することで、注出口先端カバーの外から細菌が侵入することを防止する効果も得ることができる。
【0015】
尚、本発明の注出口構成部材及び冷菓流路開閉部材は、それぞれ上述した星型キャップ及び開閉ピストンの態様に限定されるものではなく、例えば、注出口構成部材は注出コック本体の一部であっても良く、また、冷菓流路開閉部材はピストンの態様ではなく例えば弁のような他の態様であっても良い。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の注出コックによれば、注出口先端カバー、注出口構成部材及び冷菓流路開閉部材により囲まれる空間内の空気を排出する排出手段を備えているため、空間内で膨張し始めた空気は、排出手段を介して注出口先端カバーの外へ排出され、当該空間の圧力が上昇するのが抑制されている。よって、注出口構成部材と注出口先端カバーとの間の密閉性が高い場合でも、自然に注出口先端カバーが脱落したり、冷菓流路開閉部材が自然に開いて冷菓が注出されてしまうことが防止されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る注出コックを備えた冷菓注出装置の側面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る注出コック近傍の側面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る注出コックの注出口先端カバーの斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態2に係る注出コックの注出口先端カバーの斜視図である。
【図5】 本発明の実施の形態3に係る注出コックの注出口先端カバー及び星型キャップの斜視図である。
【図6】 従来の冷菓注出装置の注出コック近傍の側面に関し、冷菓流路が開いた状態の図である。
【図7】 従来の冷菓注出装置の注出コック近傍の側面に関し、冷菓流路が閉じた状態の図である。
【符号の説明】
55…注出コック本体、57…冷菓流路、59…開閉ピストン(冷菓流路開閉部材)、71…注出口、73…星型キャップ(注出口構成部材)、75…注出口先端カバー、77…呼吸穴(排出手段)、79…空間、177,277…呼吸溝(排出手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷菓注出装置の注出コックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6に従来の冷菓注出装置の注出コック近傍の側面を示す。ジョイントパイプ1の上流端3は、内部にアイスクリームバックなどの冷菓を収容した図示しないシリンダに接続されている。ジョイントパイプ1の下流端5は、注出コック7に嵌合している。注出コック7には、ほぼ鉛直方向に延び且つジョイントパイプ1に連通する冷菓流路9が形成されている。冷菓流路9の下端には星型キャップ11が取り付けられており、星型キャップ11により注出口13が構成されている。冷菓流路9は、開閉ピストン15により開閉される。開閉ピストン15には、注出コック7に揺動可能に支持されたレバー17のピストン作動用腕19が係合している。開閉ピストン15の上端には、注出スイッチ作動片21が取り付けられている。開閉ピストン15と共に注出スイッチ作動片21が上昇すると、図示しない注出スイッチがオンになり冷菓の注出が行われるようになっている。このような構成の注出コックにおいて、従来は、長時間冷菓の注出を行わない場合、冷菓の垂れ防止及び空気中の細菌の付着防止の観点より、図7に示されるように星型キャップ11の周囲に嵌合される注出口先端カバー23により注出口13を覆うようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、製作・加工誤差によって、ある星型キャップ11と注出口先端カバー23との組み合わせによっては、星型キャップ11と注出口先端カバー23との間の密閉性が非常に高くなり、以下のような問題を引き起こす恐れがある。すなわち、冷菓の注出が終了した時点で星型キャップ11に注出口先端カバー23を装着するが、注出口先端カバー23の内側には一定量の比較的に冷えた空気が密封される。そして、その状態で放置されると相対的に高温な外気により注出口先端カバー23内側の空気が暖められ、カバー内で膨張する。しかし、星型キャップ11と注出口先端カバー23との間の密閉性が高い場合、カバー内圧の上昇により注出口先端カバー23が吹き飛ばされたり、あるいは、内圧により開閉ピストンが上方に押し上げられる恐れがある。そして、注出口先端カバー23が飛ばされた場合には、冷菓の垂れや注出口13への細菌付着の問題が生じ、また、図6に示されるように開閉ピストンが押し上げられた場合には、図示しない注出スイッチがオンになり冷菓が注出口13より注出されてしまう問題が生じる。
【0004】
従って、本発明は、自然に注出口先端カバーが脱落したり冷菓が注出されてしまうことを防止することができる、冷菓注出装置の注出コックを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の冷菓注出装置の注出コックは、冷菓流路を有する注出コック本体と、前記冷菓流路の下流端に注出口を構成する注出口構成部材と、前記冷菓流路を開閉する冷菓流路開閉部材と、前記注出口構成部材に着脱自在に設けられ前記注出口を覆う注出口先端カバーと、前記注出口先端カバー、前記注出口構成部材及び前記冷菓流路開閉部材により囲まれる空間内の空気を排出する排出手段とを備えたことを特徴とする。
前記排出手段は、前記注出口先端カバーの上部に設けられた呼吸穴、あるいは、前記注出口先端カバー及び前記注出口構成部材の一方の部分であって他方との接触部分に設けられた呼吸溝、あるいは、前記注出口先端カバーに設けられた弁であってもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に本発明の実施の形態1に係る注出コックを備えた冷菓注出装置の側面を示す。冷菓注出装置31は、その上部に冷却室33、下部に機械室35を備えている。冷却室33内には、シリンダ37及びブラインタンク39が設けられている。シリンダ37内には、ピストン41が昇降可能に設けられている。また、ブラインタンク39内には、液圧によりピストン41をストロークさせるためのブライン43が貯留されている。一方、機械室35内には、ポンプ45が設けられている。ポンプ45は、配管47,49によってシリンダ37及びブラインタンク39に接続されている。また、冷菓注出装置31の前壁部には、注出コック51が設けられている。注出コック51は、ジョイントパイプ53を介してシリンダ37に接続されている。
【0007】
図2に注出コックの詳細を示す。注出コック51のコック本体55内には、ほぼ鉛直方向に延びる縦穴56が形成されている。縦穴56の下部は、ジョイントパイプ53の冷菓の通路と連通する冷菓流路57となっている。縦穴56には、冷菓流路57を開閉する冷菓流路開閉部材として、縦穴56の延長方向に沿ってストロークする開閉ピストン59が収容されている。また、コック本体55には、レバー61が揺動自在に取り付けられている。レバー61には、ピストン作動用腕63が一体的に設けられている。ピストン作動用腕63は、開閉ピストン59に設けられた係止穴65内に収容されており、レバー61が揺動されると、ピストン作動用腕63も一緒に揺動しそれに応じて開閉ピストン59が冷菓流路57内を上下にストロークする。開閉ピストン59の上端部には、注出スイッチ作動片67が取り付けられている。これにより、開閉ピストン59が冷菓流路57内を上昇すると注出スイッチ作動片67も上昇し、注出コック51の上方に設けられた注出スイッチ69(図1参照)をオンするようになっている。冷菓流路57の下端には、注出口71を構成する注出口構成部材として星型キャップ73が設けられている。更に、星型キャップ73の外周には注出口先端カバー75が着脱自在に取り付けられている。尚、注出口先端カバー75は、長時間冷菓の注出を行わない場合などに、冷菓の垂れ防止及び空気中の細菌の付着防止の観点より取り付けられるものであり、冷菓の注出を行う場合には、図1に示されるように星型キャップ73から取り外されている。
【0008】
図2及び図3に示されるように、注出口先端カバー75は、上部が開口し底部が閉塞したほぼ円筒状の部材である。また、注出口先端カバー75の上端は折り返されていて、星型キャップ73への十分な締付力が得られるようになっており、注出口先端カバー75が星型キャップ73から不本意に外れてしまうことが防止されている。また、注出口先端カバー75の側面上部には、呼吸穴77が穿設されている。呼吸穴77は、開閉ピストン59の下部59a、星型キャップ73及び注出口先端カバー75の内面によって囲まれた空間79内の空気を注出口先端カバー75の外へ排出する排出手段として機能する。また、呼吸穴77は、注出口先端カバー75が星型キャップ73に嵌合されている際に、星型キャップ73と干渉しない限りにおいて注出口先端カバー75の側面のできるだけ上方に設けられている。
【0009】
次に、上述した注出コック及びそれを備えた冷菓注出装置の作用について説明する。シリンダ37内のピストン41上方には、冷菓としてアイスクリームを詰めたアイスクリームバック81が収容されている。利用者が注出コック51のレバー61を下方に揺動させると、開閉ピストン59が上方に移動し、冷菓流路57が開放されると共に注出スイッチ作動片67を介して注出スイッチ69がオン状態にされる。注出スイッチ69の作動によりポンプ45が起動してブラインタンク39内のブライン43がシリンダ37内のピストン41の下方に圧送され、ブラインの液圧によりピストン41がシリンダ37内を上昇する。これによりアイスクリームバック81に圧力が付与され、アイスクリームは開放された冷菓流路57を介して注出口71より注出される。また、レバー61が上方に揺動されると、開閉ピストン59が下方に移動し、冷菓流路57が閉塞されると共に、注出スイッチ69がオフ状態となってピストン41下方へのブライン43の供給が停止され、アイスクリームの注出が停止される。
【0010】
一方、長時間冷菓の注出を行わない場合、冷菓の垂れ防止及び空気中の細菌の付着防止の目的より、星型キャップ73の外周に注出口先端カバー75を取り付ける。これにより当初は、開閉ピストン59の下部59aの下面、星型キャップ73の内面及び注出口先端カバー75の内面によって囲まれた空間79内には比較的に冷えた空気が存在することとなるが、その状態が継続すると、注出口先端カバー75の外に存在する相対的に高温な外気により空間79内の空気が暖められ、かかる空気は空間79内で膨張しようとする。しかし、本実施の形態においては、注出口先端カバー75に呼吸穴77が穿設されているので、空間79内で膨張し始めた空気は、呼吸穴77を通って注出口先端カバー75の外へ排出され、空間79の圧力が上昇するのが抑制されている。よって、星型キャップ73と注出口先端カバー75との間の密閉性が高い場合でも、従来のように、自然に注出口先端カバー75が脱落したり、開閉ピストン59が上昇して冷菓が注出されてしまうことが防止されている。また、万が一、冷菓が注出口71から垂れてきた場合、呼吸穴77が注出口先端カバー75の下部に設けられていると、垂れた冷菓が呼吸穴77から外に漏れる恐れも有るが、本実施の形態では、呼吸穴77は、星型キャップ73と干渉しない限りにおいて注出口先端カバー75の側面のできるだけ上方に設けられているので、垂れた冷菓は、呼吸穴77から外に漏れることなく、注出口先端カバー75の底に滞留される。
【0011】
また、注出口先端カバー75を使用する一つの目的は空気中の細菌の付着防止であるが、呼吸穴77から細菌が侵入する可能性については以下の通り殆どない。すなわち、上述したように注出口先端カバー75の内側の圧力は、平衡状態となる前には常にカバー外側の圧力よりも高くなるため、呼吸穴77を通る空気の流れは注出口先端カバー75の内側から外側への一方向だけであり、注出口先端カバー75の外側から内側への流れは生じない。また、注出口先端カバー75内外の圧力が平衡状態になった後も、注出口先端カバー75には呼吸穴77以外に出入口がなく且つ呼吸穴77自体は微少であるため、呼吸穴77から空気は流入することができず、呼吸穴77を介する空気の出入りはない。よって、呼吸穴77から細菌が侵入することは起こり得ない。
【0012】
実施の形態2.
図4に本発明の実施の形態2に係る注出コックの注出口先端カバーを示す。注出口先端カバー175には、実施の形態1の呼吸穴77に代えて呼吸溝177が設けられており、本実施の形態のそれ以外の部分は、実施の形態1と同様である。呼吸溝177は、注出口先端カバー175における星型キャップ73との接触部分の内面及び上面に開口する溝であり、注出口先端カバー175が星型キャップ73に嵌められた際に、空間79と注出口先端カバー175の外部とを連通することができる。かかる構成によっても、空間79内で膨張し始めた空気は呼吸溝177を通って注出口先端カバー175の外へ排出され、空間79の圧力が上昇するのが抑制されるので、自然に注出口先端カバー175が脱落したり、開閉ピストン59が上昇して冷菓が注出されてしまうことを防止することができる。
【0013】
実施の形態3.
図5に本発明の実施の形態3に係る注出コックの注出口先端カバーを示す。本実施の形態では、空間79内の空気の排出手段が注出口先端カバーではなく星型キャップの方に設けられている点を除いては、上述した実施の形態2と同様である。注出口先端カバー275は、呼吸穴177が設けられていない点を除き、実施の形態2の注出口先端カバー175と同様である。星型キャップ273には呼吸溝277が設けられている。呼吸溝277は、星型キャップ273おける注出口先端カバー275との接触部分である円周部273aの下面、外側面及び上面に開口しており、注出口先端カバー275が星型キャップ273に嵌められた際に、空間79と注出口先端カバー275の外部とを連通することができる。かかる構成によっても、空間79内で膨張し始めた空気は呼吸溝277を通って注出口先端カバー275の外へ排出され、空間79の圧力が上昇するのが抑制される。
【0014】
その他の実施の形態.
更に、本発明における空間79内の空気の排出手段としては、弁を用いても良い。すなわち、注出口先端カバーの側面に設けられた穴と、更に、同カバーの外面に設けられてかかる穴を外側から覆う蓋状の弁体とからなる弁を用いても良い。あるいは、実施の形態1において呼吸穴77を設けることに代え、逆止弁を直接設けてもよい。このような構成によれば、空間79内で膨張し始めた空気は開弁する排出手段を通って注出口先端カバーの外へ排出され、空間79の圧力が上昇するのを抑制できるだけでなく、空気が注出口先端カバーの内側から外側に流れる場合にのみ開弁し、同カバーの外側から内側に流れる方向には閉弁するように弁を構成することで、注出口先端カバーの外から細菌が侵入することを防止する効果も得ることができる。
【0015】
尚、本発明の注出口構成部材及び冷菓流路開閉部材は、それぞれ上述した星型キャップ及び開閉ピストンの態様に限定されるものではなく、例えば、注出口構成部材は注出コック本体の一部であっても良く、また、冷菓流路開閉部材はピストンの態様ではなく例えば弁のような他の態様であっても良い。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の注出コックによれば、注出口先端カバー、注出口構成部材及び冷菓流路開閉部材により囲まれる空間内の空気を排出する排出手段を備えているため、空間内で膨張し始めた空気は、排出手段を介して注出口先端カバーの外へ排出され、当該空間の圧力が上昇するのが抑制されている。よって、注出口構成部材と注出口先端カバーとの間の密閉性が高い場合でも、自然に注出口先端カバーが脱落したり、冷菓流路開閉部材が自然に開いて冷菓が注出されてしまうことが防止されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る注出コックを備えた冷菓注出装置の側面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る注出コック近傍の側面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る注出コックの注出口先端カバーの斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態2に係る注出コックの注出口先端カバーの斜視図である。
【図5】 本発明の実施の形態3に係る注出コックの注出口先端カバー及び星型キャップの斜視図である。
【図6】 従来の冷菓注出装置の注出コック近傍の側面に関し、冷菓流路が開いた状態の図である。
【図7】 従来の冷菓注出装置の注出コック近傍の側面に関し、冷菓流路が閉じた状態の図である。
【符号の説明】
55…注出コック本体、57…冷菓流路、59…開閉ピストン(冷菓流路開閉部材)、71…注出口、73…星型キャップ(注出口構成部材)、75…注出口先端カバー、77…呼吸穴(排出手段)、79…空間、177,277…呼吸溝(排出手段)。
Claims (4)
- 冷菓流路を有する注出コック本体と、
前記冷菓流路の下流端に注出口を構成する注出口構成部材と、
前記冷菓流路を開閉する冷菓流路開閉部材と、
前記注出口構成部材に着脱自在に設けられ前記注出口を覆う注出口先端カバーと、
前記注出口先端カバー、前記注出口構成部材及び前記冷菓流路開閉部材により囲まれる空間内の空気を排出する排出手段と、
を備えたことを特徴とする冷菓注出装置の注出コック。 - 前記排出手段は、前記注出口先端カバーの上部に設けられた呼吸穴であることを特徴とする請求項1に記載の冷菓注出装置の注出コック。
- 前記排出手段は、前記注出口先端カバー及び前記注出口構成部材の一方の部分であって他方との接触部分に設けられた呼吸溝であることを特徴とする請求項1に記載の冷菓注出装置の注出コック。
- 前記排出手段は、前記注出口先端カバーに設けられた弁であることを特徴とする請求項1に記載の冷菓注出装置の注出コック。
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