JP3573105B2 - 電気ポットの止水弁構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本願発明は、電気ポットに関し、特に容器本体の転倒時或いは容器本体が所定角度を越えて傾斜した時に、容器本体内の内容液が外部に流出するのを防止してなる電気ポットの止水弁構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気ポットは、電動ポンプ或いは手動ポンプをも備え、該ポンプを駆動することにより、容器本体内のお湯を注液通路を介して注出口より注液するものであるが、このポットは、持ち運びする等のことから転倒したり、所定角度を超えて傾斜したりすることがあり、もしそのようなことになり注液通路に何も設けられていないと容器本体内のお湯が流出し、思わぬ災害にもなりかねない。
【0003】
そのため、従来の電気ポットにおいては、注液通路の途中に、容器本体の転倒時あるいは容器本体が所定角度を超えて傾斜した時に作動して該注液通路を閉止する転倒流水止水弁、傾斜流水止水弁及び残水戻し弁等からなる止水弁ユニットを設けて、容器本体の転倒時あるいは容器本体が所定角度を超えて傾斜した時におけるお湯等の外部への流出を防止するようにしている。そしてこれらの止水弁ユニットは、前記注出口が設けられる箇所であって、電気ポットの各種スイッチ及び表示装置が設けられる前方側の下部内面に形成される内部空間内に設けられている。
【0004】
ところが、従来の傾斜流水止水弁は、ポットが前方側(注出口側)に所定角度、例えば20°傾斜した場合、前方側に移動し、前方側通路上に設けられる弁座としての止水部に当接し、該止水部を閉鎖して内容液の流出を防いでいる。この場合、止水弁ユニットの構造上、止水弁ユニット内に形成される内容液流入口から前記止水部までの内容液通路中、該止水部が、最も高い位置に設けられているため、ポットの満水液位センタと傾斜流水止水弁の止水部とを結ぶ傾斜角度は、同満水液位センタと止水弁ユニット内に形成される内容液通路中の内容液最高通過点とを結ぶ傾斜角度は同じであった。
【0005】
即ち、従来は、ポットが前方側(注出口側)に所定角度、例えば20°傾斜した場合、傾斜流水止水弁と内容液がほぼ同時に前記止水部方向に移動していた。そのため傾斜流水止水弁は、内容液の水圧で押されることになり、該傾斜流水止水弁が前記止水部に当接する衝撃力が大きくなり、その場合、傾斜流水止水弁が激しく動き止水部を完全に閉鎖する前に内容液が流出したり、更には、傾斜流水止水弁に当接する衝撃力で止水部が損傷し、十分な閉鎖機能が達成されなくなることもあった。その点をカバーするため、従来はわざわざ、前記止水部にステンレス板を噛まし止水部の補強を行っていた。
【0006】
また、従来の止水弁ユニットを収納している内部空間は、内容液を入れる内容器の側部が近接しており内部空間の前後方向(注出口とヒンジピンとを結ぶ方向)はあまり余裕がないこともあり、従来の電気ポットは、転倒流水止水弁及び傾斜流水止水弁等を上下方向に設けていた。しかしながらこのような配置は、ポット自体の高さが高くなることを意味し、ポット全体のコンパクト化、具体的には、内容器内の満水位置と蓋体の内面部との高さをできるだけ短くしてポット全体の高さを低くするコンパクト化は、非常に難しいものがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、上記欠点を解消するもので、電気ポットの所定角度以上の傾斜による傾斜流水をより確実に低減するとともに、止水弁ユニットの高さを低くすることにより、電気ポットをコンパクト化し、コストを低減してなる止水弁構造を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願発明は以下の構成を採用する。
【0009】
本願発明は、内容液を収納するための容器本体と、該容器本体の内容液を注液通路を介して注出口から注出するためのポンプと、前記注液通路に設けられ、内部に前記ポンプ側から前記注出口側に向かって転倒流水止水弁、該転倒流水止水弁が着座可能な弁座、傾斜流水止水弁及び該傾斜流水止水弁が着座可能な止水部を有する止水弁ユニットとを備えた電気ポットであって、前記止水弁ユニットは、前記転倒流水止水弁が着座可能な前記弁座と前記傾斜流水止水弁との間に内容液最高通過点を設け、満水液位センタから前記傾斜流水止水弁の前記止水部までの角度を、前記満水液位センタから前記内容液最高通過点までの角度より小さくすることにより、ポットを前記注出口側に傾斜した時に、前記傾斜流水止水弁が前記止水部を閉じた後、内容液が前記止水部に到達する構成。
【0010】
そしてこの構成により、ポットが前記注出口側に所定の角度、例えば20°傾斜した時に、通常では傾斜流水止水弁と内容液がほぼ同時に傾斜流水止水弁の弁座部である止水部に到達することになるため、止水部より内容液を完全に閉鎖することは難しかったが、本願発明においては、前記傾斜角度(例えば20°)でまず傾斜流水止水弁が止水部に到達し、該止水部に当接する。この場合まだ内容液は流れてこないので傾斜流水止水弁が止水部に当接する衝撃は少なくなり、特別のシール手段を別途設ける必要はなくなる。その後ポットが更に傾斜(25°)してやっと内容液が止水弁に到達することになるが、その時には、すでに傾斜流水止水弁が止水部を完全に閉鎖しているため、内容液が該止水部より流出することはなくなる。
【0011】
また、本願の止水弁ユニットの傾斜流水が流れる傾斜角度(25°)は、従来の角度(20°)と同じ角度にしてもよいが、この場合、満水液位センタと止水弁ユニット内に形成される内容液通路中の内容液最高通過点とを結ぶ傾斜角度(25°)を小さくすればよく、この角度を小さくするということは、止水弁ユニットの取り付け位置を下げて内容液最高通過点をより低い位置(5度低い位置)にするということである。このように止水弁ユニットの取り付け位置を下げることができるということは、ポット全体の高さを低くすることができるということであり、電気ポットのコンパクト化が図れる。
【0012】
また、転倒流水止水弁と傾斜流水止水弁同一平面上で交錯状態に設けることにより、止水弁ユニット内に設ける転倒流水止水弁と傾斜流水止水弁とを上下に積層するような形態ではなく、平面上に配置することになるため、止水弁ユニットをより低く形成でき、よりコンパクト化が図れる。
【0013】
また、内容液最高通過点転倒流水止水弁の上壁から上方に立設し、少なくとも内容液が通る面に設けるリブの頂部にすることにより、内容液最高通過点の高さを可変できるため、適切なコンパクト化が測れ、その製造が容易となる。
【0014】
また、傾斜流水止水弁の止水部の受け部材傾斜流水止水弁の止水部自体にすることにより、止水部を補強するための特別なシール手段が必要なくなり、コストが低減する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の実施の形態について詳述する。
【0016】
図1に本願発明の電気ポットの全体断面図を示し、図2ないし図8には、本願発明の止水弁ユニット全体の各面から見た図を示す。次いで、図9ないし図12には、本願発明の止水弁ユニットの上部材を各面から見た図を示し、図13ないし図17には、本願発明の止水弁ユニットの中部材を各面から見た図を示し、図18ないし図21には、本願発明の止水弁ユニットの下部材を各面から見た図を示す。
【0017】
この電気ポット、図1に示すように、例えば水(即ち、内容液)を収容できるように構成された容器本体1と、該容器本体1の上部開口を覆蓋する開閉且つ着脱自在な蓋体2とを備えて構成されている。
【0018】
前記容器本体1は、内周面を構成する金属製(例えば、ステンレス製)の内容器3と、外周面を構成する合成樹脂製(例えば、ポリプロピレン製)の外ケース4と、前記内容器3の上端縁と外ケース4の上端縁とを結合する合成樹脂製(例えば、ポリプロピレン製)の肩部材5と、前記外ケース4の下端開口を覆う合成樹脂製(例えば、ポリプロピレン製)の底板6とによって構成されており、前記内容器3と外ケース4および底板6との間には空間部7が形成されている。
【0019】
前記蓋体2は、前記肩部材5の後方側に形成されたヒンジ受け8に対して係脱自在なヒンジピン9を介して開閉且つ着脱自在に取り付けられている。また、蓋体2の略中央部には、手動ポンプを形成する押圧部材10が配置されており、該押圧部材10を押圧することにより図示しないベローズにより内容器3内を加圧し、内容器3内の内容液を注出する。
【0020】
符号12は、蓋体2の底部に設けられる蒸気排出口であり、内容器3内の蒸気圧が所定以上になるとその蒸気を蓋体2の後部上面に設けられる蒸気口13より大気に放出する。該蒸気排出口12の直下には、転倒止水弁11が設けられており、ポットが転倒した場合に蒸気排出口12を塞ぎ、該蒸気排出口12を介して蒸気口13より内容液が排出するのを防止する。
【0021】
また、前記蓋体2の下部には、更に金属製の内蓋部材14がビスにより一体的に取り付けられているとともに、該内蓋部材14の外周端には、リング状のシールパッキン15が狭持され、閉蓋時、該シールパッキン15は内容器3の上端部に当接し、内容器3を確実にシールする。
【0022】
内容器3は、上方が開口する中空円筒状を呈し、その外周部は真空断熱部材を構成してなるとともに、それぞれステンレス製の金属板よりなる内側筒状体16、外側筒状体17からなり、それら両部材16、17の上端部同士を溶着接合することにより図示のような内部空間18を形成し、該内部空間18を真空引きすることにより真空の閉断面構造体(真空二重壁構造体)を形成している。
【0023】
前記内容器3の開口端部は、内側筒状体16及び外側筒状体17ともに内側に凹んだリング状の絞り部19を形成し、内容器3内の熱の逃げを低減している。該絞り部19を設けることにより、熱の逃げを低減するとともに、該絞り部19の外側には、それだけ余分の空間が生じることになり、止水弁ユニットの配置に、このより広がった空間を有効に利用することができる。
【0024】
前記内容器3の底部下面には、該内容器3内に収容された水を加熱するための電気ヒータ20が配設されている。符号21は、内容器3内に収容された水(あるいは湯)の温度(具体的には、内容器3の温度)を検出するための温度センサー、22は電気ヒータ20の熱が下方へ輻射されるのを防止するための遮熱板である。
【0025】
また、肩部材5の前面部(即ち、反ヒンジ部)は、平面視略三角形とされ、その内部に内方空間24を形成している。そしてその上部表面には、各種操作スイッチ類を配置した操作パネル23が設けられ、前記内方空間24には、本願発明の止水弁ユニット25、即ち、ポットが所定以上傾斜ならびに転倒した場合に、注液通路7aを閉鎖し、熱いお湯が流出しないようにする安全装置が配設されるとともに、該止水弁ユニット25の先端に形成される注出口26は、内方空間24を形成する外ケース4の前方湾曲部壁4aに設けられる下部孔4bより下向きに突出配置される。前記内容器3の底部には、該内容器3内の湯を外部へ注出するための電動ポンプ7bが配置され、更に前記内容器3と外ケース4との間の前方側(即ち、反ヒンジピン側)に形成された空間部7には上下方向に注液通路7aが配設される。そして、該注液通路7aの一方は、前記電動ポンプ7bに接続されるとともに、他方は前記止水弁ユニット25に接続され、手動ポンプ或いは電動ポンプ7bの作動により内容器3内のお湯を止水弁ユニット25を介して適宜注出口26より注出する。
【0026】
符号25は、本願発明の止水弁ユニットであり、それぞれ樹脂製の上部材27、中部材28及び下部材29の3部材によって構成されるとともに、それら3部材によって内部に傾斜流水止水弁を配設する第1弁室Vと転倒流水止水弁及び残水戻し弁とを配設する第2弁室Wとを備えてなる。そしてこれら3部材の外周縁には凸部33或いは溝部34がそれぞれ形成され、それら凸部33と溝部34とを嵌合して組み合わせた後に、嵌合箇所を超音波溶着によって一体化したものである。
【0027】
図2ないし図8は、3部材を組み合わせた後の各面からみた図を示し、図2はその平面図、図3はその側面図、図4はその底面図、図5は図2のA−A線断面図、図6は図2のB−B線断面図、図7は図2のC−C線断面図、図8は図2のD−D線断面図である。図2の全体平面図に示すように止水弁ユニットは、平面視略クランク状からなり、図2の左右方向に広がりを持たしており、ポット前方側の前記内方空間24内の高さが低い空間内に配置可能の形状並び高さとされている。ポット前方側の内方空間24内の高さが低い理由は、ポットをテーブル等の上に置き座ったままで操作する場合、ポットの高さが高いと操作し難いとか、或いはデザイン等からの要望により、最近のポットは図1に示すように縦方向にコンパクト化、それも沸騰時の体積膨張、或いは沸騰時の表面の波揺れにより、内蓋部材14に設けられる空気口が塞がれない程度の高さがあればよいとされ、され、必然的に前記内方空間24内の高さを低くせざるを得ないためである。
【0028】
該止水弁ユニット25は、前記したように樹脂製の上部材27、中部材28及び下部材29の3部材からなるクランク形状を呈する。以後、そのクランク形状の各辺を形成する部分を注出口26側から第1領域35,第2領域36及び第3領域37と呼ぶ。
【0029】
第1領域35は、図4にも示すようにその先端下部に注出口26を有するとともに、その内部に断面ほぼ円形の細長い管状通路である第1注液通路35aを構成し、第2領域36は、傾斜流水止水弁30を収納し、該傾斜流水止水弁30が移動可能な直方体形状の第2注液通路36aを構成する。更に、該第2領域36に対し、前記第1領域35と反対側に位置する第3領域37は、上下方向の連通路を有し、その下部空間には、転倒流水止水弁31が配置されてなる平面視略円形状とされる。
【0030】
この止水弁ユニット25の配置方向は、次の通りである。即ち、図2のB−B線或いはC−C線方向がポットの前後方向を示し、図2では示されていない(図4に示す。)が、第1領域35の左最下方端に注出口26が設けられており、その注出口26の中心を通り、前記B−B線或いはC−C線と平行な線が、ポットの左右方向での中心位置であり、この止水弁ユニット25は、ポットの左右方向での中心位置より右側に偏って配設されることになる。このように配設することにより、ポットの前後方向に位置するものに比べて止水弁ユニット25を大きく形成できるため、内部に設ける弁の大きさならびに内部の通路形状も設計に幅を持たせることができる。
【0031】
また該止水弁ユニット25は、図1に示すように内容器3の満液位Hより上方に設けられており、その内部には、容器本体1の転倒時あるいは該容器本体1が所定角度(例えば、45°)を超えて傾斜した時に作動して注出口26への内容液を閉止する転倒流水止水弁31と、前記容器本体1が注出口26側へ前記所定角度より小さい角度α(例えば、20°)で前傾した時に作動して注液通路を閉止する傾斜流水止水弁30及び注液操作が停止された場合、止水弁ユニット25内の内容液を内容器3側に戻すための残水戻し弁32とが配設されており、それら各弁30、31、32のうち、傾斜流水止水弁30は第1弁室Vに、転倒流水止水弁31及び残水戻し弁32は第2弁室Wに配置される。
【0032】
各領域について各図を見ると、図3の側面図及び図4の底面図、ならびに図8に、第1領域35の先端下部に注出口26が形成されることが示され、図8の断面図に、上部材27の第1領域35に形成される下方開放空間と、中部材28の同じく第1領域35に形成される上方開放空間とで第1領域35に第1注液通路35aが形成されることが示される。また、図5及び図6に、上部材27の第2領域36に形成される下方開放空間と、中部材28の同じく第2領域36に形成される上方開放空間とで第2領域36に第2注液通路36aが形成され、該第2注液通路36a内に傾斜流水止水弁30が配設されるとともに、この第2注液通路36aを第1弁室Vにしていることが示される。また、第2領域36の下部材29によって形成される上方開放空間には、残水戻し弁32が配置されることが示される。更に、図7に、第3領域37の下部材29によって形成される上方開放空間には、転倒流水止水弁31が配置されることが示される。そして、中部材28の第2及び第3領域36、37に亘って形成される下方開放空間と、下部材29の同じく第2及び第3領域36、37に亘って形成される上方開放空間とで第2弁室Wが形成されることが、図5及び図7に示される。
【0033】
各部材27、28、29について説明すると、図9ないし図12に止水弁ユニット25の上部材27を各面から見た図を示し、図9はその平面図、図10は図9のA−A線断面図、図11は図9のC−C線断面図、図12はその底面図を示す。
【0034】
上部材27は、止水弁ユニット25の上壁を形成し、全体としてみれば、前記第1領域35ないし第3領域37にかけてその外面上方側に突出して膨出部を形成し、その膨出部の形状に対応した空間をその内面に形成し、更に、内面の全外周縁部に、中部材28の全外周縁部に形成される溝部と嵌合可能な凸部33を設けたものである。
【0035】
即ち、その第1領域35の外面上方側には、その中央部に内容液の流れる方向に沿って外面上方に突き出た断面略半円弧状の上部材第1膨出部38が形成されるとともに、その内面には、該上部材第1膨出部38に対応した断面略半円弧状の上部材第1空間27aが形成される。この上部材第1空間27aは、図12に示すように第1領域35においては直線上で、且つ第1領域35の略全長に亘る長さで形成され、後記の中部材の第1領域35に形成される断面略半円弧状の通路空間と組み合わされて第1注液通路35aを形成することになる。
【0036】
そして、これら上部材第1膨出部38及び上部材第1空間27aは、図11に示すように注出口26側に向かって高さが高くなるように形成されている。
【0037】
なお、この内面先端部(注出口26側)には、後付けリブ27eが上部材27成形後に内容液の流れ方向に沿って改めて取り付けられ、注出口26から注出する内容液の流れを整流する。
【0038】
上部材27の第2領域36の外面上方側には、前記第1領域35と第2領域36との区画部であるく字状に折れ曲がった部分より第2領域36内に少し入り込んだ箇所まで、第1領域35に設けられている上部材第1膨出部38が連続して形成されるとともに、更に、その上部材第1膨出部38に連続して、上部材第1膨出部38の幅より広い幅を有する断面コ字状の上部材第2膨出部40が内容液の流れる方向に沿って第2領域36の略全長に亘り形成される。該上部材第2膨出部40の高さは、上部材第1膨出部38とほぼ同程度である。
【0039】
そして、その内面には、上部材第1膨出部38及び上部材第2膨出部40に対応した位置において、下方開放空間である断面略半円弧状の上部材第1空間27a及び断面コ字状で略水平な上部材第2空間27bが形成される。勿論上部材第1空間27aは、前記第1領域35に形成される上部材第1空間27aに連続し、且つ同一の断面からなる。そして、断面略半円弧状の上部材第1空間27aと断面コ字状の上部材第2空間27bとの連通部に形成される段部を傾斜流水止水弁30用の弁座部27fとしている。
【0040】
この弁座部27fは半円部であるが、上部材27と中部材28とが組み合わされた場合には、中部材28の通路に形成されるやはり半円部の弁座部と一体とされることにより球状の傾斜流水止水弁30の弁座としての止水部が構成され、ポットが所定角度(20°)以上傾斜した時に、傾斜流水止水弁30が前方側(注出口26側)に移動し、該弁座部27fである止水部に当接することにより、第1注液通路35aを閉鎖し、注出口26から内容液が流出しないようにする。なお、本願発明の止水弁ユニットにおいては、傾斜流水止水弁30の弁座である止水部には、後で格別なシール材は用いられなく、上部材と中部材とを組み合わせた後に形成される部分をそのまま止水部として利用している。このような形態にすることにより部品点数を低減できる。
【0041】
また、この第2領域36の後端部(反注出口26側)であって、第3領域37と反対側側面には、図10及び図12に示すように、断面半月状の空間閉鎖リブ27gが垂下されている。この空間閉鎖リブ27gは、中部材28に形成する傾斜流水止水弁30が収納される空間の形状を整えるために利用される。
【0042】
上部材27の第3領域37の外面上方側には、略円柱状の上部材第3膨出部42が形成されている。この上部材第3膨出部42は、前記上部材第2膨出部40より高くされ、平面視での大きさは図9に示すように第3領域37全体の面積に比べほぼ半分である。そしてその内面には、上部材第3膨出部42の形状と同じ形状の下方開放空間である上部材第3空間27cが形成される。この上部材第3空間27cが設けられる位置は、図12に示すように上部材第2空間27bに対し、第2領域36の後端部(反注出口26側)に設けられる空間閉鎖リブ27gと反対側になる。
【0043】
該上部材第3空間27cは、その径幅において上部材第2空間27bと連通されるが、空間の高さは、上部材第3空間27cの方が高いため、両空間の連通部には、内容液の流れを妨げないように傾斜状の段差部27iが設けられるとともに、該段差部27iの図12で見ての最上部位置、実際には、上部材第2空間27b上に、く字状の整流リブ27hを設けている。該整流リブ27hは、く字状の一辺を上部材第2空間27b前方側(注出口26側)の弁座部27f方向に向けており、上部材第3空間27c内にその下部から上方向に導入される内容液は、傾斜状の段差部27i及び弁座部27f方向に向いて配置される整流リブ27hを介して上部材第2空間27bの前方側に押し出されることになる。
【0044】
また、上部材27の内面の外周縁部の全周にわたり、凸部33が形成され、中部材28の上面外周縁部の全周にわたって形成される溝部34に嵌合される。更に、上部材第1空間27a、上部材第2空間27b及び上部材第1空間27cの縁まわりである通路縁部44は、その全周に亘り土手のように高さをやや高く形成されており、中部材28の各通路縁部の水平部に当接し、第1領域35では細長い筒状の第1注液通路35aを形成し、第2領域36では箱状の第2注液通路36aを形成し、第3領域37では円柱状の通路を形成する。
【0045】
次いで中部材28について説明すると、図13ないし図17に止水弁ユニット25の中部材28を各面から見た図を示し、図13はその平面図、図14は図13のA−A線断面図、図15は図13のB−B線断面図、図16は図13のC−C線断面図、図17はその底面図を示す。
【0046】
該中部材28は、第1領域35ないし第3領域37を有し、第1領域35及び第2領域36の前方側(注出口26側)においては下壁を構成し、第2領域36の後方側及び第3領域37では中壁を構成する。
【0047】
中部材28の上面は、水平で全ての空間はその下部に形成される。図13に示すようにその上面全外周縁部には、溝部34が形成されるとともに、該溝部34は、中部材28の上部に上部材27を被せた場合、上部材27の内面全外周縁部に形成される凸部33と嵌合する。
【0048】
この中部材28の第1領域35は、止水弁ユニット25の下壁を構成し、その上面には、下方に凹んだ上方開放空間である中部材第1上部空間28aが形成されるとともに、その先端部には、注出口26が穿設される。中部材第1上部空間28aは、第1領域35内では直線で、且つ断面略半円弧状で注出口26に行くに従ってやや絞られており、内容液の流速を早め、その流出を良好にする。また、この中部材第1上部空間28aの底部は、図16に示すように注出口26に向かって高くされ、中部材28の上部に上部材27を被せた場合、全体として断面略円形の細長い管状通路である第1注液通路35aを形成することになる。この第1注液通路35aは、図8に示すように注出口26に行くに従って高くなる通路とされ、注液操作終了後の第1注液通路35a内の内容液の戻りを早め、注出口26からの後ダレを防止する。
【0049】
中部材28の第2領域36の上面には、前記第1領域35と第2領域36との区画部であるく字状に折れ曲がった部分より第2領域36内に少し入り込んだ箇所まで、第1領域35に設けられている上方開放空間である中部材第1上部空間28aが連続して形成され、更に、その中部材第1上部空間28aに連続して、該中部材第1上部空間28aの幅より広い幅を有し、やはり上方開放空間である断面コ字状の中部材第2上部空間28bが内容液の流れる方向に沿って第2領域36の略全長に亘り形成される。
【0050】
第2領域36における中部材第1上部空間28aと中部材第2空間28bとの連通部には、段部が形成されることになるが、この部分に傾斜流水止水弁30用の止水部である弁座部50を形成している。
【0051】
そして中部材28の上部に上部材27を被せた場合、この弁座部50は、上部材27の第2領域36に形成される弁座部27fと一体となり、1つの弁座である止水部を形成し、ポットが注出側に一定(例えば、20°)以上傾斜した場合に、前方側に移動する傾斜流水止水弁30が当接し、内容液を注出口26より流出させないようにする。
【0052】
前記中部材第2上部空間28bは、注出口26側の前方室45と反注出口26側の後方室46とからなる。そして前方室45は、平面視矩形状からなり、その底面壁45aは、図14に示すように注出口26側に向かって高くなる傾斜が形成され、該傾斜が終わる最も低い位置が、後方室の底面壁46aとなる。前方室45と一体的に形成されるこの後方室46は、平面視略前方後円形状を呈し、且つその底面壁46aは水平とされ、ポットの正立時では、この空間に傾斜流水止水弁30が収納される。
【0053】
この後方室46の平面視略前方後円形状のうち、円形部分は、図13に示すように、第3領域37と反対側に形成されるが、その理由はその下部に残水戻し弁32が配置される円形の弁室を形成する必要があるためである。
【0054】
ところで、この中部材第2上部空間28b内には、球状の金属製からなる傾斜流水止水弁30が移動可能に配置されることになるが、該中部材第2上部空間28bの幅は、傾斜流水止水弁30の径より少し大きい程度のほうが傾斜流水止水弁30の動きが滑らかに行われることから、中部材第2上部空間28bの幅はそのような幅で形成されているが、前記後方室46の円形部分は、傾斜流水止水弁30の滑らかな移動を妨げる空間になっている。
【0055】
このような弊害をなくするために、前記したように上部材27の第2領域36内面に垂下される断面半月状の空間閉鎖リブ27gによってこの円形部分の空間を埋めている。即ち、中部材28の上部に上部材27を被せた場合、上部材27に設けられる断面半月状の空間閉鎖リブ27gが、中部材28後方室46の円形状部分に入り込み、止水弁ユニット組立後では中部材第2上部空間28bの平面視形状が1つの連続的な矩形状である第1弁室Vを構成する。その結果、該第1弁室V内における傾斜流水止水弁30の移動が滑らかになる。そしてここが第2注液通路36aであり、第1弁室Vでもある。
【0056】
また、前記前方室45の底面壁45aと後方室46の底面壁46aには、両底面壁45a、46aに亘って連続したレール状リブ47が形成される。このレール状リブ47は、中部材第2上部空間28bの内容液流れ方向中央部に弁座部50から後方室46のほぼ後端側(反注出口26側)まで連続して設けられるとともに、図14に示すように、弁座部50から後端側に向かって下降するように例えば20°の角度で傾斜される。そして、該レール状リブ47の上で傾斜流水止水弁30を移動させることにより、その移動抵抗が少なくなり、ポットが注出口26方向に所定の傾斜、例えば20°傾斜した場合、直ちに注出口26方向に移動して弁座部27f及び50からなる止水部に当接する。
【0057】
前記後方室46の底面壁46aには、残水戻し孔48が穿設される。前記したように、中部材第1上部空間28a及び中部材第2上部空間28bは、注出口26から後方室46に向かって下向きに傾斜しており、注液操作終了後においては、これら中部材第1上部空間28a及び中部材第2上部空間28bに注出されずに残った内容液は、該傾斜部を後方室46に向かって流れ落ち、前記残水戻し孔48から下部の空間内に戻される。この場合、ポットの正立時に後方室46内に位置する傾斜流水止水弁30は、前記レール状リブ47の上に載置されることになるので、該傾斜流水止水弁30によって残水戻し孔48が塞がれることはない。また、中部材28の第1領域35と第2領域36との湾曲部近傍には、支持溝49が一体的に取り付けられており、該支持溝49に図示しない取り付け部材を嵌着することにより、該止水弁ユニット25をポットに一体的に連結する。
【0058】
中部材28の第3領域は平面視略円形状であり、図13に示すように、その中央部には、上下方向に上下室連通孔52が穿設されるとともに、その他の部分は、水平壁53を形成する。該水平壁53は、中部材28の上面とほぼ同じ高さの壁面であり、その下部に形成される第2弁室Wの天井壁を兼用する。そのため、この水平壁53は、中部材第2上部空間28bの底面壁45a,46aより高い位置を占め、この位置が、止水弁ユニット内に形成される通路での内容液最高通過点となる。
【0059】
そして該水平壁53は、中部材第2上部空間28bの底面壁45a,46aは勿論、傾斜流水止水弁30が当接する止水部よりも高い位置を占めることになるため、ポットが注出口側に傾斜し、内容液が注出口26より流出する傾斜角度を大きくできる。即ち、傾斜流水止水弁30が当接する止水部と図1に示すポットの満水位センタHCとを結ぶ傾斜角度より、水平壁53と満水位センタHCとを結ぶ傾斜角度の方が大きくなるためである。
【0060】
更に前記上下室連通孔52の上部外周縁には、注出口26側に略半円状に障壁リブ51が立設される。この障壁リブ51は、通常のポット使用時ではその注液に各別影響はないが、止水弁ユニット内に形成される通路での内容液最高通過点をより高くすることになる。そのため、該障壁リブ51の頂部と図1に示すポットの満水位センタHCとを結ぶ傾斜角度(図1のX−X線)(25°)を傾斜流水止水弁30が当接する止水部と図1に示すポットの満水位センタHCとを結ぶ傾斜角度(図1のY−Y線)(20°)よりより大きくすることができる。実施の形態では、この角度を25°にしている。そのため、注出口26側へのポット傾斜時には、20°以上傾斜すると前記傾斜流水止水弁が前方に移動し、止水部である弁座に当接することになるが、その傾斜角度が25°未満では傾斜流水は発生しなく、この範囲内では寧ろ傾斜流水止水弁30は必要ない。そして傾斜角度が25°を越えた時点で傾斜流水が発生するが、この時点では、すでに傾斜流水止水弁30は止水部を完全に閉鎖しているので、傾斜流水止水弁30が急激に止水部に衝突し、該止水部が損傷したり、傾斜流水が注出口26から流出する弊害をなくすることができる。
【0061】
前記上下室連通孔52は、図15に示すように、上部が広く、下部が狭いテーパー状とされ、下部から上部へと流れる内容液の流出抵抗を低減する。
【0062】
中部材28の底面側には、第2領域36の下部に中部材第2下部空間28dが形成され、第3領域37の下部に中部材第3下部空間28eが形成され、それら両空間28d及び28eは図17に示すように、一体的に連通され、その平面視は全体として略瓢箪形状を呈する。この場合、第2領域36の下部に形成される中部材第2下部空間28dの天井は、前記後方室46の底面壁46aが兼用し、第3領域37の下部に形成される中部材第3下部空間28eの天井は、第3領域37の前記水平壁53が兼用する。そのため、中部材第3下部空間28eは、より大きな空間からなり、中部材第2下部空間28dは、より小さな空間からなる。即ち、中部材第2下部空間28d及び中部材第3下部空間28eからなる中部材下部空間は、後方室46の底面壁46a、水平壁53及び側壁を形成する側部区画壁54からなる下方開放空間であり、下部材29に形成される上方開放空間とで第2弁室Wを形成する。
【0063】
該第2弁室Wの中部材第2下部空間28dの天井壁は、前記したように後方室46の底面壁46aが兼用し、その底面壁46aに設けられる残水戻し孔48は、図17に示すように中部材第2下部空間28dのほぼ中央部に位置するように設けられる。そしてこの残水戻し孔48を取り囲んで第1円筒部材59が垂下される。この第1円筒部材59は、残水戻し弁32に対する内容液による急激な動きを低減し、中部材28に下部材29を嵌合する際の位置決めにも利用される。
【0064】
前記第2弁室Wの中部材第3下部空間28eの天井壁は、前記したように第3領域37の水平壁53が兼用するため、該中部材第3下部空間28eは、中部材第2下部空間28dに比べて大きな空間を形成する。そしてこの中部材第3下部空間28eの天井である水平壁53に上下室連通孔52が設けられていることは前述したとおりであるところ、その上下室連通孔52は、図15に示すように、その天井である水平壁53のほぼ中央部に設けられ、その下部には、テーパー状の弁座部材52aが垂下される。該弁座部材52aの先端は弁座面52b、それも注出口26側に22°傾斜した弁座面からなり、ポットが所定以上、例えば45度以上傾斜した場合、この弁座面52bの下方に位置する転倒流水止水弁31が弁座面52bに当接して、内容液が注出口26より注出しないようにする。
【0065】
また前記第2弁室Wの一部を形成してなる側部区画壁54の全下端部には、図15及び図17に示すように凸部33が形成されており、下部材29に設けられる溝部34に嵌合される。
【0066】
次に下部材29について説明すると、該下部材29は、前記中部材28下部に形成される側部区画壁54の下部を覆う下部壁を構成するもので、第2領域36の後方側(反注出口側)と第3領域37にまたがって配設される平面視略瓢箪形状からなる。
【0067】
該下部材29は、その全体を下方に膨出し、その内部に上方開放空間を形成した部材であり、図18及び図21に示すようにそのほぼ中央部にポットの注液通路7aに連通する流入口60aを有する流入管60が形成され、その左右に転倒流水止水弁31及び残水戻し弁32が設けられる。
【0068】
転倒流水止水弁31は、金属製からなり、図7に示すように、断面ベース形状の弁体からなっており、通常時においては断面円錐形状の弁収納室61に配設される。この弁収納室61の底面には、複数本の円錐形状のスライドガイド62が円錐状面に沿って設けられており、転倒流水止水弁31はこのスライドガイド62上に着座される。なお、転倒流水止水弁31は、前記した形状ではなく球状等であっても良い。
【0069】
また、残水戻し弁32は、図5に示すように、球状の弁体からなり、水より軽い部材、例えば樹脂製等で形成され、第2弁室Wが満水の時には残水戻し孔48を塞ぎ、非満水時には、残水戻し孔48を開放して中部材28後方室46内の水を排出する。このように第2弁室Wが非満水時であるポットの非注液操作時には、後方室46内の水を確実に排出することになるので、従来の重力によって開放する戻しゴム弁に比べて、後方室46内に水が残り、その水が腐敗するようなことはなくなる。
【0070】
下部材29の内面には、第2領域36に相当する箇所に下部材第2空間29aが、第3領域37に相当する箇所に下部材第3空間29bがそれぞれ形成される。それら両室29a、29bは、連通された空間であり、且つ両室の間に上下方向に開口する流入口60aが形成される。その結果、下部材29を中部材28に組み付けた場合には、平面視において、流入口60aの左右にそれぞれ傾斜流水止水弁30と転倒流水止水弁31とが配置されることになる。
【0071】
前記下部材第2空間29a内には、残水戻し弁32を収納配置するための第2円筒部63が立設され、更にこの第2円筒部63内の底部中央には図19に示すように突起65が立設される。この第2円筒部63の径は、その中で残水戻し弁32があまり横振れしないように残水戻し弁32の径に比べてやや大きい程度とされるとともに、図18に示すように、流入口60a側の面に縦方向の切欠64が設けられる。残水戻し弁32は、図5に示すように第2円筒部63内に突起65上に載置される形態で収納され、第2弁室W内に内容液が導入された場合には、該内容液は、切欠64から第2円筒部63内に侵入し、収納されている残水戻し弁32を浮かせる。水に浮く残水戻し弁32は、内容液の増大とともに上昇し、最終的には、その天井壁である後方室46底面壁46aに当接し、そこに形成される残水戻し孔48を閉鎖する。
【0072】
また、この下部材29が中部材28に組み付けられる際には、第2円筒部63は、中部材第2下部空間28dに垂下される第1円筒部59内に嵌入する形態で組み付けられる。そのため、第2弁室W内に導入する内容液が切欠64から第2円筒部63内に一度に侵入することがなくなるので、残水戻し弁32の上動が滑らかになる。
【0073】
前記下部材第3空間29b内には、前記したように断面ベース形状の転倒流水止水弁31を配置するための弁収納室61が形成される。この弁収納室61は、図18及び図20に示すようにその全体が円錐形状を呈し、その内面には複数本の円錐形状のスライドガイド62が一体的に形成されており、ポットの正立時においては、該弁収納室61内に転倒流水止水弁31が着座する。そして、ポットの転倒時あるいは該ポットが所定角度(例えば、45°)を超えて傾斜した時においては前記スライドガイド62にガイドされつつスライド移動して中部材28下部の弁座面52bを閉止する。
【0074】
前記弁収納室61の底面61aは図20に示すように傾斜されており、該弁収納室61に転倒流水止水弁31を着座させた場合には、やはり転倒流水止水弁31は傾斜して着座する。この傾斜角は、中部材第3下部空間28eに形成される弁座面52bと同じ22°であり、その傾斜方向も弁座面52bと同じの注出口26方向である。このような形態にすることにより、ポットが所定角度(例えば、45°)を超えて傾斜した時においては、即座に転倒流水止水弁31が弁座面52bに当接して確実に内容液の流出を停止する。
【0075】
また前記弁収納室61には、図5及び図18に示すように、該弁収納室61の底面61aと下部材第2空間29aとを連通するための細い連通溝66がスライドガイド62に沿って形成されており、該連通溝66を介して弁収納室61内に水を導入し易くしており、ポットが所定角度傾斜した時、この連通溝66を介して弁収納室61内に水をすばやく導入して転倒流水止水弁31のいどうの応答性を高めている。
【0076】
前記下部材第2空間29a及び下部材第3空間29bを有してなる下部材29の上面外周縁部には、その全てに亘り溝部34が設けられており、この下部材29を中部材28に組付けた時には、この溝部34に中部材28の凸部33が嵌合する。そして下部材29と中部材28とを組付けた時には、傾斜流水止水弁30と転倒流水止水弁31とは、同一平面上で高さが交錯する位置になるよう配置される。このように各弁を配置することにより止水弁ユニットの高さを確実に低減する。
【0077】
上部材27、中部材28及び下部材29をそれぞれの凸部33と溝部34とを嵌合し、超音波溶着により3者を一体化して止水弁ユニットを構成し、該ユニットをポットに組み込んで用いることになる。そしてポンプを駆動して内容液を注液する場合、その内容液は、注液通路7aに連結される流入管60からまず第2弁室Wに導入する。そして該第2弁室Wを充満する過程で、残水戻し弁32を第2円筒部63内で上動させ、該残水戻し弁32で残水戻し孔48を閉鎖する。該残水戻し孔48が閉鎖されることにより、残水戻し孔48より内容液が第1弁室Vに直接流出することはなくなる。
【0078】
第2弁室Wが内容液で充満されるとその内容液は、弁収納室61の上方部に設けられる上下室連通孔52より中部材第3上部空間28c及び上部材第3空間27cによって形成される空間部に押し出され、次いで上部材27に設けられる整流リブ27hに沿って、第1弁室Vに流れ込む。この場合、傾斜流水止水弁30は、整流リブ27hの後側に位置することになるので、第1弁室Vに流れ込む内容液によって動かされることはない。
【0079】
第1弁室Vに流れ込んだ内容液は、第1弁室Vとしての第2注液通路36aを前方に移動し、その後は、第2注液通路36aに連続して形成される第1注液通路35aを通ってその先端の注出口26より注液される。
【0080】
そして注液操作が終了すると、内容液が送られなくなるため、第1注液通路35a内に残された内容液は、第1注液通路35a及び第2注液通路36aの底部に連続して形成される傾斜に沿って第1弁室Vの後方室46に戻され、該後方室46底部に設けられる残水戻し孔48より第2弁室W内に排出される。
【0081】
本願発明は、上記実施の態様の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能であることは勿論である。
【0082】
【発明の効果】
本願発明は、止水弁ユニットを、転倒流水止水弁が着座可能な弁座と傾斜流水止水弁との間に内容液最高通過点を設け、満水液位センタから傾斜流水止水弁の止水部までの角度を、満水液位センタから内容液最高通過点までの角度より小さくし、ポットを前記注出口側に傾斜した時に、傾斜流水止水弁が止水部を閉じた後、内容液が止水部に到達するようにすることにより、ポットが注出口側に所定の角度、例えば20°傾斜した時に、まず傾斜流水止水弁が止水部に到達して該止水部に当接するので、衝撃は少なくなり、特別のシール手段を別途設ける必要はなくなり部品点数の低減ならびにコストを低減することができる。また、その後ポットが更に傾斜(25°)してやっと内容液が止水弁に到達することになるが、その時には、すでに傾斜流水止水弁が止水部を完全に閉鎖しているため、内容液が該止水部より流出し、思わぬ災害を引き起こすことを防止することができる。
【0083】
また、転倒流水止水弁と傾斜流水止水弁を、同一平面上で交錯状態に設けることにより、止水弁ユニット内に設ける転倒流水止水弁と傾斜流水止水弁とを上下に積層するような形態ではなく、平面上に配置することになるため、止水弁ユニットをより低く形成でき、更に最近のポットは、お湯を入れる内容器の上端が、内側に絞られた形状のものが用いられることが多くなっているが、このような形状のものでは、内容器の上端外周部は、内側にへこんだ形状を呈しているため、その分止水弁ユニットを収納する空間が広がることになり、本願発明の止水弁ユニットの形状を同一平面状の左右方向だけでなく、前後方向にも広がりを持たせることができるため、それだけその形状に融通性を持たせることができ、設計がし易くなり、よりコンパクト化が図れる。
【0084】
また、内容液最高通過点を、転倒流水止水弁の上壁から上方に立設し、少なくとも内容液が通る面に設けるリブの頂部にすることにより、内容液最高通過点を簡単な構成で設定でき、且つこの高さは簡単に可変できるため、適切なコンパクト化が測れるとともに、その製造が容易となり、コストを低減することができる。
【0085】
また、傾斜流水止水弁の止水部の受け部材を、該傾斜流水止水弁の止水部自体にすることにより、止水部を補強するための特別なシール手段が必要なくなり、それだけコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の電気ポットの全体断面図。
【図2】本願発明の止水弁ユニットの平面図。
【図3】本願発明の止水弁ユニットの側面図。
【図4】本願発明の止水弁ユニットの底面図。
【図5】図2のA−A線断面図。
【図6】図2のB−B線断面図。
【図7】図2のC−C線断面図。
【図8】図2のD−D線断面図。
【図9】本願発明の止水弁ユニット上部材の平面図。
【図10】図9のA−A線断面図。
【図11】図9のC−C線断面図。
【図12】本願発明の止水弁ユニット上部材の底面図。
【図13】本願発明の止水弁ユニット中部材の平面図。
【図14】図13のA−A線断面図。
【図15】図13のB−B線断面図。
【図16】図13のC−C線断面図。
【図17】本願発明の止水弁ユニット中部材の底面図。
【図18】本願発明の止水弁ユニット下部材の平面図。
【図19】図18のA−A線断面図。
【図20】図18のB−B線断面図。
【図21】本願発明の止水弁ユニット下部材の底面図。
【符号の説明】
1…容器本体 2…蓋体 3…内容器
4…外ケース 5…肩部材 9…ヒンジピン
H…満液位 V,W…第1弁室、第2弁室 10…押圧部材
11…転倒止水弁 12…蒸気排出口 13…蒸気口
14…内蓋部材 15…シールパッキン 16…内側筒状体
17…外側筒状体 18…内部空間 19…絞り部
20…電気ヒータ 23…操作パネル 24…内方空間
25…止水弁ユニット 26…注出口 27…上部材
28…中部材 29…下部材 30…傾斜流水止水弁
31…転倒流水止水弁 32…残水戻し弁 33…凸部
34…溝部 35…第1領域 36…第2領域
37…第3領域 44…通路縁部 45…前方室
46…後方室 47…レール状リブ 48…残水戻し孔
49…支持溝 51…障壁リブ 52…上下室連通孔
53…水平壁 54…側部区画壁 59…第1円筒部
60…流入管 61…弁収納室 62…スライドガイド
63…第2円筒部 64…切欠 65…突起
66…連通溝 HC…満水位センタ 27e…後付けリブ
27f,50…弁座部 27g…空間閉鎖リブ 27h…整流リブ
27i…段差部 35a…第1注液通路 36a…第2注液通路
45a,46a…底面壁 52a…弁座部材 52b…弁座面
60a…流入口 61a…底面

Claims (1)

  1. 内容液を収納するための容器本体と、該容器本体の内容液を注液通路を介して注出口から注出するためのポンプと、前記注液通路に設けられ、内部に前記ポンプ側から前記注出口側に向かって転倒流水止水弁、該転倒流水止水弁が着座可能な弁座、傾斜流水止水弁及び該傾斜流水止水弁が着座可能な止水部を有する止水弁ユニットとを備えた電気ポットであって、前記止水弁ユニットは、前記転倒流水止水弁が着座可能な前記弁座と前記傾斜流水止水弁との間に内容液最高通過点を設け、満水液位センタから前記傾斜流水止水弁の前記止水部までの角度を、前記満水液位センタから前記内容液最高通過点までの角度より小さくすることにより、ポットを前記注出口側に傾斜した時に、前記傾斜流水止水弁が前記止水部を閉じた後、内容液が前記止水部に到達することを特徴とする電気ポットの止水弁構造。
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